JP2010147701A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルを含む2つのフィルタを内蔵している電子部品の小型化を図る。
【解決手段】入力信号に含まれている所定の周波数を有する信号のみを出力信号として出力する電子部品。ローパスフィルタは、所定の周波数を有する信号を通過させるフィルタであって、コイルL1,L3を含んでいる。ハイパスフィルタは、所定の周波数以外の周波数を有する信号を通過させるフィルタであって、コイルL1と容量結合しているコイルL2を含んでいる。積層体12−1は、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタを内蔵し、かつ、複数の絶縁層18a〜18d,20a〜20iが積層されてなる。コイルL2は、コイルL1及びコイルL3からなるコイルよりも高い抵抗値を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品に関し、より特定的には、コイルを含むフィルタからなる電子部品に関する。
従来の電子部品として、例えば、特許文献1に記載のフィルタ回路が知られている。該フィルタ回路は、ローパスフィルタとハイパスフィルタとを内蔵している積層型電子部品である。該電子部品では、ローパスフィルタは、必要な信号のみを通過させ、ノイズ(高調波等)を通過させない。ハイパスフィルタは、ローパスフィルタに並列接続され、ノイズを通過させる。また、ハイパスフィルタの後段には、抵抗が設けられている。ハイパスフィルタを通過したノイズは、抵抗において消費されて熱として発散する。以上のようなフィルタ回路によれば、高調波等のノイズを必要な信号から除去することができる。
しかしながら、特許文献1に記載のフィルタ回路では、素子が大型化するという問題がある。より詳細には、ハイパスフィルタの後段には、ノイズを消費するための抵抗を設ける必要がある。そのため、積層型電子部品内に、ハイパスフィルタと別に抵抗を設けるスペースを確保する必要がある。
特開2000−261270号公報
そこで、本発明の目的は、コイルを含む2つのフィルタを内蔵している電子部品の小型化を図ることである。
本発明の一形態に係る電子部品は、入力信号に含まれている所定の周波数を有する信号を出力信号として出力する電子部品であって、前記所定の周波数を有する信号を通過させ、かつ、第1のコイルを含む第1のフィルタと、前記所定の周波数以外の周波数を有する信号を通過させ、かつ、前記第1のコイルに容量結合している第2のコイルを含む第2のフィルタと、前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタを内蔵し、かつ、複数の絶縁層が積層されてなる積層体と、を備え、前記第2のコイルは、前記第1のコイルよりも高い抵抗値を有していること、を特徴とする。
本発明によれば、コイルを含む2つのフィルタを内蔵している電子部品の小型化を図ることができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品について図面を参照しながら説明する。該電子部品は、入力信号に含まれている所定の周波数を有する信号のみを出力信号として出力するノイズフィルタである。
(第1の実施形態)
(電子部品の構成について)
図1は、実施形態に係る電子部品10−1〜10−4の外観斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る積層体12−1の分解斜視図である。図3は、電子部品10−1の等価回路図である。以下、電子部品10−1の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10−1の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10−1の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。
図1に示す電子部品10−1は、積層体12−1及び外部電極14a,14b、16a,16bを備えている。また、積層体12−1は、図1には図示していないローパスフィルタ及びハイパスフィルタを内蔵しており、図2に示すように、積層体12aと積層体12bとが積層されて構成されている。
積層体12bは、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)基板であり、内部にコンデンサC1を内蔵している。以下に、積層体12bについて、図2を参照しながら詳細に説明する。
積層体12bは、コンデンサC1を内蔵しており、絶縁層20a〜20i及びコンデンサ導体30a〜30cが積層されて構成されている。
絶縁層20a〜20iは、Baを含有しSiO2を主成分としている誘電体材料(本実施形態では、ZnO−MgO−Al23−SiO2系の結晶化ガラス、BaO−Al23−SiO2系のセラミック、又は、Al23−Ba2Ti412−CeO2系のセラミック)からなる矩形状の層である。なお、絶縁層20a〜20iは、9枚記載されているが、9枚以上であってもよいし9枚以下であってもよい。
コンデンサ導体30a〜30cはそれぞれ、絶縁層20d〜20fの主面上に、例えば、Ag、Ag−Cu合金、Cu又はAu等の低融点金属により形成されている。コンデンサ導体30a,30cはそれぞれ、容量部31a,31c及び引き出し部32a,32cを有している。また、コンデンサ導体30bは、容量部31bを有している。容量部31a〜31cは、矩形状を有している。容量部31a〜31cは、絶縁層20a〜20iがz軸方向の上からこの順に積層されることにより、z軸方向の上からこの順に積層され、z軸方向に対向するもの同士で図3に示すコンデンサC1を構成している。引き出し部32a,32cはそれぞれ、一端が容量部31a,31cに接続されていると共に、他端がy軸方向の負方向側の辺に引き出されている。また、容量部31aには、切り欠き部34が設けられている。切り欠き部34は、後述するビアホール導体b7とコンデンサ導体30aとが短絡することを防止するために設けられている。
次に、積層体12aについて、図2を参照しながら詳細に説明する。積層体12aは、絶縁層18a〜18dが積層されて構成され、積層体12b上に設けられ、3つのコイルL1〜L3を内蔵している。
絶縁層18a〜18dは、例えば、ポリイミド樹脂等の絶縁性材料からなる矩形状の層である。
コイルL1は、コイル導体22b,22d及びビアホール導体b1により構成されている。コイルL2は、コイル導体22aにより構成されている。コイルL3は、コイル導体22c,22e及びビアホール導体b2により構成されている。コイルL2は、コイルL1及びコイルL3からなるコイルよりも高い抵抗値を有している。
コイル導体22aは、絶縁層18bの主面上に、導電性材料により形成されている。コイル導体22b,22cは、絶縁層18cの主面上においてx軸方向に隣り合って並ぶように、導電性材料により形成されている。また、コイル導体22d,22eは、絶縁層18dの主面上においてx軸方向に隣り合って並ぶように、導電性材料により形成されている。ここで、コイル導体22b〜22eは、例えば、抵抗率が10-8Ωm程度であるAg,Cuにより作製される。一方、コイル導体22aは、コイル導体22b〜22eよりも高い抵抗率を有する材料により作製され、例えば、抵抗率が10-5Ωm程度であるNiCrや、抵抗率が10-6Ωm程度であるTa2N等により作製される。
コイル導体22aは、コイル部24a及び引き出し部26aを有している。コイル導体22b,22cはそれぞれ、コイル部24b,24c、引き出し部26b,26c及び接続部28b,28cを有している。コイル導体22d,22eはそれぞれ、コイル部24d,24e及び接続部28d,28eを有している。
コイル部24a〜24eはそれぞれ、線状導体が折り曲げられることによって、渦巻き形状をなしている。引き出し部26a〜26cはそれぞれ、コイル部24a〜24cの一端に設けられている。引き出し部26aは、絶縁層18bのy軸方向の正方向側の辺に引き出されている。引き出し部26b,26cはそれぞれ、絶縁層18cのx軸方向の負方向側及び正方向側の辺に引き出されている。
接続部28b〜28eはそれぞれ、コイル部24b〜24eの他端に設けられている。接続部28bと接続部28dとは、z軸方向から平面視したときに互いに重なっており、接続部28cと接続部28eとは、z軸方向から平面視したときに互いに重なっている。
ビアホール導体b1,b2はそれぞれ、絶縁層18cをz軸方向に貫通している。ビアホール導体b1は、接続部28bと接続部28dとを接続している。これにより、コイル導体22bとコイル導体22dとがビアホール導体b1により接続されて、コイルL1を構成するようになる。また、ビアホール導体b2は、接続部28cと接続部28eとを接続している。これにより、コイル導体22cとコイル導体22eとがビアホール導体b2により接続されて、コイルL3を構成するようになる。
ここで、コイル導体22aとコイル導体22bとは、z軸方向から平面視したときに、互いに重なるように設けられている。これにより、コイルL1とコイルL2とは、容量結合し、図3に示す寄生容量Cpを形成している。よって、コイルL2及び寄生容量Cpは、図3に示すようなハイパスフィルタHPFを構成するようになる。
また、コイル部24dの一端とコイル部24eの一端とは、絶縁層18d上において互いに接続されている。これにより、コイルL1とコイルL3とは、図3に示すように直列に接続されている。更に、ビアホール導体b3〜b7はそれぞれ、絶縁層18d,20a〜20dをz軸方向に貫通するように設けられている。ビアホール導体b3の一端は、コイル導体22dとコイル導体22eとの間に接続されており、ビアホール導体b7の一端は、コンデンサ導体30bに接続されている。これにより、コンデンサC1は、図3に示すように、コイルL1とコイルL3との間に接続されるようになる。すなわち、コイルL1,L3及びコンデンサC1は、図3に示すようなT型のローパスフィルタLPFを構成するようになる。
外部電極14a,14bはそれぞれ、図1に示すように、積層体12−1のx軸方向の負方向側及び正方向側の側面に形成され、図2に示す引き出し部26b,26cと電気的に接続されている。外部電極16aは、図1に示すように、積層体12−1のy軸方向の正方向側の側面に形成され、図2に示す引き出し部26aと電気的に接続されている。外部電極16bは、図1に示すように、積層体12−1のy軸方向の負方向側の側面に形成され、図2に示す引き出し部32a,32cと電気的に接続されている。
電子部品10−1では、外部電極14aは、入力信号が入力する入力端子として用いられ、外部電極14bは、出力信号が出力する出力端子として用いられる。外部電極16a,16bは、接地電位が印加される接地端子として用いられる。これにより、ローパスフィルタLPFは、入力信号に含まれている所定の周波数よりも低い周波数を有する信号を通過させる。また、ハイパスフィルタHPFは、入力信号に含まれている所定の周波数よりも高い周波数を有する信号(すなわち、高調波等のノイズ)を通過させる。更に、ハイパスフィルタHPFを構成しているコイルL2は、コイルL1を構成している材料よりも高い抵抗率を有する材料により作製されている。そのため、ハイパスフィルタHPFを通過するノイズは、コイルL2において熱として消費される。その結果、外部電極14bからは、ノイズが除去された所定の周波数を有する出力信号が出力されるようになる。
(効果)
以上のような電子部品10−1によれば、ハイパスフィルタHPFに含まれているコイルL2は、ローパスフィルタLPFに含まれているコイルL1及びコイルL3からなるコイルよりも高い抵抗値を有している。そのため、ハイパスフィルタHPFを通過するノイズは、コイルL2において熱として消費される。すなわち、コイルL2は、ハイパスフィルタHPFの一部を構成していると共に、ノイズを消費するための抵抗としても機能している。よって、電子部品10−1では、特許文献1に記載のフィルタ回路のように、ハイパスフィルタとは別に抵抗を設ける必要がない。その結果、電子部品10−1の積層体12−1内に抵抗を設けるためのスペースを確保する必要がなくなり、電子部品10−1の小型化が図られる。
また、電子部品10−1では、z軸方向から平面視したときに、コイルL1とコイルL2とが重なっているので、コイルL1とコイルL2との間に寄生容量Cpが形成されている。この寄生容量Cpは、コイルL2と共にハイパスフィルタHPFを構成している。よって、電子部品10−1では、ハイパスフィルタHPFのためのコンデンサを設ける必要がない。その結果、電子部品10−1の小型化を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る電子部品10−2について図面を参照しながら説明する。図4は、第2の実施形態に係る積層体12−2の分解斜視図である。図5は、電子部品10−2の等価回路図である。電子部品10−2の外観斜視図については、図1を援用する。以下、電子部品10−2の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10−2の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10−2の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。
電子部品10−1と電子部品10−2との相違点は、図3及び図5の等価回路図に示すように、コンデンサC1の接続位置である。より詳細には、電子部品10−1では、図3に示すように、コンデンサC1は、コイルL1とコイルL3との間に接続されている。一方、電子部品10−2では、図5に示すように、コンデンサC1は、外部電極14bとコイルL3との間に接続されている。以下に該相違点を中心に電子部品10−2について説明する。
電子部品10−2では、コンデンサC1は、コイルL1とコイルL3との間に接続されていない。よって、図2に示したビアホール導体b3〜b7は、電子部品10−2には設けられていない。その代わり、電子部品10−2では、図4に示すように、コンデンサ導体30bが引き出し部33を有している。引き出し部33は、一端が容量部31bに接続され、他端が絶縁層20eのx軸方向の正方向側の辺に引き出されている。これにより、コンデンサ導体30bは、外部電極14bと接続されるようになる。すなわち、コンデンサC1は、外部電極14bとコイルL3との間に接続されるようになる。そして、コイルL1,L3及びコンデンサC1は、L型のローパスフィルタLPFを形成するようになる。なお、電子部品10−2のその他の構成は、電子部品10−1のその他の構成と同じであるので説明を省略する。
以上のように構成された電子部品10−2においても、電子部品10−1と同様に、素子の小型化を図ることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る電子部品10−3について図面を参照しながら説明する。図6は、第3の実施形態に係る積層体12−3の分解斜視図である。図7は、電子部品10−3の等価回路図である。電子部品10−3の外観斜視図については、図1を援用する。以下、電子部品10−3の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10−3の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10−3の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。
電子部品10−1と電子部品10−3との相違点は、図3及び図7の等価回路図に示すように、コンデンサC1の有無である。より詳細には、電子部品10−1では、図3に示すように、コンデンサC1が設けられているのに対して、電子部品10−3では、図7に示すように、コンデンサC1が設けられていない。以下に該相違点を中心に電子部品10−3について説明する。
電子部品10−3では、コンデンサC1が設けられていない。よって、図6に示すように、積層体12bの代わりに基板12'bを用いることができる。基板12'bは、例えば、セラミックス基板により構成される。このように、コンデンサC1が設けられないことにより、電子部品10−3では、コイルL1,L3は、トラップ型のローパスフィルタLPFを構成するようになる。
以上のように構成された電子部品10−3においても、電子部品10−1と同様に、素子の小型化を図ることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る電子部品10−4について図面を参照しながら説明する。図8は、第4の実施形態に係る積層体12−4の分解斜視図である。図9は、電子部品10−4の等価回路図である。電子部品10−4の外観斜視図については、図1を援用する。以下、電子部品10−4の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10−4の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10−4の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。
電子部品10−1と電子部品10−4との相違点は、コイルL3及びコンデンサC1の有無である。より詳細には、電子部品10−1では、図3に示すように、コイルL1とコイルL3とが直列に接続されているのに対して、電子部品10−4では、図9に示すように、コイルL3が設けられていない。また、電子部品10−1では、図3に示すように、コンデンサC1が設けられているのに対して、電子部品10−4では、図9に示すように、コンデンサC1が設けられていない。以下に該相違点を中心に電子部品10−4について説明する。
コイルL1は、図8に示すように、コイル導体122b,122c及びビアホール導体b11により構成されている。コイル導体122b,122cはそれぞれ、コイル部124b,124c、引き出し部126b,126c及び接続部128b,128cを有している。
コイル部124b,124cはそれぞれ、線状導体が折り曲げられることによって、渦巻き形状をなしている。引き出し部126b,126cはそれぞれ、コイル部124b,124cの一端に設けられている。引き出し部126bは、絶縁層18cのx軸方向の負方向側の辺に引き出されている。引き出し部126cは、絶縁層18dのx軸方向の正方向側の辺に引き出されている。
接続部128b,128cはそれぞれ、コイル部124b,124cの他端に設けられている。接続部128bと接続部128cとは、z軸方向から平面視したときに互いに重なっている。
ビアホール導体b11は、絶縁層18cをz軸方向に貫通しており、接続部128bと接続部128cとを接続している。これにより、コイル導体122bとコイル導体122cとがビアホール導体b11により接続されて、コイルL1を構成するようになる。
コイルL2は、図8に示すように、コイル導体122aにより構成されている。コイル導体122aは、コイル部124a及び引き出し部126aを有している。
コイル部124aは、線状導体が折り曲げられることによって、渦巻き形状をなしている。更に、コイル部124aは、z軸方向から平面視したときに、コイル部124bと重なるように設けられている。よって、コイルL1とコイルL2とは、図9に示すように、寄生容量Cpを形成している。
引き出し部126aは、コイル部124aの一端に設けられ、絶縁層18bのy軸方向の正方向側の辺に引き出されている。
ここで、電子部品10−4における外部電極14a,14b、16a,16bの構成は、電子部品10−1における外部電極14a,14b、16a,16bと同じである。よって、外部電極14aは、引き出し部126bに接続され、外部電極14bは、引き出し部126cに接続されている。また、外部電極16aは、引き出し部126aに接続されている。以上のような構成を有する電子部品10−4によれば、図9に示すように、コイルL1は、トラップ型のローパスフィルタLPFを構成する。
以上のように構成された電子部品10−4においても、電子部品10−1と同様に、素子の小型化を図ることができる。
(製造方法)
以上のように構成された電子部品10−1〜10−4の製造方法について、以下に説明する。ここでは、電子部品10−1〜10−4の製造方法の一例として、電子部品10−1の製造方法について説明する。以下では、1個分の電子部品10−1の製造工程が示されているが、実際には、複数の電子部品10−1がマトリクス状に配置された状態で一括して製造されている。
まず、図2に示すような積層体12bを作製する。より詳細には、Al23とCeO3とBa2Ti412とCa−Al−B−Si系ガラス粉末とを原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、セラミック粉末を得る。
このセラミック粉末に対して結合剤と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、絶縁層20a〜20iとなるべきセラミックグリーンシートを得る。
次に、絶縁層20a〜20dとなるべきセラミックグリーンシートに対してビームを照射することにより、ビアホール導体b4〜b7が形成されるべき位置にビアホールを形成する。
次に、絶縁層20d〜20fとなるべきセラミックグリーンシート上には、Ag,Cuやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストがスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布されることにより、コンデンサ導体30a〜30cが形成される。このとき、ビアホール導体b7も形成される。また、絶縁層20a〜20cに形成したビアホールに対して導電性ペーストを充填することにより、ビアホール導体b4〜b6を形成する。
次に、各セラミックグリーンシートを積層する。具体的には、上から順に絶縁層20a〜20iを重ねて静水圧プレスなどにより圧着を行う。この後、1000℃以下の温度で焼成を施して、積層体12bのマザー積層体が得られる。
次に、図2に示すように、ポリイミド樹脂からなる絶縁層18dを、積層体12b上にフォトリソグラフィにより形成する。この際、絶縁層18dのビアホール導体b3が形成されるべき位置に、ビアホールを形成する。
次に、絶縁層18d上に、Ag又はCuを主成分とした導電性材料からなる導電層をスパッタリングや蒸着等のドライめっき法により形成する。この際、ビアホールに導電性材料が充填され、ビアホール導体b3が形成される。次に、導電層上に感光性レジストを塗布、乾燥した後、この感光性レジストにマスクフィルムを当てて所定の部分を露光する。次に、感光性レジストを現像し、導電層の不要な部分が露出した形状を有するレジストパターンを形成する。
次に、露出した部分の導電層をエッチングにて除去した後、レジストパターンを除去することにより、図2に示すようなコイル導体22d,22eを形成する。
次に、ポリイミド樹脂からなる絶縁層18cを、絶縁層18d及びコイル導体22d,22e上にフォトリソグラフィにより形成する。この際、絶縁層18cのビアホール導体b1,b2が形成されるべき位置に、ビアホールを形成する。
次に、絶縁層18c上に、導電層をドライめっき法により形成する。この際、ビアホールに導電性材料が充填され、ビアホール導体b1,b2が形成される。この後、この導電層には、レジストパターンの形成、エッチング及びレジストパターンの除去が施されるが、これらの処理は既に説明を行ったのでこれ以上の説明を省略する。これにより、コイル導体22b,22c及び絶縁層18cが、絶縁層18d上に形成される。更に、同様の処理が繰り返されて、絶縁層18a,18b及びコイル導体22aが形成される。
次に、積層体12−1のマザー積層体がダイサーによりカットされて、個々の積層体12−1に切り離される。更に、カットした積層体12−1に対してバレルを施す。これにより、積層体12−1の角の面取りが行われる。
最後に、外部電極14a,14,16a,16bを形成する。具体的には、Ag及び樹脂からなる導電性ペーストを塗布し、硬化させて銀電極を形成する。次に、銀電極上にNiめっき及びSnめっきを施して、外部電極14a,14b,16a,16bが形成される。以上の工程を経て、電子部品10−1が完成する。
(その他の実施形態)
本発明に係る電子部品は、前記実施形態に示された電子部品10−1〜10−4に限らず、その要旨の範囲内において変更されてもよい。
なお、電子部品10−1〜10−4において、コイルL1とコイルL2とは、z軸方向から平面視したときに、略一致した状態で重なっている。しかしながら、コイルL1とコイルL2とは、必ずしも、z軸方向から平面視したときに、略一致した状態で重なっていなくてもよい。すなわち、コイルL1とコイルL2との重なりの量を調整することによって、寄生容量Cpの大きさを調整し、ハイパスフィルタHPFのカットオフ周波数を調整してもよい。
また、コイル導体22a〜22e,122a〜122cは、例示した材料によって作製される必要はない。ただし、コイル導体22a〜22e,122a〜122cの材料は、フォトリソグラフィにより加工可能な材料であることが好ましい。
なお、コイル導体22の線幅や巻き数を調整することによって、コイルL2の抵抗値をコイルL1,L3の抵抗値よりも大きくしてもよい。
実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。 第1の実施形態に係る積層体の分解斜視図である。 図2の電子部品の等価回路図である。 第2の実施形態に係る積層体の分解斜視図である。 図4の電子部品の等価回路図である。 第3の実施形態に係る積層体の分解斜視図である。 図6の電子部品の等価回路図である。 第4の実施形態に係る積層体の分解斜視図である。 図8の電子部品の等価回路図である。
符号の説明
C1 コンデンサ
Cp 寄生容量
HPF ハイパスフィルタ
L1〜L3 コイル
LPF ローパスフィルタ
b1〜b7,b11 ビアホール導体
10−1〜10−4 電子部品
12−1〜12−4,12a,12b 積層体
12’b 基板
14a,14b,16a,16 外部電極
18a〜18d,20a〜20i 絶縁層
22a〜22e,122a〜122c コイル導体
24a〜24e,124a〜124c コイル部
26a〜26c,32a,32c,33,126a〜126c 引き出し部
28b〜28e,128b,128c 接続部
30a〜30c コンデンサ導体
31a〜31c 容量部
34 切り欠き部

Claims (3)

  1. 入力信号に含まれている所定の周波数を有する信号を出力信号として出力する電子部品であって、
    前記所定の周波数を有する信号を通過させ、かつ、第1のコイルを含む第1のフィルタと、
    前記所定の周波数以外の周波数を有する信号を通過させ、かつ、前記第1のコイルに容量結合している第2のコイルを含む第2のフィルタと、
    前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタを内蔵し、かつ、複数の絶縁層が積層されてなる積層体と、
    を備え、
    前記第2のコイルは、前記第1のコイルよりも高い抵抗値を有していること、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記第2のコイルは、前記第1のコイルよりも抵抗率の高い材料により作製されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記第1のフィルタは、ローパスフィルタであり、
    前記第2のフィルタは、ハイパスフィルタであること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015126023A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 三菱電機株式会社 半導体装置
JPWO2017098896A1 (ja) * 2015-12-09 2017-12-07 株式会社村田製作所 コモンモードチョークコイル及び電子機器

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