JP6864782B2 - バイブレーション装置、バイブレーション方法、及び、スクリーン印刷装置 - Google Patents

バイブレーション装置、バイブレーション方法、及び、スクリーン印刷装置 Download PDF

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Description

本発明は、スキージ等の印刷具を振動させるバイブレーション装置、及び、スクリーン印刷装置に関するものである。
従来から、スキージを振動させて、ワークに印刷するスクリーン印刷装置が存在する。
特開昭63−199643号公報 特開2005−238723号公報 特開2010−221409号公報
スクリーン印刷装置において、スキージを振動させても、穴埋め印刷時に、穴に入るペーストの量がばらつき、ペーストが穴に一定量充填されない可能性がある。
本発明の実施の形態では、穴埋め印刷時に穴に入るペーストの量がばらつかないバイブレーション装置を提供することを目的とする。
本発明のバイブレーション装置は、
印刷具と、
前記印刷具の外側の対向する複数のサイドを振動させるバイブレーションユニットと、
前記バイブレーションユニットの振動を制御するコントローラと
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、バイブレーションユニットが印刷具の外側の対向する複数のサイドから振動を与えることで、印刷具が安定して振動する。
実施の形態1のバイブレーション装置100の斜視図である。 実施の形態1の図1のバイブレーション装置100のA−A断面図である。 実施の形態1のバイブレーション方法の説明図である。 振動測定の構成を示す図である。 0.2MPaの空気圧によるプレート20の上下振動の分布図である。 0.3MPaの空気圧によるプレート20の上下振動の分布図である。 0.4MPaの空気圧によるプレート20の上下振動の分布図である。 0.5MPaの空気圧によるプレート20の上下振動の分布図である。 水平方向の振動の分布図である。 片側振動の比較例を示す図である。 片側振動の分布図である。 横向き両側振動の比較例を示す図である。 横向き両側振動の上下振動の分布図である。 実施の形態1のバイブレーション装置100の変形例を示す図である。 実施の形態1のバイブレーション装置100の変形例を示す図である。 実施の形態1のバイブレーション装置100の変形例を示す図である。 実施の形態1のバイブレーション装置100の変形例を示す図である。 実施の形態1のバイブレーション装置100の変形例を示す図である。 実施の形態1のバイブレーション装置100の変形例を示す図である。 実施の形態1のバイブレーション装置100の変形例を示す図である。 実施の形態2のスクリーン印刷装置200を示す図である。 実施の形態3のせん断装置300を示す図である。 実施の形態4の穴あけ装置400を示す図である。 実施の形態5の振動振込装置500を示す図である。 実施の形態5の振動振込装置500の振動の説明図である。 実施の形態5の振動振込装置500の変形例を示す図である。 実施の形態5の振動振込装置500の変形例を示す図である。 実施の形態5の振動振込装置500の変形例を示す図である。 実施の形態5の振動振込装置500の変形例を示す図である。 実施の形態5の振動振込装置500の変形例を示す図である。 実施の形態6のディストリビュータ47を示す図である。 実施の形態7のプレート20とバイブレーションユニット40を示す図である。 実施の形態7のプレート20の平面形状を示す図である。 実施の形態7のプレート20の図1のA−A断面形状を示す図である。 実施の形態9のスクリーン印刷装置の印刷部600の3面図である。 実施の形態9のバイブレーション装置100の斜視図である。 実施の形態9の印刷具260の正面図である。 実施の形態9の印刷具260の側面図である。 実施の形態9の印刷具260の平面図である。 実施の形態9の印刷具260の側面図である。 実施の形態9の振動測定結果を示す図である。 実施の形態9の振動測定結果を示す図である。 実施の形態9の印刷具260の側面図である。 実施の形態9の振動測定結果を示す図である。 実施の形態9の振動測定結果を示す図である。 実施の形態9の印刷具260の5面図である。 実施の形態10の印刷具260の5面図である。 実施の形態10の印刷具260の3面図である。 実施の形態10の印刷具260の3面図である。 実施の形態10の印刷具260の5面図である。 実施の形態9,10の印刷具260の変形例を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1のバイブレーション装置100の斜視図である。
図2は、実施の形態1の図1のバイブレーション装置100のA−A断面図である。
図1において、Xは前後方向を示している。
図1と図2において、Yは左右方向を示し、Zは上下方向を示している。
<<<バイブレーション装置100の構成>>>
バイブレーション装置100は、ベース10とプレート20とバイブレーションユニット40とコントローラ80とを有する。
<<<ベース10の説明>>>
ベース10は、上部が開口した箱型形状をしている。
ベース10は、上面11と底面12と壁13を有する。
ベース10は、中央に空間14を有する。
上面11は、壁13の天面によって構成されており、中央に開口を有する矩形形状をしている。
底面12は、矩形形状をしている。
壁13は、底面12の周囲から立設されているベース10の側壁である。
空間14は、底面12と壁13とに囲まれた六面体の空間である。
<<<プレート20の説明>>>
プレート20は、音波を通しやすい素材であることが望ましく、金属が好適である。
プレート20の材質は、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼であることが望ましい。
さらにアルミニウム、チタンが好適であり、アルミニウムが最良である。
プレート20は、矩形であることが望ましく、正方形が好適である。
プレート20は、表面21と裏面22と4個のサイド23とを有する。
表面21と裏面22とは、同一形状の平行な矩形平面である。
サイド23は、プレート20の表面21と裏面22との間にある面である。
サイド23は、プレート20の表面21と裏面22とに対して直交する平面である。
プレート20は、周囲に複数のネジ穴24を有する。
ネジ穴24は、プレート20のコーナと各辺の中央とに、計8個設けられている。
プレート20は、ネジ穴24に挿入されたネジ25によりベース10に堅固に固定されている。
以下、ネジ穴24の位置を固定箇所という。
プレート20は、プレート20の周囲に設けられた固定箇所においてベース10に固定されている。
<<<バイブレーションユニット40の説明>>>
バイブレーションユニット40は、複数のバイブレータを有し、プレート20の複数のサイド23を同一周波数にて振動させる。
バイブレーションユニット40は、プレート20の対向するサイドを上下に振動させる。
バイブレーションユニット40は、バイブレータ41とバイブレータ42との2個のバイブレータを有する。
バイブレーションユニット40は、ネジ穴24がある固定箇所の外側を上下に振動させる。
バイブレータ41とバイブレータ42との2個のバイブレータは、仕様が同じバイブレータである。
バイブレータ41とバイブレータ42との2個のバイブレータは、エアプレッシャーにより駆動するバイブレータである。
エアプレッシャーにより駆動するバイブレータとして、以下のバイブレータを用いることができる。
(1)タービンバイブレータ
(2)ローラバイブレータ
(3)ボールバイブレータ
(4)ピストンバイブレータ
前記(1)、(2)、(3)のバイブレータは、騒音が少なく、高速で動作できる。
特に、動作が安定しているタービンバイブレータが最適である。
ピストンバイブレータは、騒音が大きく、動作が遅いという課題がある。
バイブレーションユニット40は、ディストリビュータ47を有する。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41並びにバイブレータ42の振動をプレート20のサイド23に伝達する。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41並びにバイブレータ42をプレート20のサイド23に固定する。
ディストリビュータ47は、L字型に折り曲げられた金具である。
ディストリビュータ47は、水平部48と垂直部49とを有する。
水平部48は、バイブレータ41又はバイブレータ42の天面を固定している。
水平部48は、バイブレータ41とバイブレータ42の回転が互いに逆転するようにバイブレータ41又はバイブレータ42を固定している。
図2では、バイブレータ41は反時計回りに回転し、バイブレータ42は時計回りに回転する。
垂直部49は、サイド23の上下幅以下の上下幅を有し、サイド23に固定されている。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41並びにバイブレータ42の天面の前後方向の幅よりも大きな前後幅を有する。
ディストリビュータ47の前後方向の幅は、バイブレータ41並びにバイブレータ42の天面の前後方向の幅の2倍超10倍未満がよく、5倍が望ましい。
ディストリビュータ47は、プレート20の前後方向の幅の2分の1より小さく8分の1より大きな前後幅を有し、5分の1が望ましい。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41並びにバイブレータ42の振動をプレート20のサイド23の広い範囲に伝達する。
<<<コントローラ80の説明>>>
コントローラ80は、バイブレーションユニット40の振動を制御する。
コントローラ80は、バイブレータを10Hz以上800Hz以下の周波数で振動させる。
コントローラ80は、複数のバイブレータを同一周波数で振動させる。
コントローラ80は、エアコンプレッサ81とエアパイプ82とレギュレータ83とプロセッサ84とを有する。
エアコンプレッサ81は、圧縮エアを生成する。
エアパイプ82は、エアコンプレッサ81に接続されており、圧縮エアを流す。
エアパイプ82は、途中でY字状に分岐してバイブレータ41とバイブレータ42とに接続されている。
レギュレータ83は、圧縮エアの圧力を制御する制御デバイスである。
レギュレータ83は、圧縮エアの圧力を制御することにより、バイブレータ41とバイブレータ42との振動周波数を決定する。
プロセッサ84は、中央処理装置とプログラムとを有する。
プロセッサ84は、インテグレーテッドサーキット、サーキットボード等で実現することができる。
プロセッサ84は、バイブレーション装置100の動作を制御する。
プロセッサ84は、エアコンプレッサ81に接続され、エアコンプレッサ81のオンオフ動作及び動作時間を制御する。
<<<バイブレーション方法の説明>>>
バイブレーション装置100のバイブレーション方法を説明する。
<初期設定ステップ>
プレート20の周囲が、ネジ25によりベース10に固定されている状態で、作業員は、バイブレーション装置100の電源スイッチを入れる
作業員は、圧縮エアの圧力と、バイブレータ41並びにバイブレータ42の振動周波数との対応表を有している。
作業員は、対応表を参照して、レギュレータ83により、バイブレータ41並びにバイブレータ42の振動周波数に対応した圧縮エアの圧力を設定する。
作業員は、10Hz以上800Hz以下のいずれかの可聴域周波数に対応した圧力を設定する。
<進行波発生ステップ>
エアパイプ82は、Y字状に分岐してバイブレータ41とバイブレータ42とに接続されているから、バイブレータ41とバイブレータ42とに同一圧のエアが供給される。その結果、バイブレータ41とバイブレータ42とは、同一周波数で上下に振動する。
バイブレータ41とバイブレータ42の振動周波数は、可聴域周波数が好適である。
バイブレータ41とバイブレータ42は、プレート20の左右のサイド23に固定されており、プレート20の左右のサイド23に正弦波の進行波60を与える。
バイブレータ41とバイブレータ42は、進行波60を同時に同じ振幅、同じ波長、かつ、同じ周波数にて発生させる。
<定常波発生ステップ>
進行波60を同時に同じ振幅、同じ波長、かつ、同じ周波数にて、逆向きに発生させると、プレート20では左右からの進行波60が重なり合って定常波70が発生する。
定常波とは、時間が経っても位置が移動しない波のことである。
プレート20は定常波70によりバイブレータ41とバイブレータ42と同じ振動周波数で上下に振動する。
<同期化ステップ>
仮に、バイブレータ41とバイブレータ42との位相がずれた非同期状態で振動が開始されても、同期現象によりバイブレータ41とバイブレータ42との位相は短時間で一致し、バイブレータ41とバイブレータ42との振動は同期状態となりすぐに定常波の振動へと移行する。
<上下振動ステップ>
以下、図3を用いて、バイブレーション方法による上下振動を説明する。
図3は、プレート20の左右方向の中心の前後方向から見た上下振動の模式図である。
図3において、支点26は、プレート20の上下方向の中心でありかつネジ穴24の中心である点をいう。
(a)バイブレータ41とバイブレータ42とによりプレート20のサイド23に下向きの力がかかると、支点26を介して、プレート20の中央に上向きの力が発生する。
(b)バイブレータ41とバイブレータ42とによりプレート20のサイド23にさらに大きな下向きの力がかかると、プレート20の中央が上昇する。
(c)バイブレータ41とバイブレータ42とによるプレート20のサイド23の下向きの力が弱くなると、プレート20の中央が下降する。
(d)バイブレータ41とバイブレータ42とによりプレート20のサイド23に上向きの力がかかると、支点26を介して、プレート20の中央が下向きの力が発生する。
(e)バイブレータ41とバイブレータ42とによりプレート20のサイド23にさらに大きな上向きの力がかかると、プレート20の中央が下降する。
(f)バイブレータ41とバイブレータ42とによるプレート20のサイド23の上向きの力が弱くなると、プレート20の中央が上昇する。
<羽ばたき現象>
(a)から(f)を1サイクルとして、(a)から(f)の動作が繰り返されることで、プレート20は、バイブレータ41とバイブレータ42の振動周波数と同じ周波数で上下に振動する。
プレート20は、支点26間の左右で羽ばたいているように振動するので、この現象を以下、羽ばたき現象という。
羽ばたき現象とは、プレート20の左右のサイドに固定したバイブレータにエアを供給することによりプレート20が支点26間を中心にして上下に振動する現象である。
羽ばたき現象を起こしやすくするためには、バイブレータ41及びバイブレータ42の固定位置と2個のネジ穴24の位置とが直線上にあることが望ましい。すなわち、複数のバイブレータはプレート20のそれぞれ対向する辺の対向する固定箇所を結んだ線の延長線に存在することが望ましい。
バイブレータ41及びバイブレータ42の固定位置と2個のネジ穴24の位置とが直線上になくずれた位置にあっても、プレート20がベース10に確実に固定されていれば、羽ばたき現象は発生する。
壁13の厚みが増すと羽ばたき現象を妨げる可能性があるので、壁13の厚さは薄い方がよく、空間14の開口は広い方がよい。壁13の厚みは、ネジ穴24の直径よりは大きくかつネジ穴24の直径の2倍未満が望ましい。
<<<具体例>>>
以下、具体例について説明する。
プレート20として、1辺が約0.5mの正方形のアルミニウム板を使用する。
アルミニウムの音速Vを6320[m/s]とする。ただし、アルミニウムの温度は一定として温度による音速の変化は考えない。
バイブレータ41並びにバイブレータ42として、以下の仕様のエクセン株式会社製のエアバイブレータを使用する。
エア圧力が0.2以上0.6MPa以下のとき振動周波数fが119Hz以上414Hz以下のエアバイブレータが望ましい。あるいは、エア圧力が0.3以上0.6MPa以下のとき振動周波数fが110Hz以上290Hz以下のエアバイブレータが望ましい。
ここでは、エア圧力が以下のとき振動周波数fが以下の値のエアバイブレータを使用するものとする。
エア圧力が0.5MPaのときの振動周波数f:216.5Hz
エア圧力が0.4MPaのときの振動周波数f:206.6Hz
エア圧力が0.3MPaのときの振動周波数f:177.3Hz
エア圧力が0.2MPaのときの振動周波数f:133.0Hz
波長は以下の式で計算することができる。
波長λ[m]=音速V[m/s]/振動周波数f[Hz]
進行波60の波長を計算すると以下のとおりである。
エア圧力が0.5MPaのとき:
波長λ[m]=6320[m/s]/216.5[Hz]=29.19m
エア圧力が0.4MPaのとき:
波長λ[m]=6320[m/s]/206.6[Hz]=30.59m
エア圧力が0.3MPaのとき:
波長λ[m]=6320[m/s]/177.3[Hz]=35.65m
エア圧力が0.2MPaのとき:
波長λ[m]=6320[m/s]/133.0[Hz]=47.52m
バイブレータ41とバイブレータ42より発生する進行波60は、以下の式で表すことができる。
R(y,t)=A*sin2π((t/T)−(y/λ))
L(y,t)=A*sin2π((t/T)+(y/λ))
y[m]:プレートのY方向の場所
t[s]:時刻
R(y,t):場所y[m]、時刻t[s]におけるZ方向の進行波60の変位[m]
L(y,t):場所y[m]、時刻t[s]におけるZ方向の進行波60の変位[m]
A:進行波60の振幅[m]
T:進行波60の周期[s]
λ:進行波60の波長[m]
バイブレータ41とバイブレータ42から発生する進行波60の重畳により生成される定常波70は、以下の正弦定常波を表す式で表すことができる。
z(y,t)
=R(y,t)+L(y,t)
=2A*sin(2π(t/T))*cos(2π(y/λ))
y[m]:プレートのY方向の場所
t[s]:時刻
z(y,t):場所y[m]、時刻t[s]における定常波70のZ方向の変位[m]
A:進行波60の振幅[m]
T:進行波60の周期[s]
λ:進行波60の波長[m]
cos(2π(y/λ))は、定常波70の振幅を示している。
定常波70の振幅が0の場所、すなわち、cos(2π(y/λ))が0の場所yを「節」という。
定常波70の振幅が最大の場所、すなわち、cos(2π(y/λ))の絶対値が1の場所yを「腹」という。
プレート20を上下に振動させるためには、支点26の間で左右方向のいずれの場所yにおいても定常波の節を発生させないようにすればよい。
定常波の節は半波長ごとに発生するから、支点26間の距離を定常波の半波長未満とすれば、プレート20の左右方向のいずれの場所yにおいても、定常波の節が存在しないようにすることができる。
定常波70の「節」の位置を固定箇所にして、その固定箇所を保持(ねじ止め)すれば、「節」が羽ばたきの支点となる。
もし、支点26間の距離が定常波の半波長より大きければ、プレート20に節が発生してしまう。
したがって、プレート20の左右方向の固定箇所の距離は以下の長さ未満でなければならない。
エア圧力が0.5MPaのときの半波長:波長λ[m]/2=14.56m
エア圧力が0.4MPaのときの半波長:波長λ[m]/2=15.29m
エア圧力が0.3MPaのときの半波長:波長λ[m]/2=17.82m
エア圧力が0.2MPaのときの半波長:波長λ[m]/2=23.766m
以上のように、バイブレータ41とバイブレータ42とのエア圧力により、定常波の周波数と波長が決まり、プレート20の最大長さが決定する。
<<<振動測定結果>>>
プレート20として1辺が約0.5mの正方形のアルミニウム板を使用して、プレート20の振動を測定した。
図4に示すように、図1のバイブレーション装置100からベース10を取り外し、プレート20をエアマットに載せ、プレート20の周囲をフリーにして、プレート20を振動させ、振動の振幅を測定した。
図5から図8は、プレート20の下半分の領域の49点における上下方向の振動の測定結果を示す図である。
図5から図8は、プレート20が平面である場合のZ方向の変位を0として、図3の(b)の場合のZ方向の変位(上方向への変位)示している。
図5から図8に示すプレート20の上半分の領域における振動は、プレート20の下半分の領域と対称に振動しているものと考えることができるため測定していない。
図5は、0.2MPaの空気圧によるプレート20の上下振動の分布図である。
図6は、0.3MPaの空気圧によるプレート20の上下振動の分布図である。
図7は、0.4MPaの空気圧によるプレート20の上下振動の分布図である。
図8は、0.5MPaの空気圧によるプレート20の上下振動の分布図である。
図5の1行目を見ると、上下振動の振幅が、14.8μm>12.6μm>9.60μm>7.68μm<8.00μm<10.5μm<15.0μmとなっており、プレート20の中央部分よりも端部の方が振動の振幅が大きい。すなわち、プレート20の中央部分に節のような振動ムラが発生している。
その理由として、0.2MPaの空気圧では圧力が弱く、バイブレータ41とバイブレータ42を安定的に振動させることができないからではないかと考えられる。
図6の1行目を見ると、上下振動の振幅が、5.28μm<9.53μm<12.2μm<13.2μm>13.1μm>11.0μm>8.40μmとなっており、プレート20の中央部分の方が、端部より振動の振幅が大きい。すなわち、プレート20の中央部分に腹が発生しているものと考えられる。
図7と図8の場合も、プレート20の中央部分の方が、端部より振動の振幅が大きい。すなわち、プレート20の中央部分に腹が発生しているものと考えられる。
したがって、0.2MPaの空気圧では、プレート20を的確に上下方向に振動させることができない。
一方、0.3MPa以上0.5MPa以下の空気圧では、プレート20を的確に上下方向に振動させることができる。
図9を用いて、前後左右方向の振動の測定結果について説明する。
図9は、図5から図8中の、プレート20の2個の辺の測定点1〜12における水平方向の振動の測定結果を示す表である。
0.2MPaの空気圧では、測定点1、測定点2において2マイクロメートル超の値を示している。
0.3MPa以上0.5MPa以下の空気圧では、全点で2マイクロメートル未満の値を示している。
0.3MPa以上0.5MPa以下の空気圧では、前後左右方向の振動の振幅は、上下方向への振動の振幅の約10%未満あるいは15%未満であり、水平方向への振動はないものとみなすことができる。
以上の測定結果は、プレート20の周囲をフリーにしてプレート20を振動させた場合の測定結果である。
図1に示すとおり、バイブレーション装置100のプレート20は周囲がネジ25によりベース10に固定されているから、実際には、プレート20の周囲(特に、ネジ穴24の部分)は上下の振動が制限されている。
プレート20の周囲をフリーにしてプレート20を振動させた場合、プレート20は中央を腹にして上下に振動する。したがって、プレート20の周囲を固定箇所で固定してプレート20を振動させた場合でも、プレート20は中央を腹にして上下に振動しようとする。その結果、図3に示すように、支点26間を羽ばたきの中心として羽ばたき現象が生じるものと考えることができる。
そして、プレート20の周囲をベース10に固定してプレート20を振動させた場合、プレート20の周囲をフリーにしてプレート20を振動させた場合に比べて、横方向への振動はさらに減少するものと考えることができる。
さらに、以上の測定結果を見ると、プレート20の左右方向の固定箇所の距離が半波長より小さければ、定常波70の「節」の位置を固定箇所にしなくても、固定箇所が羽ばたきの支点となるものと考えることができる。
例えば、エア圧力が0.4MPaのとき半波長は15mであるが、プレート20の左右方向の固定箇所の距離が0.5m程度の場合でも、「節」が現れていない。
その結果、固定箇所の距離が10m、5m、又は、1m等の場合でも、固定箇所が羽ばたきの支点となるものと考えることができる。
<<<比較例の説明>>>
<片側振動>
図10は、図4の構成からバイブレータ42とディストリビュータ47を取り外したものである。
プレート20は、片側にあるバイブレータ41のみにより振動する。
プレート20の一方のサイド23にあるバイブレータ41から発生した進行波60は、他方のサイド23で反射して反射波を生成する。
進行波60と反射波は、重なり合って定常波となる。
図10の構成では、図11に示すように、プレート20の中央右側に、節のような振動ムラが発生してしまうことが確認された。
また、図11に示すように、前述した12点において水平方向の振動の振幅が、9マイクロメートルを超える箇所が発生した。その理由として、プレート20に楕円振動が発生したためであると考えられる。
したがって、プレート20を片側から振動させる場合は、プレート20を的確に振動させることができない。
<横向き両側振動>
図12は、図4の構成からバイブレータ41とバイブレータ42の固定方向を90度回転させてバイブレータ41とバイブレータ42の回転方向が逆になるように固定したものである。
図12の構成では、図13に示すように、プレート20の中央部分に節のような振動ムラが発生してしまうことが確認された。
したがって、バイブレータ41とバイブレータ42の回転方向が逆のまま横向きにした場合は、プレート20を的確に振動させることができない。
同様に、バイブレータ41とバイブレータ42との回転方向を同一にして横向きにした場合も、プレート20を的確に振動させることができないと考えられる。
<横向き片側振動>
図示しないが、図12の構成から、バイブレータ42とディストリビュータ47を取り外したものも、プレート20の中央部分に節のような振動ムラが発生してしまうことが確認された。
したがって、横向き片側振動の場合は、プレート20を的確に振動させることができない。
<<<まとめ>>>
本実施の形態のバイブレーション装置100は、可聴域周波数振動源であるバイブレータ41及びバイブレータ42によりプレート20の左右から進行波60を同時に同じ振幅、同じ波長かつ同じ周波数にて発生させる。その結果、プレート20では、逆向きの進行波の重畳により定常波が生成される。
本実施の形態のバイブレーション装置100の上下方向の振動生成過程は、可聴域周波数振動源からプレート20に左右から進行波60を同時に同じ周波数にてプレート20に発生させる。プレート20は定常波により振動するが、定常波の振動作用により、上下方向のみに振動する。そして、前後左右方向には振動しない。バイブレーション装置100は、この上下方向のみの振動を使用する。
バイブレーション装置100は、コントローラ80により、加振時に可聴域周波数を変更することができる。可聴域周波数とは10Hz以上20000Hz以下の範囲であるが、本実施の形態で使用する可聴域周波数は10Hz以上800Hz以下の範囲に設定している。
バイブレーションユニット40は、振動源として、ボイスコイルモータ式振動源、電磁式振動源、又は、圧電式振動源を有していてもよい。
バイブレーションユニット40は、必要とする周波数の範囲により、バイブレータ41並びにバイブレータ42等の振動源を、適宣、他の音波振動源であるボイスコイルモータ式振動源、電磁式振動源、又は、圧電式振動源等に交換することができる。
コントローラ80は、制御部品として、任意波形発生器、又は、バイポーラ電源を有していてもよい。コントローラ80は、任意の周波数にて振動源を振動させるため、音波振動源に対応する制御部品として、任意波形発生器、又は、バイポーラ電源等に交換することができる。
バイブレーションユニット40は、プレート20の対面する2辺の中央外側に取り付けたバイブレータをペアとしてプレート20を上下に振動させる。
バイブレーションユニット40は、プレート20の対面する2辺の中央外側に取り付けたペアのバイブレータにより進行波を同時に同じ振幅、同じ波長、かつ、同じ周波数にて発生させ、プレート20を定常波で振動させる。
本実施の形態のバイブレーション装置100は、バイブレータ41とバイブレータ42とをプレート20の外側に固定している。
すなわち、平面視でバイブレータ41とバイブレータ42はプレート20と重なることはない。
したがって、バイブレータ41とバイブレータ42とがプレート20の上下振動を阻害することはない。
本実施の形態のバイブレーション装置100は、バイブレータ41とバイブレータ42とをプレート20のサイド23に固定している。
バイブレータ41とバイブレータ42は、プレート20の表面21並びに裏面22には、固定されていない。
したがって、進行波60はプレート20の左右方向の両端から発生し、プレート20の左右方向の全域が上下に振動する。
本実施の形態のバイブレーション装置100は、プレート20の全体を均一に上下に振動させているものではない。
プレート20の中央部分が最も振幅が大きく、プレート20の中央部分から左右方向の周辺に向かって振幅が減少する。
左右方向の周辺に向かって振幅が減少する理由は、プレート20の左右両端を固定していること、及び、プレート20に定常波を発生させることによるものである。
また、プレート20の中央部分が最も振幅が大きく、プレート20の中央部分から前後方向の周辺に向かって振幅が減少する。
前後方向の周辺に向かって振幅が減少する理由は、プレート20の前後両端を固定していることによるものである。
プレート20の前後両端を上下振動が自由にできるフリー端にしてもよい。
プレート20の前後両端がフリー端であれば、プレート20の前後方向の振幅は均一になる。あるいは、プレート20の前後方向の振幅は均一に近づく。
本実施の形態のバイブレーション装置100は、バイブレータ41とバイブレータ42及び2個の固定箇所(ネジ穴24)を直線上に配置している。
バイブレータ41とバイブレータ42とは、2個の固定箇所(ネジ穴24)の外側にある。
バイブレータ41とバイブレータ42とは、2個の固定箇所(ネジ穴24)の内側にはない。
プレート20は、2個の固定箇所(支点26)の間を中心とする羽ばたき現象により、上下に震動する。
<<<実施の形態1の効果>>>
本実施の形態によれば、バイブレータ41及びバイブレータ42によりプレート20の左右から進行波60を同時に同じ周波数にて発生させることで、定常波が生成され、プレート20が上下方向にのみ振動する。
仮に、前後左右方向に振動する場合でも、上下方向の振動と比較して、無視できるものとなる。
バイブレーション装置100のプレート20の上にワークを載せることによりワークを上下方向のみに振動させることができる。
<<<変更例>>>
変更例1.
図14に示すバイブレーション装置100は、図1の構成からディストリビュータ47を取り除き、バイブレーションユニット40のバイブレータ41とバイブレータ42とを、プレート20のサイド23に直接固定したものである。
変更例2.
図15に示すバイブレーション装置100は、平面視でプレート20がベース10よりも大きなサイズを有し、バイブレーションユニット40のバイブレータ41とバイブレータ42とを、プレート20の裏面22の外縁に直接固定したものである。
変更例3.
図16に示すバイブレーション装置100は、ベース10とプレート20との間にディストリビュータ47を挟んでバイブレータ41とバイブレータ42とを固定したものである。
ディストリビュータ47は、平板であってもよい。
変更例4.
図2において、バイブレータ41を時計回りに回転させ、バイブレータ42を反時計回りに回転させるように、取り付けてもよい。
図2において、バイブレータ41とバイブレータ42は同一方向に回転させるよりも、バイブレータ41とバイブレータ42の回転方向を逆転させる方が望ましい。
バイブレータ41とバイブレータ42の回転方向を逆転させる場合でも、図2のように、バイブレータ41を反時計回りに回転させ、バイブレータ42を時計回りに回転させる方が望ましい。
変更例5.
バイブレーションユニット40は、2個より多い偶数個の可聴域周波数振動源を有していてもよい。
図17に示すように、プレート20にバイブレータ41、バイブレータ42、バイブレータ43並びにバイブレータ44を取り付けてもよい。
(a)は、バイブレータ41とバイブレータ42とが対向しており、バイブレータ43とバイブレータ44とが対向している。
バイブレータ41とバイブレータ43は同一のサイド23に固定されており、バイブレータ42とバイブレータ44は、別のサイド23に固定されている。
定常波は平行に生成される。
(b)は、バイブレータ41とバイブレータ42とが対向しており、バイブレータ43とバイブレータ44とが対向している。
バイブレータ41とバイブレータ42とバイブレータ43とバイブレータ44とはそれぞれ個別のサイド23に固定されている。
定常波は直交して生成される。
(c)は、バイブレータ41とバイブレータ44とが対向しており、バイブレータ42とバイブレータ43とが対向している。
バイブレータ41とバイブレータ42とバイブレータ43とバイブレータ44はそれぞれプレート20の各コーナに固定されている。
定常波は直交して生成される。
図示しないが、プレート20の形状は、平面視で円形、楕円形、その他の形状でもよい。
変更例6.
プレート20の形状は、平面視で多角形であればよい。
バイブレーションユニット40は、奇数個の可聴域周波数振動源を有していてもよい。
図18に示すように、プレート20は三角形又は六角形のプレート20でもよい。
(a)は、三角形のプレート20を示している。
バイブレータ41とバイブレータ42とバイブレータ43は、それぞれ個別のサイド23に固定されている。
(b)は、六角形のプレート20を示している。
バイブレータ41とバイブレータ42とバイブレータ43は、それぞれ一つ置きに個別のサイド23に固定されている。
図示しないが、六角形のプレート20の全てのサイド23にバイブレータを固定してもよい。
図示しないが、プレート20の形状は、平面視で円形、楕円形、その他の形状でもよい。
バイブレーションユニット40は、プレート20の1辺もしくは複数の辺の外側に固定された1個もしくは複数個のエアバイブレータを有していればよい。
具体的には、バイブレーションユニット40は、エアバイブレータを以下のように配置してもよい。
プレート20の1辺のみ、辺の外側に1個のエアバイブレータ
プレート20の1辺のみ、辺の外側に複数個のエアバイブレータ
プレート20の複数の辺の一部の辺の各辺の外側に1個のエアバイブレータ(図18の(b))
プレート20の複数の辺の一部の辺の各辺の外側に複数個のエアバイブレータ(図17の(a))
プレート20の全部の辺の各辺の外側に1個のエアバイブレータ(図17の(b)と図18の(a))
プレート20の全部の辺の各辺の外側に複数個のエアバイブレータ
コントローラ80は、全てのエアバイブレータを同一周波数で振動させる。
エアバイブレータの代わりに、他の形式のバイブレータでもよい。
変更例7.
バイブレーションユニット40は、1個の可聴周振動源を有していてもよい。
図19のバイブレーション装置100は、1個のバイブレータ45とフレーム46とを有する。
フレーム46は、U字形状の金属部品である。
フレーム46は、バイブレータ45を底部の中央に固定し、両先端の上部がディストリビュータ47に固定されている。
バイブレータ45は、上下に振動する。
バイブレータ45の振動は、2個のディストリビュータ47に伝達され、2個のディストリビュータ47を上下に振動させる。
このように、プレート20の両側に複数のバイブレータを取り付けることは必須ではなく、バイブレーションユニット40には、プレート20の複数のサイドから進行波60を同時に同じ振幅、同じ波長、かつ、同じ周波数にて発生させる機構があればよい。
変更例8.
図20のバイブレーション装置100は、プレート20とディストリビュータ47の間にスペーサ50を有する。
スペーサ50は、プレート20のサイド23とディストリビュータ47の垂直部49とに挟まれて固定された四角柱の金属棒である。
スペーサ50は、進行波60の発生位置を羽ばたき現象の支点26から遠ざける部品である。
スペーサ50の左右方向の長さを変更することにより、可聴周振動源と固定箇所との距離を変更することができる。
進行波60が同じ振幅、同じ波長、かつ、同じ周波数であったとしても、スペーサ50の左右方向の長さが大きいほど、羽ばたき現象が強く現れる。
スペーサ50により、プレート20の上下振動の振幅を調整することができる。
変更例9.
ベース10とプレート20とを固定するために、ネジ穴24とネジ25の代わりに、その他の固定金具、又は、その他の固定機構を用いてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点について説明する。
<<<構成の説明>>>
図21は、実施の形態2のスクリーン印刷装置200の構成図である。
スクリーン印刷装置200は、実施の形態1で説明したバイブレーション装置100を有する。
スクリーン印刷装置200は、ワーク900に印刷する装置である。
ワーク900は、電子デバイスの基板又は回路の基板である。
スクリーン印刷装置200は、スクリーン202を枠に張ったスクリーン版201を有する。
スクリーン202は、メッシュスクリーン、メタルスクリーン、又は、その他のスクリーンである。
スクリーン202は、電極端子、電極、配線等の印刷パターンを有する。
スクリーン202の表面にはペースト204が存在する。
スクリーン印刷装置200は、スキージ203を有する。
スキージ203は、スクリーン202の表面を移動してペースト204によりワーク900に、電極端子、電極、配線等を印刷する。
バイブレーション装置100のプレート20は、ワーク900を載せるテーブルである。
プレート20は、ワーク900を吸着する吸着板として機能する。
プレート20は、上下に貫通する複数のスルーホール205を有する。
ベース10は、空気を吸引する吸引箱として機能する。
スクリーン印刷装置200は、吸引パイプ206とバキュウームポンプ207とを有する。
吸引パイプ206は、ベース10とバキュウームポンプ207とに接続されており、空間14から空気を吸引する。
図21に示すように、バイブレータ41とバイブレータ42とは、スキージ203の印刷方向と同じ方向に配置することが望ましい。すなわち、スキージ203の印刷方向と定常波の発生方向とは一致させることが望ましい。
<<<動作の説明>>>
スクリーン印刷装置200のプロセッサ84は、印刷中に、バイブレーション装置100を動作させ、プレート20を振動させる。
プレート20の振動は、ワーク900とスクリーン版201に伝わり、ペースト204を振動させる。
ペースト204が振動することにより、ペースト204はスクリーン202の印刷パターンを通過しやすくなる。
ワーク900のホール又は溝にペーストを充填する穴埋め印刷をする場合は、ワーク900が振動しているので、ペースト204がワーク900のホール又は溝に充填されやすい。
穴埋め印刷の場合、プロセッサ84は、印刷後も、バイブレーション装置100を動作させプレート20を振動させる。印刷後もプレート20を振動させることにより、ペースト204をホール又は溝の底まで充填させることができる。
<<<実施の形態2の効果>>>
本実施の形態によれば、バイブレーション装置100をスクリーン印刷装置200に使用することができる。
本実施の形態によれば、スクリーン印刷の穴埋め時に、穴に入るペーストの充填量のばらつきを小さくすることができる。
特に、硬質ペーストを用いて穴埋め印刷する場合に、充填量が向上する。
本実施の形態によれば、プレート20は上下方向にのみ振動し前後左右方向には振動しないので、ワーク900とスクリーン版201とは前後左右方向にずれることはない。したがって、ワーク900の印刷パターンがぼやけることはない。
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1と異なる点について説明する。
図22は、実施の形態3のせん断装置300の斜視図である。
せん断装置300は、実施の形態1で説明したバイブレーション装置100を有する。
せん断装置300は、ワーク900をカットする装置である。
せん断装置300は、ワーク900をカットするブレード301を有する。
バイブレーション装置100のプレート20は、ワーク900を載せるテーブルである。
せん断装置300のプロセッサ84は、動作中に、バイブレーション装置100を動作させ、プレート20を上下方向に振動させる。
プレート20の振動は、ワーク900に伝わり、ワーク900を振動させる。
ワーク900が上下方向に振動することにより、ブレード301からワーク900への圧力が断続的になる。
<<<実施の形態3の効果>>>
本実施の形態によれば、バイブレーション装置100をせん断装置300に使用することができる。
本実施の形態によれば、ブレード301からワーク900への圧力が断続的になるので、ブレード301の耐久時間が延びる。
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態1と異なる点について説明する。
図23は、実施の形態4の穴あけ装置400の斜視図である。
穴あけ装置400は、実施の形態1で説明したバイブレーション装置100を有する。
穴あけ装置400は、ワーク900に穴を形成する装置である。
穴あけ装置400は、ワーク900に穴を形成するドリル401を有する。
バイブレーション装置100のプレート20は、ワーク900を載せるテーブルである。
穴あけ装置400のプロセッサ84は、動作中に、バイブレーション装置100を動作させ、プレート20を上下方向に振動させる。
プレート20の振動は、ワーク900に伝わり、ワーク900を振動させる。
ワーク900が上下方向に振動することにより、ドリル401からワーク900への圧力が断続的になる。
<<<実施の形態4の効果>>>
本実施の形態によれば、バイブレーション装置100を穴あけ装置400に使用することができる。
本実施の形態によれば、ドリル401からワーク900への圧力が断続的になるので、ドリル401の耐久時間が延びる。
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態1と異なる点について説明する。
<<<振動振込装置500の構成>>>
図24は、実施の形態5の振動振込装置500の斜視図である。
振動振込装置500は、振動により複数の部品を複数の窪みに挿入する装置である。
プレート20は、正方形の平板である。
プレート20には、複数の窪み29が配列されている。
プレート20には、複数の部品901がランダムに投入される。
図示していないが、プレート20の外周囲には、部品901がプレート20からこぼれ落ちないようにする枠がある。
振動振込装置500は、平板のベース10とプレート20とバイブレーションユニット40を有する。
プレート20は、4個のバイブレータを介して、ベース10に固定されている。
プレート20のサイド23は、固定されておらずフリー端となっている。
バイブレーションユニット40は、プレート20の4隅の外側に固定された複数のバイブレータを有する。
図24のバイブレーションユニット40は、4個のバイブレータと4枚のディストリビュータ47とを有する。
4個のバイブレータは、前後方向と左右方向とに対して45度傾けて、平板のベース10に固定されている。
4個のバイブレータは、それぞれ、プレート20の4つのコーナ27の外側に固定されている。
バイブレータは、プレート20の対角線の延長線に配置されている。
バイブレータ41とバイブレータ44とは、プレート20の1本の対角線の端部にある2個のコーナに対向して固定されている。
バイブレータ43とバイブレータ42とは、プレート20の他の対角線の端部にある2個のコーナに対向して固定されている。
ディストリビュータ47は、矩形板である。
ディストリビュータ47は、上面にプレート20のコーナ27を固定している。
ディストリビュータ47は、下面にバイブレータの上面を固定している。
プレート20の4個のコーナ27は、ネジ穴24に挿入されたネジによりディストリビュータ47に固定されている。
プレート20の4個のコーナ27は、プレート20の4個の固定箇所となっている。
平面視で、バイブレータはプレート20のコーナ27の外側に固定されている。すなわち、平面視で、4個のバイブレータはプレート20と重ならない。
振動振込装置500に用いる4個のバイブレータは、電磁バイブレータ等の電磁式振動源が好適である。電磁式振動源は、エアバイブレータよりも周波数を細かく制御することができる。
<<<振動振込装置500の動作>>>
コントローラ80は、プレート20の対角線の端部にある2個のコーナに固定された2個のバイブレータを同一周波数で振動させる。
4個のバイブレータは、プロセッサ84に接続され、プロセッサ84により4個のバイブレータの振動が制御される。
4個のバイブレータからの進行波は、プレート20の4隅からプレート20の中央に向かって進行する。
バイブレータ41とバイブレータ44は、進行波を同時に同じ振幅、同じ波長、かつ、同じ周波数にて1本の対角線方向に発生させ、進行波が重畳する。
バイブレータ43とバイブレータ42は、進行波を同時に同じ振幅、同じ波長、かつ、同じ周波数にて別な対角線方向に発生させ、直交した4本の進行波が重なり合って前記プレート上を、定常波が重畳し上下振動させる。
プロセッサ84は、4本の進行波の位相、振幅、波長、周波数を変えることにより、プレート20に生じる振動を変化させることができる。
特に、プロセッサ84は、同じ振幅、同じ波長、かつ、同じ周波数の進行波で、位相のみを変えた4本の進行波が重なり合った定常波をプレート上にて発生させ、定常波の上下振動により、プレート20の上で部品901を回転させたり、左右前後に移動させたり、ジャンプさせたりすることができる。
プロセッサ84は、4本の進行波の位相を、90度、180度、270度、あるいは、任意の角度だけずらして生成することができる。
以下、図25を用いて、振動振込装置500の上下振動を説明する。
図25は、位相、振幅、波長、及び、周波数が同じ進行波が重なり、定常波が重畳している場合のプレート20の上下振動状態を示している。
図25の(a)は、プレート20の左右方向の中心の前後方向の上下振動の模式図である。
図25の(b)は、プレート20のコーナ27を結ぶ1本の対角線の上下振動の模式図である。
サイド23はフリー端なので、図25の(a)に示すように、サイド23が上下に移動しながらプレート20が振動する。
一方、コーナ―27は固定されておりコーナ27が支点26となるので、図25の(b)に示すように、コーナ27は上下に移動しないまま、プレート20が振動する。
プロセッサ84は、プレート20を上下に振動させる。プレート20の振動は、部品901に伝わり、部品901を振動させる。
部品901は、上下に振動することにより、プレート20の表面を移動し、窪み29にはまり込む。
変更例1.
図26の振動振込装置500は、プレート20のコーナ27をカットして、カット面にバイブレータを固定したものである。
図26の振動振込装置500は、ディストリビュータ47が不要になる。
平面視で、バイブレータはプレート20のコーナ27の外側に固定されている。すなわち、平面視で、4個のバイブレータはプレート20と重ならない。
変更例2.
前述した実施の形態のバイブレーション装置100を振動振込装置500に用いてもよい。
振動振込装置500には4本の進行波を直交させて、あるいは、複数の進行波を交差させて、定常波を発生させることができるバイブレーション装置を用いることが望ましい。また、バイブレーション装置が進行波を交差させる場合は、進行波の交差する角度を全て均等にすることで、進行波を重畳させ安定した定常波を発生させることが望ましい。
変更例3.
図27の振動振込装置500は、プレート20のコーナ27に支柱51を設け、プレート20を4本の支柱51によりベース10に固定したものである。
支柱51は、ネジ穴24に挿入されたネジにより、プレート20を固定している。
バイブレータは、プレート20のコーナ27のカット面にのみ固定されており、バイブレータはプレート20に宙吊り状態で取り付けられている。
図27の場合、ネジ穴24にある固定箇所を支点として、前述した羽ばたき現象により、プレート20が振動する。
図27の場合、プレート20は4本の支柱51により固定されているが、支柱51が細い柱であるため、プレート20は上下だけでなく前後左右にも振動することができる。
変更例4.
プレート20の形状は、平面視で多角形であればよい。
図28に示すように、プレート20は三角形又は六角形のプレート20でもよい。
(a)は、三角形のプレート20を示している。
バイブレータ41とバイブレータ42とバイブレータ43とはそれぞれ個別のコーナ27に固定されている。
(b)は、六角形のプレート20を示している。
バイブレータはそれぞれ個別のコーナ27に固定されている。
図示しないが、プレート20の形状は、平面視で円形、楕円形、その他の形状でもよい。
変更例5.
図29に示すように、バイブレータは全てのコーナになくてもよい。
(a)は、四角形のプレート20の一つの対角線上にバイブレータを配置した場合を示している。
バイブレータ41とバイブレータ42とは一つ置きのコーナ27に固定されている。
(b)は、六角形のプレート20の2つの対角線上にバイブレータを配置した場合を示している。
図示しないが、プレート20の形状は、平面視で円形、楕円形、その他の形状でもよい。
変更例6.
図30に示すように、バイブレータはコーナに複数あってもよい。
(a)は、四角形のプレート20の4つのコーナの各コーナにバイブレータを2個ずつ配置した場合を示している。
(b)は、四角形のプレート20の4つのコーナの各コーナにバイブレータを2個ずつ配置し、さらに、対向するサイドの中央外側にバイブレータを配置した場合を示している。
図示しないが、プレート20の形状は、平面視で8角形、10角形、その他の多角形でもよい。
バイブレーションユニット40は、プレート20の1コーナもしくは複数のコーナの外側に固定された1個もしくは複数個のエアバイブレータを有していればよい。
具体的には、バイブレーションユニット40は、エアバイブレータを以下のように配置してもよい。
プレート20の1コーナのみの外側に1個のエアバイブレータ
プレート20の複数のコーナの一部のコーナの各コーナの外側に1個のエアバイブレータ(図29の(a)と(b))
プレート20の複数のコーナの全部のコーナの各コーナの外側に1個のエアバイブレータ(図28の(a)と(b))
プレート20の複数のコーナの全部のコーナの各コーナの外側に2個のエアバイブレータ(図30の(a)と(b))
コントローラ80は、全てのエアバイブレータを同一周波数で振動させる。
エアバイブレータの代わりに、他の形式のバイブレータでもよい。
実施の形態6.
実施の形態6では、実施の形態1と異なる点について説明する。
<<<ディストリビュータ47の構成>>>
図31は、ディストリビュータ47を示す図である。
図31のディストリビュータ47は、プレート20の表面21と裏面22とを挟んでプレート20に固定されている。
(a)は、四角形のプレート20の一辺の中央外側にバイブレータを配置した場合を示している。
ディストリビュータ47は、サイドに前後方向から見てU字形状の溝52を有し、プレート20の中央外縁を溝52に嵌めこんでいる。
プレート20は、バイブレータが固定された2辺に固定箇所となる3個のネジ穴24を有している。
プレート20は、ディストリビュータ47を中央のネジ穴のネジにより固定する。
プレート20は、バイブレータが固定されていない辺にはネジ穴24を有していない。
(a)のように、固定箇所を全ての辺に設ける必要はなく、対向する2辺のみに設けてもよい。
(b)は、四角形のプレート20の4つのコーナにバイブレータを配置した場合を示している。
ディストリビュータ47は、サイドに上下方向から見てV字形状の溝53を有し、プレート20のコーナを溝53に嵌めこんでいる。
V字形状の溝53の直行する底部は、2つのサイドの直交する2つの端部と面接触している。
V字形状の溝53の三角形の側面は、コーナ27の表面と裏面とに面接触している。
プレート20は、コーナの外縁にネジ穴24を有している。
プレート20は、ディストリビュータ47をネジ穴のネジにより固定する。
<<<ディストリビュータ47の効果>>>
ディストリビュータ47は、プレート20を挟んでプレート20に固定されているので、プレート20が薄くてサイドの上下方向の高さが小さい場合でも、プレート20のサイドからバイブレータの振動を伝達することができる。
変形例1.
ディストリビュータ47の形状は、バイブレータの振動をプレート20のサイドに伝達できる形状であればよい。
ディストリビュータ47は、プレート20のサイドのみ又はコーナのみに固定してもよいが、ディストリビュータ47を以下の箇所に固定してもよい。
プレート20のサイドと表面
プレート20のサイドと裏面
プレート20のサイドと表面と裏面
プレート20のサイドの表面のみ
プレート20のサイドの裏面のみ
プレート20のサイドの表面と裏面
プレート20のコーナと表面
プレート20のコーナと裏面
プレート20のコーナと表面と裏面
プレート20のコーナの表面のみ
プレート20のコーナの裏面のみ
プレート20のコーナの表面と裏面
上記のいずれの場合もディストリビュータ47をプレート20のサイドのみ又はコーナのみに固定している場合と同じ効果を得ることができ、上記のいずれの場合でも前記プレートのサイドを振動させる構成ということができる。
実施の形態7.
実施の形態7では、実施の形態1と異なる点について説明する。
<<<プレート20とバイブレーションユニット40の構成>>>
図32は、プレート20とバイブレーションユニット40を示す図である。
図32は、プレート20の外周の複数個所をプレート20の外側から振動させるバイブレーションユニット40を示している。
プレート20の外周とは、プレート20を平面視した場合の輪郭をいう。
プレート20の外側とは、プレート20の輪郭の外側をいう。
バイブレーションユニット40は、プレート20の外周からプレートの中央に向け進行波を同時に同じ波長にて発生させる。
(a)は、三角形のプレート20のコーナ27にバイブレータ41を配置し、コーナ27に対向するサイド23の中央外側にバイブレータ42を配置した場合を示している。
(b)は、五角形のプレート20のコーナ27にバイブレータ41を配置し、コーナ27に対向するサイド23の中央外側にバイブレータ42を配置した場合を示している。
バイブレーションユニット40は、プレート20の複数個所を振動させる。
複数個所とは、実施の形態1で説明したように、プレート20の複数のサイド23のみからなる複数個所でもよい。
複数個所とは、実施の形態5で説明したように、プレート20の複数のコーナ27のみからなる複数個所でもよい。
複数個所とは、図32の(a)と(b)で説明したように、プレート20のサイド23とコーナ27とからなる複数個所でもよい。
サイド23とコーナ27とからなる複数個所の場合は、以下のいずれかであればよい。
1個のサイド23と1個のコーナ
複数のサイド23と1個のコーナ
1個のサイド23と複数のコーナ
複数のサイド23と複数のコーナ
複数のサイド23と複数のコーナの典型例は、全サイド23と全コーナである。
複数個所は、プレート20の対角線又は直径等のプレート20の中央又は重心を通る直線上に、対になって配置されることが望ましい。
サイド23は、平面である必要はない。
(c)は、円形のプレート20の直径方向にバイブレータ41とバイブレータ42とを配置し、直交する直径方向にバイブレータ43とバイブレータ44とを配置した場合を示している。
(c)の場合は、サイド23が、円筒の外周曲面の場合を示している。
サイド23は、その他の曲面でもよいし、曲面と平面の組み合わせでもよい。
(c)において、バイブレータ43とバイブレータ44はなくてもよい。
(c)において、バイブレータの数を増やしてもよい。
<<<プレート20の平面形状>>>
図33は、プレート20の平面形状を示す図である。
プレート20の平面形状は、正多角形又は円形に限らない。
(a)は、プレート20の平面形状が、十字形の場合を示している。
(b)は、プレート20の平面形状が、星形の場合を示している。
(c)は、プレート20の平面形状が、角が丸い長尺四角形の場合を示している。
(d)は、プレート20の平面形状が、楕円形の場合を示している。
図示しないが、プレート20の平面形状は、台形、雲形、山形、不規則形状、又は、その他の形状でもよい。
<<<プレート20の断面形状>>>
図34は、プレート20の図1におけるA−A断面形状を示す図である。
プレート20の断面形状は矩形に限らない。
(a)、(c)及び(e)は、プレート20の中央下部が上側に窪んだ場合を示している。
(a)は、凹形状に窪んだ場合を示している。
(b)は、V形状に窪んだ場合を示している。
(c)は、弧状に窪んだ場合を示している。
(b)、(d)及び(f)は、プレート20の中央上部が下側に膨らんだ場合を示している。
(b)は、凸形状に膨らんだ場合を示している。
(d)は、V形状に膨らんだ場合を示している。
(f)は、弧状に膨らんだ場合を示している。
(g)は、プレート20の中央部が上側と下側に窪んだ凹形状の場合を示している。
(h)は、プレート20の中央部が上側と下側に膨らんだ凸形状の場合を示している。
図示しないが、プレート20の断面形状は、凹凸形状、波形状、又は、その他の形状でもよい。
(i)は、サイド23が、傾斜している場合を示している。
サイド23が傾斜している場合は、ディストリビュータ47の斜面を設けて、バイブレータ41とバイブレータ42を取り付ければよい。
ディストリビュータ47の断面は、三角形状をしている。
ディストリビュータ47の斜面とサイド23とは同じ傾斜角度を有している。
バイブレータ41とバイブレータ42とは、ディストリビュータ47を介して、プレート20の外周を上下に振動させることができる。
実施の形態8.
バイブレーション装置100は、水平方向の振動を嫌う装置に使用することができる。
バイブレーション装置100は、ワークの加工装置に使用することができる。
バイブレーション装置100は、加工装置、搬送装置、選別装置、組立装置、製造装置、振動振込装置、又は、その他のマテリアルハンドリング装置に使用することができる。
マテリアルとは、物質、材料、原料、生地、素材、用具、器具、又は、工具等をいう。
マテリアルの形状、材質、性質、個数は問わない。
マテリアルは、塊でもよいし、板でもよいし、あるいは、粒又は粉でもよい。
マテリアルは、固体でもよいし、液体でもよいし、弾性体でもよい。
実施の形態9.
実施の形態9では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
<<<印刷部600の構成の説明>>>
図35は、実施の形態9のスクリーン印刷装置200の印刷部600の3面図である。
印刷部600は、スクリーン印刷装置200の駆動機構(図示せず)により印刷方向Pに移動する。
印刷部600は、固定機構620を有し、固定機構620によりバイブレーション装置100の印刷具260を固定する。
印刷部600は、昇降機構610を有する。
昇降機構610は、バイブレーション装置100の印刷具260を昇降させるとともに、印刷中に、下方への印圧を発生させる。
図35に示すように、印刷具260は、印刷部600に傾斜して固定され、印刷時に傾斜したまま印刷方向Pに移動する。
<<<バイブレーション装置100の構成の説明>>>
図36は、実施の形態9のバイブレーション装置100の斜視図である。
図37は、実施の形態9の印刷具260の正面図である。
図38は、実施の形態9の印刷具260の側面図である。
図39は、実施の形態9の印刷具260の平面図である。
図36において、Xは前後方向を示している。
印刷方向Pは、前後方向Xの前方向と一致する。
図36と図37において、Yは左右方向を示し、Zは上下方向を示している。
図35に示すように、印刷具260は印刷時には傾斜して使用されるが、以下、説明の便宜上、図36と図37に示すZ方向を上下方向Zということにする。
バイブレーション装置100は、印刷具260と、バイブレーションユニット40と、コントローラ80とを有する。
印刷具260は、スクリーン印刷装置の印刷に用いられるものである。
印刷具260は、印刷圧力によりワークに印刷するものである。
バイブレーションユニット40は、印刷具260の外側の対向する複数のサイドを振動させる。
コントローラ80は、バイブレーションユニット40の振動を制御する。
<<印刷具260の説明>>
印刷具260は、ホルダ210と、ホルダ210に取り付けられたスキージ203を有する。
図39に示すように、印刷具260(ホルダ210)は、印刷方向Pと直交する方向に長辺Wを有し、印刷方向Pと同じ方向に短辺Vを有する。
<<ホルダ210の説明>>
ホルダ210は、アルミニウム等の金属製である。
図35に示すように、ホルダ210は、基部211と、押し板212とを有する。
ホルダ210は、印刷部600の固定機構620により印刷部600の昇降機構610に固定される。
スキージ203は、締め付けネジ213により、基部211と押し板212とに挟まれて固定される。
基部211は、両端上部にバイブレータ41とバイブレータ42とを固定するネジ穴を有する。
基部211の中央上部は、固定部241を有する。
固定部241は、基部211のバイブレータ41とバイブレータ42とを固定するネジ穴の内側に配置されている。
固定部241は、固定機構620により固定される。
<<スキージ203の説明>>
スキージ203は、支持部220とスキージ部230とを有する。
スキージ部230は、ウレタンゴム又は弾性体を用いて作成されている。
支持部220は、ガラス繊維(グラスファイバ)を含んでいるガラスエポキシ樹脂を用いて作成されている。
支持部220は、両面に荒削り部を備え、ウレタンゴムは、ガラスエポキシ樹脂の両面の荒削り部に溶着して固定されている。
<<<バイブレーションユニット40の説明>>>
バイブレーションユニット40は、複数のバイブレータを有し、ホルダ210の複数のサイド23を同一周波数にて振動させる。
バイブレーションユニット40は、ホルダ210の対向するサイド23にあるホルダ210の左右方向にある側面を上下に振動させる。
バイブレーションユニット40は、バイブレータ41とバイブレータ42との2個のバイブレータを有する。
バイブレーションユニット40は、ホルダ210のネジ穴24がある固定箇所(支点26)の外側を上下に振動させる。
バイブレータ41とバイブレータ42とは、仕様が同じバイブレータである。
バイブレータ41とバイブレータ42とは、エアプレッシャーにより駆動するバイブレータである。
<<ディストリビュータ47の説明>>
バイブレーションユニット40は、ディストリビュータ47を有する。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41とバイブレータ42との振動をホルダ210のサイド23又はその近傍に伝達する。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41とバイブレータ42とをホルダ210のサイド23に固定する。
ディストリビュータ47は、端部にネジ穴24を有し、ネジにより、ホルダ210の両側端部に固定される。
ディストリビュータ47は、矩形の金属板である。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41とバイブレータ42とをホルダ210のサイド23にある側面より外側に配置するものである。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41とバイブレータ42との振動をホルダ210の短辺Vを形成している側面又は側面近傍に伝達するものである。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41とバイブレータ42との羽ばたきを増長させるものである。
ディストリビュータ47の左右方向Yの長さを長くして、バイブレータ41とバイブレータ42とをホルダ210のサイドにある側面より遠ざけるほど、ディストリビュータ47の弾性力により、ディストリビュータ47が湾曲し、羽ばたきが大きくなる。
ディストリビュータ47の上下方向Zの厚さを薄くするほど、ディストリビュータ47の弾性力により、ディストリビュータ47が湾曲し、羽ばたきが大きくなる。
<<バイブレータ41とバイブレータ42の説明>>
バイブレータ41とバイブレータ42とは、ホルダ210のサイド23よりも外側に翼のように取り付けられている。
バイブレータ41とバイブレータ42とは、ホルダ210に対して平行に取り付けられている。
バイブレータ41とバイブレータ42とは、エア供給口が内側になるように取り付けられている。
バイブレータ41とバイブレータ42との回転軸Jは、前後方向Xと平行である。
バイブレータ41とバイブレータ42との回転面Kは、左右方向Yと平行である。
<<<バイブレーションユニット40の動作の説明>>>
コントローラ80は、バイブレータ41とバイブレータ42とを10Hz以上800Hz以下の周波数で振動させる。
バイブレーションユニット40は、支点26の両側で羽ばたいて印刷具260を振動させる。
バイブレーションユニット40は、印刷具260の長辺Wの両サイド2個所を振動させる。
バイブレーションユニット40は、印刷具260の外側の対向する複数のサイド23を、同じ振幅にてかつ同じ波長にてかつ同じ周波数にて振動させて、印刷具260を定常波で振動させる。
バイブレーションユニット40は、印刷具260の端部に進行波を同時に同じ振幅にてかつ同じ波長にてかつ同じ周波数にて発生させる。
バイブレーションユニット40は、印刷具260の外側から進行波により印刷具260の端部を上下に振動させ、定常波により印刷具260を振動させる。
バイブレーションユニット40は、前述した実施の形態で説明した羽ばたき現象により、ホルダ210を上下方向に振動させる。
<<<振動測定結果>>>
以下に振動測定結果を示す。
振動測定の際、コントローラ80は、バイブレータ41とバイブレータ42とに0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧を供給し、同じ振幅にてかつ同じ波長にてかつ同じ周波数にて振動させた。
<<測定結果1>>
アルミニウム製のホルダ210を使用して、図40に示す印刷具260の振動を測定した。
図40に示す印刷具260は、調整冶具240を支持部220にそえてスキージ203をホルダ210に固定した点を除き、図37の印刷具260と同じ構成である。
調整冶具240は、矩形の金属板であり、ステンレス鋼製であり、ホルダ210よりも固い金属で形成されている。
調整冶具240は、支持部220と基部211との間に挟まれている。
図40に示す印刷具260を横にしてエアマットに載せ、印刷具260の周囲をフリーにして、ホルダ210を振動させ、振動の振幅を測定した。
バイブレータ41とバイブレータ42とは、実施の形態1と同じ仕様のものである。
バイブレータ41とバイブレータ42との回転方向は、図37の矢印で示すように、内側から外側への回転とした。すなわち、図37に示すように、バイブレータ41の回転方向は時計回りであり、バイブレータ42の回転方向は反時計回りである。
スキージ203の左右方向Yの長さは185mmである。
測定点は、図37に示すとおり、スキージ部230の底面の測定点1〜17と左側面と右側面とである。
測定点1〜17は、10mm間隔である。
図41は、ホルダ210のスキージ部230の底面の上下方向Zと側面の左右方向Yとの振動の測定結果を示す図である。
図42は、ホルダ210のスキージ部230の底面の前後方向Xの振動の測定結果を示す図である。
縦軸は、振動距離を示す。「P−P」は、「Peak to Peak」を意味しており、振動距離を意味する。
横軸は、図37に示すとおり、スキージ部230の左側面と底面の測定点1〜17と右側面とを示す。
図41に示すように、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、スキージ部230の底面の測定点1〜17の上下方向Zの振動距離はほぼ均等になっている。
図41に示すように、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、スキージ部230の左側面と右側面との左右方向Yの振動距離はほぼゼロになっている。特に、空気圧が0.4Mpaと0.5Mpaの時、左右方向Yの振動距離はゼロであり、印刷に好適である。
図42に示すように、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、スキージ部230の底面の測定点1〜17の前後方向Xの振動距離はほぼ均等になっている。
したがって、印刷具260は、全体が上下前後に振動し、左右には振動していない。
<<測定結果2>>
さらに、図43に示す印刷具260の振動を測定した。
図43に示す印刷具260は、支持部220が薄板部221と厚板部222を有している点を除き、図40の印刷具260と同じ構成である。厚板部222の厚さは、支持部220の厚さであり、薄板部221は、支持部220の表面を削って薄くした部分である。
図44に示すように、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、スキージ部230の底面の測定点1〜17の上下方向Zの振動距離はほぼ均等になっている。
図44に示すように、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、スキージ部230の左側面と右側面との左右方向Yの振動距離はほぼゼロになっている。特に、空気圧が0.4Mpaと0.5Mpaの時、左右方向Yの振動距離はゼロであり、印刷に好適である。
図45に示すように、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、スキージ部230の底面の測定点1〜17の前後方向Xの振動距離はほぼ均等になっている。
したがって、印刷具260は、全体が上下前後に振動し、左右には振動していない。
<測定結果1と測定結果2との比較>
支持部220が薄板部221と厚板部222を有している方が、前後方向Xの振動距離が大きくなり、ムラがあった。前後方向Xの振動距離が大きくなる理由は、薄板部221が存在するためであると考えられる。
スクリーン印刷において、前後方向Xの振動を利用したい場合には、薄板部221のある支持部220を使用することが好適である。
<<測定結果3>>
アルミニウム製のホルダ210を使用して、調整冶具240を使用せず、図37に示す印刷具260の振動を測定した。
図示しないが、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、スキージ部230の底面の測定点1〜17の上下方向Zの振動距離はほぼ均等になり、左側面と右側面との左右方向Yの振動距離はほぼゼロになった。
0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、スキージ部230の底面の測定点1〜17の前後方向Xの振動距離は、均等ではなく、中央部分が端部よりも振動距離が大きくなった。
スクリーン印刷の場合、スクリーン版のスクリーンの中央ほど上下に移動可能な距離が増すので、スキージ部230の底面の中央部分が端部よりも振動距離が大きくなる場合でも、使用可能である。
<<測定結果4>>
図37の構成において、バイブレータ41とバイブレータ42とのエア供給口が外側になるように取り付けて、バイブレータ41とバイブレータ42との回転方向を、図37の矢印と逆にした場合、左右方向Yの振動が多少発生したが、上下方向Zの振動距離はほぼ均等であった。
<<測定結果5>>
図37の構成において、バイブレータ41とバイブレータ42との回転方向をともに同じ方向にした場合、上下方向Zの振動距離と前後方向Xの振動距離とは均一にならなかった。左右方向Yの振動が上下方向Zの振動距離と同じ程度発生した。
スクリーン印刷において、左右方向Yの振動を利用したい場合に有効である。
<<測定結果6>>
図37の構成において、ディストリビュータ47の上下方向Xの厚さを、10.9mmと1.9mmにして測定すると、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、上下方向Zの振動距離は、ほぼ同じであるか、ディストリビュータ47の厚さが厚い方が多少減少した。
また、ディストリビュータ47の厚さが厚い方が、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧において、前後方向Xの振動距離は、半分程度になった。
<<測定結果7>>
さらに、図46に示す印刷具260の振動を測定した。
図46に示す印刷具260は、バイブレータ43、44を付加している点を除き、図37の印刷具260と同じ構成である。
図46に示すように、バイブレータ43、44は、印刷方向Pの前側に配置している。
バイブレータ43、44の回転軸Jは、同一軸である。
バイブレータ43、44の回転軸Jは、左右方向Yと平行である。
測定の結果、バイブレータ43、44があるため、左右方向Yの振動が発生した。
図46に示す印刷具260は、スクリーン印刷において、左右方向Yの振動を利用したい場合に有効である。
<<比較例>>
図37の構成において、バイブレータ41のみ又はバイブレータ42のみにした場合、上下方向Zの振動距離と前後方向Xの振動距離とは均一にならなかった。
図37の構成において、バイブレータ42のみの回転軸Jを左右方向Yと平行にした場合、上下方向Zの振動距離は均一にならなかった。また、左右方向Yの振動が発生した。
図37の構成において、バイブレータ41とバイブレータ42との回転軸Jをともに左右方向Yと平行にして、バイブレータ41とバイブレータ42とをともに印刷方向Pの前側又は印刷方向Pの側に配置した場合、上下方向Zの振動距離と前後方向Xの振動距離とは均一にならなかった。
<<振動測定に基づく考察>>
ホルダ210は、上下方向Xに厚みのある金属塊であるから、ホルダ210の両サイド23から進行波を入力してホルダ210の内部に定常波を発生させたとしても、ホルダ210が湾曲することはない。したがって、ホルダ210の内部に定常波が発生している場合、ホルダ210全体が左右差なく一様に安定して振動するものと考えることができる。したがって、スキージ203の底面も左右差なく一様に安定して振動するはずである。
また、左右方向Yの振動がない場合は、定常波により振動が発生していると考えることができる。
図37のように、2個のバイブレータの回転面Kをスキージに対して平行に、かつ、エアの供給口が内側になるように取り付けたとき、ホルダ210の内部に定常波が発生していると考えることができ、スキージ203の底面の振動が最も安定しており、左右方向Yへの振動も抑えられていた。
1個のバイブレータのみで振動させる場合は、進行波が発生し、他方のサイドで反射して反射波を生成する。発生した反射波が進行波と重なり合って定常波となる。
1個のバイブレータでは、スキージ底面の振動が不安定であり、左右方向Yへの振動も発生した。進行波と反射波により重なり合った定常波は節が発生することが確認できた。
1個のバイブレータで節ができる反射波からの定常波は実用的ではない。
印刷具260は、エアマットに載せ周囲をフリーにして振動させた測定状態とは異なる環境下で使用される。
具体的には、印刷具260は、固定機構620により昇降機構610に固定され、印刷中はワークに加圧された状態で使用される。
振動測定時は、図37に示す支点26間の左右で羽ばたいているように振動するが、印刷具260が固定機構620により昇降機構610に固定された場合でも、ディストリビュータ47の弾性力により、支点26間の左右で羽ばたいているように振動することが可能である。
このように、使用環境が異なる場合でも、印刷具260には定常波が生成される。
<<<実施の形態の効果>>>
本実施の形態によれば、印刷具260は全体が上下方向Zに均一に振動し左右には振動していないので、穴埋め印刷に有効である。
本実施の形態によれば、印刷具260は全体が前後方向Xに均一にも振動するので、穴埋め印刷にさらに有効である。特に、印刷具260は印刷時には傾斜して使用されるため、上下方向Zと前後方向Xとの両方に振動することは、穴埋め印刷に適している。
本実施の形態によれば、回転方向の変更、又は、振動源の追加により、印刷具260を左右方向Yにも振動させることができ、左右方向Yの振動を利用したスクリーン印刷に有効である。
<<<変更例>>>
変更例1.
バイブレータの振動周波数は、エア圧により変更することができ、10Hz以上800Hz以下の可聴周波数域の振動周波数が有効である。
波長λ[m]=音速V[m/s]/振動周波数f[Hz]であり、f=800Hzの場合、
波長λ[m]=6320[m/s]/800[Hz]=7.9m
半波長λ/2[m]=7.9m/2=3.95m
したがって、800Hz以下であれば節の出ない実用的な数値であると考えることができる。
変更例2.
スキージ部230の素材は、ウレタンでなくてもよく、ゴム又はシリコン含有の弾性体でもよい。
スキージ部230の素材は、金属でもよく、個体物であればよい。
スキージ203は、支持部220がなくてもよく、スキージ部230のみで構成されていてもよい。
また、スキージ203は、金属スキージでもよい。
変更例3.
調整冶具240を、支持部220と基部211との間ではなく、支持部220と押し板212との間に挟んでもよい。
調整冶具240を、2枚用意し、支持部220と基部211との間と、支持部220と押し板212との間に挟んでもよい。
支持部220を金属製にしてもよい。その際、支持部220をホルダ210よりも固い金属で形成する。
変更例4.
バイブレーションユニット40は、エアプレッシャーで駆動されるエアバイブレータでもよいし、ボイスコイルモータで駆動されるバイブレータ、又は、前述した実施の形態で説明したバイブレータでもよい。
実施の形態10.
実施の形態10では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
実施の形態10では、スキージ203をローラー250にした印刷具260について説明する。
図47は、実施の形態10のバイブレーション装置100の印刷具260の5面図である。
図47は、図36のスキージ203をローラー250に変更したものである。
ローラー250は、ホルダ210に取り付けられている。
ローラー250は、金属製であり、左右方向Yのローラー軸251を中心に回転する。
バイブレーションユニット40は、印刷具260の短辺Vの両サイド231の2個所を振動させる。
図47の印刷具260は、バイブレータ41とバイブレータ42との回転面Kをローラー250に対して平行に、かつ、エアの供給口が内側になるように取り付けている。
図48の印刷具260は、バイブレータ41とバイブレータ42との回転軸Jを左右方向Yと平行にして、ホルダ210の左右方向Yの中央に取り付けている。
印刷具260は、バイブレータ42を印刷方向Pの前側に取り付け、バイブレータ41を印刷方向Pの後側に取り付けている。
バイブレータ41の回転方向は、図48の矢印で示すように、印刷方向Pの後側から前側への回転とする。
バイブレータ42の回転方向は、図48の矢印で示すように、印刷方向Pの前側から後側への回転とする。
図49の印刷具260は、図47の印刷具260のバイブレータ42の回転方向を後側から前側への回転としたものである。
<<<振動測定に基づく考察>>>
実施の形態9と同様に、振動測定を実施した。
実施の形態9と同様に、振動測定の際、コントローラ80は、バイブレータに0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、及び、0.5MPaの各空気圧を供給し、同じ振幅にてかつ同じ波長にてかつ同じ周波数にて振動させた。
図47の印刷具260ように、バイブレータの回転面Kをローラー250に対して平行に、かつ、エアの供給口が内側になるように取り付けたとき、スキージの底面の振動が安定しており、左右方向への振動も抑えられていた。
図47の印刷具260は、ワークに対して押し付ける振動が一定になるという定常波の押し付け効果あり、かつ、左右方向Yの振動が抑制され、印刷に好適である。
図48のように、バイブレータ41とバイブレータ42との回転軸Jを左右方向Yと平行にして、ホルダ210の左右方向Yの中央に取り付けたとき、2個の振動源がホルダ210の前サイド231と後サイド231から進行波を入力するので定常波が生成され、定常波振動となる。
図48の印刷具260は、ワークに対して押し付ける振動が一定になるという定常波の押し付け効果あり、かつ、左右方向Yの振動が抑制され、印刷に好適である。
図49のように、バイブレータ41とバイブレータ42との回転方向が同じときでも、2個の振動源があるので定常波振動となる。
図49の場合、バイブレータ41とバイブレータ42とは、回転振動方式のエアバイブレータであり、回転方向が同じなので、バイブレータ41とバイブレータ42との回転方向の振動が加わりそれが円振動となり、前後方向Xにおいて、ローラー250の押し付けの補助となる印刷方向Pと同じ方向の振動が加わる。
<<比較例>>
図48において、1個のバイブレータのみで振動させる場合は、進行波が発生しサイドに到着し反射すると反射波が発生する。発生した反射波が進行波と重なり合って、定常波となる。
1個のバイブレータでは、スキージ底面の振動が不安定であり、左右方向Yへの振動も発生した。進行波と反射波により重なり合った定常波は節が発生することが、確認できた。
1個のバイブレータで節ができる反射波からの定常波は実用的ではない。
<<<実施の形態の効果>>>
本実施の形態によれば、印刷具260がローラー250を有している場合でも、実施の形態9と同様な効果を得ることができ、ローラー250に対して、上下方向Z及び前後方向Xに振動を加えることができる。
本実施の形態によれば、ローラー250の押し付けの補助となる印刷方向Pと同じ方向の振動を加得ることができる。
<<<変更例>>>
変更例1.
印刷具260は、スクリーン印刷装置の印刷具として使用することができる。
ローラー250を用いた印刷具260は、押圧具としても使用することができ、製品の引き延ばす圧延装置に使用することができる。
昇降機構610が印刷具260を製品に対して角度を付けて取り付けた場合、ローラー250が製品に対して擦り込むような運動となる。
変更例2.
ローラー250の素材は、金属でなくてもよく、ゴム、ウレタン又はシリコン含有の弾性体でもよい。
ローラー250の素材は、樹脂でもよく、個体物であればよい。
変更例3.
図50に示す印刷具260は、図47に示す印刷具260にバイブレータ43、44を付加している。
バイブレータ43、44の回転軸Jは左右方向Yと平行であり、バイブレータ43、44を印刷方向Pの後側に配置した。
図50に示す印刷具260は、左右方向Yの振動を利用したい場合に有効である。
<<<他の構成>>>.
図51は、実施の形態9と10の印刷具260の変形例を示す図である。
図51は、バイブレータ41とバイブレータ42との取付方法又は取付位置を変えたものである。
(a)は、バイブレータ41とバイブレータ42との取付位置をホルダ210の上下方向Zの中央にしたものである。ホルダ210のサイド23の上下中央にスリットを有し、ディストリビュータ47はホルダ210のサイド23の上下中央のスリットに差し込まれて固定されている。
(b)は、ディストリビュータ47をL字型にして、ホルダ210のサイド23の上下方向Z全体にディストリビュータ47を固定したものである。
(c)は、バイブレータ41とバイブレータ42との取付位置をホルダ210ではなくスキージ203の支持部220のサイド23にした場合を示している。
バイブレータ41とバイブレータ42との振動がスキージ203に伝わりやすくなる。
(d)は、バイブレータ41とバイブレータ42との取付位置をホルダ210ではなくスキージ203のスキージ部230のサイド23にした場合を示している。
スキージ203は、支持部220がなくスキージ部230のみで構成されている。
(e)は、バイブレータ41とバイブレータ42との取付位置をローラー軸251のサイド23にした場合を示している。
ディストリビュータ47は、筒状であり、ローラー軸251に固定されている。
ディストリビュータ47は、バイブレータ41とバイブレータ42との振動をローラー軸251に伝達する。
(f)は、バイブレータ41とバイブレータ42とをディストリビュータ47なしでホルダ210の両端のサイド23に直接固定した場合を示している。
図示しないが、バイブレータ41とバイブレータ42とをホルダ210の両端と一部オーバラップさせて取り付けてもよい。例えば、バイブレータ41とバイブレータ42との下面の半分をホルダ210の両端の上面にディストリビュータ47なしで固定してもよい。
***実施の形態の補足説明***
前述した実施の形態は、望ましい形態の例示であり、本発明の技術的範囲を制限することを意図するものではない。
実施の形態は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。
また、前述した実施の形態を組み合わせてもよい。
100 バイブレーション装置、10 ベース、11 上面、12 底面、13 壁、14 空間、20 プレート、21 表面、22 裏面、23 サイド、24 ネジ穴、25 ネジ、26 支点、27 コーナ、29 窪み、40 バイブレーションユニット、41,42,43,44,45 バイブレータ、46 フレーム、47 ディストリビュータ、48 水平部、49 垂直部、50 スペーサ、51 支柱、52 溝、53 溝、60 進行波、70 定常波、80 コントローラ、81 エアコンプレッサ、82 エアパイプ、83 レギュレータ、84 プロセッサ、200 スクリーン印刷装置、201 スクリーン版、202 スクリーン、203 スキージ、204 ペースト、205 スルーホール、206 吸引パイプ、207 バキュウームポンプ、210 ホルダ、211 基部、212 押し板、213 締め付けネジ、214 固定部、220 支持部、221 薄板部、222 厚板部、230 スキージ部、231 サイド、240 調整冶具、250 ローラー、251 ローラー軸、260 印刷具、300 せん断装置、301 ブレード、400 穴あけ装置、401 ドリル、500 振動振込装置、600 印刷部、610 昇降機構、620 固定機構、900 ワーク、901 部品。

Claims (9)

  1. 印刷具と、
    前記印刷具の外側の対向する複数のサイドを振動させるバイブレーションユニットと、
    前記バイブレーションユニットの振動を制御するコントローラと
    を備え
    前記バイブレーションユニットは、印刷具の外側の対向する複数のサイドを、同じ振幅にてかつ同じ波長にてかつ同じ周波数にて振動させて、前記印刷具を定常波で振動させるバイブレーション装置。
  2. 前記バイブレーションユニットは、前記印刷具の端部に進行波を同時に同じ振幅にてかつ同じ波長にてかつ同じ周波数にて発生させ、前記印刷具の外側から進行波により前記印刷具の端部を上下に振動させ、定常波により印刷具を振動させる請求項1に記載のバイブレーション装置。
  3. 前記印刷具は、
    ホルダと、
    前記ホルダに取り付けられたスキージ又はローラーと、
    を有し、
    前記バイブレーションユニットは、前記ホルダを振動させる請求項1又は2に記載のバイブレーション装置。
  4. 前記印刷具は、印刷方向と直交する方向に長辺を有し、
    前記バイブレーションユニットは、前記印刷具の長辺の両サイドを振動させる請求項1から3いずれか1項に記載のバイブレーション装置。
  5. 前記印刷具は、印刷方向と同じ方向に短辺を有し、
    前記バイブレーションユニットは、前記印刷具の短辺の両サイドを振動させる請求項1から4いずれか1項に記載のバイブレーション装置。
  6. 前記バイブレーションユニットは、バイブレータを有し、
    前記コントローラは、前記バイブレータを10Hz以上800Hz以下の周波数で振動させる請求項1から5いずれか1項に記載のバイブレーション装置。
  7. 前記バイブレーションユニットは、エアプレッシャーで駆動されるエアバイブレータ、又は、ボイスコイルモータで駆動されるバイブレータを有する請求項1から5のいずれか1項に記載のバイブレーション装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のバイブレーション装置を備えたスクリーン印刷装置。
  9. バイブレーションユニットにより、印刷具の外側の対向する複数のサイドを、同じ振幅にてかつ同じ波長にてかつ同じ周波数にて振動させて、前記印刷具を定常波で振動させるバイブレーション方法。
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