JP2003036022A - 鳥瞰図作成方法、地図表示装置およびナビゲーションシステム - Google Patents

鳥瞰図作成方法、地図表示装置およびナビゲーションシステム

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JP2003036022A JP2002119766A JP2002119766A JP2003036022A JP 2003036022 A JP2003036022 A JP 2003036022A JP 2002119766 A JP2002119766 A JP 2002119766A JP 2002119766 A JP2002119766 A JP 2002119766A JP 2003036022 A JP2003036022 A JP 2003036022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地図を鳥瞰図として表示することができるナビ
ゲーションシステム。 【解決手段】視点の位置の入力を受け付け、現在地およ
び目的地の座標と視点位置とをもとに、透視変換後の2
地点の描画位置があらかじめ定められた位置になるよう
に、投射平面を決定する。または、縮尺率の入力を受け
付け、上記2地点の座標と縮尺率とをもとに、透視変換
後の上記2地点の描画位置があらかじめ定められた位置
になり、描画の縮尺率が上記入力された縮尺率になるよ
うに、視点位置および上記投射平面を決定する。あるい
は、投射角度の入力を受け付け、投射角度と視点位置と
をもとに、投射平面を決定する。投射平面に地図データ
を透視変換して鳥瞰図を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体の位置を測定し
ユーザに現在位置を知らせるナビゲーションシステム
と、該システムに使用する地図表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体に搭載するナビゲーションシステ
ムでは、各種センサからの情報を演算処理することで移
動体の位置を測定し、その位置を表示するといった処理
を実行する。
【0003】このナビゲーションシステムは、移動体の
絶対位置を測定する位置測定装置と、道路や構造物等の
地上の点をユニバーサル横メルカトル投影でメッシュ分
割した平面に投射し、得られた2次元ベクトルデータと
これらに付随する文字データで構成される地図データが
格納された記憶装置と、外部からの指示を受ける入力装
置と、入力装置から入力された指示に従い記憶装置に格
納された地図メッシュから必要なベクトルデータを読み
出し、そのデータを変換処理することでディスプレイに
地図を表示する表示装置とで構成される。
【0004】ここでデータ変換処理には、地図の表示位
置を変更する移動変換と、地図を任意の縮尺で表示する
ために用いる拡大/縮小といった縮尺変換と、地図の表
示する向きを変更する回転変換とがある。これら処理に
より、ディスプレイ上には地面を真上からの正射影で描
いた平面地図が表示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のナビゲーション
システムでは、地図を表示する際に地面を真上からの正
射影で描いた平面地図表示を行なっていた。そのため、
互いに距離の離れた2地点間を同時に表示しようとする
と必然的に縮尺が大きくなり詳細な情報が表示できなく
なるという問題があった。
【0006】そこで、本発明は、平面(地面)を任意の
高さの視点から斜め方向に見おろしたとき、該平面(地
面)と視点との間にある任意の平面に投射される投影図
である鳥瞰図を用いて地図を表現する鳥瞰図作成方法
と、地図表示装置と、該装置を備えるナビゲーションシ
ステムとを提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、地図データを用いて鳥瞰図で表現され
た地図の描画データを作成する鳥瞰図作成方法であっ
て、定められた位置を視点として、定められた投射平面
に、上記地図データに含まれる座標データを透視変換し
て、鳥瞰図の描画データを作成することを特徴とする鳥
瞰図作成方法が提供される。
【0008】なお、本発明の鳥瞰図作成方法は、上記視
点の位置の入力を受け付けるステップと、上記地図デー
タに含まれるあらかじめ定められた2地点(例えば、現
在地および目的地)の座標、および、上記入力された視
点位置をもとに、上記透視変換後の上記2地点の描画位
置があらかじめ定められた位置になるように、上記投射
平面を決定するステップとを備えることが望ましい。
【0009】あるいは、縮尺率の入力を受け付けるステ
ップと、上記地図データに含まれるあらかじめ定められ
た2地点の座標、および、上記入力された縮尺率をもと
に、上記透視変換後の上記2地点の描画位置があらかじ
め定められた位置になり、描画の縮尺率が上記入力され
た縮尺率になるように、上記視点の位置および上記投射
平面を決定するステップとを備えるようにしてもよい。
【0010】また、上記地図データの定義された平面
と、上記投射平面とのなす角度である投射角度の入力を
受け付けるステップと、上記入力された投射角度、およ
び、定められた視点位置をもとに、上記投射平面を決定
するステップとを備えるようにすることもできる。
【0011】さらに、本発明では、上述の鳥瞰図描画方
法を用いて鳥瞰図を表示する地図表示装置と、該地図表
示装置により地図を表示するナビゲーションシステムと
が提供される。
【0012】
【作用】本発明の鳥瞰図表示装置およびナビゲーション
システムは、地図描画手段が座標変換手段を備え、この
座標変換手段が透視変換を行うことにより、地図を鳥瞰
図に変換して表示する。従って、本発明によれば、ユー
ザは、見やすく、地図内に表示される地点の位置関係が
認識しやすい鳥瞰地図表示を得ることができる。本発明
の鳥瞰図作成方法によれば、視点位置を任意に設定する
ことができるため、ユーザのニーズに的確に応じること
ができる。
【0013】なお、つぎの第1〜7の問題を解決する構
成にすれば、さらに操作性、利便性のよいナビゲーショ
ンシステムを得ることができる。
【0014】第1に、鳥瞰図表示におけるスクロール処
理の処理速度が、平面表示のスクロール処理よりも遅い
場合には、鳥瞰図表示で所定の地点を捜すようにスクロ
ール処理を多用する場合、操作性が悪くなってしまうこ
とがある。
【0015】そこで、本発明は、平面地図表示と鳥瞰図
表示とを任意に切り替えることができるようにすること
が望ましい。このようにすれば、ユーザの要求に従っ
て、平面図および鳥瞰図の両方を表示することができ、
利便性が向上する。
【0016】なお、このようにした場合には、平面地図
表示と鳥瞰図表示との切り替えに際して、ユーザによる
位置関係の把握が困難になるという第2の問題が生じる
ことがある。これは、地図を見る視点が変化するため、
ある同一地点が画面上に表示される位置が大きく変化す
るとともに、これまで表示されていなかった地点が表示
されたり、あるいは表示されなくなったりするためであ
る。
【0017】そこで、本発明では、平面地図表示と鳥瞰
図表示との切り替えを可能にする場合、鳥瞰図表示およ
び平面地図表示の切り替えに際して、地図を投射する平
面と地図データが含まれる平面のなす角度を時系列で徐
々に増加ないし減少させることが望ましい。すなわち、
本発明では、平面地図表示と鳥瞰図表示との変換におい
て、鳥瞰図を得るための視点が滑らかに移動するように
することが望ましい。このようにすれば、平面図と鳥瞰
図との間の移行が滑らかに行われるため、平面地図に表
示された地点と鳥瞰地図に表示された地点との相関関係
を容易に認識できる。
【0018】第3に、地図を鳥瞰図表示する場合は、透
視変換のパラメータである視点情報がある位置に固定さ
れてしまうと現在地の移動と共に画面に表示される現在
位置のマーク表示する位置が移動してゆき、表示してい
る地図領域を逸脱したときは現在位置のマークが表示さ
れなくなってしまうという問題がある。
【0019】そこで、本発明では、鳥瞰図を得るための
視点を、常に現在位置からある一定方向、一定距離離れ
た位置に固定するようにすることができる。また、操作
入力に従って、視点の高さを変更できるようにすること
もできる。視点を固定すれば、常に画面のある一点に現
在地が固定されるように鳥瞰図表示されるため、ユーザ
は現在地を容易に把握できるようになる。また、視点位
置をユーザの所望の位置に設定することができるように
すれば、利便性が向上する。
【0020】さらに、ある2地点を同一画面に表示しよ
うとしたとき、従来の平面地図表示では2地点間の距離
に応じ縮尺を更新すれば良かったが、地図の鳥瞰図表示
では縮尺を更新しただけでは最適に地図が表示できない
という第4の問題がある。
【0021】そこで、本発明では、2地点(例えば、現
在地と目的地)の位置の指定を受け付け、その2地点が
画面上の定められた位置に表示されるように視点及び地
図を投射する平面と地図データが含まれる平面のなす角
度を決定し、その結果を用い鳥瞰図表示を実行するよう
にしてもよい。このようにすれば、当該2地点の位置的
関係を容易に判断することができる。また、当該2地点
の位置が変化した場合でも、常に同じ画面内に表示され
るので、ユーザは複雑な操作をすることなく2地点の位
置的関係を把握できる。
【0022】また、本発明では、鳥瞰図表示に際して道
路や線路などの線背景、川や緑地帯などの面背景、文字
列を透視変換し描画する。しかし、文字列を透視変換す
ると、視点遠方の文字の形状が小さく、かつゆがみ、一
方視点近傍の文字が拡大されてしまい文字列が読みにく
くなるという第5の問題がある。
【0023】そこで、本発明の座標変換手段は、文字イ
メージについては透視変換を行わないようにすることが
望ましい。このようにすれば、鳥瞰図に含まれる文字
が、同じ大きさに正立して表示されるため、文字列の判
読が容易になる。
【0024】また、多くの文字データを表示する場合に
は、文字列が重なりあって表示されることになる。特
に、鳥瞰図では、視点遠方は、視点からの俯角が小さい
ため、縮小率が大きくなり、単位面積当たりに表示され
る文字データが多くなる性質がある。従って、鳥瞰図で
は、視点遠方で文字データと文字データの重なりが発生
しやすくなるという第6の問題がある。
【0025】そこで、本発明の描画判定手段は、地図デ
ータ中の文字データ位置の視点からの距離が近いほど、
該文字データの表示の優先順位を高くすることが望まし
い。このようにすれば、優先順位の高いものを、低いも
のの上に重ねて表示することにより、文字列の欠損を防
止して、判読を容易にすることができる。
【0026】なお、現在地を底辺近傍、または視点近傍
にする場合、この優先順位の基準として、表示される高
さや、視点からの距離を基準にすることが好ましい。重
なって表示される2以上の文字列がある場合、表示され
る高さ(表示画面における底辺からの高さ)が低い(あ
るいは視点からの距離が近い)ほど優先して(すなわ
ち、他の文字列に覆われないように、他の文字列の上に
重ねて)表示するようにすれば、現在地近傍の文字デー
タが、他の表示に覆われるて欠損することなく表示され
る。そこで、このようにすれば、ユーザが希望するであ
ろう現在地に近い文字情報の欠損を防止でき、その文字
列の判読が容易になる。
【0027】上述のように、鳥瞰図表示を行うと、視点
から遠い領域(俯角の小さい領域)では、単位面積当た
りに描画される線データ、面背景データ、および文字デ
ータが大量になる。従って、これらのデータのうち文字
データを、他のデータの上に重ねて描画する場合には、
視点遠方領域では、文字データによって線データや面背
景データが覆い隠されてしまうため、視点遠方の道路等
の形状を読みとることが困難になるという第7の問題が
ある。
【0028】そこで、本発明の描画判定手段は、地図を
透視変換した結果得られる画面上での文字列を描画する
高さが、所定の値より高い場合は、描画対象から削除す
ることが望ましい。あるいは、描画判定手段は、視点か
ら所定の距離以遠の位置に定義された文字列について、
描画対象から削除するようにしてもよい。このように、
所定の高さ以上または所定の距離以遠の領域、すなわ
ち、鳥瞰図表示した場合に、俯角が小さくなるため単位
面積当たりに描画されるデータ量が非常に多くなる領域
については文字列を描画しないようにすることにより、
この領域の道路表示や面背景表示等が文字列表示により
覆われなくなる。従って、このようにすれば、鳥瞰図表
示をしても、視点遠方の道路等の認識が阻害されにくい
という利点がある。
【0029】
【実施例】以下、図面を用いて、本発明の一実施例につ
いて説明する。本実施例のナビゲーションシステムに搭
載された鳥瞰地図表示装置により表示される鳥瞰地図の
例を図1に示す。本実施例の鳥瞰地図表示装置は、2次
元地図データ(図1では101として図示)の投影図と
して、特定位置から鳥瞰した状態を示す鳥瞰図102を
作成し、ディスプレイ2の表示画面に表示する。なお、
図1に示した鳥瞰図102において、路線104は、径
路を示すために強調表示されている(図1では線の幅を
太くすることにより強調を表現しているが、点滅や変色
により強調してもよい)。マーク105は現在位置を示
すための記号である。また、図1において、矢印は、2
次元地図データ101から鳥瞰図102への投影関係を
表している。
【0030】本実施例の移動体ナビゲーションシステム
の外観斜視図を図17に示す。本実施例のナビゲーショ
ンシステムは、筐体69に収納されており、筐体69に
は、ディスプレイ2の表示画面と、スクロールキー66
と、縮尺変更キー67と、投射角度変更キー68とディ
スプレイ2の表示画面上に設けられたタッチパネル70
などを備える。
【0031】スクロールキー66は、表示画面に表示さ
れる画像のスクロール指示を受け付けるためのキーであ
り、上下左右へのスクロール指示をそれぞれ受け付ける
ための4つの方向指定キー660を備える。縮尺変更キ
ー67は、表示画面に表示される地図の縮尺の変更を受
け付けるためのキーであり、拡大、縮小をそれぞれ受け
付けるための2つの縮尺指定キー67a,67bを備え
る。投射角度変更キー68は、表示画面に表示される鳥
瞰図の投射面の角度の指定を受け付けるためのキーであ
り、投射角度の上昇、下降をそれぞれ受け付けるための
2つの角度指定キー68a,68bを備える。また、タ
ッチパネル70は、該タッチパネル70表面への接触を
検出して、接触された位置を出力する入力手段である。
【0032】本実施例の移動体ナビゲーションシステム
は、図2に示すように、演算処理部1と、該演算処理部
1に信号線S1を介して接続されたディスプレイ2と、
該演算処理部1に信号線S2を介して接続された地図記
憶装置3と、該演算処理部1に信号線S3を介して接続
された音声入出力装置4と、該演算処理部1に信号線S
4を介して接続された入力装置5と、該演算処理部1に
信号線S5を介して接続された車輪速センサ6と、該演
算処理部1に信号線S6を介して接続された地磁気セン
サ7と、該演算処理部1に信号線S7を介して接続され
たジャイロ8と、該演算処理部1に信号線S8を介して
接続されたGPS(Global PositioningSystem)受信装
置9と、該演算処理部1に信号線S9を介して接続され
た交通情報受信装置10とを備える。なお、各信号線S
1〜S9は、信号を伝達することができれば、有線であ
ると、無線であるとを問わないが、本実施例では有線回
線が用いられている。
【0033】演算処理部1は、各種センサ6〜9から出
力される情報を基に現在位置を検出し、得られた現在位
置情報をもとに必要な地図情報を地図記憶装置3から読
み込むと共に、地図データをグラフィックス展開し、そ
こに現在地マークを重ねディスプレイ表示したり、ユー
ザから指示された目的地と現在地を結ぶ最適な道路を選
択し、音声やグラフィック表示を用いてユーザに知らせ
る、等といった様々な処理を行う中心的なユニットであ
る。
【0034】ディスプレイ2は、演算処理部1で生成さ
れたグラフィックス情報を表示するユニットで、CRT
や液晶ディスプレイで構成される。また、通常演算処理
部とディスプレイとの間S1は、通常のシステムと同様
に、本実施例でも、RGB(Red Green Blue)信号やN
TSC(National Television System Committee)信号
で接続する。
【0035】地図記憶装置3は、CD−ROM(Compac
t Disk - Read Only Memory)やIC(Integrated Circ
uit)カードといった大容量記憶媒体を備え、演算処理
部1の要求に応じて、該大容量記憶媒体に保持されたデ
ータを読み出してこれを演算処理部1に通知する読み出
し処理や、演算処理部1より通知されたデータを該大容
量記憶媒体に格納する書き込み処理を行う。
【0036】また、音声入出力装置4は、演算処理部1
で生成したユーザへのメッセージを変換し、音声出力を
行うと共に、音声入力を受け付けて、その内容を認識
し、演算処理部1に転送する処理を行う。
【0037】入力装置5は、外部からの指示入力を受け
付けるユニットであり、本実施例では、上述のスクロー
ルキー66、縮尺変更キー67、投射角度変更キー6
8、およびタッチパネル70を備える。なお、入力装置
5の構成はこれに限られず、ジョイスティック、キーボ
ードやマウス、ペン入力装置など、他の入力手段を用い
てもよい。
【0038】また、移動体ナビゲーションで位置を検出
するために使用するセンサとして、本実施例のナビゲー
ションシステムは、車輪の円周と計測される車輪の回転
数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数
の差から移動体が曲がった角度を計測する車輪速センサ
6、地球が保持している磁場を検知し移動体が向いてい
る方位を測定する地磁気センサ7、移動体が回転した角
度を測定し、光ファイバジャイロ、振動ジャイロなどで
構成されるジャイロ8、および、GPS衛星からの信号
を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を
3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位
置、進行方向及び進行方位を測定するGPS受信装置9
を備える。
【0039】さらに、本実施例のナビゲーションシステ
ムは、道路の渋滞、工事、通行止め情報や駐車場情報と
いった交通情報を発するビーコン送信機やFM放送から
の信号を受けるため、交通情報受信装置10を備える。
【0040】上述した演算処理部1のハードウェア構成
を、図3に示す。演算処理部1は、数値演算および各デ
バイス22〜31の制御といった処理を実行するCPU
(Central Processing Unit)21と、地図や演算デー
タを保持するためのRAM(Random Access Memory)2
2と、プログラムを保持するためのROM(Read OnlyM
emory)23と、高速にメモリ−メモリ間及びメモリ−
各デバイス間のデータ転送を実行するDMA(Direct M
emory Access)24と、ベクトルデータをイメージに展
開するといったグラフィックス描画を高速に実行し、か
つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィッ
クスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random A
ccess Memory)26と、イメージデータをRGB信号に
変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタ
ル信号に変換するA/D(Analog/Digital)変換器28
と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換
するSCI(Serial Communication Interface)29
と、パラレル信号と同期をとりバス上にのせるI/O
(Input/Output)装置30と、パルス信号を積分するカ
ウンタ31とを備える。これらのデバイス21〜31
は、相互にバスで接続されている。
【0041】つぎに、図4を用いて処理演算部1の機能
構成について説明する。処理演算部1は、ユーザ操作解
析手段41と、径路計算手段42と、径路誘導手段43
と、地図描画手段44と、現在位置演算手段45と、マ
ップマッチ処理手段46と、データ読み込み処理手段4
7と、メニュー描画手段48と、グラフィックス処理手
段49とを備える。これらの各手段41〜49は、RO
M23に保持されたインストラクションをCPU21が
実行することにより実現される。
【0042】現在位置演算手段45は、車輪速センサ6
で計測される距離パルスデータ、およびジャイロ8で計
測される角加速度データを各々積分した結果得られる距
離データ及び角度データを用い、そのデータを時間軸で
積分していくことにより、初期位置(X,Y)をもとに
移動体走行後の位置(X’,Y’)を演算する処理を行
う。ここで、現在位置演算手段45は、移動体の回転し
た角度と進む方位の関係を一致させるため、地磁気セン
サ7から得られる方位データとジャイロから得られる角
度データから進む方向の絶対方位を補正する。上述のよ
うにセンサから得られたデータを積分してゆくとセンサ
の誤差が蓄積する。そこで、現在位置演算手段45は、
あるあらかじめ定められた時間周期(本実施例では1秒
ごと)で、GPS受信装置9より得られる位置データを
もとに、蓄積された誤差をキャンセルするという補正処
理を施し、現在位置情報としてこの補正後のデータを出
力する。
【0043】このようにして得られた現在位置情報に
は、依然として、センサに起因する微小な誤差が含まれ
ている。そこで、さらに位置精度を高めるため、本実施
例のナビゲーションシステムでは、マップマッチ処理手
段46により、マップマッチ処理を行う。これは、デー
タ読み込み処理手段47によって読み込まれた現在地周
辺の地図に含まれる道路データと、現在位置演算手段4
5から得られた走行軌跡を互いに照らし合わせ、形状の
相関が最も高い道路に現在地を合わせ込むという処理で
ある。マップマッチ処理を施すことで現在地は多くの場
合走行道路と一致するようになるため精度よく現在位置
情報を出力することができる。
【0044】一方、ユーザ操作解析手段41は、入力装
置5を介して受け付けられた操作指示の要求内容を解析
し、対応する処理が実行されるよう各ユニット42〜4
8を制御する。例えば、目的地までの経路誘導要求が入
力されたときは、目的地を設定するため地図を表示する
処理を地図描画手段44に要求した後、現在地から目的
地までの経路を演算する処理を経路計算手段42に要求
し、そして経路誘導手段43に経路誘導情報をユーザに
提示する処理を要求するように動作する。
【0045】経路計算手段42は、ダイキストラ法等を
用い指定された2地点間の結ぶノードを検索し、最も優
先順位の高い径路を求める。径路計算手段42は、優先
順位の基準を複数備え、径路の決定に、操作指示により
指定された基準を用いる。本実施例では、操作指示に応
じて、2地点間の距離が最短になる経路、最も短い時間
で到達可能な経路、あるいは最もコストが安くなる経路
等が求められる。
【0046】経路誘導手段43は、経路計算手段42で
求められた誘導経路のリンク情報と現在位置演算手段4
5及びマップマッチ処理手段46で求められる現在位置
情報を比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、
右左折すべきかなどの方向指示情報を音声入出力装置4
に通知し、音声として出力させたり、ディスプレイ2の
表示画面に表示された地図上に進行すべき方向を描画し
たりする。
【0047】データ読み込み処理手段47は、要求され
た領域の地図データを地図記憶装置3から読み込み準備
するように動作する。また地図描画手段44は、表示の
指定がされた地点周辺の地図データをデータ読み込み処
理手段47から受け取り、指定された縮尺で、指定され
た方角を上方向に、指定されたオブジェクトを描画する
コマンドをグラフィック処理手段49に転送するように
動作する。
【0048】一方、メニュー描画手段48は、ユーザ操
作解析手段41から出力される命令を受け、要求される
様々な種類のメニューを描画するコマンドをグラフィッ
ク処理手段49に転送するように動作する。
【0049】グラフィックス処理手段49は地図描画手
段44およびメニュー描画手段48で生成される描画コ
マンドを受け、VRAM26にイメージを展開する。
【0050】つぎに、地図描画手段44の機能を図5を
用いて説明する。地図描画手段44は、初期データクリ
ップ手段61と、座標変換手段62と、描画判定手段6
3と、データクリップ手段64と、描画命令発行手段6
5とを備える。
【0051】初期データクリップ手段61は、データ読
み込み処理手段47によって地図記憶装置3より取り込
まれた地図データの各メッシュから、以後の処理に必要
な領域に関する道路データ、面及び線背景データ、文字
データをクリップ処理で選択して、その結果を座標変換
手段62に通知する。本実施例では、初期データクリッ
プ手段61は、0.5秒周期で起動される。また、ユー
ザ操作解析手段41からの操作指示通知によっても起動
される。
【0052】ここで使用するクリップ処理アルゴリズム
として、道路データや線データに関してはCohen−
Sutherland線クリップアルゴリズム、面デー
タに関してはSutherland−Hodgmanポ
リゴンクリップアルゴリズム等がある(Foley, van Da
m, Feiner, Hughes : Computer Graphics : Addison-We
sley Publishing Company pp.111-127)。この処理によ
り、以後の座標変換や描画処理をすべきデータ量を削減
することが可能になるため高速化が見込まれる。
【0053】座標変換手段62は、クリップ処理により
得られた地図データの拡大縮小、回転、投影処理など、
地図データの各座標値を変換する処理を行う。座標変換
手段62は、初期データクリップ手段61またはユーザ
操作解析手段41からの通知に応じて起動される。
【0054】描画判定手段63は、座標変換手段62で
得られた地図データで実際に描画する必要のあるデータ
を選択するように働く。例えば、描画判定手段63は、
縮尺が大きくなったときには実質的に描画するデータ量
が増えるため、細い道路や省略可能な地名などを削除す
るように動作する。これにより、描画のための処理速度
が極端に遅くなるのを防ぐことができる。描画判定手段
63は、座標変換手段62またはユーザ操作解析手段4
1からの通知に応じて起動される。
【0055】データクリップ手段64は、描画判定手段
63によって得られる地図データから、描画領域に関す
る地図データをクリップ処理により選択するように動作
する。ここで使用するクリップ処理アルゴリズムは初期
データクリップ手段と同じアルゴリズムを使用可能であ
る。データクリップ手段64は、描画判定手段63また
はユーザ操作解析手段41からの通知に応じて起動され
る。なお、データクリップ手段64は省略してもよい。
【0056】描画命令発行手段65は、データクリップ
手段64により得られた地図データに含まれる道路や面
および線、背景データ、文字データなどを指定された色
や模様で描画するため、ライン、ポリゴン、文字等を描
画するコマンドや色、模様を設定するコマンドをグラフ
ィックス処理手段49に発行するように動作する。描画
命令発行手段65は、データクリップ手段64からの通
知に応じて起動される。
【0057】本実施例では、初期データクリップ手段6
1は、0.5秒ごとに起動され、クリップ処理の結果得
られたデータを座標変換手段62に通知する。従って、
本実施例では、外部からの操作指示の場合を除いて、
0.5秒ごとに描画が行われることになる。
【0058】つぎに、鳥瞰図表示の概要を図6を用いて
説明する。印刷された地図帳や従来のナビゲーションシ
ステムでは、地図を表示するとき、地上から無限遠点か
ら見るという平面地図表示で表現している。平面地図表
示では、同一画面内はその地点によらず縮尺が一定にな
るという利点があるため距離感を掴みやすい。しかし、
ある2地点間を同一画面に表示しようとすると、地図を
表示する縮尺が最適になるように調整するという操作が
必要になるとともに、その2地点間の距離が離れている
と一度に表示可能な情報量はディスプレイの大きさや精
細度によって制約されるため限られた情報しか表示でき
ないという欠点がある。この問題を解決する手段として
鳥瞰図表示がある。
【0059】鳥瞰図表示は、平面Aの2次元的ないし3
次元的な地図情報63を、平面Aとある角度θをなす平
面Bに投射して投影図情報64を得るという透視変換に
より実現される。図6に示した概念図では、座標(T
x,Ty,Tz)の点55を視点として、平面A(四角
形51として図示)上の矩形で表現された地図53(点
a,点b,点c,点dを頂点とする四角形で表されてい
る)を、平面Aと角度θをなす平面B(四角形52とし
て図示)に投影して投影図54(点a’,点b’,点
c’,点d’を頂点とする四角形で表されている)を得
る場合が図示されている。ここで、地図53の点a,点
b,点c,点dは、それぞれ点a’,点b’,点c’,
点d’に投影されている。なお、本明細書においては、
投影処理において視点座標系の原点である視点55を、
単に「視点」と呼ぶ。本明細書では、単に「視点」とい
う場合、ユーザの目の位置としての「視点」は意味しな
い。
【0060】鳥瞰図表現を行うと、視点55に近い部分
(例えば直線ab)の情報は拡大され、視点から遠い部
分(例えば直線cd)の情報は縮小されて表現される。
これにより、ある2地点間を同一画面に表示する場合に
は、より詳細な情報を得たい地点を視点の近くに、もう
一方を視点の遠くとし、2地点を同一画面に表示するこ
とで、互いの位置間隔をわかりやすく表現できると共
に、視点の近くの情報についてはより大量の情報をユー
ザに提供することが可能になる。
【0061】本実施例では、鳥瞰図表示に使用する地図
情報に2次元的な地図データを使用することが可能なの
で、従来のナビゲーションシステムにこのような透視変
換を行う手段を付加することで、新たな地図データ量を
加えることなく鳥瞰図表示を実現することができる。本
実施例では、座標変換手段62により、この透視変換が
実行される。なお、鳥瞰図表示の実現にあたっては、後
述するような、様々な工夫を行うことが望ましい。
【0062】まず、基本的な鳥瞰図表示の実現方法につ
いて図7を用いて説明する。最初に、座標変換手段62
は、視点の位置を定め、該視点位置からどの方角を見る
か、そして、投影面の角度(図6では角度θとして図
示)を決定する(ステップ1)。これにより、鳥瞰図表
示すべき領域が決定される。矩形の表示画面に鳥瞰図を
表示する場合、視点近傍の領域は狭く、視点遠方の領域
は広くなる。そこで、最終的に描画される地図データ
は、地図メッシュ71内の台形領域72となる。
【0063】次に、座標変換手段62は、初期データク
リップ手段61を用い、鳥瞰図表示すべき領域を含む地
図メッシュデータ71から、実際に描画する台形領域7
2に外接する矩形領域73の地図データを抽出する(ス
テップ2)。
【0064】次に、座標変換手段62は、抽出されたデ
ータを拡大ないし縮小した後、アフィン変換をかけ、台
形が正立するようにしたのち、さらに透視変換により地
図データの各座標値をデータ変換する(ステップ3)。
このときの、アフィン変換のによる座標変換は、平面A
と平面Bがなす角度をθ、変換前の地図データ座標値を
(x,y)、変換後の地図データ座標値を(x’,
y’)とすると、つぎの(数1)により表現される。
【0065】
【数1】
【0066】また、このときの透視処理における座標変
換は、視点の位置座標を(Tx,Ty,Tz)、平面A
と平面Bがなす角度をθ、変換前の地図データ座標値を
(x,y)、変換後の地図データ座標値を(x’,
y’)とすると、つぎの(数2)および(数3)により
表現される。
【0067】
【数2】
【0068】
【数3】
【0069】ステップ3において、ステップ2の時点で
は台形72であった描画対象領域は、矩形領域74に変
換され、台形72に外接する矩形73は、矩形に外接す
る四角形75に座標変換される。ここで、四角形75内
の領域のうち、描画対象領域74外の部分は描画する必
要がない。そこで、座標変換手段62は、データクリッ
プ手段64を用いて、描画対象の矩形領域74外の領域
をクリップ処理して除く(ステップ4)。
【0070】このようにして得られた地図データは、描
画命令発行手段65に通知される。描画命令発行手段6
5は、通知された地図データを用い、描画コマンドを生
成してグラフィックス処理手段49に描画データを作成
させる。グラフィックス処理手段49は、描画データを
作成してVRAM26へ格納し、ディスプレイ2に表示
を指示する。ディスプレイ2は、VRAM26に保持さ
れた描画データを表示画面に表示する。これにより、図
1に示すような鳥瞰地図102がディスプレイ2の表示
画面に表示される。
【0071】ところで、鳥瞰図表示を用いれば、任意の
2地点間の方位や距離関係の認識が容易になる。さら
に、鳥瞰図表示は、ある地点周辺については詳細な情報
を提供し、他の地点周辺については概略の情報を提供す
る場合に適している。このように、特定の地点周辺につ
いて詳細情報または概略情報を提供する場合、その特定
の地点の座標をあらかじめ定めておいてもよく、あるい
は、あらかじめ定められた条件を満たす座標を求めるこ
とによりその位置を定めてもよく、該地点の位置の入力
を受け付けてもよい。
【0072】ナビゲーションシステムでは、一方の地点
に現在地が選ばれる場合が多い。この現在地の位置情報
は、現在位置演算手段45ないしマップマッチ処理手段
46から得られる。そこで、入力装置5を介して、詳細
情報表示地点および概略情報表示地点のいずれかに対し
て現在地が指示された場合、地図描画手段44は、現在
位置演算手段45ないしマップマッチ処理手段46から
得られる現在地の座標を用いる。
【0073】しかし、表示画面に表示された地図上の位
置の指定を受け付けて、詳細情報表示地点および概略情
報表示地点のいずれかとする場合には、ユーザが詳細情
報または概略情報を表示する地点を探すために、地図を
スクロール表示しなければならないことが多い。しか
し、鳥瞰図表示は、表示する領域を変更する度に全面再
描画する必要があるため、スクロール速度が遅い。従っ
て、スクロール表示を多様する操作は、使い勝手が悪い
という問題がある。
【0074】この問題を解決するため、本実施例では、
座標変換において、図8に示す処理を行う。
【0075】まず、座標変換手段62は、地図の拡大ま
たは縮小が必要であれば(ステップ1000)、処理対
象の領域について、拡大または縮小演算を行い(ステッ
プ1010)、地図の回転が必要であれば(ステップ1
020)、回転変換処理(ステップ1030)を実行す
る。なお、回転変換処理(ステップ1030)には、回
転角度演算(ステップ1031)とアフィン変換演算
(ステップ1032)とが含まれる。
【0076】つぎに、座標変換手段62は、鳥瞰図表示
をするか否か判定する(ステップ1040)。ここで、
例えば、入力装置5を介して、任意の地点を地図中から
探し出す操作の指示が入力された場合や、入力装置5を
介して、平面図の表示の指示が入力された場合は、座標
変換手段62は、鳥瞰図表示判定(ステップ1040)
において、透視変換を行わないと判定し、透視変換処理
(ステップ1050)を実行せずに、座標変換処理を終
了する。この場合、透視変換処理が実行されないため、
ディスプレイ2の表示画面には、平面地図が表示され
る。
【0077】本実施例によれば、任意の地点を地図中か
ら探し出す操作においては、地図が鳥瞰図ではなく平面
地図で表示されるため、素早く目標とする地点を探し出
すことができる。
【0078】また、例えば、入力装置5を介して鳥瞰図
の表示指示が入力された場合や、平面図表示中に、入力
装置5を介して任意の地点が目的地として指示された場
合などには、それらの指示をユーザ操作解析手段41を
介して受け付けた座標変換手段62は、ステップ104
0における鳥瞰図表示判定において、透視変換を要する
と判定し、透視変換処理(ステップ1050)を実行す
る。
【0079】この透視変換処理(ステップ1050)に
は、投射角度の演算(ステップ1051)と、投射面の
位置演算(ステップ1052)と、透視変換演算(ステ
ップ1053)とが含まれている。これにより、描画命
令発行手段65に通知される地図データは、鳥瞰図に変
換されたものになるので、グラフィックス処理手段49
が作成しVRAM26へ格納する描画データも、鳥瞰図
のものになる。従って、ディスプレイ2に表示される地
図も、平面図から鳥瞰図に切り替わる。
【0080】このように、鳥瞰図から平面図へ、平面図
から鳥瞰図へ、任意に切り替えることができるため、本
実施例によれば、わかりやすい地図表現を提供すること
ができる。
【0081】また、上記処理に於いて発生する平面地図
から鳥瞰図への画面切り替え、または入力装置5などを
介しユーザから平面地図表示から鳥瞰図表示への切り替
え、ないし鳥瞰図から平面地図への切り替えをを指示さ
れた場合に、平面地図と鳥瞰図を直ちに切り替えてしま
うと画面内の地図表現が大きく変わるため、ユーザは地
図の認識が困難になってしまう。そこで、平面図と鳥瞰
図との間の移行が徐々に行われるようにすることが望ま
しい。
【0082】本実施例では、平面地図から鳥瞰図に画面
切り替えが発生したときには、透視変換処理(ステップ
1050)における投射角度θ演算(ステップ105
1)において、投射角度θを0°から経時的に(本実施
例では0.5秒ごとに)徐々に(本実施例では5°ず
つ)増加させ、目的の投射角度になった時点で増加を中
止するように動作させる。このとき増加する投射角度単
位は一定値にすると良い。
【0083】このように、経時的に投射角度を増加さ
せ、透視変換演算(ステップ1053)することで平面
地図から鳥瞰図へ滑らかに変化するため、ユーザは平面
地図と鳥瞰図に表示された地点の位置関係を容易に把握
することができるようになる。なお、鳥瞰図から平面地
図に切り替える場合にも最初に設定されていた投射角度
から0度まで時系列的に徐々に減少させることで、上述
同様の効果を得ることができる。
【0084】つぎに、鳥瞰図表示における透視変換パラ
メータである地図と投射面とのなす角θ(投射角)、お
よび、地図平面が含まれる物体座標系から見た投射面が
含まれる視点座標系の原点座標(Tx,Ty,Tz)、
即ち投射面の位置の決定方法について図8、図9を用い
て説明する。
【0085】ナビゲーションシステムでは、一般に、ユ
ーザが現在走行している地点、即ち現在地の周辺を詳細
に表示することが望まれている。そこで、まず、図9の
(c)に示すように、現在地が画面中央下側に位置する
ように鳥瞰図表示する場合について説明する。この場
合、画面上には現在地から見た進行方向前方と、これま
で走行してきた道路地図が鳥瞰図表示される。なお、図
9(a)に地図メッシュ91における視界(描画表示さ
れる範囲)92を示し、図9(b)に鳥瞰図を得るため
の視点位置および投射角度を示す。また、図9(c)
に、得られる鳥瞰図表示における現在地の位置と進行方
向を示す。なお、図9において点線の矢印は進行方向を
示す。
【0086】図9(c)のような鳥瞰図表示を実現する
ため、座標変換手段62は、まず、必要な拡大/縮小処
理を実行したのち(ステップ1000および101
0)、回転を要すると判断して(ステップ1020)、
図9(a)に示すように進行方向ベクトルと地図メッシ
ュの底辺がなす角度φを求め(ステップ1031)、さ
らに描画する地図データについて角度φだけ回転すると
いうアフィン変換を各座標値に対して行う(ステップ1
032)。
【0087】ステップ1040では鳥瞰図表示すると判
定されるので、座標変換手段62は、投射角度θおよび
視点位置を演算する処理を実行する(ステップ1051
および1052)。
【0088】投射角度θは、例えば、0°の近傍に設定
すれば、視点近傍と視点遠方の縮尺の差が小さくなり、
90°の近傍に設定すれば、視点近傍と視点遠方の縮尺
の差が大きくなる。本実施例では、通常、投射角度θを
30°〜45°程度に設定する。
【0089】なお、本実施例では、座標変換手段62
は、ユーザ操作解析手段41から通知された角度変更方
向指示(投射角度変更キー68により入力されたもの)
に応じて、投射角度θを変更する。すなわち、ユーザ操
作解析手段41は、上昇を示す角度指示キー68aの押
下を検出すると、投射角度の上昇指示を座標変換手段6
2に通知する。また、押下が、この投射角度上昇指示の
通知から0.5秒継続されたことを検出するたびに、座
標変換手段62に投射角度の上昇指示を通知する。この
上昇指示の通知を受けた座標変換手段62は、投射角度
θを5°増加させる(すなわち、投射角度を5°上昇さ
せる)。また、投射角度の下降指示についても、同様で
あり、下降を示す角度指示キー68bの押下および0.
5秒間の継続のたびに、ユーザ操作解析手段41は、投
射角度下降指示を座標変換手段62に通知し、これを受
けた座標変換手段62は、投射角度θを5°減少させる
(すなわち、投射角度を5°下降させる)。
【0090】このようにすることで、本実施例では、鳥
瞰図地図表示で表示すべき地図領域をユーザが任意に設
定できる。このようにして、投射角度の増加が指示され
た場合は、投射角度θが増えるためより遠方の地図が表
示される。また投射角度を減少すると操作された場合は
投射角度θが減るために現在地近傍の地図が表示される
ようになる。
【0091】つぎに、座標変換手段62は、投射面の位
置(Tx,Ty,Tz)を、現在地(x,y,z)から
投射面の位置(Tx,Ty,Tz)を引いた差分値(Δ
x,Δy,Δz)が常に一定値になるように求める(ス
テップ1052)。また、座標変換手段62は、絶対量
としては、Δxは0を、Δzには地図を表示する縮尺に
合わせ小さな縮尺で表示するときはΔzに小さな値を、
大きな縮尺で表示するときはΔzに大きな値を設定す
る。通常は、平面図の縮尺と鳥瞰図表示の中央付近のあ
る一点の縮尺が一致するようにΔzを選択すると良い。
【0092】また、地図の縮尺はユーザの要求に応じ変
更できることが望まれる。そこで、本実施例では、座標
変換手段62は、ユーザ操作解析手段41から通知され
た縮尺変更指示(縮尺変更キー67により入力されたも
の)に応じて、表示される地図の縮尺を変更する。すな
わち、ユーザ操作解析手段41は、拡大指示キー67a
の押下を検出すると、拡大指示を座標変換手段62に通
知する。また、押下が、この拡大指示の通知から0.5
秒継続されたことを検出するたびに、座標変換手段62
に拡大指示を通知する。この拡大指示の通知を受けた座
標変換手段62は、ステップ1052において、Δzを
所定の値だけ増加させる。縮小指示についても、同様で
あり、縮小指示キー67bの押下および0.5秒間の継
続のたびに、ユーザ操作解析手段41は、縮小指示を座
標変換手段62に通知し、これを受けた座標変換手段6
2は、ステップ1052において、Δzを所定の値だけ
減少させる。
【0093】本実施例では、Δyは、図9に示すように
負の値を採ることもできるが、図15に示すように正の
値を取ることもできる。本実施例では、視点位置が、現
在地の前方及び後方のどちらになった場合でも、何ら問
題なく鳥瞰図表示ができる。なお、図15は、図9に示
したものと同様の範囲の異なる視点の鳥瞰図を得る場合
の説明図である。図15(a)に地図メッシュ151に
おける視界(描画表示される範囲)152を示し、図1
5(b)に鳥瞰図を得るための視点位置および投射角度
を示す。また、図15(c)に、得られる鳥瞰図表示に
おける現在地の位置と進行方向を示す。なお、図15に
おいて点線の矢印は進行方向を示す。
【0094】本実施例では、座標変換手段62は、ユー
ザ操作解析手段41から通知された視点位置(タッチセ
ンサ70により入力されたもの)に応じて、視点の位置
(具体的にはΔy)を決定する。すなわち、ユーザ操作
解析手段41は、タッチセンサ70への接触を検出する
と、接触位置を座標変換手段62に通知する。この位置
情報の通知を受けた座標変換手段62は、ステップ10
52において、視点が通知された位置になるようにΔy
を設定する。
【0095】上述のように、本実施例では、ユーザの指
示に応じて、Δyを正〜負の広い範囲の任意の値に設定
できる。従って、本実施例によれば、詳細に表示される
位置を柔軟性に設定することができる。
【0096】最後に、座標変換手段62は、このように
して得られた投射角度θおよび投射面の位置(Tx,T
y,Tz)を用いて地図データの各座標値を透視変換
(ステップ1053)する。得られた地図データを用い
てグラフィックス処理手段49が描画処理することで、
図9(c)および図15(c)に示す地図の鳥瞰図表示
において、進行方向が常に上方向になり、かつ現在地が
画面上の同一地点に表示されるようになる。
【0097】ナビゲーションシステムでは、ユーザが現
在走行している地点、即ち現在地周辺を詳細に表示する
ことが望まれている。そこで、上述のように、本実施例
のナビゲーションシステムでは、図9(c)、図10
(c)、図15(c)および図16(c)に示すよう
に、現在地を画面中央下側に表示する。
【0098】本実施例のナビゲーションシステムでは、
タッチパネル70への接触を介して、目的地の指定を受
け付けることができる。本実施例のナビゲーションシス
テムは、目的地が指定されると、その目的地が視野(表
示画面に描画される範囲)に含まれるように描画する。
この際、座標変換手段62は、上述のように現在地が画
面中央下側になるように、さらに、目的地が画面中央上
側になるように(図10(c)および図16(c)に図
示)、回転角度φを定める。
【0099】この場合の鳥瞰図表示方法について図8、
図10、図16を用いて説明する。なお、図10は、現
在地と目的地とが両方同一画面(視野)に描画されるよ
うな鳥瞰図を得る場合の説明図であり、図16は、図1
0に示したものと同様の範囲の異なる視点の鳥瞰図を得
る場合の説明図である。図10(a)および図16
(a)に地図メッシュ161における視界(描画表示さ
れる範囲)162を示し、図10(b)および図16
(b)に鳥瞰図を得るための視点位置および投射角度を
示す。また、図10(c)および図16(c)に、得ら
れる鳥瞰図表示における現在地と目的地の位置を示す。
図10および図16における点線の矢印は、目的地の方
向を表す。
【0100】なお、ここでは、画面中央下側を現在地、
画面中央上側を目的地として表示する場合を例に説明す
るが、任意の二点の指定入力を受け付けて、該二点の一
方を画面中央下側に、他方を画面中央上側に表示する場
合も、同様にして処理される。
【0101】図10(c)、図16(c)のような鳥瞰
図表示を実現するため、座標変換手段62は、ステップ
1031において、図10(a)および図16(a)に
示すように現在地と目的地を結ぶ線分に垂直な線と地図
メッシュの底辺がなす角度φを求め、ステップ1032
において、描画する地図データの各座標値を角度φだけ
アフィン変換する。
【0102】ステップ1040では鳥瞰図表示すると判
定されるので、つぎに、座標変換手段62は、投射角度
θおよび視点位置を演算する処理に移る(ステップ10
51および1052)。上述のように、投射角度θの初
期値は30〜40°のあらかじめ定められた値であり、
投射角度変更キー68による入力に応じて変更される。
また、投射面の初期位置も、上述のように、投射面の位
置座標から現在地の座標から投射面の位置座標を引いた
差分値があらかじめ定められた値になる用に決定され、
縮尺指定キー67による入力に応じて変更される。ま
た、座標の回転には、上記(数2)および(数3)に示
した変換式が用いられ、アフィン変換には、上記(数
1)に示した変換式が用いられる。なお、投射面の位置
を示すパラメータTy及びTzは、Txにある適当な
値、例えば0を代入し、現在地及び目的地の位置座標及
び表示する位置を代入し、連立1次方程式を解くことで
求められる。
【0103】つぎに、座標変換手段62は、透視変換演
算処理(ステップ1053)を実行する。すなわち、座
標変換手段62は、上述のようにして得られた投射角度
θおよび投射面の位置を用い、地図データの各座標値を
透視変換する。
【0104】これにより、得られた地図データを用いて
グラフィックス処理手段49が描画処理することで、現
在地及び目的地を同一画面に表示することが可能にな
る。また、これらの処理を現在地が変わる度に実行すれ
ば、経時的に現在地が変化しても、現在地と目的地が同
一画面の同一位置に表示される。なお、鳥瞰図表示中は
常にステップ1040における判定において透視変換処
理が必要と判断されるようにすれば、常に、現在地の経
時的変化に対応して画面表示が変更されることになる。
また、ステップ1040における判定において、現在地
があらかじめ定められた距離以上に移動した場合のみ、
透視変換処理が必要であると判断するようにすれば、現
在地が一定距離移動するまでは、同じ鳥瞰地図上で現在
地を示すマーク105のみが移動し、現在地が一定距離
移動して目的地に近づくと、地図の表示が拡大されたも
のに変化するようになる。
【0105】上記処理を現在地が変わる度に実行し、か
つ画面上に表示する現在地及び目的地の位置を固定する
ことで、目的地に近づくにつれて地図が拡大表示される
ようにすることもできる。
【0106】また、現在地と目的地との距離が短くなる
ほど投射角度θを小さな値に変更してゆくことで、現在
地と目的地との距離が離れている場合は鳥瞰図表示によ
り互いの関係を理解しやすいように、そして現在地と目
的地の距離が近づいた場合は平面図に近い表示にするこ
ともできる。あるいは、逆に、現在地と目的地の距離が
短くなるほど投射角度θを大きな値に変更してゆくこと
で、現在地と目的地との距離が離れている場合は全体の
位置関係の把握が容易になるように、平面図を表示し、
現在地と目的地との距離が近づくにつれて徐々に視点位
置が上昇するように表示することで、距離感を把握しや
すいようにしてもよい。
【0107】つぎに、鳥瞰図表示における文字データの
描画方法について説明する。まず、透視変換手段62の
透視変換演算(ステップ1053)の詳細を、図11を
用いて説明する。
【0108】透視変換手段62は、まず、入力された地
図データが面データか判定する(ステップ1100)。
面データと判定すると、透視変換手段62は、投射角度
θ演算(ステップ1051)および視点位置演算(ステ
ップ1052)で求められたパラメータを用いて、与え
られた面データの各ノード座標値を透視変換する(ステ
ップ1101)。このノードの透視変換処理(ステップ
1101)は、入力された全ノードに関する処理が終了
するまで繰り返される(ステップ1102)。
【0109】つぎに、透視変換手段62は、線データに
ついても、面データ同様の処理を実行し、各ノードの座
標値を透視変換する(ステップ1103〜1105)。
【0110】線データに関する処理が終了すると、透視
変換手段62は、入力された地図データが文字データか
判定する(ステップ1106)。文字データと判定され
ると、透視変換手段62は、与えられた文字列の描画を
開始する地点の座標値について、ステップ1051およ
び1052で求められた投射角度θ及び視点位置座標値
を用いて透視変換を行う(ステップ1107)。なお、
本実施例では、文字イメージに関して透視変換を行わな
い。このステップ1107におけるノードの透視変換処
理は、入力された全ノードに関する処理が終了するまで
繰り返される(ステップ1108)。
【0111】得られた透視変換結果を用いてグラフィッ
クス描画すると、例えば、図1に示した地図103のよ
うな鳥瞰図が得られる。本実施例では、ステップ110
7において、文字イメージの透視変換を行わないため、
図1の地図103に示すように、文字は全て同じ大きさ
でかつ正立するように描画される。
【0112】つぎに、描画判定手段63の処理について
図12を用いて説明する。地図データに含まれる各デー
タについて、描画するか否か判定する手段である。
【0113】まず、描画判定手段63は、入力される地
図データに面データが含まれるか判定する(ステップ1
200)。面データが含まれると判定した場合、描画判
定手段63は、あらかじめ定められた面データ描画判定
処理を行う(ステップ1201)。ここで行われる面デ
ータ描画判定処理(ステップ1201)は、例えば、あ
らかじめ面データごとに定められた属性を判断し、必要
とする所定の面データを選択する処理である。
【0114】この面データに関する処理が終了すると、
描画判定手段63は、次に、入力される地図データに道
路や線背景などの線データが含まれるか判定する(ステ
ップ1202)。線データが含まれると判定すると、描
画判定手段63は、あらかじめ定められた線データ描画
判定処理を行う(ステップ1203)。ここで行われる
線データ描画判定処理(ステップ1203)は、例え
ば、あらかじめ線データごとに定められた属性を判断
し、必要とする所定の線データを選択する処理である。
【0115】この線データに関する処理も終了すると、
描画判定手段63は、次に、入力された地図データに文
字データが含まれるか判定する(ステップ1204)。
文字データが含まれると判定すると、描画判定手段63
は、まず、文字列の描画を開始する地点の座標値につい
て、視点遠方から視点近傍の並びになるように並び替え
処理を行う(ステップ1205)。
【0116】次に、描画判定手段63は、並び替えられ
た各文字列の描画を開始する地点の高さyと、表示画面
上のあらかじめ定められた高さhとの大小関係を比較す
る(ステップ1206)。なお、本実施例では、高さh
は、表示画面の高さを1としたとき、底辺から2/3の
高さであり、あらかじめ定めらた一定の値である。これ
は、通常、底辺からの高さが2/3以上の場合、俯角が
非常に小さくなり、描画すべきノードの密度が非常に高
くなってしまうからである。しかし、この基準値(高さ
h)は、視点の高さ等に応じて定められるようにしても
よい。
【0117】また、文字列を描画するか否かの基準とし
て、その高さではなく、視点からの距離を用いてもよ
い。例えば、視点と目的地との距離を1とするとき、視
点からの距離が2/3以下である文字列のみを描画し、
2/3より距離が長い文字列については、描画対象から
削除するようにしてもよい。
【0118】描画判定手段63は、位置判定の結果、画
面上で文字列の描画を開始する地点の高さyが高さhよ
り低ければ、その文字列を描画対象とし、高ければ、そ
の文字列を描画対象文字列から削除する(ステップ12
07)。このようにして、本実施例では、描画判定手段
63により取捨選択された地図データを用いてグラフィ
ックス処理手段49が描画することにより、鳥瞰図表示
が繁雑になるのを防ぎ、すっきりと見やすい表示を得る
ことができる。
【0119】なお、本実施例では、表示される高さのみ
を基準として、文字列の描画の有無を決定するが、文字
列ごとに優先度をあらかじめ定めておき、表示される高
さ(または視点からの距離)に応じて表示する文字列の
優先度の範囲を定め、その範囲に含まれる優先度の付さ
れた文字列のみを描画するようにしてもよい。例えば、
表示する文字列の優先度の上限は、高さに無関係に一定
とし、表示する文字列の優先度の下限は、表示画面にお
ける高さに応じて高くなるようにすれば、表示画面の上
辺に近い領域では、優先度の高い文字列のみが表示さ
れ、表示画面の底辺に近い領域では、優先度の高い文字
列のみならず、優先度の低い文字列までも表示されるこ
とになる。そこで、現在位置を表示画面の底辺付近とし
ている場合には、現在位置に近いほど詳細な文字情報を
得ることができ、現在位置から遠ければ、重要な情報の
みが表示されることになり、利便性が高い。
【0120】また、文字列ごとにあらかじめ属性(表示
文字の字体、文字列の意味内容等)が定められている場
合には、上記優先度の代わりに、この属性を用い、領域
ごとにあらかじめ定められた属性の文字のみを表示する
ようにしてもよい。
【0121】なお、目的地としてあらかじめ定められた
地点に文字列が定義されていれば、該文字列のみは表示
するようにしてもよい。
【0122】上述したステップ1205〜1207は、
省略することもできるが、実行することが望ましい。こ
れらのステップの効果を、図13および図14を用いて
説明する。なお、図13(a)は、ステップ1205〜
1207の並び替え処理および描画文字列選択処理を行
わずに描画した場合に得られる鳥瞰図である。図13
(b)および図14(b)は、ステップ1205の並び
替え処理を実行し、ステップ1206および1207の
描画文字列選択処理を行わずに描画した場合に得られる
鳥瞰図である。図14(b)は、本実施例により得られ
る鳥瞰図、すなわち、ステップ1205〜1207の処
理を実行した場合に得られる鳥瞰図である。なお、図1
3および図14では、面データおよび線データを元に描
画される図形等の図示は省略した。
【0123】ステップ1205の並び替え処理を行わず
に鳥瞰図表示すると、図13(a)に示すように、各文
字列が、視点との遠近にかかわりなく、文字列の格納順
序に従って表示されるため、視点近傍の文字列の上に視
点遠方の文字列が重ねて表示されてしまうことがある。
【0124】一方、ステップ1205による文字列の並
び替え処理を実行すると、図13(b)に示すように、
視点遠方の文字列と視点近傍の文字列とが重なる場合に
は、視点から近い方が遠い方の文字列の上に重ねて表示
される。このように表示された鳥瞰図は、現在地に近い
情報ほど容易に読みとることができるので望ましい。
【0125】また、ステップ1206および1207に
よる描画文字列選択処理を行わずに鳥瞰図表示すると、
図14(a)に示すように、視点から遠くなるほど、視
点からの俯角が小さくなるため縮小圧縮され、単位面積
当たりに描画される線、面、文字のデータ量が増大す
る。これらのデータのうち文字データは、他のデータの
上に重ねて描画されるため、描画される文字データによ
り線や面背景が文字データで隠されてしまう。このよう
な鳥瞰図では、遠方の道路や川、緑地帯などの面情報を
表示画面から読みとることが非常に困難である。
【0126】一方、本実施例では、ステップ1206お
よび1207の描画文字列選択処理を実行するため、図
14(b)に示すように、表示画面の底辺から高さがh
までの範囲(文字描画範囲)にある文字データは描画さ
れ、それ以外の文字データは描画されない。従って、本
実施例により描画される鳥瞰図では、視点遠方の道路や
川、緑地帯などの面情報を、表示画面から容易に読みと
ることができる。
【0127】本実施例の鳥瞰図表示装置およびナビゲー
ションシステムは、鳥瞰図により表現された地図を表示
することができる。従って、本実施例によれば、ユーザ
は、見やすく、地図内に表示される地点の位置関係が認
識しやすい地図表示を得ることができる。このような効
果に加えて、本実施例には、つぎに列挙するような効果
があると考えられる。
【0128】第1に、本実施例では、平面地図表示と鳥
瞰図表示とを任意に切り替えることができる。従って、
本実施例では、ユーザの要求に従って、平面図および鳥
瞰図の両方を表示することができる。
【0129】第2に、本実施例では、鳥瞰図表示および
平面地図表示の切り替えるに際して、地図を投射する平
面と地図データが含まれる平面のなす角度を時系列で徐
々に増加ないし減少させる。すなわち、本実施例では、
平面地図表示と鳥瞰図表示との変換において、鳥瞰図を
得るための視点が滑らかに移動するようにした。従っ
て、本実施例では、平面図と鳥瞰図との間の移行が滑ら
かに行われるため、平面地図に表示された地点と鳥瞰地
図に表示された地点との相関関係を容易に認識できる。
【0130】第3に、本実施例では、鳥瞰図を得るため
の視点を、常に現在位置からある一定方向、一定距離離
れた位置に固定することができ、また、操作入力に従っ
て、視点の高さを変更することもできる。視点を固定す
れば、常に画面のある一点に現在地が固定されるように
鳥瞰図表示されるため、ユーザは現在地を容易に把握で
きるようになる。また、本実施例によれば、視点位置を
ユーザの所望の位置に設定することもできる。
【0131】第4に、本実施例では、2地点(例えば、
現在地と目的地)の位置が指定されると、その2地点が
画面上の定められた位置に表示されるように視点及び地
図を投射する平面と地図データが含まれる平面のなす角
度を決定し、その結果を用い鳥瞰図表示を実行する。従
って、本実施例によれば、当該2地点の位置的関係を容
易に判断することができる。また、当該2地点の位置が
変化した場合でも、常に同じ画面内に表示されるので、
ユーザは複雑な操作をすることなく2地点の位置的関係
を把握できる。
【0132】第5に、本実施例の座標変換手段は、文字
イメージについては透視変換を行わない。従って、本実
施例では、鳥瞰図に含まれる文字は、すべて同じ大きさ
で正立して表示されるため、判読しやすい。
【0133】第6に、本実施例の描画判定手段は、地図
データ中の文字データ位置の視点からの距離に応じて、
文字データ列をソーティングする。すなわち、視点から
の位置が近い文字列ほど、表示の優先順位が高いものと
して扱われる。従って、本実施例では、視点近傍の文字
データが、他の表示に覆われるて欠損することなく表示
されるので、視点に近い文字情報の識別が容易になる。
【0134】第7に、本実施例の描画判定手段は、地図
を透視変換した結果得られる画面上での文字列を描画す
る高さが、所定の値より高い場合は、描画対象から削除
する。あるいは、描画判定手段は、視点から所定の距離
以遠の位置に定義された文字列について、描画対象から
削除するようにしてもよい。このように、所定の高さ以
上または所定の距離以遠の領域、すなわち、鳥瞰図表示
した場合に、俯角が小さくなるため単位面積当たりに描
画されるデータ量が非常に多くなる領域については文字
列を描画しないようにすることにより、この領域の道路
表示や面背景表示等が文字列表示により覆われなくなる
ため、本実施例では、鳥瞰図表示をしても、視点遠方の
道路等の認識が阻害されない。
【0135】
【発明の効果】本発明の鳥瞰図表示装置および該装置を
備えるナビゲーションシステムは、鳥瞰図により表現さ
れた地図を表示することができる。従って、本発明によ
れば、見やすく、地図内に表示される地点の位置関係が
認識しやすい地図表示が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により描画される地図の鳥瞰図表示例
を示す説明図である。
【図2】 実施例のナビゲーションシステムの構成図で
ある。
【図3】 演算処理部のハードウェア構成図である。
【図4】 演算処理部の機能ブロック図である。
【図5】 地図描画手段の機能ブロック図である。
【図6】 地図の透視変換を示す説明図である。
【図7】 鳥瞰図表示のための座標変換過程を示す説明
図である。
【図8】 座標変換手段の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図9】 鳥瞰図表示のための視点および投射面の設定
方法を示す説明図である。
【図10】 鳥瞰図表示のための視点および投射面の設
定方法を示す説明図である。
【図11】 透視変換演算の流れを示すフローチャート
である。
【図12】 描画判定手段の処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図13】 文字列の並び替え処理の効果を示す説明図
である。
【図14】 描画文字列選択処理の効果を示す説明図で
ある。
【図15】 鳥瞰図表示のための視点および投射面の設
定方法を示す説明図である。
【図16】 鳥瞰図表示のための視点および投射面の設
定方法を示す説明図である。
【図17】 実施例のナビゲーションシステムの外観斜
視図である。
【符号の説明】
1…演算処理部、2…ディスプレイ、3…地図記憶装
置、4…音声入出力装置、5…入力装置、6…車輪速セ
ンサ、7…地磁気センサ、8…ジャイロ、9…GPS受
信装置、10…交通情報受信装置、21…CPU、22
…RAM、23…ROM、24…DMA、25…描画コ
ントローラ、26…VRAM、27…カラーパレット、
28…A/D変換器、29…SCI、30…I/O装
置、31…カウンタ、41…ユーザ操作解析手段、42
…経路計算手段、43…経路誘導手段、44…地図描画
手段、45…現在位置演算手段、46…マップマッチ処
理手段、47…データ読み込み処理手段、48…メニュ
ー描画手段、49…グラフィックス処理手段、61…初
期データクリップ手段、62…座標変換手段、63…描
画判定手段、64…データクリップ手段、65…描画命
令発行手段、66…スクロールキー、67…縮尺変更キ
ー、68…投射角度変更キー、69…筐体、70…タッ
チセンサ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月16日(2002.5.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】 鳥瞰図作成方法、地図表示装置および
ナビゲーションシステム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体の位置を測定し
ユーザに現在位置を知らせるナビゲーションシステム
と、該システムに使用する地図表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体に搭載するナビゲーションシステ
ムでは、各種センサからの情報を演算処理することで移
動体の位置を測定し、その位置を表示するといった処理
を実行する。
【0003】このナビゲーションシステムは、移動体の
絶対位置を測定する位置測定装置と、道路や構造物等の
地上の点をユニバーサル横メルカトル投影でメッシュ分
割した平面に投射し、得られた2次元ベクトルデータと
これらに付随する文字データで構成される地図データが
格納された記憶装置と、外部からの指示を受ける入力装
置と、入力装置から入力された指示に従い記憶装置に格
納された地図メッシュから必要なベクトルデータを読み
出し、そのデータを変換処理することでディスプレイに
地図を表示する表示装置とで構成される。
【0004】ここでデータ変換処理には、地図の表示位
置を変更する移動変換と、地図を任意の縮尺で表示する
ために用いる拡大/縮小といった縮尺変換と、地図の表
示する向きを変更する回転変換とがある。これら処理に
より、ディスプレイ上には地面を真上からの正射影で描
いた平面地図が表示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のナビゲーション
システムでは、地図を表示する際に地面を真上からの正
射影で描いた平面地図表示を行なっていた。そのため、
互いに距離の離れた2地点間を同時に表示しようとする
と必然的に縮尺が大きくなり詳細な情報が表示できなく
なるという問題があった。
【0006】そこで、本発明は、平面(地面)を任意の
高さの視点から斜め方向に見おろしたとき、該平面(地
面)と視点との間にある任意の平面に投射される投影図
である鳥瞰図を用いて地図を表現する鳥瞰図作成方法
と、地図表示装置と、該装置を備えるナビゲーションシ
ステムとを提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、地図データを用いて鳥瞰図で表現され
た地図の描画データを作成する鳥瞰図作成方法であっ
て、定められた位置を視点として、定められた投射平面
に、上記地図データに含まれる座標データを透視変換し
て、鳥瞰図の描画データを作成することを特徴とする鳥
瞰図作成方法が提供される。
【0008】なお、本発明の鳥瞰図作成方法は、上記視
点の位置の入力を受け付けるステップと、上記地図デー
タに含まれるあらかじめ定められた2地点(例えば、現
在地および目的地)の座標、および、上記入力された視
点位置をもとに、上記透視変換後の上記2地点の描画位
置があらかじめ定められた位置になるように、上記投射
平面を決定するステップとを備えることが望ましい。
【0009】あるいは、縮尺率の入力を受け付けるステ
ップと、上記地図データに含まれるあらかじめ定められ
た2地点の座標、および、上記入力された縮尺率をもと
に、上記透視変換後の上記2地点の描画位置があらかじ
め定められた位置になり、描画の縮尺率が上記入力され
た縮尺率になるように、上記視点の位置および上記投射
平面を決定するステップとを備えるようにしてもよい。
【0010】また、上記地図データの定義された平面
と、上記投射平面とのなす角度である投射角度の入力を
受け付けるステップと、上記入力された投射角度、およ
び、定められた視点位置をもとに、上記投射平面を決定
するステップとを備えるようにすることもできる。
【0011】さらに、本発明では、上述の鳥瞰図描画方
法を用いて鳥瞰図を表示する地図表示装置と、該地図表
示装置により地図を表示するナビゲーションシステムと
が提供される。
【0012】
【作用】本発明の鳥瞰図表示装置およびナビゲーション
システムは、地図描画手段が座標変換手段を備え、この
座標変換手段が透視変換を行うことにより、地図を鳥瞰
図に変換して表示する。従って、本発明によれば、ユー
ザは、見やすく、地図内に表示される地点の位置関係が
認識しやすい鳥瞰地図表示を得ることができる。本発明
の鳥瞰図作成方法によれば、視点位置を任意に設定する
ことができるため、ユーザのニーズに的確に応じること
ができる。
【0013】なお、つぎの第1〜7の問題を解決する構
成にすれば、さらに操作性、利便性のよいナビゲーショ
ンシステムを得ることができる。
【0014】第1に、鳥瞰図表示におけるスクロール処
理の処理速度が、平面表示のスクロール処理よりも遅い
場合には、鳥瞰図表示で所定の地点を捜すようにスクロ
ール処理を多用する場合、操作性が悪くなってしまうこ
とがある。
【0015】そこで、本発明は、平面地図表示と鳥瞰図
表示とを任意に切り替えることができるようにすること
が望ましい。このようにすれば、ユーザの要求に従っ
て、平面図および鳥瞰図の両方を表示することができ、
利便性が向上する。
【0016】なお、このようにした場合には、平面地図
表示と鳥瞰図表示との切り替えに際して、ユーザによる
位置関係の把握が困難になるという第2の問題が生じる
ことがある。これは、地図を見る視点が変化するため、
ある同一地点が画面上に表示される位置が大きく変化す
るとともに、これまで表示されていなかった地点が表示
されたり、あるいは表示されなくなったりするためであ
る。
【0017】そこで、本発明では、平面地図表示と鳥瞰
図表示との切り替えを可能にする場合、鳥瞰図表示およ
び平面地図表示の切り替えに際して、地図を投射する平
面と地図データが含まれる平面のなす角度を時系列で徐
々に増加ないし減少させることが望ましい。すなわち、
本発明では、平面地図表示と鳥瞰図表示との変換におい
て、鳥瞰図を得るための視点が滑らかに移動するように
することが望ましい。このようにすれば、平面図と鳥瞰
図との間の移行が滑らかに行われるため、平面地図に表
示された地点と鳥瞰地図に表示された地点との相関関係
を容易に認識できる。
【0018】第3に、地図を鳥瞰図表示する場合は、透
視変換のパラメータである視点位置が固定されてしまう
と現在地の移動と共に画面に表示される現在位置のマー
ク表示する位置が移動してゆき、表示している地図領域
を逸脱したときは現在位置のマークが表示されなくなっ
てしまうという問題がある。
【0019】そこで、本発明では、鳥瞰図を得るための
視点を、常に現在位置からある一定方向、一定距離離れ
た位置に固定するようにすることができる。また、操作
入力に従って、視点の高さを変更できるようにすること
もできる。上述のように視点を固定すれば、常に画面の
ある一点に現在地が固定されるように鳥瞰図表示される
ため、ユーザは現在地を容易に把握できるようになる。
また、視点位置をユーザの所望の位置に設定することが
できるようにすれば、利便性が向上する。
【0020】さらに、ある2地点を同一画面に表示しよ
うとしたとき、従来の平面地図表示では2地点間の距離
に応じ縮尺を更新すれば良かったが、地図の鳥瞰図表示
では縮尺を更新しただけでは最適に地図が表示できない
という第4の問題がある。
【0021】そこで、本発明では、2地点(例えば、現
在地と目的地)の位置の指定を受け付け、その2地点が
画面上の定められた位置に表示されるように視点
地図を投射する平面と地図データが含まれる平面
のなす角度を決定し、その結果を用い鳥瞰図表示を実行
するようにしてもよい。このようにすれば、当該2地点
の位置的関係を容易に判断することができる。また、当
該2地点の位置が変化した場合でも、常に同じ画面内に
表示されるので、ユーザは複雑な操作をすることなく2
地点の位置的関係を把握できる。
【0022】また、本発明では、鳥瞰図表示に際して道
路や線路などの線背景、川や緑地帯などの面背景、文字
列を透視変換し描画する。しかし、文字列を透視変換す
ると、視点遠方の文字の形状が小さく、かつゆがみ、一
視点近傍の文字が拡大されてしまい文字列が読みに
くくなることがあるという第5の問題がある。
【0023】そこで、本発明の座標変換手段は、文字イ
メージについては透視変換を行わないようにすることが
望ましい。このようにすれば、鳥瞰図に含まれる文字
が、同じ大きさに正立して表示されるため、文字列の判
読が容易になる。
【0024】また、多くの文字データを表示する場合に
は、文字列が重なりあって表示されることになる。特
に、鳥瞰図では、視点遠方は、視点からの俯角が小さい
ため、縮小率が大きくなり、単位面積当たりに表示され
る文字データが多くなる性質がある。従って、鳥瞰図で
は、視点遠方で文字データと文字データの重なりが発生
しやすくなるという第6の問題がある。
【0025】そこで、本発明の描画判定手段は、地図デ
ータ中の文字データ位置の視点からの距離が近いほど、
該文字データの表示の優先順位を高くすることが望まし
い。このようにすれば、優先順位の高いものを、低いも
のの上に重ねて表示することにより、文字列の欠損を防
止して、判読を容易にすることができる。
【0026】なお、現在地を底辺近傍、または視点近傍
にする場合、この優先順位の基準として、表示される高
さや、視点からの距離を基準にすることが好ましい。重
なって表示される2以上の文字列がある場合、表示され
る高さ(表示画面における底辺からの高さ)が低い(あ
るいは視点からの距離が近い)ほど優先して(すなわ
ち、他の文字列に覆われないように、他の文字列の上に
重ねて)表示するようにすれば、現在地近傍の文字デー
タが、他の表示に覆われるて欠損することなく表示され
る。そこで、このようにすれば、ユーザが希望するであ
ろう現在地に近い文字情報の欠損を防止でき、その文字
列の判読が容易になる。
【0027】上述のように、鳥瞰図表示を行うと、視点
から遠い領域(俯角の小さい領域)では、単位面積当た
りに描画される線データ、面背景データ、および文字デ
ータが大量になる。従って、これらのデータのうち文字
データを、他のデータの上に重ねて描画する場合には、
視点遠方領域では、文字データによって線データや面背
景データが覆い隠されてしまうため、視点遠方の道路等
の形状を読みとることが困難になることがあるという第
7の問題がある。
【0028】そこで、本発明の描画判定手段は、地図を
透視変換した結果得られる画面上での文字列を描画する
高さが、所定の値より高い場合は、描画対象から削除す
ることが望ましい。あるいは、描画判定手段は、視点か
ら所定の距離以遠の位置に定義された文字列について、
描画対象から削除するようにしてもよい。このように、
所定の高さ以上または所定の距離以遠の領域、すなわ
ち、鳥瞰図表示した場合に、俯角が小さくなるため単位
面積当たりに描画されるデータ量が非常に多くなる領域
については文字列を描画しないようにすることにより、
この領域の道路表示や面背景表示等が文字列表示により
覆われなくなる。従って、このようにすれば、鳥瞰図表
示をしても、視点遠方の道路等の認識が阻害されにくい
という利点がある。
【0029】
【実施例】以下、図面を用いて、本発明の一実施例につ
いて説明する。本実施例のナビゲーションシステムに搭
載された鳥瞰地図表示装置により表示される鳥瞰地図の
例を図1に示す。本実施例の鳥瞰地図表示装置は、2次
元地図データ(図1では101として図示)の投影図と
して、特定位置から鳥瞰した状態を示す鳥瞰図102を
作成し、ディスプレイ2の表示画面に表示する。なお、
図1に示した鳥瞰図102において、路線104は、径
路を示すために強調表示されている(図1では線の幅を
太くすることにより強調を表現しているが、点滅や変色
により強調してもよい)。マーク105は現在位置を示
すための記号である。また、図1において、矢印は、2
次元地図データ101から鳥瞰図102への投影関係を
表している。
【0030】本実施例の移動体ナビゲーションシステム
の外観斜視図を図17に示す。本実施例のナビゲーショ
ンシステムは、筐体69に収納されており、筐体69に
は、ディスプレイ2の表示画面と、スクロールキー66
と、縮尺変更キー67と、投射角度変更キー68とディ
スプレイ2の表示画面上に設けられたタッチパネル70
などを備える。
【0031】スクロールキー66は、表示画面に表示さ
れる画像のスクロール指示を受け付けるためのキーであ
り、上下左右へのスクロール指示をそれぞれ受け付ける
ための4つの方向指定キー660を備える。縮尺変更キ
ー67は、表示画面に表示される地図の縮尺の変更を受
け付けるためのキーであり、拡大、縮小をそれぞれ受け
付けるための2つの縮尺指定キー67a,67bを備え
る。投射角度変更キー68は、表示画面に表示される鳥
瞰図の投射面の角度の指定を受け付けるためのキーであ
り、投射角度の上昇、下降をそれぞれ受け付けるための
2つの角度指定キー68a,68bを備える。また、タ
ッチパネル70は、該タッチパネル70表面への接触を
検出して、接触された位置を出力する入力手段である。
【0032】本実施例の移動体ナビゲーションシステム
は、図2に示すように、演算処理部1と、該演算処理部
1に信号線S1を介して接続されたディスプレイ2と、
該演算処理部1に信号線S2を介して接続された地図記
憶装置3と、該演算処理部1に信号線S3を介して接続
された音声入出力装置4と、該演算処理部1に信号線S
4を介して接続された入力装置5と、該演算処理部1に
信号線S5を介して接続された車輪速センサ6と、該演
算処理部1に信号線S6を介して接続された地磁気セン
サ7と、該演算処理部1に信号線S7を介して接続され
たジャイロ8と、該演算処理部1に信号線S8を介して
接続されたGPS(Global PositioningSystem)受信装
置9と、該演算処理部1に信号線S9を介して接続され
た交通情報受信装置10とを備える。なお、各信号線S
1〜S9は、信号を伝達することができれば、有線であ
ると、無線であるとを問わないが、本実施例では有線回
線が用いられている。
【0033】演算処理部1は、各種センサ6〜9から出
力される情報を基に現在位置を検出し、得られた現在位
置情報をもとに必要な地図情報を地図記憶装置3から読
み込むと共に、地図データをグラフィックス展開し、そ
こに現在地マークを重ね表示したり、ユーザから指示
された目的地と現在地を結ぶ最適な道路を選択し、音声
やグラフィック表示を用いてユーザに知らせる、等とい
った様々な処理を行う中心的なユニットである。
【0034】ディスプレイ2は、演算処理部1で生成さ
れたグラフィックス情報を表示するユニットで、CRT
や液晶ディスプレイで構成される。また、通常演算処理
部とディスプレイとの間S1は、通常のシステムと同様
に、本実施例でも、RGB(Red Green Blue)信号やN
TSC(National Television System Committee)信号
で接続する。
【0035】地図記憶装置3は、CD−ROM(Compac
t Disk - Read Only Memory)やIC(Integrated Circ
uit)カードといった大容量記憶媒体を備え、演算処理
部1の要求に応じて、該大容量記憶媒体に保持されたデ
ータを読み出してこれを演算処理部1に通知する読み出
し処理や、演算処理部1より通知されたデータを該大容
量記憶媒体に格納する書き込み処理を行う。
【0036】また、音声入出力装置4は、演算処理部1
で生成したユーザへのメッセージを変換し、音声出力を
行うと共に、音声入力を受け付けて、その内容を認識
し、演算処理部1に転送する処理を行う。
【0037】入力装置5は、外部からの指示入力を受け
付けるユニットであり、本実施例では、上述のスクロー
ルキー66、縮尺変更キー67、投射角度変更キー6
8、およびタッチパネル70を備える。なお、入力装置
5の構成はこれに限られず、ジョイスティック、キーボ
ードやマウス、ペン入力装置など、他の入力手段を用い
てもよい。
【0038】また、移動体ナビゲーションで位置を検出
するために使用するセンサとして、本実施例のナビゲー
ションシステムは、車輪の円周と計測される車輪の回転
数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数
の差から移動体が曲がった角度を計測する車輪速センサ
6、地球が保持している磁場を検知し移動体が向いてい
る方位を測定する地磁気センサ7、移動体が回転した角
度を測定し、光ファイバジャイロ、振動ジャイロなどで
構成されるジャイロ8、および、GPS衛星からの信号
を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を
3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位
置、進行方向及び進行方位を測定するGPS受信装置9
を備える。
【0039】さらに、本実施例のナビゲーションシステ
ムは、道路の渋滞、工事、通行止め情報や駐車場情報と
いった交通情報を発するビーコン送信機やFM放送から
の信号を受けるため、交通情報受信装置10を備える。
【0040】上述した演算処理部1のハードウェア構成
を、図3に示す。演算処理部1は、数値演算および各デ
バイス22〜31の制御といった処理を実行するCPU
(Central Processing Unit)21と、地図や演算デー
タを保持するためのRAM(Random Access Memory)2
2と、プログラムを保持するためのROM(Read OnlyM
emory)23と、高速にメモリ−メモリ間及びメモリ−
各デバイス間のデータ転送を実行するDMA(Direct M
emory Access)24と、ベクトルデータをイメージに展
開するといったグラフィックス描画を高速に実行し、か
つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィッ
クスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random A
ccess Memory)26と、イメージデータをRGB信号に
変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタ
ル信号に変換するA/D(Analog/Digital)変換器28
と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換
するSCI(Serial Communication Interface)29
と、パラレル信号と同期をとりバス上にのせるI/O
(Input/Output)装置30と、パルス信号を積分するカ
ウンタ31とを備える。これらのデバイス21〜31
は、相互にバスで接続されている。
【0041】つぎに、図4を用いて演算処理部1の機能
構成について説明する。演算処理部1は、ユーザ操作解
析手段41と、径路計算手段42と、径路誘導手段43
と、地図描画手段44と、現在位置演算手段45と、マ
ップマッチ処理手段46と、データ読み込み処理手段4
7と、メニュー描画手段48と、グラフィックス処理手
段49とを備える。これらの各手段41〜49は、RO
M23に保持されたインストラクションをCPU21が
実行することにより実現される。
【0042】現在位置演算手段45は、車輪速センサ6
で計測される距離パルスデータ、およびジャイロ8で計
測される角加速度データを各々積分した結果得られる距
離データ及び角度データを用い、そのデータを時間軸で
積分していくことにより、初期位置(X,Y)をもとに
移動体走行後の位置(X’,Y’)を演算する処理を行
う。ここで、現在位置演算手段45は、移動体の回転し
た角度と進む方位の関係を一致させるため、地磁気セン
サ7から得られる方位データとジャイロから得られる角
度データから進む方向の絶対方位を補正する。上述のよ
うにセンサから得られたデータを積分してゆくとセンサ
の誤差が蓄積する。そこで、現在位置演算手段45は、
あるあらかじめ定められた時間周期(本実施例では1秒
ごと)で、GPS受信装置9より得られる位置データを
もとに、蓄積された誤差をキャンセルするという補正処
理を施し、現在位置情報としてこの補正後のデータを出
力する。
【0043】このようにして得られた現在位置情報に
は、依然として、センサに起因する微小な誤差が含まれ
ている。そこで、さらに位置精度を高めるため、本実施
例のナビゲーションシステムでは、マップマッチ処理手
段46により、マップマッチ処理を行う。これは、デー
タ読み込み処理手段47によって読み込まれた現在地周
辺の地図に含まれる道路データと、現在位置演算手段4
5から得られた走行軌跡を互いに照らし合わせ、形状の
相関が最も高い道路に現在地を合わせ込むという処理で
ある。マップマッチ処理を施すことで現在地は多くの場
合走行道路と一致するようになるため精度よく現在位置
情報を出力することができる。
【0044】一方、ユーザ操作解析手段41は、入力装
置5を介して受け付けられた操作指示の要求内容を解析
し、対応する処理が実行されるよう各ユニット42〜4
8を制御する。例えば、目的地までの経路誘導要求が入
力されたときは、目的地を設定するため地図を表示する
処理を地図描画手段44に要求した後、現在地から目的
地までの経路を演算する処理を経路計算手段42に要求
し、そして経路誘導手段43に経路誘導情報をユーザに
提示する処理を要求するように動作する。
【0045】経路計算手段42は、ダイキストラ法等を
用い指定された2地点間の結ぶノードを検索し、最も優
先順位の高い径路を求める。径路計算手段42は、優先
順位の基準を複数備え、径路の決定に、操作指示により
指定された基準を用いる。本実施例では、操作指示に応
じて、2地点間の距離が最短になる経路、最も短い時間
で到達可能な経路、あるいは最もコストが安くなる経路
等が求められる。
【0046】経路誘導手段43は、経路計算手段42で
求められた誘導経路のリンク情報と現在位置演算手段4
5及びマップマッチ処理手段46で求められる現在位置
情報を比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、
右左折すべきかなどの方向指示情報を音声入出力装置4
に通知し、音声として出力させたり、ディスプレイ2の
表示画面に表示された地図上に進行すべき方向を描画し
たりする。
【0047】データ読み込み処理手段47は、要求され
た領域の地図データを地図記憶装置3から読み込み準備
するように動作する。また地図描画手段44は、表示の
指定がされた地点周辺の地図データをデータ読み込み処
理手段47から受け取り、指定された縮尺で、指定され
た方角を上方向に、指定されたオブジェクトを描画する
コマンドをグラフィック処理手段49に転送するように
動作する。
【0048】一方、メニュー描画手段48は、ユーザ操
作解析手段41から出力される命令を受け、要求される
様々な種類のメニューを描画するコマンドをグラフィッ
ク処理手段49に転送するように動作する。
【0049】グラフィックス処理手段49は地図描画手
段44およびメニュー描画手段48で生成される描画コ
マンドを受け、VRAM26にイメージを展開する。
【0050】つぎに、地図描画手段44の機能を図5を
用いて説明する。地図描画手段44は、初期データクリ
ップ手段61と、座標変換手段62と、描画判定手段6
3と、データクリップ手段64と、描画命令発行手段6
5とを備える。
【0051】初期データクリップ手段61は、データ読
み込み処理手段47によって地図記憶装置3より取り込
まれた地図データの各メッシュから、以後の処理に必要
な領域に関する道路データ、面及び線背景データ、文字
データをクリップ処理で選択して、その結果を座標変換
手段62に通知する。本実施例では、初期データクリッ
プ手段61は、0.5秒周期で起動される。また、ユー
ザ操作解析手段41からの操作指示通知によっても起動
される。
【0052】ここで使用するクリップ処理アルゴリズム
として、道路データや線データに関してはCohen−
Sutherland線クリップアルゴリズム、面デー
タに関してはSutherland−Hodgmanポ
リゴンクリップアルゴリズム等がある(Foley, van Da
m, Feiner, Hughes : Computer Graphics : Addison-We
sley Publishing Company pp.111-127)。この処理によ
り、以後の座標変換や描画処理をすべきデータ量を削減
することが可能になるため高速化が見込まれる。
【0053】座標変換手段62は、クリップ処理により
得られた地図データの拡大縮小、回転、投影処理など、
地図データの各座標値を変換する処理を行う。座標変換
手段62は、初期データクリップ手段61またはユーザ
操作解析手段41からの通知に応じて起動される。
【0054】描画判定手段63は、座標変換手段62で
得られた地図データで実際に描画する必要のあるデータ
を選択するように働く。例えば、描画判定手段63は、
縮尺が大きくなったときには実質的に描画するデータ量
が増えるため、細い道路や省略可能な地名などを削除す
るように動作する。これにより、描画のための処理速度
が極端に遅くなるのを防ぐことができる。描画判定手段
63は、座標変換手段62またはユーザ操作解析手段4
1からの通知に応じて起動される。
【0055】データクリップ手段64は、描画判定手段
63によって得られる地図データから、描画領域に関す
る地図データをクリップ処理により選択するように動作
する。ここで使用するクリップ処理アルゴリズムは初期
データクリップ手段と同じアルゴリズムを使用可能であ
る。データクリップ手段64は、描画判定手段63また
はユーザ操作解析手段41からの通知に応じて起動され
る。なお、データクリップ手段64は省略してもよい。
【0056】描画命令発行手段65は、データクリップ
手段64により得られた地図データに含まれる道路や面
および線、背景データ、文字データなどを指定された色
や模様で描画するため、ライン、ポリゴン、文字等を描
画するコマンドや色、模様を設定するコマンドをグラフ
ィックス処理手段49に発行するように動作する。描画
命令発行手段65は、データクリップ手段64からの通
知に応じて起動される。
【0057】本実施例では、初期データクリップ手段6
1は、0.5秒ごとに起動され、クリップ処理の結果得
られたデータを座標変換手段62に通知する。従って、
本実施例では、外部からの操作指示の場合を除いて、
0.5秒ごとに描画が行われることになる。
【0058】つぎに、鳥瞰図表示の概要を図6を用いて
説明する。印刷された地図帳や従来のナビゲーションシ
ステムでは、地図を表示するとき、地上から無限遠点か
ら見るという平面地図表示で表現している。平面地図表
示では、同一画面内はその地点によらず縮尺が一定にな
るという利点があるため距離感を掴みやすい。しかし、
ある2地点間を同一画面に表示しようとすると、地図を
表示する縮尺が最適になるように調整するという操作が
必要になるとともに、その2地点間の距離が離れている
と一度に表示可能な情報量はディスプレイの大きさや精
細度によって制約されるため限られた情報しか表示でき
ないという欠点がある。この問題を解決する手段として
鳥瞰図表示がある。
【0059】鳥瞰図表示は、平面Aの2次元的ないし3
次元的な地図情報3を、平面Aとある角度θをなす平
面Bに投射して投影図情報4を得るという透視変換に
より実現される。図6に示した概念図では、座標(T
x,Ty,Tz)の点55を視点として、平面A(四角
形51として図示)上の矩形で表現された地図53(点
a,点b,点c,点dを頂点とする四角形で表されてい
る)を、平面Aと角度θをなす平面B(四角形52とし
て図示)に投影して投影図54(点a’,点b’,点
c’,点d’を頂点とする四角形で表されている)を得
る場合が図示されている。ここで、地図53の点a,点
b,点c,点dは、それぞれ点a’,点b’,点c’,
点d’に投影されている。なお、本明細書においては、
投影処理において視点座標系の原点である視点55を、
単に「視点」と呼ぶ。本明細書では、単に「視点」とい
う場合、ユーザの目の位置としての「視点」は意味しな
い。
【0060】鳥瞰図表現を行うと、視点55に近い部分
(例えば直線ab)の情報は拡大され、視点から遠い部
分(例えば直線cd)の情報は縮小されて表現される。
これにより、ある2地点間を同一画面に表示する場合に
は、より詳細な情報を得たい地点を視点の近くに、もう
一方を視点の遠くとし、2地点を同一画面に表示するこ
とで、互いの位置間隔をわかりやすく表現できると共
に、視点の近くの情報についてはより大量の情報をユー
ザに提供することが可能になる。
【0061】本実施例では、鳥瞰図表示に使用する地図
情報に2次元的な地図データを使用することが可能なの
で、従来のナビゲーションシステムにこのような透視変
換を行う手段を付加することで、新たな地図データ量を
加えることなく鳥瞰図表示を実現することができる。本
実施例では、座標変換手段62により、この透視変換が
実行される。なお、鳥瞰図表示の実現にあたっては、後
述するような、様々な工夫を行うことが望ましい。
【0062】まず、基本的な鳥瞰図表示の実現方法につ
いて図7を用いて説明する。最初に、座標変換手段62
は、視点の位置を定め、該視点位置からどの方角を見る
か、そして、投影面の角度(図6では角度θとして図
示)を決定する(ステップ1)。これにより、鳥瞰図表
示すべき領域が決定される。矩形の表示画面に鳥瞰図を
表示する場合、視点近傍の領域は狭く、視点遠方の領域
は広くなる。そこで、最終的に描画される地図データ
は、地図メッシュ71内の台形領域72となる。
【0063】次に、座標変換手段62は、初期データク
リップ手段61を用い、鳥瞰図表示すべき領域を含む地
図メッシュデータ71から、実際に描画する台形領域7
2に外接する矩形領域73の地図データを抽出する(ス
テップ2)。
【0064】次に、座標変換手段62は、抽出されたデ
ータを拡大ないし縮小した後、アフィン変換をかけ、台
形が正立するようにしたのち、さらに透視変換により地
図データの各座標値をデータ変換する(ステップ3)。
このときの、アフィン変換のによる座標変換は、平面A
と平面Bがなす角度をθ、変換前の地図データ座標値を
(x,y)、変換後の地図データ座標値を(x’,
y’)とすると、つぎの(数1)により表現される。
【0065】◎
【数1】
【0066】また、このときの透視処理における座標変
換は、視点の位置座標を(Tx,Ty,Tz)、平面A
と平面Bがなす角度をθ、変換前の地図データ座標値を
(x,y)、変換後の地図データ座標値を(x’,
y’)とすると、つぎの(数2)および(数3)により
表現される。
【0067】◎
【数2】
【0068】◎
【数3】
【0069】ステップ3において、ステップ2の時点で
は台形72であった描画対象領域は、矩形領域74に変
換され、台形72に外接する矩形73は、矩形に外接す
る四角形75に座標変換される。ここで、四角形75内
の領域のうち、描画対象領域74外の部分は描画する必
要がない。そこで、座標変換手段62は、データクリッ
プ手段64を用いて、描画対象の矩形領域74外の領域
をクリップ処理して除く(ステップ4)。
【0070】このようにして得られた地図データは、描
画命令発行手段65に通知される。描画命令発行手段6
5は、通知された地図データを用い、描画コマンドを生
成してグラフィックス処理手段49に描画データを作成
させる。グラフィックス処理手段49は、描画データを
作成してVRAM26へ格納し、ディスプレイ2に表示
を指示する。ディスプレイ2は、VRAM26に保持さ
れた描画データを表示画面に表示する。これにより、図
1に示すような鳥瞰地図102がディスプレイ2の表示
画面に表示される。
【0071】ところで、鳥瞰図表示を用いれば、任意の
2地点間の方位や位置関係の認識が容易になる。さら
に、鳥瞰図表示は、ある地点周辺については詳細な情報
を提供し、他の地点周辺については概略の情報を提供す
る場合に適している。このように、特定の地点周辺につ
いて詳細情報または概略情報を提供する場合、その特定
の地点の座標をあらかじめ定めておいてもよく、あるい
は、あらかじめ定められた条件を満たす座標を求めるこ
とによりその位置を定めてもよく、該地点の位置の入力
を受け付けてもよい。
【0072】ナビゲーションシステムでは、一方の地点
に現在地が選ばれる場合が多い。この現在地の位置情報
は、現在位置演算手段45ないしマップマッチ処理手段
46から得られる。そこで、入力装置5を介して、詳細
情報表示地点および概略情報表示地点のいずれかに対し
て現在地が指示された場合、地図描画手段44は、現在
位置演算手段45ないしマップマッチ処理手段46から
得られる現在地の座標を用いる。
【0073】しかし、表示画面に表示された地図上の位
置の指定を受け付けて、詳細情報表示地点および概略情
報表示地点のいずれかとする場合には、ユーザが詳細情
報または概略情報を表示する地点を探すために、地図を
スクロール表示しなければならないことが多い。しか
し、鳥瞰図表示は、表示する領域を変更する度に全面再
描画する必要があるため、スクロール速度が遅い。従っ
て、スクロール表示を多様する操作は、使い勝手が悪い
という問題がある。
【0074】この問題を解決するため、本実施例では、
座標変換において、図8に示す処理を行う。
【0075】まず、座標変換手段62は、地図の拡大ま
たは縮小が必要であれば(ステップ1000)、処理対
象の領域について、拡大または縮小演算を行い(ステッ
プ1010)、地図の回転が必要であれば(ステップ1
020)、回転変換処理(ステップ1030)を実行す
る。なお、回転変換処理(ステップ1030)には、回
転角度演算(ステップ1031)とアフィン変換演算
(ステップ1032)とが含まれる。
【0076】つぎに、座標変換手段62は、鳥瞰図表示
をするか否か判定する(ステップ1040)。ここで、
例えば、入力装置5を介して、任意の地点を地図中から
探し出す操作の指示が入力された場合や、入力装置5を
介して、平面図の表示の指示が入力された場合は、座標
変換手段62は、鳥瞰図表示判定(ステップ1040)
において、透視変換を行わないと判定し、透視変換処理
(ステップ1050)を実行せずに、座標変換処理を終
了する。この場合、透視変換処理が実行されないため、
ディスプレイ2の表示画面には、平面地図が表示され
る。
【0077】本実施例によれば、任意の地点を地図中か
ら探し出す操作においては、地図が鳥瞰図ではなく平面
地図で表示されるため、素早く目標とする地点を探し出
すことができる。
【0078】また、例えば、入力装置5を介して鳥瞰図
の表示指示が入力された場合や、平面図表示中に、入力
装置5を介して任意の地点が目的地として指示された場
合などには、それらの指示をユーザ操作解析手段41を
介して受け付けた座標変換手段62は、ステップ104
0における鳥瞰図表示判定において、透視変換を要する
と判定し、透視変換処理(ステップ1050)を実行す
る。
【0079】この透視変換処理(ステップ1050)に
は、投射角度の演算(ステップ1051)と、投射面の
位置演算(ステップ1052)と、透視変換演算(ステ
ップ1053)とが含まれている。これにより、描画命
令発行手段65に通知される地図データは、鳥瞰図に変
換されたものになるので、グラフィックス処理手段49
が作成しVRAM26へ格納する描画データも、鳥瞰図
のものになる。従って、ディスプレイ2に表示される地
図も、平面図から鳥瞰図に切り替わる。
【0080】このように、鳥瞰図から平面図へ、平面図
から鳥瞰図へ、任意に切り替えることができるため、本
実施例によれば、わかりやすい地図表現を提供すること
ができる。
【0081】また、上記処理に於いて発生する平面地図
から鳥瞰図への画面切り替え、または入力装置5などを
介しユーザから平面地図表示から鳥瞰図表示への切り替
え、ないし鳥瞰図から平面地図への切り替え指示され
た場合に、平面地図と鳥瞰図を直ちに切り替えてしまう
と画面内の地図表現が大きく変わるため、ユーザは地図
の認識が困難になってしまう。そこで、平面図と鳥瞰図
との間の移行が徐々に行われるようにすることが望まし
い。
【0082】本実施例では、平面地図から鳥瞰図に画面
切り替えが発生したときには、透視変換処理(ステップ
1050)における投射角度θ演算(ステップ105
1)において、投射角度θを0°から経時的に(本実施
例では0.5秒ごとに)徐々に(本実施例では5°ず
つ)増加させ、目的の投射角度になった時点で増加を中
止するように動作させる。このとき増加する投射角度単
位は一定値にすると良い。
【0083】このように、経時的に投射角度を増加さ
せ、透視変換演算(ステップ1053)することで平面
地図から鳥瞰図へ滑らかに変化するため、ユーザは平面
地図と鳥瞰図に表示された地点の位置関係を容易に把握
することができるようになる。なお、鳥瞰図から平面地
図に切り替える場合にも最初に設定されていた投射角度
から0度まで時系列的に徐々に減少させることで、上述
同様の効果を得ることができる。
【0084】つぎに、鳥瞰図表示における透視変換パラ
メータである地図と投射面とのなす角θ(投射角)、お
よび、地図平面が含まれる物体座標系から見た投射面が
含まれる視点座標系の原点座標(Tx,Ty,Tz)、
即ち投射面の位置の決定方法について図8、図9を用い
て説明する。
【0085】ナビゲーションシステムでは、一般に、ユ
ーザが現在走行している地点、即ち現在地の周辺を詳細
に表示することが望まれている。そこで、まず、図9の
(c)に示すように、現在地が画面中央下側に位置する
ように鳥瞰図表示する場合について説明する。この場
合、画面上には現在地から見た進行方向前方と、これま
で走行してきた道路地図が鳥瞰図表示される。なお、図
9(a)に地図メッシュ91における視界(描画表示さ
れる範囲)92を示し、図9(b)に鳥瞰図を得るため
の視点位置および投射角度を示す。また、図9(c)
に、得られる鳥瞰図表示における現在地の位置と進行方
向を示す。なお、図9において点線の矢印は進行方向を
示す。
【0086】図9(c)のような鳥瞰図表示を実現する
ため、座標変換手段62は、まず、必要な拡大/縮小処
理を実行したのち(ステップ1000および101
0)、回転を要すると判断して(ステップ1020)、
図9(a)に示すように進行方向ベクトルと地図メッシ
ュの底辺がなす角度φを求め(ステップ1031)、さ
らに描画する地図データについて角度φだけ回転すると
いうアフィン変換を各座標値に対して行う(ステップ1
032)。
【0087】ステップ1040では鳥瞰図表示すると判
定されるので、座標変換手段62は、投射角度θおよび
視点位置を演算する処理を実行する(ステップ1051
および1052)。
【0088】投射角度θは、例えば、0°の近傍に設定
すれば、視点近傍と視点遠方の縮尺の差が小さくなり、
90°の近傍に設定すれば、視点近傍と視点遠方の縮尺
の差が大きくなる。本実施例では、通常、投射角度θを
30°〜45°程度に設定する。
【0089】なお、本実施例では、座標変換手段62
は、ユーザ操作解析手段41から通知された角度変更方
向指示(投射角度変更キー68により入力されたもの)
に応じて、投射角度θを変更する。すなわち、ユーザ操
作解析手段41は、上昇を示す角度指示キー68aの押
下を検出すると、投射角度の上昇指示を座標変換手段6
2に通知する。また、押下が、この投射角度上昇指示の
通知から0.5秒継続されたことを検出するたびに、座
標変換手段62に投射角度の上昇指示を通知する。この
上昇指示の通知を受けた座標変換手段62は、投射角度
θを5°増加させる(すなわち、投射角度を5°上昇さ
せる)。また、投射角度の下降指示についても、同様で
あり、下降を示す角度指示キー68bの押下および0.
5秒間の継続のたびに、ユーザ操作解析手段41は、投
射角度下降指示を座標変換手段62に通知し、これを受
けた座標変換手段62は、投射角度θを5°減少させる
(すなわち、投射角度を5°下降させる)。
【0090】このようにすることで、本実施例では、鳥
瞰図地図表示で表示すべき地図領域をユーザが任意に設
定できる。このようにして、投射角度の増加が指示され
た場合は、投射角度θが増えるためより遠方の地図が表
示される。また投射角度を減少すると操作された場合は
投射角度θが減るために現在地近傍の地図が表示される
ようになる。
【0091】つぎに、座標変換手段62は、投射面の位
置(Tx,Ty,Tz)を、現在地(x,y,z)から
投射面の位置(Tx,Ty,Tz)を引いた差分値(Δ
x,Δy,Δz)が常に一定値になるように求める(ス
テップ1052)。また、座標変換手段62は、絶対量
としては、Δxは0を、Δzには地図を表示する縮尺に
合わせ小さな縮尺で表示するときはΔzに小さな値を、
大きな縮尺で表示するときはΔzに大きな値を設定す
る。通常は、平面図の縮尺と鳥瞰図表示の中央付近のあ
る一点の縮尺が一致するようにΔzを選択すると良い。
【0092】また、地図の縮尺はユーザの要求に応じ変
更できることが望まれる。そこで、本実施例では、座標
変換手段62は、ユーザ操作解析手段41から通知され
た縮尺変更指示(縮尺変更キー67により入力されたも
の)に応じて、表示される地図の縮尺を変更する。すな
わち、ユーザ操作解析手段41は、拡大指示キー67a
の押下を検出すると、拡大指示を座標変換手段62に通
知する。また、押下が、この拡大指示の通知から0.5
秒継続されたことを検出するたびに、座標変換手段62
に拡大指示を通知する。この拡大指示の通知を受けた座
標変換手段62は、ステップ1052において、Δzを
所定の値だけ増加させる。縮小指示についても、同様で
あり、縮小指示キー67bの押下および0.5秒間の継
続のたびに、ユーザ操作解析手段41は、縮小指示を座
標変換手段62に通知し、これを受けた座標変換手段6
2は、ステップ1052において、Δzを所定の値だけ
減少させる。
【0093】本実施例では、Δyは、図9に示すように
負の値を採ることもできるが、図15に示すように正の
値を取ることもできる。本実施例では、視点位置が、現
在地の前方及び後方のどちらになった場合でも、何ら問
題なく鳥瞰図表示ができる。なお、図15は、図9に示
したものと同様の範囲の異なる視点の鳥瞰図を得る場合
の説明図である。図15(a)に地図メッシュ151に
おける視界(描画表示される範囲)152を示し、図1
5(b)に鳥瞰図を得るための視点位置および投射角度
を示す。また、図15(c)に、得られる鳥瞰図表示に
おける現在地の位置と進行方向を示す。なお、図15に
おいて点線の矢印は進行方向を示す。
【0094】本実施例では、座標変換手段62は、ユー
ザ操作解析手段41から通知された視点位置(タッチセ
ンサ70により入力されたもの)に応じて、視点の位置
(具体的にはΔy)を決定する。すなわち、ユーザ操作
解析手段41は、タッチセンサ70への接触を検出する
と、接触位置を座標変換手段62に通知する。この位置
情報の通知を受けた座標変換手段62は、ステップ10
52において、視点が通知された位置になるようにΔy
を設定する。
【0095】上述のように、本実施例では、ユーザの指
示に応じて、Δyを正〜負の広い範囲の任意の値に設定
できる。従って、本実施例によれば、詳細に表示される
位置を柔軟性に設定することができる。
【0096】最後に、座標変換手段62は、このように
して得られた投射角度θおよび投射面の位置(Tx,T
y,Tz)を用いて地図データの各座標値を透視変換
(ステップ1053)する。得られた地図データを用い
てグラフィックス処理手段49が描画処理することで、
図9(c)および図15(c)に示す地図の鳥瞰図表示
において、進行方向が常に上方向になり、かつ現在地が
画面上の同一地点に表示されるようになる。
【0097】ナビゲーションシステムでは、ユーザが現
在走行している地点、即ち現在地周辺を詳細に表示する
ことが望まれている。そこで、上述のように、本実施例
のナビゲーションシステムでは、図9(c)、図10
(c)、図15(c)および図16(c)に示すよう
に、現在地を画面中央下側に表示する。
【0098】本実施例のナビゲーションシステムでは、
タッチパネル70への接触を介して、目的地の指定を受
け付けることができる。本実施例のナビゲーションシス
テムは、目的地が指定されると、その目的地が視野(表
示画面に描画される範囲)に含まれるように描画する。
この際、座標変換手段62は、上述のように現在地が画
面中央下側になるように、さらに、目的地が画面中央上
側になるように(図10(c)および図16(c)に図
示)、回転角度φを定める。
【0099】この場合の鳥瞰図表示方法について図8、
図10、図16を用いて説明する。なお、図10は、現
在地と目的地とが両方同一画面(視野)に描画されるよ
うな鳥瞰図を得る場合の説明図であり、図16は、図1
0に示したものと同様の範囲の異なる視点の鳥瞰図を得
る場合の説明図である。図10(a)および図16
(a)に地図メッシュ161における視界(描画表示さ
れる範囲)162を示し、図10(b)および図16
(b)に鳥瞰図を得るための視点位置および投射角度を
示す。また、図10(c)および図16(c)に、得ら
れる鳥瞰図表示における現在地と目的地の位置を示す。
図10および図16における点線の矢印は、目的地の方
向を表す。
【0100】なお、ここでは、画面中央下側を現在地、
画面中央上側を目的地として表示する場合を例に説明す
るが、任意の二点の指定入力を受け付けて、該二点の一
方を画面中央下側に、他方を画面中央上側に表示する場
合も、同様にして処理される。
【0101】図10(c)、図16(c)のような鳥瞰
図表示を実現するため、座標変換手段62は、ステップ
1031において、図10(a)および図16(a)に
示すように現在地と目的地を結ぶ線分に垂直な線と地図
メッシュの底辺がなす角度φを求め、ステップ1032
において、描画する地図データの各座標値を角度φだけ
アフィン変換する。
【0102】ステップ1040では鳥瞰図表示すると判
定されるので、つぎに、座標変換手段62は、投射角度
θおよび視点位置を演算する処理に移る(ステップ10
51および1052)。上述のように、投射角度θの初
期値は30〜40°のあらかじめ定められた値であり、
投射角度変更キー68による入力に応じて変更される。
また、投射面の初期位置も、上述のように現在地の座
標から投射面の位置座標を引いた差分値があらかじめ定
められた値になる用に決定され、縮尺指定キー67によ
る入力に応じて変更される。また、座標の回転には、上
記(数2)および(数3)に示した変換式が用いられ、
アフィン変換には、上記(数1)に示した変換式が用い
られる。なお、投射面の位置を示すパラメータTy及び
Tzは、Txにある適当な値、例えば0を代入し、現在
地及び目的地の位置座標及び表示する位置を代入し、連
立1次方程式を解くことで求められる。
【0103】つぎに、座標変換手段62は、透視変換演
算処理(ステップ1053)を実行する。すなわち、座
標変換手段62は、上述のようにして得られた投射角度
θおよび投射面の位置を用い、地図データの各座標値を
透視変換する。
【0104】これにより、得られた地図データを用いて
グラフィックス処理手段49が描画処理することで、現
在地及び目的地を同一画面に表示することが可能にな
る。また、これらの処理を現在地が変わる度に実行すれ
ば、経時的に現在地が変化しても、現在地と目的地が同
一画面の同一位置に表示される。なお、鳥瞰図表示中は
常にステップ1040における判定において透視変換処
理が必要と判断されるようにすれば、常に、現在地の経
時的変化に対応して画面表示が変更されることになる。
また、ステップ1040における判定において、現在地
があらかじめ定められた距離以上に移動した場合のみ、
透視変換処理が必要であると判断するようにすれば、現
在地が一定距離移動するまでは、同じ鳥瞰地図上で現在
地を示すマーク105のみが移動し、現在地が一定距離
移動して目的地に近づくと、地図の表示が拡大されたも
のに変化するようになる。
【0105】上記処理を現在地が変わる度に実行し、か
つ画面上に表示する現在地及び目的地の位置を固定する
ことで、目的地に近づくにつれて地図が拡大表示される
ようにすることもできる。
【0106】また、現在地と目的地との距離が短くなる
ほど投射角度θを小さな値に変更してゆくことで、現在
地と目的地との距離が離れている場合は鳥瞰図表示によ
り互いの関係を理解しやすいように、そして現在地と目
的地の距離が近づいた場合は平面図に近い表示にするこ
ともできる。あるいは、逆に、現在地と目的地の距離が
短くなるほど投射角度θを大きな値に変更してゆくこと
で、現在地と目的地との距離が離れている場合は全体の
位置関係の把握が容易になるように、平面図を表示し、
現在地と目的地との距離が近づくにつれて徐々に視点位
置が上昇するように表示することで、距離感を把握しや
すいようにしてもよい。
【0107】つぎに、鳥瞰図表示における文字データの
描画方法について説明する。まず、座標変換手段62の
透視変換演算(ステップ1053)の詳細を、図11を
用いて説明する。
【0108】座標変換手段62は、まず、入力された地
図データが面データか判定する(ステップ1100)。
面データと判定すると、座標変換手段62は、投射角度
θ演算(ステップ1051)および視点位置演算(ステ
ップ1052)で求められたパラメータを用いて、与え
られた面データの各ノード座標値を透視変換する(ステ
ップ1101)。このノードの透視変換処理(ステップ
1101)は、入力された全ノードに関する処理が終了
するまで繰り返される(ステップ1102)。
【0109】つぎに、座標変換手段62は、線データに
ついても、面データ同様の処理を実行し、各ノードの座
標値を透視変換する(ステップ1103〜1105)。
【0110】線データに関する処理が終了すると、座標
変換手段62は、入力された地図データが文字データか
判定する(ステップ1106)。文字データと判定され
ると、透視変換手段62は、与えられた文字列の描画を
開始する地点の座標値について、ステップ1051およ
び1052で求められた投射角度θ及び視点位置座標値
を用いて透視変換を行う(ステップ1107)。なお、
本実施例では、文字イメージに関して透視変換を行わな
い。このステップ1107におけるノードの透視変換処
理は、入力された全ノードに関する処理が終了するまで
繰り返される(ステップ1108)。
【0111】得られた透視変換結果を用いてグラフィッ
クス描画すると、例えば、図1に示した地図103のよ
うな鳥瞰図が得られる。本実施例では、ステップ110
7において、文字イメージの透視変換を行わないため、
図1の地図103に示すように、文字は全て同じ大きさ
でかつ正立するように描画される。
【0112】つぎに、描画判定手段63の処理について
図12を用いて説明する。地図データに含まれる各デー
タについて、描画するか否か判定する手段である。
【0113】まず、描画判定手段63は、入力される地
図データに面データが含まれるか判定する(ステップ1
200)。面データが含まれると判定した場合、描画判
定手段63は、あらかじめ定められた面データ描画判定
処理を行う(ステップ1201)。ここで行われる面デ
ータ描画判定処理(ステップ1201)は、例えば、あ
らかじめ面データごとに定められた属性を判断し、必要
とする所定の面データを選択する処理である。
【0114】この面データに関する処理が終了すると、
描画判定手段63は、次に、入力される地図データに道
路や線背景などの線データが含まれるか判定する(ステ
ップ1202)。線データが含まれると判定すると、描
画判定手段63は、あらかじめ定められた線データ描画
判定処理を行う(ステップ1203)。ここで行われる
線データ描画判定処理(ステップ1203)は、例え
ば、あらかじめ線データごとに定められた属性を判断
し、必要とする所定の線データを選択する処理である。
【0115】この線データに関する処理も終了すると、
描画判定手段63は、次に、入力された地図データに文
字データが含まれるか判定する(ステップ1204)。
文字データが含まれると判定すると、描画判定手段63
は、まず、文字列の描画を開始する地点の座標値につい
て、視点遠方から視点近傍の並びになるように並び替え
処理を行う(ステップ1205)。
【0116】次に、描画判定手段63は、並び替えられ
た各文字列の描画を開始する地点の高さyと、表示画面
上のあらかじめ定められた高さhとの大小関係を比較す
る(ステップ1206)。なお、本実施例では、高さh
は、表示画面の高さを1としたとき、底辺から2/3の
高さであり、あらかじめ定めらた一定の値である。これ
は、通常、底辺からの高さが2/3以上の場合、俯角が
非常に小さくなり、描画すべきノードの密度が非常に高
くなってしまうからである。しかし、この基準値(高さ
h)は、視点の高さ等に応じて定められるようにしても
よい。
【0117】また、文字列を描画するか否かの基準とし
て、その高さではなく、視点からの距離を用いてもよ
い。例えば、視点と目的地との距離を1とするとき、視
点からの距離が2/3以下である文字列のみを描画し、
2/3より距離が長い文字列については、描画対象から
削除するようにしてもよい。
【0118】描画判定手段63は、位置判定の結果、画
面上で文字列の描画を開始する地点の高さyが高さhよ
り低ければ、その文字列を描画対象とし、高ければ、そ
の文字列を描画対象文字列から削除する(ステップ12
07)。このようにして、本実施例では、描画判定手段
63により取捨選択された地図データを用いてグラフィ
ックス処理手段49が描画することにより、鳥瞰図表示
が繁雑になるのを防ぎ、すっきりと見やすい表示を得る
ことができる。
【0119】なお、本実施例では、表示される高さのみ
を基準として、文字列の描画の有無を決定するが、文字
列ごとに優先度をあらかじめ定めておき、表示される高
さ(または視点からの距離)に応じて表示する文字列の
優先度の範囲を定め、その範囲に含まれる優先度の付さ
れた文字列のみを描画するようにしてもよい。例えば、
表示する文字列の優先度の上限は、高さに無関係に一定
とし、表示する文字列の優先度の下限は、表示画面にお
ける高さに応じて高くなるようにすれば、表示画面の上
辺に近い領域では、優先度の高い文字列のみが表示さ
れ、表示画面の底辺に近い領域では、優先度の高い文字
列のみならず、優先度の低い文字列までも表示されるこ
とになる。そこで、現在位置を表示画面の底辺付近とし
ている場合には、現在位置に近いほど詳細な文字情報を
得ることができ、現在位置から遠ければ、重要な情報の
みが表示されることになり、利便性が高い。
【0120】また、文字列ごとにあらかじめ属性(表示
文字の字体、文字列の意味内容等)が定められている場
合には、上記優先度の代わりに、この属性を用い、領域
ごとにあらかじめ定められた属性の文字のみを表示する
ようにしてもよい。
【0121】なお、目的地としてあらかじめ定められた
地点に文字列が定義されていれば、該文字列のみは表示
するようにしてもよい。
【0122】上述したステップ1205〜1207は、
省略することもできるが、実行することが望ましい。こ
れらのステップの効果を、図13および図14を用いて
説明する。なお、図13(a)は、ステップ1205〜
1207の並び替え処理および描画文字列選択処理を行
わずに描画した場合に得られる鳥瞰図である。図13
(b)および図14()は、ステップ1205の並び
替え処理を実行し、ステップ1206および1207の
描画文字列選択処理を行わずに描画した場合に得られる
鳥瞰図である。図14(b)は、本実施例により得られ
る鳥瞰図、すなわち、ステップ1205〜1207の処
理を実行した場合に得られる鳥瞰図である。なお、図1
3および図14では、面データおよび線データを元に描
画される図形等の図示は省略した。
【0123】ステップ1205の並び替え処理を行わず
に鳥瞰図表示すると、図13(a)に示すように、各文
字列が、視点との遠近にかかわりなく、文字列の格納順
序に従って表示されるため、視点近傍の文字列の上に視
点遠方の文字列が重ねて表示されてしまうことがある。
【0124】一方、ステップ1205による文字列の並
び替え処理を実行すると、図13(b)に示すように、
視点遠方の文字列と視点近傍の文字列とが重なる場合に
は、視点から近い方が遠い方の文字列の上に重ねて表示
される。このように表示された鳥瞰図は、現在地に近い
情報ほど容易に読みとることができるので望ましい。
【0125】また、ステップ1206および1207に
よる描画文字列選択処理を行わずに鳥瞰図表示すると、
図14(a)に示すように、視点から遠くなるほど、視
点からの俯角が小さくなるため縮小圧縮され、単位面積
当たりに描画される線、面、文字のデータ量が増大す
る。これらのデータのうち文字データは、他のデータの
上に重ねて描画されるため、描画される文字データによ
り線や面背景が文字データで隠されてしまう。このよう
な鳥瞰図では、遠方の道路や川、緑地帯などの面情報を
表示画面から読みとることが非常に困難である。
【0126】一方、本実施例では、ステップ1206お
よび1207の描画文字列選択処理を実行するため、図
14(b)に示すように、表示画面の底辺から高さがh
までの範囲(文字描画範囲)にある文字データは描画さ
れ、それ以外の文字データは描画されない。従って、本
実施例により描画される鳥瞰図では、視点遠方の道路や
川、緑地帯などの面情報を、表示画面から容易に読みと
ることができる。
【0127】本実施例の鳥瞰図表示装置およびナビゲー
ションシステムは、鳥瞰図により表現された地図を表示
することができる。従って、本実施例によれば、ユーザ
は、見やすく、地図内に表示される地点の位置関係が認
識しやすい地図表示を得ることができる。このような効
果に加えて、本実施例には、つぎに列挙するような効果
があると考えられる。
【0128】第1に、本実施例では、平面地図表示と鳥
瞰図表示とを任意に切り替えることができる。従って、
本実施例では、ユーザの要求に従って、平面図および鳥
瞰図の両方を表示することができる。
【0129】第2に、本実施例では、鳥瞰図表示および
平面地図表示の切り替えるに際して、地図を投射する平
面と地図データが含まれる平面のなす角度を時系列で徐
々に増加ないし減少させる。すなわち、本実施例では、
平面地図表示と鳥瞰図表示との変換において、鳥瞰図を
得るための視点が滑らかに移動するようにした。従っ
て、本実施例では、平面図と鳥瞰図との間の移行が滑ら
かに行われるため、平面地図に表示された地点と鳥瞰地
図に表示された地点との相関関係を容易に認識できる。
【0130】第3に、本実施例では、鳥瞰図を得るため
の視点を、常に現在位置からある一定方向、一定距離離
れた位置に固定することができ、また、操作入力に従っ
て、視点の高さを変更することもできる。視点を固定す
れば、常に画面のある一点に現在地が固定されるように
鳥瞰図表示されるため、ユーザは現在地を容易に把握で
きるようになる。また、本実施例によれば、視点位置を
ユーザの所望の位置に設定することもできる。
【0131】第4に、本実施例では、2地点(例えば、
現在地と目的地)の位置が指定されると、その2地点が
画面上の定められた位置に表示されるように視点及び地
図を投射する平面と地図データが含まれる平面のなす角
度を決定し、その結果を用い鳥瞰図表示を実行する。従
って、本実施例によれば、当該2地点の位置的関係を容
易に判断することができる。また、当該2地点の位置が
変化した場合でも、常に同じ画面内に表示されるので、
ユーザは複雑な操作をすることなく2地点の位置的関係
を把握できる。
【0132】第5に、本実施例の座標変換手段は、文字
イメージについては透視変換を行わない。従って、本実
施例では、鳥瞰図に含まれる文字は、すべて同じ大きさ
で正立して表示されるため、判読しやすい。
【0133】第6に、本実施例の描画判定手段は、地図
データ中の文字データ位置の視点からの距離に応じて、
文字データ列をソーティングする。すなわち、視点から
の位置が近い文字列ほど、表示の優先順位が高いものと
して扱われる。従って、本実施例では、視点近傍の文字
データが、他の表示に覆われるて欠損することなく表示
されるので、視点に近い文字情報の識別が容易になる。
【0134】第7に、本実施例の描画判定手段は、地図
を透視変換した結果得られる画面上での文字列を描画す
る高さが、所定の値より高い場合は、描画対象から削除
する。あるいは、描画判定手段は、視点から所定の距離
以遠の位置に定義された文字列について、描画対象から
削除するようにしてもよい。このように、所定の高さ以
上または所定の距離以遠の領域、すなわち、鳥瞰図表示
した場合に、俯角が小さくなるため単位面積当たりに描
画されるデータ量が非常に多くなる領域については文字
列を描画しないようにすることにより、この領域の道路
表示や面背景表示等が文字列表示により覆われなくなる
ため、本実施例では、鳥瞰図表示をしても、視点遠方の
道路等の認識が阻害されない。
【0135】
【発明の効果】本発明の鳥瞰図表示装置および該装置を
備えるナビゲーションシステムは、鳥瞰図により表現さ
れた地図を表示することができる。従って、本発明によ
れば、見やすく、地図内に表示される地点の位置関係が
認識しやすい地図表示が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により描画される地図の鳥瞰図表示例
を示す説明図である。
【図2】 実施例のナビゲーションシステムの構成図で
ある。
【図3】 演算処理部のハードウェア構成図である。
【図4】 演算処理部の機能ブロック図である。
【図5】 地図描画手段の機能ブロック図である。
【図6】 地図の透視変換を示す説明図である。
【図7】 鳥瞰図表示のための座標変換過程を示す説明
図である。
【図8】 座標変換手段の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図9】 鳥瞰図表示のための視点および投射面の設定
方法を示す説明図である。
【図10】 鳥瞰図表示のための視点および投射面の設
定方法を示す説明図である。
【図11】 透視変換演算の流れを示すフローチャート
である。
【図12】 描画判定手段の処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図13】 文字列の並び替え処理の効果を示す説明図
である。
【図14】 描画文字列選択処理の効果を示す説明図で
ある。
【図15】 鳥瞰図表示のための視点および投射面の設
定方法を示す説明図である。
【図16】 鳥瞰図表示のための視点および投射面の設
定方法を示す説明図である。
【図17】 実施例のナビゲーションシステムの外観斜
視図である。
【符号の説明】 1…演算処理部、2…ディスプレイ、3…地図記憶装
置、4…音声入出力装置、5…入力装置、6…車輪速セ
ンサ、7…地磁気センサ、8…ジャイロ、9…GPS受
信装置、10…交通情報受信装置、21…CPU、22
…RAM、23…ROM、24…DMA、25…描画コ
ントローラ、26…VRAM、27…カラーパレット、
28…A/D変換器、29…SCI、30…I/O装
置、31…カウンタ、41…ユーザ操作解析手段、42
…経路計算手段、43…経路誘導手段、44…地図描画
手段、45…現在位置演算手段、46…マップマッチ処
理手段、47…データ読み込み処理手段、48…メニュ
ー描画手段、49…グラフィックス処理手段、61…初
期データクリップ手段、62…座標変換手段、63…描
画判定手段、64…データクリップ手段、65…描画命
令発行手段、66…スクロールキー、67…縮尺変更キ
ー、68…投射角度変更キー、69…筐体、70…タッ
チセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09B 29/10 G09B 29/10 A (72)発明者 遠藤 芳則 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 藤原 敏雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐竹 弘之 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 正嶋 博 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 岸 則政 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 渡部 眞幸 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 平野 元幹 神奈川県座間市広野台2丁目4991番地 株 式会社ザナヴィ・インフォマティクス内 Fターム(参考) 2C032 HB22 HB25 HC08 HC23 HC24 HC25 HC30 HD03 2F029 AA02 AB01 AB07 AB13 AC02 AC04 AC13 AC14 AC18 AD07 5B050 BA07 BA17 EA12 EA27 FA02 5H180 AA01 BB02 BB04 BB12 CC12 FF05 FF12 FF13 FF22 FF24 FF25 FF27 FF33 FF35

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像表示装置と、 地図を表示するための地図データを保持する地図記憶手
    段と、 上記地図記憶手段から読み出した地図データを用いて地
    図の描画データを作成し、該描画データを用いて地図の
    画像を上記画像表示装置に表示する地図描画手段とを備
    える地図表示装置において、 上記地図描画手段は、 上記地図データに含まれる座標データを変換する座標変
    換手段を備え、 上記座標変換手段は、 定められた位置を視点として、定められた投射平面に、
    上記地図データに含まれる座標データを透視変換して、
    鳥瞰図の描画データを作成する透視変換手段を備えるこ
    とを特徴とする地図表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 入力装置をさらに備え、 上記座標変換手段は、 上記入力装置を介して、上記視点の位置の入力を受け付
    ける手段と、 上記地図データに含まれるあらかじめ定められた2地点
    の座標、および、上記入力された視点位置をもとに、上
    記透視変換後の上記2地点の描画位置があらかじめ定め
    られた位置になるように、上記投射平面を決定する手段
    とを備えることを特徴とする地図表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、 入力装置をさらに備え、 上記座標変換手段は、 上記入力装置を介して、縮尺率の入力を受け付ける手段
    と、 上記地図データに含まれるあらかじめ定められた2地点
    の座標、および、上記入力された縮尺率をもとに、上記
    透視変換後の上記2地点の描画位置があらかじめ定めら
    れた位置になり、描画の縮尺率が上記入力された縮尺率
    になるように、上記視点の位置および上記投射平面を決
    定する手段とを備えることを特徴とする地図表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、 入力装置をさらに備え、 上記座標変換手段は、 上記入力装置を介して、上記地図データの定義された平
    面と、上記投射平面とのなす角度である投射角度の入力
    を受け付ける手段と、 上記入力された投射角度、および、定められた視点位置
    をもとに、上記投射平面を決定する手段とを備えること
    を特徴とする地図表示装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、 上記透視変換を行わずに、平面図の描画データを作成す
    る手段と、 上記鳥瞰図および上記平面図のいずれの描画データを作
    成するかを決定する描画決定手段とをさらに備えること
    を特徴とする地図表示装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 入力装置をさらに備え、 上記座標変換手段は、 上記入力装置を介して、上記鳥瞰図および上記平面図の
    いずれの描画データを作成するかの指示を受け付ける描
    画選択受け付け手段を、さらに備え、 上記描画決定手段は、上記描画選択受け付け手段の受け
    付けた指示に応じて、作成する描画データを決定するこ
    とを特徴とする地図表示装置。
  7. 【請求項7】請求項5において、 上記地図描画手段は、 上記作成する描画データを、上記鳥瞰図および上記平面
    図のいずれか一方から他方へ変更する場合には、 上記鳥瞰図を得るための投射角度を第1の投射角度とす
    るとき、該第1の投射角度よりも小さい第2の投射角度
    を用いて透視変換した一以上の第2の鳥瞰図の描画デー
    タを、上記座標変換手段に作成させ、 上記第1の投射角度による透視変換により得られる鳥瞰
    図の表示と、上記平面図の表示との間に、 上記第2の鳥瞰図の描画データを用いて、地図の画像を
    上記画像表示装置に表示する投射角度変更手段を、さら
    に備えることを特徴とする地図表示装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、 上記投射角度変更手段は、 互いに異なる二以上の上記第2の投射角度を用いて、二
    以上の上記第2の鳥瞰図の描画データを作成する手段
    と、 上記作成する描画データの変更が、上記鳥瞰図から上記
    平面図への変更であれば、上記二以上の第2の鳥瞰図
    を、投射角度の大きい順に表示し、 上記作成する描画データの変更が、上記平面図から上記
    鳥瞰図への変更であれば、上記二以上の第2の鳥瞰図
    を、投射角度の小さい順に表示することを特徴とする地
    図表示装置。
  9. 【請求項9】請求項6において、 上記地図描画手段は、 上記入力装置を介して、上記地図データに含まれる任意
    の地点の指定を受け付ける手段を、さらに備え、 上記描画決定手段は、上記任意の地点の指定の受け付け
    に際しては、作成する描画データを、平面図の描画デー
    タとすることを特徴とする地図表示装置。
  10. 【請求項10】請求項1において、 上記地図データは、文字列データとして、文字列の位置
    を認識するためのベクトルデータと、文字列のイメージ
    を認識するためのイメージデータとを含み、 上記座標変換手段は、上記地図データのうち、上記イメ
    ージデータについては、上記透視変換を行わないことを
    特徴とする地図表示装置。
  11. 【請求項11】請求項1において、 上記地図描画手段は、 上記描画データに含まれる一以上のノードのデータにつ
    いて、描画対象とするか否か判定し、描画対象としない
    ノードのデータは、描画データから削除する描画判定手
    段を、さらに備え、 上記地図描画手段は、上記描画判定手段により処理され
    た後の上記描画データを用いて地図の画像を上記画像表
    示装置に表示することを特徴とする地図表示装置。
  12. 【請求項12】請求項11において、 上記判定は、 上記ノードのデータが文字列のデータであれば、該文字
    列の上記透視変換後の表示画面における表示位置の底辺
    からの高さが、あらかじめ定められた基準値以下か否か
    により行われることを特徴とする地図表示装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、 上記基準値は、 表示画面の高さを1とするとき、底辺から2/3である
    ことを特徴とする地図表示装置。
  14. 【請求項14】請求項11において、 上記判定は、 上記ノードのデータが文字列のデータであれば、上記地
    図データにおいて該文字列の定義された位置と、上記視
    点との距離が、あらかじめ定められた基準値以下か否か
    により行われることを特徴とする地図表示装置。
  15. 【請求項15】請求項11において、 上記判定は、 上記ノードのデータが文字列のデータであれば、上記地
    図データにおいて該文字列の定義された位置と、地図デ
    ータに含まれるあらかじめ定められた地点との距離が、
    あらかじめ定められた基準値以下か否かにより行われる
    ことを特徴とする地図表示装置。
  16. 【請求項16】請求項11において、 上記各ノードの少なくとも一部は、あらかじめ属性が定
    義されており、 上記描画判定手段は、表示画面の表示領域ごとにあらか
    じめ定められている属性に適合する属性のノードのデー
    タは描画対象とし、適合しない属性のノードのデータは
    描画対象としないことを特徴とする地図表示装置。
  17. 【請求項17】請求項1において、 上記座標変換手段は、 上記地図データに含まれるあらかじめ定められた2地点
    の間の距離に応じて、上記投射角度を変化させることを
    特徴とする地図表示装置。
  18. 【請求項18】請求項17において、 上記座標変換手段は、上記2地点間の距離が短いほど、
    投射角度を小さくすることを特徴とする地図表示装置。
  19. 【請求項19】請求項1において、 上記地図データは、文字列のデータを含み、 上記地図描画手段は、 上記文字列の表示の優先順位を定める手段と、 上記地図の表示において、一以上の上記文字列の表示位
    置が重複する場合には、該重複する文字列のうち、上記
    優先順位の最も高い文字列を表示する文字列並べ替え手
    段とを備えることを特徴とする地図表示装置。
  20. 【請求項20】請求項19において、 上記優先順位は、 表示画面における上記文字列の表示位置の表示画面にお
    ける底辺からの高さに応じて定められることを特徴とす
    る地図表示装置。
  21. 【請求項21】請求項20において、 上記優先順位は、表示画面における上記文字列の表示位
    置が表示画面における底辺からの高さが低いほど、高く
    定められることを特徴とする地図表示装置。
  22. 【請求項22】請求項19において、 上記優先順位は、 上記地図データに含まれている、あらかじめ定められた
    地点と、上記文字列の定義された地点との距離に応じて
    定められることを特徴とする地図表示装置。
  23. 【請求項23】請求項22において、 上記優先順位は、 上記あらかじめ定められた地点と上記文字列の定義され
    た地点との距離が短いほど、高く定められることを特徴
    とする地図表示装置。
  24. 【請求項24】画像表示装置と、 地図を表示するための地図データを保持する地図記憶手
    段と、 上記地図記憶手段から読み出した地図データを用いて地
    図の描画データを作成し、該描画データを用いて地図の
    画像を上記画像表示装置に表示する地図描画手段とを備
    える地図表示装置において、 上記地図データは、文字列のデータを含み、 上記地図描画手段は、 上記文字列の表示の優先順位を定める手段と、 上記地図の表示において、一以上の上記文字列の表示位
    置が重複する場合には、該重複する文字列のうち、上記
    優先順位の最も高い文字列を表示する文字列並べ替え手
    段とを備えることを特徴とする地図表示装置。
  25. 【請求項25】画像表示装置と、 地図を表示するための地図データを保持する地図記憶手
    段と、 上記地図記憶手段から読み出した地図データを用いて地
    図の描画データを作成し、該描画データを用いて地図の
    画像を上記画像表示装置に表示する地図描画手段と、 自位置を認識する現在位置認識手段とを備える地図表示
    装置において、 上記地図描画手段は、 上記地図データに含まれる座標データを変換する座標変
    換手段を備え、 上記座標変換手段は、 定められた位置を視点として、定められた投射平面に、
    上記地図データに含まれる座標データを透視変換して、
    鳥瞰図の描画データを作成する透視変換手段を備えるこ
    とを特徴とするナビゲーションシステム。
  26. 【請求項26】請求項25において、 入力装置をさらに備え、 上記座標変換手段は、 上記入力装置を介して、上記視点の位置の入力を受け付
    ける手段と、 上記地図データに含まれるあらかじめ定められた2地点
    の座標、および、上記入力された視点位置をもとに、上
    記透視変換後の上記2地点の描画位置があらかじめ定め
    られた位置になるように、上記投射平面を決定する手段
    とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
  27. 【請求項27】請求項26において、 上記2地点の内の一方は、 上記現在位置認識手段により認識された自位置であるこ
    とを特徴とするナビゲーションシステム。
  28. 【請求項28】請求項25において、 入力装置をさらに備え、 上記座標変換手段は、 上記入力装置を介して、縮尺率の入力を受け付ける手段
    と、 上記地図データに含まれるあらかじめ定められた2地点
    の座標、および、上記入力された縮尺率をもとに、上記
    透視変換後の上記2地点の描画位置があらかじめ定めら
    れた位置になり、描画の縮尺率が上記入力された縮尺率
    になるように、上記視点の位置および上記投射平面を決
    定する手段とを備えることを特徴とするナビゲーション
    システム。
  29. 【請求項29】請求項28において、 上記2地点の内の一方は、 上記現在位置認識手段により認識された上記自位置であ
    ることを特徴とするナビゲーションシステム。
  30. 【請求項30】請求項25において、 入力装置をさらに備え、 上記座標変換手段は、 上記現在位置認識手段により認識された上記自位置と、 上記入力装置を介して指定の入力を受け付けた目的地と
    の距離に応じて、上記投射角度を変化させることを特徴
    とするナビゲーションシステム。
  31. 【請求項31】請求項25において、 上記地図データは、文字列のデータを含み、 上記地図描画手段は、 上記描画データに含まれる文字列のデータについて、上
    記地図データにおいて該文字列の定義された位置と、上
    記現在位置認識手段により認識された上記自位置の対応
    する地図データ上の地点との距離に応じて描画対象とす
    るか否か判定し、描画対象としないノードのデータは、
    描画データから削除する描画判定手段を、さらに備え、 上記地図描画手段は、上記描画判定手段により処理され
    た後の上記描画データを用いて地図の画像を上記画像表
    示装置に表示することを特徴とするナビゲーションシス
    テム。
  32. 【請求項32】請求項25において、 上記地図データは、文字列のデータを含み、 上記地図描画手段は、 上記文字列の表示の優先順位を定める手段と、 上記地図の表示において、一以上の上記文字列の表示位
    置が重複する場合には、該重複する文字列のうち、上記
    優先順位の最も高い文字列を表示する文字列並べ替え手
    段とを備え、 上記優先順位は、 上記現在位置認識手段により認識された上記自位置の対
    応する地図データ上の地点と、上記文字列の定義された
    地点との距離に応じて定められることを特徴とするナビ
    ゲーションシステム。
  33. 【請求項33】請求項25において、 上記座標変換手段は、 上記現在位置認識手段により認識された上記自位置の表
    示位置の座標の高さ成分が、表示画面の高さを1とする
    とき、1/3以下になるように視点または投射角度と、
    投射平面とを定める手段を備えることを特徴とするナビ
    ゲーションシステム。
  34. 【請求項34】地図データを用いて鳥瞰図で表現された
    地図の描画データを作成する鳥瞰図作成方法において、 定められた位置を視点として、定められた投射平面に、
    上記地図データに含まれる座標データを透視変換して、
    鳥瞰図の描画データを作成することを特徴とする鳥瞰図
    作成方法。
  35. 【請求項35】請求項34において、 上記視点の位置の入力を受け付けるステップと、 上記地図データに含まれるあらかじめ定められた2地点
    の座標、および、上記入力された視点位置をもとに、上
    記透視変換後の上記2地点の描画位置があらかじめ定め
    られた位置になるように、上記投射平面を決定するステ
    ップとを備えることを特徴とする鳥瞰図作成方法。
  36. 【請求項36】請求項34において、 縮尺率の入力を受け付けるステップと、 上記地図データに含まれるあらかじめ定められた2地点
    の座標、および、上記入力された縮尺率をもとに、上記
    透視変換後の上記2地点の描画位置があらかじめ定めら
    れた位置になり、描画の縮尺率が上記入力された縮尺率
    になるように、上記視点の位置および上記投射平面を決
    定するステップとを備えることを特徴とする鳥瞰図作成
    方法。
  37. 【請求項37】請求項34において、 上記地図データの定義された平面と、上記投射平面との
    なす角度である投射角度の入力を受け付けるステップ
    と、 上記入力された投射角度、および、定められた視点位置
    をもとに、上記投射平面を決定するステップとを備える
    ことを特徴とする鳥瞰図作成方法。
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