JP3893325B2 - 入力表示装置及び入力表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力表示装置及び入力表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置は、予め複数の縮尺率に対応した地図情報を格納する記憶装置を備えており、この記憶装置からデフォルトで設定された縮尺率の地図情報が選択されて読み出され、所定の縮尺率の地図がナビゲーション画面に表示されている。そこで、ユーザは、必要に応じて手動操作により、地図を拡大または縮小して、ユーザの用途に応じた広域地図または詳細地図を表示させていた。
【0003】
ここで、ユーザの手動操作により、地図を縮小、拡大して表示させる方法としては、例えば、タッチパネルが備えられる入力表示装置である場合、ナビゲーション画面上に表示されている拡大・縮小キーを、希望する縮尺率に応じて複数回タッチ指示する方法がある。これにより、タッチ指示の回数に応じて、所定の縮尺率の地図情報が記憶装置から読み出され、目的とする縮尺率の地図が表示される構成となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のナビゲーションの入力表示装置にあっては、拡大・縮小キーがタッチ指示された場合、タッチ指示の回数に応じて、例えば、2倍、4倍、8倍、…、1/2倍、1/4倍、1/8倍、…というように、予め設定された所定間隔にて段階的に拡大、縮小が行われるため、ユーザが希望する正確な縮尺率にて地図を表示できない場合があった。また、目的とする縮尺率に到達するまでに、何度もタッチ指示を行わなければならず、手間がかかるという問題があった。或いは、地図の拡大、縮小を行うたびに音声案内により、地図を拡大、縮小する旨のアナウンスが入るため、煩わしさがあると共に、必要以上に車載バッテリを消費するという問題があった。
【0005】
さらに、ユーザは、1回のタッチ指示で切り替えられる縮尺率を感覚的につかみにくいため、段階的に縮尺率を切り替える場合、その都度地図を表示させて確認する必要がある。ここで、1回のタッチ指示で縮尺率が切り替えられ、地図情報が読み込まれるのに数秒間を要するため、目的とする縮尺率の地図を表示させるまでにかなりの時間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、ナビゲーション画面に表示される地図の縮尺率を容易かつ素早く切り替えて表示することが可能な入力表示装置及び入力表示方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、
任意の縮尺率により表示可能な地図情報を記憶する記憶手段から前記地図情報を取得して表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段の表面における入力操作に応じた位置座標を検出する位置検出手段と、を備える入力表示装置において、
前記位置検出手段により検出された入力操作の位置座標が、所定の軌跡を描いているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記入力操作の位置座標が所定の軌跡を描いていると判別された場合に、前記位置検出手段により検出された入力操作の操作方向を検出する方向検出手段と、
前記位置検出手段により検出された入力操作の位置座標に基づいて、前記入力操作の軌跡から前記表示手段の外周辺までの離間距離を算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段により演算された前記入力操作の軌跡から前記表示手段の外周辺までの離間距離及び前記方向検出手段により検出された操作方向に基づいて、地図情報の縮尺率を算出する縮尺率算出手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記方向検出手段により検出された入力操作の操作方向及び前記縮尺率算出手段により算出された縮尺率に基づいて、前記表示手段に表示されている地図情報を拡大又は縮小して前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明において、
前記位置検出手段により検出された入力操作の位置座標に基づいて、前記入力操作の軌跡の略中心を算出する中心算出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記中心算出手段により算出された前記入力操作の軌跡の略中心に表示されていた地図情報を前記表示手段の中心に配置して表示させることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明は、
任意の縮尺率により表示可能な地図情報を記憶する記憶手段から前記地図情報を取得して表示手段に表示させる工程と、前記表示手段の表面における入力操作に応じた位置座標を検出する工程と、を含む入力表示方法において、
前記検出された入力操作の位置座標が、所定の軌跡を描いているか否かを判別する工程と、
前記入力操作の位置座標が所定の軌跡を描いていると判別された場合に、前記検出された入力操作の操作方向を検出する工程と、
前記検出された入力操作の位置座標に基づいて、前記入力操作の軌跡から前記表示手段の外周辺までの離間距離を算出する工程と、
前記入力操作の軌跡から前記表示手段の外周辺までの離間距離及び前記検出された操作方向に基づいて、地図情報の縮尺率を算出する工程と、
前記検出された入力操作の操作方向及び前記算出された縮尺率に基づいて、前記表示手段に表示されている地図情報を拡大又は縮小して前記表示手段に表示させる工程と、
を含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。以下では、本発明の入力表示装置がナビゲーション装置に適用された場合を例として説明を行う。
【0012】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、本実施の形態におけるナビゲーション装置1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すようにナビゲーション装置1は、CPU11、GPSアンテナ12aを備えるGPSユニット12、自律航法ユニット13、メモリ14、表示部15a及びタッチパネル15bを備える入力表示装置15、地図情報DB16aを備える記憶装置16等から構成され、各部はバスにより接続されている。
【0013】
CPU11は、記憶装置16に記憶されている各種システムプログラムを読み出して実行し、ナビゲーション装置1の各部を駆動制御する。また、GPSユニット12、自律航法ユニット13、入力表示装置15等を介して入力されるデータに基づいて、記憶装置16に記憶されたナビゲーション用の各種アプリケーションプログラムを読み出して、現在位置検出処理、経路探索処理、拡大縮小処理等の各種処理を実行し、処理結果を表示部15aに表示させる。なお、CPU11は、本発明の表示制御手段、判別手段、方向検出手段、距離算出手段、縮尺率算出手段、中心算出手段としての機能を有している。
【0014】
具体的に、CPU11は、本発明に特徴的な処理として後述する拡大縮小処理(図4参照)を実行する。ここで、図2〜3を参照して、拡大縮小処理を実行する際のCPU11の機能について説明する。まず、CPU11は、拡大縮小処理を実行するに際して、タッチパネル15bにより、ユーザから入力されたタッチ指示が検出されると、入力されたタッチ指示のX,Y座標を取得する。
【0015】
ここで、CPU11は、タッチパネル15bにより検出されたX,Y座標が、略円状の軌跡を描いているか否かを判断する。そして、検出されたX,Y座標が、点、線又は他の形状の軌跡を描いている場合、CPU11は、タッチ指示に応じた処理を行う。また、タッチパネル15bにより検出されたX,Y座標が、略円状の軌跡を描いている場合、CPU11は、検出された略円状の軌跡が右回りに入力されたか、左周りに入力されたかを判断する。
【0016】
ここで、軌跡が右回りに入力されていた場合、CPU11は、タッチ指示が拡大指示であると判断する。そして、図2(a)に示すように、CPU11は、検出された軌跡のX,Y座標において、タッチパネル15bの外周辺、即ち表示可能領域の外端部を構成する4辺からそれぞれ最も近い位置にある4点A〜DのX,Y座標を抽出する。また、CPU11は、抽出した4点A〜Dの交点Gを算出する。
【0017】
続いて、図2(b)に示すように、CPU11は、取得した交点Gが中心に位置するように表示情報を配置して、4点A〜Dに対応する4点A´〜D´のX,Y座標を算出する。次いで、算出された4点A´〜D´のX,Y座標に基づいて、4点A´〜D´から、タッチパネル15bの外周辺までの距離a〜dをそれぞれ算出して、外周辺からの最も距離が近い点を抽出する。ここで、図2(b)においては、4点A´〜D´から外周辺までの距離は、a<c<d<bとなっているため、外周辺から最も距離が近い点は、点A´となる。
【0018】
そして、CPU11は、4点の交点Gが表示部15aの中心に配置された状態で、現在点A´に表示されている表示情報が、点A´から外周辺に対して引かれた垂線hと外周辺とが交わる点Pに位置するように、地図情報を拡大して、表示部15aに表示する。
【0019】
より詳細に説明すると、CPU11は、点A´から点Pまでの距離(即ち、点A´から外周辺までの距離)aと、点G´から点Pまでの距離(即ち、点G´から外周辺までの距離)gを取得して、(g−a)を算出する。ここで、タッチパネル15bの表示可能領域における縦長がl、横長がmである場合、gはm/2であり、(g−a)は(m/2−a)となる。そして、CPU11は、(m/2−a)をm/2まで拡大して表示することとなるため、縮尺率は、m/(m−2a)となる。したがって、CPU11は、交点Gを表示部15aの中心に配置すると共に、現在表示されている地図情報をm/(m−2a)倍することにより、点A´に表示されている表示情報を、点Pに位置するように地図情報を拡大して表示することができる。
【0020】
一方、図3(a)に示すように、タッチ指示が左回りに入力された場合、CPU11は、タッチ指示が縮小指示であると判断する。そして、CPU11は、タッチパネル15bの外周辺を構成する4辺からそれぞれ最も近い位置にある4点A〜DのX,Y座標を抽出すると共に、4点A〜Dの交点Gを算出する。続いて、図3(b)に示すように、CPU11は、取得した交点Gが中心に位置するように表示情報を配置して、4点A〜Dに対応する4点A´〜D´のX,Y座標を算出する。
【0021】
そして、CPU11は、算出された4点A´〜D´のX,Y座標に基づいて、4点A´〜D´から外周辺までの距離a〜dをそれぞれ算出して、外周辺からの最も距離が近い点を抽出する。ここで、図3(b)においては、4点A´〜D´から外周辺までの距離は、c<a<d<bとなっているため、外周辺から最も距離が近い点は、点C´となる。
【0022】
そして、CPU11は、4点の交点Gが表示部15aの中心に配置された状態で、点C´から外周辺に対して引かれた垂線hと外周辺とが交わる点Pに表示されている表示情報が、点C´に位置するように、地図情報を縮小して、表示部15aに地図の表示を行う。
【0023】
より詳細に説明すると、CPU11は、点C´から点Pまでの距離(即ち、点C´から外周辺までの距離)cと、点G´から点Pまでの距離(即ち、点G´から外周辺までの距離)gを取得して、(g−c)を算出する。ここで、タッチパネル15bの表示可能領域における縦長がl、横長がmである場合、gはm/2であり、(g−c)は(m/2−c)となる。そこで、CPU11は、m/2を(m/2−c)まで縮小して表示することとなるため、縮尺率は、(m−2c)/mとなる。したがって、CPU11は、交点Gを表示部15aの中心に配置すると共に、現在表示されている地図情報を(m−2c)/m倍することにより、点Pに表示されている表示情報を、点C´に位置するように地図情報を縮小して表示させることができる。
【0024】
図1に戻り、GPSユニット12は、GPSアンテナ12aを備え、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPSアンテナ12aは、少なくとも3個のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両の絶対的な現在位置(緯度、経度)を検出して、CPU11に出力する。
【0025】
自律航法ユニット13は、角度センサ、距離センサ等を備えて構成される。角度センサは、車の角速度(単位時間あたりの水平方向への回転角度)を検出して、移動方位の変化量を算出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力されるパルス信号を検出して、車両の移動量を算出する。自律航法ユニット13は、これら角速度信号および車速パルス信号により、車両の相対的な位置変化を算出してCPU11に出力する。
【0026】
メモリ14は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成され、CPU11によって実行される各種プログラムやこれら各種プログラムにかかるデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0027】
入力表示装置15は、表示部15a、タッチパネル15bを備えて構成されている。表示部15aは、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力されるナビゲーション用の表示情報や、タッチパネル15bを介して入力される入力情報を表示する。タッチパネル15bは、光学式、赤外線走査式、再帰反射式の座標読み取り原理でタッチ指示された位置座標(X,Y座標)を検出し、検出した位置座標を位置信号としてCPU11に出力する。なお、表示部15aは、本発明の表示手段としての機能を有し、タッチパネル15bは、本発明の位置検出手段としての機能を有している。
【0028】
記憶装置16は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を備え、この記録媒体内に、CPU11により実行されるナビゲーション装置1の各種アプリケーション、およびこれらのプログラムにかかるデータ等を記憶する。例えば、記録媒体には、上記処理を行うための現在位置検出処理、経路探索処理、拡大縮小処理等の各種プログラムや、ナビゲーション装置1の動作に関する各種設定内容が記録された設定データ、或いは複数の縮尺率に対応する地図情報がそれぞれ格納される地図情報データベース(DB)16aを記憶している。なお、記憶装置16は、本発明の記憶手段としての機能を有している。
【0029】
具体的に、地図情報DB16aは、例えば、縮尺率1/100万程度に日本地図が描画された全国図、縮尺率1/40万程度の近隣3県前後を含む地方図、縮尺率1/20万程度の県単位の地域図、縮尺率1/10万程度の市単位の市街図、縮尺率1/5万程度の詳細市街図、縮尺率1/2万〜1/1500程度の詳細拡大図等を地図情報として記憶している。なお、地図の作成は、ベクトル入力に行われているため、任意の縮尺率にて拡大、縮小が可能である。
【0030】
また、地図情報は、車両の現在位置の検出、マップマッチング、ナビゲーションの表示等に使用する地図データ、道路の属性(例えば、道路名、国道、県道、有料道路、あるいは、一方通行路等)、道路のつながり(例えば、三叉路、十字路、T字路等)、道路、施設、海、湖等の各種シンボルデータ等を含んでいる。
【0031】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
なお、以下に示す図4のフローチャートに記述されている各機能を実現するためのプログラムは、読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶装置16に格納されており、CPU11は、このプログラムコードに従った動作を逐次実行する。また、図示しないCD−ROM、DVD―ROM等から外部供給されるプログラム/データを利用してこの実施の形態特有の動作を実行することも可能である。
【0032】
図4は、CPU11により実行される拡大縮小処理を示すフローチャートである。図4に示すように、CPU11は、タッチパネル5bにより、タッチ指示の入力が検出されると(ステップS1)、入力されたタッチ指示に応じたX,Y座標を取得する(ステップS2)。次いで、CPU11は、取得されたタッチ指示のX,Y座標が、略円状の軌跡を描いているか否かを判断し(ステップS3)、取得されたタッチ指示のX,Y座標が、点、線又は他の図形を描いている場合(ステップS3;NO)、タッチ指示に応じた他の処理を実行する。
【0033】
一方、取得されたタッチ指示のX,Y座標が、略円状の軌跡を描いている場合(ステップS3;YES)、CPU11は、略円状の軌跡が右回りに入力されているか、左周りに入力されているかを判断する(ステップS4)。ここで、入力されたタッチ指示の軌跡が右回りである場合(ステップS4;YES)、CPU11は、タッチ指示が拡大指示であると判断する。
【0034】
続いて、CPU11は、タッチパネル15bの外周辺を構成する4辺からの離間距離がそれぞれ最短となる4点A〜DのX,Y座標を抽出し(ステップS5)、抽出した4点A〜Dの交点Gを算出する(ステップS6)。続いて、CPU11は、取得した交点Gを表示部15aの中心に配置させ(ステップS7)、4点A〜Dに対応する4点A´〜D´のX,Y座標をそれぞれ算出する。そして、CPU11は、算出した4点A´〜D´のうち、外周辺からの離間距離が最も近い点を抽出する(ステップS8)。
【0035】
さらに、CPU11は、抽出した点から外周辺までの離間距離を算出して、この離間距離に基づいて縮尺率を算出する。そして、CPU11は、交点Gを表示部15aの中心に配置させると共に、算出された縮尺率に基づいて地図情報を拡大して表示させ(ステップS9)、本拡大縮小処理を終了する。
【0036】
一方、ステップS4に戻って、入力されたタッチ指示の軌跡が左周りである場合(ステップS4;NO)、CPU11は、タッチ指示が縮小指示であると判断する。続いて、CPU11は、タッチパネル15bの外周辺を構成する4辺からの離間距離がそれぞれ最短となる4点A〜DのX,Y座標を抽出し(ステップS10)、抽出した4点A〜Dの交点Gを算出する(ステップS11)。次いで、CPU11は、取得した交点Gを表示部15aの中心に配置させ(ステップS12)、4点A〜Dに対応する4点A´〜D´のX,Y座標をそれぞれ算出する。
【0037】
そして、CPU11は、算出した4点A´〜D´のうち、外周辺からの離間距離最も近い点を抽出する(ステップS13)。さらに、CPU11は、抽出した点から外周辺までの離間距離を算出して、この離間距離に基づいて表示させる地図情報の縮尺率を算出する。そして、CPU11は、交点Gを表示部15aの中心に配置させると共に、算出された縮尺率に基づいて地図情報を縮尺して表示させ(ステップS14)、本拡大縮小処理を終了する。
【0038】
以上のように、本実施の形態によれば、ナビゲーション装置1のCPU11は、タッチパネル15bにより検出されるタッチ指示のX,Y座標に基づいて、入力されたタッチ指示の軌跡が略円状であるかを判断し、タッチ指示の軌跡が略円状であった場合に、略円状の軌跡が入力された入力方向に基づいて、拡大又は縮小のどちらの指示であるかを判断する。また、入力された略円状の軌跡の中心を算出して、この中心に表示されていた表示情報を表示部15aの中心に配置させると共に、タッチパネル15bの外周辺から最も近い点を抽出し、この点から外周辺までの離間距離に基づいて縮尺率を決定し、地図情報を拡大又は縮小して、表示部15aに表示させる。
【0039】
したがって、ユーザは、現在表示部15aに表示されている地図情報を拡大又は縮小して表示させる場合に、表示部15aの所望の領域において、略円状の軌跡を左右いずれかの方向から描くことにより、略円状の軌跡に囲まれた領域を中央に表示させる共に、タッチパネルの外周辺から略円状の軌跡までの最短離間距離に応じて縮尺率を決定させ、地図情報を拡大又は縮小して表示させることができる。
【0040】
これにより、ユーザは、段階的に地図情報を拡大又は縮小させる手間及び時間を省くことができ、拡大又は縮小の指示を入力する度に行われる音声案内を一度の案内に抑えることができる。また、拡大に際しては、略円状に囲んだ領域が表示部15aの略全面に表示されるように地図情報を拡大することができるため、拡大される地図情報を感覚的に認識しながら指示を入力することができる。一方、縮小に際しても、略円状に囲んだ領域内に、現在表示部15aに表示されている地図情報が略収まるように縮小して表示することができるため、縮小される地図情報を感覚的に認識することができる。
【0041】
また、略円状の軌跡に囲まれた領域を表示部15aの中央に配置して表示させるため、常にユーザの見たい領域を最も見やすい位置に表示させることができる。即ち、例えば、拡大するにつれて目的とする領域が表示画面から押し出されることがなく、縮小するにつれて目的とする領域を見失ってしまうことがない。さらに、拡大及び移動の操作を一操作で行えるため、操作性が向上する。
【0042】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明にかかる好適なナビゲーション装置1の一例であり、これに限定されるものではない。
本実施の形態においては、タッチ指示により入力される軌跡が略円状である場合を例として説明したが、これに限らず、その他種々の形状の軌跡により、指示を入力することが可能である。例えば、タッチパネル15b上において、直線的なタッチ指示により入力が行われた場合、入力された方向に応じて、拡大又は縮小の判断を行う共に、入力された直線の長さに応じて縮尺率を算出して、地図情報を表示させる構成であっても良い。また、上述した方法と同様に、直線の開始点及び終了点のX,Y座標を算出し、タッチパネル15bの外周辺からの離間距離に基づいて、縮尺率を算出する構成であっても良い。さらに、入力された直線の中心を算出し、算出された中心を表示部15aの中心に配置させて表示させる構成であっても良い。
【0043】
さらに、本実施の形態においては、タッチパネルの外周辺から略円状の軌跡までの最短離間距離に応じて縮尺率を決定する構成としたが、これに限らず、最長離間距離に応じて縮尺率を決定する構成であっても良い。また、入力操作の左右方向に応じて、拡大又は縮小を決定する構成としたが、これらも任意に変更可能であることは勿論である。
【0044】
その他、本実施の形態におけるナビゲーション装置1の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、煩雑な操作を必要とせずに、表示手段における簡単な操作により、ユーザの所望する縮尺率にて地図情報を拡大又は縮小して、表示手段に速やかに表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態におけるナビゲーション装置1の様部構成を示すブロック図である。
【図2】表示部15aにおける拡大指示の入力操作及び縮尺率の決定方法を説明する図である。
【図3】表示部15aにおける縮小指示の入力操作及び縮尺率の決定方法を説明する図である。
【図4】図1のCPU11により実行される拡大縮小処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ナビゲーション装置
11 CPU
12 GPSユニット
12a GPSアンテナ
13 自律航法ユニット
14 メモリ
15 入力表示装置
15a 表示部
15b タッチパネル
16 記憶装置
16a 地図情報DB
Claims (3)
- 任意の縮尺率により表示可能な地図情報を記憶する記憶手段から前記地図情報を取得して表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段の表面における入力操作に応じた位置座標を検出する位置検出手段と、を備える入力表示装置において、
前記位置検出手段により検出された入力操作の位置座標が、所定の軌跡を描いているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記入力操作の位置座標が所定の軌跡を描いていると判別された場合に、前記位置検出手段により検出された入力操作の操作方向を検出する方向検出手段と、
前記位置検出手段により検出された入力操作の位置座標に基づいて、前記入力操作の軌跡から前記表示手段の外周辺までの離間距離を算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段により演算された前記入力操作の軌跡から前記表示手段の外周辺までの離間距離及び前記方向検出手段により検出された操作方向に基づいて、地図情報の縮尺率を算出する縮尺率算出手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記方向検出手段により検出された入力操作の操作方向及び前記縮尺率算出手段により算出された縮尺率に基づいて、前記表示手段に表示されている地図情報を拡大又は縮小して前記表示手段に表示させることを特徴とする入力表示装置。 - 前記位置検出手段により検出された入力操作の位置座標に基づいて、前記入力操作の軌跡の略中心を算出する中心算出手段を備え、
前記表示制御手段は、前記中心算出手段により算出された前記入力操作の軌跡の略中心に表示されていた地図情報を前記表示手段の中心に配置して表示させることを特徴とする請求項1記載の入力表示装置。 - 任意の縮尺率により表示可能な地図情報を記憶する記憶手段から前記地図情報を取得して表示手段に表示させる工程と、前記表示手段の表面における入力操作に応じた位置座標を検出する工程と、を含む入力表示方法において、
前記検出された入力操作の位置座標が、所定の軌跡を描いているか否かを判別する工程と、
前記入力操作の位置座標が所定の軌跡を描いていると判別された場合に、前記検出された入力操作の操作方向を検出する工程と、
前記検出された入力操作の位置座標に基づいて、前記入力操作の軌跡から前記表示手段の外周辺までの離間距離を算出する工程と、
前記入力操作の軌跡から前記表示手段の外周辺までの離間距離及び前記検出された操作方向に基づいて、地図情報の縮尺率を算出する工程と、
前記検出された入力操作の操作方向及び前記算出された縮尺率に基づいて、前記表示手段に表示されている地図情報を拡大又は縮小して前記表示手段に表示させる工程と、
を含むことを特徴とする入力表示方法。
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