JP6565683B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
Tin Oxide)蒸着基板など))用途に用いる場合、ITO膜の導電性を上げるために一定温度でのキュア工程が必要であり、耐熱性、特に基板の熱収縮率の低減が求められる。そのため、該用途には、低熱収縮性に優れるフィルムが用いられることが知られていた(特許文献1、2、3)。
[I]フィルムを構成するポリエステル樹脂に占めるポリエチレンテレフタレートの割合が60重量%以上であるポリエステルフィルムであって、200℃で30分間熱処理を行った場合のフィルム長手方向、幅方向の熱収縮率がいずれも0.5%以下であるポリエステルフィルム。
[II]200℃で30分間熱処理を行った場合のフィルム長手方向の熱収縮率、幅方向の熱収縮率のうち、少なくともいずれか一方の熱収縮率が0.01%以上である[I]に記載のポリエステルフィルム。
[III]220℃で30分間熱処理を行った場合のフィルム長手方向の熱収縮率、幅方向の熱収縮率がいずれも0.5%以下であり、かつ、少なくともいずれか一方の熱収縮率が0.01%以上である[I]または[II]に記載のポリエステルフィルム。
[IV]非接触式レーザー顕微鏡でフィルムの凹凸を測定した際に、フィルムの凹凸差が300μm以下である[I]〜[III]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[V]面配向係数が0.145以上0.165以下である[I]から[IV]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VI]フィルムを構成するポリエステル樹脂が、融点(Tmf(℃))を有しており、かつ、微少吸熱ピーク温度(Tmeta(℃))を1つ以上有している[I]から[V]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VII]フィルムを構成するポリエステル樹脂が、微少吸熱ピーク(Tmeta(℃))を2以上有しており、最も低い温度のTmeta(Tmeta1)(℃)と最も高い温度のTmeta(Tmeta2)(℃)が以下の関係を満たす[VI]に記載のポリエステルフィルム。
Tmf−35(℃)≦Tmeta1(℃)<Tmeta2(℃)≦Tmf(℃)
[VIII]前記ポリエステルフィルムが、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであり、フィルムの最表面を構成する層(A層)を構成するポリエステル樹脂の融点(Tmo(℃))が260℃以上である[I]から[VII]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[IX]前記積層ポリエステルフィルムが3層からなり、表層を構成する層(A層)を構成するポリエステル樹脂の融点(Tmo(℃))と、内層を構成する層(B層)を構成するポリエステル樹脂の融点(Tmi(℃))の差が5℃以上10℃以下である[VIII]に記載のポリエステルフィルム。
[X]表層を構成する層(A層)の厚みの和と、内層を構成する層(B層)の厚みの比が1/8以上1/4以下である[IX]に記載のポリエステルフィルム。
[XI]透明導電膜の製膜基板に用いられる[I]から[X]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムを構成するポリエステル樹脂に占めるポリエチレンテレフタレートの割合が60重量%以上であるポリエステルフィルムである。
(1)溶融したポリエステルを口金から吐出して未延伸シートを作製する際に、表面温度10℃以上40℃以下に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸シートを作製する。
(2)(1)で得られた未延伸シートを、下記(i)式を満たす温度T1n(℃)にて、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率10.0倍以上16.0倍以下に二軸延伸する。
(i)Tg(℃)≦T1n(℃)≦Tg+40(℃)
Tg:ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度(℃)
(3)(2)で得られた二軸延伸フィルムを、下記(ii)式を満足する温度(Th0(℃))で、1秒間以上30秒間以下の熱固定処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却することによって、ポリエステルフィルムを得る。
(ii)Tmf−35(℃)≦Th0(℃)≦Tmf(℃)
Tmf:ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の融点(℃)
(1)を満たす条件によって未延伸シートを得ることにより実質的に非晶のポリエステルフィルムを得ることができ、(2)以降の工程においてフィルムに配向を付与せしめ易くし、熱収縮率が小さく、機械特性に良好なフィルムを得やすくすることができる。
(2)を満たす条件によって二軸延伸フィルムを得ることにより、フィルムに適度な配向を付与せしめ、機械特性の良好なフィルムとすることができる。
(3)を満たす条件によって結晶配向を完了させることにより、配向が形成されたポリエステル分子鎖の構造が安定し、熱収縮率が低く、平面性が良好なフィルムとすることができる。
(iii)Tmf−35(℃)≦Th1(℃)≦Th0(熱固定温度)(℃)
(3)を満たす条件で熱固定したフィルムを、さらに(4)を満たす条件でアニールすることで、フィルム内の配向が形成されたポリエステル分子鎖の構造をより強固なものとすることができ、200℃を超えるような高温での熱収縮率を大幅に低減させることができる。
(iv)Tmf−10(℃)≦Th0(熱固定温度)(℃)≦Tmf(℃)
(v)Tmf−35(℃)≦Th1(℃)≦Th0(熱固定温度)(℃)
本構成の積層フィルムにおいて、表層を構成する樹脂の融点(Tmo(℃))は、フィルムを構成するポリエステル樹脂の融点Tmf(℃)よりも高い。即ち、上述のように表層が内層の樹脂を保護することができるため、熱固定温度を高くすることが可能となり、フィルムを溶かすこと無くTmf(℃)に近い温度で熱固定することができる。(iv)式を満たす場合、熱固定温度がTmf(℃)に近いため、熱固定温度を反映するTmeta(℃)は融点ピークに重なり、観察することができない。一方で、二軸延伸後にフィルム構造をより高温で形成することが可能となるため、(4)のアニール工程の温度を、フィルム構造を破壊することなく高温化することができる。その結果、高温下でも安定なフィルム構造とすることができ、高温での熱収縮率を低減することが可能となる。
A.各層を構成する樹脂の融点(Tmo、Tmi)(℃)
試料を、JIS K 7121(1999)に基づいた方法により、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置“ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。
サンプルパンに試料を5mgずつ秤量し、試料を25℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で加熱する(1stRUN)。1stRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。当該1stRunの示差走査熱量測定チャートの、吸熱ピークである結晶融解ピークにおけるピークトップの温度を求め、これを融点(℃)とする。2以上の結晶融解ピークが観測される場合は、最もピーク面積の大きいピークトップの温度を融点とする。
試料を、JIS K 7121(1999)に基づいた方法により、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置“ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。
サンプルパンに試料を5mgずつ秤量し、試料を25℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で加熱する(1stRUN)。1stRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。当該1stRunの示差走査熱量測定チャートの、吸熱ピークである結晶融解ピークにおけるピークトップの温度を求め、これを融点(℃)とする。2以上の結晶融解ピークが観測される場合は、最もピーク面積の大きいピークトップの温度を融点とする。
微少吸熱ピーク温度Tmeta(℃)は、JIS K 7122(1999)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて測定する。サンプルパンにフィルムを5mg秤量し、25℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で加熱する(1stRUN)。1stRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。得られた示差走査熱量測定チャートにおける結晶融解ピーク前の微少吸熱ピーク温度でもってTmeta(℃)とする。微小な吸熱のピークが観測しにくい場合は、データ解析部にてピーク付近を拡大して、ピークを読みとる。微小吸熱ピークが複数存在する場合、温度が最も高い微小吸熱ピークをTmeta1(℃)、最も低い微小吸熱ピークをTmeta2(℃)とする。
JIS K 7121(1999)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。
JIS K 7105(1999)に準じて、アタゴ(株)製アッベ式屈折率計を用いて20℃での屈折率を求める。フィルムの表面の長手方向屈折率(Nmd),幅方向屈折率(Nd),厚み方向屈折率(Nz)を測定し、面配向係数(fn)を算出する。
fn=(Nmd+Ntd)/2−Nz
E.フィルムの熱収縮率(%)
JIS C 2318(1997)に準じて、フィルムの熱収縮率を測定する。フィルムを幅10mm、長さ150mmの短冊状に切り出す。測長部分がおおよそ100mmになるようにフィルムに標線をつけて標線の長さを23℃の条件下にて測定し、L0とする。その後、所定の温度(200℃または220℃)に熱した熱風オーブン内に2gのおもりをつけてフィルムを吊し、30分間放置する。フィルムをオーブンから取りだして23℃まで冷却した後、標線の長さを測定し、L1とする。下記(vi)式によりフィルムの収縮率を求める。測定は、フィルム長手方向またはフィルム幅方向が150mmの長さになるようにランダムに5箇所切り出して測定する。長手方向、幅方向それぞれに平均値を算出し、フィルムの熱収縮率とする。
(vi)(フィルム熱収縮率)=(L0−L1)/L0×100
F.フィルムの平面性
非接触式レーザー顕微鏡として三鷹光器(株)製の非接触三次元測定装置NH−SP3を用いて評価する。解析には(株)菱光社製NHソフトを用いる。フィルムを120mm×120mmにフィルムを切り出す。各辺は、フィルム長手方向または幅方向に平行になるようにする。切り出したフィルムの4辺を、水平に保たれた測定台にテープで固定する。3次元形状測定モードにて、フィルムの表面形状を測定する。X軸方向はフィルム長手方向、Y軸方向はフィルム幅方向とする。測定ピッチは、X軸方向は100μm、Y軸方向は500μmとして、測定範囲は100mm×100mmの範囲とし、Z軸倍率は20倍とする。Z軸方向の最も高い点と最も低い点の差(高低差H(μm))を算出する。フィルムからランダムに5箇所を上記形状に切り出し、その平均値を算出し、以下のように評価する。
0≦H<80 評価A
80≦H<150 評価B
150≦H≦300 評価C
300<H 評価D
評価Aが最も平面性に優れている。
フィルム厚みは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992年)A−2法に準じて、フィルムを10枚重ねた状態で任意の5ヶ所について厚さを測定した。その平均値を10で除してフィルム厚みとした。
フィルムが積層フィルムである場合、下記の方法にて、各層の厚みを求めた。フィルム断面を、フィルム幅方向に平行な方向にミクロトームで切り出す。該断面を走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で観察し、積層各層の厚み比率を求める。求めた積層比率と上記したフィルム厚みから、各層の厚みを算出する。
高分子計器(株)製試験片打抜機を用い、JIS K−6251に記載の5号型ダンベル形状に積層フィルムを打ち抜く。フィルムを50枚重ねて打ち抜いた際に端面の割れ、剥がれが起きている枚数Mを数え、打ち抜き性を評価する。
0≦M≦9:打ち抜き性A
10≦M≦20:打ち抜き性B
21≦M≦30:打ち抜き性C
31≦M:打ち抜き性D
Aが最も優れ、Dが最も劣っている。
オルトクロロフェノール100mlにポリエステル組成物を溶解させ(溶液濃度C=1.2g/dl)、その溶液の25℃での粘度を、オストワルド粘度計を用いて測定する。また、同様に溶媒の粘度を測定する。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記(c)式により、[η](dl/g)を算出し、得られた値でもって固有粘度(IV)とする。(c)ηsp/C=[η]+K[η]2・C
(ここで、ηsp=(溶液粘度(dl/g)/溶媒粘度(dl/g))―1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)。
末端カルボキシル基量については、Mauliceの方法に準じて、以下の方法にて測定した。(文献:M.J.Maulice,F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
測定試料(ポリエステル樹脂(原料)または積層体のP1層のみを分離したもの)2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mLに温度80℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基濃度を測定し、当量/ポリエステル1t(eq./t)の値で示した。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とした。なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、溶液を濾過して不溶物の重量測定を行い、不溶物の重量を測定試料重量から差し引いた値を測定試料重量とする補正を実施した。
製膜中にフィルムが1時間に破れる回数を数え、1回未満であるものをA、1回以上3回未満であるものをB、3回以上5回未満であるものをC、5回以上であるものをDとして評価する。Aが最も製膜性がよく、Dが最も劣る。
積層フィルムを1cm×20cmの大きさに、長辺がフィルムの長手方向・幅方向に平行となるようにそれぞれ切り出し、ASTM−D882(1997)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/分にて引っ張ったときの破断伸度を測定する。なお、サンプル数はn=5とし、また、フィルムの長手方向、幅方向のそれぞれについて測定した後、それらの平均値を求め、これをフィルムの破断伸度E0とする。
(d) 伸度保持率(%)=E1/E0×100
得られた伸度半減期から、フィルムの耐湿熱性を以下のように判定した。
伸度半減期が30時間以上の場合:A
伸度半減期が20時間以上30時間未満の場合:B
伸度半減期が20時間未満の場合:C
(実施例1)
表層を構成する樹脂として、PEN−A100質量部とし、160℃で2時間真空乾燥した後押出機1に投入した。また、内層を構成する樹脂としてPET−A100質量部を160℃で2時間真空乾燥した後、押出機2に投入した。押出機内でそれぞれの原料を表に記載の温度で溶融させ、合流装置で押出機1に投入した樹脂がフィルムの両表層となるように合流させ、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、3層構造をもつ積層シートを作製した。続いて該シートを加熱したロール群で予熱した後、95℃の温度で長手方向(MD方向)に3.2倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.5倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで240℃の温度で10秒間の熱固定を施した。熱固定の工程で、フィルムをフィルム幅方向にフィルム幅に対して5%収縮させた。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、積層ポリエステルフィルムを得た。さらに、得られたフィルムをフィルム巻きだしロールとフィルム巻き取りロールの間に設置された熱風オーブンにて、220℃の温度にて、フィルムが熱処理される時間が5分となるようにアニール処理を施し、厚さ100μmのフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。200℃熱収縮率が低く、かつ平面性も特に良好なフィルムであった。
樹脂の組成、製膜条件を表の通りに変えた以外は、実施例1と同様に製膜を行った。フィルムの特性を表に示す。200℃熱収縮率が低く、かつ平面性も特に良好なフィルムであった。
フィルムの熱固定温度、オフアニール温度を表に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして厚さ100μmのフィルムを得た。フィルムの各特性を表に示す。熱固定温度がフィルム融点近傍であったため、Tmetaが1つしか観察されなかった。このフィルムは、200℃熱収縮率に加え、220℃の熱収縮率が低く、平面性に優れるフィルムであることがわかった。
樹脂の組成、製膜条件を表の通りに変えた以外は、実施例5と同様に製膜を行った。フィルムの特性を表に示す。220℃熱収縮率が低く、かつ平面性も特に良好なフィルムであった。
フィルムの積層比、フィルムの厚みを表の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして製膜を行った。フィルムの特性を表に示す。実施例9では表層(A層)の積層比が大きいため、製膜性、加工性にやや劣るものの、実用に耐え得るものであった。実施例11では、表層(A層)の積層比が小さく厚みが薄いため、内層(B層)を保護する機能が低下し、平面性に劣る。実施例13では、表層(A層)の片側の厚みが薄いため、内層(B層)を保護する機能が低下し、平面性にやや劣るものの、実用に耐え得るものであった。実施例22では、表層(A層)の片側の厚みが厚いため、製膜性、加工性にやや劣るものの、実用に耐え得るものであった。
樹脂の組成、フィルムのオフアニール温度を表に記載の通りに変えた以外は、実施例5と同様に製膜を行った。フィルムの特性を表に示す。実施例5に比べてオフアニール温度が低いため、220℃熱収縮率はやや劣るものの、平面性は優れた特性を示した。
フィルムを構成する樹脂をポリエチレンテレフタレートのみとし、製膜条件を表の通りとして単膜のフィルムを製膜した。フィルムの特性を表に示す。実施例18では200℃熱収に優れるが、平面性が実施例1に比べてやや劣るものの実用には耐え得るものであった。実施例21では、熱固定温度とアニール温度が同一であるため、熱収縮率に優れる。平面性にやや劣っているものの、実用には耐え得るものであった。
A層を構成する樹脂の組成を表に記載の通りとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。フィルムの特性を表に示す。A層の融点が260℃に満たず、平面性にやや劣ることがわかった。
A層に用いる樹脂をPCHTとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。PCHTは、イーストマンケミカル社製copolyester13319を用いた。フィルムの特性を表に示す。熱収縮率、平面性に優れるフィルムであった。
A層に用いる樹脂をPEN−Bとし、B層に用いる樹脂をPET−Bとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。フィルムの特性を表に示す。熱収縮率、平面性、耐湿熱性に優れるフィルムであった。
フィルムを構成する樹脂をポリエチレンテレフタレートのみとし、製膜条件を表の通りとして単膜のフィルムを製膜した。フィルムの特性を表に示す。比較例1では、Tmeta1の温度が低く、Tmf−35℃未満であるため、熱収縮率に劣る。比較例2では、熱固定温度が高く、Tmf同等であるため、製膜性が悪くフィルムを得ることができなかった。
フィルムを構成する樹脂をPENのみとし、表に記載の延伸条件で製膜した。得られたフィルムの特性を表に示す。比較例3では、熱固定のみ行い、比較例4では、熱固定工程後にオフアニールを実施した。PETを主成分とするフィルムでは無く、面配向係数(fn)が大きいため、加工性に大きく劣る。
A層を構成する樹脂の組成、製膜条件を表に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製膜した。フィルム特性を表に示す。
Claims (10)
- フィルムを構成するポリエステル樹脂に占めるポリエチレンテレフタレートの割合が60重量%以上であるポリエステルフィルムであって、200℃で30分間熱処理を行った場合のフィルム長手方向、幅方向の熱収縮率がいずれも0.5%以下であり、220℃で30分間熱処理を行った場合のフィルム長手方向の熱収縮率、幅方向の熱収縮率がいずれも0.5%以下であり、かつ、少なくともいずれか一方の熱収縮率が0.01%以上であるポリエステルフィルム。
- 200℃で30分間熱処理を行った場合のフィルム長手方向、幅方向の熱収縮率のうち、少なくともいずれか一方の熱収縮率が0.01%以上である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 非接触式レーザー顕微鏡でフィルムの凹凸を測定した際に、フィルムの凹凸差が300μm以下である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
- 面配向係数が0.145以上0.165以下である請求項1から3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- フィルムを構成するポリエステル樹脂が、融点(Tmf(℃))を有しており、かつ、微少吸熱ピーク温度(Tmeta(℃))を1つ以上有している請求項1から4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- フィルムを構成するポリエステル樹脂が、微少吸熱ピーク(Tmeta(℃))を2以上有しており、最も低い温度のTmeta(Tmeta1)(℃)と最も高い温度のTmeta(Tmeta2)(℃)が以下の関係を満たす請求項5に記載のポリエステルフィルム。
Tmf−35(℃)≦Tmeta1(℃)<Tmeta2(℃)≦Tmf(℃) - 前記ポリエステルフィルムが、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであり、フィルムの表面を構成する層(A層)を構成するポリエステル樹脂の融点(Tmo(℃))が260℃以上である請求項1から6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 前記積層ポリエステルフィルムが3層からなり、表層を構成する層(A層)を構成するポリエステル樹脂の融点(Tmo(℃))と、内層を構成する層(B層)を構成するポリエステル樹脂の融点(Tmi(℃))の差が5℃以上10℃以下である請求項7に記載のポリエステルフィルム。
- 表層を構成する層(A層)の厚みの和と、内層を構成する層(B層)の厚みの比が1/8以上1/4以下である請求項8に記載のポリエステルフィルム。
- 透明導電膜の製膜基板に用いられる請求項1から8のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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