JPH08292715A - 地図表示装置 - Google Patents

地図表示装置

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JPH08292715A
JPH08292715A JP7094772A JP9477295A JPH08292715A JP H08292715 A JPH08292715 A JP H08292715A JP 7094772 A JP7094772 A JP 7094772A JP 9477295 A JP9477295 A JP 9477295A JP H08292715 A JPH08292715 A JP H08292715A
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敏雄 藤原
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正嶋  博
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薫 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】地図を鳥瞰図表示するとき、文字列や経路とい
った情報が最適に表示されるナビゲーション装置を提供
すること。 【構成】センサからの情報をもとに現在位置を算出する
手段と、地図を鳥瞰図表示するための透視変換演算を処
理する手段と、現在地ないし現在地と目的地を表示する
位置を最適位置に配置する手段と、文字列の重なりがな
くなるよう制御する手段と、同一文字列を制御する手段
と、線や面と入った背景を最適に表示する手段と、表示
するマークを制御する手段と、得られた地図データを用
いてグラフィックス描画する手段とにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体の位置を測定し
ユーザに現在位置を知らせるナビゲーションシステムに
使用する地図表示装置、特に地図をより理解しやすくユ
ーザに提示する鳥瞰図地図表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体に搭載するナビゲーション装置で
は、各種センサからの情報を演算処理することで移動体
の位置を測定し、ユーザにその位置を知らせるといった
処理を実行する。このナビゲーション装置は、移動体の
絶対位置を測定する位置測定装置,道路や構造物等の地
上の点をユニバーサル横メルカトル投影でメッシュ分割
した平面に投射し、得られた2次元ベクトルデータとこ
れらに付随する文字データで構成される地図データが格
納された記憶装置,ユーザからの指示を受ける入力装
置,入力装置から入力された指示に従い記憶装置に格納
された地図メッシュから必要なベクトルデータを読み出
し、そのデータを変換処理することでディスプレイに地
図を表示する表示装置で構成される。ここでデータ変換
処理には、地図の表示位置を変更する移動変換,地図を
任意の縮尺で表示するために用いる拡大/縮小といった
縮尺変換,地図の表示する向きを変更する回転変換があ
る。これら処理により、ディスプレイ上には地面を真上
からの正射影で描いた平面地図が表示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来ナビゲーション装
置では、地図を表示する際に地面を真上からの正射影で
描いた平面地図表示を行っていた。そのため、互いに距
離の離れた2地点間を同時に表示しようとすると必然的
に縮尺が大きくなり詳細な情報が表示できなくなるとい
う問題があった。この問題を解決する一手法に、地面よ
りある高さの地点から斜め方向に見おろしたとき平面に
投射される鳥瞰図表示方式がある。しかし、鳥瞰図表示
をナビゲーション装置に適用するには、次のような課題
を解決する必要がある。
【0004】第1に、平面図地図より広範囲の領域を表
示する鳥瞰図地図表示では、始点遠方では縮尺が大きく
なるため、より大量の情報を表示するようになる。従来
は、このように縮尺が大きくなる領域の文字列を表示し
ない、あるいは単に視点近傍の文字列を上側に表示する
ように処理していたため、文字抜けや複数の文字列の重
なり発生が避けられなかった。これらは、ユーザの文字
認識性を劣化させるという課題があった。
【0005】第2に、地図データベースでは、平面図地
図を表示したときに最も表示品質が高くなるよう背景デ
ータや文字データが構成されるため、より広範囲の領域
を表示する鳥瞰図地図表示では、同一文字列が複数箇所
に表示される頻度が高くなる。従来は、同一文字列につ
いて何ら対策していなかった為、不必要に同一文字列が
表示され、そのために道路やその他背景データを文字列
が覆い隠してしまい、表示品質が劣化するという課題が
あった。
【0006】第3に、目的地への経路は一般的に背景道
路と異なる色で地図に重ねて表示するが、経路を表現す
るベクトルデータには道幅といった概念が存在しないた
め、従来、全て同一線幅で経路データを表示していた。
しかし、鳥瞰図表示では地図を3次元的に表現するた
め、全ての経路を同一線幅で表示すると3次元的な奥行
き感が失われてしまうという課題があった。
【0007】第4に、走行軌跡の表示において、従来あ
る一定距離間隔で走行した位置情報を記憶し、記憶した
位置情報をもとに走行軌跡を表す点を表示していた。し
かし、従来手法にて鳥瞰図地図上に軌跡を表示すると、
縮尺が小さくなる視点近傍では軌跡を表す点列の間隔が
広がってしまい、どの道路を走行したか認識しにくくな
るという課題があった。一方、縮尺が大きくなる視点遠
方では軌跡を表す点列の間隔が必要以上に狭くなってし
まい、背景の道路や文字列といった情報を隠してしまう
ため、地図情報が認識しにくくなるという課題があっ
た。
【0008】第5に、地図データベースには、道路や鉄
道,行政界といったベクトル情報を表示するときに使用
する実線や破線といったパターン情報、及び水系や緑地
帯を表現する多角形を表示するときに使用するチェック
や市松模様といったパターン情報が登録されている。従
来、これらパターン情報が含まれた地図を鳥瞰図表示す
る場合には、線及び多角形を構成する各頂点座標を透視
変換するのみならず、パターンも透視変換し表示してい
たため、処理時間が膨大になり、鳥瞰図地図を表示する
までに必要な時間が長くなるという課題があった。
【0009】第6に、鳥瞰図地図表示では、消失点と呼
ばれる無限遠点付近にて表示する地図データの発散を防
止するため、従来は消失点より所定距離手前の領域で地
図を表示するのを制限し、その奥には仮想的な地平線や
空といった疑似背景情報を表示している。しかし、従来
これら疑似背景情報は固定パターン、ないし固定色で、
周囲状況と疑似背景情報がマッチしないという課題があ
った。
【0010】第7に、鳥瞰図地図表示と平面図地図表示
を切り替えた場合において、実際に描画するオブジェク
トが少ない場合は、表示している地図が鳥瞰図,平面図
いずれの地図を表示しているのかわかりにくいという課
題があった。それに加え、鳥瞰図地図表示では視点位置
をユーザが操作し変化させることが可能で、かつ視点位
置や視野方向によって実際に表示される地図領域が大き
く変化する。しかし従来は、視点位置や視野方向を変化
させた場合においても視点位置などの情報を提供する手
段が無く、使いにくいという課題があった。
【0011】第8に、鳥瞰図地図を表示する場合、地図
を表示する方向は、従来特開平2−244188号に記載され
ているよう画像の表示する方向を進行方向と一致させる
ように表示していたが、目的地が設定されている場合に
は進行方向と目的地の方向が必ずしも一致しないため、
画面上から目的地が消えてしまい、ユーザが常に目的地
の方向を確認しながら地図を認識することができないと
いう課題があった。
【0012】第9に、従来鳥瞰図地図表示において、あ
る特定方向の地図情報密度が低かったり、特定方向が特
定属性の情報のみで構成される場合でも、視点位置すな
わち現在地を画面上で表示する位置は変化しない。よっ
て限られた面積しかないディスプレイ領域に、あまり意
味を持たない情報が多く表示される場合があり、情報提
供の効率化という点で課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の課題を解決するた
め、文字列や記号の間で重なりが発生するかを判定し、
重なりが存在する場合には所定属性の文字列,記号を選
択,表示する、ないし視点近傍の文字列,記号を選択,
表示する、ないし重なり合う文字列,記号を表示に推奨
されたフォントサイズより小さなフォントサイズに置き
換え表示するような手段を用いる。また文字の重なり判
定手段は、文字列に外接する矩形領域情報を用い、互い
の外接矩形が重なったとき文字列が重なると判定する、
ないし文字列に外接する矩形より所定量内側に入った矩
形領域情報を用い、互いの矩形領域が重なったとき文字
列が重なると判定するような手段を用いる。
【0014】第2の課題を解決するため、ある鳥瞰図地
図を表示した画面中に同一文字列、ないし記号が存在す
るかを判定し、同一文字列、ないし記号が存在したとき
は視点近傍の文字列を選択,表示するような手段を用い
る。一方、同一文字列、ないし記号が存在する場合で
も、互いの距離が離れている場合には両者共表示するこ
とが有効である。従って、同一文字列、ないし記号の互
いの距離、ないしは鳥瞰図地図表示したときの互いの距
離が所定範囲内であると判定したときは視点近傍の文字
列を選択,表示し、距離が所定範囲外であると判定した
ときは、両方の文字列ないし記号を表示するような手段
を用いる。
【0015】第3の課題を解決するため、鳥瞰図地図上
に経路を表示する場合には、視点近傍の経路は視点遠方
の経路より線幅を太く表示するような手段を用いる。あ
るいは、鳥瞰図地図上を複数の領域に分割し、それぞれ
の領域に重なって表示する経路につき、領域固有の線幅
で経路を表示するような手段を用いる。
【0016】第4の課題を解決するため、視点近傍の走
行軌跡については記憶された軌跡情報を補完するような
軌跡を求め、軌跡を鳥瞰図地図に重ねて表示するような
手段を用いる。視点遠方の走行軌跡については記憶され
た軌跡情報を間引く処理を行い、間引かれた軌跡を鳥瞰
図地図に重ねて表示するような手段を用いる。
【0017】第5の課題を解決するため、地図データを
構成する線及び多角形を構成する各頂点座標を透視変換
し、透視変換した座標値を用い、パターンについては平
面図地図表示で使用するパターンを用い多角形ないし線
を表示するような手段を用いる。
【0018】第6の課題を解決するため、消失点より所
定距離手前の領域で地図を表示するのを制限し、その奥
に仮想的に表示する地平線や空といった疑似背景の色や
パターンを変化させる手段を用いる。具体的には、疑似
背景情報の色やパターンを、車両の状態を表す信号、つ
まり車両のライト点灯状態信号を用い、ライト非点灯時
には空を表す水色で、ライト点灯時には暗闇を表す黒色
や灰色に疑似背景を変化させる手段を用いる。
【0019】第7の課題を解決するため、ユーザ要求に
従い地図表示制御部は鳥瞰図地図と平面図地図を切り替
えるが、地図に重ねてマークを表示するメニュー表示部
は地図の表示状態の変化を受け、鳥瞰図地図から平面図
地図に切り替わったときに平面図地図を表示しているこ
とを知らせるマークを地図に重ねて表示する手段を用い
る。また、平面図地図から鳥瞰図地図に切り替わったと
きは、鳥瞰図を表示していることを知らせるマークを地
図に重ねて表示するように動作する。また、鳥瞰図地図
を表示している最中にユーザが視点位置を変化させた場
合は、視点位置に応じて現在地を示すマーク形状を変形
し地図に重ねて表示する手段を用いる。第8の課題を解
決するため、まずユーザに目的地の設定を促す。目的地
の設定終了後、視点位置から目的地方角に視点方向を一
致させ、所定領域の地図が鳥瞰図表示されるよう視点位
置/方向及び、投射角度を演算する。現在位置が更新さ
れる場合でも、視点位置を現在地に合わせ、常に上記処
理を繰り返し実行し鳥瞰図地図を表示する手段を用い
る。
【0020】第9の課題を解決するため、表示する鳥瞰
図地図内において地図情報密度が低い領域や、特定属性
の情報のみで構成される領域を検索する。これら領域が
検索された場合は、地図情報密度が低い領域や、特定属
性の情報のみで構成される領域が表示画面上に占める面
積が少なくなるよう視点位置を変化させる。得られた視
点位置情報、及び投射角度を用い鳥瞰図地図を表示する
手段を用いる。
【0021】
【作用】第1の手段により、鳥瞰図地図表示において、
文字列と文字列の重なりが有る場合には、その一方が表
示される、ないし重なった文字列が小さなフォントに置
き換え表示されるように作用する。
【0022】第2の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、同一文字列、ないし記号が存在するときは、視点近
傍の文字列が選択,表示されるように作用する。
【0023】第3の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、視点遠方に存在する誘導経路より視点近傍の誘導経
路の線幅が太く表示されるように作用する。
【0024】第4の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、走行軌跡を表す点列が視点近傍と視点遠方で適切な
間隔で表示されるように作用する。
【0025】第5の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、パターン線及び内部にパターンが存在する多角形の
表示が高速化されるように作用する。
【0026】第6の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、車両状況に応じて疑似背景が異なった色及びパター
ンで表示されるように作用する。
【0027】第7の手段により、鳥瞰図地図及び平面図
地図を切り替えた場合、及び視点位置や視野方向に、地
図に重ねて表示するマーク形状が変化するように動作す
る。第8の手段により、鳥瞰図地図表示において、自車
の進行方向によらず目的地が常に所定方向に表示される
よう動作する。
【0028】第9の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、地図情報密度が低かったり特定属性の情報のみで構
成される領域が表示される面積が少なくなるように動作
する。
【0029】
【実施例】以下図面を参照して、図1に示す地図の鳥瞰
図表示に関する発明の一実施例を説明する。
【0030】まず、本発明の特徴である鳥瞰図表示の概
要を図2を用いて説明する。
【0031】印刷された地図帳や従来のナビゲーション
システムでは、地図を表示するとき、着目した地点の上
方にある無限遠点から見たときに得られる平面地図表示
で表現している。平面地図表示では、同一画面内はその
地点によらず縮尺が一定になるという利点があるため距
離感を掴みやすい。しかし、ある2地点間を同一画面に
表示しようとすると、地図を表示する縮尺が最適になる
ように調整するという操作が必要になるとともに、その
2地点間の距離が離れていると一度に表示可能な情報量
はディスプレイの大きさや精細度によって制約されるた
め限られた情報しか表示できないという欠点がある。こ
の問題を解決する手段として鳥瞰図表示がある。図2か
ら明らかなように鳥瞰図表現を行うと視点に近い部分の
情報は拡大し、視点から遠い部分の情報は縮小し表現さ
れる。これにより、ある2地点間を同一画面に表示する
場合には、より詳細な情報を得たい地点を視点の近く
に、もう一方を視点の遠くとし、2地点を同一画面に表
示することで互いの位置関係をわかりやすく表現できる
と共に、視点近傍の情報についてはより大量の情報をユ
ーザに提供することが可能になる。鳥瞰図表示は、平面
Aの2次元的ないし3次元的な地図情報を、平面Aとあ
る角度θをなす平面Bに投射するという透視変換を行う
ことで実現される。使用する地図情報に2次元的な地図
データを使用することが可能なので、従来のナビゲーシ
ョンシステムに透視変換機能を付加することで、新たな
地図データ量を加えることなく鳥瞰図表示は実現可能で
あるが、実現にあたっては様々な工夫が必要である。
【0032】図4は、本発明を適用した移動体ナビゲー
ション装置の一構成例である。
【0033】以下ナビゲーション装置の各構成ユニット
について説明する。演算処理部1は6〜9の各種センサ
から出力される情報を基に現在位置を検出し、得られた
現在位置情報から表示に必要な地図情報を地図記憶装置
3から読み込むと共に、地図データをグラフィックス展
開し、そこに現在地マークを重ねディスプレイ2へ表示
したり、ユーザから指示された目的地と現在地を結ぶ最
適な道路を選択し、音声入出力装置4やディスプレイ2
を用いてユーザを誘導する、等といった様々な処理を行
う中心的なユニットである。ディスプレイ2は、演算処
理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニ
ットで、CRTや液晶ディスプレイで構成される。また
演算処理部とディスプレイ間の信号S1は、RGB信号
やNTSC(National Television System Committee)信号
で接続するのが一般的である。地図記憶装置3は、CD
−ROMやICカードといった大容量記憶媒体で構成さ
れ、必要とする地図データを読み出し/書き込む処理を
行う。また音声入出力装置4は、演算処理部1で生成し
たユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力すると
共に、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内
容を転送する処理を行う。入力装置5は、ユーザからの
指示を受け付けるユニットで、例えば図6に示すような
スクロールキー41,縮尺キー42,角度変更キー43
などのハードスイッチ,ジョイスティック,ディスプレ
イ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。また移
動体ナビゲーションで位置を検出するために使用するセ
ンサは、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から
距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移
動体が曲がった角度を計測する車輪速センサ6,地球が
保持している磁場を検知し移動体が向いている方角を検
出する地磁気センサ7,光ファイバジャイロや振動ジャ
イロといった移動体が回転した角度を検出するジャイロ
8,GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星
間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定
することで移動体の現在位置,進行方向及び進行方位を
測定するGPS受信装置9で構成される。また、道路の
渋滞,工事,通行止め情報や駐車場情報といった交通情
報を発するビーコン送信機やFM多重放送からの信号を
受信する交通情報受信装置10を備える。さらに、車両
の様々な情報、例えばドアの開閉情報,点灯しているラ
イトの種類と状況,エンジンの状況や故障診断結果など
を受ける車内LAN装置11を備える。
【0034】図5は処理演算部のハードウェア構成につ
いて説明した図である。
【0035】以下各構成要素について説明する。演算処
理部1は、各デバイス間がバスで接続された構成にな
る。各構成要素は、数値演算及び各デバイスを制御する
といった様々な処理を実行するCPU21,地図や演算
データを格納するRAM22,プログラムやデータを格
納するROM23,高速にメモリとメモリ間及びメモリ
と各デバイス間のデータ転送を実行するDMA(Direct
Memory Access)24,ベクトルデータを画素情報に展
開するといったグラフィックス描画を高速に実行し、か
つ表示制御を行う描画コントローラ25,グラフィック
スイメージデータを蓄えるVRAM26,イメージデータをR
GB信号に変換するカラーパレット27,アナログ信号
をデジタル信号に変換するA/D変換器28,シリアル
信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI2
9,パラレル信号と同期をとりバス上にのせるPIO3
0,パルス信号を積分するカウンター31で構成され
る。
【0036】図7は処理演算部1の機能構成について説
明した図である。
【0037】以下各構成要素について説明する。現在位
置演算手段66は、車輪速センサ6で計測される距離パ
ルスデータS5、及びジャイロ8で計測される角加速度
データS7を各々積分した結果得られる距離データ及び
角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していく
ことにより、初期位置(X,Y)から移動体走行後の位
置(X′,Y′)を演算する処理を行う。ここで、移動
体の回転した角度と進む方位の関係を一致させるため、
地磁気センサ7から得られる方位データS6と、ジャイ
ロ8から得られる角加速度データS7を積分した角度デ
ータを1対1の関係にマッピングし、移動体が進行して
いる方向の絶対方位を補正する。また上述したセンサか
ら得られたデータを積分してゆくとセンサの誤差が蓄積
するため、ある時間周期でGPS受信装置9から得られ
た位置データS8をもとに蓄積した誤差をキャンセルす
るという処理を施し現在位置情報を出力する。このよう
にして得られた現在位置情報にはセンサの誤差が含まれ
ているため、さらに位置精度を高めることを目的に、マ
ップマッチ処理67を行う。これは、データ読み込み処
理手段68によって読み込まれた現在地周辺の地図に含
まれる道路データと、現在位置演算手段66から得られ
た走行軌跡を互いに照らし合わせ、形状の相関が最も高
い道路に現在地を合わせ込むという処理である。マップ
マッチ処理を施すことで現在地は多くの場合走行道路と
一致するようになり、精度よく現在位置情報を出力する
ことができる。このようにして演算された現在位置情報
は、所定距離走行する度に軌跡記憶手段69に記憶され
る。軌跡データは、これまで走行してきた道路につき、
対応する地図上の道路に軌跡マークを描画するために用
いられる。一方、ユーザ操作解析手段61は、ユーザか
らの要求を入力装置5で受け、その要求内容を解析し、
対応する処理が実行されるよう各ユニットを制御する。
例えばユーザが目的地までの経路誘導を要求したとき
は、目的地を設定するため地図を表示する処理を地図描
画手段65に要求し、さらに現在地から目的地までの経
路を演算する処理を経路計算手段62に要求する。経路
計算手段62は、ダイキストラ法等を用い指定された2
地点間の結ぶノードを地図データから検索し、その結果
得られた経路を経路記憶手段63に蓄える。このとき、
2地点間の距離が最短になる経路、もしくは最も短い時
間で到達可能な経路、あるいは最もコストが安くなる経
路等をそれぞれ求めることも可能である。経路誘導手段
64は、経路記憶手段63に蓄えられた誘導経路のリン
ク情報と現在位置演算手段66及びマップマッチ処理手
段67で求められる現在位置情報を比較し、交差点等を
通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを音声入出
力装置4を用い音声でユーザに通知したり、ディスプレ
イ上に表示された地図上に進行すべき方向を表示し、ユ
ーザに経路を通知する。データ読み込み処理手段68
は、要求された領域の地図データを地図記憶装置3から
読み込み準備するように動作する。また地図描画手段6
5は、表示が要求された地点周辺の地図データをデータ
読み込み処理手段68から受け取り、指定された縮尺,
描画方位,描画方式で、指定されたオブジェクトを描画
するコマンドをグラフィック処理手段71に転送するよ
うに動作する。一方、メニュー描画手段70は、ユーザ
操作解析手段61から出力される命令を受け、要求され
る様々な種類のメニューや地図に重ねて表示するマーク
を描画するコマンドをグラフィック処理手段71に転送
するように動作する。グラフィックス処理手段71は地
図描画手段65及びメニュー描画手段70で生成される
描画コマンドを受け、VRAM26にイメージ展開する。
【0038】図8は地図描画手段65の機能について説
明した図である。
【0039】以下各構成要素について説明する。表示領
域判定手段81は、地図の表示縮尺や、地図データのど
の地点を中心に、どの領域を表示するか決定する。初期
データクリップ手段82は、データ読み込み処理手段6
8によって地図記憶装置3より取り込まれた地図データ
の各メッシュから、以後の処理に必要な道路や建物とい
ったオブジェクトを表現する線データ,面データ及び文
字データ,経路記憶手段63に蓄えられた推奨経路で構
成される線データ、軌跡記憶手段69に蓄えられた走行
軌跡で構成される点データから、表示に必要なデータを
表示領域判定手段81で設定された情報を基にクリップ
処理で選択する。ここで使用するクリップ処理アルゴリ
ズムとして、線及び点データに関してはCohen−Sutherl
and 線クリップアルゴリズム、面及び文字データに関し
てはSutherland−Hodgman ポリゴンクリップアルゴリズ
ム等がある(Foley, van Dam, Feiner, Hughes:Comput
erGraphics:Addison−Wesley Publishing Company pp
111−127)。この処理により、以後の座標変換や
描画処理をすべきデータ量を削減することが可能にな
り、処理の高速化が見込まれる。座標変換手段83で
は、クリップ処理により得られた地図データを目的の大
きさに拡大縮小したり、回転して表示する場合には地図
データの各座標値をアフィン変換するように動作する。
描画判定手段84は、座標変換手段83で得られた地図
データで実際に描画する必要のあるデータを選択するよ
うに働く。例えば、縮尺が大きくなったときは実質的に
描画するデータ量が増えるため、細い道路や省略可能な
地名などを削除したり、互いに重なって表示される文字
列がなくなるように動作する。データクリップ手段85
は、描画判定手段84でによって得られる地図データか
ら描画領域に関する地図データをクリップ処理により選
択するように動作する。ここで使用するクリップ処理ア
ルゴリズムは初期データクリップ手段と同じアルゴリズ
ムを使用可能である。また、本処理は省略することも可
能である。疑似背景設定手段86は、鳥瞰図地図表示に
おいて必要になる機能で、描画データ量の削減と画面認
識性向上を目的に地平線や空といった擬似的な背景を表
示する。描画命令発行手段87では、得られた点,線及
び面データ,文字データを指定された色やパターンで描
画するため,ライン,ポリゴン,文字等を描画するコマ
ンドや色,模様を設定するコマンドをグラフィックス処
理手段71に発行するように動作する。
【0040】それでは、基本的な鳥瞰図地図の表示方式
について図3,図9を用いて説明する。
【0041】まず最初に、表示領域判定手段81で、視
点の位置と視野方角、そして図2の平面Aと平面Bがな
す角度θ(投射角度)から鳥瞰図表示すべき領域を決定
する(図3ステップ1)。矩形ディスプレイに鳥瞰図を
表示すると、視点近傍は狭い領域の、視点遠方は広い領
域の地図データが必要になるので、図中でメッシュを施
した台形領域の地図データが最終的に描画されることに
なる。次に、鳥瞰図表示すべき領域を含む地図メッシュ
データから、実際に描画する台形領域に外接する矩形領
域を用い、初期データクリップ手段82により必要な地
図データを抽出する(図3ステップ2)。次に座標変換
手段83にて、抽出されたデータを拡大ないし縮小した
後アフィン変換し、台形が正立するようにする。さらに
透視変換を行い地図データの各座標値を3次元的に表し
たデータに変換する(図3ステップ3)。このとき視点
の位置座標を(Tx,Ty,Tz)、平面Aと平面Bが
なす角度をθ、変換前の地図データ座標値を(x,
y)、変換後の地図データ座標値を(x′,y′)とす
ると、透視変換は数1,数2で表現される。
【0042】
【数1】
【0043】
【数2】
【0044】図3ステップ2に示した台形は透視変換を
施すことで図3ステップ3に示す矩形領域に、図3ステ
ップ2における台形に外接する矩形は透視変換を施すこ
とで図3ステップ3に示す矩形に外接する変形四角形内
に座標変換されるが、矩形領域外の部分は描画する必要
がないため、データクリップ手段85で矩形領域外をク
リップ処理する(図4ステップ4)。このようにして得
られた地図データを用い、描画命令発行手段87で描画
コマンドを生成しグラフィックス処理手段71でVRAM26
に描画することで図1に示した鳥瞰図地図が表示され
る。
【0045】次に、鳥瞰図地図表示での透視変換パラメ
ータ、つまり地図と投射面のなす角θ(投射角度)、及
び地図平面が含まれる物体座標系から見た投射面が含ま
れる視点座標系の原点座標(Tx,Ty,Tz)、即ち
投射面の位置の演算方法について図9,図19を用いて
説明する。ナビゲーション装置では、ユーザが現在走行
している地点、即ち現在地周辺を詳細に表示することが
望まれている。そこで、現在地を図19c)に示すよう
に画面中央下側に表示した場合について以下説明する。
図19c)のような鳥瞰図表示を実現するため、まず図
19a)に示すように進行方向ベクトルと地図メッシュ
の底辺がなす角度φを図9ステップ1004で求め、さらに
描画する地図データについて角度φだけ回転するという
アフィン変換を地図を構成する各データに対して行う
(ステップ1005)。ステップ1006では鳥瞰図表
示すると判定されるので、投射角度θ及び視点位置を演
算する処理に移る(ステップ1008,1009)。投
射角度θの設定方法については、例えば視点近傍と視点
遠方の縮尺の差が小さくなるように表示したいときは投
射角度θを0度の近傍にとり、一方視点近傍と視点遠方
の縮尺の差が大きくなるように表示したいときは投射角
度θを90度の近傍にとる。通常は投射角度θを30度
から45度程度の所定の投射角度を設定する。また、鳥
瞰図地図表示で表示すべき地図領域をユーザが任意に設
定できることも望まれるため、図6に示すナビゲーショ
ン装置に設けられた投射角度変更キー43により投射角
度θを設定できるようにした。これにより角度を増加す
ると操作された場合は投射角度θが増えるためより遠方
の地図が表示される。また投射角度を減少すると操作さ
れた場合は投射角度θが減るために現在地近傍の地図が
表示されるようになる。次に投射面の位置(Tx,T
y,Tz)については、現在地(x,y,z)から投射
面の位置(Tx,Ty,Tz)を引いた差分値(Δx,
Δy,Δz)が常に一定値になるようにステップ100
9で演算する。また絶対量としては、Δxは0を、Δz
には地図を表示する縮尺に合わせ小さな縮尺で表示する
ときはΔzに小さな値を、大きな縮尺で表示するときは
Δzに大きな値を設定する。通常は平面図の縮尺と鳥瞰
図表示の中央付近のある一点の縮尺が一致するようにΔ
zを決定すると良い。また、地図の縮尺はユーザの要求
に応じ変更できることが望まれるため、図6に示すナビ
ゲーション装置に設けられた縮尺キー42に応じ、ユー
ザが小さな縮尺を指定した場合はΔzに小さな値を、大
きな縮尺を指定した場合はΔzに大きな値をセットする
ようステップ1009は動作する。また、Δyについて
は、負値と正値いずれでも演算可能であるが、ここでは
負値を用いることにし、画面の下1/3の位置に現在地
が表示されるような値に決定する。このようにして得ら
れた投射角度θ及び投射面の位置(Tx,Ty,Tz)
を用い、ステップ1010で地図データの各座標値を透
視変換する。透視変換演算の詳細を図10を用いて説明
する。まず、水系や緑地帯などの多角形で構成される面
データが有るかを判定し(ステップ1020)、有ると
判定されたときは多角形を構成する各ノードについて透
視変換する(ステップ1021)。これを全ての多角形
につき実施する(ステップ1022)。次に、道路や鉄
道,行政界といった地図を構成する線データ、及び現在
地から目的地までの最適な経路が計算されている場合に
は経路を表す線データが有るかを判定し(ステップ10
23)、有ると判定されたときは線を構成する各ノード
について透視変換する(ステップ1024)。これを全て
の線につき実施する(ステップ1025)。さらに、地
域名や記号等の地図を構成する文字データ、及び軌跡を
表示する場合には軌跡を表す点データが有るかを判定す
る(ステップ1026)。なお、地域名や記号といった
文字列については、その文字列を代表する一点、例えば
文字列左上端点を点データとして扱うとよい。これら点
データが有ると判定されたときは、点を構成する各ノー
ドについて透視変換し(ステップ1027)、これを全
ての点につき実施する(ステップ1028)。得られた
地図データを用いてグラフィックス処理手段71で描画
処理することで、図19c)に示す地図の鳥瞰図表示に
おいて、進行方向が常に画面上方向で、かつ現在地が画
面上の同一地点に表示されるようになる。
【0046】次に、ある目的地が入力装置5によって地
図や検索画面から指定された場合、運転者が認識しやす
い鳥瞰図地図の表示方法について図9,図20を用いて
説明する。ナビゲーション装置では、ユーザが現在走行
している地点、即ち現在地周辺を詳細に表示することが
望まれている。そこで、現在地を図20c)に示すよう
に画面中央下側、具体的には画面下1/3の領域の横中
央部になるように鳥瞰図表示することにする。図20
c)のような鳥瞰図表示を実現するため、まず図20
a)に示すように現在地と目的地を結ぶ線分に垂直な線
と地図メッシュの底辺がなす角度φを図9ステップ10
04で求め、さらに描画する地図データの各座標値を角
度φだけアフィン変換する(ステップ1005)。ステ
ップ1006では鳥瞰図表示すると判定されるので、投
射角度θ及び視点位置を演算する処理に移る(ステップ
1008,1009)。投射角度θの設定方法について
は、例えば視点近傍と視点遠方の縮尺の差が小さくなる
ように表示したいときは投射角度θを0度の近傍にと
り、一方視点近傍と視点遠方の縮尺の差が大きくなるよ
うに表示したいときは投射角度θを90度の近傍にと
る。通常は投射角度θを30度から45度程度の所定の
投射角度を設定する。また、鳥瞰図地図表示で表示すべ
き地図領域をユーザが任意に設定できることが望まれる
ため、図6に示すナビゲーション装置に設けられた投射
角度変更キー43により投射角度θを設定できるように
した。これにより角度を増加すると操作された場合は投
射角度θが増えるためより遠方の地図が表示される。ま
た投射角度を減少すると操作された場合は投射角度θが
減るために現在地近傍の地図が表示されるようになる。
次に投射面の位置(Tx,Ty,Tz)については、現在
地(x,y,z)から投射面の位置(Tx,Ty,T
z)を引いた差分値(Δx,Δy,Δz)が常に一定値
になるようにステップ1009で演算する。また絶対量
としては、Δxは0を、Δzには地図を表示する縮尺に
合わせ小さな縮尺で表示するときはΔzに小さな値を、
大きな縮尺で表示するときはΔzに大きな値を設定す
る。通常は平面図の縮尺と鳥瞰図表示の中央付近のある
一点の縮尺が一致するようにΔzを決定すると良い。ま
た、地図の縮尺はユーザの要求に応じ変更できることが
望まれるため、図6に示すナビゲーション装置に設けら
れた縮尺キー42に応じ、ユーザが小さな縮尺を指定し
た場合はΔzに小さな値を、大きな縮尺を指定した場合
はΔzに大きな値をセットするようステップ1009は
動作する。また、Δyについては、負値と正値いずれで
も演算可能であるが、ここでは負値を用いることにし、
画面の下1/3の位置に現在地が表示されるような値を
求める。このようにして得られた投射角度θ及び投射面
の位置(Tx,Ty,Tz)を用い、ステップ1010で
地図データの各座標値を透視変換し、得られた地図デー
タを用いてグラフィックス処理手段71で描画処理する
ことで、図20c)に示す地図の鳥瞰図表示において、
目的地が常に上方向で、かつ現在地が画面上の同一地点
に表示されるようになる。また、目的地が画面内に表示
されるような位置になるまで移動したとき、目的地と現
在地を常に画面内のある2地点に固定し、鳥瞰図地図表
示するモードに切り替えることで、より使い勝手が向上
する。
【0047】ところで、図21a)に示すように、皇居
を表す多角形や、緑地帯,海や湖等の水系は、車両等に
取りつけられたナビゲーション装置を用い走行する運転
者にとって、それほど有益な情報ではない。それより、
道路等といった運転に直接必要な情報を、限られた画面
上により多く表示することが望まれる。この問題を解決
する手段を、図11を用いて説明する。道路や背景等の
情報はノードによって表現されているが、緑地帯,海や
湖等の水系を表すポリゴンのノード密度は、道路等の線
のノード密度に比較すると密度が低くなる傾向にある。
よって、画面縦方向では表示する領域は初期値に従い、
画面横方向での表示領域を最適化することで道路等の情
報が最も多く表示されるように操作する。この処理は、
図9ステップ1011の表示位置演算ルーチンにて実行
される。まず表示位置の最適化を実行するモードかを判
定する(ステップ1040)。最適化を実行すると判断
されたときは、ステップ1041にて透視変換された線
及び多角形を構成するノードから、画面に実際に表示さ
れるノードをクリップ演算で抜き出す(ステップ104
1)。さらに、選別された線及び多角形を構成する各ノ
ードのx座標相加平均値x1を計算する(ステップ10
22)。さらに、ステップ1022において得られたx
座標相加平均値と画面中央のx座標値x2の差分値Δx
を演算する(ステップ1023)。ステップ1024で
は、ステップ1023で得られた差分値Δxを、線及び
多角形を構成するノードのx座標値に加算する。このよ
うにして得られた地図データを用いてグラフィックス処
理手段71で描画処理することで、図21b)に示した
ように、道路等といった運転に直接必要な情報を、限ら
れた画面上により多く表示することができる鳥瞰図地図
表示が達成される。
【0048】次に、より具体的に鳥瞰図地図を構成する
オブジェクトの描画処理方法につき説明する。図12に
示す描画判定手段84では、地図を構成する面データ,
線データ,文字データ、及びユーザからの要求で計算す
る経路データと、これまで走行したルートを表す軌跡デ
ータを、それぞれ最適に表示するように動作する。
【0049】まず、描画データ中に面データが存在する
かを判定する(ステップ1060)。面データが存在す
ると判定されると、図13(a)の面データ描画処理
(ステップ1061)に処理が移る。面データ描画処理
では、実際に描画する多角形の内部に面パターンが存在
するのか、あるいは全面塗りつぶすのかを判定する(ス
テップ1080)。面パターンが無いと判断されたとき
は、多角形内部を全て塗りつぶすようパターン設定を行
い処理を終える(ステップ1081)。面パターンがあ
ると判定されたときは、面パターンについて透視変換を
実施するか判定する(ステップ1082)。面パターン
を透視変換し表示すると、図27a)に示すように奥行
き感が出るため、より3次元的に表現されるようになる
が、処理量が増えるために描画時間は長くなる。一方、
平面図地図表示に用いる面パターンで表示すると、図2
7b)に示すように平面的な表示になってしまうが、面
パターンを2次元的に扱えるため高速に処理することが
可能になる。よって処理の高速化が要求される場合に
は、ステップ1082でパターンの透視変換は不要と判
定し、指定されたパターンそのものがパターンデータと
して設定される(ステップ1083)。一方、表示品質
を優先した場合には、ステップ1082でパターンの透
視変換が必要と判定され、パターンを透視変換し、変換
された結果をパターンデータとして設定するように動作
する(ステップ1084)。また、この処理を高速化す
る手法として、図27c)の方法が考えられる。これ
は、奥行き方向に多角形を複数の領域に分割し(図中で
は4つの領域)、それぞれの領域で面パターンを透視変
換したときの平均的パターンを用い、このパターンデー
タで各領域を2次元的に塗りつぶす方法である。これに
よれば領域内では2次元的な面パターンになるため、高
速化が可能になる。
【0050】次に、描画データ中に線データが存在する
かを判定する(ステップ1062)。線データが存在す
ると判定されると、図13(b)の線データ描画処理
(ステップ1063)に処理が移る。線データ描画処理
では、実際に描画する線分に線パターンが存在するの
か、あるいは実線で塗りつぶすのかを判定する(ステッ
プ1085)。線パターンが無いと判断されたときは、
実線を描画するようパターン設定を行い処理を終える
(ステップ1086)。線パターンがあると判定されたと
きは、線パターンについて透視変換を実施するか判定す
る(ステップ1087)。線パターンを透視変換し表示す
ると、図27a)に示すように奥行き感が出てるため、
より3次元的に表現されるようになるが、処理量が増え
るために描画時間は長くなる。一方、平面図地図表示に
用いる線パターンで表示すると、図27b)に示すよう
に平面的な表示になってしまうが、線パターンを1次元
的に扱えるため高速に処理することが可能になる。よっ
て処理の高速化が要求される場合には、ステップ108
7でパターンの透視変換は不要と判定され、指定された
パターンそのものがパターンデータとして設定される
(ステップ1088)。一方、表示品質を優先した場合
には、ステップ1087でパターンの透視変換が必要と
判定され、パターンを透視変換し、変換された結果をパ
ターンデータとして設定するように動作する(ステップ
1089)。
【0051】次に、描画データ中に文字データが存在す
るか判定する(ステップ1064)。文字データが存在
すると判定されると、図14の文字データ描画処理(ス
テップ1065)に処理が移る。文字データ描画処理で
は、地名,建物名称,地図記号など複数の属性で構成さ
れる地図中の文字列がどの属性にあるのかを判定し(ス
テップ1100)、必ず表示しなければならない所定属
性の文字列を選択し、ステップ1101に処理を移す。
ステップ1101では、必ず表示しなければならない属
性の文字列が選択されるため、この文字列を表示するよ
うにバッファリングする。次に、文字列と文字列の重な
りを判定する(ステップ1102)。文字列と文字列の
重なりを判定するには、複数の方法がある。まず第1
に、図22に示すように、文字列を取り囲む多角形を計
算し(図22のbで示した多角形の外枠)、その多角形
より所定ドット数内側にいった領域で構成される多角形
領域情報(図22のbで示した多角形の斜線パターン領
域)を用いて文字の重なり判定を行う方法である。この
方法によれば、図22c)に示したように文字列の重な
り判定領域(多角形の斜線パターン領域)が重なったと
き文字列は重なったと判定される。また、図22d)に
示したように文字の重なり判定領域が重ならないときは
文字列は重ならないと判定される。通常、多少の文字の
重なりが発生しても、それぞれの文字列を識別するのは
可能であり、本方式によれば多少の文字列の重なりは文
字列が重なったと判定されないように動作する。よっ
て、必要以上に重なった文字列を削除することがなくな
り、運転者に伝えることが可能な情報量が増加する。次
に第2の方法を図23を用いて説明する。この手法では
文字列に外接する矩形領域を計算し(図23のbで示し
た矩形)、この矩形領域情報(図23のbで示した矩形
の斜線パターン領域)を用いて文字列の重なり判定を行
う方法である。この方法によれば、図23c)に示した
ように文字列の重なり判定領域(矩形の斜線パターン領
域)が重なったとき文字列は重なったと判定される。ま
た、図23d)に示したように文字の重なり判定領域が
重ならないときは文字列は重ならないと判定される。こ
の方法によれば、矩形といったシンプルな形状で複数の
文字列間の重なりを判定できるため、x軸方向及びy軸
方向の矩形の最小値及び最大値を重なった文字列間で比
較すればよく、演算時間の短縮化が図られる。最後に第
3の方法を図24を用いて説明する。この手法では文字
列に外接する矩形領域を計算し(図24のbで示した外
枠の矩形)、その矩形より所定ドット数内側にいった領
域で構成される矩形領域情報(図24のbで示した矩形
の斜線パターン領域)を用いて文字の重なり判定を行う
方法である。この方法によれば、図24c)に示したよ
うに文字列の重なり判定領域(矩形の斜線パターン領
域)が重なったとき文字列は重なったと判定される。ま
た、図24d)に示したように文字の重なり判定領域が
重ならないときは文字列は重ならないと判定される。通
常、多少の文字の重なりが発生しても、それぞれの文字
列を識別するのは可能であり、本方式によれば多少の文
字列の重なりは文字列が重なったと判定されないように
動作する。よって、必要以上に重なった文字列を削除す
ることがなくなり、運転者に伝えることが可能な情報量
が増加する。さらに、矩形といったシンプルな形状で複
数の文字列間の重なりを判定するため、x軸方向及びy
軸方向の矩形の最小値及び最大値を複数の文字列間で比
較すればよく、演算時間の短縮が図られる。以上示した
3種類の文字重なり判定手段で文字列の重なりを判定し
た後、文字列の重なりがあると判定されると、重なった
文字列の属性が調べられる(ステップ1103)。重な
る文字列の属性が異なると判断されると、その中から優
先的に表示すると決められた属性の文字列を選択しバッ
ファリングする(ステップ1104)。その一実施例を
図25に示す。ここで初期状態がa)のような画面構成
で、二重丸や郵便マークといった記号で構成される記号
属性と、文字列で構成される文字列属性からなるとす
る。そのとき、ステップ1104の処理を実行したと
き、記号属性を優先的に表示するとしたときは、a)の
ように文字列と記号が重なったときに記号属性を表示す
るように動作する。つまり“二重丸”と“丸の内”が重
なったところは“二重丸"で表示し、“〒"と“神田橋”
が重なったところは“〒”を表示する。次に、重なった
文字列の属性を調べた結果(ステップ1103)、文字
列の属性が同一と判断されると、文字列につき奥行き方
向にソーティングする(ステップ1105)。さらに、
現在地に近い文字列を選択しバッファリングするように
動作する(ステップ1106)。その一実施例を図25に
示す。ここで、ステップ1106の処理を実行したと
き、b)で文字列が重なったときは現在地近傍の文字列
を表示するように動作する。つまり“東京”と“丸の内
2”が重なったところは“東京”を表示し、“一ッ橋”
と“大手町”が重なったところは“大手町”を表示す
る。以上、文字列の表示が重なったとき、文字列を選
択,表示する方法について述べたが、これ以外の手法と
して図26に示すように表示が重なった文字列につき小
さなフォントに置き換え、表示する方法がある。これは
図14のステップ1102で文字列重なりがあると判定
されたとき、それら文字列を指定されたフォントサイズ
より小さなフォントサイズで表示するように動作するも
のである。例えば指定された文字のフォントサイズが2
4×24画素であれば、16×16画素、ないし12×
12画素のフォントサイズで表示するように動作する。
これにより図26のb)に示したように文字列の重なり
が少なくなるように動作するため、文字列の認識性が向
上する。次に、文字列中に同一文字を同一順で表現した
同一文字列が存在するかを判定する(ステップ110
7)。同一文字列があると判定されると、次に文字列間
の距離を計算する(ステップ1108)。ここで文字列
間の距離とは、地図データ上に記述された文字の位置デ
ータの差分、あるいは文字列を鳥瞰図地図で表示したと
きの文字の位置データの差分をいう。なお距離を計算す
る場合には、文字列を代表する一点、すなわち文字列の
左上端点や文字列の中心点のデータを用いるとよい。こ
のようにして計算された文字列間の距離が所定地以内で
あるかを判定し(ステップ1109)、所定値以内であ
ると判定された時は現在地近傍の文字列をバッファリン
グするように動作する(ステップ1110)。動作例を
図27を用いて説明する。a)の初期状態ではインター
チェンジを表す文字列が4つ存在する。b)に示したよ
うに文字列間の距離を互いに計算し、距離が短いものに
ついては現在地近傍の文字列が選択され、距離が長いも
のについては両方の文字列が算宅されるように動作す
る。よって、c)に示すように文字列が表示されること
になる。この図から明らかなように、情報として不要な
文字列は削除され、絶対に必要な文字列のみが残るよう
に動作するため、運転者は文字が認識しやすくなる。
【0052】次に、描画データ中に経路データが存在す
るかを判定する(ステップ1066)。経路記憶手段63
に経路データが存在すると判定されると、図15の経路
データ描画処理(ステップ1067)に処理が移る。経
路データ描画処理1167では、実際に地図を表示する
領域を奥行き方向に複数の区間に分割し、それぞれの領
域で必要な処理を加える。ここでは領域を4つに分割し
た例で説明する。まず、現在地を含みもっとも手前にあ
る領域1に経路データが存在するか判定し(ステップ1
120)、存在すると判定されたときは経路を表示する
線幅がもっとも太くなるよう(例えば9ドット幅)に設
定する(ステップ1121)。次に、その上にある領域
2に経路データが存在するか判定し(ステップ112
2)、存在すると判定されたときは経路を表示する線幅
をステップ1121より細く、かつステップ1125よ
り太くなるよう(例えば7ドット幅)に設定する(ステ
ップ1123)。次に、その上にある領域3に経路デー
タが存在するか判定し(ステップ1124)、存在する
と判定されたときは経路を表示する線幅をステップ11
23より細く、かつステップ1127より太くなるよう
(例えば5ドット幅)に設定する(ステップ1125)。
そして最後に最も奥にある領域4に経路データが存在す
るか判定し(ステップ1126)、存在すると判定され
たときは経路を表示する線幅をステップ1125より細
くなるよう(例えば3ドット幅)に設定する(ステップ
1127)。このように描画することにより従来方式で
は図29a)のように経路データに3次元的な奥行き感
がなかったが、本方式を用いることでb)のように手前
の経路は細く、奥の経路は太く表示されるように動作す
るため、3次元的な表示になり、運転者はごく自然に経
路データを認識できるようになる。なお、ここでは領域
を分割し、その領域に応じて線幅を変える方式について
説明したが、現在地からの距離に応じて、現在地に近い
経路を太い線幅で、遠くなるにつれて細い線幅で表示す
る方法もある。
【0053】次に、描画データ中に軌跡データが存在す
るかを判定する(ステップ1068)。軌跡データが存在
すると判定されると、図16の軌跡データ描画処理(ス
テップ1069)に処理が移る。なお軌跡データは、走
行した位置を所定の距離間隔で軌跡記憶手段69に記憶
されている。通常、鳥瞰図地図表示により、上記軌跡デ
ータを地図上に表示すると、現在地近傍では軌跡を表す
点の間隔が広くなる。一方、現在地より遠方では軌跡を
表す点の間隔が小さくなり、場合によっては軌跡の点同
士が重なってしまうケースも発生する。この問題を解決
するため、軌跡データ描画処理(ステップ1069)で
は軌跡を描画する領域が現在地遠方かを判定する軌跡間
引領域判定手段(ステップ1140)により、現在地遠
方の軌跡であればステップ1141に処理が移るように
動作する。間引きデータ量演算手段(ステップ114
1)では、鳥瞰図地図表示を実行したとき軌跡を表す点
の間隔が見やすいデータ量になるように表示する軌跡デ
ータの間引き量を決定する(ステップ1141)。軌跡
間引き処理(ステップ1142)では、ステップ114
1で決定された軌跡データの間引き量に従い、表示する
データから表示する必要のない軌跡データを間引くこと
によって、必要以上に軌跡データを現在地遠方で表示し
ないように動作する。次に、軌跡を描画する領域が現在
地近傍かを判定する軌跡補間領域判定手段(ステップ1
143)により、表示する軌跡が現在地近傍かを判定
し、現在地近傍の軌跡であればステップ1144に処理
が移るように動作する。補間データ量演算手段(ステッ
プ1144)では、鳥瞰図地図表示を実行したとき軌跡
を表す点の間隔が見やすいデータ量になるよう軌跡と軌
跡の間に新たに補間すべき軌跡データ量を決定する(ス
テップ1144)。軌跡補間処理では、ステップ114
4で決定された軌跡データの補間量に従い、軌跡と軌跡
の間で、かつ走行した道路上に新たに表示する軌跡デー
タを設定することによって、軌跡データ間がひらいてし
まうのを防ぎ、現在地近傍で走行した道路がわかるよう
に軌跡データが表示されるように動作する(ステップ1
145)。次に、軌跡を表示した例を図30のa)b)
に示す。従来方式では、a)で示したように○印で表し
た軌跡データは現在地近傍で広がり、現在地遠方で狭く
なるように表示されたが、本方式を用いることでb)で
示したように現在地遠方でも近傍でも等間隔になるよう
に表示されるので表示品質が向上し、かつ軌跡が含まれ
る道路を識別しやすくなる。よって運転者の軌跡認識率
が向上するようになる。
【0054】以上、鳥瞰図地図を構成するオブジェクト
の描画処理方法につき説明してきたが、次に空や地平線
といった疑似背景を描画する方法について説明する。鳥
瞰図地図を表示するときに問題になるのは、図31の
a)に示したように現在地遠方の地図を表示しようとし
たとき、その縮尺が小さくなり、描画において非常に膨
大な地図データ量が要求され、表示に時間を必要とし、
高速な応答性能が得られなくなってしまうことにある。
この問題点を解決するために、鳥瞰図地図の表示におい
て図31のb)に示したような現在地遠方で地図を表示
すべき領域を制約し、地図データ量を削減する一方、そ
の領域に擬似的な地平線や空といったオブジェクトを表
示する方法を提案してきた。具体的には、図8に示した
表示領域判定手段81で、実際に地図を表示する領域を
決定する。以降の処理82〜85によって鳥瞰図地図が
表示された後、疑似背景設定手段86で疑似背景のデー
タ設定を実施する。その処理内容を図17を用いて説明
する。まず疑似背景領域演算(ステップ1161)は、
表示領域判定手段81で地図を表示すると決定された領
域情報を読み出し、画面サイズ情報との差分から疑似背
景を表示する領域を決定する。次に疑似背景色決定手段
(ステップ1162)及び疑似背景パターン設定手段
(ステップ1163)は、車両情報や時刻情報といった
様々な情報をもとに背景領域の色やパターンを決定す
る。その一実施例として、車両情報をもとに色を決定す
る方法を説明する。車両情報S10は車内LAN11を
経由し、演算処理部に取り込まれる。このときスモール
ランプが点灯しているときは、周囲は暗く夜の状態と判
断できるので、疑似背景を黒や灰色で表示するように設
定する。またスモールランプが点灯していないときは、
昼の状態と判断できるので、疑似背景を空色で表示する
ように設定する。なお、カラーパレットの関係で空色が
表示できないときは、青色と白色が順番に表示されるよ
うパターンを設定するディザー処理を行うとよい。次
に、異なる手法で同様効果を得る一実施例を説明する。
ナビゲーション装置では、GPS衛星からの信号を受信
・解析することで日付や時刻を得ることが出来る。この
情報を用い、昼間であると判定された時は空色を、夜間
であると判定されたときは黒色ないし灰色で疑似背景を
表示するように設定するとよい。なお、朝及び夕方は朝
焼けや夕焼けを表す赤色で疑似背景を表示してもよい。
次に、異なる手法で同様効果を得る一実施例を説明す
る。これは交通情報受信機10で受信された情報S9に
含まれる天気情報を用い、晴天の時は空色で、雨天や曇
りの時は灰色で疑似背景が表示されるよう設定する方式
である。これらによって、疑似背景が周囲状況にマッチ
して表示されるように動作するため、運転者は疑似背景
が何を表しているか容易に判断できるようになる。次
に、鳥瞰図地図に重ねて表示するメニュー等の付加情報
の表示手段について説明する。鳥瞰図地図を表示するナ
ビゲーション装置では、現在表示している地図がどの方
式で描画されたものか、といった情報を地図に重ねて表
示することで、ユーザインタフェースを改善している。
その処理を行うメニュー描画手段70について、以下図
18を用いて説明する。入力装置5によってユーザが操
作した内容は、ユーザ操作解析手段61に伝えられ、こ
こで内容が分析される。メニュー描画手段70を用い表
示を行う必要があると判定されたときは、メッセージを
用いてメニュー描画手段70にその内容を伝える。メニ
ュー描画手段では、メッセージを受信した後、処理を開
始し、そのメッセージの要求が平面図地図の表示要求か
を判定する(ステップ1180)。平面図地図の表示を
要求するメッセージと判定された時は、図32a)の左
下に示したような平面図地図を表示している最中である
ことを示すマークを表示する(ステップ1181)。さ
らに、現在表示している地図の縮尺を表すマーク(同図
右下)を表示するように動作する(ステップ118
2)。また、上述メッセージでないときは、メッセージ
の要求が鳥瞰図地図の表示要求かを判定する(ステップ
1183)。鳥瞰図地図の表示を要求するメッセージと
判定された時は、図32b)の左下に示したような鳥瞰
図地図を表示している最中であることを示すマークを表
示する(ステップ1184)。さらに、現在表示している
地図の縮尺を表すマークが非表示になるよう動作する
(ステップ1185)。また、上述メッセージでないと
きは、メッセージの要求が鳥瞰図地図に於ける投射角度
の変更要求かを判定する(ステップ1186)。投射角
度の変更を要求するメッせージと判定された時は、図3
3図中現在地マークのように、投射角度に応じて現在地
を示すマークの形状を変化させるように動作する(ステ
ップ1187)。この時、投射角度θが0度に近いと
き、即ち平面図に近いときは、現在地マークを平面図地
図表示における現在地マーク形状に一致させ、投射角度
θが90度に近づくにつれ、現在地マークを設定した投
射角度θで透視変換したマークを用いて表示すればよ
い。上記処理によって、運転者は地図の表示モードや表
示領域を容易に判断することが可能になり、よって認識
性が向上する。
【0055】
【発明の効果】第1の手段により、鳥瞰図地図表示にお
いて、文字列の重なりが削減され、ユーザが前後文字列
の関係より表示されている文字列が何であるか推測する
必要がなくなり、文字列や記号が読みやすくなる。よっ
てユーザが運転中であっても鳥瞰図地図を容易に認識可
能になるため、より安全性が向上する。
【0056】第2の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、同一文字列の表示が削減され、よりシンプルに鳥瞰
図地図を表示することが可能になる。よってユーザが運
転中であっても鳥瞰図地図を容易に認識可能になるた
め、より安全性が向上する。
【0057】第3の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、視点遠方の経路より視点の経路が線幅が太く表示さ
れるため、より3次元的に地図が表現できる。これによ
りユーザは鳥瞰図地図の奥行き感を容易に得ることが出
来、わかりやすい地図を得ることができる。
【0058】第4の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、走行軌跡を表す点列が視点遠方、及び視点近傍いず
れにおいても適切な間隔で表示されるため、視点近傍で
発生する軌跡を表す点列の間隔が広がる現象、及び視点
遠方で発生する軌跡を表す点列の間隔が必要以上に狭く
なる現象が回避され、鳥瞰図地図及び走行軌跡の表示品
質が向上する。
【0059】第5の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、線や面に含まれるパターンの表示品質が多少悪くな
るが、表示時間が短縮されるため、鳥瞰図地図を表示す
るまでに必要な時間が短くなる。よって鳥瞰図地図の再
表示周期が短くなり、よりリアルに鳥瞰図地図を表示で
きるようになる。
【0060】第6の手段により、鳥瞰図地図表示におい
て、仮想的な空や地平線を表す疑似背景が周囲状況と一
致するよう動作するため、ユーザに不要な戸惑いを与え
ないようになる。
【0061】第7の手段により、ユーザは今表示されて
いる地図が鳥瞰図地図なのか、平面図地図なのかを容易
に班別出来るようになる。また、視点位置の変化に応じ
て現在の状況が表示されるように動作するため、使い勝
手が向上し、よっては安全性向上に寄与する。
【0062】第8の手段により、目的地が常に所定方向
に表示されるように動作するため、運転者は目的地の方
向を常に確認しながら運転することができる。
【0063】第9の手段により、運転者が欲しい情報を
優先的に表示されるため、運転中でも余計な操作をする
必要性が低くなり、よっては安全性向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鳥瞰図地図表示を示す図。
【図2】地図の透視変換処理を説明した図。
【図3】地図の透視変換過程を説明した図。
【図4】本発明を実現するナビゲーション装置の構成
図。
【図5】本発明を実現する演算処理部のハードウェア構
成図。
【図6】ナビゲーション装置の外観を説明した図。
【図7】鳥瞰図地図表示を実現する演算処理部の機能構
成図。
【図8】鳥瞰図地図表示を実現する地図描画手段のフロ
ーチャート図。
【図9】鳥瞰図地図表示を実現する座標変換手段のフロ
ーチャート図。
【図10】鳥瞰図地図表示を実現する透視変換演算のフ
ローチャート図。
【図11】鳥瞰図地図表示を実現する表示位置演算のフ
ローチャート図。
【図12】鳥瞰図地図表示を実現する描画判定手段のフ
ローチャート図。
【図13】鳥瞰図地図表示における多角形及び線パター
ン表示のフローチャート図。
【図14】鳥瞰図地図表示における文字列表示のフロー
チャート図。
【図15】鳥瞰図地図表示における経路表示のフローチ
ャート図。
【図16】鳥瞰図地図表示における軌跡表示のフローチ
ャート図。
【図17】鳥瞰図地図表示における疑似背景表示のフロ
ーチャート図。
【図18】鳥瞰図地図表示におけるマーク表示のフロー
チャート図。
【図19】鳥瞰図地図表示で視点及び投射面の設定方法
を説明した図。
【図20】鳥瞰図地図表示で視点及び投射面の設定方法
を説明した図。
【図21】鳥瞰図地図表示における現在地の最適化表示
の一実施例。
【図22】鳥瞰図地図表示における文字列重なり判定の
一実施例。
【図23】鳥瞰図地図表示における文字列重なり判定の
一実施例。
【図24】鳥瞰図地図表示における文字列重なり判定の
一実施例。
【図25】鳥瞰図地図表示における文字列重なり表示回
避の一実施例。
【図26】鳥瞰図地図表示における文字列重なり表示回
避の一実施例。
【図27】鳥瞰図地図表示における同一文字列表示の一
実施例。
【図28】鳥瞰図地図表示における多角形及び線パター
ン表示の一実施例。
【図29】鳥瞰図地図表示における経路表示の一実施
例。
【図30】鳥瞰図地図表示における軌跡表示の一実施
例。
【図31】鳥瞰図地図表示における疑似背景表示の一実
施例。
【図32】鳥瞰図地図表示におけるマーク表示の一実施
例。
【図33】鳥瞰図地図表示における現在地マーク表示の
一実施例。
【符号の説明】
1…演算処理部、2…ディスプレイ、3…地図記憶装
置、4…音声入出力装置、5…入力装置、6…車輪速セ
ンサ、7…地磁気センサ、8…ジャイロ、9…GPS受
信機、10…交通情報受信装置、11…車内LAN装
置、21…CPU、22…RAM、23…ROM、24
…DMA(Direct Memory Access)、25…描画コント
ローラ、26…VRAM、27…カラーパレット、28
…A/D変換器、29…SCI、30…I/O(Input/
Output)、31…カウンター、41…スクロールキー、
42…縮尺キー、43…投射角度変更キー、44…ナビ
ゲーション装置、61…ユーザ処理解析手段、62…経
路計算手段、63…経路記憶手段、64…経路誘導手
段、65…地図描画手段、66…現在位置演算手段、6
7…マップマッチ処理手段、68…データ読み込み処理
手段、69…軌跡記憶手段、70…メニュー描画手段、
71…グラフィックス処理手段、81…表示領域判定手
段、82…初期データクリップ手段、83…座標変換手
段、84…描画判定手段、85…データクリップ手段、
86…疑似背景設定手段、87…描画命令発行手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 15/20 G06F 15/62 335 G08G 1/0969 9365−5H 15/72 455 (72)発明者 正嶋 博 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 平野 元幹 神奈川県座間市広野台2丁目4991番地 株 式会社ザナヴィ・インフォマティクス内 (72)発明者 原田 薫 神奈川県座間市広野台2丁目4991番地 株 式会社ザナヴィ・インフォマティクス内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定領域の地図を描画するために必要な地
    図データを記憶する記憶手段と、 前記記憶手段から読み出した文字データから所定属性の
    文字列を選択する文字データ選択手段と、 前記文字選択手段で選択した文字データを透視変換し鳥
    瞰図表示する文字データ表示手段と、 前記記憶手段から読み出したベクトルデータを透視変換
    し鳥瞰図表示するベクトルデータ表示手段とを備えたこ
    とを特徴とする地図表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記文字データ選択手
    段は、異なる文字列間の重なりを判定する文字重なり判
    定手段と、 前記文字重なり判定手段で重なると判定された文字列に
    つき所定属性の文字列を選択する文字列選択手段とを備
    えたことを特徴とする地図表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記文字データ選択手
    段は、異なる文字列間の重なりを判定する文字重なり判
    定手段と、 前記文字重なり判定手段で重なると判定された文字列に
    つき視点近傍の文字列を選択する文字列選択手段とを備
    えたことを特徴とする地図表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記文字データ選択手
    段は、異なる文字列間の重なりを判定する文字重なり判
    定手段と、 前記文字重なり判定手段で重なり判定された文字列を小
    さなフォントに置き換えるフォント置換手段とを備えた
    ことを特徴とする地図表示装置。
  5. 【請求項5】請求項2ないし4のいずれかにおいて、前
    記文字重なり判定手段は、文字列に外接する矩形領域情
    報を用い文字列の重なりを判定することを特徴とする地
    図表示装置。
  6. 【請求項6】請求項2ないし4のいずれかにおいて、前
    記文字重なり判定手段は、文字列に外接する矩形より所
    定量内側に入った矩形領域情報を用い文字列の重なりを
    判定することを特徴とする地図表示装置。
  7. 【請求項7】請求項2ないし4のいずれかにおいて、前
    記文字重なり判定手段は、文字列を取り囲む多角形より
    所定量内側に入った多角形領域情報を用い文字列の重な
    りを判定することを特徴とする地図表示装置。
  8. 【請求項8】所定領域の地図を描画するために必要な地
    図データを記憶する記憶手段と、 前記記憶手段から読み出した文字データから同じ文字列
    を選択する同一文字列選択手段と、 前記同一文字列選択手段で選択した同一文字列から所定
    文字列を選択する文字データ選択手段と、 前記文字データ選択手段で選択した文字列を透視変換し
    鳥瞰図表示する文字データ表示手段と、 前記記憶手段から読み出したベクトルデータを透視変換
    し鳥瞰図表示するベクトルデータ表示手段とを備えたこ
    とを特徴とする地図表示装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記文字データ選択手
    段は、視点近傍の文字列を選択することを特徴とする地
    図表示装置。
  10. 【請求項10】請求項8において、前記同一文字列選択
    手段は、同一文字列と判定された文字列間の距離が所定
    範囲内であるとき同一文字列であると判定することを特
    徴とする地図表示装置。
  11. 【請求項11】請求項8において、前記同一文字列選択
    手段は、同一文字列と判定された文字列を透視変換し鳥
    瞰図表示したとき、文字列間の距離が所定範囲内であれ
    ば同一文字列と判定することを特徴とする地図表示装
    置。
  12. 【請求項12】所定領域の地図を描画するために必要な
    地図データを記憶する記憶手段と、 前記記憶手段から読み出した地図データを用い鳥瞰図地
    図を表示する地図表示手段と、 現在地と目的地を結ぶ最適な道路を選択する経路演算手
    段と、 前記経路演算手段で計算された経路を透視変換し鳥瞰図
    地図に重ねて表示するベクトルデータ表示手段とを備え
    たことを特徴とする地図表示装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記ベクトルデー
    タ表示手段は、視点遠方の経路より視点近傍の経路の線
    幅を太く表示することを特徴とする地図表示装置。
  14. 【請求項14】請求項12において、前記ベクトルデー
    タ表示手段は、前記経路演算手段で計算された経路を表
    示する領域によって経路を表示する線幅を決定,表示す
    ることを特徴とする地図表示装置。
  15. 【請求項15】所定領域の地図を描画するために必要な
    地図データを記憶する記憶手段と、 前記記憶手段から読み出した地図データを用い鳥瞰図地
    図を表示する地図表示手段と、 自車の走行軌跡を記憶する走行軌跡記憶手段と、 前記走行軌跡記憶手段に記憶した複数の軌跡を透視変換
    し鳥瞰図表示したとき、軌跡点列が等間隔になるよう表
    示する走行軌跡表示手段とを備えたことを特徴とする地
    図表示装置。
  16. 【請求項16】請求項15において、前記走行軌跡表示
    手段は、前記走行軌跡記憶手段に記憶した複数の軌跡を
    透視変換し鳥瞰図表示したとき、軌跡点列が等間隔にな
    るよう軌跡データを間引き表示することを特徴とする地
    図表示装置。
  17. 【請求項17】請求項15において、前記走行軌跡表示
    手段は、前記走行軌跡記憶手段に記憶した複数の軌跡を
    透視変換し鳥瞰図表示したとき、軌跡点列が等間隔にな
    るよう軌跡データの補間点を計算し、表示することを特
    徴とする地図表示装置。
  18. 【請求項18】所定領域の地図を描画するために必要な
    地図データを記憶する記憶手段と、 前記記憶手段から読み出した背景データにおいてパター
    ンが存在するものは各頂点を透視変換し、平面図地図表
    示に使用するパターンを用い表示する背景データ表示手
    段と、 前記記憶手段から読み出した文字データを透視変換し鳥
    瞰図表示する文字データ表示手段とを備えたことを特徴
    とする地図表示装置。
  19. 【請求項19】請求項18において、前記背景データ表
    示手段は、ベクトルデータで構成される背景データにお
    いてパターンが存在するものは、そのベクトルの各頂点
    を透視変換し、平面図地図表示に使用するパターンを用
    いベクトル表示する手段を備えたことを特徴とする地図
    表示装置。
  20. 【請求項20】請求項18において、前記背景データ表
    示手段は、多角形データによって囲まれる多角形内部に
    おいてパターンが存在するものは、その多角形を構成す
    る各頂点を透視変換し、平面図地図表示に使用するパタ
    ーンを用い多角形を表示する手段を備えたことを特徴と
    する地図表示装置。
  21. 【請求項21】所定領域の地図を表示するために必要な
    地図データを記憶した記憶手段と、 前記記憶手段から読み出した地図データを用い鳥瞰図地
    図を表示する地図表示手段と、 鳥瞰図地図を表示する領域を透視変換の消失点より手前
    に制約する表示領域制限手段と、 前記表示領域制限手段によって地図表示が制約された領
    域に地平線や空などの疑似背景を表示する背景表示手段
    と、 前記背景表示手段にて疑似背景領域の色及びパターンを
    変化させる背景領域制御手段とを備えたことを特徴とす
    る地図表示装置。
  22. 【請求項22】請求項21において、前記背景領域制御
    手段は、地図表示装置を搭載した車両からの信号ないし
    状態によって疑似背景領域の色ないしパターンを変化さ
    せることを特徴とする地図表示装置。
  23. 【請求項23】請求項21において、前記背景領域制御
    手段は、地図表示装置を搭載した車両のライト点灯状態
    によって疑似背景領域の色ないしパターンを変化させる
    ことを特徴とする地図表示装置。
  24. 【請求項24】所定領域の地図を表示するために必要な
    地図データを記憶した記憶手段と、 前記記憶手段から読み出した地図データを用い鳥瞰図地
    図及び平面図地図を表示する地図表示手段と、 鳥瞰図地図ないし平面図地図に重ねて表示するマークを
    選択するマーク選択手段と、 鳥瞰図地図及び平面図地図にマークを重ねて表示するマ
    ーク表示手段とを備えたことを特徴とする地図表示装
    置。
  25. 【請求項25】請求項24において、前記マーク選択手
    段は、平面図地図の表示中は平面図表示を示すマーク
    を、鳥瞰図地図の表示中は鳥瞰図表示を示すマークを選
    択,表示することを特徴とする地図表示装置。
  26. 【請求項26】請求項24において、前記マーク選択手
    段は、鳥瞰図地図及び平面図地図で現在地を示すマーク
    形状を変化させることを特徴とする地図表示装置。
  27. 【請求項27】請求項24において、前記マーク選択手
    段は、鳥瞰図地図において視点位置及び投射角度に応じ
    現在地を示すマーク形状を変化させることを特徴とする
    地図表示装置。
  28. 【請求項28】請求項24において、前記マーク選択手
    段は、平面図地図にて地図の縮尺を表すマークを表示
    し、鳥瞰図地図表示にて地図の縮尺を表すマークを消去
    することを特徴とする地図表示装置。
  29. 【請求項29】所定領域の地図を表示するために必要な
    地図データを記憶した記憶手段と、 目的地を設定する目的地入力手段と、 目的地が表示画面の所定方向に表示されるよう視点位置
    及び投射角度を決定する係数決定手段と、 前記記憶手段から読み出した地図データを前記係数決定
    手段で求めた視点位置及び投射角度で透視変換し鳥瞰図
    地図を表示する地図表示手段とを備えたことを特徴とす
    る地図表示装置。
  30. 【請求項30】請求項29において、前記係数決定手段
    は、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段から得
    られた現在位置を、前記地図表示手段の画面の下1/3
    領域にある所定の一点に固定し表示するよう視点位置及
    び投射角度を決定することを特徴とする地図表示装置。
  31. 【請求項31】所定領域の地図を表示するために必要な
    地図データを記憶した記憶手段と、 車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、 前記現在位置検出手段で得られた現在地の画面表示位置
    を決定する現在地表示位置設定手段と、 前記現在地表示位置設定手段で設定した画面表示位置に
    現在地が鳥瞰図表示されるよう視点位置及び投射角度を
    決定する係数決定手段と、 前記記憶手段から読み出した地図データを前記係数決定
    手段で求めた視点位置及び投射角度で透視変換し鳥瞰図
    地図を表示する地図表示手段とを備えたことを特徴とす
    る地図表示装置。
  32. 【請求項32】請求項31において、前記現在地表示位
    置設定手段は、同一属性のオブジェクトが少なくなるよ
    う現在地の画面表示位置を決定することを特徴とする地
    図表示装置。
  33. 【請求項33】請求項31において、前記現在地表示位
    置設定手段は、表示するオブジェクトが多くなるよう現
    在地の画面表示位置を決定することを特徴とする地図表
    示装置。
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