JP2003124027A - コモンモードチョークコイル及びコモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンス調整方法 - Google Patents

コモンモードチョークコイル及びコモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンス調整方法

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JP2003124027A
JP2003124027A JP2001322157A JP2001322157A JP2003124027A JP 2003124027 A JP2003124027 A JP 2003124027A JP 2001322157 A JP2001322157 A JP 2001322157A JP 2001322157 A JP2001322157 A JP 2001322157A JP 2003124027 A JP2003124027 A JP 2003124027A
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coil
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mode choke
different
coils
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Takashi Tomohiro
俊 友廣
Hiromichi Tokuda
博道 徳田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コモンモードインピーダンスが調整された、
所定の特性を有するコモンモードチョークコイルを提供
する。 【解決手段】 軸方向に互いに隣接する一対の積層型の
コイル1,2について見た場合において、(a)一方のコ
イル1の巻き数と他方のコイル2の巻き数が異なる、
(b)一方のコイル1のコイル径と他方のコイル2のコイ
ル径が異なる、(c)一方のコイル1を構成する内部電極
1aの幅と他方のコイル2を構成する内部電極2aの幅
が異なる、(d)一方のコイル1を構成する各内部電極1
aの積層方向の配設間隔と他方のコイル2を構成する各
内部電極2aの積層方向の配設間隔が異なるという4つ
の要件のうちの少なくとも2つの要件を備えた構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、コモンモードチ
ョークコイルに関し、詳しくは、積層素子中に、略同軸
上に巻回され、軸方向に分離して配設された2以上の積
層型のコイルを備えたコモンモードチョークコイル及び
そのコモンモードインピーダンスの調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コモンモードチョークコイルの一つに、
図8に示すように、積層素子51中に、略同軸上に巻回
され、軸方向に分離して配設された複数(この例では2
つ)のコイル(積層型のコイル)52,53を備えたコ
モンモードチョークコイルがある。
【0003】この積層型のコモンモードチョークコイル
は、例えば、図9に示すように、上面側に所定の内部電
極(コイルパターン)54が配設されたセラミックグリ
ーンシート55を積層するとともに、上下両面側に内部
電極の形成されていない外層用のセラミックグリーンシ
ート55aを積層、圧着し、焼成した後、導電ペースト
を積層体の端面に塗布して焼き付けることにより外部電
極(図示せず)を形成する工程を経て製造されており、
所定の内部電極(コイルパターン)54がビアホール5
6により接続されることによって、積層型のコイル5
2,53(図8)が形成されている。
【0004】ところで、図8に示すように、同軸上に2
つの積層型のコイル52,53を備えたコモンモードチ
ョークコイルは、通常、(1)コイル52とコイル53の
巻き数が同一、(2)コイル52とコイル53のコイル径
が同一、(3)コイル52とコイル53の幅が同一、(4)コ
イル52とコイル53を形成するセラミックグリーンシ
ート55の厚みが同一(すなわち、コイル52を構成す
る各内部電極(コイルパターン)54の積層方向の配設
間隔と、コイル53を構成する各内部電極(コイルパタ
ーン)54の積層方向の配設間隔が同一)という4つの
要件を満たすように設計されており、コイル52とコイ
ル53は全く同じ条件となるように設計されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、積層素子51
(図8)を構成する絶縁体として、透磁率の高い材料
(磁性体)を使用した場合、磁性体の製造ロットによ
り、磁性体の透磁率にある程度のばらつきが生じる。そ
して、磁性体の透磁率がばらつくと、該磁性体を用いた
コモンモードチョークコイルのコモンモードインピーダ
ンスにもばらつきが生じ、場合によっては規格を外れて
しまうというような問題がある。このため、従来は、磁
性体の透磁率のばらつきの範囲を限定し、その範囲から
外れたロットの磁性体は廃棄するなどして、コモンモー
ドインピーダンスのばらつきの少ない製品を得るように
している。その結果、磁性体の廃棄率が高くなり、製品
のコストを押し上げるという問題点がある。
【0006】本願発明は、上記実情に鑑みてなされたも
のであり、コモンモードインピーダンスを調整して、目
標とするコモンモードインピーダンスを確保することが
可能なコモンモードチョークコイルのインピーダンス
(コモンモードインピーダンス)の調整方法及びコモン
モードインピーダンスが調整された、所定の特性を有す
るコモンモードチョークコイルを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明(請求項1)のコモンモードチョークコイ
ルは、積層素子中に、略同軸上に巻回され、軸方向に分
離して配設された2以上の積層型のコイルを備えたコモ
ンモードチョークコイルであって、軸方向に互いに隣接
する一対の積層型のコイルについて見た場合において、
(a)一方のコイルの巻き数と他方のコイルの巻き数が異
なる、(b)一方のコイルのコイル径と他方のコイルのコ
イル径が異なる、(c)一方のコイルを構成する内部電極
の幅と他方のコイルを構成する内部電極の幅が異なる、
(d)一方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配
設間隔と他方のコイルを構成する各内部電極の積層方向
の配設間隔が異なるという4つの要件のうちの少なくと
も2つの要件を備えることにより、コモンモードインピ
ーダンスの調整が行われていることを特徴としている。
【0008】軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコ
イルについて見た場合において、上記(a)〜(d)の要件
のうちの少なくとも2つの要件を備えるようにした場
合、コモンモードインピーダンスを確実に調整すること
が可能になり、所望のインピーダンス特性を備えたコモ
ンモードチョークコイルを得ることが可能になる。すな
わち、2つのコイルを有するコモンモードチョークコイ
ルの場合、コモンモードインピーダンスは、一方のコイ
ルと他方のコイルの自己インダクタンスと、両コイル間
の磁気結合(相互インダクタンス)によって定まるの
で、両コイルの巻き数を異ならせることにより、自己イ
ンダクタンス及び相互インダクタンスを異ならせて、コ
モンモードインピーダンスを調整することが可能にな
る。
【0009】また、2つのコイルを有するコモンモード
チョークコイルの場合、一方のコイルの巻き数を増やす
と、巻き数を増やしたコイルの自己インダクタンスと相
互インダクタンスが大きくなり、コモンモードインピー
ダンスも大きくなる。また、コイルの巻き数を変える
と、コモンモードインピーダンスが大きく変動するの
で、材料の透磁率が狙いよりも大きくずれた場合に効果
的である。
【0010】また、コモンモードチョークコイルにおい
て、所定のコイルについて、そのコイル径(設計コイル
径)を、少なくとも一部について変更することにより、
コモンモードインピーダンスを調整することができるこ
とは知られており、上述のように、コイルの巻き数とコ
イル径の両方を調整することにより、十分にコモンモー
ドインピーダンスを調整して、所望の特性を実現するこ
とが可能になる。なお、コイル径を異ならせた位置いか
んによって、コイル間の磁気結合が変動する(すなわ
ち、一方のコイルと他方のコイルの境界部に近い位置に
おいてコイル径を異ならせるほど、コイル径がコイル間
の磁気結合に与える影響が大きくなり、境界部に遠い位
置におけるコイル径を異ならせた場合には、コイル径が
コイル間の磁気結合に与える影響が小さくなる)ので、
コモンモードインピーダンスの調整条件などを考慮し
て、コイル径を異ならせる位置を決定することが望まし
い。
【0011】また、コモンモードチョークコイルにおい
ては、隣り合うコイルにおいて、内部電極の幅が異なる
と、コイル間の磁気結合が変動する。したがって、内部
電極の幅を異ならせることにより、コモンモードインピ
ーダンスを調整することが可能になる。なお、幅を異な
らせた内部電極の位置いかんによって、コイル間の磁気
結合が変動する(すなわち、一方のコイルと他方のコイ
ルの境界部に近い位置における内部電極の幅を異ならせ
るほど、内部電極の幅が互いのコイル間の磁気結合に与
える影響が大きくなり、境界部に遠い位置における内部
電極の幅を異ならせた場合には、内部電極の幅がコイル
間の磁気結合に与える影響が小さくなる)ので、コモン
モードインピーダンスの調整条件などを考慮して、幅を
異ならせる内部電極の位置を決定することが望ましい。
【0012】また、一方のコイルと他方のコイルの内部
電極の積層方向の配設間隔が異なると、コイル間の磁気
結合が変動するので、内部電極の積層方向の配設間隔を
異ならせることにより、コモンモードインピーダンスを
調整することができる。なお、配設間隔を異ならせる位
置によって、コイル間の磁気結合が変動する(すなわ
ち、一方のコイルと他方のコイルの境界部に近い位置に
おける内部電極の配設間隔を異ならせるほど、内部電極
の配設間隔が互いのコイル間の磁気結合に与える影響が
大きくなり、境界部に遠い位置における内部電極の配設
間隔を異ならせた場合には、コイル間の磁気結合に与え
る影響が小さくなる)ので、コモンモードインピーダン
スの調整条件などを考慮して、内部電極の配設間隔を異
ならせる位置を決定することが望ましい。
【0013】また、請求項2のコモンモードチョークコ
イルは、軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコイル
について見た場合において、前記(a)の要件と前記(b)
の要件を備えていることを特徴としている。
【0014】上記(a)の、一方のコイルの巻き数と他方
のコイルの巻き数が異なるという要件と、(b)の一方の
コイルのコイル径と他方のコイルのコイル径が異なると
いう要件を満たすことにより、コモンモードインピーダ
ンスを確実に調整することが可能になり、所望のインピ
ーダンス特性を備えたコモンモードチョークコイルを得
ることが可能になる。
【0015】また、請求項3のコモンモードチョークコ
イルは、軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコイル
について見た場合において、前記(a)の要件と前記(c)
の要件を備えていることを特徴としている。
【0016】上記(a)の、一方のコイルの巻き数と他方
のコイルの巻き数が異なるという要件と、(c)の一方の
コイルを構成する内部電極の幅と他方のコイルを構成す
る内部電極の幅が異なるという要件を満たすことによ
り、コモンモードインピーダンスを確実に調整すること
が可能になり、所望のインピーダンス特性を備えたコモ
ンモードチョークコイルを得ることが可能になる。
【0017】また、請求項4のコモンモードチョークコ
イルは、軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコイル
について見た場合において、前記(a)の要件と前記(d)
の要件を備えていることを特徴としている。
【0018】上記(a)の、一方のコイルの巻き数と他方
のコイルの巻き数が異なるという要件と、(d)の一方の
コイルを構成する各内部電極の積層方向の配設間隔と他
方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配設間隔
が異なるという要件を満たすことにより、コモンモード
インピーダンスを確実に調整することが可能になり、所
望のインピーダンス特性を備えたコモンモードチョーク
コイルを得ることが可能になる。
【0019】また、請求項5のコモンモードチョークコ
イルは、軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコイル
について見た場合において、前記(b)の要件と前記(c)
の要件を備えていることを特徴としている。
【0020】上記(b)の一方のコイルのコイル径と他方
のコイルのコイル径が異なるという要件と、(c)の一方
のコイルを構成する内部電極の幅と他方のコイルを構成
する内部電極の幅が異なるという要件を満たすことによ
り、コモンモードインピーダンスを確実に調整すること
が可能になり、所望のインピーダンス特性を備えたコモ
ンモードチョークコイルを得ることが可能になる。
【0021】また、請求項6のコモンモードチョークコ
イルは、軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコイル
について見た場合において、前記(b)の要件と前記(d)
の要件を備えていることを特徴としている。
【0022】上記(b)の一方のコイルのコイル径と他方
のコイルのコイル径が異なるという要件と、(d)の一方
のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配設間隔と
他方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配設間
隔が異なるという要件を満たすことにより、コモンモー
ドインピーダンスを確実に調整することが可能になり、
所望のインピーダンス特性を備えたコモンモードチョー
クコイルを得ることが可能になる。
【0023】また、請求項7のコモンモードチョークコ
イルは、軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコイル
について見た場合において、前記(c)の要件と前記(d)
の要件を備えていることを特徴としている。
【0024】上記(c)の一方のコイルを構成する内部電
極の幅と他方のコイルを構成する内部電極の幅が異なる
という要件と、(d)の一方のコイルを構成する各内部電
極の積層方向の配設間隔と他方のコイルを構成する各内
部電極の積層方向の配設間隔が異なるという要件を満た
すことにより、コモンモードインピーダンスを確実に調
整することが可能になり、所望のインピーダンス特性を
備えたコモンモードチョークコイルを得ることが可能に
なる。
【0025】また、本願発明(請求項8)のコモンモー
ドチョークコイルのコモンモードインピーダンス調整方
法は、積層素子中に、略同軸上に巻回され、軸方向に分
離して配設された2以上の積層型のコイルを備えたコモ
ンモードチョークコイルのコモンモードインピーダンス
調整方法であって、軸方向に互いに隣接する一対の積層
型のコイルについて見た場合において、(a)一方のコイ
ルの巻き数と他方のコイルの巻き数を異ならせる、(b)
一方のコイルのコイル径と他方のコイルのコイル径を異
ならせる、(c)一方のコイルを構成する内部電極の幅
と、他方のコイルを構成する内部電極の幅を変える、
(d)一方のコイルを構成する内部電極の積層方向の距離
と、他方のコイルを構成する内部電極の積層方向の距離
を異ならせるという4つの手段のうちの少なくとも2つ
の手段を用いることを特徴としている。
【0026】軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコ
イルについて見た場合において、上記(a)〜(d)の手段
のうちの少なくとも2つの手段を用いることにより、コ
モンモードインピーダンスを確実に調整することが可能
になり、所望のインピーダンス特性を備えたコモンモー
ドチョークコイルを得ることが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0028】[実施形態1]図1(a)は本願発明の一実
施形態(実施形態1)にかかるコモンモードチョークコ
イルの構成を示す正面断面図、図1(b)はその変形例を
示す図である。このコモンモードチョークコイルは、図
1(a)に示すように、積層素子3中に、同軸上に巻回さ
れ、軸方向に分離して配設された2つのコイル(積層型
のコイル)1,2を備えた構造を有しており、各コイル
1,2の始端部及び終端部は、積層素子3の両側の端面
に引き出されて、所定の外部電極(図示せず)に接続さ
れている。
【0029】なお、このコモンモードチョークコイル
は、例えば、上面側にAg,Pd,Ag−Pd,Ni,
Cuなどの金属ペーストからなる所定の内部電極(コイ
ルパターン)が配設された磁性体材料あるいは誘電体材
料からなるセラミックグリーンシートを積層するととも
に、上下両面側に内部電極の形成されていない外層用の
セラミックグリーンシートを積層、圧着し、焼成する工
程を経て製造されており、図1に示すように、所定の内
部電極(コイルパターン)1a,2a(図1(a))がビ
アホール(図示せず)を介して接続されることにより、
積層素子3中に積層型のコイル1と積層型のコイル2の
2つのコイルが同軸上に形成されている。
【0030】そして、このコモンモードチョークコイル
においては、図1(a)に示すように、一方のコイル1の
巻き数と他方のコイル2の巻き数が異なっている(コイ
ル1の巻き数n1=4、コイル2の巻き数n2=5)と
ともに、一方のコイル1のコイル径d1と他方のコイル
2のコイル径d2が異なっている。
【0031】このように、2つのコイル1,2の巻き数
n1とn2を異ならせるとともに、コイル径d1とd2
を異ならせることにより、コモンモードインピーダンス
を確実に調整することが可能になり、所望のインピーダ
ンス特性を備えたコモンモードチョークコイルを得るこ
とができる。
【0032】例えば、長さ2.5mm、幅2.0mm、厚み
1.2mmの積層素子に2つのコイルが内蔵されたコモン
モードチョークコイルにおいて、図1(a)に示すような
構成とした場合、すなわち、コイル1の巻き数n1=
4、コイル2の巻き数n2=5とし、一方のコイル1の
コイル径d1と他方のコイル2のコイル径d2を異なら
せた場合(d1>d2、すなわち、d1=1.2mm、d
2=0.86mm)、両方のコイルの巻き数を同じ巻き数
4とし、両方のコイル径d1,d2を同じとした場合
(d1=d2=1.2mm)に比べて、コモンモードイン
ピーダンスを約6.5%低下させることができた。
【0033】なお、2つのコイル1,2を有するコモン
モードチョークコイルの場合、コモンモードインピーダ
ンスは、一方のコイル1と他方のコイル2の自己インダ
クタンスと、両コイル1,2間の磁気結合(相互インダ
クタンス)によって定まるので、両コイル1,2の巻き
数n1,n2を異ならせることにより、自己インダクタ
ンス及び相互インダクタンスを異ならせて、コモンモー
ドインピーダンスを調整することができる。
【0034】また、2つのコイル1,2を有するコモン
モードチョークコイルの場合、一方のコイル1の巻き数
n1を増やすと、巻き数を増やしたコイル1の自己イン
ダクタンスと相互インダクタンスが大きくなり、コモン
モードインピーダンスも大きくなる。なお、コイルの巻
き数を異ならせることにより、コモンモードインピーダ
ンスを大幅に調整することが可能になるので、材料の透
磁率が狙いよりも大きくずれた場合に効果的である。
【0035】また、コモンモードチョークコイルを構成
する所定のコイルについて、そのコイル径(設計コイル
径)を、少なくとも一部について変更することにより、
コモンモードインピーダンスを調整することができるこ
とは周知であり、上述のように、コイルの巻き数とコイ
ル径の両方を調整することにより、十分にコモンモード
インピーダンスを調整して、所望の特性を実現すること
が可能になる。
【0036】また、コイル径を異ならせる場合は、コイ
ル径を異ならせた位置いかんによって、コイル間の磁気
結合が変動する、すなわち、一方のコイルと他方のコイ
ルの境界部に近い位置においてコイル径を異ならせるほ
ど、コイル径がコイル間の磁気結合に与える影響が大き
くなり、境界部に遠い位置におけるコイル径を異ならせ
た場合には、コイル径がコイル間の磁気結合に与える影
響が小さくなるので、コモンモードインピーダンスの調
整条件などを考慮して、コイル径を異ならせる位置を決
定することが望ましい。
【0037】なお、コイル径の大きさだけでなく、コイ
ル径変更の位置によってもコモンモードインピーダンス
を調整することが可能であり、特に、コモンモードイン
ピーダンスの微妙なコントロールには有効である。
【0038】上述のように、2つのコイル1,2の巻き
数n1とn2を異ならせるとともに、コイル径d1とd
2を異ならせることにより、コモンモードインピーダン
スの大幅な調整及び微妙な調整の両方を容易かつ確実に
行って、コモンモードインピーダンスを効率よく調整す
ることになる。
【0039】なお、図1(b)は、図1(a)のコモンモー
ドチョークコイルの変形例を示す図である。この図1
(b)に示すように、コイル2の一部のコイル径d2のみ
をコイル1のコイル径d1と異ならせるように構成する
ことも可能であり、その場合にも、上記実施形態1の場
合と同様の作用効果を得ることが可能である。なお、図
1(b)に示すように、コイル1とコイル2の互いに対向
する引出部(引き出しパターン)1b,2bのコイル径
d1とd2を互いに異ならせるようにした場合、生産性
に大きな影響を与えることなく、効率よくコモンモード
インピーダンスの調整を行うことが可能になる。すなわ
ち、一般に、コモンモードチョークコイルにおいては、
その製造工程で、内部電極の配設されたセラミックグリ
ーンシートとして、同じセラミックグリーンシートを使
用することが、生産性向上の見地から好ましいが、引き
出しパターンは、各コイル、例えば、図1(b)のコイル
1の入力側と出力側、コイル2の入力側と出力側のよう
に、それぞれにおいて、引き出し位置が異なることが多
く、そのパターンが異なる場合がほとんどであることか
ら、引き出しパターン1b,2bのコイル径d1,d2
のみを変更するようにした場合、生産性に影響を与えな
いでコモンモードインピーダンスを調節することが可能
になり望ましい。
【0040】また、引き出しパターンのコイル径を変更
する場合の他に、引き出しパターン(内部電極)の幅
や、引き出しパターンのシート厚(内部電極の配設間
隔)を変更するように構成することも可能である。な
お、この引き出しパターンのコイル径、パターン(内部
電極)の幅、もしくはシート厚(内部電極の配設間隔)
を変更する方法は、この実施形態1のように、コイルの
巻き数を異ならせる方法と組み合わせた場合に有効であ
ることはもちろん、コイルの巻き数を異ならせる方法と
は組み合わせずに、単独で用いた場合にも、コモンモー
ドインピーダンスの調整方法として有意義である。
【0041】[実施形態2]図2(a)は本願発明の一実
施形態(実施形態2)にかかるコモンモードチョークコ
イルの構成を示す正面断面図、図2(b)はその変形例を
示す図である。このコモンモードチョークコイルにおい
ては、図2(a)に示すように、一方のコイル1の巻き数
n1と、他方のコイル2の巻き数n2が異なっている
(コイル1の巻き数n1=4、コイル2の巻き数n2=
5)とともに、一方のコイル1を構成する内部電極1a
の幅w1と、他方のコイル2を構成する内部電極2aの
幅w2が異なっている。
【0042】このように、2つのコイル1,2の巻き数
n1,n2を異ならせるとともに、各コイル1,2を構
成する内部電極1a,2aの幅w1,w2を異ならせる
ことにより、コモンモードインピーダンスを確実に調整
することが可能になり、所望のインピーダンス特性を備
えたコモンモードチョークコイルを得ることができる。
【0043】例えば、長さ2.5mm、幅2.0mm、厚み
1.2mmの積層素子に2つのコイルが内蔵されたコモン
モードチョークコイルにおいて、図2(a)に示すような
構成とした場合、すなわち、コイル1の巻き数n1=
4、コイル2の巻き数n2=5とし、内部電極1a,2
aの幅w1,w2を異ならせた場合(w1<w2、すな
わち、w1=0.15mm、w2=0.58mm)、両方の
コイル1,2の巻き数n1,n2を同じ巻き数4とし、
両方の内部電極1a,2aの幅w1,w2を同じとした
場合(w1=w2=0.15mm)に比べて、コモンモー
ドインピーダンスを約3.3%低下させることができ
た。
【0044】なお、内部電極の幅を異ならせる場合、1
枚以上の内部電極についてその幅を変更することによ
り、コモンモードインピーダンスを調整することができ
るが、幅を異ならせる内部電極の位置によって、コイル
間の磁気結合が変動する。すなわち、例えば、図2(a)
でいえば、一方のコイル1と他方のコイル2の境界部に
近い位置の内部電極1a,2aの幅w1,w2を異なら
せるほど、内部電極1a,2aの幅w1,w2が互いの
コイル1,2間の磁気結合に与える影響が大きくなる。
【0045】したがって、内部電極1a,2aの幅w
1,w2の大きさだけではなく、幅w1,w2を異なら
せる内部電極1a,2aの位置によってもコモンモード
インピーダンスを調整することが可能になる。
【0046】なお、図2(b)は上記実施形態2のコモン
モードチョークコイルの変形例を示す図であり、コイル
2を構成する内部電極2aのうちの一部の内部電極2a
の幅w2のみを、一方のコイル1を構成する内部電極1
aの幅w1と異ならせるように構成したコモンモードチ
ョークコイルを示している。この場合も、上記実施形態
2の構成とした場合に準じる効果を得ることができる。
【0047】[実施形態3]図3(a)は本願発明の一実
施形態(実施形態3)にかかるコモンモードチョークコ
イルの構成を示す正面断面図、図3(b)はその変形例を
示す図である。このコモンモードチョークコイルにおい
ては、図3(a)に示すように、一方のコイル1の巻き数
n1と他方のコイル2の巻き数n2が異なっている(コ
イル1の巻き数n1=4、コイル2の巻き数n2=5)
とともに、一方のコイル1を構成する各内部電極1aの
積層方向の配設間隔g1と他方のコイル2を構成する各
内部電極2aの積層方向の配設間隔g2が異なってい
る。
【0048】このように、2つのコイル1,2の巻き数
n1,n2を異ならせるとともに、一方のコイル1を構
成する各内部電極1aの積層方向の配設間隔g1と他方
のコイル2を構成する各内部電極2aの積層方向の配設
間隔g2を異ならせることにより、コモンモードインピ
ーダンスを確実に調整することが可能になり、所望のイ
ンピーダンス特性を備えたコモンモードチョークコイル
を得ることができる。
【0049】例えば、長さ2.5mm、幅2.0mm、厚み
1.2mmの積層素子に2つのコイルが内蔵されたコモン
モードチョークコイルにおいて、図3(a)に示すような
構成とした場合、すなわち、コイル1の巻き数(n1=
4)とコイル2の巻き数(n2=5)を異ならせるとと
もに、一方のコイル1を構成する各内部電極1aの積層
方向の配設間隔g1と他方のコイル2を構成する各内部
電極2aの積層方向の配設間隔g2を異ならせた場合
(g1<g2、すなわち、g1=0.05mm,g2=
0.1mm)、両方のコイルの巻き数を同じ巻き数4と
し、両方の内部電極の配設間隔g1,g2を同じとした
場合(g1=g2=0.05mm)に比べて、コモンモー
ドインピーダンスを約3.9%低下させることができ
た。
【0050】なお、上述のように、一方のコイル1と他
方のコイル2の内部電極1a,2aの積層方向の配設間
隔(シート厚)を異ならせることにより、コモンモード
インピーダンスを調整できるが、配設間隔を異ならせる
位置によって、コイル1,2間の磁気結合が変動する。
【0051】すなわち、一方のコイル1と他方のコイル
2の境界部に近い位置における内部電極1a,2aの配
設間隔g1,g2を異ならせるほど、内部電極1a,2
aの配設間隔g1,g2が互いのコイル1,2間の磁気
結合に与える影響が大きくなる。したがって、内部電極
1a,2aの配設間隔g1,g2の大きさだけではな
く、配設間隔g1,g2を異ならせる位置によってもコ
モンモードインピーダンスを調整することができる。
【0052】また、一方のコイル1を構成する各内部電
極1aの積層方向の配設間隔g1と他方のコイル2を構
成する各内部電極2aの積層方向の配設間隔g2は、製
造工程で用いるセラミックグリーンシートの厚みを調整
することにより、容易かつ確実に調整することが可能で
ある。
【0053】なお、図3(b)は上記実施形態3のコモン
モードチョークコイルの変形例を示す図であり、コイル
2を構成する内部電極2aのうちの一部の内部電極2a
の配設間隔g2のみを、コイル1の内部電極1aの配設
間隔g1と異ならせるように構成したコモンモードチョ
ークコイルを示している。この場合も、上記実施形態3
の構成とした場合に準じる効果を得ることができる。こ
の場合も、上記実施形態3の構成とした場合に準じる効
果を得ることができる。
【0054】[実施形態4]図4(a)は本願発明の一実
施形態(実施形態4)にかかるコモンモードチョークコ
イルの構成を示す正面断面図、図4(b)はその変形例を
示す図である。このコモンモードチョークコイルにおい
ては、図4(a)に示すように、一方のコイル1のコイル
径d1と他方のコイル2のコイル径d2が異なっている
とともに、一方のコイル1を構成する内部電極1aの幅
w1と他方のコイル2を構成する内部電極2aの幅w2
が異なっている。
【0055】このように、2つのコイル1,2のコイル
径d1,d2を異ならせる(d1>d2)とともに、一
方のコイル1を構成する内部電極1aの幅w1と他方の
コイル2を構成する内部電極2aの幅w2を異ならせる
(w1>w2)ことにより、コモンモードインピーダン
スを確実に調整することが可能になり、所望のインピー
ダンス特性を備えたコモンモードチョークコイルを得る
ことができる。
【0056】なお、図4(b)は上記実施形態4のコモン
モードチョークコイルの変形例を示す図であり、コイル
1を構成する内部電極1aのうちの一部の内部電極1a
の幅w1のみを、コイル2の内部電極2aの幅w2と異
ならせるように構成したコモンモードチョークコイルを
示している。この場合も、上記実施形態4の構成とした
場合に準じる効果を得ることができる。
【0057】[実施形態5]図5は本願発明の一実施形
態(実施形態5)にかかるコモンモードチョークコイル
の構成を示す正面断面図である。このコモンモードチョ
ークコイルにおいては、一方のコイル1のコイル径d1
と他方のコイル2のコイル径d2が異なっているととも
に、一方のコイル1を構成する各内部電極1aの積層方
向の配設間隔g1と他方のコイル2を構成する各内部電
極2aの積層方向の配設間隔g2が異なっている。
【0058】このように、2つのコイル1,2のコイル
径d1とd2を異ならせる(d1<d2)とともに、一
方のコイル1を構成する各内部電極1aの積層方向の配
設間隔g1と他方のコイル2を構成する各内部電極2a
の積層方向の配設間隔g2を異ならせる(g1<g2)
ことにより、コモンモードインピーダンスを確実に調整
することが可能になり、所望のインピーダンス特性を備
えたコモンモードチョークコイルを得ることができる。
【0059】なお、特に図示しないが、この実施形態5
のコモンモードチョークコイルにおいても、いずれか一
方のコイルを構成する内部電極のうちの一部の内部電極
の配設間隔のみを、他方のコイルの内部電極の配設間隔
と異ならせるように構成することも可能であり、また、
いずれか一方のコイルの一部のコイル径のみを他方のコ
イルのコイル径と異ならせるように構成することが可能
であり、その場合にも、上記実施形態5の構成とした場
合に準じる作用効果を得ることが可能である。
【0060】また、図5では、コイル1を構成する、幅
w1の狭い内部電極1aの積層方向の配設間隔g1を、
コイル2の構成する、幅w2の広い内部電極2aの積層
方向の配設間隔g2よりも小さくした場合を示している
が、内部電極1aと内部電極2aの積層方向の配設間隔
g1とg2の大小の関係を、コイル1とコイル2で逆に
することも可能である。また、内部電極1aと内部電極
2aの幅w1とw2の大きさの関係を、コイル1とコイ
ル2で逆にすることも可能である。
【0061】[実施形態6]図6は本願発明の一実施形
態(実施形態6)にかかるコモンモードチョークコイル
の構成を示す正面断面図である。このコモンモードチョ
ークコイルにおいては、図6に示すように、一方のコイ
ル1を構成する内部電極1aの幅w1と、他方のコイル
2を構成する内部電極2aの幅w2が異なっているとと
もに、一方のコイル1を構成する各内部電極1aの積層
方向の配設間隔g1と他方のコイル2を構成する各内部
電極2aの積層方向の配設間隔g2が異なっている。
【0062】このように、2つのコイル1,2を構成す
る内部電極1a,1bの幅w1とw2を異ならせる(w
1<w2)とともに、一方のコイル1を構成する各内部
電極1aの積層方向の配設間隔g1と他方のコイル2を
構成する各内部電極2aの積層方向の配設間隔g2を異
ならせる(g1<g2)ことにより、コモンモードイン
ピーダンスを確実に調整することが可能になり、所望の
インピーダンス特性を備えたコモンモードチョークコイ
ルを得ることができる。
【0063】[実施形態7]図7は本願発明の一実施形
態(実施形態7)にかかるコモンモードチョークコイル
の構成を示す正面断面図である。このコモンモードチョ
ークコイルにおいては、図7に示すように、一方のコイ
ル1の巻き数n1、コイル径d1、及び内部電極の幅w
1が、他方のコイル2の巻き数n2、コイル径d2、及
び内部電極の幅w2と異なっており、かつ、一方のコイ
ル1を構成する各内部電極1aの積層方向の配設間隔g
1と他方のコイル2を構成する各内部電極2aの積層方
向の配設間隔g2が異なっている。
【0064】このように、一方のコイル1の巻き数n
1、コイル径d1、内部電極の幅w1及び内部電極1a
の積層方向の配設間隔g1を、他方のコイル2の巻き数
n2、コイル径d2、内部電極の幅w2、及び内部電極
2aの積層方向の配設間隔g2と異ならせることによ
り、コモンモードインピーダンスを大きな調整幅で十分
に調整することが可能になり、所望のインピーダンス特
性を備えたコモンモードチョークコイルを得ることが可
能になる。
【0065】なお、本願発明は、上記各実施形態に限定
されるものではなく、(a)一方のコイルの巻き数と他方
のコイルの巻き数を異ならせる態様、(b)一方のコイル
のコイル径と他方のコイルのコイル径を異ならせる態
様、(c)一方のコイルを構成する内部電極の幅と他方の
コイルを構成する内部電極の幅を異ならせる態様、(d)
一方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配設間
隔と他方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配
設間隔を異ならせる態様などに関し、発明の範囲内にお
いて、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0066】また、コイルを構成する内部電極の具体的
な形状、寸法、積層素子を構成する絶縁体や誘電体の種
類や組成などにも特別の制約はない。
【0067】なお、上記の各実施形態では、2つのコイ
ルを備えたコモンモードチョークコイルを例にとって説
明したが、本願発明は、コイルの数に制約はなく、3つ
以上のコイルを備えたコモンモードチョークコイルにも
適用することが可能であり、その場合にも同様の効果を
得ることができる。
【0068】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
コモンモードチョークコイルは、軸方向に互いに隣接す
る一対の積層型のコイルについて見た場合において、
(a)一方のコイルの巻き数と他方のコイルの巻き数が異
なる、(b)一方のコイルのコイル径と他方のコイルのコ
イル径が異なる、(c)一方のコイルを構成する内部電極
の幅と他方のコイルを構成する内部電極の幅が異なる、
(d)一方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配
設間隔と他方のコイルを構成する各内部電極の積層方向
の配設間隔が異なるという4つの要件のうちの少なくと
も2つの要件を備えるようにしているので、コモンモー
ドインピーダンスを確実に調整することが可能になり、
所望のインピーダンス特性を備えたコモンモードチョー
クコイルを得ることが可能になる。
【0069】また、請求項2のコモンモードチョークコ
イルのように、軸方向に互いに隣接する一対の積層型の
コイルについて見た場合において、一方のコイルの巻き
数と他方のコイルの巻き数を異ならせるとともに、一方
のコイルのコイル径と他方のコイルのコイル径を異なら
せるようにした場合にも、コモンモードインピーダンス
を確実に調整して、所望のインピーダンス特性を備えた
コモンモードチョークコイルを得ることが可能になる。
【0070】また、請求項3のコモンモードチョークコ
イルのように、軸方向に互いに隣接する一対の積層型の
コイルについて見た場合において、一方のコイルの巻き
数と他方のコイルの巻き数を異ならせるとともに、一方
のコイルを構成する内部電極の幅と他方のコイルを構成
する内部電極の幅を異ならせるようにした場合にも、コ
モンモードインピーダンスを確実に調整して、所望のイ
ンピーダンス特性を備えたコモンモードチョークコイル
を得ることが可能になる。
【0071】また、請求項4のコモンモードチョークコ
イルのように、軸方向に互いに隣接する一対の積層型の
コイルについて見た場合において、一方のコイルの巻き
数と他方のコイルの巻き数を異ならせるとともに、一方
のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配設間隔と
他方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配設間
隔を異ならせるようにした場合にも、コモンモードイン
ピーダンスを確実に調整して、所望のインピーダンス特
性を備えたコモンモードチョークコイルを得ることが可
能になる。
【0072】また、請求項5のコモンモードチョークコ
イルのように、軸方向に互いに隣接する一対の積層型の
コイルについて見た場合において、一方のコイルのコイ
ル径と他方のコイルのコイル径を異ならせるとともに、
一方のコイルを構成する内部電極の幅と他方のコイルを
構成する内部電極の幅を異ならせるようにした場合に
も、コモンモードインピーダンスを確実に調整して、所
望のインピーダンス特性を備えたコモンモードチョーク
コイルを得ることが可能になる。
【0073】また、請求項6のコモンモードチョークコ
イルのように、軸方向に互いに隣接する一対の積層型の
コイルについて見た場合において、一方のコイルのコイ
ル径と他方のコイルのコイル径を異ならせるとともに、
一方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配設間
隔と他方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配
設間隔を異ならせるようにした場合にも、コモンモード
インピーダンスを確実に調整して、所望のインピーダン
ス特性を備えたコモンモードチョークコイルを得ること
が可能になる。
【0074】また、請求項7のコモンモードチョークコ
イルのように、軸方向に互いに隣接する一対の積層型の
コイルについて見た場合において、一方のコイルを構成
する内部電極の幅と他方のコイルを構成する内部電極の
幅を異ならせるとともに、一方のコイルを構成する各内
部電極の積層方向の配設間隔と他方のコイルを構成する
各内部電極の積層方向の配設間隔を異ならせるようにし
た場合にも、コモンモードインピーダンスを確実に調整
して、所望のインピーダンス特性を備えたコモンモード
チョークコイルを得ることが可能になる。
【0075】また、本願発明(請求項8)のコモンモー
ドチョークコイルのコモンモードインピーダンス調整方
法は、積層素子中に、略同軸上に巻回され、軸方向に分
離して配設された2以上の積層型のコイルを備えたコモ
ンモードチョークコイルの、軸方向に互いに隣接する一
対の積層型のコイルについて見た場合において、(a)一
方のコイルの巻き数と他方のコイルの巻き数を異ならせ
る、(b)一方のコイルのコイル径と他方のコイルのコイ
ル径を異ならせる、(c)一方のコイルを構成する内部電
極の幅と、他方のコイルを構成する内部電極の幅を変え
る、(d)一方のコイルを構成する内部電極の積層方向の
距離と、他方のコイルを構成する内部電極の積層方向の
距離を異ならせるという4つの手段のうちの少なくとも
2つの手段を用いるようにしているので、コモンモード
インピーダンスを確実に調整することが可能になり、所
望のインピーダンス特性を備えたコモンモードチョーク
コイルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本願発明の一実施形態(実施形態1)に
かかるコモンモードチョークコイルの構成を示す正面断
面図、(b)はその変形例を示す図である。
【図2】本願発明の他の実施形態(実施形態2)にかか
るコモンモードチョークコイルの構成を示す正面断面
図、(b)はその変形例を示す図である。
【図3】本願発明のさらに他の実施形態(実施形態3)
にかかるコモンモードチョークコイルの構成を示す正面
断面図、(b)はその変形例を示す図である。
【図4】本願発明のさらに他の実施形態(実施形態4)
にかかるコモンモードチョークコイルの構成を示す正面
断面図、(b)はその変形例を示す図である。
【図5】本願発明のさらに他の実施形態(実施形態5)
にかかるコモンモードチョークコイルの構成を示す正面
断面図である。
【図6】本願発明のさらに他の実施形態(実施形態6)
にかかるコモンモードチョークコイルの構成を示す正面
断面図である。
【図7】本願発明のさらに他の実施形態(実施形態7)
にかかるコモンモードチョークコイルの構成を示す正面
断面図である。
【図8】従来のコモンモードチョークコイルの構成を示
す正面断面図である。
【図9】従来のコモンモードチョークコイルの製造方法
の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 一方のコイル 1a 一方のコイルを構成する内部電極 1b 一方のコイルの引出部(引き出しパター
ン) 2 他方のコイル 2a 他方のコイルを構成する内部電極 2a 他方のコイルの引出部(引き出しパター
ン) 3 積層素子 d1,d2 コイル径 w1,w2 内部電極の幅 g1,g2 内部電極の配設間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E070 AA01 AB01 AB04 BA12 CA13 CB03 CB12 CB13 CB15 DA13 EA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層素子中に、略同軸上に巻回され、軸方
    向に分離して配設された2以上の積層型のコイルを備え
    たコモンモードチョークコイルであって、 軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコイルについて
    見た場合において、 (a)一方のコイルの巻き数と他方のコイルの巻き数が異
    なる、 (b)一方のコイルのコイル径と他方のコイルのコイル径
    が異なる、 (c)一方のコイルを構成する内部電極の幅と他方のコイ
    ルを構成する内部電極の幅が異なる、 (d)一方のコイルを構成する各内部電極の積層方向の配
    設間隔と他方のコイルを構成する各内部電極の積層方向
    の配設間隔が異なるという4つの要件のうちの少なくと
    も2つの要件を備えることにより、コモンモードインピ
    ーダンスの調整が行われていることを特徴とするコモン
    モードチョークコイル。
  2. 【請求項2】軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコ
    イルについて見た場合において、前記(a)の要件と前記
    (b)の要件を備えていることを特徴とする請求項1記載
    のコモンモードチョークコイル。
  3. 【請求項3】軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコ
    イルについて見た場合において、前記(a)の要件と前記
    (c)の要件を備えていることを特徴とする請求項1記載
    のコモンモードチョークコイル。
  4. 【請求項4】軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコ
    イルについて見た場合において、前記(a)の要件と前記
    (d)の要件を備えていることを特徴とする請求項1記載
    のコモンモードチョークコイル。
  5. 【請求項5】軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコ
    イルについて見た場合において、前記(b)の要件と前記
    (c)の要件を備えていることを特徴とする請求項1記載
    のコモンモードチョークコイル。
  6. 【請求項6】軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコ
    イルについて見た場合において、前記(b)の要件と前記
    (d)の要件を備えていることを特徴とする請求項1記載
    のコモンモードチョークコイル。
  7. 【請求項7】軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコ
    イルについて見た場合において、前記(c)の要件と前記
    (d)の要件を備えていることを特徴とする請求項1記載
    のコモンモードチョークコイル。
  8. 【請求項8】積層素子中に、略同軸上に巻回され、軸方
    向に分離して配設された2以上の積層型のコイルを備え
    たコモンモードチョークコイルのコモンモードインピー
    ダンス調整方法であって、 軸方向に互いに隣接する一対の積層型のコイルについて
    見た場合において、 (a)一方のコイルの巻き数と他方のコイルの巻き数を異
    ならせる、 (b)一方のコイルのコイル径と他方のコイルのコイル径
    を異ならせる、 (c)一方のコイルを構成する内部電極の幅と、他方のコ
    イルを構成する内部電極の幅を変える、 (d)一方のコイルを構成する内部電極の積層方向の距離
    と、他方のコイルを構成する内部電極の積層方向の距離
    を異ならせるという4つの手段のうちの少なくとも2つ
    の手段を用いることを特徴とするコモンモードチョーク
    コイルのコモンモードインピーダンス調整方法。
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