JPH0868645A - ナビゲーションシステム - Google Patents

ナビゲーションシステム

Info

Publication number
JPH0868645A
JPH0868645A JP20383594A JP20383594A JPH0868645A JP H0868645 A JPH0868645 A JP H0868645A JP 20383594 A JP20383594 A JP 20383594A JP 20383594 A JP20383594 A JP 20383594A JP H0868645 A JPH0868645 A JP H0868645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display
character data
data
small area
overlap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20383594A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Watabe
眞幸 渡部
Norimasa Kishi
則政 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP20383594A priority Critical patent/JPH0868645A/ja
Priority to US08/384,715 priority patent/US5793310A/en
Publication of JPH0868645A publication Critical patent/JPH0868645A/ja
Priority to US09/092,641 priority patent/US6011494A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】システムパフォーマンスを損なわないより少な
い計算量で,地図図形と文字との対応がとれ,地名等文
字の重なりが少なく,見易い効果的な地図表示を実現し
得るナビゲーションシステムを提供することを目的とす
る。 【構成】地図図形データやこれに付記される地名等文字
データを含む地図情報を記憶する外部記憶装置110
と,自車両位置等から地図上の表示基準点を決定する表
示基準点決定装置120と,表示基準点決定装置120
により決定された表示基準点に基づき,表示に必要な地
図情報を外部記憶装置110から呼び出し表示内容を決
定する演算処理装置130と,演算処理装置130の出
力を地図画像として表示する画像表示装置140とを具
備し,演算処理装置130は,予め定められた画面の小
領域分割にしたがって,同一小領域内に表示される地名
等文字データの中から1個を選んで表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,地図情報を画像情報
に変換して表示する車載用,携帯用を含むナビゲーショ
ンシステムに係り,特に,システムパフォーマンスを損
なわないより少ない計算量で,地図図形と文字との対応
がとれ,地名等文字の重なりが少なく,見易い効果的な
地図表示を実現し得るナビゲーションシステムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のナビゲーションシステムとして
は,例えば図21に示すようなものがある。この従来の
ナビゲーションシステムは,外部記憶装置2110,表
示基準点決定装置2120,演算処理装置2130,お
よび画像表示装置2140から構成されている。
【0003】さらに,演算処理装置2130を機能別に
分解すると,表示対象領域決定部2131,データアク
セス部2132,地図データ座標変換部2133,文字
表示位置決定部2134,および画像データ出力部21
35から構成され,文字表示位置決定部2134は比較
演算部2134aおよび表示文字データリスト2134
bを有している。
【0004】以下,本従来例のナビゲーションシステム
の動作を,図22に示すフローチャートを参照して説明
する。先ず,文字表示位置決定部2134が内部の表示
文字データリスト2134bの内容を初期化する(S2
201)。
【0005】次に,表示対象領域決定部2131が表示
基準点決定装置2120の出力に基づいて表示対象とな
る地図上の領域を求める(S2202)。この領域は,
例えば自車両の現在位置を中心とする一定領域となり,
その大きさは地図の表示縮尺から決定される。この自車
両位置のような表示領域を決定する基準となる点を,以
後「表示基準点」と呼ぶ。
【0006】なお,表示基準点決定装置2120の例と
しては,GPSセンサ(GPS:Global Positioning S
ystem )等により自車両の現在位置を計測して,これを
表示基準点として出力する自車両位置計測装置や,予め
登録された地点リストから利用者入力により1つを選択
して表示基準点として出力する登録地点呼び出し装置,
或いは,前回の表示基準点に利用者入力により定められ
る変位を加えて新しい表示基準点として出力するスクロ
ール変位入力装置等が考えられる。
【0007】次に,表示対象領域決定部2131の定め
た領域の地図描画に必要な地図情報を,データアクセス
部2132が外部記憶装置2110から選択して読み込
み,内部に保持しておく(S2203)。必要な情報の
うち,それ以前に既に読み込まれ保持されているものに
ついては再度読み込む必要はない。
【0008】この地図情報には,道路・水系など複数の
点を構成点とする折れ線や多角形等の形で表現される地
図図形データと,これらに付記される地名等文字データ
が含まれる。
【0009】図13は地名等文字データが有する情報内
容の説明図である。同図に示すように,地名等文字デー
タLは,情報として名称Nとその地図座標系における位
置座標Pを持っている。描画の際,位置座標Pは画面上
の表示位置を指定する画面座標系の表示位置座標Qに変
換される。また名称Nは,基本的には表示位置座標Qを
その左下隅とする矩形領域(文字表示領域)A内に,表
示縮尺にかかわらず一定フォントで表示されるものとす
ると,画面上の文字表示領域Aは,表示位置座標Q,名
称Nを構成する文字数,およびフォントの大きさから容
易に求められる。
【0010】再び図22のフローチャートにおいて,地
図データ座標変換部2133は,データアクセス部21
32が保持するデータ(地図図形データおよび地名等文
字データを含む)の各々に対して,地図座標系から画面
座標系への座標変換を施す(S2204)。表示対象領
域に基づき決定された共通の座標変換式が,地図図形デ
ータに対してはこれを構成する各構成点の座標にそれぞ
れ適用され,地名等文字データに対しては位置座標Pに
適用されて表示位置座標Qを得る。
【0011】次にS2205において,座標変換したデ
ータが地図図形データであれば,該地図図形データが画
像データ出力部2135に送られて,S2212の処理
に移行する。
【0012】一方,座標変換したデータが地名等文字デ
ータの場合は,変換により得られた表示位置座標Qと名
称N等の他の情報が文字表示位置決定部2134に送ら
れ,この地名等文字データLn に対して画面上の文字表
示領域An が算出される(S2206)。そしてこれを
表示文字データリスト2134bの内容と比較して,文
字表示の重なりの有無を調べる。なお,表示文字データ
リスト2134bには,S2201の初期化以降,画面
上に表示される全ての地名等文字データLi の文字表示
領域Ai が記憶されている。そこで比較演算部2134
aが各文字表示領域Ai と算出した文字表示領域An
を比較する(S2207)。
【0013】S2208において,全ての文字表示領域
i に対して文字表示領域An が重なりを持たなけれ
ば,文字表示領域An を表示文字データリスト2134
bに追加登録して,新たに文字表示領域Ai とする(S
2211)。さらに,地名等文字データLn が画像デー
タ出力部2135に送られて,S2212の表示処理に
移行する。S2208においてもし重なりがあるなら,
文字表示位置決定部2134は,地名等文字データLn
の表示位置座標Qn に変位δを与え,該変位δに基づき
文字表示領域An を再計算する(S2210)。
【0014】そして再び,全ての文字表示領域Ai と再
計算された文字表示領域An とを比較して表示領域の重
なりを調べる(S2207およびS2208)。S22
08において重なりがなければ,再計算された文字表示
領域An を表示文字データリスト2134bに追加登録
して新たに文字表示領域Ai とし(S2211),変位
δにより表示位置座標Qn を変更した地名等文字データ
n が画像データ出力部2135に送られて,表示処理
(S2212)に移行する。
【0015】変位δは,文字表示領域An が全ての文字
表示領域Ai と重なりを持たない必要(だが必ずしも十
分ではない)条件に基づき計算される変位である。
【0016】S2209において,与えられた制約の下
で適当な変位δを見つけることができない場合には,例
えば,予め定められた最大変位δ0 よりも大きくなる場
合や,予め定められた試行回数を繰り返しても文字表示
領域An を全ての文字表示領域Ai と重なりを持たない
ものとすることができない場合等には,変位δは算出不
能であるとする。この場合,当該システムは地名等文字
データLn の表示を放棄し,S2213に進む。この
時,文字表示位置決定部2134の内部記憶における文
字表示領域Ai は変更されない。
【0017】このようにして,地図図形データであれば
その全てが,また地名等文字データであれば表示が重な
らないもののみが画像データ出力部2135に送られ,
画像データとして画像表示装置2140に出力される
(S2212)。この時,必要に応じてクリッピング等
の画像処理が行われる。
【0018】画像データ出力後,データアクセス部21
32が保持する全てのデータに対して処理を終えたかど
うかが調べられ(S2213),未処理データが残って
いるなら再びS2204に戻って,次のデータについて
座標変換以降の処理(S2204〜S2213)を繰り
返す。
【0019】また,S2213において表示すべきデー
タが残っておらず,且つ地図表示処理を続ける(S22
14)のであれば,画面更新のためにS2201に戻
り,表示文字データリスト2134bのクリアから処理
を繰り返す。
【0020】以上の動作により,本従来例のナビゲーシ
ョンシステムでは,地名等文字データの重なりを発生す
ることなく地図画像を表示することができる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,このよ
うな従来のナビゲーションシステムにあっては,地名等
文字データの重なり表示を避けるための計算を厳密に行
い,しかも可能な限り全ての地名等文字データを画面上
に表示させようとする構成となっていたため,これらの
計算量が膨大なものとなり,システムパフォーマンスを
大きく損なうという問題点があった。
【0021】また,表示の重なりを避けるために文字表
示位置を変更することにより,地図図形と表示される文
字との位置関係が損なわれて対応がとりにくくなるとい
う問題点もあった。
【0022】この発明は,このような従来の問題点に着
目してなされたもので,システムパフォーマンスを損な
わないより少ない計算量で,地図図形と文字との対応が
とれ,地名等文字の重なりが少なく,見易い効果的な地
図表示を実現し得るナビゲーションシステムを提供する
ことを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,この発明の請求項1に係るナビゲーションシステム
は,図1に示す如く,道路・水系等の地図図形データや
これに付記される地名等文字データを含む地図情報を記
憶する外部記憶装置110と,自車両位置等から地図上
の表示基準点を決定する表示基準点決定装置120と,
前記表示基準点決定装置120により決定された表示基
準点に基づき,表示に必要な地図情報を前記外部記憶装
置110から呼び出し表示内容を決定する演算処理装置
130と,前記演算処理装置130の出力を地図画像と
して表示する画像表示装置140とを具備し,前記演算
処理装置130は,予め定められた画面の小領域分割に
したがって,同一小領域内に表示される地名等文字デー
タの中から1個を選んで表示するものである。
【0024】また,請求項2に係るナビゲーションシス
テムは,請求項1記載のナビゲーションシステムにおい
て,前記演算処理装置130は,分割小領域毎に1個定
められた表示候補の地名等文字データについて,隣接す
る左右の小領域にそれぞれ属する地名等文字データとの
重なりを判別し,複数の地名等文字データが重なると判
断した場合,それらの一部を間引いて表示するものであ
る。
【0025】また,請求項3に係るナビゲーションシス
テムは,請求項1または2記載のナビゲーションシステ
ムにおいて,前記演算処理装置130は,分割小領域毎
に1個定められた表示候補の地名等文字データについ
て,隣接する上または下の小領域,或いはそれに加えて
該上または下の小領域の左右に隣接する小領域にそれぞ
れ属する地名等文字データとの重なりを判別し,複数の
地名等文字データが重なると判断した場合,それらの一
部を間引いて表示するものである。
【0026】また,請求項4に係るナビゲーションシス
テムは,請求項1,2または3に記載のナビゲーション
システムにおいて,前記演算処理装置130は,分割小
領域毎に1個定められた表示候補の地名等文字データに
ついて,横方向の地名等文字データとの重なりと,縦方
向の地名等文字データとの重なりの両者をそれぞれ判別
し,複数の地名等文字データが重なると判断した場合,
それらの一部を間引いて表示するものである。
【0027】また,請求項5に係るナビゲーションシス
テムは,請求項1,2,3または4記載のナビゲーショ
ンシステムにおいて,前記演算処理装置130の扱う分
割小領域は,画面の分割小領域に加え,画面外に拡張し
て想定された小領域を含み,前記演算処理装置130
は,画面外に近接する地名等文字データを部分的に表示
するものである。
【0028】さらに,請求項6に係るナビゲーションシ
ステムは,請求項1,2,3,4または5記載のナビゲ
ーションシステムにおいて,前記地名等文字データは,
その属性として表示重要度を有し,前記演算処理装置1
30は,前記表示重要度に基づき表示する地名等文字デ
ータの選択を行うものである。
【0029】
【作用】この発明の請求項1に係るナビゲーションシス
テムでは,図1に示す如く,自車両位置等から地図上の
表示基準点を表示基準点決定装置120で決定し,該決
定された表示基準点に基づき,表示に必要な地図情報を
外部記憶装置110から呼び出して演算処理装置130
により表示内容を決定し,画像表示装置140で地図画
像を出力表示するナビゲーションシステムにおいて,演
算処理装置130は,予め定められた画面の小領域分割
にしたがって,同一小領域内に表示される地名等文字デ
ータの中から1個を選んで表示するようにしている。こ
のように,予め定められた画面の小領域分割に基づき同
一小領域内に存在する地名等文字データの中から1個を
選んで表示し,また,表示の重なりを避けるための文字
表示位置の変更を行わないので,システムパフォーマン
スを損なわないより少ない計算量で,地図図形と文字と
の対応がとれた重なりの少ない見易い地図表示を実現で
きる。
【0030】また,請求項2に係るナビゲーションシス
テムでは,演算処理装置130は,分割小領域毎に1個
定められた表示候補の地名等文字データについて,隣接
する左右の小領域にそれぞれ属する地名等文字データと
の重なりを判別し,複数の地名等文字データが重なると
判断した場合,それらの一部を間引いて表示するように
している。このように,個々の地名等文字データ同士の
重なり合いを計算せずに,左右に隣接する小領域間での
み文字表示の重なり検出計算を行うので,計算量を大幅
に削減することができ,見易い地図表示を高いシステム
パフォーマンスで実現できる。
【0031】また,請求項3に係るナビゲーションシス
テムでは,演算処理装置130は,分割小領域毎に1個
定められた表示候補の地名等文字データについて,隣接
する上または下の小領域,或いはそれに加えて該上また
は下の小領域の左右に隣接する小領域にそれぞれ属する
地名等文字データとの重なりを判別し,複数の地名等文
字データが重なると判断した場合,それらの一部を間引
いて表示するようにしている。したがって,請求項2に
係るナビゲーションシステムと同様に,個々の地名等文
字データ同士の重なり合いを計算せずに,上下に隣接す
る小領域間,或いは上下小領域の左右に隣接する小領域
間でのみ文字表示の重なり検出計算を行うので,計算量
を大幅に削減することができ,見易い地図表示を高いシ
ステムパフォーマンスで実現できる。
【0032】また,請求項4に係るナビゲーションシス
テムでは,演算処理装置130は,分割小領域毎に1個
定められた表示候補の地名等文字データについて,横方
向の地名等文字データとの重なりと,縦方向の地名等文
字データとの重なりの両者をそれぞれ判別し,複数の地
名等文字データが重なると判断した場合,それらの一部
を間引いて表示するようにしている。したがって,請求
項2および請求項3に係るナビゲーションシステムと同
様に,個々の地名等文字データ同士の重なり合いを計算
せずに,横方向の地名等文字データ間と,縦方向の地名
等文字データ間でのみそれぞれ文字表示の重なり検出計
算を行うので,計算量を大幅に削減することができ,見
易い地図表示を高いシステムパフォーマンスで実現でき
る。
【0033】また,請求項5に係るナビゲーションシス
テムでは,演算処理装置130の扱う分割小領域とし
て,画面の分割小領域に加えて画面外に拡張して想定さ
れた小領域をも含ませ,演算処理装置130は,画面外
に近接する地名等文字データを部分的に表示するように
している。このように,画面外の仮想小領域中に存在す
る地名等文字データについても表示対象の候補に加える
こととしたため,画面外に近接する地名等文字データを
部分的に表示することができ,使用者により多くの情報
を提供することができる。
【0034】さらに,請求項6に係るナビゲーションシ
ステムでは,地名等文字データは,その属性として表示
重要度を有し,演算処理装置130は,地名等文字デー
タの表示重要度に基づき表示する地名等文字データの選
択を行うものである。このように,表示する地名等文字
データの選択に,地名等文字データの属性である表示重
要度を考慮することとしたので,より必要とされる地図
情報を的確に表示でき,より効果的な地図表示を行うこ
とができる。
【0035】
【実施例】以下,この発明のナビゲーションシステムに
ついて,〔実施例1〕,〔実施例2〕,〔実施例3〕の
順で図面を参照して詳細に説明する。
【0036】〔実施例1〕図1は,この発明の実施例1
に係るナビゲーションシステムの構成図である。同図に
おいて,実施例1のナビゲーションシステムは,地図情
報を記憶しておく外部記憶装置110と,地図上の表示
基準点を決定する表示基準点決定装置120と,各種演
算処理を行う演算処理装置130と,地図情報を表示す
る画像表示装置140とを備えて構成される。
【0037】さらに,演算処理装置130は,表示対象
領域決定部131,データアクセス部132,地図デー
タ座標変換部133,表示文字データ選択部134およ
び画像データ出力部135を備えて構成され,表示文字
データ選択部134は,小領域照合部134a,表示候
補文字データ記憶部134bおよび比較演算部134c
を具備している。
【0038】次に,実施例1のナビゲーションシステム
の作用を説明する。図3は実施例1のナビゲーションシ
ステムの動作を説明するフローチャートである。同図に
おいて,先ず,表示文字データ選択部134は,内部の
表示候補文字データ記憶部134bの内容をクリアして
初期化する(S301)。その後,表示対象領域の決定
(S302),外部記憶からの地図情報の読み込み(S
303),並びに地図データの座標変換(S304)が
行われるが,これらの処理については,従来例と同様に
実行される。
【0039】次に,S305において,座標変換したデ
ータが地図図形データならば画像データ出力部135に
送られ,クリッピング等の処理が施されて画像データと
して画像表示装置140に出力される(S309)。
【0040】一方,S305において地名等文字データ
L(図13参照)である場合には,先ず,表示文字デー
タ選択部134の小領域照合部134aに送られ,この
地名等文字データが画面上のどの小領域内に表示される
か,すなわち,どの小領域に属するかが判別される(S
306)。
【0041】表示画面は,予め図14に示すような大き
さの等しい矩形の小領域に分割されているものとする。
各小領域の大きさは,1つの小領域内に1個の地名を表
示することを目安に定められるものとし,例えば,高さ
Hは名称を表示するフォントの高さHf に等しくとり,
幅Wについては,「大部分の名称が3文字以下である」
と大まかな仮定を置いて,フォント幅Wf の3倍に等し
くとる,などとして設定される。
【0042】また実施例1では,さらに表示画面全体を
過不足なく等しい大きさの小領域に分割するために,表
示画面全体の幅をWd ,高さをHd とおいて, W=Wd /〔Wd /3Wf 〕, H=Hd /〔Hd /Hf 〕 …(1) と定める。ここに〔x〕はxより大きくない最大の整数
を表す。これにより,間に1つ以上の小領域を挟む(隣
接しない)2つの小領域に対して,そのそれぞれに属す
る地名等文字データは名称が3文字以下である限り表示
が重ならないことが保証される。
【0043】小領域照合部134aに送られた地名等文
字データLは,画面座標系に変換された表示位置座標Q
(xq ,yq )を有している。ここに画面座標系は,図
14に示すように,画面の右方向をx,上方向をyとす
る2次元座標系であり,画面左下隅の点は(xo ,yo
)で表されるものとする。
【0044】また小領域は,x方向にn個,y方向にm
個それぞれ並んでおり,総数はn×m個とする。(1)
式から容易にわかるように, n=〔Wd /3Wf 〕,m=〔Hd /Hf 〕 …(2) である。
【0045】ここで左からi+1番目,下からj+1番
目に位置する小領域をSij(0≦i≦n−1,0≦j≦
m−1)と表すことにすると,S306は,与えられた
地名等文字データLに対して,これが属する小領域Sij
の位置を次式により求めることに他ならない。 i=〔(xq −xo )/W〕,j=〔(yq −yo )/H〕 …(3)
【0046】上式において,位置指標iまたはjのどち
らかが0≦i≦n−1,0≦j≦m−1の範囲外にある
場合には(S307),当該地名等文字データLは画面
上に表示されないものとして,実施例1では無視する。
【0047】地名等文字データLの属する小領域の位置
が小領域照合部134aで判別されると,これを表示候
補文字データ記憶部134bの相当する場所に記憶する
処理(S308)へ移る。
【0048】この記憶部は,1回の画面描画で表示され
る画面1枚分の地名等文字データの一時的な記憶であ
り,画面書き換えの度にS301でその内容がクリアさ
れて初期化される。
【0049】図2は,実施例1の表示候補文字データ記
憶部134bの構成図である。同図に示すように,表示
候補文字データ記憶部134bは,n×m個の小領域の
それぞれについて,これに属する地名等文字データ1個
の名称N,相対表示位置(xr,yr),地名属性等を
記憶する構成となっている。
【0050】ここで地名属性とは,外部記憶装置110
において地名等文字データに予め与えられている情報
で,その地名等文字データが表す地名等の種類や表示の
重要度等を示すものである。また相対表示位置(xr,
yr)は,表示位置座標(xq,yq )を当該地名等文
字データLの属する小領域Sijの左下隅の点に対する相
対座標で表したもの(図14)で, xr =xq −xo −i・W, yr =yq −yo −j・H …(4) で求められる。
【0051】図3のフローチャートにおいて,小領域照
合部134aによって小領域位置(i,j)を求めた地
名等文字データLを,表示候補文字データ記憶部134
bに記憶するために,比較演算部134cは,地名等文
字データLが予め与えられている表示条件を満足してい
るかどうかを調べ,満足していればこれを表示候補文字
データ記憶部134bの相当する場所に記憶する(S3
08)。
【0052】ここで表示条件とは,同一小領域内に属す
る地名等文字データの中から,実際に画面上に表示する
ものを1個選択するための選択基準であり,例えば,以
下のa)〜f)ような種々の条件が考えられる。
【0053】a)各小領域Sij内に予め部分領域を定
め,表示位置座標(xq ,yq )がこの部分領域内に存
在する地名等文字データのみを表示する。例えば,図1
3に示すような地名等文字データLの名称Nは,表示位
置座標(xq ,yq )を左下隅とする矩形領域内に表示
されるとすれば,部分領域として各小領域Sijの左下四
半分を考え,この中に表示位置座標を持つ地名等文字デ
ータのみ表示することにより,重なり表示を低減するこ
とができる。
【0054】b)表示位置座標(xq ,yq )が小領域
ijの左下隅に最も近いもの,例えば相対表示位置(x
r,yr)のx,y座標値の和(xr+yr),或いは
左下隅からの距離の2乗(xr2 +yr2 )が最小のも
のを選んで表示する。
【0055】c)相対表示位置のy座標値yrが最小の
ものを選んで表示する。例えば,実施例1のナビゲーシ
ョンシステムが地図を透視変換した鳥瞰図を表示する場
合に,y座標値が小さいということは地図を透視する視
点に近いことを意味する。
【0056】d)c)と逆に相対表示位置のy座標値y
rが最大のものを選んで表示する。例えば鳥瞰図表示の
場合,y座標値が大きいということは視点から遠いこと
を意味する。
【0057】e)予め地名属性として個々の地名等文字
データに与えられている表示の重要度が最も高いものを
選んで表示する。 f)上記a)〜e)の条件,或いはその他の条件から,
2つ以上の条件を任意に組み合わせて選択し,該複数の
条件を満たすものを表示する。
【0058】表示条件の定め方によってS308を実現
するアルゴリズムも変化するが,実施例1では,図4に
示すフローチャートの手順に従うこととする。先ず,与
えられた地名等文字データL1 に対して比較演算部はそ
の相対表示位置(xr1 ,yr1 )を(4)式により算
出する(S401)。次に,S402では,相対表示位
置(xr1 ,yr1 )が小領域Sijの左下四半分にある
かが,xr1 ≦W/2,yr1 ≦H/2により調べられ
る。どちらか一方でも満足されない時は,地名等文字デ
ータL1 は表示されないものとして,表示候補文字デー
タ記憶部134bには記憶されずに処理を終える。S4
02において左下四半分に存在する場合には,S403
に進んで,同じ小領域Sij内に表示候補として既に記憶
されている地名等文字データがないか,表示候補文字デ
ータ記憶部134bの相当する場所を調べる。
【0059】また,S403において,既に記憶されて
いる地名等文字データがない場合には,地名等文字デー
タL1 が表示されるものとしてS407に進み,相当す
る場所に名称N1 ,地名属性,相対表示位置(xr1 ,
yr1 )等を記憶して処理を終える。
【0060】さらに,S403において,既に記憶され
ている地名等文字データL2 が存在する場合には,S4
04に進んで,地名等文字データL1 およびL2 につい
て,相対表示位置座標値の和(xr1 +yr1 )および
(xr2 +yr2 )が比較される。前者が小さい場合に
は,地名等文字データL1 を表示候補として表示候補文
字データ記憶部134bの相当する場所を地名等文字デ
ータL1 の情報に書き換える(S407)。また,後者
が小さい場合には,表示候補は地名等文字データL2 の
ままで表示候補文字データ記憶部134bを更新せずに
処理を終える。さらに,等しい場合には,相対表示位置
のy座標値yr1 ,yr2 の比較(S405)に処理を
進める。
【0061】S405において,同様にして相対表示位
置のy座標値yr1 がyr2 よりも小さい場合には,表
示候補文字データ記憶部134bを地名等文字データL
1 の情報で更新し,相対表示位置のy座標値が等しい場
合には,表示の重要度を比較する処理(S406)に進
む。
【0062】S406において,地名等文字データL1
の重要度が高ければ,表示候補文字データ記憶部134
bを更新する。なお,全ての比較において地名等文字デ
ータL1 およびL2 の差異が認められない場合には,処
理速度の低下を抑えるため表示候補を地名等文字データ
L2 のままとし,表示候補文字データ記憶部134bを
更新せずに処理を終える。
【0063】再び図3のフローチャートに戻る。以上の
ように,地図図形データに対しては画像表示装置140
への出力が行われ(S309),地名等文字データに対
しては必要に応じて表示候補文字データ記憶部134b
の更新が行われると(S308),次に,データアクセ
ス部132が保持する全てのデータに対して,これらの
処理を終えたかどうかが調べられる(S310)。
【0064】S310において,未処理データが残って
いるなら再びS304に戻って,次のデータについて座
標変換以降の処理(S304〜S309)を繰り返す。
また,表示すべきデータが残っていなければ,表示文字
データ選択部134は,表示候補文字データ記憶部13
4bに記憶されている個々の地名等文字データを順に画
像データ出力部135に送り,画像データとして画像表
示装置140に出力する(S311)。
【0065】その際,相対表示位置(xr,yr)は
(4)式の逆算により画面座標系における表示位置座標
(xq ,yq )に変換される。或いは表示候補文字デー
タ記憶部は予め(xr,yr)と共に(xq ,yq )も
記憶する構成としておき,画像データ出力部に送る際に
は(xq ,yq )のみ送られることとしてもよい。
【0066】全ての表示候補文字データについて,画像
データ出力部135を経てクリッピング等の画像処理を
施され,画像表示装置140に出力されると,地図表示
処理を続けるかどうかが確認される(S312)。続け
るのであれば,画面更新のためにS301に戻り,表示
候補文字データ記憶部134bのクリアから処理を繰り
返す。
【0067】以上説明したように,実施例1のナビゲー
ションシステムによれば,予め定められた画面の小領域
分割に基づき,同一小領域内に存在する地名等文字デー
タの中から1個を選んで表示し,また表示の重なりを避
けるための文字表示位置の変更を行わないようにし,個
々の地名等文字データ同士の重なり合いを計算しないた
め,計算量を大幅に削減することができ,見易い地図表
示を高いシステムパフォーマンスで実現できる。
【0068】また,地名等文字データの重なり判断に,
地名等文字データの属性である表示重要度を考慮するこ
ととしたので,より必要とされる地図情報を的確に表示
でき,より効果的な地図表示を行うことができる。
【0069】〔実施例2〕図5は,この発明の実施例2
に係るナビゲーションシステムの構成図である。同図に
おいて実施例2のナビゲーションシステムは,外部記憶
装置510,表示基準点決定装置520,演算処理装置
530,および画像表示装置540を備えて構成され,
演算処理装置530は,表示対象領域決定部531,デ
ータアクセス部532,地図データ座標変換部533,
表示文字データ選択部534,および画像データ出力部
535を備えて構成されている。
【0070】実施例2のナビゲーションシステムは,前
述の実施例1の構成において,表示文字データ選択部1
34中に文字データ重なり検出部534dを追加したも
のである。すなわち,実施例2の表示文字データ選択部
534は,小領域照合部534a,表示候補文字データ
記憶部534b,比較演算部534c,および文字デー
タ重なり検出部534dを備えて構成される。
【0071】また,実施例2の表示候補文字データ記憶
部534bの構成は,図6に示すように,n×m個の小
領域のそれぞれについて,これに属する地名等文字デー
タ1個の名称N,相対表示位置(xr,yr),および
地名属性に加えて,重なり数,左方・上下・右方のそれ
ぞれの地名等文字データに対する重なり度等をも記憶す
る構成となっている。これらの記憶内容の詳細について
は後述する。
【0072】図7に実施例2の作用を説明するフローチ
ャートを示す。先ず,表示候補文字データ記憶部534
bのクリア,表示対象領域の決定,外部記憶装置510
からの地図情報の読み込み,地図データの座標変換,地
図図形データの画像表示装置540への出力,地名等文
字データの表示候補文字データ記憶部534bへの登録
等は,実施例1と同様に実行される(S701〜S71
0)。
【0073】ただし,実施例2においては,S708に
おける比較演算を,実施例1における図4の手順より単
純な図8のフローチャートに示す手順で行うものとす
る。これは,実施例2では以下に述べるように,実施例
1で行っていなかった隣接する小領域間での地名等文字
データの重なり検出を行うため,地名等文字データの表
示条件(表示候補文字データ記憶部534bに記憶する
条件)を緩やかにして計算量を減らし,処理速度の低下
を抑えるためである。もちろん実施例1と同様に,図4
の手順にしたがってS708を実行してもよい。
【0074】図7のフローチャートにおいて,地図デー
タ座標変換部533が座標変換を行い,地図図形データ
ならば画像データ出力部535を経て画像表示装置54
0に出力し,地名等文字データならば必要に応じて表示
候補文字データ記憶部534bの内容を更新するという
手続きについて,データアクセス部532が保持する全
ての地図情報に対して終了すると,次に,S711で
は,文字データ重なり検出部534dが横方向に並ぶ表
示候補である地名等文字データの重なり検出を行い,必
要ならば,比較演算部534cがその一部を表示候補文
字データ記憶部534bから削除する。
【0075】このS711を実行する手順を図9のフロ
ーチャートに示す。以下では,表示画面において,下か
らj+1番目の位置にあるn個の小領域S0j,S1j
…,S n-1jをまとめて小領域行と呼び,SRj と表記す
る。横方向の重なり検出と表示候補の間引きは,m個の
小領域行の各々に対して独立に行うため,先ず小領域行
指定子jに“0”をセットする(S901)。
【0076】次に,文字データ重なり検出部534d
は,与えられた小領域行SRj に対して,その中のn個
の小領域に相当する表示候補文字データ記憶部534b
内の重なり数,重なり度を“0”にクリアする(S90
2)。
【0077】次に,隣接する2個の小領域の組み合わせ
(Skj,Sk+1j)の各々(0≦k≦n−2)について重
なりの有無を調べるため,指定子kを“0”にセット
(S903)した後,両者に属する表示候補である地名
等文字データが存在するか,表示候補文字データ記憶部
534bのSkj,Sk+1jに相当する場所を調べる(S9
04)。
【0078】S904において,少なくとも一方に地名
等文字データが存在しなければ,指定子kに1を加え
て,次の隣接小領域の組に処理を移す(S908)。
【0079】S904において,小領域Skj に地名等
文字データLk が,小領域Sk+1jに地名等文字データL
k+1 がそれぞれ存在するなら,それらの相対表示位置の
x座標値xrk ,xrk+1 に基づき,重なり度ovを計
算する(S905)。
【0080】図15は,横方向重なり検出における重な
り度の算出方法と表示候補文字データ記憶部534bの
内容を説明する図である。同図に示すように,相対表示
位置のx座標値xrk ,xrk+1 の基準原点は小領域の
幅Wだけ離れているから,2つの地名等文字データの表
示位置のx座標の差は(xrk+1 +W)−xrk であ
る。一方,地名等文字データLk の名称Nk から名称文
字数#k を求めれば,名称Nk の表示幅はフォント幅W
f を用いて#k ・Wf であるから,両者の差を重なり度
ovとする。すなわち, ov=(#k ・Wf −W)+(xrk −xrk+1 ) …(5)
【0081】或いは,ここで小領域幅Wを決定したとき
の大まかな仮定,すなわち,「大部分の名称は3文字以
下である」という仮定に基づき,全ての地名等文字デー
タLについて名称文字数#=3とおいてしまうと,
(1)式によりW≒3Wf であるから(5)式の第1項
は消えて, ov=xrk −xrk+1 …(6) となる。重なり度ovの算出には(5)式または(6)
式のどちらを用いてもよい。
【0082】次に,S906において,こうして求めら
れた重なり度ovが0以下であるならば,地名等文字デ
ータLk およびLk+1 は重なりを持たないと判断し,文
字データ重なり検出部534dは,S908により次の
隣接小領域の組に処理を移す。
【0083】S906において,重なり度ovが正なら
ば,地名等文字データLk は右方の地名等文字データL
k+1 に対して,逆に地名等文字データLk+1 は左方の地
名等文字データLk に対して互いに重なり合うから,文
字データ重なり検出部534dは表示候補文字データ記
憶部534bの相当する場所の内容を更新する(S90
7)。
【0084】すなわち,小領域Skjに対しては,重なり
数を1増やし,右方の重なり度にovを書き込む。また
小領域Sk+1jに対しては,重なり数を1増やし,左方の
重なり度にovを書き込む。以上の重なり検出手続き
を,0≦k≦n−2なる小領域の組み合わせ(Skj,S
k+1j)について繰り返す(S908)。その結果は例え
ば図15に示す如くなる。この場合,各小領域において
重なり数は2である。
【0085】次に,比較演算部534cが,予め与えら
れている非表示条件に基づき表示候補文字データ記憶部
534bから地名等文字データを適宜削除して,小領域
行SRj 内の全ての地名等文字データの重なり数が
“0”となるようにする(S909)。ここで非表示条
件とは,重なり数が“0”でない表示候補の地名等文字
データの中から実際に画面上に表示しないものを1個選
択するための選択基準であり,例えば以下のような種々
の条件が考えられる。 a)重なり数が最大の地名等文字データを非表示とす
る。 b)重なり度ovの和が最大の地名等文字データを非表
示とする。 c)重なり度ovの最大値または最小値または平均値が
最大の地名等文字データを非表示とする。 d)相対表示位置のy座標値yr が最大または最小の
地名等文字データを非表示とする。鳥瞰図表示の場合,
これは視点から遠いまたは近いことを意味する。 e)予め地名属性として与えられている表示の重要度が
最も低い地名等文字データを非表示とする。 f)上記a)〜e)の条件,或いはその他の条件から2
つ以上の条件を任意に組み合わせて選んだ地名等文字デ
ータを非表示とする。
【0086】非表示条件の定め方によって,S909を
実現する手順も変化するが,実施例2では図10に示し
たフローチャートに従うこととする。先ず,比較演算器
534cは,小領域行SR内の全ての表示候補の地名等
文字データの中から重なり数が“2”であるものを選
び,非表示候補リストCを作る(S1001)。
【0087】そして,非表示候補リストCの要素数(C
に含まれる地名等文字データの数)を調べ(S100
2),非表示候補リストCが空なら,S1011以降の
重なり数が“1”の地名等文字データの削除に処理を移
す。
【0088】また,非表示候補リストCの中に地名等文
字データが1つしか含まれていないなら,この地名等文
字データLk についてS1010の表示候補文字データ
記憶部534bからの削除の手続きに移る。非表示候補
リストCの中に複数の地名等文字データが含まれている
なら,その中で重なり度ovの和が最大のものを選び,
これを改めて非表示候補リストCとする(S100
3)。
【0089】再び,非表示候補リストCの要素数を調べ
(S1004),1個でないなら,つまり,重なり度o
vの和が等しく最大である地名等文字データが複数存在
するなら,この中から表示の重要度が最も低いものを選
び,これを改めて非表示候補リストCとする(S100
5)。
【0090】以下同様に,非表示候補リストCの要素が
複数なら(S1006),相対表示位置のy座標値yr
が最大のものを選んで非表示候補リストCとし(S1
007),まだ複数個の地名等文字データが残る場合
(S1008)には,最も画面の右側に表示される。す
なわち,横方向位置kが最大であるような小領域Skj
属する地名等文字データLk を選ぶ(S1009)。
【0091】以上の手続きにおいて,非表示候補リスト
Cに含まれる地名等文字データがL k 1個だけになった
ら,次に,これを表示候補文字データ記憶部534bか
ら削除する手続き(S1010)に移る。
【0092】地名等文字データLk を削除するには,先
ず,これと重なり合う表示候補の地名等文字データの記
憶内容を更新する。地名等文字データLk の重なり数は
“2”であるから,これと重なり合う地名等文字データ
はLk-1 ,Lk+1 の2つである。そこで先ず,地名等文
字データLk-1 が属する小領域Sk-1jの重なり数を1減
らし,右方の重なり度を“0”にクリアする。また,地
名等文字データLk+1が属する小領域Sk+1jの重なり数
を1減らし,左方の重なり度を“0”にクリアする。そ
の後,表示候補文字データ記憶部534bから地名等文
字データLk を削除する。すなわち,小領域Skjに相当
する場所の記憶内容を全てクリアし,重なり数も“0”
とする。
【0093】再びS1001に戻り,以下,小領域行S
j 内に重なり数が“2”の地名等文字データがなくな
るまでこれを繰り返し,重なり数が“1”の地名等文字
データの削除に処理を移す。小領域行SRj 内の全ての
地名等文字データの重なり数が1であるなら,重なり合
う地名等文字データの組(Lk ,Lk+1 )は互いに独立
で共通要素を持たない。そこで比較演算部534cは,
先ずこのような地名等文字データの2個組を見つける
(S1011)。
【0094】見つからなければ全ての地名等文字データ
の重なり数は“0”であるから,比較演算部534cは
処理を終え,図9のフローチャートのS910に戻って
指定子jに1を加え,次の小領域行の横方向の重なり検
出と表示候補の間引きを行う。
【0095】重なり合う地名等文字データの組(Lk
k+1 )が見つかったら,比較演算部534cは両者の
表示の重要度を比較し(S1012),低い方を削除対
象として選ぶ。重要度が同じ場合には相対表示位置のy
座標値yr が大きい方を選び(S1013),これも
等しいときは地名等文字データLk+1 を削除対象とす
る。削除対象が決まったら,もう一方の地名等文字デー
タについて重なり数と重なり度を“0”にクリアしてか
ら,削除対象の記憶内容を全てクリアする(S1014
またはS1015)。
【0096】再びS1011に戻り,以下,小領域行S
j 内の全ての地名等文字データの重なり数が“0”と
なるまで繰り返した後,比較演算部534cは処理を終
え,図9のフローチャートのS910に戻って指定子j
に1を加え,次の小領域行の横方向の重なり検出と表示
候補の間引きを行うため,S902に戻る。
【0097】こうして,0≦j≦m−1なる全ての小領
域行SRj について横方向の地名等文字データの重なり
検出と間引きを終えると,システムは図7のフローチャ
ートに戻ってS712に処理を移し,次に,縦方向の表
示候補の地名等文字データの重なり検出と必要に応じて
表示候補文字データ記憶部534bからの削除を行う。
【0098】これを実行する手順を図11のフローチャ
ートに示す。縦方向の重なり検出等は上下に隣接する2
つの小領域行の組(SRg ,SRg+1 )に対してそれぞ
れ独立に行う(0≦j≦m−2)ため,先ずこの2個組
の指定子gを“0”とする(S1101)。文字データ
重なり検出部534dが与えられた小領域行SRg ,S
g+1 の中の2n個の小領域S0g,S1g,…,Sn-1g
0g+1,S1g+1,…,Sn-1g+1に相当する表示候補文字
データ記憶部534b内の重なり数,重なり度を“0”
にクリアする(S1102)。
【0099】そして,下側にある小領域行SRg 中の小
領域Skgの各々について(0≦j≦m−1),これに隣
接する上側の小領域行中の3個の小領域Sk-1g+1,S
kg+1,Sk+1g+1との表示候補の地名等文字データの重な
りを調べるため,小領域指定子kを“0”とする(S1
103)。
【0100】小領域Skgに表示候補の地名等文字データ
が存在するかどうかを調べ(S1104),存在しなけ
れば小領域指定子kに1を加えて(S1117),その
右隣の小領域に処理を移す。表示候補の地名等文字デー
タLk g が存在する場合,3個の隣接小領域Sk-1g+1
kg+1,Sk+1g+1の各々について重なり検出手続きを順
次行う。
【0101】以下記法を簡略化するため,これら3個を
まとめて小領域SKg+1と表記する。先ず小領域SKg+1
表示候補の地名等文字データが存在するか調べ(S11
05,S1109,S1113),存在しなければ,次
のK(すなわち,K=k−1ならばK=k,また,K=
kならばK=k+1)または(K=k+1)ならば次の
下側小領域Skgに対する処理に移る。表示候補の地名等
文字データLKg+1が存在する場合,地名等文字データL
kgとLKg+1との縦方向重なり度ovy を相対表示位置y
座標値yrkg,yrKg+1に基づいて計算する(S110
6,1110,1114)。
【0102】図16(k=K=1の場合を図示)におい
て,2つの地名等文字データの相対表示位置座標の基準
原点はy方向に小領域高さHだけ離れており,(1)式
よりこれは表示フォント高さHf にほぼ等しいから,
(6)式の導出と同様に, ovy =yrkg−yrKg+1 …(7) とおく。これが“0”以下であるならば2つの表示候補
の地名等文字データは重なりを持たないから,次のKま
たは次の下側小領域Skgに対する処理に移る。対方向重
なり度ovy が正なら,次に,相対表示位置x座標値x
kg,xrKg+1に基づき,横方向重なり度ovx を計算
する(S1107,S1111,S1115)。
【0103】地名等文字データLk-1g+1とLkgの横方向
重なり度ovxを求める(S1107)には,図17
(k=1の場合を図示)において,表示候補の地名等文
字データLk-1g+1の名称が相対表示位置x座標値xrkg
より右に伸びる長さをovx とするのだから,(5)式
と同様に,地名等文字データLk-1g+1の名称文字数を#
k-1g+1とおいて, ovx =(#k-1g+1・Wf −W)+(xrk-1g+1−xrkg) …(8)
【0104】或いは,全ての地名等文字データの名称文
字数を“3”とし,W≒3Wf と仮定すると, ovx =xrk-1g+1−xrkg …(9) となり,(8)式または(9)式のどちらを用いてもよ
い。
【0105】また,地名等文字データLk+1g+1とLkg
横方向重なり度ovx を求める(S1115)には,図
17において,地名等文字データLkgの名称が相対表示
位置x座標値xrk+1g+1より右に延びる長さをovx と
するのだから, ovx =(#kg・Wf −W)+(xrkg−xrk+1g+1) …(10) 或いは,全ての地名等文字データの名称文字数を“3”
とし,W≒3Wf と仮定すると, ovx =xrkg−xrk+1g+1 …(11) となり,(10)式または(11)式のどちらを用いて
もよい。
【0106】さらに,地名等文字データLkg+1とLkg
横方向重なり度ovx を求める(S1111)には,図
16に示すように,相対表示位置x座標値xrkgがxr
kg+1よりも大きい場合には, ovx =#kg+1・Wf +xrkg+1−xrkg …(12) 逆に,相対表示位置x座標値xrkg+1がxrkgよりも大
きい場合には, ovx =#kg・Wf +xrkg−xrkg+1 …(13) 或いは,全ての地名等文字データの名称文字数を“3”
とし,W≒3Wf と仮定すると,(12)式および(1
3)式をまとめて ovx =W−|xrkg+1−xrkg| …(14) となる。
【0107】ここに|x|はxの絶対値を表す。したが
って,相対表示位置x座標値xrkg,xrkg+1の大小に
よって,(12)式および(13)式を使い分けるよう
にしてもよいし,一律に(14)式を用いてもよい。
【0108】こうして求められた横方向重なり度ovx
が“0”以下であるならば,表示候補の地名等文字デー
タLkgとLKg+1は重なりを持たないから,次のKまたは
次の下側小領域Skgに対する処理に移る。横方向重なり
度ovx も対方向重なり度ovy と同様に,正であれば
両者の和ovx +ovy を地名等文字データLkgとL
Kg+1の重なり度ovとする。或いは,2乗和ovx 2 +
ovy 2 をとってもよい。
【0109】そして,表示候補文字データ記憶部534
bの相当する場所の内容を更新する(S1108,S1
112,およびS1116)。すなわち,S1108で
は,小領域Sk-1g+1 に相当する場所の重なり数を1増
やし右方の重なり度をovとし,小領域Skgに相当する
場所の重なり数を1増やし左方の重なり度をovとす
る。
【0110】S1112では,小領域Skg+1,Skg共に
重なり数を1増やし上下の重なり度をovとする。S1
116では,小領域Sk+1g+1の重なり数を1増やし左方
の重なり度をovとし,小領域Skgの重なり数を1増や
し右方の重なり度をovとする。こうして,下側の小領
域行SRg 中の0≦k≦n−1なる各小領域Skgについ
て,それぞれ3個の隣接小領域との重なり検出手続きを
繰り返す(S1117)。その結果は例えば図18に示
すようになる。この場合,各小領域の重なり数は3であ
る。2つの小領域行の組(SRg ,SRg+1 )に対して
の重なり検出が終わると,比較演算部534cは,予め
与えられた非表示条件に基づき,この2つの小領域行に
含まれる表示候補の地名等文字データを表示候補文字デ
ータ記憶部534bから適宜削除して,全ての重なり数
が“0”となるようにする(S1118)。
【0111】この非表示条件としては,横方向の重なり
地名等文字データの間引きで考えたa)〜f)の条件等
と同様のものが考えられる。ここでは,図12に示した
フローチャートでS1118を実現することにする。
【0112】図10の横方向の場合と同様に,先ず,2
つの小領域行SRg ,SRg+1 内の全ての表示候補の地
名等文字データから重なり数が“3”であるものを選
び,非表示候補リストCを作る(S1201)。非表示
候補リストCが複数の地名等文字データを含む(S12
02)なら,この中で重なり度の和が最大のものを選
び,これを改めて非表示候補リストCとする(S120
3)。
【0113】以下,非表示候補リストCの中に複数個の
地名等文字データが残る(S1204,1206)限
り,表示の重要度の最も低いもの(S1205),相対
位置座標y座標値yr が最大のもの(S1207)を
順に選んで,改めて非表示候補リストCとおき,S12
08においてまだ複数個残る場合は,最も右上側にある
もの,すなわち,上側小領域行SRg+1 に属する地名等
文字データが残っているならその中で指定子kが最大で
あるような地名等文字データLkg+1を,残っていないな
ら下側小領域行SRg の中で指定子kが最大であるよう
な地名等文字データLkgを最終的に選ぶ(S120
9)。
【0114】記法を簡略化するため,以下これをLkZ
表記する。以上の手続きにおいて,非表示候補リストC
が空の場合は,S1211以降の重なり数“2”のデー
タの削除に処理を移し,また,非表示候補リストCに含
まれる地名等文字データがL kZ(Z=gまたはg+1)
1個だけになったら,次にこれを表示候補文字データ記
憶部534bから削除する手続きに移る(S121
0)。
【0115】地名等文字データLkZを削除するには,先
ず,これと重なり合う表示候補の地名等文字データの記
憶内容を更新する。再び記法簡略化のために,以下では
2つの小領域行番号g,g+1のうちZと異なるものを
*Zと表記する。すなわち Z=g ならば *Z=g+1 Z=g+1 ならば *Z=g である。地名等文字データLkZの重なり数は“3”であ
るからこれと重なり合う地名等文字データはLk-1*Z
k*Z ,Lk+1*Z の3つである。そこで,これらの重な
り数を1ずつ減らし,小領域Sk-1*z については右方の
重なり度を“0”とする。
【0116】また,小領域Sk*Z については上下の重な
り度を“0”とし,小領域Sk+1*Zについては左方の重
なり度を“0”とする。その後,小領域SkZに相当する
場所の記憶内容を全てクリアし,重なり数も“0”とす
る。
【0117】再びS1201に戻り,以下,小領域SR
g ,SRg+1 内に重なり数“3”の地名等文字データが
なくなるまで繰り返した後,重なり数“2”の地名等文
字データの間引きのため,S1211に処理を移す。重
なり数“3”の場合と同様に,全ての重なり数“2”の
地名等文字データを非表示候補リストCとし,重なり度
の和が最大のもの,表示の重要度の最も低いもの,相対
位置座標y座標値yrが最大のもの,最も右上側にある
ものと順に候補を絞って,最終的に1個の地名等文字デ
ータLkZを削除対象に選ぶ(S1211〜S121
9)。
【0118】これと重なり合う地名等文字データは,地
名等文字データLk-1*Z ,Lk*Z ,Lk+1*Z のうちの2
個であるから,これらの記憶内容を重なり数“3”の場
合と同様に更新してから,小領域SkZに相当する場所の
記憶内容を全てクリアし,重なり数も“0”とする(S
1220)。
【0119】再びS1211に戻り,以下,小領域SR
g ,SRg+1 内に重なり数“2”の地名等文字データが
なくなるまで繰り返した後,重なり数“1”の地名等文
字データの間引きのため,S1221に処理を移す。横
方向の間引きの時と同様に,比較演算部534cは,重
なり合う地名等文字データの2個組(Lk1g ,L
k2g+ 1 )を見つける(S1221)。そして両者の表示
の重要度を比較し,低い方を削除対象とする(S122
2)。
【0120】重要度が同じ場合は,上側の小領域行SR
g+1 にある地名等文字データLk2g+ 1 を削除対象とす
る。削除対象が決まったら,もう一方の地名等文字デー
タについて重なり数と重なり度を“0”にクリアしてか
ら,削除対象の記憶内容を全てクリアする(S1223
またはS1224)。
【0121】以下,2つの小領域行SRg ,SRg+1
全ての地名等文字データの重なり数が“0”となるまで
繰り返した後,比較演算部534cは処理を終え,図1
1のフローチャートのS1119に戻って,小領域行指
定子gに1を加え,次の2つの小領域行の縦方向の重な
り検出と表示候補の間引きを行う。
【0122】こうして,0≦g≦m−2なる全ての上下
隣接小領域行の組(SRg ,SRg+ 1 )について,縦方
向の地名等文字データ重なり検出と間引きを終え,図7
のフローチャートのS712を終える。
【0123】ここで実施例2では,縦方向の重なり検出
等を下側の小領域行から順に(SR 0 ,SR1 )→(S
m-2 ,SRm-1 )と行うこととしたが,逆に上側から
(SRm-2 ,SRm-1 )→(SR0 ,SR1 )と行って
もよい。この場合,図12のフローチャートのS120
9,S1219,およびS1222において,削除対象
として下側の小領域行SRg に属するものを優先して選
ぶようにすれば,次の小領域行の処理に移ったときの表
示候補の地名等文字データは少なくなっており,計算量
を減らすことができる。
【0124】また,図7のフローチャートにおいて,横
方向と縦方向の重なり検出等のS711,S712を逆
に行ってもよいし,計算量を少なくするためにどちらか
一方のみを行うにとどめてもよい。さらに,縦方向の重
なり検出においては,調べる隣接小領域を3個でなく上
または下側の1個に限ってもよい。この場合,各小領域
の重なり数は1であり,図12のフローチャートはS1
221から開始することになる。
【0125】再び図7のフローチャートにおいて,重な
り検出と表示候補の間引きの処理が終わると,先の実施
例1と同様に,表示文字データ選択部534が表示候補
文字データ記憶部534bに記憶されている個々の地名
等文字データを,順に画像データ出力部535に送り,
画像データとして画像表示装置540に出力する(S7
13)。全ての表示候補の地名等文字データが,画像デ
ータ出力部535を経てクリッピング等の画像処理を施
され,画像表示装置540に出力されると,地図表示処
理を続けるかどうかが確認される(S714)。続ける
のであれば,画面更新のためにS701に戻り,表示候
補文字データ記憶部534bのクリアから処理を繰り返
す。
【0126】以上説明したように,実施例2のナビゲー
ションシステムによれば,予め定められた画面の小領域
分割に基づき,隣接する小領域間でのみそれら各小領域
内に1個ずつ存在する地名等文字データの重なり合いを
計算し,重なるものを間引いて表示するようにしたた
め,全ての地名等文字データについて重なり合いを計算
する従来のシステムよりも少ない計算量で地図表示を実
現でき,また,実施例1より見易い地図表示を実現でき
る。
【0127】〔実施例3〕次に,この発明の実施例3に
係るナビゲーションシステムを説明する。実施例3の構
成は,先の実施例1または実施例2と同様の構成であ
る。但し,予め定める表示画面の分割小領域に加えて,
画面外に仮想的な小領域を想定し,これを含めた全小領
域に対して,表示候補の地名等文字データの選択および
重なり検出と間引き等を,先の実施例1または実施例2
とほぼ同様に行う。
【0128】例えば,図19に示すように,表示画面の
左側に接して画面内分割小領域の高さHと同じ高さの仮
想小領域S-10 ,S-11 ,…,S-1m-1 をおく。仮想小
領域の幅は画面内分割小領域と同じくWとてしもよい
し,仮想小領域毎に異なる幅を持ってもよい。
【0129】例えば,当該ナビゲーションシステムが地
図を透視変換した鳥瞰図を表示する場合,画面の上側の
地図表示縮尺は下側のそれに比べて小さくなる(縮小率
が高くなる)ため,各仮想小領域に対応する実際の地図
上の範囲を均等化して,画面外に表示位置を持つ地名等
名称の一部を表示したときの違和感を低減する目的で,
図19に示すように,上側の仮想小領域幅を下側より小
さくとってもよい。但し,画面内小領域の幅は,計算を
単純化するため一律にWとする。以下,仮想小領域S
-1j の幅をWj とおいて説明する。実施例3の作用につ
いても先の実施例1または実施例2とほぼ同様である。
但し,小領域行SRj はS-1j ,S0j,S 1j,…,S
n-1jのn+1個の小領域から構成されるものとする。
【0130】小領域照合部134aまたは534aにお
ける各地名等文字データの小領域位置の判別では,
(3)式によって求められた指定子i,jに対して,i
<0,且つ0≦j≦m−1の場合に限り, i=〔(xq −xo )/Wj 〕 …(15) で得られる指定子iが−1に等しいならば,この地名等
文字データの属する小領域をS-1j とする。
【0131】相対表示位置(xr,yr)の算出では,
仮想小領域S-1j 中の地名等文字データに限り,(4)
式の代わりに xr=xq −xo +Wj , yr=yq −yo −jH …(16) を用いる。また,小領域S-1j とS0jの横方向の重なり
度ovの算出は,(5)式の代わりに ov=(#-1・Wf −Wj )+(xr-1−xr0 ) …(17) を用い,名称文字数が仮想小領域幅Wj にほぼ等しいと
いう仮定は成り立たないため,(6)式は用いないほう
がよい。
【0132】同様に,小領域S-1Z とS0-Z の横方向の
重なり度ovx の算出は,(8)式,(10)式の代わ
りに ovx =(#-1Z ・Wf −WZ )+(xr-1Z −xr0*Z ) …(18) を用い,(9)式,(11)式は用いないほうがよい。
ここに, Z=g ならば *Z=g+1 Z=g+1 ならば *Z=g である。
【0133】さらに,小領域S-1g とS-1g+1 の横方向
の重なり度ovx の算出は,(12)式,(13)式,
(14)式の代わりに ovx =#-1Z ・Wf −|Wg −xr-1g −Wg+1 +xr-1g+1 | …(19) を用いる。ここに, Wg −xr-1g >Wg+1 −xr-1g+1 ならば Z=
g Wg −xr-1g <Wg+1 −xr-1g+1 ならば Z=
g+1 とする。図20には,Wg −xr-1g <Wg+1 −xr
-1g+1 の場合を図示した。
【0134】全ての仮想小領域の幅Wj がWに等しい場
合には,以上の式の置き換えは置き換え前と同じになる
ため,先の実施例1または実施例2と同じアルゴリズム
にしたがってよい。こうして,表示位置座標が表示画面
内に入らない地名等に対しても,表示画面に近接してい
るものについては,その名称を図19のように部分的に
表示することができる。
【0135】以上のように,実施例3のナビゲーション
システムによれば,予め定められた画面の小領域分割に
加えて,これに接する画面外の仮想小領域を想定し,こ
の中に存在する地名等文字データも表示対象の候補に加
えることとしたため,画面外に近接する地名等文字デー
タを部分的に表示することができ,使用者により多くの
情報を提供することができる。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように,この発明の請求項
1に係るナビゲーションシステムによれば,自車両位置
等から地図上の表示基準点を表示基準点決定装置で決定
し,該決定された表示基準点に基づき,表示に必要な地
図情報を外部記憶装置から呼び出して演算処理装置によ
り表示内容を決定し,画像表示装置で地図画像を出力表
示するナビゲーションシステムにおいて,演算処理装置
は,予め定められた画面の小領域分割に基づき同一小領
域内に存在する地名等文字データの中から1個を選んで
表示し,また,表示の重なりを避けるための文字表示位
置の変更を行わないこととしたので,システムパフォー
マンスを損なわないより少ない計算量で,地図図形と文
字との対応がとれた重なりの少ない見易い地図表示を実
現し得るナビゲーションシステムを提供することができ
る。
【0137】また,請求項2に係るナビゲーションシス
テムによれば,演算処理装置は,分割小領域毎に1個定
められた表示候補の地名等文字データについて,隣接す
る左右の小領域にそれぞれ属する地名等文字データとの
重なりを判別し,複数の地名等文字データが重なると判
断した場合,それらの一部を間引いて表示することと
し,個々の地名等文字データ同士の重なり合いを計算せ
ずに,左右に隣接する小領域間でのみ文字表示の重なり
検出計算を行うこととしたので,計算量を大幅に削減す
ることができ,見易い地図表示を高いシステムパフォー
マンスで実現し得るナビゲーションシステムを提供する
ことができる。
【0138】また,請求項3に係るナビゲーションシス
テムによれば,演算処理装置は,分割小領域毎に1個定
められた表示候補の地名等文字データについて,隣接す
る上または下の小領域,或いはそれに加えて該上または
下の小領域の左右に隣接する小領域にそれぞれ属する地
名等文字データとの重なりを判別し,複数の地名等文字
データが重なると判断した場合,それらの一部を間引い
て表示することとし,個々の地名等文字データ同士の重
なり合いを計算せずに,上下に隣接する小領域間,或い
は上下小領域の左右に隣接する小領域間でのみ文字表示
の重なり検出計算を行うこととしたので,計算量を大幅
に削減することができ,見易い地図表示を高いシステム
パフォーマンスで実現し得るナビゲーションシステムを
提供することができる。
【0139】また,請求項4に係るナビゲーションシス
テムによれば,演算処理装置は,分割小領域毎に1個定
められた表示候補の地名等文字データについて,横方向
の地名等文字データとの重なりと,縦方向の地名等文字
データとの重なりの両者をそれぞれ判別し,複数の地名
等文字データが重なると判断した場合,それらの一部を
間引いて表示することとし,個々の地名等文字データ同
士の重なり合いを計算せずに,横方向の地名等文字デー
タ間と,縦方向の地名等文字データ間でのみそれぞれ文
字表示の重なり検出計算を行うこととしたので,計算量
を大幅に削減することができ,見易い地図表示を高いシ
ステムパフォーマンスで実現し得るナビゲーションシス
テムを提供することができる。
【0140】また,請求項5に係るナビゲーションシス
テムによれば,演算処理装置の扱う分割小領域として,
画面の分割小領域に加えて画面外に拡張して想定された
小領域をも含ませ,演算処理装置は,画面外に近接する
地名等文字データを部分的に表示することとし,画面外
の仮想小領域中に存在する地名等文字データについても
表示対象の候補に加えることとしたので,画面外に近接
する地名等文字データを部分的に表示することができ,
使用者により多くの情報を提供し得るナビゲーションシ
ステムを提供することができる。
【0141】さらに,請求項6に係るナビゲーションシ
ステムによれば,地名等文字データは,その属性として
表示重要度を有し,演算処理装置は,地名等文字データ
の表示重要度に基づき表示する地名等文字データの選択
を行うこととし,表示する地名等文字データの選択に,
地名等文字データの属性である表示重要度を考慮するこ
ととしたので,より必要とされる地図情報を的確に表示
でき,より効果的な地図表示を行い得るナビゲーション
システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係るナビゲーションシス
テムの構成図である。
【図2】実施例1のナビゲーションシステムにおける表
示候補文字データ記憶部の構成図である。
【図3】実施例1のナビゲーションシステムの主要な作
用を説明するフローチャートである。
【図4】実施例1のナビゲーションシステムにおける表
示条件のチェック等の手順を説明するフローチャートで
ある。
【図5】この発明の実施例2に係るナビゲーションシス
テムの構成図である。
【図6】実施例2のナビゲーションシステムにおける表
示候補文字データ記憶部の構成図である。
【図7】実施例2のナビゲーションシステムの主要な作
用を説明するフローチャートである。
【図8】実施例2のナビゲーションシステムにおける表
示条件のチェック等の手順を説明するフローチャートで
ある。
【図9】実施例2における表示候補の地名等文字データ
の横方向表示重なりを検出する手順を説明するフローチ
ャートである。
【図10】実施例2における表示候補の地名等文字デー
タの横方向間引き手順を説明するフローチャートであ
る。
【図11】実施例2における表示候補の地名等文字デー
タの縦方向表示重なりを検出する手順を説明するフロー
チャートである。
【図12】実施例2における表示候補の地名等文字デー
タの縦方向間引き手順を説明するフローチャートであ
る。
【図13】地名等文字データが有する情報の内容を説明
する図である。
【図14】表示画面の小領域分割と画面座標系を説明す
る図である。
【図15】横方向重なり検出における重なり度の算出方
法と表示候補文字データ記憶部の内容を説明する図であ
る。
【図16】縦方向重なり検出におけるy方向重なり度等
の算出方法を説明する図である。
【図17】縦方向重なり検出におけるx方向重なり度等
の算出方法を説明する図である。
【図18】縦方向重なり検出後の表示候補文字データ記
憶部の内容例を示す図である。
【図19】実施例3のナビゲーションシステムにおいて
表示画面外に想定される仮想小領域を説明する図であ
る。
【図20】実施例3において隣接仮想小領域間のx方向
重なり度の算出方法を説明する図である。
【図21】従来のナビゲーションシステムの構成図であ
る。
【図22】従来のナビゲーションシステムの作用を説明
するフローチャートである。
【符号の説明】
110,510 外部記憶装置 120,520 表示基準点決定装置 130,530 演算処理装置 140,540 画像表示装置 131,531 表示対象領域決定部 132,532 データアクセス部 133,533 地図データ座標変換部 134,534 表示文字データ選択部 135,535 画像データ出力部 134a,534a 小領域照合部 134b,534b 表示候補文字データ記憶部 134c,534c 比較演算部 534d 文字データ重なり検出部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】こうして求められた横方向重なり度ovx
が“0”以下であるならば,表示候補の地名等文字デー
タLkgとLKg+1は重なりを持たないから,次のKまたは
次の下側小領域Skgに対する処理に移る。横方向重なり
度ovx も対方向重なり度ovy と同様に,正であれば
両者の和ovx +ovy を地名等文字データLkgとL
Kg+1の重なり度ovとする。或いは,2乗和ovx 2
ovy 2 をとってもよい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路・水系等の地図図形データやこれに
    付記される地名等文字データを含む地図情報を記憶する
    外部記憶装置と,自車両位置等から地図上の表示基準点
    を決定する表示基準点決定装置と,前記表示基準点決定
    装置により決定された表示基準点に基づき,表示に必要
    な地図情報を前記外部記憶装置から呼び出し表示内容を
    決定する演算処理装置と,前記演算処理装置の出力を地
    図画像として表示する画像表示装置とを有し,前記演算
    処理装置は,予め定められた画面の小領域分割にしたが
    って,同一小領域内に表示される地名等文字データの中
    から1個を選んで表示することを特徴とするナビゲーシ
    ョンシステム。
  2. 【請求項2】 前記演算処理装置は,分割小領域毎に1
    個定められた表示候補の地名等文字データについて,隣
    接する左右の小領域にそれぞれ属する地名等文字データ
    との重なりを判別し,複数の地名等文字データが重なる
    と判断した場合,それらの一部を間引いて表示すること
    を特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
  3. 【請求項3】 前記演算処理装置は,分割小領域毎に1
    個定められた表示候補の地名等文字データについて,隣
    接する上または下の小領域,或いはそれに加えて該上ま
    たは下の小領域の左右に隣接する小領域にそれぞれ属す
    る地名等文字データとの重なりを判別し,複数の地名等
    文字データが重なると判断した場合,それらの一部を間
    引いて表示することを特徴とする請求項1または2記載
    のナビゲーションシステム。
  4. 【請求項4】 前記演算処理装置は,分割小領域毎に1
    個定められた表示候補の地名等文字データについて,横
    方向の地名等文字データとの重なりと,縦方向の地名等
    文字データとの重なりの両者をそれぞれ判別し,複数の
    地名等文字データが重なると判断した場合,それらの一
    部を間引いて表示することを特徴とする請求項1,2ま
    たは3記載のナビゲーションシステム。
  5. 【請求項5】 前記演算処理装置の扱う分割小領域は,
    画面の分割小領域に加え,画面外に拡張して想定された
    小領域を含み,前記演算処理装置は,画面外に近接する
    地名等文字データを部分的に表示することを特徴とする
    請求項1,2,3または4記載のナビゲーションシステ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記地名等文字データは,その属性とし
    て表示重要度を有し,前記演算処理装置は,前記表示重
    要度に基づき表示する地名等文字データの選択を行うこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載のナ
    ビゲーションシステム。
JP20383594A 1994-02-04 1994-08-29 ナビゲーションシステム Pending JPH0868645A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20383594A JPH0868645A (ja) 1994-08-29 1994-08-29 ナビゲーションシステム
US08/384,715 US5793310A (en) 1994-02-04 1995-02-03 Portable or vehicular navigating apparatus and method capable of displaying bird's eye view
US09/092,641 US6011494A (en) 1994-02-04 1998-06-09 Portable or vehicular navigating apparatus and method capable of displaying bird's eye view

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20383594A JPH0868645A (ja) 1994-08-29 1994-08-29 ナビゲーションシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0868645A true JPH0868645A (ja) 1996-03-12

Family

ID=16480497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20383594A Pending JPH0868645A (ja) 1994-02-04 1994-08-29 ナビゲーションシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0868645A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08292715A (ja) * 1995-04-20 1996-11-05 Hitachi Ltd 地図表示装置
JPH1074080A (ja) * 1996-09-02 1998-03-17 Sanyo Electric Co Ltd 映像再生装置
JPH10133569A (ja) * 1996-11-04 1998-05-22 Samsung Electron Co Ltd 数値地図形状データ合成時のその名称処理方法
JPH1138873A (ja) * 1997-07-23 1999-02-12 Denso Corp 地図表示装置
JP2003022005A (ja) * 2002-04-22 2003-01-24 Hitachi Ltd 鳥瞰図作成方法、地図表示装置およびナビゲーションシステム
JP2003029626A (ja) * 2002-04-22 2003-01-31 Hitachi Ltd 鳥瞰図作成方法、地図表示装置およびナビゲーションシステム
JP2003036022A (ja) * 2002-04-22 2003-02-07 Hitachi Ltd 鳥瞰図作成方法、地図表示装置およびナビゲーションシステム
JP2003263102A (ja) * 2002-12-26 2003-09-19 Hitachi Ltd 地図表示装置及び地図表示方法
JP2005128265A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Kubota Corp 小縮尺配管図形データの作成方法
CN111868478A (zh) * 2018-03-16 2020-10-30 本田技研工业株式会社 显示装置
CN113742810A (zh) * 2020-05-28 2021-12-03 杭州群核信息技术有限公司 一种比例尺识别方法和基于临摹图的三维模型建立系统
US11981225B2 (en) 2018-03-16 2024-05-14 Honda Motor Co., Ltd. Display device

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08292715A (ja) * 1995-04-20 1996-11-05 Hitachi Ltd 地図表示装置
JPH1074080A (ja) * 1996-09-02 1998-03-17 Sanyo Electric Co Ltd 映像再生装置
JPH10133569A (ja) * 1996-11-04 1998-05-22 Samsung Electron Co Ltd 数値地図形状データ合成時のその名称処理方法
JPH1138873A (ja) * 1997-07-23 1999-02-12 Denso Corp 地図表示装置
JP2003036022A (ja) * 2002-04-22 2003-02-07 Hitachi Ltd 鳥瞰図作成方法、地図表示装置およびナビゲーションシステム
JP2003029626A (ja) * 2002-04-22 2003-01-31 Hitachi Ltd 鳥瞰図作成方法、地図表示装置およびナビゲーションシステム
JP2003022005A (ja) * 2002-04-22 2003-01-24 Hitachi Ltd 鳥瞰図作成方法、地図表示装置およびナビゲーションシステム
JP2003263102A (ja) * 2002-12-26 2003-09-19 Hitachi Ltd 地図表示装置及び地図表示方法
JP2005128265A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Kubota Corp 小縮尺配管図形データの作成方法
CN111868478A (zh) * 2018-03-16 2020-10-30 本田技研工业株式会社 显示装置
US11981225B2 (en) 2018-03-16 2024-05-14 Honda Motor Co., Ltd. Display device
CN113742810A (zh) * 2020-05-28 2021-12-03 杭州群核信息技术有限公司 一种比例尺识别方法和基于临摹图的三维模型建立系统
CN113742810B (zh) * 2020-05-28 2023-08-15 杭州群核信息技术有限公司 一种比例尺识别方法和基于临摹图的三维模型建立系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5850477A (en) Input and display apparatus with editing device for changing stroke data
US7256801B2 (en) Elastic presentation space
JP3025173B2 (ja) データベース検索システム
US5943679A (en) Multi-page document viewer having a focus image and recursively nested images of varying resolutions less than the resolution of the focus image
CN100426206C (zh) 改善大物体在小显示器上的显示
EP0510939B1 (en) On-board navigation apparatus
KR101799945B1 (ko) 3차원 지도 묘화 시스템, 지물 데이터 생성 방법, 3차원 지도 묘화 방법 및 컴퓨터 판독가능한 기록 매체
US6388684B1 (en) Method and apparatus for displaying a target region and an enlarged image
JP2644935B2 (ja) 地形情報処理方法および装置
US20020089520A1 (en) Method and system for enhanced detail-in-context viewing
JPH0868645A (ja) ナビゲーションシステム
EP1126245B1 (en) Device and method for changing map information
JP3376593B2 (ja) 地図データ表示装置
JP3110837B2 (ja) 地図図形データ管理方式
JP3755691B2 (ja) 情報処理装置とその拡大表示方法および記録媒体
JPS6257078A (ja) 図形要素の検索処理方式
JP2916347B2 (ja) 文字列表示方法と装置および図形情報管理システム
JP4248964B2 (ja) ナビゲーション装置、施設リスト表示方法及びプログラム
JP3615660B2 (ja) 画像表示装置及び方法
JP2577397B2 (ja) 図形表示装置
JPH0384416A (ja) 車載用地図表示装置
JP4608309B2 (ja) 地図表示装置およびナビゲーション装置
JP2004219182A (ja) ナビゲーション装置
JP2557591B2 (ja) 案内地図作成処理方式
JP4674079B2 (ja) 地図表示装置およびナビゲーション装置