JPWO2006046575A1 - シンナミド化合物の非晶質体 - Google Patents

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Abstract

下記式【化1】で表わされる、Aβ産生抑制作用を有する、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2オンの非晶質体は、溶解性に優れ、安定であって、容易に結晶形に転移することがなく、また吸湿性も低いなどの良好な物性を有しており、製剤化に適している。

Description

本発明は、アミロイドβ産生低下作用を有するシンナミド化合物の非晶質体に関する。更に詳細には、本発明は、溶解性に優れ、容易に結晶形に転移することがなく、吸湿性も低いなどの良好な物性を有する、新規化合物であるシンナミド化合物の非晶質体に関する。
アルツハイマー病は、神経細胞の変性や脱落とともに、老人班の形成および神経原繊維変化を特徴とする疾患である。現在、アルツハイマー病の治療は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤に代表される症状改善剤による対症療法に限られていて、病気の進行を抑制する根本療法剤は開発されていない。アルツハイマー病の根本療法剤の創出には、病態の発症原因を制御する方法の開発が必要である。
アミロイド前駆体タンパク(以下、APPという。)の代謝産物であるAβタンパクは、神経細胞の変性・脱落、さらには痴呆症状の発現に大きくかかわると考えられている(例えば、非特許文献1、2参照)。Aβタンパクの主成分は、アミノ酸40個からなるAβ40とC末が2アミノ酸増えたAβ42である。これらのAβ40および42は、凝集性が高く(例えば、非特許文献3参照)、老人班の主要構成成分であり(例えば、非特許文献3、4、5参照)、さらに、家族性アルツハイマー病で見られるAPPおよびプレセネリン遺伝子の変異は、これらのAβ40および42を増加させることが知られている(例えば、非特許文献6、7、8参照)。従って、Aβ40および42の産生を低下させる化合物は、アルツハイマー病の進行抑制剤または予防薬として期待されている。
Klein WL, 外7名, Alzheimer’s disease-affected brain: Presence of oligomeric Aβ ligands (ADDLs) suggests a molecular basis for reversible memory loss, Proceding National Academy of Science USA 2003, Sep 2;100(18), p.10417-10422. Nitsch RM, 外16名, Antibodies against β-amyloid slow cognitive decline in Alzheimer’s disease, Neuron, 2003, May 22;38, p.547-554. Jarrett JT, 外2名, The carboxy terminus of the β amyloid protein is critical for the seeding of amyloid formation: Implications for the pathogenesis of Alzheimers’ disease, Biochemistry, 1993, 32(18), p.4693-4697. Glenner GG, 外1名, Alzheimer’s disease: initial report of the purification and characterization of a novel cerebrovascular amyloid protein, Biochemical and biophysical research communications, 1984, May 16, 120(3), p.885-890. Masters CL, 外5名, Amyloid plaque core protein in Alzheimer disease and Down syndrome, Proceding National Academy of Science USA, 1985, Jun, 82(12), p.4245-4249. Gouras GK, 外11名, Intraneuronal Aβ42 accumulation in human brain, American Journal of Pathology, 2000, Jan, 156(1), p.15-20. Scheuner D, 外20名, Secreted amyloid β-protein similar to that in the senile plaques of Alzheimer‘s disease is increased in vivo by the presenilin 1 and 2 and APP mutations linked to familial Alzheimer’s disease, Nature Medicine, 1996, Aug, 2(8), p.864-870. Forman MS, 外4名, Differential effects of the swedish mutant amyloid precursor protein on β-amyloid accumulation and secretion in neurons and nonneuronal cells, The Journal of Biological Chemistry, 1997, Dec 19, 272(51), p.32247-32253.
本発明者らは、アミロイドAβ40およびAβ42産生低下作用において優れており、アルツハイマー病等の神経変性疾患の治療および予防剤として期待されるシンナミド化合物の代表的化合物の一つであって新規化合物である下記式(1)

で表される(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンを見出した。
他方、医薬品として有用な化合物およびその塩ならびにその結晶および非晶質体の物性は、薬物のバイオアベイラビリティー、原薬の純度、製剤の処方などに大きな影響を与えるため、医薬品開発においては、当該化合物に関し、どの塩・結晶形・非晶質体が医薬品として最も優れているかを、研究する必要がある。すなわち、それらの物性は、個々の化合物の属性に依存するため、一般的に、良好な物性を有する原薬用の塩・結晶形・非晶質体を予測することは困難であり、各化合物ごとに実際に種々検討することが求められる。
本発明者らは、アルツハイマー病等の神経変性疾患の治療および予防剤として期待される新規化合物、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンについて、各種の塩・結晶形・非晶質体を単離し、その物性や形態を把握し、種々検討を行った結果、該化合物の新規なフリー体の非晶質体が、溶解性に優れ、容易に結晶形に転移することがなく、吸湿性も低いなどの良好な物性を有しており、原薬として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、非晶質の化合物である、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンに関する。
好ましくは、本発明は、結晶体を含有しない、非晶質の化合物である、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンに関する。
また、好ましくは、本発明は、粉末X線回折において回折ピークを有しない非晶質の化合物である、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンに関する。
更に本発明は、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンを非晶質体の形態とすることにより、該化合物の溶解性を上昇させる方法にも関する。
更に本発明は、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンを非晶質体の形態とすることにより、該化合物の帯電性を低下させる方法にも関する。
本発明により、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの非晶質体を得ることが可能となった。該化合物の非晶質体は、溶解性に優れ、安定であって、容易に結晶形に転移することがなく、また吸湿性も低いなどの良好な物性を有しており、製剤化に適している。
参考例1の(5)で得られた、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの結晶体の粉末X線回折パターンである。横軸は回折角(2θ)、縦軸はピーク強度を示す。 実施例1で得られた、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの非晶質体の粉末X線回折パターンである。横軸は回折角(2θ)、縦軸はピーク強度を示す。 実施例1で得られた、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの非晶質体の吸湿性パターンである。横軸は相対湿度(%)、縦軸は重量変化(%)を示す。
以下に、本発明のシンナミド化合物の一つである新規化合物の製造法並びにその非晶質体の製造方法および乾燥方法について詳細に説明する。
本発明の新規化合物、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オン(以下、化合物(1)と略記することもある)は、例えば、参考例1および2において詳細に記載されている合成法により製造することができる、すなわち、例えば、参考例1の(1)の5−クロロ−2−(ジエトキシホスホリル)吉草酸ターシャリーブチルエステルを出発化合物として、この出発化合物と参考例2で得られる化合物とを反応させて参考例1の(2)の(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸ターシャリーブチルエステルを合成し、次に保護基を除去し、参考例1の(3)の(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸 トリフルオロ酢酸塩を合成し、次いで、参考例1の(4)の(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸 [(S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミドとし、参考例1の(5)に記載されるように、この化合物を閉環反応させることにより、本発明の新規化合物を製造することができる。
以下に、本発明の非晶質体の製造方法および乾燥方法について詳細に説明する。
非晶質体の製造方法
本発明の化合物(1)の非晶質体の製造には、非晶質体を製造する一般的な方法が採用される。具体的には、参考例1記載の合成方法にしたがって製造された化合物(1)を、例えばメタノールなどに溶解させた後、溶媒を減圧下留去することにより製造することができる。
使用する化合物(1)は、水和物でも無水物でもよく、非晶質体でも、あるいは1種の結晶形からなる結晶体もしくは複数の結晶形からなる結晶体を含んでもよく、これらの混合物であってもよい。
使用する溶媒としては、例えばアセトンまたは2−ブタノンのようなアルキルケトン系溶媒;酢酸エチル;ヘキサン;アセトニトリル;例えばエタノール、1−プロパノールまたはイソプロパノールのようなアルコール系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒、あるいは水、またはこれらの2種以上の混合溶媒を挙げることができる。より好ましくは、例えば酢酸エチル、アセトニトリル、メタノール、エタノールなどが挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物(1)が加熱により溶解する量を下限とし、適宜選択することができるが、好ましくは化合物(1)の重量に対する容量比で例えば5〜50倍量(v/w)である。使用する溶媒の量として、好ましくは、例えば5〜30倍量(v/w)であり、より好ましくは、例えば溶媒としてメタノールを用いる場合には約10倍量である。
化合物(1)を加熱して溶解する温度は、溶媒に応じて化合物(1)が溶解する温度を適宜選択すればよいが、好ましくは、例えば15℃から溶媒の還流温度であり、より好ましくは例えば30〜60℃である。
かくして、化合物(1)を溶媒に溶解し、次いで溶媒を減圧下留去することにより、化合物(1)の非晶質体を製造することができる。
また同様にして、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび水からなる群から選択される1種の溶媒または2種以上の溶媒の混合溶媒を用いて、凍結乾燥または噴霧乾燥することにより、化合物(1)の非晶質体を得ることもできる。
あるいは、参考例1の(5)に記載されるように、参考例1の(4)で得られる(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸 [(S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミドを閉環反応に付した後に、後処理を行い、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、溶出溶媒を留去して固形物を得ることによって、化合物(1)の非晶質体を製造することもできる。
以上のようにして得られた化合物(1)の非晶質体は、溶解性に優れ、安定であって、容易に結晶形に転移することがなく、また吸湿性も低いなどの良好な物性を有しており、製剤化に適している。従って、以上のようにして得られた化合物(1)の非晶質体は、そのまま製剤化に供してもよく、また、以下に述べる乾燥方法により乾燥後に、製剤化に供してもよい。
非晶質体の乾燥方法
非晶質体は、適宜、大気下に放置することにより、または加熱することにより、乾燥することができる。
乾燥時間は、残留溶媒が所定の量を下回るまでの時間を製造量、乾燥装置、乾燥温度などに応じて適宜選択すればよい。また、乾燥は通風下でも減圧下でも行うことができる。減圧度は、製造量、乾燥装置、乾燥温度などに応じて適宜選択すればよい。得られた非晶質体は、乾燥後、必要に応じて大気中に放置することもできる。
上記の乾燥方法によって得られた化合物(1)の非晶質体は安定であって、容易に結晶形に転移することがなく、また吸湿性も低いなどの良好な物性を有しており、製剤化にも適している。
本発明の化合物(1)の非晶質体は、結晶体を含有しないのが好ましいが、結晶体を一部含有していてもよく、非晶質体を少なくとも80重量%含むものが好ましく、更には非晶質体を少なくとも90重量%含むものが好ましい。
また、本発明の化合物(1)の非晶質体は、粉末X線回折において回折ピークを有しないものが好ましい。
以上の説明から明らかなように、化合物(1)の溶解性を上昇させるには、上記した非晶質体の製造方法および乾燥方法により、該化合物を非晶質体の形態にすることによって達成することができる。ここで、化合物(1)の溶解性とは、水や例えば四塩化炭素、ジクロロメタンまたはクロロホルムなどのハロゲン系有機溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルまたはジシクロペンチルエーテルなどのエーテル系有機溶剤、N,N−ジメチルホルアミドまたはN−メチルピロリドンなどのアミド系有機溶媒、ベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘプタンまたはヘキサンなどの脂肪炭化水素系有機溶剤、メタノ−ル、エタノ−ルまたはプロパノ−ルなどのアルコール系有機溶剤、酢酸メチルまたは酢酸エチルなどのエステル系有機溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系有機溶媒などに対する溶解性を意味する。
また、化合物(1)の帯電性を低下させるには、上記した非晶質体の製造方法および乾燥方法により、該化合物を非晶質体の形態にすることによって達成することができる。
化合物(1)は、Aβ産生低下作用を有し、Aβが原因となる神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、ダウン症などの疾患の治療剤の有効成分として使用することができる。従って、化合物(1)の非晶質体は、医薬として使用する場合は、経口もしくは非経口的に、例えばAβが原因となる神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、ダウン症などの疾患の治療剤として投与される。投与量は、例えば症状の程度、患者の年齢、性別、体重、感受性差、投与方法、投与時期、投与間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、通常成人1日あたり例えば10〜6000mg、好ましくは約50〜4000mg、さらに好ましくは約100〜3000mgであり、これを通常1日1〜3回に分けて投与する。
経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に賦形剤さらに必要に応じて例えば結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により、例えば錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤などとする。賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ぶどう糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素などが、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカなどが、着色剤としては医薬品に添加することが許可されているものが、矯味矯臭剤としては、例えばココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などが用いられる。これらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることは勿論差し支えない。注射剤を調製する場合には、必要により主薬に例えばpH調整剤、緩衝剤、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、など張化剤、保存剤などを添加し、常法により例えば静脈、皮下、筋肉内注射剤とする。その際必要により、常法により凍結乾燥物とすることもある。懸濁化剤としては、例えばメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどを挙げることができる。
以下に、参考例、実施例および試験例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の参考例および実施例においては下記の略号を使用する。
DMF:N,N’−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
IPEA:ジイソプロピルエチルアミン
参考例1
(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの合成

(1)5−クロロ−2−(ジエトキシホスホリル)吉草酸ターシャリーブチルエステルの合成
水素化ナトリウム(40%ミネラルオイル含有、17.4g)をヘキサン(100mL)で3回洗浄し、油性物質を取り除いた。この水素化ナトリウムのTHF(500mL)懸濁液に、0℃下ジエチルホスホノ酢酸ターシャリーブチルエステル(100g)のTHF(100mL)溶液を30分かけて滴下した。その後、反応液を室温まで昇温し、さらに1時間攪拌した。この反応溶液に、1−ブロモ−3−クロロプロパン(125g)のTHF(100mL)溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、反応液を15時間加熱還流した。この反応溶液を室温まで放冷し、酢酸エチル(1L)と飽和塩化アンモニウム水(1L)を加え、有機層を分配した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより、表題化合物を113.4g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31-1.48(m,6H),1.48(s,9H),1.79-2.14(m,4H),2.73-2.91(m,1H),3.55(t,J=6.4Hz,2H),4.10-4.19(m,4H).
(2)(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸ターシャリーブチルエステルの合成
参考例2で得られた3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒド(50g)のTHF(600mL)およびエタノール(200mL)の溶液に、5−クロロ−2−(ジエトキシホスホリル)吉草酸ターシャリーブチルエステル(83.5g)および水酸化リチウム一水和物(29.1g)を順次加え、その反応液を室温で一晩攪拌した。原料の消失を確認後、反応液に水および酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン:酢酸エチル=1:1)で精製し、得られた固形物を酢酸エチルとヘキサンの混合液から再結晶することにより、表題化合物を54.9g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.55(s,9H),1.99-2.08(m,2H),2.30(s,3H),2.63-2.71(m,2H),3.59(t,J=6.4Hz,2H),3.87(s,3H),6.93(m,1H),7.00(d,J=1.2Hz,1H),7.09(dd,J=8.4,1.2Hz,1H),7.27(d,J=8.4Hz,1H),7.58(s,1H),7.72(m,1H).
(3)(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸 トリフルオロ酢酸塩の合成
(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸ターシャリーブチルエステル(5g)の塩化メチレン(20mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(10mL)を加え、その反応液を室温で2時間攪拌した。原料の消失を確認後、反応液を減圧下濃縮し、得られた固形物を濾取し、さらに酢酸エチルで洗浄することにより、表題化合物を5.7g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm):1.93-2.03(m,2H),2.35(s,3H),2.58-2.66(m,2H),3.70(t,J=6.4Hz,2H),3.91(s,3H),7.24(dd,J=8.4,1.2Hz,1H),7.37(d,J=1.2Hz,1H),7.64(d,J=8.4,1H),7.66(m,1H),7.76(s,1H),9.36(m,1H).
(4)(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸 [(S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミドの合成
得られた5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(8.00g)と(S)−1−(4−フルオロフェニル)エチルアミン(2.60g)のDMF(50mL)溶液に、IPEA(12.4mL)とEDC(6.82g)およびHOBT(4.81g)を順次加え、その反応液を室温で一晩攪拌した。原料の消失を確認した後、溶媒を減圧下濃縮し、残渣に水および酢酸エチルを加え、有機層を分配した。その有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン:酢酸エチル=2:3→1:1→酢酸エチル)で精製し、表題化合物を3.90g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.56(d,J=6.8Hz,3H),1.95-2.02(m,2H),2.30(s,3H),2.70-2.74(m,2H),3.58(t,J=6.0Hz,2H),3.85(s,3H),5.17-5.24(m,1H),6.15(d,J=6.8Hz,1H),6.92-6.96(m,3H),7.02-7.07(m,2H),7.17(s,1H),7.23-7.25(m,1H),7.32-7.36(m,2H),7.70-7.71(s,1H).
(5)(3E)−1−[(S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの合成
(3E)−5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミ
ダゾール−1−イル)ベンジリデン吉草酸 [(S)−1−(4−フルオロフェ
ニル)エチル]アミド(3.90g)のDMF(30mL)溶液に、0℃下、水素化ナトリウム(40%ミネラルオイル含有、410mg)を加えた後、その反応液を室温まで昇温させ一晩攪拌した。原料の消失を確認後、反応液を0℃まで冷却し、その反応液に水および酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;酢酸エチル→酢酸エチル:エタノール10:1)で精製した。得られた固形物をジエチルエーテルで洗浄し、さらに酢酸エチルにて再結晶化を行うことにより表題化合物を2.60g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.50(d,J=7.2Hz,3H),1.65-1.74(m,1H),1.78-1.87(m,1H),2.30(s,3H),2.71-2.85(m,2H),2.91-2.97(m,1H),3.24(ddd,J=3.6,8.8,12.0Hz,1H),3.86(s,3H),6.23(q,J=7.2Hz,1H),6.93(t,J=1.2Hz,1H),7.00-7.06(m,4H),7.24-7.26(m,1H),7.31-7.34(m,2H),7.72(d,J=1.2Hz,1H),7.89(s,1H).
参考例2
3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒドの合成
(1)3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒドおよび3−メトキシ−4−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒドの合成
4−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒド(3.00g)と4−メチルイミダゾール(3.307g)のDMF(50mL)溶液に、炭酸カリウム(4.05g)を加え、反応液を100℃で一晩攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水および酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層は飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル系)で精製し、3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒド(856mg)と3−メトキシ−4−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒド(44mg)を得た。
3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒドの物性値は以下の通りである。
1HNMR(CDCl3)δ(ppm):2.31(s,3H),3.97(s,3H),7.02(brs,1H),7.44(d,J=8.0Hz,1H),7.55(dd,J=1.6Hz,8.0Hz,1H),7.58(d,J=1.6Hz,1H),7.84(brs,1H),10.00(s,1H)。
3−メトキシ−4−(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒドの物性値は以下の通りである。
1HNMR(CDCl3)δ(ppm):2.10(s,3H),3.90(s,3H),6.91(brs,1H),7.40(d,J=8.0Hz,1H),7.50(d,J=1.2Hz,1H),7.57-7.59(m,1H),7.84(s,1H),10.05(s,1H)。
なお、3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒドは別途下記の方法においても合成できる。
(2)3−メトキシ−4−ニトロ安息香酸 メチルエステルの合成
3−ヒドロキシ−4−ニトロ安息香酸(199g)と炭酸カリウム(450g)のDMF(1L)混合物に、ヨウ化メチル(463g)を室温で滴下した。その反応液を室温で終夜撹拌した後、反応液にヨウ化メチル(230g)を追加し、さらに、反応液を6時間室温で撹拌した。反応液を氷水に加え、析出した固体を濾取した。得られた固体を50℃で終夜乾燥することにより、表題化合物を178g得た。物性値は報告値(CAS#5081−37−8)と一致した。
(3)4−アミノ−3−メトキシ安息香酸 メチルエステルの合成
3−メトキシ−4−ニトロ安息香酸 メチルエステル(150g)のメタノール(600mL)とTHF(300mL)の溶液に、10%パラジウム−炭素(50%含水品15g)を加え、その反応液を0.9MPaの水素圧力下50℃〜64℃で6.5時間攪拌した。反応液を室温まで放冷した後、反応液をセライト上で濾過し、得られた濾液を減圧下濃縮することにより、表題化合物を134g得た。物性値は報告値(CAS#41608−64−4)と一致した。
(4)4−ホルミルアミノ−3−メトキシ安息香酸 メチルエステルの合成
ギ酸(401mL)に無水酢酸(268mL)を室温で滴下し、その反応液を室温で40分間撹拌した。この反応液に、4−アミノ−3−メトキシ安息香酸 メチルエステル(134g)のTHF(600mL)溶液を室温で滴下し、反応液を1時間撹拌した。反応液に氷水3.8Lを加え、析出した固体を濾取し、さらに水(2L)で洗浄した。得られた固体を50℃で終夜乾燥することにより、表題化合物を111g得た。物性値は報告値(CAS#700834−18−0)と一致した。
(5)4−[ホルミル−(2−オキソプロピル)アミノ]−3−メトキシ安息香酸 メチルエステルの合成
4−ホルミルアミノ−3−メトキシ安息香酸 メチルエステル(111g)と炭酸セシウム(346g)およびヨウ化カリウム(8.78g)のDMF(497mL)混合物に、クロロアセトン(84.5mL)を室温で滴下し、その反応液を3時間撹拌した。反応液に炭酸セシウム(173g)およびクロロアセトン(42.0mL)を追加し、その反応液を室温で2時間撹拌した。反応液に氷水及び酢酸エチルを加え、有機層を分配した。水層に酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を合わせて、水および飽和食塩水の順で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、有機層を減圧下濃縮した。残渣をトルエンで希釈し、その溶液を減圧下濃縮した。得られた残渣にターシャリーブチルメチルエーテルとヘプタンを加え、析出した固体を濾取し、50%ターシャリーブチルメチルエーテルのヘプタン溶液で洗浄した。得られた固体を終夜風乾することにより、表題化合物を118g得た。
1HNMR(CDCl3)δ(ppm):2.19(s,3H),3.91(s,3H),3.94(s,3H),4.49(s,2H),7.31(d,J=8.0Hz,1H),7.63(d,J=2.0Hz,1H),7.69(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),8.33(s,1H).
(6)3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)安息香酸 メチルエステルの合成
4−[ホルミル−(2−オキソプロピル)アミノ]−3−メトキシ安息香酸 メチルエステル(118g)と酢酸アンモニウム(172g)の酢酸(255mL)溶液を140℃で1時間加熱撹拌した。反応完結後、反応液を氷冷下アンモニア水で中和した。その反応液に酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲルパッド上で濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣にターシャリーブチルメチルエーテルとヘプタンを加え、析出した固体を濾取し、50%ターシャリーブチルメチルエーテルのヘプタン溶液で洗浄した。得られた固体を終夜風乾することにより、表題化合物を68.4g得た。更に、結晶化母液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)で精製し、表題化合物22.3gを得た。
1HNMR(CDCl3)δ(ppm):2.30(s,3H),3.94(s,3H),3.96(s,3H),6.98(brs,1H),7.32(d,J=8.4Hz,1H),7.71-7.73(m,2H),7.79(brs,1H).
(7)3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒドの合成
ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム(65% トルエン溶液、56mL)のTHF(60mL)溶液に、−5℃以下でピロリジン(18mL)のTHF(45mL)溶液を15分間で滴下した。反応液を室温で1時間撹拌後、反応液にターシャリーブトキシド(2.10g)のTHF(15mL)懸濁液を室温で滴下し、その反応液を15分間撹拌した。3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)安息香酸 メチルエステル(20g)のTHF(50mL)溶液に、前述の反応液を氷冷下で30分間かけて滴下した。その反応液を室温で2時間撹拌した後、反応液に5N水酸化ナトリウム水溶液(150mL)を滴下した。反応液に酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水の順で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルパッド上で濾過後、濾液を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、析出した固体を濾取した。得られた個体を終夜風乾することにより、表題化合物7.10gを得た。更に、結晶化母液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル−2−プロパノール系)で精製し、表題化合物2.65gを得た。
試験例1
結晶体の粉末X線回折
参考例1の(5)で得られた、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの結晶体について、試料を、粉末X線回折装置の試料台に載せ、以下の表1に記載する条件でX線回折分析をした。
図1に、結晶体の粉末X線回折パターンを示した。
実施例1
(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの非晶質体の製造
(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オン(300mg)をメタノール(3ml)に50℃にて溶解させた後、エバポレーターで減圧下溶媒を留去し、更に真空ポンプで減圧下乾燥することにより表題化合物を300mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.50(d,J=7.2Hz,3H),1.65-1.74(m,1H),1.78-1.87(m,1H),2.30(s,3H),2.71-2.85(m,2H),2.91-2.97(m,1H),3.24(ddd,J=3.6,8.8,12.0Hz,1H),3.86(s,3H),6.23(q,J=7.2Hz,1H),6.93(t,J=1.2Hz,1H),7.00-7.06(m,4H),7.24-7.26(m,1H),7.31-7.34(m,2H),7.72(d,J=1.2Hz,1H),7.89(s,1H).
試験例2
非晶質体の粉末X線回折
実施例1の製造方法により得られた非晶質体について、試料を、粉末X線回折装置の試料台に載せ、以下の表2に記載する条件でX線回折分析をした。
図2に、非晶質体の粉末X線回折パターンを示した。
試験例3
結晶質および非晶質の化合物(1)の溶解性試験
下記の試験液0.5mLに過剰量の試料を添加し、数分間(約3分間)の超音波処理操作により分散・溶解させた。室温に30分間放置した後、遠心分離操作で上清を分取し、HPLC法で測定した上清中の試料濃度を各試験液に対する見かけの溶解度とした。
pH 5: Diluted Mcllvaine buffer solution (KANTO Chemical Co. Inc.)
pH 7: GIBCOTM(Dulbecco’s phosphate-buffered saline, Invitrogen Corporation)
以下の表3に、非晶質の化合物(1)の上記緩衝液に対する溶解度を示した。
表3の結果から明らかなように、非晶質の化合物(1)は結晶質の化合物(1)に比較し良好な溶解性を示した。
試験例4
非晶質の化合物(1)の吸湿性試験
非晶質体の吸湿性を、マイクロバランス(MB300W VTI Corporation, USA )により評価した。ガラスフォルダーに入れた試料を25℃に調節した装置中に吊り下げ、5%から90%の相対湿度における重量変化を追跡した。各測定ポイント(相対湿度)において、試料重量は2分間隔で測定され変化量が0.2%以内になった時点の重量を最終値とした。
図3に、非晶質の化合物(1)の吸湿性パターンを示した。図3の吸湿性パターンから明らかなように、非晶質の化合物(1)は低い吸湿性を示した。
本発明によれば、医薬製剤に適した、(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オンの非晶質体を提供することができる。

Claims (3)

  1. 非晶質の化合物である(3E)−1−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]ピペリジン−2−オン。
  2. 結晶体を含有しない請求項1に記載の非晶質の化合物。
  3. 粉末X線回折において回折ピークを有しない請求項1に記載の非晶質の化合物。
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