JP4552679B2 - 酸化物磁性材料及び積層型インダクタ - Google Patents

酸化物磁性材料及び積層型インダクタ Download PDF

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本発明は、積層型インダクタに好適に用いられる酸化物磁性材料及び積層型インダクタに関するものであり、特に直流重畳特性を向上させた酸化物磁性材料及び積層型インダクタに関する。
積層型インダクタは、体積が小さいこと、信頼性が高いことなどから、各種電気機器に用いられている。この積層型インダクタは、通常、酸化物磁性材料からなる磁性層用のペーストと内部電極用のペーストとを厚膜積層技術によって積層一体化した後、焼結し、得られた焼結体表面に外部電極用のペーストを印刷または転写した後に焼き付けて製造される。なお、磁性層用のペーストと内部電極用のペーストとを積層一体化した後に焼結することを同時焼結と呼んでいる。内部電極用の材料としてその低抵抗率からAgまたはAg合金が用いられているため、磁性層を構成する酸化物磁性材料としては、同時焼結が可能、換言すればAgまたはAg合金の融点以下の温度で焼結ができることが絶対条件となる。したがって、高密度、高特性の積層型インダクタを得るためには、AgまたはAg合金の融点以下の温度で酸化物磁性材料を焼結できるかが鍵となる。
積層型インダクタは、一般に閉磁路を形成するが、その内部電極(コイル導体)に直流電流を通電していくと、通電した電流値に従ってインダクタンスが低下してしまう。電子部品としては、大きな電流が流れてもインダクタンスが極力低下しないことが望ましい。そのため、積層型インダクタには、直流電流の通電に対するインダクタンスの変化率が小さいことが要求される。このように直流電流の通電に対するインダクタンスの変化率は、直流重畳特性と呼ばれている。
直流重畳特性が改善されたNi−Cu−Zn系フェライトが特許文献1(特開2003−272912号公報)に開示されている。特許文献1は、Ni−Cu−Zn系フェライトにSnO2を0.2〜3wt%添加することにより、直流重畳特性を改善している。
特開2003−272912号公報
本発明者等の検討によれば、SnO2を添加することにより直流重畳特性は向上するものの、焼結後の密度が低下して、初透磁率(μi)が低くなる傾向にある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、焼結密度の低下を招くことなく直流重畳特性を向上することのできる酸化物磁性材料及びこの酸化物磁性材料を用いた積層型インダクタを提供することを目的とする。
Ni−Cu−Zn系フェライトにおけるFe23の化学量論組成は50mol%であるが、実際に製造されるNi−Cu−Zn系フェライトのFe23量は48〜50mol%の範囲にある。例えば、前述の特許文献1に開示される実施例のFe23量は、45mol%という一部の例外を除いて、48〜50mol%の範囲にある。
本発明者らは、Ni−Cu−Zn系フェライトのFe23量を一般的な範囲よりも低く設定するとともに、Mn23を所定量添加し、さらに焼結体の結晶粒径を制御することにより、上記目的を達成できることを確認した。すなわち本発明は、Fe23:44〜47mol%、CuO:5〜13mol%、ZnO:15〜23mol%、残部実質的にNiOからなる主成分に対して、副成分としてMn23を0.1〜0.5wt%含有する組成を有し、平均結晶粒径が0.7〜1.2μmである焼結体から構成されることを特徴とする酸化物磁性材料である。本発明の酸化物磁性材料は、焼結密度を低下させる要因となる組成物を添加することなく、基本的にはFe23量の量を適正化し、さらに副成分としてMn23を所定量添加することにより、直流重畳特性を向上することができる。
本発明の酸化物磁性材料において、焼結体は、Fe23:45.5〜47.0mol%、CuO:5〜10mol%、ZnO:16〜20mol%、残部実質的にNiOからなる主成分を有することが好ましい。また本発明の酸化物磁性材料において、焼結体の平均結晶粒径は、0.85〜1.1μmであることが好ましい。
以上の本発明による酸化物磁性材料を用いた積層型インダクタは、酸化物磁性層と内部電極とが交互に積層されるとともに、内部電極と電気的に接続された外部電極とを有し、酸化物磁性層は、Fe23:44〜47mol%、CuO:5〜13mol%、ZnO:15〜23mol%、残部実質的にNiOからなる主成分に対して、副成分としてMn23を0.1〜0.5wt%含有する組成を有し、平均結晶粒径が0.7〜1.2μmである焼結体から構成されることを特徴とする。
本発明によれば、焼結密度を低下させることなく直流重畳特性に優れた酸化物磁性材料及びこの酸化物磁性材料を用いた積層型インダクタを提供する。
本発明における組成の限定理由を説明する。
本発明の酸化物磁性材料は、Fe23、CuO及びZnO、残部実質的にNiOからなる主成分を有している。
Fe23は基本的な構成組成物として本発明の酸化物磁性材料に含有されるが、本発明では通常のNi−Cu−Zn系フェライトよりもFe23の量が低く設定されている。Fe23が44mol%より少ないと飽和磁束密度(Bs)が低くなり、その結果として直流重畳特性が低下する。一方で、Fe23が47mol%を超えると保磁力(Hc)が低くなり、その結果として直流重畳特性が低下する。望ましいFe23の量は45.5〜47.0mol%、さらに望ましいFe23の量は45.8〜46.8mol%である。
CuOは、本発明において焼結性に寄与する化合物であり、5mol%未満では焼結密度が低下してしまう。一方で、13mol%を超えると材料の固有抵抗が低下して品質係数Qが劣化する。望ましいCuO量は5〜10mol%、さらに望ましいCuO量は6〜8mol%である。
ZnOは、主に初透磁率(μi)を制御するために酸化物磁性材料に含有させる。ZnOの量が15mol%未満になると品質係数Qが劣化する。一方、ZnOの量が23molを超えると飽和磁束密度(Bs)が低くなり、その結果として直流重畳特性が低下する。望ましいZnOの量は15〜20mol%、さらに望ましいZnO量は16.0〜19.5mol%である。
本発明の酸化物磁性材料は、上記主成分に対して0.1〜0.5wt%のMn23を副成分として含有する。Mn23を副成分として添加することにより、本発明の酸化物磁性材料に比抵抗向上の効果をもたらす。ただし、Mn23の量が0.1wt%未満では品質係数Qが劣り、比抵抗値も十分でない。一方、Mn23の量が0.5wt%を超えると直流重畳特性が低下する。望ましいMn23の量は0.15〜0.45wt%、さらに望ましいMn23の量は0.2〜0.4wt%である。
本発明の酸化物磁性材料は、以上の主成分及び副成分からなる組成を有する焼結体から構成される。この焼結体は、平均結晶粒径を0.7〜1.2μmとする。平均結晶粒径が0.7μm未満になると初透磁率(μi)が低くなる一方、1.2μmを超えると直流重畳特性が劣化する。望ましい焼結体の平均結晶粒径は0.75〜1.15μm、さらに望ましい平均結晶粒径は0.8〜1.10μmである。
本発明において、直流重畳特性は、インダクタンスが初期値より10%低下した電流値で評価した。この電流値を本明細書中でIdcと表記する。本発明の酸化物磁性材料は、Idcを600mA以上とすることができる。
また本発明の酸化物磁性材料は、品質係数Qが70以上、飽和磁束密度(Bs)が350mT以上、保磁力(Hc)が400A/m以上の特性を有する。
本発明の酸化物磁性材料は、前述したように積層型インダクタに適用される。積層型インダクタの例を図1〜図2に基づいて説明する。図1〜図2は積層型チップインダクタ1を示す図であり、図1はその断面図、図2は一部破砕平面図である。
図1〜図2に示すように、積層型チップインダクタ1は、酸化物磁性層2と内部電極3とが交に積層一体化されて構成されるチップ体を有する。そして、内部電極3は円周パターン状に形成されると共に、隣接する内部電極3は、図2に示されるように、互いに導通しており、これによりコイルが形成されている。更に、このチップ体の端部には、内部電極3と電気的に導通する外部電極5が設けられている。
酸化物磁性層2に本発明による酸化物磁性材料を用いる。つまり、所定組成の原料粉末を、バインダ及び溶剤とともに混練して酸化物磁性層形成用のペーストを得る。このペーストと内部電極3及び引出し電極形成用のペーストとを交互に印刷、積層した後に焼結して一体のチップ体を得る。
前記バインダとしては、エチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等の公知のバインダを用いることができる。また、溶剤も、ターピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等の公知の溶剤を用いることができる。バインダ及び溶剤の添加量には制限はない。ただし、バインダについては1〜5質量部、溶剤については10〜50質量部の範囲とすることが推奨される。
バインダ及び溶剤の他に、分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等を10質量部以下の範囲で添加することもできる。分散剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルを添加することができる。また、可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルフタリルグリコール酸ブチルを添加することができる。
酸化物磁性層2は、酸化物磁性層用シートを用いて形成することもできる。すなわち、本発明による所定組成の粉末を、ポリビニルブチラールを主成分とするバインダと、トルエン、キシレン等の溶媒とともにボールミル中で混練してスラリを得る。このスラリを、ポリエステルフィルム等のフィルム上に、例えばドクターブレード法により塗布、乾燥して酸化物磁性層用シートを得ることができる。この酸化物磁性層用シートを、内部電極3用のペーストと交互に積層した後に、焼結すれば多層構造のチップ体を得ることができる。なお、バインダの量に制限はないが、1〜5質量部の範囲とすることが推奨される。また、分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等を10質量部以下の範囲で添加することもできる。
内部電極3は、インダクタとして実用的な品質係数Qを得るために抵抗率の小さいAgまたはAg合金、例えばAg−Pd合金を用いることが望ましい。しかし、これに限るものではなく、Cu、Pdまたはこれらの合金を用いることもできる。内部電極3を得るためのペーストは、AgまたはAg合金の粉末、若しくはこれらの酸化物粉末と、バインダ及び溶剤とを混合、混練して得ることができる。バインダ及び溶剤としては、酸化物磁性層2を形成するためのペーストに用いられていたものと同様のものを適用することができる。内部電極3は、各層が長円形状をなし、厚さ方向に隣接する内部電極3の各層はスパイラル状になって導通が確保されるので、閉磁路コイル(巻線パターン)を構成する。
外部電極5の材質としては、Ag、Ni、Cu、Ag−Pd合金といった公知の材料を用いることができる。外部電極5は、これら材料を印刷法、メッキ法、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法等の各種の方法により形成することができる。
積層型チップインダクタ1のチップ体の寸法には特に制限はない。用途に応じて適宜設定することができる。一般的には、外形はほぼ直方体形状であり、寸法としては1.0〜4.5mm×0.5〜3.2mm×0.6〜1.9mmの範囲のものが多い。また、酸化物磁性層2の電極間厚さ及びベース厚さにも特に制限はなく、電極間厚さとしては10〜100μm、ベース厚さとしては250〜500μm程度で設定できる。さらに内部電極3自体の厚さとしては、通常、5〜30μmの範囲で設定でき、また、巻線パターンのピッチは10〜100μm、巻数は1.5〜20.5ターン程度とすることができる。
酸化物磁性層2用のペーストまたはシートと内部電極3用のペーストとを交互に積層した後の焼結温度は、940℃以下とする。940℃を超えると、酸化物磁性層2中に内部電極3を構成する材料が拡散して、磁気特性を著しく低下させるおそれがあるからである。本発明の酸化物磁性材料は低温焼結に適しているが、800℃未満の温度では焼結が不十分となる。したがって、焼結は800℃以上とすることが望ましい。望ましい焼結温度は820〜930℃、さらに望ましくは850〜900875〜920℃である。なお、焼結時間は、0.05〜5時間、望ましくは0.1〜3時間の範囲で設定すればよい。
ここで、本発明の酸化物磁性材料は、平均結晶粒径を0.7〜1.2μmの範囲とするが、この平均結晶粒径に焼結温度が関与する。よって、800〜940℃の温度範囲内であっても、焼結体の平均結晶粒径が0.7〜1.2μmの範囲から外れる条件での焼結は行うべきではない。具体的な焼結条件は、組成によっても変動するため、本発明を実施する場合には予め焼結条件を確認しておくべきである。
表1に示す組成になるようにFe23、NiO、CuO、ZnO及びMn23原料をそれぞれ秤量し、これらを鋼鉄製ボールミルにて16時間湿式混合した。得られた混合物を乾燥した後、700℃で4時間保持し、仮焼粉を得た。この仮焼粉を鋼鉄製ボールミルで40時間粉砕し、粉砕粉を得た。この粉砕粉にポリビニルアルコールを加えて混合した後、スプレードライヤを用いて造粒粉を得た。こうして得られた顆粒を用いて、成形密度3.10Mg/m3、13×6×3mmのトロイダル形状の成形体を作製した。次にこの成形体を900℃で2時間焼結した。得られたトロイダル状試料の焼結密度及び平均結晶粒径を測定した。
また得られたトロイダル状試料に銅線で20ターンの巻き線を施し、初透磁率(μi,100kHz)、飽和磁束密度(Bs,4kA/m)、Idc(インダクタンス値が初期値より10%低下した電流値)を測定した。その結果を表1に示す。また、測定結果を図3〜図11のグラフに示した。
Figure 0004552679
表1及び図3に示すように、Fe23量によってIdcが変動することがわかる。特に、Fe23が44〜47mol%の範囲では600mA以上のIdcを得ることができる。そこで本発明は、Fe23量を44〜47mol%とする。
表1及び図4に示すように、CuO量によって焼結密度が変動し、CuO量が5mol%未満になると焼結密度が5.0Mg/m3未満と低くなる。また、表1及び図5に示すように、CuO量によってQが変動し、CuO量が5mol%未満又は13mol%を超えるとQが低くなる。また、CuOの含有量が13mol%を超えると焼結体の平均結晶粒径が1.2μmを超えることが表1よりわかる。以上の結果より、本発明はCuO量を5〜13mol%とする。
表1及び図6に示すように、ZnO量が多くなるにつれてQが高くなり、ZnOを15mol%以上含有することにより、100以上のQを得ることができる。ただし、表1及び図7に示すように、ZnO量が多くなるにつれてIdcが低下し、ZnO量が23.5mol%になるとIdcは600mA未満となる。以上の結果より、本発明はZnO量を15〜23mol%とする。
表1及び図8に示すように、Mn23量が多くなるにつれて比抵抗及びQが高くなり、Mn23量を0.1wt%以上にすることにより、1×105Ω・cm以上の比抵抗、100以上の品質係数Qを得ることができる。ただし、表1及び図9に示すように、Mn23量が多くなるにつれてIdcが低下する傾向にあり、Mn23量が0.5wt%を超えると600mA以上のIdcを得ることが困難になる。以上の結果より、本発明は、Mn23量を0.1〜0.5wt%とする。
表2に示す組成になるようにFe23、NiO、CuO、ZnO及びMn23原料をそれぞれ秤量し、これらを鋼鉄製ボールミルにて16時間湿式混合した。得られた混合物を乾燥した後、700℃で4時間保持し、仮焼粉を得た。この仮焼粉を鋼鉄製ボールミルで40時間粉砕し、粉砕粉を得た。この粉砕粉にポリビニルアルコールを加えて混合した後、スプレードライヤを用いて造粒粉を得た。こうして得られた顆粒を用いて、成形密度3.10Mg/m3、13×6×3mmのトロイダル形状の成形体を作製した。次にこの成形体を表2に示す各温度で2時間焼結した。得られた焼結体について焼結密度、初透磁率(μi)、Idc及び焼結体の平均結晶粒径を測定した。その結果を表2に示す。また、図10に平均結晶粒径と初透磁率(μi)の関係を、図11に平均結晶粒径とIdcの関係を示す。
Figure 0004552679
表2に示すように、焼結温度が高くなるにつれて焼結密度が高くなる。また、焼結温度が高くなるにつれて平均結晶粒径が大きくなり、焼結温度が860℃のときに平均結晶粒径は0.63μmであるのに対し、焼結温度が920℃になると平均結晶粒径が1.2μmを超える。
次に、図10に示すように、平均結晶粒径が大きくなるにつれて初透磁率(μi)が大きくなる傾向にあるが、平均結晶粒径が0.63μmでは70程度の初透磁率(μi)しか得ることができない。一方で、図11に示すように、平均結晶粒径が大きくなるにつれてIdcが低下し、平均結晶粒径が1.2μmを超えると600mA以上のIdcを得ることが難しくなる。以上の結果より、本発明は平均結晶粒径を0.7〜1.2μmとする。
下記の混合〜粉砕条件にしたがって表1の試料No.7及び20の組成を有する粉砕粉末を得た。なお、各試料の組成を表3に示しておく。
混合及び粉砕用ポット:ステンレスボールミルポット
混合及び粉砕用メディア:スチールボール
混合時間:16時間
仮焼条件:700℃×4時間
粉砕時間:40時間
得られた粉砕粉末を用いて以下に示す条件により積層型チップインダクタを作製し、インダクタンス(L)及びIdcを測定した。結果を表3に示す。表3に示すように、本発明による積層型チップインダクタ(試料No.20)のIdcが向上していることがわかる。
Figure 0004552679
[積層型チップインダクタの仕様]
表3の組成を有する各粉末100質量部に対して、エチルセルロース2.5質量部、ターピネオール40質量部を加え、3本ロールにて混練して酸化物磁性層用ペーストを調整した。一方、平均粒径0.8μmのAg100質量部に対して、エチルセルロース2.5質量部、ターピネオール40質量部を加え、3本ロールにて混練して内部電極用ペーストを得た。
以上で得られた酸化物磁性層用ペーストと内部電極用ペーストとを交互に印刷積層した後、890℃で2時間の焼結を行なって図1〜図2に示す形態の積層型チップインダクタを得た。この積層型チップインダクタの寸法は、2.0mm×1.2mm ×0.85mmである。また、外部電極はAgを600℃で焼き付けて形成した。
本実施の形態に係る積層型チップインダクタの断面図である。 本実施の形態に係る積層型チップインダクタの一部破砕平面図である。 Fe23量とIdcの関係を示すグラフである。 CuO量と焼結密度の関係を示すグラフである。 CuO量と品質係数Qの関係を示すグラフである。 ZnO量と品質係数Qの関係を示すグラフである。 ZnO量とIdcの関係を示すグラフである。 Mn23量と品質係数Qの関係を示すグラフである。 Mn23量とIdcの関係を示すグラフである。 平均結晶粒径と初透磁率(μi)の関係を示すグラフである。 平均結晶粒径とIdcの関係を示すグラフである。
符号の説明
1… 積層型チップインダクタ、2…酸化物磁性層、3…内部電極、5…外部電極

Claims (4)

  1. Fe23:44〜47mol%、CuO:5〜13mol%、ZnO:15〜23mol%、残部実質的にNiOからなる主成分に対して、副成分としてMn23を0.1〜0.5wt%含有する組成を有し、平均結晶粒径が0.7〜1.2μmである焼結体から構成されることを特徴とする酸化物磁性材料。
  2. 前記焼結体は、Fe23:45.5〜47.0mol%、CuO:5〜10mol%、ZnO:16〜20mol%、残部実質的にNiOからなる主成分を有することを特徴とする請求項1に記載の酸化物磁性材料。
  3. 前記焼結体の平均結晶粒径が0.85〜1.1μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物磁性材料。
  4. 酸化物磁性層と内部電極とが交互に積層されるとともに、前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを有する積層型インダクタであって、
    前記酸化物磁性層は、Fe23:44〜47mol%、CuO:5〜13mol%、ZnO:15〜23mol%、残部実質的にNiOからなる主成分に対して、副成分としてMn23を0.1〜0.5wt%含有する組成を有し、平均結晶粒径が0.7〜1.2μmである焼結体から構成されることを特徴とする積層型インダクタ。
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