JP2002166341A - 超音波を用いた研磨装置 - Google Patents

超音波を用いた研磨装置

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JP2002166341A
JP2002166341A JP2000361175A JP2000361175A JP2002166341A JP 2002166341 A JP2002166341 A JP 2002166341A JP 2000361175 A JP2000361175 A JP 2000361175A JP 2000361175 A JP2000361175 A JP 2000361175A JP 2002166341 A JP2002166341 A JP 2002166341A
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English (en)
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Toshiro Iyama
俊郎 井山
Masahiro Mizuno
雅裕 水野
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Japan Science and Technology Agency
Mikuni Adec Corp
Original Assignee
Mikuni Adec Corp
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、貫通穴でも袋穴でも良好な加工
を行うことができる超音波を用いた研磨装置を提供する
ものである。 【解決手段】 加振側超音波振動子10から振動を発振
し、振動部材18を介して、吸収側超音波振動子14で
振動を吸収するようにする。この際、加振側超音波振動
子10からの超音波の進行方向と吸収側超音波振動子1
4の超音波の吸収方向とを、振動部材18を介してほぼ
直線上に配置する。これによって、振動部材18を疎密
波としての進行波が通過することになり、樹脂工具2
4,34の全ての箇所に均等な超音波が伝わり、金型2
2,30を均等に研磨することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型等の凹凸面を
研磨するための超音波を用いた研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、情報機器の小型化に伴って、小
型で複雑な形状を有する金型の需要が増加している。こ
うした金型の型彫りはもっぱら放電加工によって行われ
るが、放電加工によって得られる面は梨地状であり、さ
らに加工変質層も存在するため、放電加工によって得ら
れる金型の成型箇所の表面の加工は満足できるきるもの
ではなかった。従って、金型には、放電加工の後加工と
して研磨加工が必要であった。
【0003】砥粒加工学会誌Vol.43,No.5 1
999,MAY,P.225−231の「超音波楕円振
動を利用した小型金型の磨き加工に関する研究」に、金
型の貫通穴の表面を磨き加工する研磨装置が提供されて
いる。この貫通穴の表面を加工する研磨装置を図7及び
図8に示す。研磨装置50は、上部超音波振動子52
と、下部超音波振動子54と、上部超音波振動子52に
連結されるものであって振幅を増大させるための上部ホ
ーン56と、下部超音波振動子54に連結されるもので
あって振幅を増大させるための下部ホーン58と、上部
ホーン56と下部ホーン58との間に連結固定される筒
状の振動棒60とから成る。
【0004】この研磨装置50に貫通穴を有する金型6
2を取り付ける場合には、例えば、振動棒60の下端か
ら下部超音波振動子54と連結した下部ホーン58を外
し、振動棒60に金型62の貫通穴を挿入させ、その
後、振動棒60の下端に下部ホーン58を連結固定す
る。金型62の貫通穴に振動棒60を嵌合させた状態
で、振動棒60の外面と金型62の穴との間に樹脂を充
填して硬化させ、振動棒60の外表面に樹脂工具64を
固定形成する。
【0005】樹脂は硬化する際に収縮するので、樹脂工
具64の外表面と金型62の貫通穴の表面との間に隙間
66(図8)が発生する。この隙間に砥粒68を含むス
ラリを供給し、上部超音波振動子52と下部超音波振動
子54とによって振動棒60に定在波を流す。この定在
波によって砥粒68が隙間66を上から下に向けて移動
し、それによって金型62の貫通穴の表面が研磨され
る。
【0006】一方、特開平11−347894号公報に
は、金型の袋穴(凹部)の表面を磨き加工する研磨装置
が提供されている。この袋穴を磨き加工する研磨装置を
図9に示す。この研磨装置70は、進行波発生用超音波
振動子72と、その進行波発生用超音波振動子72から
の超音波の振幅を増大させるためのホーン74と、進行
波吸収用超音波振動子76と、その進行波吸収用超音波
振動子76に超音波の振幅を増大させて伝えるためのホ
ーン78と、ホーン74とホーン78との間に連結され
る振動板80と、進行波発生用超音波振動子72と進行
波吸収用超音波振動子76とを保持するためのホルダ8
2とから成る。
【0007】次に、振動板80の中央の下側には袋穴を
有する金型84を備え、振動板80の下面と金型84の
袋穴との間に樹脂を充填して硬化させ、振動板60の下
側の外表面に樹脂工具86を固定形成する。樹脂は硬化
する際に収縮するので、樹脂工具86の外表面と金型8
4の袋穴の表面との間に隙間88(図10)が発生す
る。この隙間88に砥粒を含むスラリを供給し、進行波
発生用超音波振動子72から超音波を発生し、振動板8
0を経由して進行波吸収用超音波振動子76に超音波を
吸収させる。この振動板80を通過する波は進行波とな
る。樹脂工具86の外表面と金型84の袋穴の表面との
隙間88を進行波によって砥粒68が移動し、その砥粒
68の移動によって金型の袋穴の表面が研磨される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の貫通穴研磨用の
研磨装置50では、金型の貫通穴の半径方向のへこみが
深い場合には、研磨むらが生じるおそれがあった。この
ため、従来の研磨装置50では、研磨むらを生じさせな
いようにするために、振動棒60(上部ホーン56、下
部ホーン58、上部超音波振動子52、下部超音波振動
子54も含む)を上下に移動させていた。このため従来
の研磨装置50では、振動棒60等を往復移動させる機
構を必要とし、装置全体のコストが高くなるという欠点
があった。
【0009】一方、従来の袋穴研磨用の研磨装置70で
は、樹脂工具86に振動を伝達する振動板80は厚みが
薄いため、振動板80自体がその板厚方向にも振動す
る。進行波によって樹脂工具86表面の振動形態が円運
動であることが望ましいが、振動板80がその板厚方向
に振動するため、砥粒68は振動板80の板厚方向に長
い楕円形になって移動する。このため、従来の研磨装置
70では袋穴の良好な加工ができないという欠点があっ
た。従来の研磨装置70では更に、進行波発生用超音波
振動子72や進行波吸収用超音波振動子76における超
音波の発生方向や吸収方向と、振動板80の超音波の進
行方向とが直角方向にずれた位置となっている。このた
め、振動板80は研磨時の加圧により中央が大きく撓
み、中央の圧力が弱くなる。この結果、袋穴の両端は研
磨できるが、袋穴の中央は充分研磨できないという欠点
があった。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、低コストで、貫通穴でも袋穴でも良好な加工を行う
ことができる超音波を用いた研磨装置を提供することを
目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の超音波を用いた研磨装置は、超音波振動子に
よって発生する振動を振動部材に伝達し、その振動部材
に固定した樹脂工具によって加工物を研磨する超音波を
用いた研磨装置において、超音波を発振する一方の超音
波振動子と超音波を吸収する他方の超音波振動子とを前
記振動部材を挟んでほぼ直線状に連結し、一方の超音波
振動子から前記振動部材を介して他方の超音波振動子に
超音波を直線方向に進行させるようにしたものである。
【0012】本発明の他の研磨装置は、超音波振動子に
よって発生する振動を振動部材に伝達し、その振動部材
に固定した樹脂工具によって加工物を研磨する超音波を
用いた研磨装置において、前記振動部材の周囲のほぼ同
一平面位置にその振動部材に向けて超音波を発振するか
またはその振動部材から超音波を吸収するための超音波
振動子を多数連結し、各超音波振動子が超音波を発振す
るか超音波振動を吸収するかの少なくとも一つの機能を
有し、少なくとも一つの超音波振動子から超音波を発振
し、前記振動部材を介して少なくとも一つの超音波振動
子で振動を吸収するようにし、前記振動部材の中央部に
超音波を直線状に進行させるようにしたものである。
【0013】
【発明の第一実施形態】次に、本発明を図面に基づいて
説明する。図1は本発明に係る超音波を用いた研磨装置
の一実施形態を示す構成図である。図1は貫通穴を有す
る金型の研磨に本発明を適用したものである。研磨装置
は、上部側に設けた加振側超音波振動子10と、その加
振側超音波振動子10に超音波振動を発生させる発振手
段12と、下部側に設けた吸収側超音波振動子14と、
その吸収側超音波振動子14の超音波振動を吸収するた
めの振動エネルギ吸収手段16と、加振側超音波振動子
10と吸収側超音波振動子14とを連絡する振動部材1
8とから構成される。加振側超音波振動子10からの超
音波の進行方向と、吸収側超音波振動子14の超音波の
吸収方向とが、振動部材18を介してほぼ直線上に配置
されている。即ち、加振側超音波振動子10から発振さ
れた超音波が、振動部材18を経由してほぼ直線方向
(曲り角が無い)に伝わり、吸収側超音波振動子14に
吸収されるように設定されている。加振側超音波振動子
10で超音波を発振し、吸収側超音波振動子14で超音
波を吸収するので、振動部材18に伝わる波は進行波で
ある。
【0014】加振側超音波振動子10と振動部材18と
の間にも、吸収側超音波振動子14と振動部材18との
間にも、ホーンを省略しても良い。これは、加振側超音
波振動子10から発振された超音波が振動部材18を介
して直線方向に吸収側超音波振動子14に進行して吸収
されるので、図8のような加振側超音波振動子から振動
部材を介して吸収側超音波振動子に至るまでに2度も直
角に超音波が曲がる従来のものと比べて、超音波の振幅
の減少を少なくすることができるため、ホーンを省略す
ることが可能となる。
【0015】振動部材18は、従来の板状のものではな
く、中実のブロック状のものとするのが望ましい。即
ち、振動部材18は、加振側超音波振動子10と吸収側
超音波振動子14とを連絡する超音波の進行方向におい
て、超音波振動によってその中心軸が撓まない(厚み方
向に移動しない)ものとする。振動部材18の外径は、
加振側超音波振動子10や吸収側超音波振動子14の外
径よりも大きくする方が望ましい。これは、貫通穴20
を有する金型22と振動部材18との嵌合を容易にでき
るからである。
【0016】次に、離型剤を塗布した金型22の貫通穴
20と振動部材18とを嵌合させ、振動部材18の外面
と金型22の貫通穴20との間に例えばエポキシ樹脂を
充填して、振動部材18の表面にエポキシ樹脂を固着し
て樹脂工具24を形成する(図2)。エポキシ樹脂は硬
化する際に収縮するので、樹脂工具24の外表面と金型
22の貫通穴20の表面との間に隙間26が発生する。
【0017】上部に設けた加振側超音波振動子10によ
って振動部材18を加振させ、下部側に設けた吸収側超
音波振動子14で振動部材18からの超音波を吸収す
る。この結果、振動部材18には上方から下方に向かっ
て移動する進行波(疎密波)が発生する。振動部材18
に伝わる疎密波は、図1の点線で示すように、疎の部分
で細くなり、蜜の部分で太くなる。金型22の上部から
隙間26に砥粒28を含むスラリーを供給すると、図2
のように進行波によって砥粒28が回転しながら上方か
ら下方へ搬送されて、金型22の貫通穴20の表面を研
磨する。
【0018】以上のように、本発明では疎密波を進行さ
せるので、樹脂工具24の各部分には振動部材18の細
い部分と太い部分が繰り返し及ぶので、金型22の貫通
穴20の表面に均一な研磨力が加わり、研磨むらを無く
すことができる。従って、本発明では、従来のように均
一に研磨するために振動子等を上下させる必要がない。
よって、振動子等を上下させる機構を省略できるので、
研磨装置の製造コストを低減させることができる。
【0019】本発明では、加振側超音波振動子10から
発振された超音波を、振動部材18を経由してほぼ直線
的に吸収側超音波振動子14に吸収するように設定した
ので、超音波エネルギの減少を少なくすることができ、
ホーンを省略することができる。また、振動部材18を
中実のブロック状のものとすることで、超音波エネルギ
の減少を少なくすることができる。ホーンを省略して加
振側超音波振動子10と吸収側超音波振動子14の外径
を振動部材18の外径より小さくすることで、振動部材
18と金型の貫通穴との嵌合が容易になる。
【0020】
【発明の第二実施形態】次に、本発明の他の実施形態を
図3及び図4に基づいて説明する。図3及び図4は袋穴
(凹部)を有する金型の研磨に本発明を適用した例を示
す。この第二実施形態において、第一実施形態と同一参
照番号は同一部材を示す。この第二実施形態の研磨装置
は第一実施形態と同様、加振側超音波振動子10と、そ
の加振側超音波振動子10に振動を発生させる発振手段
12と、吸収側超音波振動子14と、その吸収側超音波
振動子14の振動を吸収するための振動エネルギ吸収手
段16と、加振側超音波振動子10と吸収側超音波振動
子14とを連絡する振動部材18とから構成される。加
振側超音波振動子10から発振された超音波が、振動部
材18を経由してほぼ直線状に(曲り角が無いように)
に吸収側超音波振動子14に吸収されるように設定され
ている。加振側超音波振動子10で超音波を発振し、吸
収側超音波振動子14で超音波を吸収するので、振動部
材18に進行波(疎密波)が伝達される。
【0021】この第二実施形態においても、加振側超音
波振動子10から発振された超音波が、振動部材18を
経由してほぼ直線状に吸収側超音波振動子14に吸収さ
れるので、超音波の振幅の減少を少なくすることができ
る。この結果、加振側超音波振動子10と振動部材18
との間にも、吸収側超音波振動子14と振動部材18と
の間にも、ホーンの使用を省略することができる。振動
部材18は、従来のような板状のものではなく、中実の
ブロック状のものとするのが望ましい。即ち、振動部材
18は、加振側超音波振動子10と吸収側超音波振動子
14とを連絡する超音波の進行方向の中心軸が、超音波
振動によって撓まない(厚み方向に移動しない)ものと
する。図3において、振動部材18の中心軸方向は水平
方向に配置する。
【0022】次に、離型剤を塗布した金型30の袋穴3
2に例えばエポキシ樹脂を流し込み、振動部材18の下
面を接近させて振動部剤18の下面にエポキシ樹脂を固
着して、これを樹脂工具34とする。エポキシエポキシ
樹脂は硬化する際に収縮するので、樹脂工具34の外表
面と金型30の袋穴32の表面との間に隙間36(図
4)が発生する。
【0023】加振側超音波振動子10によって振動部材
18を加振させ、吸収側超音波振動子14で振動部材1
8からの超音波を吸収する。この結果、振動部材18に
は水平方向に移動する進行波(図3の点線で示す疎密
波)が発生する。この際、隙間36に砥粒28を含むス
ラリーを供給すると、砥粒28が樹脂工具34の外表面
と金型30の袋穴32の表面との隙間36に入り込み、
図4のように進行波によって砥粒28が回転しながら水
平方向に搬送されて、金型30の袋穴32の表面を研磨
する。
【0024】以上のように、この第二実施形態において
も、振動部材18に疎密波が繰り返して進行するので、
金型30の袋穴32の表面を均一に研磨することができ
る。更に、図9の従来の袋穴を研磨するための研磨装置
では、振動板が板厚方向に移動して良好な加工ができな
いという欠点があったが、本発明では、振動部材18の
中心軸が撓まない(厚み方向に移動しない)形状のもの
を使用するよって、砥粒28がほぼ正確な円形を描いて
回転擦るので、従来のものと比べてより正確な研磨が可
能となる。
【0025】従来の袋穴を研磨するための従来の研磨装
置では、進行波発生用超音波振動子と振動板とを直角方
向に配置し、かつ振動板と進行波吸収用超音波振動子と
を直角方向に配置しており、振動板は研磨時に中央が大
きく撓み、袋穴を均等に研磨できないという欠点があっ
たが、本発明では加振側超音波振動子10と振動部材1
8と吸収側超音波振動子14とを直線状に配置し、振動
部材18を撓まないようにしたので、袋穴32を均等に
研磨することが出きるようになった。更に、加振側超音
波振動子10から発振された超音波が、振動部材18を
経由してほぼ直線方向に吸収側超音波振動子14に吸収
されるように設定したので、振動エネルギの減少を少な
くすることができ、ホーンを省略することが可能とな
る。
【0026】
【発明の第三実施形態】図5は振動部材の他の形状を示
すものである。振動部材38は外形が正多角形(図5で
は六角形)の形状をしており、正多角形の振動部材38
の周囲に複数個(図5では6個)の超音波振動子40を
接続する。各超音波振動子40は、振動部材38の中央
に向けて超音波を発振するか、振動部材38の中央から
超音波を吸収するように振動部材38に接続され、しか
も全ての超音波振動子40はほぼ同一平面上に配置され
る。超音波振動子40が配置される同一平面に相当する
振動部材38の平面は、そこに超音波振動が伝わって
も、その超音波の振動によって撓みが生じない程度の剛
性のあるものを使用する。正多角形の振動部材38の中
央部に樹脂工具42を備える。樹脂工具42の中心軸上
(図5の裏面側)に金型等の研磨素材(図示せず)が配
置され、研磨素材は樹脂工具42と接触している。
【0027】各超音波振動子40には振動を発生させる
ための発振手段(図示せず)と振動を吸収するための振
動エネルギ吸収手段(図示せず)との少なくとも一つの
手段を接続する。これにより、各超音波振動子40は、
超音波を発振するか超音波振動を吸収するかの少なくと
も一つの機能を有する。加振の機能を備えている超音波
振動子40は、加振の強さを自由に調節することができ
る。加振と吸振の両方の機能を備えている超音波振動子
40は、外部からの電気信号によって各超音波振動子4
0への加振と吸振の切換えを行うことができる。
【0028】各超音波振動子40には、加振と吸振と停
止とのいずれかが選択される。加振と吸振とが1対1で
あっても、1対複数であっても、複数対複数であっても
良い。図5に矢印で示すものは、2箇所の加振と1箇所
の吸振による合成進行波を示す。進行波は振動部材38
の中央部を直線状に進行させるのが望ましい。このよう
に、加振や吸振を行う超音波振動子40の箇所を変える
ことによって、超音波の進行方向を変えることができ、
多方向の形状パターンを持った金型に対してもむらなく
研磨することができる。なお、全ての超音波振動子40
に加振と吸振の両方の機能を備えるようにすれば、振動
部材38への進行波(合成波)の進行方向(図5の矢印
方向)を360度回転させることができ、より均等な研
磨を行うことができる。各超音波振動子40は振動部材
38の中央部に向けて加振を行ったり吸振を行ったりす
るように配置されているので、超音波エネルギの減少が
少ない。このため、ホーンを省略することができる。ま
た、振動部材38を超音波によって撓まない形状にする
ことで良好な加工を行うことができる。
【0029】
【発明の第四実施形態】図6は振動部材の他の形状を示
すものである。振動部材44は外形が長方形の形状をし
ており、その振動部材44の周囲に複数個(図6では6
個)の超音波振動子46が接続されている。各超音波振
動子46は、振動部材44のほぼ中央部に向けて超音波
を発振するか、振動部材44のほぼ中央部から超音波を
吸収するように振動部材44に接続され、しかも全ての
超音波振動子46はほぼ同一平面上に配置される。超音
波振動子40が配置される同一平面上に相当する振動部
材44の平面は、そこに超音波振動が伝わっても、その
超音波の振動によって撓みが生じない程度の剛性のある
ものを使用する。長方形の振動部材44の中央部にほぼ
長方形の樹脂工具48を備える。樹脂工具48の中央の
軸上(図6の裏面側)に研磨素材(図示せず)が配置さ
れ、研磨素材は樹脂工具48と接触している。
【0030】各超音波振動子46には振動を発生させる
ための発振手段(図示せず)と振動を吸収するための振
動エネルギ吸収手段(図示せず)との少なくとも一つの
手段が接続されている。これにより、各超音波振動子4
6は、超音波を発振するか超音波振動を吸収するかの少
なくとも一つの機能を有する。加振と吸振の両方の機能
を備えている超音波振動子40は、外部からの電気信号
によって各超音波振動子40への加振と吸振の切換えを
行うことができる。各振動部材44への加振と吸振と停
止とを行わせることにより、各振動部材44への進行波
の進行方向(図6の矢印方向)を多方向に変化させるこ
とができる。
【0031】振動部材44と樹脂工具48とを長方形に
することによって、細長い金型に対してもむらなく研磨
することができる。全ての超音波振動子46は振動部材
44の内部に向けて加振と吸振を行うように配置されて
いるので、超音波エネルギの減少が少ない。このため、
ホーンを省略することができる。また、振動部材44を
超音波によって撓まない形状にすることで、良好な加工
を行うことができる。
【0032】なお、前記実施形態においては、振動部材
18を中実のブロックとしたが、中心軸がぶれないもの
であれば、中空状のものであっても良い。また、振動部
材の形状やそれに対する超音波振動子の設置方法として
は、図5や図6の例に限定されるものではなく、種々の
変形が可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明に係わる超音波を
用いた研磨装置によれば、振動部材には進行波(疎密
波)が伝わるので、金型等の加工表面に樹脂工具を介し
て均一な研磨力が加わり、研磨むらが生じることなく均
一に研磨することができる。また、従来のように、貫通
穴加工を行う際に、超音波振動子を上下させる必要がな
くなり、従来の貫通穴加工の研磨装置に比べて製品コス
トを低減することができる。本発明において袋穴を研磨
する場合には、加振側超音波振動子からの超音波が、振
動部材を経由してほぼ直線方向で吸収側超音波振動子に
吸収されるように設定したので、従来のような振動部材
の中央部が撓むことを防止することができ、袋穴を均等
に研磨することができるようになった。本発明ではま
た、加振側超音波振動子からの超音波が、振動部材を経
由してほぼ直線方向で吸収側超音波振動子に吸収される
ように設定したので、振動部材を伝わる振動エネルギの
減少が少なくなるので、ホーンを省略することができ、
装置のコストを低減することができる。本発明では更
に、振動部材を超音波によって中心軸が移動することの
ない中実ブロック等の形状としたので、袋穴に対して正
確な研磨が可能となった。
【0034】他の発明では、加振側超音波振動子からの
超音波が、振動部材を経由してほぼ直線方向で吸収側超
音波振動子に吸収されるように設定し、かつ振動部材に
は進行波(疎密波)が伝わるようにしたので、従来のよ
うな振動部材の中央部が撓むことを防止することがで
き、研磨むらが生じることなく均一に研磨することがで
きる。振動部材の周囲に加振と吸振の両方の機能を備え
る超音波振動子を複数個接続し、加振と吸振の切換えを
行うことによって、振動部材への進行波の進行方向を3
60度回転させることができる。これによって、多方向
の形状パターンを持った金型に対してもむらなく研磨す
ることができる。また、超音波振動子は振動部材の中心
や内部に向けて加振と吸振を行うように配置されている
ので、超音波エネルギの減少が少なくい。このため、ホ
ーンを省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波を用いた研磨装置の一実施
形態を示す構成図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】本発明に係る超音波を用いた研磨装置の他の実
施形態を示す構成図である。
【図4】図3の要部拡大断面図である。
【図5】本発明に係る超音波を用いた研磨装置のその他
の実施形態を示す構成図である。
【図6】本発明に係る超音波を用いた研磨装置のその他
の実施形態を示す構成図である。
【図7】従来の超音波を用いた貫通穴用研磨装置の構成
図である。
【図8】図7の要部拡大断面図である。
【図9】従来の超音波を用いた袋穴用研磨装置の構成図
である。
【図10】図9の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 加振側超音波振動子 12 発振手段 14 吸収側超音波振動子 16 振動エネルギ吸収手段 18 振動部材 22 金型 24 樹脂工具 30 金型 34 樹脂工具 38 振動部材 40 超音波振動子 42 樹脂工具 44 振動部材 46 超音波振動子 48 樹脂工具
フロントページの続き Fターム(参考) 3C049 AA07 AA16 CA03 CB01 3C058 AA07 AA11 AA16 CA02 CB01 CB03 CB04 CB05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子によって発生する振動を振
    動部材に伝達し、その振動部材に固定した樹脂工具によ
    って加工物を研磨する超音波を用いた研磨装置におい
    て、超音波を発振する一方の超音波振動子と超音波を吸
    収する他方の超音波振動子とを前記振動部材を挟んでほ
    ぼ直線状に連結し、一方の超音波振動子から前記振動部
    材を介して他方の超音波振動子に超音波を直線方向に進
    行させるようにしたことを特徴とする超音波を用いた研
    磨装置。
  2. 【請求項2】 前記振動部材と前記超音波振動子との間
    にホーンを備えないようにしたことを特徴とする請求項
    1記載の超音波を用いた研磨装置。
  3. 【請求項3】 前記振動部材における超音波の進行方向
    の中心軸が超音波振動で撓まない剛性体で形成したこと
    を特徴とする請求項1乃至2記載の超音波を用いた研磨
    装置。
  4. 【請求項4】 前記振動部材が中実のブロックから成る
    ことを特徴とする請求項3記載の超音波を用いた研磨装
    置。
  5. 【請求項5】 超音波振動子によって発生する振動を振
    動部材に伝達し、その振動部材に固定した樹脂工具によ
    って加工物を研磨する超音波を用いた研磨装置におい
    て、前記振動部材の周囲のほぼ同一平面位置にその振動
    部材に向けて超音波を発振するかまたはその振動部材か
    ら超音波を吸収するための超音波振動子を多数連結し、
    各超音波振動子が超音波を発振するか超音波振動を吸収
    するかの少なくとも一つの機能を有し、少なくとも一つ
    の超音波振動子から超音波を発振し、前記振動部材を介
    して少なくとも一つの超音波振動子で振動を吸収するよ
    うにし、前記振動部材の中央部に超音波を直線状に進行
    させるようにしたことを特徴とする超音波を用いた研磨
    装置。
  6. 【請求項6】 前記全ての超音波振動子に超音波を発振
    する機能と超音波を吸収する機能を備えるようにしたこ
    とを特徴とする請求項5記載の超音波を用いた研磨装
    置。
  7. 【請求項7】 前記振動部材と前記超音波振動子との間
    にホーンを備えないようにしたことを特徴とする請求項
    5乃至6記載の超音波を用いた研磨装置。
  8. 【請求項8】 前記振動部材における超音波振動が進行
    する箇所が超音波振動で撓まないように、前記振動部材
    を剛性体で形成したことを特徴とする請求項5乃至7記
    載の超音波を用いた研磨装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110153869A (zh) * 2019-05-29 2019-08-23 河南四方达超硬材料股份有限公司 一种非平面pdc表面抛光设备
WO2020090036A1 (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 マイクロ・テック株式会社 バイブレーション装置、バイブレーション方法、スクリーン印刷装置、振動振込装置、及び、マテリアルハンドリング装置

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