JPH08284011A - 消臭性繊維およびその製造方法 - Google Patents

消臭性繊維およびその製造方法

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JPH08284011A
JPH08284011A JP8046800A JP4680096A JPH08284011A JP H08284011 A JPH08284011 A JP H08284011A JP 8046800 A JP8046800 A JP 8046800A JP 4680096 A JP4680096 A JP 4680096A JP H08284011 A JPH08284011 A JP H08284011A
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deodorant fiber
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元哉 毛利
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広行 小要
Tatsuro Takeuchi
辰郎 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消臭性繊維により、酸性成分及び塩基性成分
のみならず中性成分を効率よく長期間に亘り除去する。 【解決手段】 酸化チタンなどの光触媒と吸着剤を繊維
に含有させる。光触媒の量は、繊維全体に対して0.1
〜25重量%程度、吸着剤の量は、繊維全体に対して
0.1〜25重量%程度である。繊維は、芯部よりも鞘
部における光触媒及び吸着剤の濃度が高い鞘芯構造など
の複合構造を有していてもよく、異形断面繊維であって
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タバコや汗、建材
などから発する臭気成分や有害成分などを速やかに分解
除去し、無臭化する上で有用な消臭性繊維およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭、オフィス、病院などの生活
環境において様々な悪臭に対する関心が高くなってい
る。これら臭気成分や有害成分には、数多くの化合物、
例えば、アンモニア、アミン類(例えば、トリメチルア
ミン、トリエチルアミンなど)などの窒素含有化合物、
硫化水素、メチルメルカプタンなどの硫黄含有化合物、
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド
類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸などの低級脂肪
酸類などが含まれる。このように、生活環境には、低級
脂肪酸などの酸性臭気成分、窒素含有化合物などの塩基
性臭気成分、硫黄含有化合物、アルデヒド類などの中性
臭気成分などの種々の臭気成分が存在する。しかし、種
類の異なる複数の成分を有効に除去することは困難であ
る。
【0003】これらの物質を除去するため、種々の消臭
性繊維、例えば、吸着剤を繊維に担持させた消臭性繊維
が提案されている。しかし、このような消臭性繊維で
は、吸着剤の吸着容量に限界があるので、臭気成分の吸
着量が飽和吸着容量に達すると、消臭できなくなる。特
開昭62−6985号公報、特開昭62−6986号公
報には、金属フタロシアニンを担持した消臭性繊維によ
り、触媒的に悪臭成分を分解することが開示されてい
る。しかし、金属フタロシアニンの触媒活性が小さいた
め、消臭効果は十分ではない。
【0004】また、特開昭63−295711号公報に
は、消臭性成分としてリン酸ジルコニウム粒子を繊維中
に練り込んだ消臭性繊維が提案され、特開平2−912
09号公報には、酸化亜鉛と二酸化ケイ素とで構成され
たアモルファス構造のケイ酸亜鉛粒子を繊維中に練り込
んだ消臭性繊維が提案され、特開平2−80611号公
報には、TiとZnの水和酸化物系の白色微粉末を繊維
中に練り込んだ消臭性繊維が提案されている。さらに、
特表平5−504091号公報や特開平6−47276
号公報には、四価金属の水不溶性リン酸塩、二価金属の
水酸化物を含有する吸着性組成物を繊維中に複合または
配合した消臭性繊維が提案されている。しかし、これら
の消臭性繊維は、酸性臭気成分、塩基性臭気成分及び中
性臭気成分のすべての臭気成分に対して優れた消臭性能
を示すものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種々
の臭気成分を効率的かつ長期間に亘り除去できる消臭性
繊維およびその製造方法を提供することにある。本発明
の他の目的は、酸性臭気成分及び塩基性臭気成分のみな
らず中性臭気成分に対しても高い除去能を有する消臭性
繊維およびその製造方法を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、光照射の有無に拘わらず、臭気成
分を効率よく除去できる消臭性繊維およびその製造方法
を提供することにある。本発明の別の目的は、繊維の特
性を損なうことなく、臭気成分を有効に除去できる消臭
性繊維およびその製造方法を提供することにある。本発
明のさらに別の目的は、前記の如き優れた特性を有する
繊維製品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、吸着剤と酸化チタン
や酸化亜鉛などの光触媒機能を有する光触媒、特に特定
のリン酸塩及び水酸化物からなる吸着剤と酸化チタンや
酸化亜鉛などの光触媒機能を有する光触媒とを併用した
消臭性組成物を繊維に含有させることにより、種々の臭
気成分を除去できるとともに、臭気成分に対する除去能
が長期間に亘り持続することを見いだし、本発明を完成
した。すなわち、本発明の消臭性繊維は、光触媒と吸着
剤とを含有する繊維で構成されている。この消臭性繊維
は、四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化物および光
触媒で構成された組成物を含有する繊維で構成してもよ
い。前記光触媒には、光半導体、例えば、酸化チタンな
どの酸化物半導体などが含まれる。光触媒の含有量は、
繊維全体に対して0.1〜25重量%程度、吸着成分の
含有量は、繊維全体に対して0.1〜25重量%程度の
範囲から選択できる。消臭性成分において、吸着剤10
0重量部に対する光触媒の割合は、10〜750重量部
程度である。前記消臭性繊維は、種々の構造、例えば、
光触媒及び吸着剤の濃度が高い相と、この高濃度相に比
べて前記成分濃度が低い相とで構成された複合構造(例
えば、鞘芯型構造、サイドバイサイド型構造など)を有
していてもよい。さらに消臭性繊維は、断面形状が、例
えば、中空状など異形断面繊維であってもよい。前記消
臭性繊維は、光触媒と吸着成分を繊維に含有させること
により得ることができる。光触媒と吸着成分を繊維に含
有させる手段としては、例えば、繊維表面に光触媒と吸
着成分を担持させ方法、光触媒と吸着成分と繊維形成性
樹脂とを含む樹脂組成物を紡糸して、繊維中に含有させ
る方法などが挙げられる。
【0007】なお、本明細書において、特に言及しない
限り、上記紡糸および担持による含有を総称して、単に
「含有」という。また、周期表の族番号は、IUPAC
(International Union of Pure and Applied Chemistr
y)無機化学命名法委員会命名規則1970年版によ
る。また、四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物と
で構成される組成物を、単に「吸着剤」という場合があ
るとともに、この「吸着剤」と他の吸着剤とを、単に
「吸着成分」と称する場合がある。光触媒と、前記吸着
剤と、必要に応じて他の吸着剤とで構成される組成物
を、単に「消臭性成分」と総称する場合がある。さら
に、前記消臭性成分と、必要に応じて抗菌性成分とで構
成される組成物を、単に「消臭性組成物」と総称する場
合がある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。消臭性成分を含有する繊維は、合成繊維、半合成繊
維、再生繊維、天然繊維のいずれであってもよい。合成
繊維としては、繊維形成性樹脂から得られる種々の繊
維、例えば、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタ
レート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維など)、
ポリアミド繊維(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612
などの脂肪族ポリアミド繊維;脂環族ポリアミド繊維;
芳香族ジアミン及び/又は芳香族ジカルボン酸若しくは
これらの誘導体を用いて得られる芳香族ポリアミド繊
維、例えば、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリヘ
キサメチレンテレフタルアミド、ポリp−フェニレンテ
レフタルアミドなどの芳香族ポリアミド繊維など)、ポ
リオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン繊
維など)、エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊
維、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリ
ル共重合体の繊維など)、ポリ塩化ビニリデン系繊維
(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデ
ン−酢酸ビニル共重合体などの繊維)、ポリウレタン繊
維、アクリル系繊維(アクリロニトリル−塩化ビニル共
重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニ
トリル系繊維など)、ビニロンなどのポリビニルアルコ
ール系繊維、ポリクラール繊維、フッ素系繊維、蛋白−
アクリロニトリル共重合体系繊維、ポリグリコール酸繊
維、フェノール樹脂繊維などが例示される。
【0009】半合成繊維にはアセテート繊維などが含ま
れ、再生繊維には、例えば、レーヨン、キュプラなどが
含まれる。また、天然繊維としては、例えば、木綿、羊
毛、絹、麻などが挙げられる。さらに、用途によって
は、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などの無機繊維を
使用してもよい。これらの繊維のうち、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、アクリル繊
維、レーヨン、天然繊維などが好ましい。これらの繊維
は単独で使用してもよく、同種又は異種の2種以上の繊
維を組み合わせて使用してもよく、複合化してもよい。
【0010】本発明で使用される光触媒とは、紫外線な
どの光線の照射により活性酸素を生成させ、多くの有害
物、悪臭物を酸化分解し、光酸化触媒として機能するも
のをいう。そのため、光触媒は酸化性光触媒の範疇に属
する場合が多い。このような光触媒を用いると、単なる
吸着作用ではなく、触媒的な分解を利用して消臭できる
ため、消臭又は脱臭効果が長期間に亘り持続する。さら
に、光触媒は、有害物、悪臭物を分解するだけでなく、
殺菌作用なども有している。
【0011】光触媒としては、有機または無機を問わ
ず、種々の光半導体が使用できるが、無機光半導体であ
る場合が多い。光触媒としては、例えば、硫化物半導体
(CdS,ZnS,In2 3 ,PbS,Cu2 S,M
oS3 ,WS2 ,Sb3 3 ,Bi3 3 ,ZnCdS
2 など)、金属カルコゲナイト(CdSe,In2 Se
3 ,WSe3 ,HgSe,PbSe,CdTeなど)、
酸化物半導体(TiO2,ZnO,WO3 ,CdO,I
2 3 ,Ag2 O,MnO2 ,Cu2 O,Fe
2 3 ,V2 5 ,SnO2 など)などが挙げられ、硫
化物と酸化物以外の半導体として、GaAs,Si,S
e,Cd2 3 ,Zn2 3 なども含まれる。これらの
光触媒は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0012】これらの光触媒のうち、CdS,ZnSな
どの硫化物半導体、TiO2 ,ZnO,SnO2 ,WO
3 などの酸化物半導体が好ましく、特に酸化物半導体、
例えばTiO2 ,ZnO2 などが好ましい。前記光触媒
を構成する光半導体の結晶構造は特に制限されない。例
えば、TiO2 は、アナターゼ型、ブルカイト型、ルチ
ル型、アモルファス型などのいずれであってもよい。好
ましいTiO2 には、アナターゼ型酸化チタンが含まれ
る。
【0013】光触媒はゾルやゲル状で使用できると共に
粉粒状で使用してもよい。光触媒を粉粒状で使用する場
合、光触媒の平均粒子径は、光活性及び脱臭効率を損な
わない範囲で選択でき、例えば、0.01〜25μm、
好ましくは0.05〜10μm、さらに好ましくは0.
05〜5μm程度である。
【0014】光触媒の使用量は、繊維の構造に応じて触
媒活性を損なわない広い範囲から選択でき、例えば、繊
維全体に対して0.1〜25重量%、好ましくは0.3
〜20重量%(例えば、1〜20重量%)、さらに好ま
しくは0.5〜15重量%程度であり、0.5〜10重
量%程度である場合が多い。
【0015】本発明の消臭性繊維において、前記光触媒
と、四価金属のリン酸塩および二価金属の水酸化物(す
なわち、吸着剤)とで構成された組成物(すなわち、消
臭性成分)を用いるのが有利である。このような消臭性
成分は、高い触媒活性を示し、長期間に亘り効率よく臭
気成分などの種々の化合物を除去できる。そのため、光
触媒と前記吸着剤とを組み合わせた消臭性繊維は、消臭
性を顕著に高めることができる。すなわち、光触媒単独
では、遮光下での消臭効果が有効に発現せず、また、臭
気成分の種類によっては、分解生成物が触媒から脱離し
て再び新たな悪臭の原因となる場合がある。これに対し
て、繊維に光触媒と吸着剤とを組み合わせて含有させる
と、光照射の有無に拘らず高い効率で長時間に亘り臭気
成分を有効に除去できる消臭性繊維を得ることができ
る。
【0016】リン酸塩を形成する四価金属は、四価の金
属である限り、周期表における族は特に制限されない。
四価金属には、周期表4族元素、例えば、4A族元素
(チタン、ジルコニウム、ハフニウム、トリウムな
ど)、4B族元素(ゲルマニウム、スズ、鉛など)が含
まれる。これらの金属のうち、周期表4A族元素に属す
る金属、例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム
や、4B族元素、例えばスズがが好ましい。特に、チタ
ン及びジルコニウムが好ましく、スズも好ましい。
【0017】リン酸塩を構成するリン酸には、種々のリ
ン酸、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン
酸、三リン酸、四リン酸などが含まれる。リン酸はオル
トリン酸、メタリン酸またはピロリン酸である場合が多
い。また、リン酸塩にはオルトリン酸水素塩などのリン
酸水素塩も含まれる。なお、本明細書において、特に言
及しない場合、「リン酸」はオルトリン酸を意味する。
【0018】これらの四価金属のリン酸塩は、通常、水
不溶性または難溶性である。さらに、前記リン酸塩は、
結晶質塩であってもよいが、好ましくは非晶質塩であ
る。これらの四価金属リン酸塩は、単独または2種以上
組合わせて使用できる。
【0019】水酸化物を形成する二価金属は、周期表の
族の如何を問わず、二価の金属であればよい。二価金属
には、例えば、銅などの周期表1B族元素、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期
表2A族元素、亜鉛、カドミウムなどの周期表2B族元
素、クロム、モリブデンなどの周期表6A族元素、マン
ガンなどの周期表7A族元素、鉄、ルテニウム、コバル
ト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどの周期表8族
元素などが挙げられる。これらの二価金属の水酸化物
は、単独で使用してもよく2種又はそれ以上混合して使
用してもよい。
【0020】好ましい二価金属には遷移金属、例えば、
銅などの周期表1B族元素、亜鉛などの周期表2B族元
素、マンガンなどの周期表7A族元素、鉄、コバルト、
ニッケルなどの周期表8族元素が含まれる。特に好まし
い二価金属には、銅、亜鉛などが含まれ、鉄、コバル
ト、ニッケルも好ましい。
【0021】これら二価金属の水酸化物は、通常、弱酸
性ないし弱アルカリ性領域(pH4〜10)で水不溶性
または難溶性である。また、前記水酸化物は、結晶質で
あってもよいが、非晶質である場合が多い。
【0022】四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物
との割合は、触媒活性、臭気成分に対する吸着能や脱臭
能を損なわない範囲で選択でき、例えば、金属原子比換
算で、金属原子比(二価金属/四価金属)=0.1〜1
0、好ましくは0.2〜7、さらに好ましくは0.2〜
5程度である。なお、複数のリン酸塩及び/又は水酸化
物を組み合わせて用いる場合、それぞれの金属の総和量
に基づく金属原子比が上記範囲内であればよい。また、
四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸化物とで構成され
た組成物は、混合ゲルなどのように、共沈などにより複
合化していてもよい。特に、四価金属のリン酸塩と二価
金属の水酸化物とを組み合わせて構成された吸着剤を光
触媒と混合又は共沈などにより複合化して用いると、高
い触媒活性を示し、長期間に亘り効率よく臭気成分など
の種々の化合物を除去できる。
【0023】吸着剤の使用量も繊維の構造などに応じて
適当に選択でき、例えば、繊維全体に対して0.1〜2
5重量%、好ましくは0.5〜20重量%(1〜20重
量%)、さらに好ましくは1〜15重量部程度であり、
1〜10重量%程度である場合が多い。なお、光触媒の
量は、吸着剤100重量部に対して1〜1000重量
部、好ましくは10〜750重量部、さらに好ましくは
20〜500重量部程度である。
【0024】前記消臭性成分は、さらに他の吸着剤を含
んでいてもよい(なお、他の吸着剤を単に付加的な吸着
剤と称する場合がある)。付加的な吸着剤は、無機系吸
着剤、有機系吸着剤のいずれであってもよく、黒色系で
あってもよいが、非黒色系吸着剤、好ましくは青色など
の淡色ないし白色又は無色の吸着剤を用いる場合が多
い。無機系吸着剤には、例えば、酸化アルミニウム(ア
ルミナ)、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化銅、酸化鉄、
酸化コバルト、酸化ニッケルなどの金属酸化物、シリカ
ゲル、シリカゾル、ゼオライトなどのケイ酸塩、モンモ
リロナイト、アロフェン、セピオライトなどの粘土鉱物
などが挙げられる。他の吸着剤はこれらの成分が共沈な
どにより複合化した吸着剤であってもよい。
【0025】有機系吸着剤には、カルボキシル基、スル
ホン酸基、アミノ基などのイオン交換性官能基を有する
各種のイオン交換樹脂や前記酸性官能基を有する有機酸
系吸着剤、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレ
ン、多孔質ポリスチレン、多孔質ポリメタクリル酸メチ
ルなどの多孔質樹脂などが挙げられる。
【0026】前記付加的な吸着剤の種類は、繊維の用途
や臭気成分に対応させて適当に選択でき、例えば、繊維
の製造過程又は使用時に高温に晒される場合には、吸着
剤のうち無機系吸着剤が好ましい。また、付加的な吸着
剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、光触
媒、四価金属のリン酸塩、および二価金属の水酸化物か
ら選択された少なくとも1つの成分と、混合又は共沈な
どにより複合化してもよい。
【0027】前記四価金属のリン酸塩と二価金属の水酸
化物とで構成される吸着剤は、比表面積を増加させ、吸
着容量を高める上で有用な二酸化ケイ素と組合わせて吸
着成分を構成してもよい。二酸化ケイ素としては、例え
ば、二酸化ケイ素自体が高分子量化した無機高分子、二
酸化ケイ素と四価金属リン酸塩との複合化合物などが挙
げられる。また、二酸化ケイ素は含水二酸化ケイ素であ
ってもよい。このような二酸化ケイ素は結晶質であって
もよいが、非晶質であるのが好ましい。二酸化ケイ素の
含有量は、光触媒の触媒活性や吸着能が低下しない範囲
で選択でき、例えば、吸着剤に対して、金属原子比換算
で、ケイ素/吸着剤の金属=0.2〜10、好ましくは
0.5〜8、さらに好ましくは1〜7程度である。
【0028】前記消臭性成分は、前記付加的な吸着剤
(例えば、二酸化ケイ素)とともに、又は付加的な吸着
剤を含むことなくさらに抗菌性金属成分(例えば、銀、
銅、亜鉛など)、特に銀成分を含んでいてもよい。抗菌
性金属成分のうち銀成分を含む組成物は高い抗菌性を有
していると共に、幅広い抗菌スペクトルをも有してい
る。銀成分は、金属銀であってもよく、無機化合物(例
えば、AgCl,AgF,AgF2 などのハロゲン化
銀、Ag2 O,AgOなどの酸化物、Ag2 Sなどの硫
化物、Ag2 SO4 ,Ag2 CrO4 ,Ag3 PO4
Ag2 CO3 ,Ag2iO3 などの酸素酸塩など)であ
ってもよい。銀成分は、前記吸着成分との複合化合物
(例えば、前記四価金属リン酸塩と銀との複合化合物、
二価金属水酸化物と銀との複合化合物や、二酸化ケイ素
と銀との複合化合物など)であってもよい。銀成分は、
水可溶性であってもよいが、水不溶性又は難溶性である
のが好ましい。これらの銀成分は、一種又は二種以上組
み合わせて使用できる。なお、銀成分は、慣用の方法、
例えば、イオン交換法、共沈法などにより光触媒、吸着
成分や消臭性組成物に容易に導入できる。銀成分の含有
量は、消臭性成分全体に対して金属銀換算で0.1〜1
0重量%、好ましくは0.5〜8重量%、さらに好まし
くは0.5〜7重量%程度である。
【0029】なお、前記消臭性成分と、必要に応じて付
加的な吸着剤(二酸化ケイ素など)や銀成分で構成され
る消臭性組成物の総量は、繊維の特性を損なわない範
囲、例えば、繊維全体に対して0.1〜30重量%、好
ましくは0.5〜25重量%、さらに好ましくは1〜2
0重量%程度である場合が多い。
【0030】消臭性成分は、非晶質組成物、特に共沈よ
り生成する共沈組成物であるのが好ましい。共沈により
生成する非晶質消臭性成分は、通常、10〜1000m
2 /g、好ましくは30〜1000m2 /g、さらに好
ましくは50〜1000m2/g程度のBET比表面積
を有している。そのため、このような消臭性成分を含有
する繊維は、高い吸着性を有する吸着性繊維として機能
すると共に、臭気成分を含めて種々の有機化合物又は無
機化合物の分解除去するための脱臭性繊維又は消臭性繊
維としても機能する。
【0031】消臭性成分や消臭性組成物は、慣用の種々
の方法により得ることができる。例えば、四価金属リン
酸塩、二価金属水酸化物および光触媒を、必要に応じて
さらに付加的な吸着剤(二酸化ケイ素など)及び/又は
銀成分とともに、混合することにより、消臭性成分や消
臭性組成物を簡便に得ることができる。前記混合に際し
ては、粉砕などにより得られたそれぞれの粉粒状成分を
混合してもよい。
【0032】光触媒の調製は慣用の方法、例えば、光触
媒に対応する金属イオンを含有する水溶液から水不溶性
沈殿物を生成させる方法、金属アルコキシドから調製す
る方法、高温で酸化させる気相法などに従って行うこと
ができる。
【0033】光触媒の製造に際しては、触媒に対応する
成分を含む化合物を用いることができる。酸化チタンを
例にとって説明すると、このような成分としては、例え
ば、TiCl4 ,TiF4 ,TiBr4 などのハロゲン
化チタン,Ti(SO4 2,TiOSO4 などの硫酸
塩,(CH3O)4Ti,(C2 5 O)4 Ti,[CH
3 (CH2 2 O]4 Ti,[(CH3 2 CHO]4
Ti,[CH3 (CH2 3 O]4 Ti,[(CH3
2 CHCH2 O]4 TiなどのC1-6アルコキシチタン
などが使用できる。また、予め調製された酸化チタンゾ
ルなどを用いてもよい。
【0034】また、消臭性成分は、四価金属イオン、二
価金属イオンおよび光触媒に対応する成分を含む溶液
や、これらの金属イオンのうち2種以上の金属イオンを
含む水溶液を使用して、それらの水不溶性物質の混合沈
殿物を生成させる方法によっても得ることができる。こ
の方法で得られた混合沈殿物は、通常、ゲル状であり、
乾燥により非晶質構造の混合物となる。なお、この方法
において、光触媒に対応する成分は、予め適切な結晶構
造に調整して水溶液に添加するのが好ましい。
【0035】四価金属イオン、二価金属イオンおよび銀
イオンを含む水溶液の調製には、各種の水溶性金属化合
物が用いられる。このような二価金属、四価金属および
銀の水溶性金属化合物としては、各種の金属塩、金属ア
ルコキシドなどが挙げられる。金属塩としては、通常の
金属塩(正塩)のほか、酸性塩、オキシ塩、さらに他の
複塩、錯塩の形態の金属塩を用いてもよい。また、金属
塩は、水溶液のpHが中性付近で不溶性の化合物であっ
ても、酸性溶液中で溶解する化合物であればよい。具体
的には、次のような化合物が挙げられる。
【0036】(1)金属のフッ化物、塩化物、臭化物、
ヨウ化物などのハロゲン化物:CoCl2 ,NiC
2 ,CuCl2 ,ZnCl2 ,FeF2 ,FeC
2 ,FeBr2 ,FeI2 ,Na2 (SnF6 ),K
2 (SnF6 ),K2 (SnCl6 ),CaCl2 ,C
rCl2 ,BaCl2 ,MgCl2 ,MnCl2 ,Ti
Cl4 ,SnCl4 ,ZrCl4 ,ThCl4 ,ThI
4 、PbCl4 ,GeCl4 など。
【0037】(2)硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、その
他の硫酸塩(無機酸塩):FeSO4 ,CoSO4
(NH4 2 Fe(SO4 2 ,ZnSO4 ,CdSO
4 ,Ag2 SO4 ,CrSO4 ,CuSO4 ,NiSO
4 ,MgSO4 ,MnSO4 ,K2 Co(SO4 2
(NH4 2 Mn(SO4 2 ,Zr(SO4 2 ,S
n(S04 2 ,Th(SO4 2 ,Pb(S
4 2 ,Ti(SO4 2 など。
【0038】(3)硝酸塩(無機酸塩):Zn(N
3 2 ,Co(NO3 2 ,Cd(NO3 2 ,Ca
(NO3 2,AgNO3 ,Fe(NO3 2 、Cu
(NO3 2 ,Ni(NO3 2 ,Ba(NO3 2
Mn(NO2 2 ,Zr(NO3 4 ,Ti(NO3
4 ,Sn(NO3 4 ,Th(NO3 4 など。
【0039】(4)塩素酸塩、過塩素酸塩、チオシアン
酸塩、ジアンミン銀硫酸塩、ジアンミン銀硝酸塩、クロ
ム酸塩等のその他の各種無機酸塩:Zn(Cl
3 2 ,Ca(ClO3 2 ,Ag(ClO3 ),B
a(ClO3 2 ,Ca(ClO4 2 ,AgCl
4 ,Fe(ClO4 2 ,Ni(ClO4 2 ,Ba
(ClO4 2 ,Mg(ClO4 2 ,Co(Cl
4 2 ,Zn(SCN)2 ,Ca(SCN)2 ,Ca
CrO4 ,AgCrO4 ,Ag2 CO 3 など。
【0040】(5)酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩などの
有機酸塩:(CH3 CO2 2 Zn,(CH3 CO2
4 Zr,C2 4 Co,(CH3CO2 2 Co,(C
3 CO2 2 Fe,(CH3 CO2 )Cu,(CH3
CO2 2 Ni,(CH3 CO2 2 Ba,(CH3
2 2 Mg,(CH3 CO2 )Ag,(C2 4 2
Thなど。
【0041】(6)オキシ金属塩(ハロゲン化物、無機
酸塩、有機酸塩の形態のオキシ金属塩):ZrOC
2 ,ZrOSO4 ,ThOCl2 ,TiOSO4 ,Z
rO(NO32 ,ZrOCO3 ,(NH4 2 ZrO
(CO3 2 ,ZrO(CH3 CO22 など。
【0042】(7)金属アルコキシド類;Zr(OCH
3 4 ,Ti(OCH3 4 ,Zr(OC254 ,T
i(OC254 などのC1-6アルコキシド。
【0043】これらの金属化合物のうち、無機酸塩、特
に硫酸塩や硝酸塩などの強酸塩を用いる場合が多い。よ
り具体的には、FeSo4 ,Ti(SO4 2 ,ZnS
4,CuSO4 ,AgNO3 ,Cu(NO3 2 など
を用いる場合が多い。なお、四価金属化合物のうちチタ
ン化合物やジルコニウム化合物としては、オキシ金属塩
を用いる場合が多く、このような化合物には、例えば、
ZrOCl2 ,ZrOSO4 ,TiOSO4 などが含ま
れる。
【0044】二酸化ケイ素のためのケイ酸イオンの供給
源である水可溶性ケイ酸塩化合物としては、ケイ酸ナト
リウム,ケイ酸カリウムなどのケイ酸のアルカリ金属
塩、ケイ酸カルシウム,ケイ酸バリウム等のケイ酸のア
ルカリ土類金属塩、ケイ酸アンモニウムなどが例示され
る。また、二酸化ケイ素は水可溶性である必要はなく、
例えば、二酸化ケイ素のキセロゲル(シリカゲル)、ヒ
ドロゾルやヒドロゲルを原料として使用することも可能
である。ケイ酸イオン源としては、通常、アルカリ性ケ
イ酸塩、好ましくはケイ酸アルカリ金属塩、ヒドロゾ
ル、ヒドロゲルが使用され、特にケイ酸ナトリウムは価
格、取り扱い性などの点で好ましい。
【0045】四価金属のリン酸塩および二価金属の水酸
化物を生成するには、四価金属のリン酸塩と二価金属イ
オンとの共存下に二価金属の水酸化物を生成させればよ
い。例えば、(i)四価金属イオンおよび二価金属イオ
ンが共存する水溶液中で四価金属のリン酸塩を生成し、
次いで二価金属の水酸化物を生成してもよく、また、
(ii)二価金属イオンを含有しない水溶液中で予め四価
金属のリン酸塩を生成した後、二価金属イオンを含む水
溶液を加え、二価金属の水酸化物を生成させてもよい。
【0046】前記(i)の方法において、四価金属イオ
ン及び二価金属イオンが共存する水溶液を用いて組成物
を生成させる場合、四価金属化合物および二価金属化合
物を含む水溶液を撹拌しながら二価金属の不溶性水酸化
物の生成を抑制しつつ、リン酸またはリン酸塩を添加し
て四価金属のリン酸塩の沈殿物を生成させればよい。こ
の方法において、前記四価金属化合物および二価金属化
合物を含む水溶液のpHは、通常、酸性域、例えば、p
H0〜6(好ましくは0〜4)程度であり、必要であれ
ば二価金属水酸化物の生成を抑制するため、酸を添加し
て酸性域、例えばpH4以下に調整し、リン酸又はリン
酸塩を添加してもよい。
【0047】前記水溶液のpHを調整する場合、適当な
アルカリや酸を使用できる。アルカリとしては、例え
ば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物(水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムな
ど)やアンモニアなどの無機塩基、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機塩
基が使用できる。酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫
酸などの無機酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸、ギ酸、シュウ酸などの有機酸が使用できる。
【0048】不溶性リン酸塩の生成に用いられるリン酸
又はリン酸塩としては、例えば、オルトリン酸、メタリ
ン酸、ピロリン酸、およびそれらのアルカリ金属塩(例
えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)やアンモニウム
塩などが例示される。より具体的には、リン酸塩には、
例えば、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウ
ム、第三リン酸ナトリウム[以下、これらを単にリン酸
ナトリウム(第1,第2及び第3)として示す]、リン
酸カリウム(第1,第2及び第3)、リン酸アンモニウ
ム(第1,第2及第3)、メタリン酸ナトリウム、メタ
リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カ
リウムなどが含まれる。
【0049】前記(i)の方法において、通常、生成し
た四価金属のリン酸塩を熟成などにより十分に析出させ
る場合が多い。熟成法には、慣用の方法、例えば、室温
で長時間放置する方法、100℃以下に加温した状態で
長時間放置する方法、加熱還流する方法などが利用でき
る。
【0050】熟成終了後、アルカリの添加によりpHを
中性域、例えば、pH4〜12に調整すると、二価金属
の水酸化物を生成させることができる。なお、上記水酸
化物の生成は、アルカリと、熟成終了後の四価金属のリ
ン酸塩と二価金属イオンを含む液とを中性域、例えば、
pH4〜12の範囲で、並行して液中へ添加することに
より行ってもよい。前記のようなpH域では、二価金属
の水酸化物からなる沈殿物が生成し、生成した水酸化物
の沈殿物と四価金属の不溶性リン酸塩の沈殿物とが沈澱
又析出混合物又は共沈混合物として生成する。二価金属
の水酸化物の生成において、常温での反応が遅い場合に
は反応系を加温してもよい。また、必要に応じて加圧下
に100℃以上の温度で反応させてもよい。また、撹拌
は空気を用いたバブリングにより行ってもよい。
【0051】前記(ii)の方法において、四価金属のリ
ン酸塩の沈殿物と二価金属の水酸化物とは、上記(i)
の方法に準じて生成させることができる。すなわち、前
記四価金属イオンを含み二価金属イオンを含まない水溶
液にリン酸またはリン酸塩を添加して予めリン酸塩を生
成させる。生成したリン酸塩を必要により熟成した後、
必要によりpHを酸性域、例えばpH4以下に調整し、
二価金属イオンを含む水溶液(例えば、金属塩を含有す
る水溶液)を添加して混合し、前記と同様にpHを中性
域、例えばpH4以上に調整することにより混合沈殿物
を生成させてもよい。この方法では、四価金属のリン酸
塩の熟成は比較的短時間であってもよい。
【0052】光触媒は、四価金属のリン酸塩および二価
金属の水酸化物を生成させる反応系に、例えば、粉粒状
で添加していてもよく、前記四価金属のリン酸塩及び/
又は二価金属の水酸化物を生成させた後、反応系又は生
成した沈殿物に添加してもよい。
【0053】さらに、光触媒は、四価金属のリン酸塩及
び/又は二価金属の水酸化物の生成とともに同時に生成
させてもよい。光触媒の生成には、上記(i)及び(i
i)の方法が利用できる。例えば、酸化チタンを生成さ
せる場合、塩化チタンなどのハロゲン化チタン、無機酸
塩(例えば、硫酸チタンなど硫酸塩)やアルコキシドを
必要に応じて前記反応系に添加し、反応系のpHを中性
又はアルカリ性、例えば、pH6〜12程度に調整する
ことにより生成させることができる。
【0054】二酸化ケイ素を含む組成物を調製する場合
には、前記沈殿物生成反応の少なくともいずれか1つの
工程で、二酸化ケイ素及び/又はケイ酸イオン種を添加
してもよく、光触媒成分などを含む生成した沈殿物と二
酸化ケイ素と混合してもよい。なお、前記沈殿物の生成
とともに二酸化ケイ素を生成させる場合、アルカリ性ケ
イ酸塩溶液(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ムなど)をアルカリのかわりに用いることができる。ケ
イ酸イオン種を用いる場合、二価金属の水酸化物の生成
とともに、中性域、例えば、pH4〜12程度に調整す
ると、反応系で含水二酸化ケイ素を生成させることがで
きる。
【0055】さらに銀成分に関し、前記二酸化ケイ素と
同様に、沈殿物生成反応の少なくとも1つの工程で銀成
分、例えば、銀の水不溶性化合物及び/又は銀イオン種
を添加することにより銀成分を含む消臭性組成物を得る
ことができる。また、銀イオンなどの銀成分は、イオン
交換法、含浸法などの慣用の方法により、前記光触媒、
リン酸塩、水酸化物、二酸化ケイ素やこれらの成分の少
なくとも一種又は二種以上の成分に容易に担持できる。
【0056】このようにして得られた沈殿物は、必要に
応じて慣用の方法により精製してもよい。例えば、前記
混合沈殿物などの沈殿物を含む反応液を濾過し、温水又
は水などの洗浄溶媒を用いて洗浄し、金属塩のアニオン
種などの不純物を除去し、乾燥することにより、精製し
た消臭性成分や消臭性組成物を得ることができる。前記
濾過は、濾紙や濾布などを用い、常温常圧下、減圧下又
は加圧下で行うことができ、遠心分離法、真空濾過法な
どを利用して行ってもよい。また、洗浄に際しては、傾
斜洗浄法などを利用してもよい。前記乾燥操作は、慣用
の方法、例えば、風乾で行ってもよく、消臭性組成物の
分解温度未満の温度、例えば、約400℃以下、好まし
くは200℃以下の温度に加熱した加温下で行ってもよ
い。
【0057】本発明において、消臭性成分や消臭性組成
物(以下、これらを単に「消臭剤」と称する場合があ
る)は繊維中に含有させればよく、消臭剤を含有させる
ための手段としては、消臭剤と繊維形成性重合体とを含
む組成物(紡糸原料)を紡糸する方法、接着用樹脂など
の結合剤を用いて繊維の表面に脱落しないように付着さ
せる方法が含まれる。
【0058】特に、消臭剤を含有させる繊維が、消臭剤
を含有させることが困難な天然繊維(木綿、麻、羊毛、
絹などの天然繊維)である場合は、結合剤を用いて繊維
の表面に付着させる方法を用いるとよい。繊維表面に消
臭剤を付着させる方法としては、消臭剤と必要に応じて
結合剤を含む分散液に繊維を含浸する方法、前記分散液
を繊維に噴霧、コーティングする方法などの慣用の手法
が採用できる。結合剤としては、例えば、溶媒可溶性ポ
リオレフィン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリ塩化ビニルなどのビニル系ポリマー、ア
クリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂;セルロース系樹
脂;エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹
脂などの熱硬化性樹脂を使用してもよい。
【0059】消臭剤を含有する繊維が、合成繊維、半合
成繊維、再生繊維である場合、消臭剤を、繊維形成性重
合体を含む紡糸原料に添加し、重合体の種類に応じて、
湿式紡糸法、乾式紡糸法、乾湿式紡糸法、溶融紡糸法な
どの慣用の紡糸方法によって、消臭剤を含有する繊維を
製造できる。また、消臭剤を紡糸原液に添加することな
く、合成繊維、半合成繊維、再生繊維などの表面に結合
剤を用いて消臭剤を付着させてもよい。特に、繊維が合
成繊維、半合成繊維、再生繊維である場合、繊維形成性
重合体と消臭剤とを含む紡糸原液を紡糸すると、消臭剤
が繊維中に強固に保持されて繊維から容易に脱落せず、
消臭作用を長期に亘って安定して発揮させるので好まし
い。なお、後加工工程で結合剤を使用すると繊維製品の
タッチや風合が硬くなり商品価値が損なわれることがあ
る。そのため、消臭剤は、内部添加法により繊維に配合
するのが好ましい。
【0060】紡糸により得られる消臭性繊維は、例え
ば、消臭剤を繊維全体に均一に含有する繊維であっても
よく、消臭剤(消臭性成分)の濃度が高い相と、この高
濃度相に比べて前記成分濃度が相対的に低い相とで構成
された複合構造を有する複合繊維であってもよい。この
複合繊維は、繊維断面の中央部と表面部とで消臭剤の
含有量(分布)が異なる複合構造(例えば、芯鞘型(sh
eath and core)複合繊維の芯又は鞘の一方が消臭剤を
含有するか、または芯と鞘とで消臭剤の含有量が異なる
鞘芯型構造)、消臭剤が繊維中に海島状に分布する複
合構造(例えば、海島型(sea/iland又はmatrix)複合
繊維の海又は島の一方が消臭剤を含有するか、または海
と島とで消臭剤の含有量が異なる海島型構造)、消臭
剤がサイドバイサイド状に繊維中に分布する複合構造
(例えば、サイドバイサイド型(sideby side)複合繊
維の一方が消臭剤を含有するか、または一方の相と他方
の相とで消臭剤の含有量が異なるサイドバイサイド型構
造)、キドニー型(kidney)構造の複合繊維、繊維
断面において消臭剤をランダムに含有する複合構造など
を有していてもよい。なお、サイドバイサイド型(side
by side)複合繊維において、消臭剤濃度の高い相と、
この高濃度相に比べて消臭剤濃度が相対的に低い相は、
必要に応じて消臭剤を含んでいてもよい樹脂相を介し
て、並列に又は周方向などの適当な方向に互いに隣接し
ていてもよい。サイドバイサイド型複合繊維は、複数の
高濃度相及び/又は低濃度相で構成してもよい。好まし
い複合繊維には、芯鞘型構造、海島型構造およびサイド
バイサイド型構造、特に芯鞘型構造およびサイドバイサ
イド型構造が含まれる。
【0061】本発明の消臭性繊維の断面形状は、何ら制
限されず、例えば、丸型断面の他、異形断面(例えば、
中空状、偏平状、楕円状、多角形状(3〜6角形な
ど)、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグ
ボーン状(I字状)など)であってもよい。消臭性能を
高めるためには、比表面積の大きな異形断面繊維が有利
である。さらに、消臭性繊維は、前記複合構造と断面形
状とを組み合わせた繊維、例えば、芯鞘型構造又はサイ
ドバイサイド型構造を有する中空繊維などであってもよ
い。
【0062】複合構造を有する消臭性繊維において、繊
維全体に対する消臭剤が少量であっても、繊維の表層部
の消臭剤により臭気成分を効率よく除去するためには、
消臭剤を含む相は繊維表面に露呈しているのが有利であ
る。例えば、鞘芯構造を有する消臭性繊維では、芯部よ
りも鞘部における消臭剤の濃度を高くすると(特に鞘部
に消臭剤を含有させると)、繊維の表層部の消臭剤によ
り臭気成分を効率よく除去できる。また、サイドバイサ
イド構造を有する消臭性繊維では、繊維表面に露出する
適当な相における消臭剤の濃度を高くしてもよい。消臭
剤濃度が相対的に異なる高濃度相と低濃度相とで芯鞘型
複合繊維などの複合繊維を構成すると、全体に亘り消臭
剤を含有する繊維に比べて、繊維全体に対する消臭剤の
使用量を高濃度相の割合(芯鞘型複合繊維では繊維全体
に対する鞘部の割合)に応じて、例えば、0.01〜2
0重量%、好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ま
しくは0.5〜10重量%(例えば、1〜5重量%)程
度に低減できるので好ましい。低濃度相(芯鞘型複合繊
維では芯部)と高濃度相(芯鞘型複合繊維では鞘部)の
割合は、例えば、低濃度相(芯部)/高濃度相(鞘部)
=5/95〜95/5(重量比)、好ましくは、10/
90〜90/10(重量比)、さらに好ましくは30/
70〜70/30(重量比)程度である。
【0063】複合繊維を構成する重合体の種類は特に限
定させず、低濃度相(芯部)と高濃度相(鞘部)の重合
体の種類は同種又は異なっていてもよい。好ましい重合
体の組合わせには、例えば、低濃度相(芯部)がポリエ
ステルであり、高濃度相(鞘部)がポリアミド又はポリ
エステルである組合わせが含まれる。
【0064】消臭剤を繊維中に含有する繊維の製造にお
いて、消臭剤を添加する時期および態様は、特に限定さ
れないが、繊維形成性重合体の重合過程または重合直
後に消臭剤を添加する方法;繊維形成性重合体中に消
臭剤を添加してマスターバッチを予め調製し、このマス
ターバッチを用いる方法;繊維形成性重合体を紡糸口
金から紡出するまでの任意の段階(例えば、重合体のペ
レットを製造する段階、紡糸段階など)で繊維形成性重
合体中に消臭剤を添加する方法などの添加方法が採用で
きる。上記の方法による場合は、例えば、繊維形成性
重合体用の原料スラリーに添加する方法、プレポリマー
を製造した後、そのプレポリマーを更に重縮合させる直
前に添加する方法、繊維形成性重合体の製造直後であっ
て、未だ液状である間に添加する方法などが採用でき
る。本発明で使用する消臭剤は触媒活性が高いため重合
体の種類によっては重合反応に影響を及ぼす場合がある
ので、注意を要する。好ましい添加方法は、前記方法
又はである。消臭剤は粉末状(例えば、微粒子状)で
添加する場合が多いが、粉末をそのまま重合体に添加す
ると粒子の凝集により、繊維化が困難となったり、繊維
化できても強度の低い繊維となる場合がある。そのた
め、粉末状の消臭剤を適当な分散媒に分散させたスラリ
ーを重合体へ添加してもよい。なお、複合繊維は、慣用
の方法、例えば、繊維形成性重合体を主成分として含む
第1の樹脂組成物と、消臭剤と繊維形成性重合体とを主
成分として含む第2の樹脂組成物とを用いて紡糸し、高
濃度相と低濃度相とを形成することにより製造できる。
【0065】本発明の消臭性繊維および繊維製品におけ
る繊維の太さは特に制限されず、用途に応じて広い範囲
から選択でき、例えば、0.1〜50μm、好ましく
は、0.5〜30μm、更に好ましくは、1〜20μm
程度である。また、繊維の長さ方向の形態も制限され
ず、長さ方向にほぼ同じ直径を有する繊維であってもよ
く、太細を有するシックアンドシン繊維であってもよ
く、それ以外の繊維であってもよい。さらに、繊維は短
繊維又は長繊維のいずれであってもよい。繊維製品が糸
である場合、紡績糸、マルチフィラメント糸、短繊維と
長繊維との複合糸などであってもよい。さらに、本発明
の繊維には、用途や繊維の種類に応じて、仮燃加工、イ
ンターレース加工、タスラン加工、捲縮加工、マーセル
化処理、防縮加工、防皺加工、親水加工、防水加工、防
染加工など任意の加工を施してもよい。本発明の消臭性
繊維は、消臭剤以外に、繊維の種類に応じて、繊維に用
いられている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃
剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、抗菌剤、防虫・防ダニ
剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、つや消し剤、畜熱剤など
を含有してもよい。
【0066】本発明の消臭性繊維は種々の繊維製品とし
て利用することができ、代表的には糸;織布、編布、不
織布などの布帛;パイル織物、パイル編物などのパイル
布帛;前記の糸、布帛、パイル布帛などから形成された
衣類やその他の身体着用品;インテリア製品類、寝具
類;食品用包材などを挙げることができる。より具体的
には、前記消臭剤を含む繊維、糸、布帛などを用いて形
成されている本発明の繊維製品の代表例として、肌着、
下着、セーター、ジャケット、パジャマ、浴衣、白衣、
スラックス、靴下、手袋、ストッキング、エプロン、マ
スク、タオル、ハンカチ、サポータ−、ヘッドバンド、
帽子、靴のインソール、芯地などの衣類や身体着用品;
各種カーペット、カーテン、壁紙、障子紙、襖、繊維製
ブラインドスラット、人工観葉植物、椅子などの布張用
生地、テーブルクロス、電気製品カバー、畳、布団の中
詰材(詰め綿など)、布団の側地、シーツ、毛布、布団
カバー、枕、枕カバー、ベッドカバー、ベッドの中詰
材、マット、衛生材料、便座カバー、ワイピングクロ
ス、空気清浄機やエアーコンディショナーのフィルター
などを挙げることができる。
【0067】本発明の消臭性繊維及びこの繊維を用いた
繊維製品は、光線(例えば、太陽光や蛍光灯、紫外線ラ
ンプなど)の照射下、アンモニア、アミン類などの塩基
性臭気成分、酢酸などの酸性臭気成分、硫化水素などの
硫黄含有化合物、ホルマリン、アセトアルデヒドなどの
中性臭気成分などの多くの臭気成分を速やかに、しかも
長期に亘り分解し、無臭化することができる。そのた
め、多数の臭気成分を含むたばこ臭などであっても、効
率よく除去でき、室内や車内の消臭に有効である。ま
た、家具や新建材などから発生するホルマリン、アセト
アルデヒドなどのアルデヒド類の消臭に対しても有効で
ある。
【0068】さらに消臭性成分を含有する消臭性繊維
は、光を照射しなくても酸性臭気成分、塩基性臭気成分
などを吸着し効果的に消臭し、太陽光や蛍光灯、UVラ
ンプなどの光照射下においては、光触媒の酸化分解作用
と吸着剤の高い吸着作用との相乗効果により、酸性臭気
成分や塩基性臭気成分に対する消臭性能を高めるだけで
なく、アルデヒド類などの中性臭気物質に対しても高い
消臭効果を有し、しかもその効果を長期にわたり持続す
る。また、光触媒の作用により生成する酸化分解生成物
(たとえば、アセトアルデヒドの場合、酢酸が生成す
る)が一部放出され、新たな臭気の原因となる場合があ
ったとしても、吸着剤を併用することにより、酸化分解
生成物を吸着できる。そのため、酸化分解生成物の放出
又は脱離を防止し、消臭効率をさらに高めることができ
るとともに、吸着剤に吸着された物質は、光触媒により
さらに分解されるので消臭効果が長期間に亘り持続す
る。
【0069】なお、光照射においては、光触媒に応じた
波長の光線が利用できる。この光線の波長は、光触媒を
励起する波長であればよいが、通常、紫外線又は紫外線
を含む光線である場合が多い。光触媒として酸化チタン
を用いた場合、太陽光や蛍光灯の光でも十分その触媒機
能を有効に働かせることができる。なお、光照射は、通
常、酸素、空気などの酸素含有気体の存在下で行われ
る。
【0070】
【発明の効果】本発明の消臭性繊維は、光触媒を含有し
ているため、光照射により、種々の臭気成分(酸性臭気
成分、塩基性臭気成分および中性臭気成分)を効率的か
つ長期間に亘り除去できる。特に酸性臭気成分及び塩基
性臭気成分のみならず、吸着機構では除去できない中性
臭気成分に対しても高い除去能を示す。また、本消臭性
繊維は、光照射の有無に拘わらず、臭気成分を効率よく
除去できる。また、本発明の繊維製品は、前記消臭性繊
維で形成されているので、上記の如き優れた特性を有し
ている。本発明の方法では、光触媒と吸着剤の含有とい
う簡単な操作で、前記の如き優れた特性を有する消臭性
繊維を製造できる。
【0071】
【実施例】以下に、実施例および比較例に基づいて本発
明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。 実施例1 [消臭性組成物の調製] Cu(II)−Ti(IV)−SiO2 −TiO2 組成物 硫酸銅の結晶(CuSO4 ・5H2 O、和光純薬製試薬
特級)43.9gを蒸留水1リットルに溶解し、得られ
た水溶液に硫酸チタン溶液(約30重量%濃度、和光純
薬製試薬)60gを添加した。この混合液は、Cu(I
I)0.175モル、Ti(IV)イオン0.075モル
を含んでいる。前記混合液のpHは約1であった。室温
下で混合液を撹拌しながら15重量%のリン酸溶液約1
10gを滴下したところ、白色沈殿物が生成した。沈殿
物が生成した混合液をそのまま一昼夜撹拌した。上記沈
殿物を含有する液(A液)とケイ酸ナトリウムを含む水
溶液(B液)471gとを別々のビーカー中で撹拌しな
がら、蒸留水500mlを入れた容器中へ並行して滴下
したところ、Cu(II)−Ti(IV)−SiO2 を含む
青白色の混合沈殿物が生成した。A液とB液との混合時
のpHは常に約7.0となるようにA液とB液の滴下量
を調節した。なお、B液は、ケイ酸ナトリウム(和光純
薬製試薬)を蒸留水で30重量%に希釈し(SiO2
して0.86モル含有)、15重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液30mlを添加することにより調製した。
【0072】A液とB液との混合液を、室温下、さらに
2時間撹拌した後、青白色合沈殿物を吸引濾過し、加温
した脱イオン水で十分洗浄した後、40℃で乾燥した。
乾燥物を乳鉢で120μm以下に粉砕し、Cu(II)−
Ti(IV)−SiO2 を含む青白色の粉末を得た。得ら
れた青白色粉末80重量部に対して酸化チタン粉末(石
原産業(株)製,MC−90)20重量部を混合し、ジ
ェットミルで粉砕し、消臭性組成物を調製した。
【0073】[繊維の製造]ナイロン6に上記で得られ
た消臭性組成物20重量%を添加し、温度260℃で2
0分間混合し、エクストルーダーで混練しつつ押出し、
マスターバッチ用ペレットを調製した。このペレット1
重量部に対して、前記ナイロン6を3重量部混合し、鞘
部用の樹脂組成物を調製した。一方、テレフタル酸10
0重量部、エチレングリコール60重量部、三酸化アン
チモン0.04重量部および平均粒径0.5μmの二酸
化チタン2重量部をエステル化反応槽に仕込み、160
℃から240℃まで徐々に昇温しながらエステル化反応
を行なった。その後、重縮合反応槽で減圧下に280℃
に昇温し、重縮合することにより、極限粘度0.75の
ポリエステルを得た。このポリエステルは芯部用ポリマ
ーに用いた。そして、鞘部用の樹脂組成物と芯部用ポリ
マーとを紡糸温度280℃、引き取り速度1000m/
分で紡糸、延伸し、仮撚加工することにより、芯鞘型消
臭性複合フィラメント糸条(150デニール、32フィ
ラメント)を得た。この糸条を織成することにより、布
を作製した。なお、芯鞘構造の繊維において、芯部と鞘
部との割合は、芯部:鞘部=50:50(重量比)であ
る。
【0074】実施例2 実施例1で得られたCu(II)−Ti(IV)−SiO2
を含む青白色粉末50重量部に対して、実施例1で用い
た酸化チタン粉末50重量部を混合する以外、実施例1
と同様にして、消臭性組成物を調製し、実施例1と同様
にして繊維化および織成を行った。
【0075】実施例3 [消臭性組成物の調製] Zn(II)−Ti(IV)−TiO2 組成物 蒸留水1リットルに硫酸チタン溶液(約30g重量%濃
度、和光純薬製試薬)60.0gを添加した。この混合
液は、0.075モルのTi(IV)イオンを含んでい
る。この混合液に、室温下、撹拌しながら15重量%の
リン酸溶液約98gを滴下したところ、白色沈殿物が生
成した。白色沈殿物が生成した混合液を2時間撹拌し
た。白色沈殿物を含む混合液に、硫酸亜鉛の結晶(Zn
SO4 ・7H2O,和光純薬製試薬特級)50.3gを
添加して溶解した。この溶液は、0.175モルのZn
(II)イオンを含んでいる。得られた水溶液に、室温
下、撹拌しながら15%水酸化ナトリウム溶液をpH
7.0になるまで滴下した。なお、水酸化ナトリウムの
滴下に際し、pHが低下した場合には、さらに水酸化ナ
トリウム溶液を添加することにより、pHを約7.0に
保持した。pHの低下が認められなくなるまで撹拌を続
けると、Zn(II)−Ti(IV)を含む白色の混合沈殿
物が生成した(A液)。A液に、四塩化チタン(和光純
薬製試薬特級)37gを滴下するとともに、15重量%
の水酸化ナトリウム水溶液をpH7.0になるまで滴下
したところ、酸化チタンの沈殿物が生成した。生成した
沈殿物を吸引濾別し、温脱イオン水で十分洗浄した後、
110℃で乾燥し、乾燥物を乳鉢で120μm以下に粉
砕し、さらにジェットミルにより微粉砕することによ
り、Zn(II)−Ti(IV)−TiO2 を含む白色の消
臭性組成物粉末を得た。
【0076】[繊維の製造]実施例1で使用したナイロ
ン6に上記で得られた消臭性組成物30重量%を添加し
てマスターバッチ用ペレットを調製するとともに、繊維
化の際に芯/鞘の比率を70/30(重量比)とするこ
と以外は、実施例1と同様にして繊維化及び織成を行っ
た。
【0077】実施例4 Zn(II)−Ti(IV)−TiO2 組成物 硫酸チタニル粉末(富士チタン工業(株)製、商品名
「タイサルト」、TiO2 として32.5重量%含有)
6.64gと硫酸亜鉛の結晶(ZnSO4 ・7H2O,
和光純薬製試薬特級)18.1gを水180gに添加し
た。この水溶液は、0.027モルのTi(IV)イオン
と0.062モルのZn(II)イオンを含んでいる。こ
の水溶液に室温下、撹拌しながら15重量%のリン酸水
溶液約35.3gを滴下したところ、白色沈殿物が生成
した。白色沈殿物が生成した混合液をそのまま1晩撹拌
した。得られた混合液に、15%水酸化ナトリウム溶液
をpHが7.0となるまで滴下した。なお、水酸化ナト
リウムの滴下に際して、pHが低下した場合には、さら
に水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを約7.0に保
持した。pHの低下が認められなくなるまで撹拌を続け
ると、Zn(II)−Ti(IV)を含む白色沈殿物が生成
した。生成した白色沈殿物を吸引濾別し、温脱イオン水
で十分洗浄した後、120℃で乾燥し、乾燥物を乳鉢で
120μm以下に粉砕することにより、Zn(II)−T
i(IV)を含む白色粉末を得た。Zn(II)−Ti(I
V)を含む白色粉末70重量部に対して酸化チタン粉末
(石原産業(株)製,MC−90)30重量部を混合
し、得られた混合物をジェットミル粉砕機に供給し、粉
砕することによりさらに微粉末とし、Zn(II)−Ti
(IV)−TiO2 を含む消臭性組成物の微粉末を得た。
得られた微粉末の平均粒径は1μmであった。
【0078】[繊維の製造]実施例1で使用したナイロ
ン6に上記で得られた消臭性組成物30重量%を添加す
るとともに、繊維化の際に芯/鞘の比率を50/50
(重量比)とする以外は、実施例1と同様にして繊維化
及び織成を行った。
【0079】実施例5 乾燥温度を320℃とする以外、実施例4と同様にして
調製した消臭性組成物と、ポリエステルを製造する時に
二酸化チタン0.5重量%を添加する以外、実施例1と
同様の方法で調製した[η]=0.75のポリエステル
とを用いた。このポリエステルに5重量%の消臭性組成
物を添加し、285℃で溶融混練し、十字形異形ノズル
から溶融押出し、延伸、捲縮付与し、長さ51mmにカ
ットして、単繊維繊度2デニールの短繊維を製造した。
得られた短繊維から紡績糸を作製し、この紡績糸を織成
して布を作製した。
【0080】比較例1 光触媒および吸着成分を用いることなく、ナイロン6の
繊維(150デニール、32フィラメント)を用いて、
実施例1と同様にして布を作製した。
【0081】比較例2 酸化チタン粉末(石原産業(株)製、MC−90)20
重量%を含むマスターバッチ用ペレットを用いる以外、
実施例1と同様にして繊維化及び織成を行った。
【0082】比較例3 消臭剤としてリン酸チタンと水酸化亜鉛とがTiイオ
ン:Znイオン=0.3モル:0.7モルの割合で含む
共沈組成物を20重量%含有するマスターバッチ用ペレ
ットを用いる以外、実施例1と同様にして繊維化及び織
成を行った。
【0083】消臭性試験 実施例および比較例で得られた布の消臭能を、硫化水
素、アンモニア、アセトアルデヒドについて、それぞれ
次のようにして測定した。テドラーバッグ(容積5リッ
トル)に布3gを入れて密封した。次いで、シリンジを
用いて、所定の濃度の臭気成分を含む空気を、全ガス量
3リットルとなるようにテドラーバッグ内へ注入した。
なお、注入ガスにおいて、初期濃度はそれぞれアンモニ
ア40ppm,アセトアルデヒド50ppm、硫化水素
15ppmである。なお、試験は遮光下と光照射下とで
行なった。遮光下の試験ではテドラーバッグを暗室に静
置し、光照射下の実験では27Wの白色蛍光灯から15
cm離してテドラーバッグを静置し、布全体に光を照射
した。
【0084】ガスを注入してから一定時間経過後に、硫
化水素、アセトアルデヒドの場合にはテドラーバッグ内
のガスをマイクロシリンジでサンプリングし、ガスクロ
マトグラフィー(島津製作所製 GC−14A型)でガ
ス濃度を測定し、臭気成分の除去率を求めた。アンモニ
アの場合はガス検知管(ガステック社製,アンモニア用
3L型)を用い、直接テドラーバッグ内のガス濃度を測
定し、下記式により臭気成分の除去率を求めた。結果を
表1,表2および表3に示す。 除去率(%)=(C0−C)/C0×100 (C0 は初期濃度,Cは一定時間経過後の濃度である)
【表1】
【表2】
【表3】 表より明らかなように、実施例で得られた消臭性組成物
を用いると、塩基性臭気成分及び酸性臭気成分に対して
遮光下でも臭気成分を除去できるとともに、光照射によ
り、中性臭気成分も効率よく除去できる。なお、比較例
2において、アセトアルデヒドに対する試験終了後のガ
スは分解物の臭気であると思われる異臭がした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/90 301 D01F 6/90 301 8/04 8/04 Z // D06M 23/08 D06M 23/08 (72)発明者 平松 憲二 大阪府大阪市北区梅田一丁目12番39号 株 式会社クラレ内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒と吸着剤とを含有してなる消臭性
    繊維。
  2. 【請求項2】 吸着剤が、四価金属のリン酸塩および二
    価金属の水酸化物である請求項1記載の消臭性繊維。
  3. 【請求項3】 光触媒が光半導体である請求項1又は2
    記載の消臭性繊維。
  4. 【請求項4】 光触媒が酸化物半導体である請求項1又
    は2記載の消臭性繊維。
  5. 【請求項5】 光触媒が酸化チタンである請求項1又は
    2記載の消臭性繊維。
  6. 【請求項6】 繊維全体に対して光触媒0.1〜25重
    量%を含有する請求項1又は2記載の消臭性繊維。
  7. 【請求項7】 繊維全体に対して吸着剤1〜25重量%
    を含有する請求項1又は2記載の消臭性繊維。
  8. 【請求項8】 吸着剤100重量部に対する光触媒の割
    合が10〜750重量部である請求項1〜6のいずれか
    に記載の消臭性繊維。
  9. 【請求項9】 光触媒および吸着剤の濃度が高い相と、
    この高濃度相に比べて前記成分濃度が低い相とで構成さ
    れた複合構造を有する請求項1〜8のいずれかに記載の
    消臭性繊維。
  10. 【請求項10】 鞘芯型構造、サイドバイサイド型構
    造、および海島型構造から選ばれた少なくとも一種の複
    合構造を有する請求項1〜8のいずれかに記載の消臭性
    繊維。
  11. 【請求項11】 異形断面繊維である請求項1〜8のい
    ずれかに記載の消臭性繊維。
  12. 【請求項12】 断面形状が、中空状、偏平状、楕円
    状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字
    状、ドッグボーン状から選ばれた少なくとも一種の形状
    である請求項1〜8のいずれかに記載の消臭性繊維。
  13. 【請求項13】 複合構造を有し、四価金属のリン酸
    塩、二価金属の水酸化物および光触媒を含む相が繊維表
    面に露呈している請求項2〜8のいずれかに記載の消臭
    性繊維。
  14. 【請求項14】 鞘芯構造を有し、芯部よりも鞘部にお
    ける四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化物および光
    触媒の濃度が高い請求項2〜8のいずれかに記載の消臭
    性繊維。
  15. 【請求項15】 請求項1又は2記載の消臭性繊維で形
    成された繊維製品。
  16. 【請求項16】 四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸
    化物および光触媒を繊維に含有させる消臭性繊維の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸
    化物、光触媒及び繊維形成性樹脂を含む組成物を紡糸す
    る請求項16記載の消臭性繊維の製造方法。
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