JP6296204B2 - コモンモードチョークコイル及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに磁界結合する第1のコイル及び第2のコイルを備えているコモンモードチョークコイル及び電子機器に関する。
従来のコモンモードチョークコイルに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のコモンモードノイズフィルタが知られている。図16は、特許文献1に記載のコモンモードフィルタ500の等価回路図である。
コモンモードフィルタ500は、図16に示すように、コイル502,504,506,508及び入出力端子510,512,514,516を備えている。コイル502,504は、入出力端子510と入出力端子512との間に直列に接続されている。コイル506,508は、入出力端子514と入出力端子516との間に直列に接続されている。コイル502とコイル506とは、磁界結合しており、第1のフィルタ部を構成している。コイル504とコイル508とは、磁界結合しており、第2のフィルタ部を構成している。また、第1のフィルタ部と第2のフィルタ部との結合係数は、−0.5〜+0.5に設定されている。
以上のようなコモンモードフィルタ500では、第1のフィルタ部及び第2のフィルタ部が、コモンモード減衰特性において異なる2つの周波数帯に減衰極を形成する。その結果、コモンモードフィルタ500は、広い周波数帯域のコモンモードノイズを除去できる。
特開2012−195332号公報
しかしながら、特許文献1に記載のコモンモードフィルタ500では、以下に説明する理由により、大きな伝送損失が発生しやすい。より詳細には、コモンモードフィルタ500では、2つの減衰極を形成するために、コイル502,504を直列接続するとともに、コイル506,508を直列接続している。そのため、入出力端子510と入出力端子512との間の直流抵抗値、及び、入出力端子514と入出力端子516との間の直流抵抗値が大きくなってしまう。その結果、コモンモードフィルタ500において、大きな伝送損失が発生する。
そこで、本発明の目的は、広い周波数帯域でコモンモードノイズを減衰させることができ、かつ、伝送損失を低減できるコモンモードチョークコイル及び電子機器を提供することである。
本発明の一形態に係るコモンモードチョークコイルは、第1の信号線路及び第2の信号線路を含む差動伝送線路と、前記第1の信号線路に設けられている第1のコイル、前記第2の信号線路に設けられており、かつ、前記第1のコイルと磁界結合する第2のコイル、及び、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間に発生している寄生容量を含む並列共振主回路と、前記第1のコイル及び前記第2のコイルと磁界結合する第3のコイル、及び、該第3のコイルに電気的に並列接続されている第1のコンデンサを含む並列共振回路と、を備えており、前記並列共振主回路の第1の共振周波数と前記並列共振回路の第2の共振周波数とは、略等しく、互いに異なる周波数を有する2つの減衰極が形成されていること、を特徴とする。
本発明の一形態に係る電子機器は、電気回路と、コモンモードチョークコイルと、を備えており、前記コモンモードチョークコイルは、前記電気回路に電気的に接続されている第1の信号線路及び第2の信号線路を含む差動伝送線路と、前記第1の信号線路に設けられている第1のコイル、前記第2の信号線路に設けられており、かつ、前記第1のコイルと磁界結合する第2のコイル、及び、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間に発生している寄生容量を含む並列共振主回路と、前記第1のコイル及び前記第2のコイルと磁界結合する第3のコイル、及び、該第3のコイルに電気的に並列接続されている第1のコンデンサを含む並列共振回路と、を備えており、前記並列共振主回路の第1の共振周波数と前記並列共振回路の第2の共振周波数とは、略等しく、互いに異なる周波数を有する2つの減衰極が形成されていること、を特徴とする。
本発明によれば、広い周波数帯域でコモンモードノイズを減衰させることができ、かつ、伝送損失を低減できる。
コモンモードチョークコイル10の等価回路図である。 コモンモードチョークコイル10の外観斜視図である。 コモンモードチョークコイル10の素体12の分解斜視図である。 コモンモードチョークコイル10の素体12の分解斜視図である。 コモンモードチョークコイル10の素体12の分解図である。 コモンモードチョークコイル10の素体12の分解図である。 軌跡R1,R2を示した図である。 軌跡R3,R4を示した図である。 電子機器100のブロック図である。 比較例に係るコモンモードチョークコイル200の等価回路図である。 コモンモードチョークコイル200のコモンモードノイズの通過特性(Scc21)を示したグラフである。 コモンモードチョークコイル10の説明用の等価回路図である。 コモンモードチョークコイル10のコモンモードノイズの通過特性(Scc21)を示したグラフである。 実施例に係るコモンモードチョークコイル310の部分的な分解斜視図である。 コモンモードチョークコイル10の断面構造図である。 コモンモードチョークコイル310の断面構造図である。 特許文献1に記載のコモンモードフィルタ500の等価回路図である。
以下に本発明の一実施形態に係るコモンモードチョークコイル10及び電子機器100について図面を参照しながら説明する。
(コモンモードチョークコイルの等価回路図について)
まず、コモンモードチョークコイル10の等価回路について図面を参照しながら説明する。図1は、コモンモードチョークコイル10の等価回路図である。
コモンモードチョークコイル10は、図1に示すように、差動伝送線路SL0、主回路MC、並列共振回路LC及び外部電極14a〜14dを備えている。差動伝送線路SL0は、デファレンシャルモード信号を伝送するための信号線路であり、信号線路SL1(第1の信号線路の一例)及び信号線路SL2(第2の信号線路の一例)を含んでいる。信号線路SL1の一端は、外部電極14aに接続されており、信号線路SL1の他端は外部電極14bに接続されている。信号線路SL2の一端は、外部電極14cに接続されており、信号線路SL2の他端は外部電極14dに接続されている。
主回路MCは、コイルL1(第1のコイルの一例)、コイルL2(第2のコイルの一例)及び寄生容量Cp1,Cp2を含んでいる。コイルL1は、信号線路SL1上に設けられている。コイルL2は、信号線路SL2上に設けられている。コイルL1とコイルL2とは、互いに磁界結合している。寄生容量(コンデンサ)Cp1,Cp2は、コイルL1とコイルL2との間に発生している寄生容量である。寄生容量Cp1は、コイルL1の一端とコイルL2の一端との間に接続されている。寄生容量Cp2は、コイルL1の他端とコイルL2の他端との間に接続されている。
以上のように構成された主回路MCの共振周波数は、周波数f1(第1の共振周波数の一例)である。周波数f1は、コイルL1,L2のインダクタンス値及び寄生容量Cp1,Cp2の容量値により定まる。本実施形態では、周波数f1は、例えば、3.2GHzである。
並列共振回路LCは、コイルL3(第3のインダクタの一例)及びコンデンサC1(第1のコンデンサの一例)を含んでいる。更に、コイルL3は、コイルLa,Lbを含んでいる。コイルLaとコイルLbとコンデンサC1とは、互いに並列に接続されている。コイルLaは、コイルL1,L2と磁界結合しており、主にコイルL1と磁界結合している。コイルLbは、コイルL1,L2と磁界結合しており、主にコイルL2と磁界結合している。なお、並列共振回路LCは、信号線路SL1,SL2に対して接続されていない。
以上のように構成された並列共振回路LCの共振周波数は、周波数f2(第2の共振周波数の一例)である。周波数f2は、コイルL3のインダクタンス値及びコンデンサC1の容量値により定まる。そして、周波数f1と周波数f2とが略等しくなるように、コモンモードチョークコイル10が設計される。本実施形態では、周波数f2は、例えば、3.5GHzである。
(コモンモードチョークコイルの具体的構成について)
次に、コモンモードチョークコイル10の具体的構成について図面を参照しながら説明する。図2は、コモンモードチョークコイル10の外観斜視図である。図3及び図4は、コモンモードチョークコイル10の素体12の分解斜視図である。図5及び図6は、コモンモードチョークコイル10の素体12の分解図である。ただし、図5及び図6では、絶縁体層16a,16wについては省略した。図7は、軌跡R1,R2を示した図である。図8は、軌跡R3,R4を示した図である。
以下では、素体12の積層方向を上下方向(第1の方向の一例)と定義し、素体12を上側から見たときに、素体12の長辺が延在する方向を左右方向と定義し、素体12の短辺が延在する方向を前後方向と定義する。上下方向、左右方向及び前後方向は互いに直交している。
コモンモードチョークコイル10は、素体12、外部電極14a〜14d、コイル導体層18a〜18s,20a〜20s,30a,30b、引き出し導体層24a,24b,26a,26b及びビアホール導体v1〜v40,v50を具体的な構成として備えている。
素体12は、絶縁体層16a〜16w(複数の基材層の一例)が上側から下側へとこの順に積層されることにより構成されている。絶縁体層16a〜16wは、長方形状をなしており、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)を材料としている。以下では、絶縁体層16a〜16wの上側の主面を表面と呼び、絶縁体層16a〜16wの下側の主面を裏面と呼ぶ。
外部電極14aは、素体12の後面の左半分の領域において、上下方向に延在する帯状をなしている。外部電極14bは、素体12の前面の左半分の領域において、上下方向に延在する帯状をなしている。外部電極14cは、素体12の後面の右半分の領域において、上下方向に延在する帯状をなしている。外部電極14dは、素体12の後面の右半分の領域において、上下方向に延在する帯状をなしている。外部電極14a〜14dは、上面及び下面に折り返されている。以上のような外部電極14a〜14dは、銅を主成分とする下地電極上にNiめっきおよびSnめっきが施されることにより形成される。
コイルL1〜L3及びコンデンサC1は、以下に説明するように、絶縁体層に設けられている導体層により構成されている。
コイルL1は、上下方向に延在する巻回軸(図示せず)を有する螺旋状をなしており、本実施形態では、上側から見たときに、反時計回り方向に周回しながら上側から下側へと進行する螺旋状をなしている。コイルL1の巻回軸は、上側から見たときに、素体12の対角線の交点に位置している。コイルL1は、コイル導体層18a〜18s(複数の第1のコイル導体層の一例)及びビアホール導体v1〜v20(第1の層間接続導体の一例)を含んでいる。
コイル導体層18a〜18sはそれぞれ、絶縁体層16b〜16l,16o〜16vの表面上に設けられている線状の導体層であり、上側から見たときに、互いに重なり合うことにより、図7及び図8に示すように、軌跡R1,R3を形成している。軌跡R1,R3は、長方形状をなしている。ただし、軌跡R1,R3の左半分の方がそれぞれ、軌跡R1,R3の右半分よりも大きい。更に、軌跡R1の径(第2の径の一例)は、軌跡R3の径(第1の径の一例)よりも大きい。また、軌跡R3は、軌跡R1内に収まっている。なお、軌跡R1,R3は円形ではなく長方形状をなしている。そのため、軌跡R1,R3の径とは軌跡R1,R3の重心から軌跡R1,R3までの距離の平均値とする。
コイル導体層18a,18e,18i,18o,18sは、絶縁体層16b,16f,16j,16r,16vの表面の左半分の領域に設けられている。コイル導体層18a,18e,18i,18o,18sは、絶縁体層16b,16f,16j,16r,16vの後ろ側の長辺の中央近傍から絶縁体層16b,16f,16j,16r,16vの前側の長辺の中央近傍まで反時計回り方向に周回しており、1/2周分の長さを有している。また、コイル導体層18a,18e,18i,18o,18sは、軌跡R1の左半分と重なっており、相対的に大きな径(第2の径の一例)を有している。
コイル導体層18d,18h,18n,18rは、絶縁体層16e,16i,16q,16uの表面の右半分の領域に設けられている。コイル導体層18d,18h,18n,18rは、絶縁体層16e,16i,16q,16uの前側の長辺の中央近傍から絶縁体層16e,16i,16q,16uの後ろ側の長辺の中央近傍まで反時計回り方向に周回しており、1/2周分の長さを有している。また、コイル導体層18d,18h,18n,18rは、軌跡R1の右半分と重なっており、相対的に大きな径(第2の径の一例)を有している。
コイル導体層18c,18g,18k,18m,18qは、絶縁体層16d,16h,16l,16p,16tの表面の左半分の領域に設けられている。コイル導体層18c,18g,18k,18m,18qは、絶縁体層16d,16h,16l,16p,16tの後ろ側の長辺の中央近傍から絶縁体層16d,16h,16l,16p,16tの前側の長辺の中央近傍まで反時計回り方向に周回しており、1/2周分の長さを有している。また、コイル導体層18c,18g,18k,18m,18qは、軌跡R3の左半分と重なっており、相対的に小さな径(第1の径の一例)を有している。
コイル導体層18b,18f,18j,18l,18pは、絶縁体層16c,16g,16k,16o,16sの表面の右半分の領域に設けられている。コイル導体層18b,18f,18j,18l,18pは、絶縁体層16c,16g,16k,16o,16sの前側の長辺の中央近傍から絶縁体層16c,16g,16k,16o,16sの後ろ側の長辺の中央近傍まで反時計回り方向に周回しており、1/2周分の長さを有している。また、コイル導体層18b,18f,18j,18l,18pは、軌跡R3の右半分と重なっており、相対的に小さな径(第1の径の一例)を有している。
以上のようなコイル導体層18a〜18sにおいて、反時計回り方向の上流側の端部を上流端と呼び、反時計回り方向の下流側の端部を下流端と呼ぶ。
ビアホール導体v1は、絶縁体層16bを上下方向に貫通しており、コイル導体層18aの下流端とコイル導体層18bの上流端とを接続している。ビアホール導体v2は、絶縁体層16cを上下方向に貫通しており、コイル導体層18bの下流端とコイル導体層18cの上流端とを接続している。ビアホール導体v3は、絶縁体層16dを上下方向に貫通しており、コイル導体層18cの下流端とコイル導体層18dの上流端とを接続している。ビアホール導体v4は、絶縁体層16eを上下方向に貫通しており、コイル導体層18dの下流端とコイル導体層18eの上流端とを接続している。ビアホール導体v5は、絶縁体層16fを上下方向に貫通しており、コイル導体層18eの下流端とコイル導体層18fの上流端とを接続している。ビアホール導体v6は、絶縁体層16gを上下方向に貫通しており、コイル導体層18fの下流端とコイル導体層18gの上流端とを接続している。ビアホール導体v7は、絶縁体層16hを上下方向に貫通しており、コイル導体層18gの下流端とコイル導体層18hの上流端とを接続している。ビアホール導体v8は、絶縁体層16iを上下方向に貫通しており、コイル導体層18hの下流端とコイル導体層18iの上流端とを接続している。ビアホール導体v9は、絶縁体層16jを上下方向に貫通しており、コイル導体層18iの下流端とコイル導体層18jの上流端とを接続している。ビアホール導体v10は、絶縁体層16kを上下方向に貫通しており、コイル導体層18jの下流端とコイル導体層18kの上流端とを接続している。
ビアホール導体v11〜v13は、絶縁体層16l〜16nを上下方向に貫通しており、互いに接続されて1連のビアホール導体を構成している。ビアホール導体v11〜v13は、コイル導体層18kの下流端とコイル導体層18lの上流端とを接続している。ビアホール導体v14は、絶縁体層16oを上下方向に貫通しており、コイル導体層18lの下流端とコイル導体層18mの上流端とを接続している。ビアホール導体v15は、絶縁体層16pを上下方向に貫通しており、コイル導体層18mの下流端とコイル導体層18nの上流端とを接続している。ビアホール導体v16は、絶縁体層16qを上下方向に貫通しており、コイル導体層18nの下流端とコイル導体層18oの上流端とを接続している。ビアホール導体v17は、絶縁体層16rを上下方向に貫通しており、コイル導体層18oの下流端とコイル導体層18pの上流端とを接続している。ビアホール導体v18は、絶縁体層16sを上下方向に貫通しており、コイル導体層18pの下流端とコイル導体層18qの上流端とを接続している。ビアホール導体v19は、絶縁体層16tを上下方向に貫通しており、コイル導体層18qの下流端とコイル導体層18rの上流端とを接続している。ビアホール導体v20は、絶縁体層16uを上下方向に貫通しており、コイル導体層18rの下流端とコイル導体層18sの上流端とを接続している。
以上のように構成されたコイルL1では、コイル導体層18b,18cが相対的に小さな径で1周し、コイル導体層18d,18eが相対的に大きな径で1周している。また、コイル導体層18f〜18sについても、互いに接続されている2つのコイル導体層で相対的に小さな径で1周し、互いに接続されている2つのコイル導体層で相対的に大きな径で1周している。その結果、コイルL1の径は、コイルL1が1周する度に、相対的に小さな径(第1の径の一例)と相対的に大きな径(第2の径の一例)とに変化する。
信号線路SL1は、引き出し導体層24a,24bを含んでいる。引き出し導体層24aは、絶縁体層16bの表面に設けられている線状の導体層であり、コイル導体層18aの上流端と外部電極14aとを接続している。引き出し導体層24bは、絶縁体層16vの表面に設けられている線状の導体層であり、コイル導体層18sの下流端と外部電極14bとを接続している。
コイルL2は、上下方向に延在する巻回軸(図示せず)を有する螺旋状をなしており、本実施形態では、上側から見たときに、反時計回り方向に周回しながら上側から下側へと進行する螺旋状をなしている。コイルL2の巻回軸は、上側から見たときに、素体12の対角線の交点に位置している。また、コイルL2は、コイルL1と並走するように周回している。コイルL2は、コイル導体層20a〜20s(複数の第2のコイル導体層の一例)及びビアホール導体v21〜v40(第2の層間接続導体の一例)を含んでいる。
コイル導体層20a〜20sはそれぞれ、絶縁体層16b〜16l,16o〜16vの表面上に設けられている線状の導体層であり、上側から見たときに、互いに重なり合うことにより、図7及び図8に示すように、軌跡R2,R4を形成している。軌跡R2,R4は、長方形状をなしている。ただし、軌跡R2,R4の右半分の方がそれぞれ、軌跡R2,R4の左半分よりも大きい。更に、軌跡R2の径(第2の径の一例)は、軌跡R4(第1の径の一例)の径よりも大きい。また、軌跡R4は、軌跡R2内に収まっている。なお、軌跡R2,R4は円形ではなく長方形状をなしている。そのため、軌跡R2,R4の径とは軌跡R2,R4の重心から軌跡R2,R4までの距離の平均値とする。
コイル導体層20a,20e,20i,20o,20sは、絶縁体層16b,16f,16j,16r,16vの表面の左半分の領域に設けられている。コイル導体層20a,20e,20i,20o,20sは、絶縁体層16b,16f,16j,16r,16vの後ろ側の長辺の中央近傍から絶縁体層16b,16f,16j,16r,16vの前側の長辺の中央近傍まで反時計回り方向に周回しており、1/2周分の長さを有している。ただし、コイル導体層20a,20e,20i,20o,20sはそれぞれ、コイル導体層18a,18e,18i,18o,18sよりも内周側に位置した状態で周回している。また、コイル導体層20a,20e,20i,20o,20sは、軌跡R2の左半分と重なっており、相対的に大きな径(第2の径の一例)を有している。
コイル導体層20d,20h,20n,20rは、絶縁体層16e,16i,16q,16uの表面の右半分の領域に設けられている。コイル導体層20d,20h,20n,20rは、絶縁体層16e,16i,16q,16uの前側の長辺の中央近傍から絶縁体層16e,16i,16q,16uの後ろ側の長辺の中央近傍まで反時計回り方向に周回しており、1/2周分の長さを有している。ただし、コイル導体層20d,20h,20n,20rはそれぞれ、コイル導体層18d,18h,18n,18rよりも外周側に位置した状態で周回している。また、コイル導体層20d,20h,20n,20rは、軌跡R2の右半分と重なっており、相対的に大きな径(第2の径の一例)を有している。
コイル導体層20c,20g,20k,20m,20qは、絶縁体層16d,16h,16l,16p,16tの表面の左半分の領域に設けられている。コイル導体層20c,20g,20k,20m,20qは、絶縁体層16d,16h,16l,16p,16tの後ろ側の長辺の中央近傍から絶縁体層16d,16h,16l,16p,16tの前側の長辺の中央近傍まで反時計回り方向に周回しており、1/2周分の長さを有している。ただし、コイル導体層20c,20g,20k,20m,20qはそれぞれ、コイル導体層18c,18g,18k,18m,18qよりも内周側に位置した状態で周回している。また、コイル導体層20c,20g,20k,20m,20qは、軌跡R4の左半分と重なっており、相対的に小さな径(第1の径の一例)を有している。
コイル導体層20b,20f,20j,20l,20pは、絶縁体層16c,16g,16k,16o,16sの表面の右半分の領域に設けられている。コイル導体層20b,20f,20j,20l,20pは、絶縁体層16c,16g,16k,16o,16sの前側の長辺の中央近傍から絶縁体層16c,16g,16k,16o,16sの後ろ側の長辺の中央近傍まで反時計回り方向に周回しており、1/2周分の長さを有している。ただし、コイル導体層20b,20f,20j,20l,20pはそれぞれ、コイル導体層18b,18f,18j,18l,18pよりも外周側に位置した状態で周回している。また、コイル導体層20b,20f,20j,20l,20pは、軌跡R4の右半分と重なっており、相対的に小さな径(第1の径の一例)を有している。
以上のようなコイル導体層20a〜20sにおいて、反時計回り方向の上流側の端部を上流端と呼び、反時計回り方向の下流側の端部を下流端と呼ぶ。
ビアホール導体v21は、絶縁体層16bを上下方向に貫通しており、コイル導体層20aの下流端とコイル導体層20bの上流端とを接続している。ビアホール導体v22は、絶縁体層16cを上下方向に貫通しており、コイル導体層20bの下流端とコイル導体層20cの上流端とを接続している。ビアホール導体v23は、絶縁体層16dを上下方向に貫通しており、コイル導体層20cの下流端とコイル導体層20dの上流端とを接続している。ビアホール導体v24は、絶縁体層16eを上下方向に貫通しており、コイル導体層20dの下流端とコイル導体層20eの上流端とを接続している。ビアホール導体v25は、絶縁体層16fを上下方向に貫通しており、コイル導体層20eの下流端とコイル導体層20fの上流端とを接続している。ビアホール導体v26は、絶縁体層16gを上下方向に貫通しており、コイル導体層20fの下流端とコイル導体層20gの上流端とを接続している。ビアホール導体v27は、絶縁体層16hを上下方向に貫通しており、コイル導体層20gの下流端とコイル導体層20hの上流端とを接続している。ビアホール導体v28は、絶縁体層16iを上下方向に貫通しており、コイル導体層20hの下流端とコイル導体層20iの上流端とを接続している。ビアホール導体v29は、絶縁体層16jを上下方向に貫通しており、コイル導体層20iの下流端とコイル導体層20jの上流端とを接続している。ビアホール導体v30は、絶縁体層16kを上下方向に貫通しており、コイル導体層20jの下流端とコイル導体層20kの上流端とを接続している。
ビアホール導体v31〜v33は、絶縁体層16l〜16nを上下方向に貫通しており、互いに接続されて1連のビアホール導体を構成している。ビアホール導体v31〜v33は、コイル導体層20kの下流端とコイル導体層20lの上流端とを接続している。ビアホール導体v34は、絶縁体層16oを上下方向に貫通しており、コイル導体層20lの下流端とコイル導体層20mの上流端とを接続している。ビアホール導体v35は、絶縁体層16pを上下方向に貫通しており、コイル導体層20mの下流端とコイル導体層20nの上流端とを接続している。ビアホール導体v36は、絶縁体層16qを上下方向に貫通しており、コイル導体層20nの下流端とコイル導体層20oの上流端とを接続している。ビアホール導体v37は、絶縁体層16rを上下方向に貫通しており、コイル導体層20oの下流端とコイル導体層20pの上流端とを接続している。ビアホール導体v38は、絶縁体層16sを上下方向に貫通しており、コイル導体層20pの下流端とコイル導体層20qの上流端とを接続している。ビアホール導体v39は、絶縁体層16tを上下方向に貫通しており、コイル導体層20qの下流端とコイル導体層20rの上流端とを接続している。ビアホール導体v40は、絶縁体層16uを上下方向に貫通しており、コイル導体層20rの下流端とコイル導体層20sの上流端とを接続している。
以上のように構成されたコイルL2では、コイル導体層20b,20cが相対的に小さな径で1周し、コイル導体層20d,20eが相対的に大きな径で1周している。また、コイル導体層20f〜20sについても、互いに接続されている2つのコイル導体層で相対的に小さな径で1周し、互いに接続されている2つのコイル導体層で相対的に大きな径で1周している。その結果、コイルL2の径は、コイルL2が1周する度に、相対的に小さな径(第1の径の一例)と相対的に大きな径(第2の径の一例)とに変化する。
絶縁体層16b(第1の絶縁体層の一例)上に設けられているコイル導体層18aとコイル導体層20aとの組み合わせを第1の組み合わせと呼ぶ。以下、同様に、絶縁体層16d,16f,16h,16j,16l,16p,16r,16t,16v(第1の絶縁体層の一例)上のそれぞれに設けられている1つのコイル導体層18c,18e,18g,18i,18k,18m,18o,18q,18sと1つのコイル導体層20c,20e,20g,20i,20k,20m,20o,20q,20sとの組み合わせを第1の組み合わせと呼ぶ。各第1の組み合わせでは、コイル導体層20a,20c,20e,20g,20i,20k,20m,20o,20q,20sがコイル導体層18a,18c,18e,18g,18i,18k,18m,18o,18q,18sよりも内周側に位置した状態で周回している。
絶縁体層16c(第2の絶縁体層の一例)上に設けられているコイル導体層18bとコイル導体層20bとの組み合わせを第2の組み合わせと呼ぶ。以下、同様に、絶縁体層16e,16g,16i,16k,16l,16q,16s,16u(第2の絶縁体層の一例)上のそれぞれに設けられている1つのコイル導体層18d,18f,18h,18j,18l,18n,18p,18rと1つのコイル導体層20d,20f,20h,20j,20l,20n,20p,20rとの組み合わせを第2の組み合わせと呼ぶ。各第2の組み合わせでは、コイル導体層20b,20d,20f,20h,20j,20l,20n,20p,20rがコイル導体層18b,18d,18f,18h,18j,18l,18n,18p,18rよりも外周側に位置した状態で周回している。
以上のような第1の組み合わせと第2の組み合わせとは、上下方向において交互に並んでいる。これにより、コイルL1とコイルL2との位置関係が、1/2周毎に内周側と外周側とに入れ替わる。
信号線路SL2は、引き出し導体層26a,26bを含んでいる。引き出し導体層26aは、絶縁体層16bの表面に設けられている線状の導体層であり、コイル導体層20aの上流端と外部電極14cとを接続している。引き出し導体層26bは、絶縁体層16vの表面に設けられている線状の導体層であり、コイル導体層20sの下流端と外部電極14dとを接続している。
コイルL3は、上下方向に延在する巻回軸(図示せず)を有する螺旋状をなしており、本実施形態では、上側から見たときに、反時計回り方向に周回しながら上側から下側へと進行する螺旋状をなしている。コイルL3の巻回軸は、上側から見たときに、素体12の対角線の交点に位置している。コイルL3は、コイル導体層30a,30b(第3のコイル導体層の一例)及びビアホール導体v50(第3の層間接続導体の一例)を含んでいる。
コイル導体層30aは、絶縁体層16mの表面上に設けられている線状の導体層であり、上側から見たときに、反時計回り方向に周回しながら内周側から外周側へと向かう渦巻状をなしている。コイル導体層30bは、絶縁体層16nの表面上に設けられている線状の導体層であり、上側から見たときに、反時計回り方向に周回しながら外周側から内周側へと向かう渦巻状をなしている。以上のようなコイル導体層30aにおいて、反時計回り方向の上流側の端部を上流端t2と呼び、反時計回り方向の下流側の端部を下流端t1と呼ぶ。コイル導体層30bにおいて、反時計回り方向の上流側の端部を上流端t3と呼び、反時計回り方向の下流側の端部を下流端t4と呼ぶ。
コイル導体層30aの上流端t2(第2の端部の一例)の幅は、コイル導体層30aの下流端t1及び上流端t2を除く部分の幅よりも大きい。同様に、コイル導体層30bの下流端t4(第2の端部の一例)の幅は、コイル導体層30bの上流端t3及び下流端t4を除く部分の幅よりも大きい。そして、上流端t2と下流端t4とは、絶縁体層16mを介して対向している。これにより、上流端t2と下流端t4との間に容量が形成されている。更に、コイル導体層30aの上流端t2を除く部分とコイル導体層30bの下流端t4を除く部分とは、絶縁体層16mを介して対向している。これにより、コイル導体層30aの上流端t2を除く部分とコイル導体層30bの下流端t4を除く部分との間に容量が形成されている。コンデンサC1は、これら2つの容量の合計であり、コイル導体層30aとコイル導体層30bとの間に形成されている容量である。ここで、幅とは、コイル導体層30a,30bの延在方向に直交する方向におけるコイル導体層30a,30bの幅である。
更に、上流端t2及び下流端t4は、上側から見たときに、コイルL1,L2に囲まれている領域の中心(すなわち、コイルL1,L2の巻回軸)とは重なっていない。本実施形態では、上流端t2及び下流端t4は、コイルL1,L2の巻回軸よりも右側に位置している。
ビアホール導体v50は、絶縁体層16mを上下方向に貫通しており、コイル導体層30aの下流端t1(第1の端部の一例)とコイル導体層30bの上流端t3(第1の端部の一例)と(第1の端部同士の一例)を接続している。
また、ビアホール導体v11〜v13,v31〜v33は、コイル導体層30a,30bの内周側の部分とコイル導体層30a,30bの外周側の部分との間を上下方向に通過している。
以上のように構成されたコモンモードチョークコイル10では、コイルL3は、上下方向の両側からコイルL1,L2に挟まれている。より詳細には、コイルL1は、コイル部Lp1,Lp2を含んでいる。コイル部Lp1は、コイル導体層18a〜18k及びビアホール導体v1〜v10である。すなわち、コイル部Lp1(第1のコイル部の一例)は、コイルL3よりも上側(第1の方向の一方側の一例)に位置する部分である。コイル部Lp2(第2のコイル部の一例)は、コイル導体層18l〜18s及びビアホール導体v14〜v20である。すなわち、コイル部Lp2は、コイルL3よりも下側(第1の方向の他方側の一例)に位置する部分である。
また、コイルL2は、コイル部Lp3,Lp4を含んでいる。コイル部Lp3(第3のコイル部の一例)は、コイル導体層20a〜20k及びビアホール導体v21〜v30である。すなわち、コイル部Lp3は、コイルL3よりも上側(第1の方向の一方側の一例)に位置する部分である。コイル部Lp4(第4のコイル部の一例)は、コイル導体層20l〜20s及びビアホール導体v34〜v40である。すなわち、コイル部Lp4は、コイルL3よりも下側(第1の方向の他方側の一例)に位置する部分である。以上のように、コイルL3の上側にコイル部Lp1,Lp3が位置し、コイルL3の下側にコイル部Lp2,Lp4が位置することにより、コイルL3が素体12の上下方向の中央近傍に位置するようになる。
以上のようなコイル導体層18a〜18s,20a〜20s,30a,30b及び引き出し導体層24a,24b,26a,26bは、例えば、銅等の金属を主成分とする導電性ペーストが絶縁体層16b〜16vに塗布されることにより形成される。また、ビアホール導体v1〜v40,v50は、例えば、絶縁体層16b〜16uを上下方向に貫通するビアホールに対して、銅等の金属を主成分とする導電性ペーストが充填されることにより形成される。
次に、コモンモードチョークコイル10の動作について説明する。外部電極14a,14cは、例えば、入力端子として用いられる。外部電極14b,14dは、例えば、出力端子として用いられる。
外部電極14a,14cにはそれぞれ、位相が180度異なる第1の信号及び第2の信号からなる差動伝送信号が入力される。第1の信号及び第2の信号は、デファレンシャルモードであるので、コイルL1,L2を通過する際にコイルL1,L2に互いに逆向きの磁束を発生させる。そして、コイルL1で発生した磁束とコイルL2で発生した磁束とは互いに打ち消し合う。そのため、コイルL1,L2内では、第1の信号及び第2の信号が流れることによる磁束の増減が殆ど生じない。すなわち、コイルL1,L2は、第1の信号及び第2の信号が流れることを妨げる逆起電力を発生しない。よって、コモンモードチョークコイル10は、第1の信号及び第2の信号に対しては、非常に小さなインピーダンスしか有さない。
一方、第1の信号及び第2の信号にコモンモードノイズが含まれている場合には、コモンモードノイズは、コイルL1,L2を通過する際にコイルL1,L2に同じ向きの磁束を発生させる。そのため、コイルL1,L2内では、コモンモードノイズが流れることによって、磁束が増加する。これにより、コイルL1,L2は、コモンモードノイズが流れることを妨げる逆起電力を発生する。よって、コモンモードチョークコイル10は、コモンモードノイズに対しては、大きなインピーダンスを有している。
以上のようなコモンモードチョークコイル10は、動作周波数帯においてコモンモードノイズの通過特性(Scc21)に2つの減衰極を有している。2つの減衰極の周波数を周波数fa,fbとする。周波数fbは周波数faよりも高い。このとき、主回路MCの共振周波数f1及び並列共振回路LCの共振周波数f2は、fa以上fb以下となる。例えば、コモンモードチョークコイル10がUSB3.0とUSB3.1の差動伝送線路に用いられた場合には、周波数faはUSB3.0の基本周波数である2.5GHz(データ転送速度5.0Gbps)であり、周波数fbはUSB3.1の基本周波数である5.0GHz(データ転送速度10.0Gbps)である。すなわち、コモンモードチョークコイル10は、差動伝送信号から2.5GHz(周波数fa)及び5.0GHz(周波数fb)のコモンモードノイズを除去する。
(電子機器について)
次に、コモンモードチョークコイル10が用いられた電子機器100について図面を参照しながら説明する。図9は、電子機器100のブロック図である。
電子機器100は、例えば、パソコンや携帯電話等であり、コモンモードチョークコイル10、外部電極114a,114b及びインターフェースIC120(電気回路の一例)を備えている。外部電極114a,114bはそれぞれ、外部電極14a,14cに電気的に接続されている。また、外部電極14b,14dは、インターフェースIC120に電気的に接続されている。すなわち、信号線路SL1,SL2は、外部電極14b,14dを介して、インターフェースIC120に接続されている。インターフェースIC120は、例えば、USBトランシーバーICである。
以上のような電子機器100では、コモンモードチョークコイル10は、インターフェースICに入力する差動伝送信号からコモンモードノイズを除去する、又は、インターフェースICから出力する差動伝送信号からコモンモードノイズを除去する。
(コモンモードチョークコイルの製造方法について)
次に、コモンモードチョークコイル10の製造方法について図面を参照しながら説明する。
まず、図3及び図4の絶縁体層16a〜16wとなるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、LTCCのセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、厚さが20μmである絶縁体層16a〜16wとなるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、図3及び図4に示すように、絶縁体層16b〜16uとなるべきセラミックグリーンシートのビアホール導体v1〜v40,v50が形成されるべき位置にレーザビームを照射してビアホールを形成する。次に、このビアホールに対して、銅を主成分とする導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。
次に、図3及び図4に示すように、絶縁体層16b〜16vとなるべきセラミックグリーンシートの表面上にコイル導体層18a〜18s,20a〜20s,30a,30b及び引き出し導体層24a,24b,26a,26bを形成する。具体的には、絶縁体層16b〜16vとなるべきセラミックグリーンシートの表面上に、銅を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コイル導体層18a〜18s,20a〜20s,30a,30b及び引き出し導体層24a,24b,26a,26bを形成する。なお、コイル導体層18a〜18s,20a〜20s,30a,30b及び引き出し導体層24a,24b,26a,26bを形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
次に、図3及び図4に示すように、絶縁体層16a〜16wとなるべきセラミックグリーンシートをこの順に並ぶように積層・圧着して、未焼成のマザー積層体を得る。絶縁体層16a〜16wとなるべきセラミックグリーンシートの積層・圧着は、1枚ずつ積層して仮圧着してマザー素体を得た後、未焼成のマザー素体を静水圧プレスなどにより加圧して本圧着を行う。
次に、マザー素体をカット刃により所定寸法の素体12にカットする。これにより未焼成の素体12が得られる。この未焼成の素体12には、脱バインダー処理及び焼成がなされる。
次に、素体12に対してバレル研磨加工を施して、面取りを行う。更に、銅を主成分とする導電性ペーストを素体12に塗布することにより、外部電極14a〜14dの下地電極を形成する。そして、下地電極にNiめっき及びSnめっきを施すことにより、外部電極14a〜14dを形成する。以上の工程により、図2に示すようなコモンモードチョークコイル10が完成する。
(効果)
本実施形態に係るコモンモードチョークコイル10によれば、以下に説明するように、複数の減衰極を形成でき、かつ、伝送損失を低減できる。図10は、比較例に係るコモンモードチョークコイル200の等価回路図である。図11は、コモンモードチョークコイル200のコモンモードノイズの通過特性(Scc21)を示したグラフである。図12は、コモンモードチョークコイル10の説明用の等価回路図である。図13は、コモンモードチョークコイル10のコモンモードノイズの通過特性(Scc21)を示したグラフである。図11及び図13において、縦軸は減衰量を示し、横軸は周波数を示す。
図10に示す比較例に係るコモンモードチョークコイル200は、並列共振回路LCを備えていない点においてコモンモードチョークコイル10と相違する。コモンモードチョークコイル200のその他の構成については、コモンモードチョークコイル10と同じであるので説明を省略する。また、コモンモードチョークコイル200においてコモンモードチョークコイル10と共通の構成については、同じ参照符号を用いた。
コモンモードチョークコイル200は、主回路MCを備えている。従って、コモンモードチョークコイル200の減衰極の周波数は、図11に示すように、周波数f1である。このように、2つのコイルL1,L2では、1つの減衰極しか得られない。
そこで、本願発明者は、創意工夫を行ったところ、以下に説明するように、周波数f1と周波数f2とが略等しくなるようにコモンモードチョークコイル10を設計することで、周波数fa,fbを有する2つの減衰極を得られることを発見した。
コイルL1,L2及び寄生容量Cp1,Cp2は、周波数f1にてコモンモードを除去するコモンモードフィルタを構成する。このとき、コイルL1とコイルL2とが磁界を強め合い周波数f1で共振している。周波数f1付近で共振するコイルL3及びコンデンサC1による並列共振器を、この磁界を妨げるように配置する。この場合、コイルL3及びコンデンサC1による共振回路は、コイルL1,L2による磁界エネルギーを受けて共振する。その結果、コイルL1,L2による磁界を妨げるように磁界が生じる。このため、コイルL3及びコンデンサC1による共振周波数以上の周波数では、コイルL1及びコイルL2の磁界は、コイルL3及びコンデンサC1により分離される。これにより、コイルL1及びコイルL2の値が約1/2に小さくなり、新たに周波数f2において共振が見られるようになる。コイルL3及びコンデンサC1の共振器の位置をシート方向に変化させることで、コイルL1,L2が分離されるインダクタンス値が変化する。これにより、例えば、コイルL1,L2を1:3に分離する位置に共振器を置けば共振点を2個(周波数f2に加え、もう一個)作ることができる。
コイルL3はコイルL1,L2と磁界結合している。このような磁界結合により、図12に示すように、コイルL1と並列共振回路LC1とが直列に接続され、コイルL2と並列共振回路LC2とが直列に接続されたとみなすことができる。並列共振回路LC1は、コイルL4とコンデンサC2とが並列接続されて構成されている。並列共振回路LC2は、コイルL5とコンデンサC2とが並列接続されて構成されている。コイルL4のインダクタンス値は、コイルL1,L3のインダクタンス値やコイルL1とコイルL3との結合度等により定まる。コイルL5のインダクタンス値は、コイルL2,L3のインダクタンス値やコイルL2とコイルL3との結合度等により定まる。本実施形態では、コイルL4のインダクタンス値とコイルL5のインダクタンス値とは等しいものとする。この場合、並列共振回路LC1,LC2の共振周波数が周波数fb(5.0GHz)となる。従って、コモンモードチョークコイル200は、周波数fb(5.0GHz)のコモンモードノイズに対して大きなインピーダンスを発生するようになる。
更に、コイルL1,L2は、コイルL3と磁界結合している。そのため、コイルL1,L2のインダクタンス値が磁界結合の影響を受ける。そのため、主回路MCの共振周波数も、周波数f1から変動して周波数fa(2.5GHz)となる。以上の理由により、コモンモードチョークコイル10は、コモンモードノイズの通過特性において2つの減衰極を有するようになる。
更に、コモンモードチョークコイル10は、外部電極14aと外部電極14bとの間に1つのコイルL1が設けられ、外部電極14cと外部電極14dとの間に1つのコイルL2が設けられている。従って、コモンモードチョークコイル10では、特許文献1に記載のコモンモードフィルタ500のように、コイル502,504を直列接続すると共に、コイル506,508を直列接続する必要がない。その結果、コモンモードチョークコイル10では、直流抵抗値の増大が抑制され、伝送損失の増大が抑制される。
また、コモンモードチョークコイル10では、小型化を図ることができる。より詳細には、特許文献1に記載のコモンモードフィルタ500では、コイル502とコイル504との間の容量及びコイル506とコイル508との間の容量によって、減衰極を形成している。コモンモードフィルタ500では、コイル502,506からなる第1のフィルタ部とコイル504,508からなる第2のフィルタ部との結合係数は小さいため、コイル502とコイル504との間の容量及びコイル506とコイル508との間の容量は小さくなる。そのため、コモンモードフィルタ500の減衰極の周波数が高くなってしまう。そこで、コイル502,504,506,508のインダクタンス値を大きくして、減衰極の周波数を所望の周波数まで低下させる必要があった。その結果、コモンモードフィルタ500が大型化するという問題があった。
そこで、コモンモードチョークコイル10では、以下の2つの容量により、コンデンサC3を形成している。1つ目の容量は、コイル導体層30aとコイル導体層30bとが対向することにより形成される容量である。2つ目の容量は、コイル導体層30aの上流端t2とコイル導体層30bの下流端t4との間に形成される容量である。これにより、コンデンサC3は、大きな容量値を有するようになる。その結果、コイルL2の大型化が抑制され、コモンモードチョークコイル10の小型化が図られる。
また、コモンモードチョークコイル10では、コイルL1,L2のインダクタンス値の低下を抑制できる。コイルL1,L2の巻回軸付近では、磁束密度が高くなる。そのため、コイルL1,L2の巻回軸付近には、磁界を妨げるような導体を配置することは好ましくない。そこで、コモンモードチョークコイル10では、上流端t2及び下流端t4は、上側から見たときに、コイルL1,L2に囲まれている領域の中心(すなわち、コイルL1,L2の巻回軸)とは重なっていない。これにより、コイルL1,L2のインダクタンス値が低下することが抑制される。
また、コモンモードチョークコイル10では、コイルL1とコイルL2との間に大きな容量が発生することが抑制される。以下に、実施例として、コイルL1の径及びコイルL2の径が均一であるコモンモードチョークコイルを例に挙げて説明する。図14は、実施例に係るコモンモードチョークコイル310の部分的な分解斜視図である。図15Aは、コモンモードチョークコイル10の断面構造図である。図15Bは、コモンモードチョークコイル310の断面構造図である。
実施例に係るコモンモードチョークコイル310も、本発明のコモンモードチョークコイルの概念に含まれる。また、実施例に係るコモンモードチョークコイル310において、コモンモードチョークコイル10に対応する構成については同じ参照符号を用いる。
コモンモードチョークコイル310では、図14に示すように、例えば、コイル導体層18c,20cとコイル導体層18e,20eとは、同じ形状をなしている。そして、コイル導体層18c,20cとコイル導体層18e,20eとの間には、2層の絶縁体層16d,16eが存在している。そのため、図15Bに示すように、コイル導体層18cは、コイル導体層20eと近接し、コイル導体層20cは、コイル導体層18eと近接する。そのため、コイルL1とコイルL2との間には、大きな容量が形成される。
一方、コモンモードチョークコイル10では、コイルL1の径及びコイルL2の径は、コイルL1,L2が1周する度に相対的に大きな径と相対的に小さな径とに変化している。そのため、図15Aに示すように、コモンモードチョークコイル10におけるコイル導体層18cとコイル導体層20eとの距離は、コモンモードチョークコイル310におけるコイル導体層18cとコイル導体層20eとの距離と略等しい。一方、コモンモードチョークコイル10におけるコイル導体層18eとコイル導体層20cとの距離は、コモンモードチョークコイル310におけるコイル導体層18eとコイル導体層20cとの距離よりも長い。そのため、コモンモードチョークコイル10においてコイルL1とコイルL2との間に発生する容量は、コモンモードチョークコイル310においてコイルL1とコイルL2との間に発生する容量よりも小さい。以上より、コモンモードチョークコイル10では、コイルL1とコイルL2との間に大きな容量が発生することが抑制される。
また、コモンモードチョークコイル10では、コイルL1とコイルL2との構造を近づけることが可能となる。より詳細には、コモンモードチョークコイル10では、第1の組み合わせと第2の組み合わせとが、上下方向において交互に並んでいる。各第1の組み合わせでは、コイル導体層20a,20c,20e,20g,20i,20k,20m,20o,20q,20sがコイル導体層18a,18c,18e,18g,18i,18k,18m,18o,18q,18sよりも内周側に位置した状態で周回している。各第2の組み合わせでは、コイル導体層20b,20d,20f,20h,20j,20l,20n,20p,20rがコイル導体層18b,18d,18f,18h,18j,18l,18n,18p,18rよりも外周側に位置した状態で周回している。これにより、コイルL1とコイルL2との位置関係が、1/2周毎に内周側と外周側とに入れ替わる。そのため、コイルL1とコイルL2との長さが近づくようになり、コイルL1とコイルL2との構造が近づくようになる。その結果、コモンモードノイズがコイルL1,L2に入力した際に、コモンモードノイズによりコイルL1が発生する磁界の強さとコモンモードノイズによりコイルL2が発生する磁界の強さとが近づくようになる。よって、これらの磁界が打ち消されて、コモンモードノイズが効果的に除去されるようになる。
また、コモンモードチョークコイル10の方向性をなくすことができる。より詳細には、コイルL3の上側にコイル部Lp1,Lp3が位置し、コイルL3の下側にコイル部Lp2,Lp4が位置することにより、コイルL3が素体12の上下方向の中央近傍に位置している。これにより、コイルL3よりも上側の部分(コイル部Lp1,Lp3)の構造とコイルL3よりも下側の部分(コイル部Lp2,Lp4)の構造とを近づけることができる。その結果、外部電極14a,14cを入力端子として用いた場合におけるコモンモードチョークコイル10の特性と、外部電極14b,14dを入力端子として用いた場合におけるコモンモードチョークコイル10の特性とを近づけることができる。その結果、コモンモードチョークコイル10の方向性がなくなる。これにより、素体12の上面に方向識別マークを設ける必要がなくなる。ただし、上記記載は、方向識別マークを設けることを妨げるものではない。
また、コモンモードチョークコイル10では、素体12の上面及び下面の両方を回路基板に対向する実装面として用いることができる。より詳細には、コイルL3の上側にコイル部Lp1,Lp3が位置し、コイルL3の下側にコイル部Lp2,Lp4が位置することにより、コイルL3が素体12の上下方向の中央近傍に位置している。これにより、コイルL3よりも上側の部分(コイル部Lp1,Lp3)の構造とコイルL3よりも下側の部分(コイル部Lp2,Lp4)の構造とを近づけることができる。そのため、素体12の上面を実装面とした場合におけるコモンモードチョークコイル10の特性と、素体12の下面を実装面とした場合におけるコモンモードチョークコイル10の特性とを近づけることができる。よって、コモンモードチョークコイル10では、素体12の上面及び下面の両方を回路基板に対向する実装面として用いることができる。その結果、素体12の上面又は底面に方向識別マークを設ける必要がなくなる。ただし、上記記載は、方向識別マークを設けることを妨げるものではない。
また、コモンモードチョークコイル10では、ビアホール導体v11〜v13,v31〜v33を流れる高周波信号がコイルL3の磁界の影響を受けることが抑制される。より詳細には、コイル導体層30a,30bの内周側の部分とコイル導体層30a,30bの外周側の部分との間では、これらの部分のそれぞれで発生した磁界が打ち消し合う。そこで、ビアホール導体v11〜v13,v31〜v33は、コイル導体層30a,30bの内周側の部分とコイル導体層30a,30bの外周側の部分との間を上下方向に通過している。その結果、ビアホール導体v11〜v13,v31〜v33を流れる高周波信号がコイルL3の磁界の影響を受けることが抑制される。
(その他の実施形態)
なお、本発明に係るコモンモードチョークコイル及び電子機器は、前記実施形態に係るコモンモードチョークコイル10,310及び電子機器100に限らずその要旨の範囲内において変更可能である。
なお、コモンモードチョークコイル10,310は、逐次圧着法で作製されているが、例えば、印刷法やフォトリソグラフィ法等のその他の方法で作製されてもよい。印刷法は、セラミックスラリーの塗布と導電性ペーストの塗布とが交互に繰り返される方法である。フォトリソグラフィ法では、樹脂からなる絶縁体層16a〜16wをフォトリソグラフィ法により形成する方法である。
なお、絶縁体層16a〜16wの材料はLTCCであるとしたが、樹脂材料など、LTCC以外の材料が用いられてもよい。絶縁体層16a〜16wの材料として、フェライト等の磁性体材料が用いられてもよい。ただし、磁性体材料を用いた場合、高周波帯域において損失が増加する傾向にあるので、絶縁体層16a〜16wの材料としては、高周波帯域において損失が発生しにくい非磁性体材料を利用することが好ましい。
なお、コモンモードチョークコイル10において用いた各共振周波数は、一例であり、他の周波数であってもよい。
なお、コイル導体層30a,30bの上流端t2及び下流端t4の幅は、コイル導体層30a,30bの上流端t2及び下流端t4以外の部分の幅と等しくてもよい。
なお、周波数f1と周波数f2とが略等しいとは、例えば、周波数f1と周波数f2とが一致している場合、及び、周波数f1と周波数f2との差が数百MHz程度である場合を含む概念である。ただし、少なくとも周波数f1及び周波数f2が周波数fa以上周波数fb以下の範囲に収まっていれば、周波数f1と周波数f2とが略等しいと呼ぶものとする。
また、コモンモードチョークコイル10では、1つの並列共振回路LCが設けられているが、2つ以上の並列共振回路LCが設けられていてもよい。2つ以上の並列共振回路LCのコイルL3はそれぞれ、コイルL1,L2に対して磁界結合するものとする。これにより、コモンモードノイズの通過特性における減衰極を3以上形成することが可能となる。
以上のように、本発明は、コモンモードチョークコイル及び電子機器に有用であり、特に、複数の減衰極を形成でき、かつ、伝送損失を低減できる点において優れている。
10,310:コモンモードチョークコイル
12:素体
14a〜14d,114a,114b:外部電極
16a〜16w:絶縁体層
18a〜18s,20a〜20s,30a,30b:コイル導体層
24a,24b,26a,26b:引き出し導体層
100:電子機器
C1〜C3:コンデンサ
Cp1,Cp2:寄生容量
120:インターフェースIC
L1〜L5:コイル
LC,LC1,LC2:並列共振回路
La,Lb:コイル
Lp1〜Lp4:コイル部
MC:主回路
R1〜R4:軌跡
SL0:差動伝送線路
SL1,SL2:信号線路
t1,t4:下流端
t2,t3:上流端
v1〜v40,v50:ビアホール導体

Claims (9)

  1. 第1の信号線路及び第2の信号線路を含む差動伝送線路と、
    前記第1の信号線路に設けられている第1のコイル、前記第2の信号線路に設けられており、かつ、前記第1のコイルと磁界結合する第2のコイル、及び、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間に発生している寄生容量を含む並列共振主回路と、
    前記第1のコイル及び前記第2のコイルと磁界結合する第3のコイル、及び、該第3のコイルに電気的に並列接続されている第1のコンデンサを含む並列共振回路と、
    を備えており、
    前記並列共振主回路の第1の共振周波数と前記並列共振回路の第2の共振周波数とは、略等しく、
    互いに異なる周波数を有する2つの減衰極が形成されていること、
    を特徴とするコモンモードチョークコイル。
  2. 複数の基材層が第1の方向に積層されることにより構成されている素体を、
    更に備えており、
    前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第3のコイル及び前記第1のコンデンサは、前記基材層に設けられている導体層により構成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第3のコイルは、前記第1の方向に延在する巻回軸を有する螺旋状をなしており、
    前記第1のコイルは、前記第3のコイルよりも前記第1の方向の一方側に位置する第1のコイル部及び該第3のコイルよりも該第1の方向の他方側に位置する第2のコイル部を含んでおり、
    前記第2のコイルは、前記第3のコイルよりも前記第1の方向の一方側に位置する第3のコイル部及び該第3のコイルよりも該第1の方向の他方側に位置する第4のコイル部を含んでいること、
    を特徴とする請求項2に記載のコモンモードチョークコイル。
  4. 前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、互いに並走するように周回しており、
    前記第1のコイルの径及び前記第2のコイルの径は、該第1のコイル及び該第2のコイルが1周する度に、第1の径と該第1の径よりも大きい第2の径とに変化すること、
    を特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載のコモンモードチョークコイル。
  5. 前記複数の基材層は、第1の基材層及び第2の基材層を含んでおり、
    前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、互いに並走するように周回しており、
    前記第1のコイルは、複数の第1のコイル導体層及び該複数の第1のコイル導体層を接続する1以上の第1の層間接続導体を含んでおり、
    前記第2のコイルは、複数の第2のコイル導体層及び該複数の第2のコイル導体層を接続する1以上の第2の層間接続導体を含んでおり、
    前記複数の第1のコイル導体層及び前記複数の第2のコイル導体層は、1/2周分の長さを有しており、
    前記第1の基材層上に設けられている1つの前記第1のコイル導体層と1つの前記第2のコイル導体層との第1の組み合わせと、前記第2の基材層上に設けられている1つの前記第1のコイル導体層と1つの前記第2のコイル導体層との第2の組み合わせとが、前記第1の方向において交互に並んでおり、
    前記第1の組み合わせでは、前記第2のコイル導体層が前記第1のコイル導体層よりも内周側に位置した状態で周回しており、
    前記第2の組み合わせでは、前記第2のコイル導体層が前記第1のコイル導体層よりも外周側に位置した状態で周回していること、
    を特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイル。
  6. 前記第3のコイルは、前記基材層を介して対向する2つの第3のコイル導体層を含んでおり、
    前記第1のコンデンサは、前記2つの第3のコイル導体層の間に形成されている容量であること、
    を特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のコモンモードチョークコイル。
  7. 前記第3のコイルは、第1の端部及び第2の端部を有する2つの第3のコイル導体層、及び、第3の層間接続導体を含んでおり、
    前記第3の層間接続導体は、前記基材層を前記第1の方向に貫通することにより、前記2つの第3のコイル導体層の前記第1の端部同士を接続しており、
    前記2つの第3のコイル導体層の前記第2の端部の幅は、該2つの第3のコイル導体層の前記第1の端部及び該第2の端部を除く部分の幅よりも大きく、
    前記2つの第3のコイル導体層の前記第2の端部は、前記基材層を介して対向していること、
    を特徴とする請求項6に記載のコモンモードチョークコイル。
  8. 前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記第1の方向に延在する巻回軸を有する螺旋状をなしており、
    前記第2の端部は、前記第1の方向から見たときに、前記第1のコイル及び前記第2のコイルに囲まれている領域の中心とは重なっていないこと、
    を特徴とする請求項7に記載のコモンモードチョークコイル。
  9. 電気回路と、
    コモンモードチョークコイルと、
    を備えており、
    前記コモンモードチョークコイルは、
    前記電気回路に電気的に接続されている第1の信号線路及び第2の信号線路を含む差動伝送線路と、
    前記第1の信号線路に設けられている第1のコイル、前記第2の信号線路に設けられており、かつ、前記第1のコイルと磁界結合する第2のコイル、及び、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間に発生している寄生容量を含む並列共振主回路と、
    前記第1のコイル及び前記第2のコイルと磁界結合する第3のコイル、及び、該第3のコイルに電気的に並列接続されている第1のコンデンサを含む並列共振回路と、
    を備えており、
    前記並列共振主回路の第1の共振周波数と前記並列共振回路の第2の共振周波数とは、略等しく、
    互いに異なる周波数を有する2つの減衰極が形成されていること、
    を特徴とする電子機器。
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