JP2006024827A - コイル部品およびそれに用いる磁性体 - Google Patents

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Abstract

【課題】100MHz以上の帯域においても、磁気結合の低下を抑制したコイル部品およびそれに用いる磁性体を提供することを目的としている。
【解決手段】絶縁素体20は、コイル部22の内側に位置する中心部23を磁性体とし、隣接する導体21が対向する対向部24を非磁性体とし、磁性体は、主要相をスピネル型結晶構造にするとともに、FeとCuとZnとCoの組成比を、各々の酸化物換算で、Fe23は49〜50mol%、CuOは32〜35mol%、ZnOは15.5〜20.5mol%、CoOは0.05〜0.5mol%の範囲内とした構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器等に用いるコイル部品およびそれに用いる磁性体に関するものである。
以下、従来のコイル部品について図面を参照しながら説明する。
従来のコイル部品として、例えば、コモンモードノイズフィルタは、コモンモードノイズを除去するためにコモンモードのインピーダンスを大きくし、同時に信号波形を歪ませないためにディファレンシャルモードのインピーダンスをできるだけ小さくすることが望ましく、そのために図11、図12に示されるような構成を有していた。
図11は従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図、図12は同コモンモードノイズフィルタの斜視図である。
図11において、1は第1の絶縁体層、4は第1の絶縁体層1の上面に設けられた渦巻き状の第1の導体、5は第1の絶縁体層1の上面に設けられ第1の導体4とほぼ並行な渦巻き状に設けられた第2の導体であり、第1の導体4と二重の渦巻きの構成となっている。
2は第1の導体4及び第2の導体5を挟むようにして第1の絶縁体層1の上部に設けられた第2の絶縁体層、8は第2の絶縁体層2に設けられたスルホールであり内部には導電材が充填されている。6は第2の絶縁体層2の上面に設けられた渦巻き状の第3の導体、7は第2の絶縁体層2の上面に設けられ第3の導体6とほぼ並行な渦巻き状に設けられた第4の導体であり、第3の導体6と二重の渦巻きの構成となっている。第3の導体6は一方のスルホール8を介して第1の導体4と、第4の導体7は他のスルホール8を介して第2の導体5とそれぞれ電気的に接続している。そして、第3の導体6と第4の導体7の上面には第3の絶縁体層3が設けられている。
ここで、第2の絶縁体層2は第1の絶縁体層1および第3の絶縁体層3よりも低い透磁率のものを使用している。
図12において、10は磁性体であり、9は4個の外部電極であり、第1〜第4の導体4,5,6,7のいずれか一つとそれぞれ電気的に接続している。
上記に示したように従来の技術によれば、第1の導体4乃至第4の導体7を渦巻き状とし、第1の導体4と第2の導体5、第3の導体6と第4の導体7をほぼ並行に配置しているので、第1の導体4と第2の導体5、第3の導体6と第4の導体7の各々の導体間距離を短くでき、さらに一層あたりの磁路を渦巻き状とすることで長くでき、これにより各導体で発生し互いに影響を及ぼし合う磁界が強くなり、コモンモードのインピーダンスを大きくすることができる。
また、スルホール8を有する第2の絶縁体層2の透磁率を、第1の絶縁体層1と第3の絶縁体層3の透磁率以下とすることにより、第1の導体4と第2の導体5の導体間、第3の導体6と第4の導体7の導体間に低透磁率の第2の絶縁体層2を介在させることになり、これらの導体で発生する磁界をより強くすることができるので、効率的にコモンモードのノイズが抑制できる。
なお、絶縁体層1,3および低透磁率の絶縁体層2は、最終的には一体焼結される。
また、第1の絶縁体層1と第3の絶縁体層3には主にNi−Zn−Cuフェライトを用いることができる。
また、この低透磁率の第2の絶縁体層2にはNi−Zn−Cu―Co系フェライトを用いることができる。
また、第2の絶縁体層2に非磁性体を用いると一層の効果を得ることができ、その材料としては、ガラスセラミック、Zn−Cu系フェライトが好適である。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−31416号公報
しかしながら、上記従来の構成では第2の絶縁体層2が低透磁率もしくは非磁性体であり、また、第1の絶縁体層1と第3の絶縁体層3の透磁率が高周波帯域で急激に減少してしまうために、100MHz以上の高周波数帯域での磁気結合が低下するという問題点を有していた。特に、コモンモードノイズフィルタの場合は、この磁気結合の低下により、ディファレンシャルモードのインピーダンスを低減させにくかった。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、100MHz以上の帯域においても、磁気結合の低下を抑制したコイル部品およびそれに用いる磁性体を提供することを目的としている。
上記従来の問題点を解決するために本発明は、コイル部品として、セラミックスからなる絶縁素体と、前記絶縁素体に埋設した螺旋状の導体からなるコイル部とを備え、前記絶縁素体は、前記コイル部の内側に位置する中心部を磁性体とし、隣接する前記導体が対向する対向部を非磁性体とし、前記磁性体は、主要相をスピネル型結晶構造にするとともに、FeとCuとZnとCoの組成比を、各々の酸化物換算で、Fe23は49〜50mol%、CuOは32〜35mol%、ZnOは15.5〜20.5mol%、CoOは0.05〜0.5mol%の範囲内とした構成である。
上記構成により、磁性体は、主要素をスピネル型結晶構造にするとともに、FeとCuとZnとCoの組成比を、各々の酸化物換算で、Fe23は49〜50mol%、CuOは32〜35mol%、ZnOは15.5〜20.5mol%、CoOは0.05〜0.5mol%の範囲内としているので、100MHz以上の帯域における透磁率を40以上にすることができる。
よって、絶縁素体に埋設した螺旋状の導体からなるコイル部の内側に位置する中心部を上記の磁性体とし、隣接する導体が対向する対向部を非磁性体とした構成を有するコイル部品として用いれば、100MHz以上の帯域において、磁気結合の低下を抑制することができる。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて本発明のコイル部品およびそれに用いる磁性体について説明する。
本発明のコイル部品に用いる磁性体は、出発原料である市販の酸化鉄粉と酸化銅粉と酸化亜鉛粉及び炭酸コバルト粉をFe23,CuO,ZnO,CoO換算で、(表1)に示した組成で配合し、これに純水を適量加えてボールミルを用いて混合した後、乾燥して混合粉を得る。
この混合粉を750℃で仮焼した後、遊星ボールミルを用いて粉砕して磁性粒子粉末(以下、仮焼粉という)を得る。得られた仮焼粉の主要相は、X線回折の結果からスピネル型結晶構造であり、その平均粒径は1.2〜2.4μmであった。
この仮焼粉にPVA(ポリビニルアルコール)水溶液を適量添加して混練することにより平均粒径300μmφ程度の造粒粉を作製する。この造粒粉をリング形状に成形し、900℃で焼成し、トロイダル状のセラミックスからなる磁性体を得る。
得られたトロイダル状セラミック磁性体の透磁率を(表1)に比較して示す。(表1)内の※印は本発明の範囲外を意味する。
Figure 2006024827
(表1)に示すように、本発明の組成範囲では100MHzでの透磁率が40以上になることがわかる。本発明の組成範囲を超えた組成では透磁率が低下し、必要以上にこの組成範囲を超えても有用な効果は現れないことがわかる。
なお、得られた仮焼粉は、X線回折による解析結果から、スピネル型結晶構造が主要相であり、その平均粒子径は1.2〜2.4μmであった。平均粒子径が上記範囲外である場合には、緻密な磁性体を得ることが困難になる。
また、得られた磁性体は、スピネル型結晶構造が主要相である。
また、出発原料として用いる炭酸コバルトは、仮焼する過程で酸化物に変化するので、CoO,Co34のような酸化コバルトを出発原料として用いても同様の効果が得られる。
また、仮焼温度は700〜800℃前後でFe23が仮焼粉に含有していない温度以上を選択することが望ましく、焼成温度は850℃〜930℃でセラミックスからなる磁性体が緻密になる温度を選択することが望ましい。焼結の進行は、組成や仮焼粉の粒径に依存するため、用いる仮焼粉により、若干の調整を行う必要が生じる。
なお、透磁率の測定はインピーダンスマテリアルアナライザー4291A(アジレント・テクノロジー(株)製)を用い、結晶構造の同定にはX線回折装置RAD−2000(理学電機(株)製)を用い、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製)で測定したx50の値で示した。
次に、上記の磁性体を用いて形成した本発明のコイル部品について説明する。
図1は本発明のコイル部品であるコモンモードノイズフィルタの断面図、図2は同コモンモードノイズフィルタの斜視図、図3は同コモンモードノイズフィルタの分解平面図、図4は同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタの特性波形の比較を示す特性波形図である。
図1から図3において、コモンモードノイズフィルタは、セラミックスからなる絶縁素体20と、この絶縁素体20に埋設した弧状の導体21a〜21eを螺旋状に電気的接続して形成したコイル部22とを備えている。この絶縁素体20は、コイル部22の内側に位置する中心部23を磁性体とし、隣接する導体21が対向する対向部24を非磁性体とし、磁性体は、主要相をスピネル型結晶構造にするとともに、FeとCuとZnとCoの組成比を、各々の酸化物換算で、Fe23は49〜50mol%、CuOは32〜35mol%、ZnOは15.5〜20.5mol%、CoOは0.05〜0.5mol%の範囲内としている。
この絶縁素体20およびコイル部22は、弧状の第1〜第5の導体21a〜21eをそれぞれ形成した絶縁体からなる第1〜第5の絶縁体層25a〜25eを積層するとともに、第5の絶縁体層25eに第6の絶縁体層25fを積層し、上下に隣接する弧状の導体21a〜21eは互いに電気的接続して形成し、特に、コイル部22は、導体21a〜21eを2つ並列に配置するとともに、互いに電気的接続して螺旋状に巻回して形成している。
具体的には、第1の絶縁体層25aに形成した弧状の2つの導体21aは第2の絶縁体層25bに設けたスルホール(図示せず)を介して第2の導体21bと電気的に接続し、さらに第3の絶縁体層25cに設けられたスルホール(図示せず)を介して第3の導体21cと電気的に接続し、さらに第4の絶縁体層25dに設けられたスルホール(図示せず)を介して第4の導体21dと電気的に接続し、さらに第5の絶縁体層25eに設けられたスルホール(図示せず)を介して第5の導体21eと電気的に接続しており、2つの第1の導体21aおよび第5の導体25eの端部は、図2に示すような4つの外部電極32のいずれか一つと電気的に接続している。
また、第5の絶縁体層25eの上には、第6の絶縁体層25fを設け、第1〜第6の絶縁体層25a〜25fを積層してなる絶縁素体20を形成するとともに、コイル部22の内側に位置する芯部には上記の組成範囲からなる磁性体23を形成している。
ここで、第1〜第6の絶縁体層25a〜25fは具体的にはフォルステライト系ガラス、アルミナ−ガラス系誘電体のようなガラスセラミック等を用いて形成し、その比誘電率は10未満としている。第1の導体21a〜第5の導体21eの融点以下で焼結が可能であればガラスセラミック以外の材質を用いることも可能である。
また、第1〜第6の絶縁体層25a〜25fに、Ni−Zn−Cuフェライトのような磁性体を用いた場合は、磁性体の損失成分μ”の影響を受けてディファレンシャルモードのインピーダンスが大きくなってしまうので非磁性体が望ましく、少なくとも、隣接する導体21a〜21eが対向する対向部24は非磁性体にする必要がある。また、非磁性体であってもZnCuフェライトのような比誘電率が10以上の絶縁体を用いると、浮遊容量の影響でディファレンシャルモードのインピーダンスが大きくなってしまうため望ましくない。
上記構成のコモンモードノイズフィルタは、以下の製造プロセスを経て作製することができる。
まず、ガラスセラミックの原材料であるガラス粉末とフォルステライトなどを適量化で配合し、溶剤やバインダー成分と混合してセラミックスラリーを作成する。
次に、得られたセラミックスラリーをドクターブレード法などにより所望の厚みになるようシート成形して第1〜第6の絶縁体層25a〜25fに用いるセラミックグリーンシートを作製する。
次に、第1〜第6の絶縁体層25a〜25fに用いるセラミックグリーンシートに、導体21a〜21eを形成するとともに、隣接する上下の導体21a〜21eを互いに電気的接続するためのスルホールを形成し、これら第1〜第6の絶縁体層25a〜25fに用いるセラミックグリーンシートを積層する。
そして、導体21a〜21eを電気的接続して形成したコイル部22の内側に、磁性体23を形成するための孔を形成し、この孔に磁性体ペーストを充填するとともに、導体21a〜21eの融点以下で一体焼成して、コイル部22を埋設した絶縁素体20を形成する。
最後に、外部電極32を形成することにより本発明のコモンモードノイズフィルタを得ることができる。
なお、第1〜第6の絶縁体層25a〜25fの厚みをほぼ等しくし、上下に隣接する導体21a〜21eが対向する対向部24の間隔を均等にすることが望ましい。これにより、対向部24における浮遊容量の増大を抑制し、ディファレンシャルモードのインピーダンスを低減できる。
例えば、絶縁素体20の厚みを800μmとし、第1〜第6の絶縁体層25a〜25fで形成した場合、第1〜第6の絶縁体層25a〜25fの各々の厚みは約130μmが理想的である。さらにコモンモードのインピーダンスを増やすために巻き数を多くすれば一層あたりの厚みは薄くなるが、20μmより薄くなると急激にディファレンシャルモードのインピーダンスが増大するため、一層あたりの絶縁体層の厚みは20μm以上であることが望ましい。
また、第1〜第5の導体21a〜21eは、その材質をAgとすれば、コイル部22の直流抵抗値を小さくでき、並列に配置する間隔は、狭いほど望ましい。これらの間隔を狭くすることによってコモンモードのインピーダンスが大きくなるからである。
具体的には20から50μm程度が実質上優れた特性を有する。これらの間隔が20μm未満になると、浮遊容量の発生によりディファレンシャルモードのインピーダンスが急激に増大し、さらに導体材料のマイグレーション現象を誘発するために信頼性劣化を助長することから望ましくない。このような導体の間隔は、通常の印刷法では困難であり、凹版転写、めっき工法、ディスペンサー塗布工法により実現可能である。
また、磁性体を形成するための磁性ペーストは、その粉体充填率が高いほうが望ましく、磁性体粉末の平均粒径は数μm程度のサイズとし、さらに2ピークの粒度分布を有する高密度に充填できる粉末がより望ましい。磁性体は、100MHzの帯域において透磁率が40以上となる、実施の形態1に記載した磁性材料が望ましい。
コイル部22の内側に位置する中心部23の磁性体の断面形状は、コイル部22の断面形状と略同等にすることが望ましい。導体21a〜21eを電気的接続した弧状の形状が矩形状であれば、磁性体の断面形状も矩形状にするのが望ましい。
また、第1〜第6の絶縁体層25a〜25fの誘電率は低いほど望ましく、フォルステライトをフィラーとして用いたガラスセラミックの場合は、誘電率が8程度となる。
上記のコモンモードノイズフィルタは、図4に示すような、コモンモードインピーダンス特性とディファレンシャルインピーダンス特性を示す。
一般的に、コモンモードのインピーダンスは100Ω程度あればノイズ除去特性として問題ないが、上記のコモンモードノイズフィルタによれば、従来のコモンモードノイズフィルタと同様にノイズ除去特性に問題のないコモンモードのインピーダンスを得ることができつつ、100MHz以上の帯域においても、ディファレンシャルインピーダンスを小さくして信号波形の劣化を抑制できる。
上記構成により、磁性体は、主要相をスピネル型結晶構造にするとともに、FeとCuとZnとCoの組成比を、各々の酸化物換算で、Fe23は49〜50mol%、CuOは32〜35mol%、ZnOは15.5〜20.5mol%、CoOは0.05〜0.5mol%の範囲内としているので、100MHz以上の帯域における透磁率を40以上にすることができる。
よって、絶縁素体20に埋設した螺旋状の導体21a〜21eからなるコイル部22の内側に位置する中心部23を上記の磁性体とし、隣接する導体21a〜21eが対向する対向部24を非磁性体とした構成を有するコイル部品として用いれば、100MHz以上の帯域において、磁気結合の低下を抑制することができる。
特に、コモンモードノイズフィルタとして用いれば、100MHz以上の帯域においても、ノイズ除去特性に問題のないコモンモードのインピーダンスを得つつ、ディファレンシャルインピーダンスを小さくして信号波形の劣化を抑制できる。
さらに、100MHz以上の帯域における透磁率を40以上にした磁性体を用いるので磁気結合が向上し、コイル部22の総導体長および巻数を減らすことができ、総導体長や巻数に起因したディファレンシャルインピーダンスを、より一層小さくして信号波形の劣化を抑制できる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて本発明のコイル部品について説明する。
実施の形態2における本発明のコイル部品は、実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタを改良したものである。
図5は本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解平面図、図6は同コモンモードノイズフィルタの斜視図、図7は同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタの特性波形の比較を示す特性波形図である。なお、実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しその説明を省略する。
図5、図6において、実施の形態1と相違する点は、絶縁素体20の第1の絶縁体層25aと第6の絶縁体層25fとを磁性体で形成した点である。この磁性体の材質は、絶縁素体20の中心部23に形成した磁性体の材質と同一としている。
このような構成は、図5に示すように、第1の絶縁体層25aと第6の絶縁体層25fにガラスセラミックの原料粉末ではなく磁性体の原料粉末を用いることにより得ることができる。
これにより、図7に示すように、高帯域まで、ノイズ除去特性に問題のないコモンモードのインピーダンスを得つつ、ディファレンシャルインピーダンスを小さくして信号波形の劣化を抑制できる。
なお、第1の絶縁体層25aと第6の絶縁体層25fの材質を磁性体とする代わりに、図8に示すように、コイル部22の巻軸に対向した絶縁素体22の対向面に、第1の絶縁体層25aと第6の絶縁体層25fに磁性体からなる磁性体層29を設けてもよい。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて本発明のコイル部品について説明する。
実施の形態3における本発明のコイル部品は、実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタを改良したものである。
図9は本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの斜視図、図10は同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタの特性波形の比較を示す特性波形図である。なお、実施の形態2と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しその説明を省略する。
図9において、実施の形態2と相違する点は、外部電極32を備えていない対向する2つの端面にも磁性体層29を設け、磁性体で形成した第1の絶縁体層25aと第6の絶縁体層25fを接続している点である。
このような構成は、一体成形品もしくは一体焼成品にディッピング法などにより磁性インクを端面に塗布したのちに、磁性インクが焼結する温度以上、かつ導体21a〜21eの融点以下の温度で再焼成して得ることができる。
この構成により、図10に示すように、高帯域まで、ノイズ除去特性に問題のないコモンモードのインピーダンスを得つつ、ディファレンシャルインピーダンスを小さくして信号波形の劣化を抑制できる。
特に、絶縁素体20の側面の一部が磁性体となるので、磁気結合がさらに強くなってコモンモードのインピーダンスが大きくなり、より効率的にコモンモードのノイズが抑制できるという効果も得られる。
本発明にかかるコイル部品およびそれに用いる磁性体は、高周波の帯域においても透磁率が高くでき、磁気結合も高くなるので、各種電子機器等に用いるコイル部品およびそれに用いる磁性体として有用である。
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの断面図 同コモンモードノイズフィルタの斜視図 同コモンモードノイズフィルタの分解平面図 同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタの特性波形の比較を示す特性波形図 本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解平面図 同コモンモードノイズフィルタの斜視図 同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタの特性波形の比較を示す特性波形図 他の実施の形態におけるコモンモードノイズフィルタの分解平面図 本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの斜視図 同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタの特性波形の比較を示す特性波形図 従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの斜視図
符号の説明
20 絶縁素体
21a 第1の導体
21b 第2の導体
21c 第3の導体
21d 第4の導体
21e 第5の導体
22 コイル部
23 中心部
24 対向部
25a 第1の絶縁体層
25b 第2の絶縁体層
25c 第3の絶縁体層
25d 第4の絶縁体層
25e 第5の絶縁体層
25f 第6の絶縁体層
29 磁性体層
32 外部電極

Claims (8)

  1. 主要相をスピネル型結晶構造にするとともに、FeとCuとZnとCoの組成比を、各々の酸化物換算で、Fe23は49〜50mol%、CuOは32〜35mol%、ZnOは15.5〜20.5mol%、CoOは0.05〜0.5mol%の範囲内とした磁性体。
  2. セラミックスからなる絶縁素体と、前記絶縁素体に埋設した螺旋状の導体からなるコイル部とを備え、前記絶縁素体は、前記コイル部の内側に位置する中心部を磁性体とし、隣接する前記導体が対向する対向部を非磁性体とし、前記磁性体は、主要相をスピネル型結晶構造にするとともに、FeとCuとZnとCoの組成比を、各々の酸化物換算で、Fe23は49〜50mol%、CuOは32〜35mol%、ZnOは15.5〜20.5mol%、CoOは0.05〜0.5mol%の範囲内としたコイル部品。
  3. 前記絶縁素体の比誘電率を10未満とした請求項2記載のコイル部品。
  4. 前記絶縁素体は、前記コイル部の内側に位置する中心部のみを前記磁性体とした請求項2記載のコイル部品。
  5. 前記コイル部の巻軸に対向した前記絶縁素体の対向面に、前記磁性体からなる磁性体層を積層した請求項2記載のコイル部品。
  6. 前記コイル部の巻軸に対向しない前記絶縁素体の一方の対向面には、前記コイル部と電気的接続した端子部を設け、前記コイル部の巻軸に対向しない前記絶縁素体の他方の対向面には、前記磁性体からなる磁性体層を積層した請求項2記載のコイル部品。
  7. 前記絶縁素体および前記コイル部は、弧状の導体を形成した絶縁体からなる絶縁体層を複数積層するとともに、上下に隣接する弧状の前記導体を電気的接続して形成した請求項2記載のコイル部品。
  8. 前記コイル部は、2つの導体を並列に配置するとともに、螺旋状に巻回して形成した請求項2記載のコイル部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008071821A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Murata Mfg Co Ltd コモンモードチョークコイル
JPWO2017098896A1 (ja) * 2015-12-09 2017-12-07 株式会社村田製作所 コモンモードチョークコイル及び電子機器

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