JP7226094B2 - コイル部品 - Google Patents

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Description

本開示は、コイル部品に関する。
素体部にコイル導体が埋設されているコイル部品として、金属粒子および樹脂材料を含むコンポジット材料から構成される素体に、α巻コイルが埋設されたコイル部品が知られている(特許文献1)。
特開2016-201466号公報
上記のような樹脂材料を含むコンポジット材料を用いたコイル部品は、樹脂材料を含むコンポジット材料のシートを準備し、その上にコイルを配置し、さらにコイルの上から別のコンポジット材料のシートを覆い被せて、圧縮成形することにより製造される。このように別途形成されたα巻コイルをコンポジット材料のシートに挟み込むようにしてコイル部品を製造する場合には、コイルを小型化することが難しく、また、小型化すると直列抵抗(Rdc)を十分に小さくすることが難しい。
本開示の目的は、樹脂材料を含んで成る素体にコイル部が埋設されたコイル部品であって、小型かつ低直流抵抗のコイル部品を提供することにある。
本開示は、以下の態様を含む。
[1] フィラーおよび樹脂材料を含む素体と
前記素体に埋設されたコイル導体から構成されるコイル部と
前記コイル導体に電気的に接続された一対の外部電極と
を有するコイル部品であって、
前記コイル導体は、相対的に薄い第1導体層と相対的に厚い第2導体層が積層されている、
コイル部品。
[2] 前記第2導体層は、前記第1導体層に挟まれている、上記[1]に記載のコイル部品。
[3] 前記第2導体層と前記第1導体層は交互に積層され、最外層は第1導体層である、上記[1]または[2]に記載のコイル部品。
[4] 前記第1導体層の幅は相対的に大きく、前記第2導体層の幅は相対的に小さい、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のコイル部品。
[5] 前記コイル導体は、ガラス層により被覆されている、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のコイル部品。
[6] 前記ガラス層の厚みが、3μm以上30μm以下である、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載のコイル部品。
[7] 前記コイル導体の厚みが、10μm以上500μm以下である、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載のコイル部品。
本開示によれば、小型かつ低直流抵抗のコイル部品を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態であるコイル部品1の斜視図である。 図2は、図1のコイル部品1のx-xに沿った切断面を示す断面図である。 図3は、図1のコイル部品1のコイル部3の斜視図である。 図4(1)~(10)は、実施形態におけるコイル部品1の製造方法を説明するための平面図である。 図5(1)~(10)は、実施形態におけるコイル部品1の製造方法を説明するための断面図である。 図6(1)~(4)は、実施形態におけるコイル部品1の製造方法を説明するための断面図である。 図7(1)~(3)は、実施形態におけるコイル部品1の製造方法を説明するための斜視図である。
以下、本開示のコイル部品について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本実施形態のコイル部品および各構成要素の形状および配置等は、図示する例に限定されない。
本実施形態のコイル部品1の斜視図を図1に、断面図を図2に示す。コイル部品1のコイル部3の斜視図を図3に示す。但し、図3において、コイル部3における第1導体層および第2導体層は、簡単のために、一体に記載している。
図1~図3に示されるように、本実施形態のコイル部品1は、略直方体形状を有している。コイル部品1において、図2の図面左右側の面を「端面」と称し、図面上側の面を「上面」と称し、図面下側の面を「下面」と称し、図面手前側の面を「前面」と称し、図面奧側の面を「背面」と称する。コイル部品1は、概略的には、素体2と、そこに埋設されたコイル部3と、一対の外部電極4,5とを有してなる。コイル部3は、素体の前面-背面方向に軸を、即ち実装面と平行な軸を有する。図3に示されるように、コイル部3は、複数のコイル導体8とこれらを電気的に連結する接続導体8cを有する。コイル部3は、引出部6,7を有し、該引出部6,7は、それぞれ、外部電極4,5に電気的に接続されている。図2に示されるように、コイル導体8は、3つの第1導体層8aと2つの第2導体層8bが、第1導体層8aが最外層となるように交互に積層されている。第1導体層8aの厚み(図2における左右方向の厚み)は、第2導体層8bの厚み(図2における左右方向の厚み)よりも厚い。第1導体層8aの幅(図2における上下方向の幅)は、第2導体層8bの幅(図2における上下方向の幅)よりも広い。即ち、コイル導体8の側面(例えば、図2における上下の面)には、第2導体層8bを底とし、2つの第1導体層8aを壁面とする溝が存在する。コイル部3は、ガラス層9により覆われている。また、コイル部品1は、外部電極4,5を除いて、絶縁層10により覆われている。
本明細書において、コイル部品1の長さを「L」、幅を「W」、厚み(高さ)を「T」と称する(図1を参照)。本明細書において、前面および背面に並行な面を「LT面」、端面に並行な面を「WT面」、上面および下面に並行な面を「LW面」と称する。
上記素体2は、フィラーおよび樹脂材料を含むコンポジット材料から構成される。
上記樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。樹脂材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記フィラーは、好ましくは金属粒子、フェライト粒子またはガラス粒子、より好ましくは金属粒子である。該フィラーは、1種のみでまたは複数種を組み合わせて用いてもよい。
一の態様において、上記フィラーは、好ましくは0.5μm以上50μm以下、より好ましくは0.5μm以上30μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上10μm以下の平均粒径を有する。上記フィラーの平均粒径を0.5μm以上とすることにより、フィラーの取り扱いが容易になる。また、上記フィラーの平均粒径を、50μm以下とすることにより、フィラーの充填率をより大きくすることが可能になり、フィラーの特性をより有効に得ることができる。例えば、フィラーが金属粒子の場合、磁気的特性が向上する。
ここに、上記平均粒径とは、素体の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像におけるフィラーの円相当径から算出する。例えば、上記平均粒径は、コイル部品1を切断して得られた断面について、複数箇所(例えば5箇所)の領域(例えば130μm×100μm)をSEMで撮影し、このSEM画像を画像解析ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製、A像くん(登録商標))を用いて解析して、500個以上の金属粒子について円相当径を求めて算出することにより得ることができる。
上記金属粒子を構成する金属材料としては、特に限定されないが、例えば、鉄、コバルト、ニッケルもしくはガドリニウム、またはこれらの1種または2種以上を含む合金が挙げられる。好ましくは、上記金属材料は、鉄または鉄合金である。鉄は、鉄そのものであってもよく、鉄誘導体、例えば錯体であってもよい。かかる鉄誘導体としては、特に限定されないが、鉄とCOの錯体であるカルボニル鉄、好ましくはペンタカルボニル鉄が挙げられる。特に、オニオンスキン構造(粒子の中心から同心球状の層を形成している構造)のハードグレードのカルボニル鉄(例えば、BASF社製のハードグレードのカルボニル鉄)が好ましい。鉄合金としては、特に限定されないが、例えば、Fe-Si系合金、Fe-Si-Cr系合金、Fe-Si-Al系合金、Ne-Ni系合金、Fe-Co系合金、Fe-Si-B-Nb-Cu系合金等が挙げられる。上記合金は、さらに、他の副成分としてB、C等を含んでいてもよい。副成分の含有量は、特に限定されないが、例えば0.1wt%以上5.0wt%以下、好ましくは0.5wt%以上3.0wt%以下であり得る。上記金属材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記金属粒子の表面は、絶縁材料の被膜(以下、単に「絶縁被膜」ともいう)により覆われていてもよい。金属粒子の表面を絶縁被膜により覆うことにより、素体の内部の比抵抗を高くすることができる。
上記金属粒子の表面は、粒子間の絶縁性を高めることができる程度に絶縁被膜に覆われていればよく、金属粒子の表面の一部だけ絶縁被膜に覆われていてもよい。また、絶縁被膜の形状は、特に限定されず、網目状であっても、層状であってもよい。好ましい態様において、上記金属粒子は、その表面の30%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%の領域が絶縁被膜により覆われていてもよい。
上記絶縁被膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは3nm以上50nm以下、さらに好ましくは5nm以上30nm以下、例えば10nm以上30nm以下または5nm以上20nm以下であり得る。絶縁被膜の厚みをより大きくすることにより、素体の比抵抗をより高くすることができる。また、絶縁被膜の厚みをより小さくすることにより、素体中の金属材料の量をより多くすることができ、素体の磁気的特性が向上し、コイル部品の小型化を図ることが容易になる。
一の態様において、上記絶縁被膜は、Siを含んだ絶縁材料により形成される。Siを含んだ絶縁材料としては、例えば、ケイ素系化合物、例えばSiO(xは1.5以上2.5以下、代表的にはSiO)が挙げられる。
一の態様において、上記絶縁被膜は、金属粒子の表面が酸化することにより形成された酸化膜である。
上記絶縁被膜のコーティングの方法は、特に限定されず、当業者に公知のコーティング法、例えば、ゾル-ゲル法、メカノケミカル法、スプレードライ法、流動層造粒法、アトマイズ法、バレルスパッタ等を用いて行うことができる。
上記フェライト粒子を構成するフェライト材料としては、特に限定されないが、例えば、主成分としてFe、Zn、Cu、およびNiを含むフェライト材料が挙げられる。
一の態様において、フェライト粒子は、上記金属粒子と同様に絶縁被膜により覆われていてもよい。フェライト粒子の表面を絶縁被膜により覆うことにより、素体の内部の比抵抗を高くすることができる。
上記ガラス粒子を構成するガラス材料としては、特に限定されないが、例えばBi-B-O系ガラス、V-P-O系ガラス、Sn-P-O系ガラス、V-Te-O系ガラス等が挙げられる。
図2および図3に示されるように、本実施形態のコイル部品1おいて、上記コイル部3は、2つのコイル導体8とこれらを電気的に接続する接続導体8cから構成されている。コイル部3の両末端は、引出部6,7により素体2の下方に引き出され、素体2の下面に露出している。コイル導体8は、第1導体層8aおよび第2導体層8bから構成される。
本実施形態のコイル部品1おいて、第1導体層8aと第2導体層8bは、第1導体層8aが最外層となるように交互に積層されている。より詳しくは、3つの第1導体層8aと2つの第2導体層8bは、第1導体層8a-第2導体層8b-第1導体層8a-第2導体層8b-第1導体層8aの順で積層されている。ここに最外層とは、積層された導体層のうち、もっとも外側、換言すれば最下層と最上層にある導体層をいう。
上記コイル導体8において、第1導体層8aの厚みは相対的に薄く、第2導体層8bの厚みは相対的に厚い。
上記第1導体層8aの厚みと第2導体層8bの厚みの比(第2導体層/第1導体層)は、好ましくは1.1以上10以下、より好ましくは1.5以上5.0以下、さらに好ましくは2.0以上5.0以下であり得る。
上記第1導体層8aの厚みは、好ましくは1μm以上200μm以下、より好ましくは3μm以上100μm以下、さらに好ましくは5μm以上100μm以下であり得る。第1導体層8aの厚みを1μm以上とすることにより、コイル導体8の厚みが厚くなり、コイル導体8の直流抵抗が小さくなる。また、第1導体層8aの厚みを200μm以下とすることにより、コイル導体8の製造が容易になる。
上記第2導体層8bの厚みは、好ましくは3μm以上300μm以下、より好ましくは5μm以上200μm以下、さらに好ましくは10μm以上150μm以下であり得る。第2導体層8bの厚みを3μm以上とすることにより、コイル導体8の厚みが厚くなり、コイル導体8の直流抵抗が小さくなる。また、第2導体層8bの厚みを300μm以下とすることにより、コイル導体8の製造が容易になる。
上記コイル導体8の厚みは、好ましくは10μm以上500μm以下、より好ましくは20μm以上300μm以下、さらに好ましくは30μm以上150μm以下であり得る。コイル導体8の厚みを10μm以上にすることにより、コイル導体8の直流抵抗を小さくすることができる。コイル導体8の厚みをより大きくすることにより、コイル導体8の直流抵抗をより小さくすることができる。また、コイル導体8の厚みを500μm以下にすることにより、コイル部品を小型化することができる。コイル導体8の厚みをより小さくすることにより、コイル部品をより小型化することができる。
上記第1導体層8aの幅(図2における上下方向の幅)は、第2導体層8bの幅(図2における上下方向の幅)よりも広い。即ち、コイル導体8の側面(図2における上下の面)には、第2導体層8bを底とし、第1導体層8aを壁面とする溝が、2つ存在する。第1導体層8aの幅を第2導体層8bの幅よりも大きくすることにより、第1導体層8aの部分において、磁性体である素体との距離が近くなり、磁束密度を高くすることができる。
上記第1導体層8aの幅と第2導体層8bの幅の比(第2導体層/第1導体層)は、好ましくは1.1以上3.0以下、より好ましくは1.3以上2.5以下、さらに好ましくは1.5以上2.0以下であり得る。
上記第1導体層8aの幅(図2における図面上下方向の幅)は、好ましくは5μm以上1mm以下、より好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下、さらにより好ましくは20μm以上100μm以下であり得る。第1導体層8aの幅を5μm以上とすることにより、コイル導体8の直流抵抗が小さくなる。第1導体層8aの幅をより大きくすることにより、コイル導体8の直流抵抗がより小さくなる。また、第1導体層8aの幅をより1mm以下とすることにより、コイル部品を小型化することができる。第1導体層8aの幅をより小さくすることにより、コイル部品をより小型化することができる。
上記第2導体層8bの幅(図2における図面上下方向の幅)は、好ましくは3μm以上800μm以下、より好ましくは5μm以上300μm以下、さらに好ましくは10μm以上200μm以下、さらにより好ましくは15μm以上80μm以下であり得る。第2導体層8bの幅を3μm以上とすることにより、コイル導体8の直流抵抗が小さくなる。第2導体層8bの幅をより大きくすることにより、コイル導体8の直流抵抗がより小さくなる。また、第2導体層8bの幅をより800μm以下とすることにより、コイル部品を小型化することができる。第2導体層8bの幅をより小さくすることにより、コイル部品をより小型化することができる。
ここに、本実施形態のコイル部品1においては、3つの第1導体層8aと2つの第2導体層8bが交互に積層されているが、本開示のコイル部品は、かかる実施形態に限定されない。
本開示のコイル部品において、第1導体層8aの数は、2以上、好ましくは3以上であり得る。また、第1導体層8aの数は、6以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下であり得る。例えば、第1導体層8aの数は、2、3、4または5、好ましくは2または3、より好ましくは3であり得る。
本開示のコイル部品において、第2導体層8bの数は、好ましくは上記第1導体層8aの数よりも1少ない。第2導体層8bの数は、1以上、好ましくは2以上であり得る。また、第2導体層8bの数は、5以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であり得る。例えば、第2導体層8bの数は、1、2、3または4、好ましくは1または2、より好ましくは2であり得る。
本開示のコイル部品において、第1導体層8aと第2導体層8bは、必ずしも交互に積層されている必要はないが、好ましくは交互に積層される。
本開示のコイル部品において、第1導体層8aと第2導体層8bは、必ずしも別個に形成されている必要はなく、同時に形成されてもよい。例えば、隣接する第1導体層と第2導体層を一度に一体に形成してもよい。例えば、図2における1つの第1導体層8aとそれに隣接する1つの第2導体層8bを一体に形成してもよい。この場合、幅の広い部分を第1導体層8aとみなし、幅の狭い部分を第2導体層8bとみなす。
上記コイル部3の軸は、実装面と平行、即ち素体2の前面から背面に向かう方向(即ち、W方向)に平行である。コイル部の軸を実装面と平行にすることにより、コイルの引出部を、素体の同一面側から引き出すことが可能になる。即ち、図3では、2つの引出部6,7は、いずれも下面側から引き出すことができる。一方、コイル部の軸を実装面に垂直に形成した場合、コイルの両端が、素体の下面側と上面側に位置することになり、上面から下面に引き出すために、引出部を、コイルの側方を通して、下面まで引き出す必要がある。従って、コイル部の軸を実装面と平行にすることにより、コイル部の巻線部の側方に形成される引出部を少なくすることができ、または巻線部の側方に引出部を形成する必要がない。換言すれば、コイル部の巻線部とき出部が対向する領域をより小さく、または該領域をなくすことができる。従って、巻線部と引出部間で生じる浮遊容量を小さくすることができる。また、巻線の径をより大きくとることができることから、L値の取得効率を大きくすることができる。また、コイル部品1のコイル部3の巻数は1.5である。ただし、本開示のコイル部品の巻数は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
上記コイル導体8を構成する導電性材料は、特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル等が挙げられる。上記導電性材料は、好ましくは銀または銅、より好ましくは銀である。導電性材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
上記コイル部3は、引出部6,7を有する。当該引出部は、コイル部の巻線部から外部電極に向かって引き出され、それぞれ、外部電極4,5と電気的に接続されている。
上記引出部におけるコイル導体の幅は、好ましくは巻線部における第1導体層の幅の1.0倍以上6.0倍以下、より好ましくは1.0倍超6.0倍以下、さらに好ましくは1.5倍以上5.0倍以下、さらにより好ましくは2.0倍以上4.0倍以下である。ここに、引出部におけるコイル導体の幅とは、外部電極と接する部分における幅であり、本実施形態においてはL方向の幅を意味する。かかる引出部におけるコイル導体の幅を巻線部における第1導体層の幅の1.0倍以上にすることにより、外部電極との接続がより確実となり、信頼性が向上する。
本開示のコイル部品において、コイル導体8は、ガラス層9により被覆されている。
上記ガラス層9を構成するガラス材料は、特に限定されないが、例えば、SiO-B系ガラス、SiO-B-KO系ガラス、SiO-B-LiO-CaO系ガラス、SiO-B-LiO-CaO-ZnO系ガラス、およびBi-B-SiO-Al系ガラス等であり得る。好ましい態様において、ガラス材料は、SiO-B-KO系ガラスである。SiO-B-KO系ガラスを用いることにより、ガラス層を形成する際に焼結性が高くなる。
一の態様において、ガラス層9は、さらに、フィラーを含んでもよい。ガラス層に含まれるフィラーとしては、例えば、クォーツ、アルミナ、マグネシア、シリカ、フォルステライド、ステアタイトおよびジルコニア等が挙げられる。
上記ガラス層9の厚みは、好ましくは3μm以上30μm以下、より好ましくは5μm以上20μm以下であり得る。ガラス層9の厚みを3μm以上とすることにより、よりコイル部を強く支持することができ、また、コイル部と素体の絶縁性を高めることができる。また、ガラス層9の厚みを30μm以下とすることにより、よりコイル部品を小型化することができる。ここに、ガラス層の厚みとは、コイル導体8の側面の溝が埋まっているとした場合の厚みである。例えば、図2においては、コイル導体8の主面側においては、第1導体層8aの主面と接する部分から素体2と接する部分までの左右方向の長さであり、コイル導体8の側面側においては、第1導体層8aの側面と接する部分から素体2と接する部分までの上下方向の長さである。
上記外部電極4,5は、それぞれ、コイル部品1の下面に設けられている。外部電極を下面に設けることにより、コイル部品1の表面実装が可能になる。また、外部電極を端面に設ける場合と比較して、浮遊容量が小さくなる。
上記外部電極4,5は、それぞれ、素体2の下面に引き出されたコイル部3の引出部6,7上に設けられている。即ち、外部電極4,5は、コイル部3の引出部6,7に、それぞれ電気的に接続されている。
上記外部電極4,5は、素体2の下面に引き出されたコイル部3の引出部6,7上だけではなく、コイル導体の端末部を越えて、コイル部品の下面の他の部分にまで延在していてもよい。
上記外部電極4,5は、絶縁層10が存在しない領域、即ち素体2およびコイル部3が露出している領域全体に設けられている。
外部電極4,5は、コイル部3の引出部6,7に電気的に接続されている限り、上記の態様に限定されない。例えば、本開示のコイル部品において、外部電極4,5は、コイル部品の端面にまで延在していてもよい。
上記外部電極の厚みは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは5μm以上20μm以下であり得る。
上記外部電極は、導電性材料、好ましくはAu、Ag、Pd、Ni、SnおよびCuから選択される1種またはそれ以上の金属材料から構成される。
上記外部電極は、めっきあるいは導電性材料を含んだペーストを塗布し、硬化または焼き付けすることで形成するが、好ましくはめっきにより形成される。
上記外部電極は、単層であっても、多層であってもよい。
一の態様において、外部電極は多層である。外部電極は、好ましくはCu層、Ni層およびSn層の3層、またはNi層およびSn層の2層であり得る。Cu層を素体2上に形成することにより、素体へのめっきの密着性を高めることができる。
別の態様において、外部電極は、好ましくはAg層、Ni層、およびSn層の3層であり得る。Ag層はAg粉末と樹脂を含んだペーストを塗布し熱硬化することで形成しても良く、またAg粉末と樹脂を含んだペーストを塗布し焼き付けすることで形成しても良い。その上にめっきでNi層、Sn層を順次形成する。
コイル部品1は、外部電極4,5を除いて、絶縁層10により覆われている。
上記絶縁層10の厚みは、特に限定されないが、好ましくは3μm以上20μm以下、より好ましくは3μm以上10μm以下、さらに好ましくは3μm以上8μm以下であり得る。絶縁層の厚みを上記の範囲とすることにより、コイル部品1のサイズの増加を抑制しつつ、コイル部品1の表面の絶縁性を確保することができる。
上記絶縁層10を構成する絶縁性材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等の電気絶縁性が高い樹脂材料が挙げられ、2種類以上の樹脂材料で上記絶縁層10を形成しても良い。アクリル樹脂とエポキシ樹脂の2層構造とすると耐衝撃性が向上するので、より好ましい。
尚、本開示のコイル部品において、絶縁層10は必須ではなく、存在しなくてもよい。
本開示のコイル部品は、直流抵抗を低くし、かつ、小型化することができる。
一の態様において、本開示のコイル部品における直流抵抗は、100mΩ以下、好ましくは80mΩ以下である。
一の態様において、本開示のコイル部品の長さ(L)は、好ましくは0.38mm以上1.75mm以下、より好ましくは0.38mm以上1.05mm以下である。一の態様において、本開示のコイル部品の幅(W)は、好ましくは0.18mm以上0.95mm以下、より好ましくは0.18mm以上0.55mm以下である。好ましい態様において、本開示のコイル部品は、長さ(L)が1.0mm、幅(W)が0.5mm、好ましくは長さ(L)が0.6mm、幅(W)が0.3mm、より好ましくは長さ(L)が0.4mm、幅(W)が0.2mmであり得る。また、一の態様において、本開示のコイル部品の高さ(または厚み(T))は、好ましくは0.95mm以下、より好ましくは0.55mm以下である。
次に、コイル部品1の製造方法について説明する。尚、図4は、コイル部品1の製造方法を説明するための平面図であり、図5は、図4のa-aに沿った切断面である。
・磁性体シート(素体シート)の作製
金属粒子(フィラー)および樹脂材料を準備する。金属粒子および必要に応じて他のフィラー成分(ガラス粉末、セラミック粉末、フェライト粉末等)を樹脂材料と湿式で混合させてスラリー化し、次いで、ドクターブレード法等を使用して所定の厚みのシートを成形し、乾燥する。これにより金属粒子と樹脂のコンポジット材料の磁性体シートを作製する。
・感光性導体ペースト
導電性粒子、例えばAg粉末を準備する。溶剤および有機成分を混合することにより調製したワニスに、所定量の導電性粒子を混合することにより感光性導体ペーストを作製する。
・感光性ガラスペースト
ガラス粉末を準備する。溶剤および有機成分を混合することにより調製したワニスに、所定量のガラス粉末を混合することにより感光性導体ペーストを作製する。
・形状保持感光ペースト
焼成段階で消失する材料、および所望により焼成段階で焼結しない無機材料の粉末を準備する。上記焼成段階で消失する材料としては、例えば有機材料、好ましくは上記のワニスが挙げられる。上記無機材料としては、例えば、アルミナなどのセラミック粉末が挙げられる。上記無機材料のD50は、0.1μm以上10μm以下が好ましい。溶剤および有機成分を混合することにより調製したワニスに、所定量の焼成段階で焼結しない無機材料の粉末を混合することにより形状保持感光ペーストを作製する。
・素子の作製
まず、基板として焼結済みのセラミック基板21を準備する(図4(1)、図5(1))。
上記基板21の上に、フォトリソグラフィー法を用いて、上記感光性ガラスペーストでガラスペースト層22を形成する。具体的には、感光性ガラスペーストを、塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行い、ガラスペースト層22を形成する(図4(2)、図5(2))。
次に、ガラスペースト層22上に、フォトリソグラフィー法を用いて、導体ペースト層24を形成する。具体的には、感光性導体ペーストを塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行うことで導体ペースト層24を形成する。導体ペースト層24は、先に形成したガラスペースト層22の内側に形成する(図4(3)、図5(3))。必要に応じて、上記の手順を繰り返し、所定厚みの導体ペースト層24を形成することができる。かかる工程において形成される導体ペースト層24は、第1導体層8aの1つに対応する。
次に、ガラスペースト層22上および導体ペースト層24上に、フォトリソグラフィー法を用いて、ガラスペースト層25を形成する。具体的には、感光性ガラスペーストを、塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行うことでガラスペースト層22および導体ペースト層24の外縁部を覆うようにガラスペースト層25を形成する。次に、フォトリソグラフィー法を用いて、ガラスペースト層25の周囲に、形状保持用感光性ペーストで形状保持ペースト層26を形成する。具体的には、形状保持用感光性ペーストを塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行い、ガラスペースト層25の周囲に形状保持ペースト層26を形成する(図4(4)、図5(4))。必要に応じて、上記の手順を繰り返し、所定厚みのガラスペースト層25および形状保持ペースト層26を形成することができる。
次に、導体ペースト層24上およびガラスペースト層25上に、フォトリソグラフィー法を用いて、導体ペースト層27を形成する。具体的には、感光性導体ペーストを塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行うことで導体ペースト層27を形成する。導体ペースト層27は、先に形成したガラスペースト層25の内側に形成する(図4(5)、図5(5))。必要に応じて、上記の手順を繰り返し、所定厚みの導体ペースト層27を形成することができる。かかる工程において形成される導体ペースト層27は、ガラスペースト層25に囲まれる部分が第2導体層8bの1つに対応し、その上の部分(ガラスペースト層25よりも上方にある部分)が第1導体層8aの1つに対応する。
次に、図4(4)および(5)ならびに図5(4)および(5)に示す工程と同様にして、ガラスペースト層29、形状保持ペースト層30および導体ペースト層28を形成する(図4(6)、図5(6))。かかる工程において形成される導体ペースト層28は、ガラスペースト層29に囲まれる部分が第2導体層8bの1つに対応し、その上の部分(ガラスペースト層29よりも上方にある部分)が第1導体層8aの1つに対応する。
次に、ガラスペースト層29上および導体ペースト層28上に、フォトリソグラフィー法を用いて、ガラスペースト層32を形成する。具体的には、感光性ガラスペーストを、塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行うことでガラスペースト層29および導体ペースト層28を覆うようにガラスペースト層32を形成する。かかるガラスペースト層32は、導体ペースト層28と導体ペースト層35の接続部となる領域が露出するようにガラスペースト層32を形成する。次に、フォトリソグラフィー法を用いて、ガラスペースト層32の周囲に、形状保持用感光性ペーストで形状保持ペースト層33を形成する。具体的には、形状保持用感光性ペーストを塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行い、ガラスペースト層32の周囲に形状保持ペースト層33を形成する(図4(7)、図5(7))。必要に応じて、上記の手順を繰り返し、所定厚みのガラスペースト層32および形状保持ペースト層33を形成することができる。
上記により形成された導体ペースト層24、導体ペースト層27および導体ペースト層28は、一のコイル導体を構成する。
次に、上記ガラスペースト層32上および導体ペースト層28の露出部上に、フォトリソグラフィー法を用いて、導体ペースト層35を形成する。具体的には、感光性導体ペーストを塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行うことで導体ペースト層35を形成する。導体ペースト層35は、先に形成したガラスペースト層32の内側に形成する(図4(8)、図5(8))。必要に応じて、上記の手順を繰り返し、所定厚みの導体ペースト層35を形成することができる。かかる工程において形成される導体ペースト層35は、ガラスペースト層32に囲まれる部分が接続導体8cに対応し、その上の部分(ガラスペースト層32よりも上方にある部分)が第1導体層8aの1つに対応する。
次に、図4(4)および(5)ならびに図5(4)および(5)に示す工程を2回繰り返し、ガラスペースト層37、形状保持ペースト層38、導体ペースト層36、ガラスペースト層41、形状保持ペースト層42、および導体ペースト層40を形成する(図4(9)、図5(9))。かかる工程において形成される導体ペースト層36は、ガラスペースト層37に囲まれる部分が第2導体層8bの1つに対応し、その上の部分(ガラスペースト層37よりも上方にある部分)が第1導体層8aの1つに対応する。また、導体ペースト層40は、ガラスペースト層41に囲まれる部分が第2導体層8bの1つに対応し、その上の部分(ガラスペースト層41よりも上方にある部分)が第1導体層8aの1つに対応する。
次に、導体ペースト層40上に、フォトリソグラフィー法を用いて、ガラスペースト層44を形成する。具体的には、感光性ガラスペーストを、塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行うことで導体ペースト層40を覆うようにガラスペースト層44を形成する。次に、フォトリソグラフィー法を用いて、ガラスペースト層44の周囲に、形状保持用感光性ペーストで形状保持ペースト層45を形成する。具体的には、形状保持用感光性ペーストを塗布し、マスクを介して光硬化し、現像を行い、ガラスペースト層44の周囲に形状保持ペースト層45を形成する(図4(10)、図5(10))。必要に応じて、この手順を繰り返し、所定厚みのガラスペースト層44および形状保持ペースト層45を形成してもよい。
上記のようにして基板上に積層体を形成する。
得られた積層体を、650~950℃の温度で焼成する。形状保持ペースト層の有機材料は焼成により消失し、アルミナ等の焼結しない無機材料は焼結せず、粉体のままとなる。上記無機材料の粉末を除去することにより、基板上に、ガラス層9により被覆されたコイル部3が得られる(図6(1))。ガラス層9に覆われたコイル部3は、基板21に密着しているので、輸送などの取り扱いに有利である。
次に、磁性体シートをコイル部3に圧入する。コイル部3の上に磁性体シート51を配置し、金型等で加圧することで圧入することができる(図6(2))。
次に、基板21を研削などにより除去する(図6(3))。
基板21を除去した面に、別途磁性体シート52を、プレス等により密着させる(図6(4))。この後、ダイサー等で切断し、個片化する。
次に、個片化した素体2の表面全体に絶縁層10を形成する。絶縁層の形成は、公知の方法を用いることができ、例えば、絶縁材料を噴霧して素子表面を被覆する、絶縁材料に含浸する方法を用いることができる。
次に、素体2の外部電極を形成する箇所の絶縁層10を除去する。除去は、レーザー照射、または、機械的手法により除去することができる(図7(1))。
次に、Cu層55を形成する(図7(2))。Cu層を形成することにより、導電性が低い素体上にも良好に外部電極を形成することができる。次いで、めっきによりNi層およびSn層を順に形成し、めっき層56する(図7(3))。
以上のようにして、本開示のコイル部品1が製造される。
上記の方法によれば、コイル導体の厚みが大きく、直流抵抗が小さいコイル部品を得ることができる。
従って、本開示は、
フィラーおよび樹脂材料を含んで成る素体と
前記素体に埋設されたコイル導体から構成されるコイル部と
前記コイル導体に電気的に接続された一対の外部電極と
を有して成り、前記コイル導体がガラス層により被覆されているコイル部品の製造方法であって、
(1)基板上に前記ガラス層を構成するガラスを含む感光性ガラスペーストでガラスペースト層を形成する工程、
(2)前記コイル導体を構成する金属を含む感光性金属ペーストで、前記ガラスペースト層上に導体ペースト層を形成する工程、
(3)前記ガラス層を構成するガラスを含む感光性ガラスペーストで、(1)で形成したガラスペースト層上、および(2)で形成した導体ペースト層の外縁部上にガラスペースト層を形成する工程、
(4)前記コイル導体を構成する金属を含む感光性金属ペーストで、(2)で形成した導体ペースト層上、および(3)で形成したガラスペースト層上に導体ペースト層を形成する工程
を含むコイル部品の製造方法を提供する。
好ましい態様において、上記の製造方法において、導体ペースト層およびガラスペースト層の形成は、フォトリソグラフィー法を用いて行われる。
上記の方法によれば、工程(3)で形成されるガラスペースト層は、工程(2)で形成した導体ペースト層の外縁部にひっかかるように形成されるので(図5(4))、かかるガラスペースト層の高さを大きくすることが容易になり、より厚いコイル導体を形成することが容易になる。
以上、本開示のコイル部品およびその製造方法について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
上記した実施形態において、素体は、フィラーおよび樹脂材料を含むコンポジット材料である磁性体シートを用いて形成されており、素体は、焼成工程を経ていない。しかしながら、本開示のコイル部品は、これに限定されない。
一の態様において、本開示のコイル部品は、素体のフィラー部分を焼成して形成し、その後、空隙部分に樹脂を充填して、素体2を形成してもよい。
別の態様において、フィラーおよび樹脂材料を含むコンポジット材料を含むスラリーを注型し、これを熱硬化させて素体2を形成してもよい。
別の態様において、コイル部に磁性体シートを圧入した後、熱硬化して素体を得、次いで、該素体上に、Agを焼き付けることにより下地電極を形成し、その上に、Niめっき、Snめっき等を施すことにより外部電極を形成してもよい。
別の態様において、コイル部に磁性体シートを圧入した後、焼成して焼結体を得、該焼結体にAgを焼き付けて下地電極を形成し、次いで、上記焼結体の空隙に樹脂を含浸させ、最後にNiめっき、Snめっき等を施すことにより外部電極を形成してもよい。
別の態様において、コイル部を得た後、フィラーおよび樹脂材料を含むコンポジット材料を含むスラリーを注型し、これを熱硬化することにより素体を得、次いで、該素体上に外部電極を形成してもよい。
本発明のコイル部品は、インダクタなどとして幅広く様々な用途に使用され得る。
1…コイル部品
2…素体
3…コイル部
4,5…外部電極
6,7…引出部
8…コイル導体
8a…第1導体層
8b…第2導体層
9…ガラス層
10…絶縁層
21…基板;22…ガラスペースト層;24…導体ペースト層;25…ガラスペースト層;26…形状保持ペースト層;
27…導体ペースト層;28…導体ペースト層;29…ガラスペースト層;30…形状保持ペースト層;
32…ガラスペースト層;33…形状保持ペースト層;35…導体ペースト層;37…ガラスペースト層;38…形状保持ペースト層;36…導体ペースト層;41…ガラスペースト層;42…形状保持ペースト層;40…導体ペースト層;44…ガラスペースト層;45…形状保持ペースト層;51…磁性体シート;52…磁性体シート;55…Cu層;56…めっき層

Claims (6)

  1. フィラーおよび樹脂材料を含む素体と
    前記素体に埋設されたコイル導体から構成されるコイル部と
    前記コイル導体に電気的に接続された一対の外部電極と
    を有するコイル部品であって、
    前記コイル導体は、相対的に薄い第1導体層と相対的に厚い第2導体層が積層されており、
    前記コイル導体は、ガラス層により被覆されており、
    前記素体は焼成されておらず、前記コイル部は焼成されており、
    前記コイル部の軸方向に対向する、前記素体の2つの表面は焼成されていない、
    コイル部品。
  2. 前記第2導体層は、前記第1導体層に挟まれている、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第2導体層と前記第1導体層は交互に積層され、最外層は第1導体層である、請求項1または2に記載のコイル部品。
  4. 前記第1導体層の幅は相対的に大きく、前記第2導体層の幅は相対的に小さい、請求項1~3のいずれか1項に記載のコイル部品。
  5. 前記ガラス層の厚みが、3μm以上30μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のコイル部品。
  6. 前記コイル導体の厚みが、10μm以上500μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のコイル部品。
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