JP2006311506A - Lcフィルタおよび多連型lcフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】信号側インダクタのインダクタンスと、グランド側インダクタのインダクタンスと、信号側インダクタおよびグランド側インダクタを接続する容量とを独立して設定可能であり、且つ、各LCフィルタの電気特性を一致させることが可能な多連型LCフィルタを提供する。
【解決手段】複数の絶縁体層が積層された積層体と、その表面にグランド端子および一対の入出力端子と、信号側インダクタと、グランド側インダクタとを有するLCフィルタが、積層体内に複数個併設されている多連型LCフィルタとする。信号側インダクタのインダクタンスと、グランド側インダクタのインダクタンスと、両者を接続する容量とを独立して設定可能とし、所望の電気特性を有する多連型LCフィルタとすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、デジタル機器より発生する不要な輻射ノイズの低減などに用いられるLCフィルタに関し、特に、1つの積層体内に複数のフィルタ素子が併設された多連型LCフィルタに関するものである。
デジタル機器より発生する不要な輻射ノイズの低減に用いるノイズフィルタとして、一対の入出力端子間を接続する信号側インダクタと、一端がグランド端子に接続されたグランド側インダクタとを容量によって接続して構成したLCフィルタが従来から用いられていた。
そして、近年の電子機器の小型化によって、電子機器に搭載する部品に対する小型化・高機能化の要求が高まり、複数のLCフィルタを同一積層体内に収納した多連型LCフィルタが多用されるようになって来た。
ところが、従来の多連型LCフィルタにおいては、グランド側インダクタの開放端からグランド端子までの線路長が各LCフィルタの間で一致しないという構造上の不具合によって、各グランド側インダクタのインダクタンスが一致せず、それによって各LCフィルタの電気特性が一致しないという問題を有していた。
そこで本発明者は、各グランド側インダクタのインダクタンスを一致させることができ、それによって各LCフィルタの電気特性を一致させることが可能な多連型LCフィルタを提案した(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2001−60840号公報(図1)
しかしながら、上述した従来の多連型LCフィルタにおいては、信号側インダクタのインダクタンスと、グランド側インダクタのインダクタンスと、信号側インダクタとグランド側インダクタを接続する容量とを独立して設定することが困難であり、所望の電気特性を得ることが難しいという問題を有していた。
本発明は上記課題に鑑み案出されたものであり、その目的は、信号側インダクタのインダクタンスと、グランド側インダクタのインダクタンスと、信号側インダクタとグランド側インダクタを接続する容量とを独立して設定可能であり、且つ、各LCフィルタの電気特性を一致させることが可能な多連型LCフィルタを提供することにある。
本発明のLCフィルタは、複数の絶縁体層が積層された積層体と、該積層体の表面に形成されたグランド端子および一対の入出力端子と、前記積層体内に形成され、その両端が前記一対の入出力端子にそれぞれ接続された信号側インダクタと、前記積層体内に形成され、前記一対の入出力端子の少なくとも一方と接続された容量電極と、前記積層体内に形成され、前記容量電極と前記絶縁体層を介して対向するグランド電極と、前記積層体内に形成され、その一端が前記グランド電極に接続され、他端が前記グランド端子に接続されたグランド側インダクタとを有することを特徴とするものである。
また、本発明の多連型LCフィルタは、前記LCフィルタが前記積層体内に複数個併設されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明の多連型LCフィルタは、前記複数個のLCフィルタが、隣接して併設される第1、第2のLCフィルタを含み、前記第1のLCフィルタのグランド側インダクタと前記第2のLCフィルタのグランド側インダクタとが共有化されていることを特徴とするものである。
またさらに、本発明の多連型LCフィルタは、前記第1のLCフィルタのグランド電極と前記第2のLCフィルタのグランド電極とが接合部を介して接合され、前記接合部と前記グランド側インダクタの一端とがグランド側ビアホール導体を介して接続されていることを特徴とするものである。
さらにまた、本発明の多連型LCフィルタは、前記第1のLCフィルタの容量電極とグランド電極との平面視における重なり領域の中心点から前記接合部と前記グランド側ビアホール導体との接続点までの距離と、前記第2のLCフィルタの容量電極とグランド電極との平面視における重なり領域の中心点から前記接続点までの距離とが等しいことを特徴とするものである。
また本発明の多連型LCフィルタは、前記第1のLCフィルタと前記第2のLCフィルタとで共有化されている前記グランド側インダクタが、その一端が分割された第1端部と第2端部とを有し、前記第1端部が前記第1のLCフィルタのグランド電極に、前記第2端部が前記第2のLCフィルタのグランド電極にそれぞれ接続され、且つ、前記第1端部の長さと前記第2端部の長さとを等しくしたことを特徴とするものである。
本発明のLCフィルタによれば、複数の絶縁体層が積層された積層体と、該積層体の表面に形成されたグランド端子および一対の入出力端子と、前記積層体内に形成され、その両端が前記一対の入出力端子にそれぞれ接続された信号側インダクタと、前記積層体内に形成され、前記一対の入出力端子の少なくとも一方と接続された容量電極と、前記積層体内に形成され、前記容量電極と前記絶縁体層を介して対向するグランド電極と、前記積層体内に形成され、その一端が前記グランド電極に接続され、他端が前記グランド端子に接続されたグランド側インダクタとを有するようにしている。前記信号側インダクタと前記グランド側インダクタとを接続する容量を、前記容量電極と前記グランド電極との間で形成しているので、信号側インダクタおよび前記グランド側インダクタの形状を、前記容量を変化させることなく変更することができる。故に、信号側インダクタのインダクタンスと、グランド側インダクタのインダクタンスと、信号側インダクタとグランド側インダクタを接続する容量とを独立して設定することが可能となる。これによって所望の電気特性を容易に得ることが可能となり、特に、伝送特性中に発生する減衰極の周波数を制御することが容易になる。
また、本発明の多連型LCフィルタは、前記LCフィルタが前記積層体内に複数個併設されるようにしているので、各LCフィルタにおいて、信号側インダクタのインダクタンスと、グランド側インダクタのインダクタンスと、信号側インダクタとグランド側インダクタを接続する容量とを独立して設定することが可能な、電気特性に優れた多連型LCフィルタ素子とすることができる。
さらに、本発明の多連型LCフィルタは、隣接して併設される第1のLCフィルタのグランド側インダクタと第2のLCフィルタのグランド側インダクタとが共有されるようにしてもよく、その場合は、より小型の多連型LCフィルタとすることができる。
また、本発明の多連型LCフィルタは、第1のLCフィルタのグランド電極と第2のLCフィルタのグランド電極とが接合部を介して接合され、前記接合部と前記グランド側インダクタの一端とがグランド側ビアホール導体を介して接続されていることから、容量電極とグランド電極との接続を、第1、第2のLCフィルタとで共有化することができる。これにより、第1、第2のLCフィルタのグランド側インダクタスを一致させることができ、電気特性に優れた多連型LCフィルタとすることができる。また、ビアホール導体の個数を削減することができるため、小型化、生産性向上に供することが可能となる。
また、本発明の多連型LCフィルタは、第1のLCフィルタの容量電極とグランド電極との平面視における重なり領域の中心点から前記接合部と前記グランド側ビアホール導体との接続点までの距離と、前記第2のLCフィルタの容量電極とグランド電極との平面視における重なり領域の中心点から前記接続点までの距離とが等しいことから、隣接する第1、第2のLCフィルタ間でグランド側インダクタのインダクタンスを一致させることが可能となり、各LCフィルタの電気特性が一致した多連型LCフィルタとすることができる。
またさらに、本発明の多連型LCフィルタは、第1、第2のLCフィルタ間で共有されている前記グランド側インダクタの一端を第1端部と第2端部とに分割し、第1端部が第1のLCフィルタのグランド電極に、第2端部が第2のLCフィルタのグランド電極にそれぞれ接続され、且つ、第1端部の長さと第2端部の長さとを等しくしたことから、隣接する第1、第2LCフィルタ間でグランド側インダクタのインダクタンスを一致させることが可能となり、各LCフィルタの電気特性が一致した多連型LCフィルタとすることができる。
以下、本発明の圧電発振素子を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る多連型LCフィルタを模式的に示す外観斜視図であり、図2は図1の多連型LCフィルタの内部構造を模式的に示す分解斜視図であり、図3は本発明の第1の実施形態に係る多連型LCフィルタの等価回路を示す図である。なお、本実施形態においては積層体の内部において横方向に第1、第2のLCフィルタを二組設け、計4つのLCフィルタが配置された多連型LCフィルタを例に用いて説明する。以下、本実施形態においては、一方の組の第1、第2のLCフィルタを便宜上、第3、第4のLCフィルタと称する。
本実施形態の多連型LCフィルタは、図1に示すように、第1〜第4のLCフィルタを内蔵した積層体10の外表面に、第1のLCフィルタの入出力端子21a、21b、第2のLCフィルタの入出力端子22a、22b、第3のLCフィルタの入出力端子23a、23b、第4のLCフィルタの入出力端子24a、24b、第1および第2のLCフィルタで共有されるグランド端子30a、第3および第4のLCフィルタで共有されるグランド端子30bがそれぞれ形成されて成る。
そして、1つのLCフィルタは、両端が一対の入出力端子間に接続された信号側インダクタと、一端がグランド端子に接続されたグランド側インダクタとが、容量を介して接続されて構成されており、4つのLCフィルタを内蔵する多連型LCフィルタの等価回路は図3に示すものとなる。すなわち、図3において、第1のLCフィルタは信号側インダクタLs1とグランド側インダクタLgaとが容量C1により接続されて構成されており、同様に、第2のLCフィルタは信号側インダクタLs2とグランド側インダクタLgaとが容量C2により接続されて構成されており、第3のLCフィルタは信号側インダクタLs3とグランド側インダクタLgbとが容量C3により接続されて構成されており、第4のLCフィルタは信号側インダクタLs4とグランド側インダクタLgbとが容量C4により接続されて構成されている。なお、グランド側インダクタLgaは第1のLCフィルタと第2のLCフィルタとで共有されており、グランド側インダクタLgbは第3のLCフィルタと第4のLCフィルタとで共有されている。
図2に示すように、積層体10は、絶縁体層10a〜10iが積層されて構成されており、絶縁体層10a〜10iの各層間には第1〜第4のLCフィルタを構成する各種電極が形成されている。
例えば、図2の積層体10の最も右側に位置する第1のLCフィルタは、絶縁体層10b〜10f上に形成された信号側インダクタ電極41a〜41eと、絶縁体層10g上に形成された容量電極51と、絶縁体層10h上に形成されたグランド電極61と、絶縁体層10i上に形成されたグランド側インダクタ電極70aと、グランド電極61とグランド側インダクタ電極70aとを接続するグランド側ビアホール導体80aと、信号側インダクタ電極41a〜41eを相互に接続する信号側ビアホール導体81a〜81dとから成る。そして、信号側インダクタ電極41a〜41eおよびこれらを接続する信号側ビアホール導体81a〜81dによって、所定の巻き数を有するコイル状の信号側インダクタLs1が構成されている。さらに、スパイラル形状とされたグランド側インダクタ電極70aとグランド側ビアホール導体80aとでグランド側インダクタLgaが構成されており、絶縁体層10gを介して対向する容量電極51とグランド電極61との間で容量C1が形成されている。また、信号側インダクタLs1の両端部に位置する信号側インダクタ電極41e、41aは積層体10の外表面に導出されて入出力端子21a、21bとそれぞれ接続されている。同様に、容量電極51は入出力電極21に、グランド側インダクタ電極70aはグランド端子30aにそれぞれ接続されている。
同様に、図2の積層体10の右から2番目に位置する第2のLCフィルタは、絶縁体層10b〜10f上に形成された信号側インダクタ電極42a〜42eと、絶縁体層10g上に形成された容量電極52と、絶縁体層10h上に形成されたグランド電極62と、絶縁体層10i上に形成されたグランド側インダクタ電極70aと、グランド電極62とグランド側インダクタ電極70aとを接続するグランド側ビアホール導体80aと、インダクタ電極42a〜42eを接続する信号側ビアホール導体(図示せず)とから成る。そして、信号側インダクタ電極42a〜42eおよびこれらを接続する信号側ビアホール導体(図示せず)によって、所定の巻き数を有するコイル状の信号側インダクタLs2が構成されている。さらに、スパイラル形状とされたグランド側インダクタ電極70aとグランド側ビアホール導体80aとでグランド側インダクタLgaが構成されており、絶縁体層10gを介して対向する容量電極52とグランド電極62との間で容量C2が形成されている。また、信号側インダクタLs2の両端部に位置する信号側インダクタ電極42e、42aは積層体10の外表面に導出されて入出力端子22a、22bとそれぞれ接続されており、同様に、容量電極52は入出力電極22aに接続されている。
同様に、図2の積層体10の右から3番目に位置する第3のLCフィルタは、絶縁体層10b〜10f上に形成された信号側インダクタ電極43a〜43eと、絶縁体層10g上に形成された容量電極53と、絶縁体層10h上に形成されたグランド電極63と、絶縁体層10i上に形成されたグランド側インダクタ電極70bと、グランド電極63とグランド側インダクタ電極70bとを接続するグランド側ビアホール導体80bと、インダクタ電極43a〜43eを接続する信号側ビアホール導体(図示せず)とから成る。そして、信号側インダクタ電極43a〜43eおよびこれらを接続する信号側ビアホール導体(図示せず)によって、所定の巻き数を有するコイル状の信号側インダクタLs3が構成されている。さらに、スパイラル形状とされたグランド側インダクタ電極70bとグランド側ビアホール導体80bとでグランド側インダクタLgbが構成されており、絶縁体層10gを介して対向する容量電極53とグランド電極63との間で容量C3が形成されている。また、信号側インダクタLs3の両端部に位置する信号側インダクタ電極43e、43aは積層体10の外表面に導出されて入出力端子23a、23bとそれぞれ接続されている。同様に、容量電極53は入出力電極23aに、グランド側インダクタ電極70bはグランド端子30bにそれぞれ接続されている。
同様に、図2の積層体10の右から4番目に位置する第4のLCフィルタは、絶縁体層10b〜10f上に形成された信号側インダクタ電極44a〜44eと、絶縁体層10g上に形成された容量電極54と、絶縁体層10h上に形成されたグランド電極64と、絶縁体層10i上に形成されたグランド側インダクタ電極70bと、グランド電極64とグランド側インダクタ電極70bとを接続するグランド側ビアホール導体80bと、インダクタ電極44a〜44eを接続する信号側ビアホール導体(図示せず)とから成る。そして、信号側インダクタ電極44a〜44eおよびこれらを接続する信号側ビアホール導体(図示せず)によって、所定の巻き数を有するコイル状の信号側インダクタLs4が構成されている。さらに、スパイラル形状とされたグランド側インダクタ電極70bとグランド側ビアホール導体80bとでグランド側インダクタLgbが構成されており、絶縁体層10gを介して対向する容量電極54とグランド電極64との間で容量C4が形成されている。また、信号側インダクタLs2の両端部に位置する信号側インダクタ電極44e、44aは積層体10の外表面に導出されて入出力端子24a、24bとそれぞれ接続されており、同様に、容量電極54は入出力電極24aに接続されている。
なお、グランド側インダクタ電極70aおよびグランド側ビアホール導体80aは第1、第2のLCフィルタで共有されており、グランド側インダクタ電極70bおよびグランド側ビアホール導体80bは第3、第4のLCフィルタで共有されている。また、グランド電極61、62が接合されて、その接合部に信号側ビアホール導体80aが接続されており、同様に、グランド電極63、64が接合されて、その接合部に信号側ビアホール導体80bが接続されている。
また、信号側インダクタLs1、Ls2、Ls3、Ls4のインダクタンスが等しくなるように、信号側インダクタ電極41a〜41e、42a〜42e、43a〜43e、44a〜44eの形状はほぼ等しく設定される。同様に、グランド側インダクタLga、Lgbのインダクタンスが等しくなるように、グランド側インダクタ電極70a、70bの形状も等しく設定される。さらに、容量C1、C2、C3、C4の値が等しくなるように、容量電極51、52、53、54の形状、グランド電極61、62、63、64の形状、容量電極51〜54とグランド電極61〜64との位置関係もほぼ等しく設定される。
このようにして、図3の等価回路で示されるような、4つのLCフィルタを内蔵した多連型LCフィルタが構成されている。
積層体10は、複数個の絶縁体層10a〜10iを積層した構成となっており、絶縁体層の材料としては、例えば、誘電体セラミック材料、焼結助剤、低融点ガラス材料等が用いられる。誘電体セラミック材料としては、例えばTiO−Nd−BaTiO系等の高誘電率のセラミック材料が用いられる。これらのセラミック材料は焼結温度が低く、同時焼成により得られる積層体であっても後述するような高導電率材料を内蔵することができるので、インピーダンスの低い伝送線路を備えた部品とすることが可能である。また焼結温度を低くするために用いる焼結助剤としては、例えば、BiVO、CuO、LiO、B等が用いられ、各誘電体層の厚みは、例えば5μm〜300μmに設定される。
各絶縁体層10a〜10iに形成される各種電極およびビアホール導体の材料としては、Ag、Ag−Pd、Ag−Pt等のAgを主成分とする導電材料またはCuを主成分とする導電材料が用いられ、各種電極の厚みは、例えば5μm〜25μmに形成される。
なお、上述した積層体10は、従来周知のセラミックグリーンシート積層法により製作される。具体的には、まずセラミック原料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して泥漿状になすとともに、従来周知のドクターブレード法等を用いることによってセラミックグリーンシートを形成し、次に得られたセラミックグリーンシートに従来周知の印刷法等によって各種電極やビアホール導体を形成してこれらを積層・圧着し、しかる後、この積層体を所定の大きさに分割して、800〜1050℃で焼成することにより製作される。その後、得られた積層体10の角部には、マイクロクラックの除去や欠けの発生を防止する目的で、バレル研磨等による面取りが施される。
その後に積層体10の表面に形成するグランド端子や入出力端子は、Ag、Ag−Pd、Ag−Pt等のAgを主成分とする導電材料等から成り、かかる導電材料を用いて作製した導体ペーストを積層体10の表面に従来周知のディップ法やスクリーン印刷等によって所定パターンに塗布し、これを焼成することによって形成され、その表面には必要に応じてNiメッキやAuメッキ,Snメッキ,半田メッキ等のメッキ処理が施される。
本実施形態の多連型LCフィルタは、信号側インダクタLs1〜Ls4とグランド側インダクタLga、Lgbとを接続する容量C1〜C4を、容量電極51〜54とグランド電極61〜64との間で形成しているので、信号側インダクタLs1〜Ls4およびグランド側インダクタLga、Lgbの形状を、容量C1〜C4を変化させることなく変更することができる。故に、信号側インダクタLs1〜Ls4のインダクタンスと、グランド側インダクタLga、Lgbのインダクタンスと、容量C1〜C4とを独立して設定することが可能となる。これによって所望の電気特性を容易に得ることが可能となり、特に、伝送特性中に発生する減衰極の周波数を制御することが容易になる。
また、本実施形態の多連型LCフィルタにおいては、グランド側インダクタ電極70aおよびグランド側ビアホール導体80aから成るグランド側インダクタLgaは第1、第2のLCフィルタで共有されており、グランド側インダクタ電極70bおよびグランド側ビアホール導体80bから成るグランド側インダクタLgbは第3、第4のLCフィルタで共有されている。よって、これらの共有が無い場合に比べて、グランド側インダクタ電極およびグランド側ビアホール導体の個数を削減することが可能となり、より小型の多連型LCフィルタとすることができる。さらに、第1のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgaのインダクタンスと第2のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgaのインダクタンスとを一致させることが容易となり、同様に、第3のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgbのインダクタンスと第4のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgbのインダクタンスとを一致させることが容易となる。
また、本実施形態の多連型LCフィルタは、第1、第2のLCフィルタのグランド電極61、62が接合されて、その接合部90aにグランド側ビアホール導体80aが接続されている。また第3、第4のLCフィルタのグランド電極63、64が接合されて、その接合部90bにグランド側ビアホール導体80bが接続されている。
図4は、容量電極51〜54、グランド電極61〜64、グランド側ビアホール導体80aの接続点80ap、グランド側ビアホール導体80bの接続点80bpの形状および相互の平面的な位置関係を示す平面図である。本発明においては、第1のLCフィルタの容量電極51とグランド電極61との平面視における重なり領域の中心点C1からグランド側ビアホール導体80aの接続点80apまでの距離L1と、第2のLCフィルタの容量電極52とグランド電極62との平面視における重なり領域の中心点C2からグランド側ビアホール導体80aの接続点80apまでの距離L2とを、等しくしておくことが好ましい。
上記のL1とL2とが等しくなるように容量電極51、52及びグランド電極61、62を配置することにより、グランド側インダクタLgaのインダクタンスに加算されるグランド電極61、62および両者の接合部が有するインダクタ成分を一致させることでき、第1のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgaと、第2のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgaとを厳密に一致させることが可能となる。同様に、第3のLCフィルタの容量電極53とグランド電極63との平面視における重なり領域の中心点C3からグランド側ビアホール導体80bの接続点80bpまでの距離L3と、第4のLCフィルタの容量電極54とグランド電極64との平面視における重なり領域の中心点C4からグランド側ビアホール導体80bの接続点80bpまでの距離L4とを等しくしておくことが好ましい。これによって、各LCフィルタの電気特性が厳密に一致した多連型LCフィルタとすることができる。
本発明において、L1とL2とが等しいとは、|L1−L2|≦100μmの範囲にあることをいう(L3とL4と関係についても同様)。また、第1のLCフィルタの容量電極51とグランド電極61との平面視における重なり領域の中心点C1とは、容量電極51の入出力端子への引き出し部を除いて概略矩形状とみなしたときの中心点のことをいう(C2、C3、C4についても同様)。
また、グランド電極61を容量電極51よりもひと回り大きくなるように形成し、且つ平面視において、グランド電極61の外周が容量電極51の外周よりも外側に位置するように配置することが好ましい。これにより、絶縁体層の積層ずれや各電極の印刷ずれなどが生じても、グランド電極61の外周が容量電極51の外周よりも外側に位置している分、グランド電極61と容量電極51との対向面積が一定に保たれるため、容量が変動するのを防止し、電気的特性のばらつきを小さくすることができる。具体的には、グランド電極61の外周を容量電極51の外周よりも、50〜100μmだけ外側に位置させておくと良い。他のグランド電極62、63、64および容量電極52、53、54についても同様に、グランド電極を容量電極よりもひと回り大きくなるように形成し、且つ平面視において、グランド電極の外周が容量電極の外周よりも外側に位置するように配置することが好ましい。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態においては前述した実施形態と異なる点についてのみ説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略するものとする。
図5は本発明の第2の実施形態に係る圧電発振素子を模式的に示す分解斜視図である。
本実施形態の多連型LCフィルタの第1の特徴的な部分は、グランド電極61、62、63、64が接合されていない点である。第2の特徴的な部分は、グランド側インダクタ電極70aの一端が第1端部101と第2端部102とに分割されて、グランド側ビアホール導体80c、80dによってグランド電極61、62にそれぞれ接続されており、同様に、グランド側インダクタ電極70bの一端が第1端部103と第2端部104とに分割されて、グランド側ビアホール導体80e、80fによってグランド電極63、64にそれぞれ接続されている点である。第3の特徴的な部分は、第1端部101の長さと第2端部102の長さとが等しくされていることである。
このような構造によっても、第1、第2のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgaのインダクタンス、および、第3、第4のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgbのインダクタンスを容易に一致させることが可能となる。これによって、各LCフィルタの電気特性が一致した多連型LCフィルタとすることができる。
(変形例)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、グランド側インダクタ電極70a、70bの形状をスパイラル状としたが、図6に示すようにミアンダ状としても構わない。
また上述した実施形態においては、隣接するLCフィルタのグランド電極同士を各グランド電極の長手方向の幅よりも幅が狭い接合部90a、90bにより接合するようにしたが、図7に示す如く、グランド電極の長手方向に幅と同一の幅にして接続するようにしてもよい。この場合、実質的に矩形状のパターンとなり、簡単な形状となるためグランド電極を形成する際、印刷にじみ等を少なくし、容量およびインダクタンスのばらつきを抑えることができる。また、グランド電極61とグランド電極62の結合部が有するインダクタ成分及び、グランド電極63とグランド電極64の結合部が有するインダクタ成分を低減することができ、第1のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgaと、第2のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgaとをより一層厳密に一致させることができるとともに、第3のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgbと、第4のLCフィルタにおけるグランド側インダクタLgbとをより一層厳密に一致させることができる。
また、上述した実施形態においては、グランド側インダクタLgaのインダクタンスに加算されるグランド電極61、62および両者の接合部が有するインダクタ成分を一致させるために、第1のLCフィルタの容量電極51とグランド電極61との平面視における重なり領域の中心点C1からグランド側ビアホール導体80aの接続点80apまでの距離L1と、第2のLCフィルタの容量電極52とグランド電極62との平面視における重なり領域の中心点C2からグランド側ビアホール導体80aの接続点80apまでの距離L2とを等しくするようにしたが、一方の重なり領域と他方の重なり領域とを、接続点80apに対し点対称に配置するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、信号側インダクタLs1〜Ls4をコイル状としたが、スパイラル状やミアンダ状としても構わない。特に高周波領域で用いる多連型LCフィルタの場合は必要なインダクタンスが小さくなるので、スパイラル状やミアンダ状のインダクタでも対応可能となる。
本発明の第1実施形態に係る多連型LCフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る多連型LCフィルタの内部構造を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る多連型LCフィルタの等価回路図である。 本発明の第1実施形態に係る多連型LCフィルタにおける、容量電極、グランド電極、ビアホール導体の接続点の形状および平面的な位置関係を模式的に示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る多連型LCフィルタの内部構造を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の変形例に係る多連型LCフィルタの内部構造を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の変形例に係る多連型LCフィルタにおける容量電極、グランド電極、ビアホール導体の接続点の形状および平面的な位置関係を模式的に示す平面図である。
符号の説明
10・・・積層体
10a〜10i・・・絶縁体層
21a〜24a、21b〜24b・・・入出力端子
30a、30b・・・グランド端子
41a〜41e、42a〜42e、43a〜43e、44k〜44e・・・信号側インダクタ電極
51〜54・・・容量電極
61〜64・・・グランド電極
70a、70b・・・グランド側インダクタ電極
80a〜80e、81a〜81d・・・ビアホール導体
Ls1〜Ls4・・・信号側インダクタ
Lga、Lgb・・・グランド側インダクタ
C1〜C4・・・容量

Claims (6)

  1. 複数の絶縁体層が積層された積層体と、
    該積層体の表面に形成されたグランド端子および一対の入出力端子と、
    前記積層体内に形成され、その両端が前記一対の入出力端子にそれぞれ接続された信号側インダクタと、
    前記積層体内に形成され、前記一対の入出力端子の少なくとも一方と接続された容量電極と、
    前記積層体内に形成され、前記容量電極と前記絶縁体層を介して対向するグランド電極と、
    前記積層体内に形成され、その一端が前記グランド電極に接続され、他端が前記グランド端子に接続されたグランド側インダクタと
    を有することを特徴とするLCフィルタ。
  2. 請求項1に記載のLCフィルタが前記積層体内に複数個併設されていることを特徴とする多連型LCフィルタ。
  3. 前記複数個のLCフィルタは、隣接して併設される第1、第2のLCフィルタを含み、前記第1のLCフィルタのグランド側インダクタと前記第2のLCフィルタのグランド側インダクタとが共有化されていることを特徴とする請求項2に記載の多連型LCフィルタ。
  4. 前記第1のLCフィルタのグランド電極と前記第2のLCフィルタのグランド電極とが接合部を介して接合され、前記接合部と前記グランド側インダクタの一端とがグランド側ビアホール導体を介して接続されていることを特徴とする請求項3に記載の多連型LCフィルタ。
  5. 前記第1のLCフィルタの容量電極とグランド電極との平面視における重なり領域の中心点から前記接合部と前記グランド側ビアホール導体との接続点までの距離と、前記第2のLCフィルタの容量電極とグランド電極との平面視における重なり領域の中心点から前記接続点までの距離とが等しいことを特徴とする請求項4に記載の多連型LCフィルタ。
  6. 前記第1のLCフィルタと前記第2のLCフィルタとで共有化されている前記グランド側インダクタは、その一端が分割された第1端部と第2端部とを有し、前記第1端部が前記第1のLCフィルタのグランド電極に、前記第2端部が前記第2のLCフィルタのグランド電極にそれぞれ接続され、且つ、前記第1端部の長さと前記第2端部の長さとを等しくしたことを特徴とする請求項3に記載の多連型LCフィルタ。
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