JP4983075B2 - 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱収縮が小さく、平面性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
フィルムの長手方向(縦方向)と幅方向(横方向)の二軸方向に延伸されたポリエステルフィルムは、機械的特性に優れているため、さまざまな分野に利用されている。ポリエステルフィルムを構成するポリエステルの中でも、特に、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある。)やポリエチレン2、6−ナフタレート(以下、PENと称することがある。)は、その機械的特性と熱的特性に優れており、特にPETは低価格であることなどから、これらはより広い分野で用いられている。
ここで、ポリエステルが二軸方向に延伸されたポリエステルフィルムにおいては、フィルムを延伸して分子配向させることにより、強度などの機械特性を向上させている。しかしながら、このような二軸延伸ポリエステルフィルムは、逆に歪みが分子鎖に残留するため、熱をかけることにより、分子鎖の歪みが開放され、収縮するという性質を持っている。一般に、この収縮特性は障害になることが多い。そこで、二軸延伸後に、テンタの中で熱処理(熱固定とも呼ばれる。)を行うことにより、この分子鎖の歪みを開放することが行われている。一般に、この熱処理温度に応じて熱収縮量は低下していくが、この熱処理だけでは完全に分子鎖の歪みを除去することはできない。
そこで、この残留歪みを除去する方法として、テンタのレール幅を先細りになるようにして、幅方向に若干収縮させる方法が採用されている。
しかしながら、この方法では、機械方向、すなわちフィルム長手方向の残留歪みは除去できないため、フィルム長手方向の残留歪みを除去する方法について、従来からいろいろな方法が検討されてきた。
具体的に、フィルムを一旦巻き取った後に、ゆっくり巻き出しながらオーブンで加熱処理し、その際にフィルムの長手方向に速度差をつけてリラックス処理を行う方法が行われている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、リラックス加工の分、コストが高くなるという問題があった。
また、オンラインの処理では、フィルムを緊張下に210℃以下の温度まで冷却後、フィルムを徐冷しながら機械方向に2.5%以下、幅方向に5.0%以下のリラックス処理する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法でも、近年高まってきた平面性に対する要求を十分満たすことができないという問題がある。加えて、例えば、ディスプレイの部材として用いられる光学フィルムは、フラットパネルディスプレイ(FPD)の大型化に伴い、広幅で加工することが必要となってきたため、搬送性や加工時のゆがみなどに対する要求が厳しくなっている。
特開2001−158054号公報 特許第3539588号公報(3頁〜5頁)
そこで本発明の目的は、二軸延伸ポリエステルフィルムの宿命である熱収縮を、フィルムの長手方向と幅方向において、安価に十分に低減させ、かつ、平面性と機械特性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、クリップ間隔を狭くする方法による長手方向のリラックス処理を施すに当たり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.1%以上1.5%以下とし、かつ、リラックス率を1%以上5%以下とすることにより、熱収縮特性および平面性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることに成功したものである。
上記目的に沿う本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法は、フィルムの長手方向と幅方向に延伸され、熱処理を施された二軸延伸されたポリエステルフィルムに、該熱処理温度から徐冷しながら、幅方向にリラックス率1〜12%のリラックスを施した後、クリップ間隔を狭くする方法による長手方向のリラックス処理を施すに当たり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.1%以上1.5%以下とし、かつ、リラックス率を1%以上5%以下とすることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法である。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法の好ましい態様によれば、前記熱処理温度が215℃以上255℃以下であり、熱処理温度からの徐冷区間温度が250℃から200℃であり、長手方向のリラックス処理を終える温度が200℃から80℃である。
また、前記の長手方向のリラックス処理は、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.2%以上0.8%以下とし、かつ、リラックス率を1.5%以上2.5%以下とするものである。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法の好ましい態様によれば、前記の二軸延伸されたポリエステルフィルムは、少なくとも片面に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選択された樹脂を主成分とする樹脂層が形成されてなる積層構造を有するものである。逐次二軸延伸では、長手方向に延伸した後、かつ、幅方向に延伸する前に塗工することが望ましく、同時二軸延伸では、延伸前に塗工することが望ましい。
本発明によれば、熱収縮が小さく、平面性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを効率よくコストアップすることなく得ることができる。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムは、熱収縮や平面性などの問題が生じることのないため、フラットパネルディスプレイ用部材などの光学用フィルムなどとして有効に用いることができる。
以下、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関し、実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法は、二軸延伸されたポリエステルフィルムに、クリップ間隔を狭くする方法による長手方向のリラックス処理を施すに当たり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.1%以上1.5%以下とし、かつ、リラックス率を1%以上5%以下とすることするものである。
本発明においては、リラックス区間全域おけるリラックス率を単に「リラックス率」と表記し、リラックス区間中のフィルム走行距離1mあたりのリラックス率を「フィルム走行距離1mあたりのリラックス率」と表記する。
上記において、リラックス区間全域とは、フィルムの長手方向のリラックス処理を開始した地点から、フィルム長手方向のリラックス処理を終えるまでのフィルムが走行している区間であり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率は、リラックス区間全域で測定される。
フィルムの長手方向のリラックス率は、クリップなどの周期的に並んだ把持具の1ユニットの長手方向の中心間距離の縮む割合であり、長手方向のリラックスを開始する直前のフィルム搬送速度をViとし、長手方向のリラックスを終えた直後のフィルム搬送速度をVfとしたときに、次式(1)で表すことができる。
・長手方向リラックス率(%)=(Vi−Vf)/Vi × 100 ・・・・(1)。
フィルムの幅方向のリラックス率は、フィルムが幅方向に縮む割合であり、幅方向のリラックスを開始する直前のフィルム幅をLiとし、幅方向のリラックスを終えた直後のフィルム幅をLfとしたときに、次式(2)で表すことができる。
・幅方向リラックス率(%)=(Li−Lf)/Li × 100 ・・・・・(2)。
本発明で用いられるポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、ジオールとジカルボン酸とから縮重合により得られるポリマであり、ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸およびセバチン酸などで代表されるものであり、また、ジオールは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールなどで代表されるものである。
かかるポリエステルとしては、具体的には例えば、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、およびポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。もちろん、これらのポリエステルは、ホモポリマであってもコポリマであってもよく、共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタテンジカルボン酸などのジカルボン酸成分が挙げられる。
本発明の場合、機械的強度、耐熱性、耐薬品性および耐久性などの観点から、特に、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましく、中でも、低価格という点でポリエチレンテレフタレートが最も好ましく用いられる。
また、このポリエステルの中には、必要に応じ各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子および有機粒子などが添加されていてもよい。
また、本発明において、二軸延伸されたポリエステルフィルムは、積層構造をとっていることも好ましい態様である。積層構造としては、ポリマの共押出による積層や、ポリエステルフィルム基材上に塗液を塗布する積層などによる積層構造が挙げられる。後者の塗液の塗布による工程は、ポリエステルフィルム基材の延伸の前、延伸工程の途中、あるいは延伸・熱処理を行った後など必要に応じて選ぶことができるが、延伸の前や延伸工程の途中などフィルム製造工程内で行うことにより、工程の簡略化を図ることができる。
ポリエステルフィルム基材上への塗液の塗布方法としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法およびスプレーコート法などを用いることができる。特に限定はされないが、塗布により形成されるコーティング膜(樹脂層)の塗布の均一性や接着性を考慮して、ポリエステルフィルム基材の表面に事前にコロナ放電を施しても構わない。
これらの積層構造は、主に、その用途に応じた表面特性を付与するために行われる。例えば、インクやトナーなどの易接着性を付与したり、静電気を抑える帯電防止性などの特性を付与したりすることが可能である。また、本発明で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムを光学用フィルム基材として使用する場合は、プリズムレンズ加工、ハードコート加工および反射防止加工などの後加工処理する材料との優れた易接着性が必要となる。このような後加工処理の相手材料と本発明で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムとの接着性を改良するために、二軸延伸されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびポリアミド系樹脂を主成分とする群から選択された1種以上の樹脂を主成分とする組成物からなる高分子易接着層(樹脂層)を設けることが好ましい。この高分子易接着層の中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、結晶核剤、無機粒子および有機粒子などが添加されていてもよい。特に、多孔質シリカは、易接着層の樹脂と屈折率が近く、フィルム表面に透明性を保持しながら易滑性を与え、ポリエステルフィルムの取り扱い性を高めるために有効である。このような高分子易接着層(樹脂層)は、好ましくは10〜150nmの厚さとすることができる。
本発明で用いられる二軸延伸されたポリエステルフィルムとは、フィルムの機械方向(フィルム長手方向)と、機械方向と直角な方向(幅方向)に、延伸され、熱処理を施されたフィルムを言う。延伸については、具体的には、ポリエステルをシート状に溶融押出した実質的に無配向なフィルムを、長手方向に延伸後幅方向に延伸するもの、幅方向に延伸後長手方向に延伸するもの、あるいは、長手方向と幅方向に同時に延伸するものが挙げられ、また、長手方向の延伸と幅方向の延伸を、複数回組み合わせて行ってもよい。特に、同時二軸延伸により得られたポリエステルフィルムは、逐次二軸延伸で得られたポリエステルフィルムに比べて、異方性が少なく、またポリエステルフィルム製造の工程中でロールに接触する機会が逐次二軸延伸に比べて少ないため、表面の欠点が少なく、特に好ましい延伸方式である。
フィルムの長手方向と幅方向に延伸されたポリエステルフィルムに、低熱収縮性と平面性を付与するために、熱処理を行う必要がある。
しかしながら、熱処理だけでは、十分な低熱収縮性と平面性が得られない。すなわち、このような高温から冷却することにより、高温時の熱膨張分が冷却するにつれ、可逆的に収縮するため、歪みが蓄積され、ガラス転移温度から150℃の温度のような範囲での熱収縮が付加されるようになる。そこで、この熱収縮を抑えるために、テンタの熱処理から冷却する工程において、この冷却に伴う可逆収縮分を吸収するようにリラックス処理を施すことが必要である。そこで、熱処理後にテンターのレール幅を縮める幅方向(TD方向)のリラックス処理と、クリップ間隔を縮める長手方向(MD方向)のリラックス処理を行うことが必要となるが、単にリラックスを実施しただけでは十分な熱収縮特性と平面性が得られない。
そこで本発明者らは、鋭意検討した結果、フィルムの長手方向と幅方向に延伸されたポリエステルフィルムの熱処理後に、クリップ間隔を狭くする方法による長手方向(MD方向)のリラックス処理を施すに当たり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.1%以上1.5%以下とし、かつ、リラックス率を1%以上5%以下とすることにより、低熱収縮性と平面性を両立させた二軸延伸ポリエステルフィルムが得られることを見出した。
さらに、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.8%以下とすることにより、MD方向のリラックス処理を好適に行うことができる。フィルム走行距離1mあたりのリラックス率の下限は、効率的には0.2%位である。フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.2%以下とするには、MD方向のリラックスゾーン長を不必要に長くする必要があるためである。
MD方向のリラックス率を1.5%以上とすることにより、低熱収縮性を好適に得ることができる。また、MD方向のリラックス率の2.5%以下とすることにより、MD方向のリラックスゾーン長を不必要に長くする必要がなくなり好ましい態様である。
本発明においては、幅方向(TD方向)のリラックス率は好ましくは1%以上12%以下であり、より好ましくは3%以上8%以下である。
リラックス処理における熱処理温度は、好ましくは215℃以上255℃以下であり、さらに好ましくは225℃以上245℃以下である。MD方向のリラックス処理を終える温度は、好ましくは200℃から80℃の間であり、より好ましくは160℃から120℃の間である。長手方向のリラックス処理を施すに当たり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を1.5%以下とし、好ましくは0.8%以下とすることにより、急激なフィルムの変形を抑えながらリラックス処理を実施することができ、熱収縮特性と平面性を両立させることができる。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法で得られる二軸延伸されたポリエステルフィルムの厚みは特に限定はされないが、光学用フィルムなどの工業材料用途に好適な厚みは、好ましくは40μm以上500μm以下であり、より好ましくは70μm以上360μm以下である。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法で得られる二軸延伸ポリエステルフィルムのヘイズは5%以下で、かつ全光線透過率が86%以上であることが好ましく、より好ましくはヘイズは3%以下で、かつ全光線透過率が88%以上であり、さらに好ましくはヘイズが1%以下で、かつ全光線透過率が90%以上である。ヘイズと全光線透過率が上記の値の場合、光学用フィルムなどの工業材料用途に好適である。ヘイズは、フィルム原料に添加する粒子の添加率で制御することができる。また、全光線透過率は、その粒子の添加率に加えて、コーティング層の処方で制御することができる。コーティングすることにより、フィルム表面の反射率が変わり全光線透過率を変動制御できるからである。
また、本発明で得られる二軸延伸ポリエステルフィルムのMD方向とTD方向の収縮率は、150℃の温度で30分間放置したとき好ましくは0.8%以下であり、より好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは0.3%以下である。
次に、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法を、ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートを用いた場合についての一例を示すが、本発明は、かかる例に限定されるものではない。樹脂の種類により、乾燥条件、押出条件および延伸温度などの条件は異なる。
常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールを反応させてエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換して、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート(BHT)を得る。次に、このBHTを重合槽に移行し、撹拌しながら、真空下で280℃の温度に加熱して重合反応を進める。ここで、撹拌のトルクを検出して、所定のトルクになったところで反応を終了する。重合槽から、ポリエチレンテレフタレートをガット状に吐出し、水で冷却してからペレット状に切断する。
次に、このようにして重合したポリエチレンテレフタレートのペレットを、180℃の温度で5時間真空乾燥した後、270〜300℃の温度に加熱された押出機に供給し、Tダイからシート状に押出す。この溶融されたシート状物を、ドラム表面温度25℃に冷却されたドラム上に静電気力により密着固化し、実質的に非晶状態の成形ポリエステルフィルムを得る。この成形ポリエステルフィルムを、70〜120℃の温度の加熱ロール群で加熱し、長手方向に2〜6倍一段もしくは多段階で延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却し一軸延伸されたポリエステルフィルムとする。次に、必要に応じて、この一軸延伸されたポリエステルフィルムの片面または両面に、バーコーターを用いて、高分子易接着層を構成するポリエステル系樹脂等の樹脂を主成分とする組成物からなる塗液を塗工した後、続いて、テンタに導いて、該一軸延伸ポリエステルフィルムの両端をクリップで把持しながら、80〜140℃の温度に加熱された熱風雰囲気中で加熱し、幅方向(横方向)に2.5〜6倍に延伸し二軸延伸されたポリエステルフィルムとすする。
ここで、本発明において、フィルムの長手方向と幅方向の二軸に延伸されたポリエステルフィルムに、高温熱処理を行う。ポリエチレンテレフタレートの場合には、好ましくは215℃から255℃の温度で、より好ましくは225℃から245℃の温度で、急速昇温、短時間熱処理を行う。次いで、熱処理後に、テンタレール幅を狭める方法によるTD方向のリラックス処理を1〜12%のリラックス率で施した後に、テンタのクリップで把持しながらクリップの間隔を縮めていく方法によるMD方向のリラックス処理を施すに当たり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を1.5%以下として、リラックス率1〜5%のMDリラックス処理を施すことによって、熱収を低く抑えることができ、かつ、平面性にも優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができる。もしくは、熱処理後に、テンタのクリップで把持しながらクリップの間隔を縮めていく方法によるMD方向のリラックス処理を施すに当たりフィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.1%以上1.5%以下として、リラックス率1〜5%のMDリラックス処理を施した後に、テンタレール幅を狭める方法によるTD方向のリラックス処理を1〜12%のリラックス率で施すことによって、熱収を低く抑えることができ、かつ、平面性にも優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムは、フラットパネルディスプレイ用部材などの光学用フィルムや、複写機やプリンタなどに使用されるオーバーヘッドプロジェクタ用シートや、製図用原紙などに好適に用いられる。
[物性値の評価法]
(1)150℃、30分の熱収縮率
フィルムを幅10mm、長さ約250mmにサンプリングし、約200mmの間隔で十字のマーキングを行い、その間隔を、日本光学(株)製の万能投影機と三豊商事(株)製のリニアスケール(精度0.001mm)を組み合わせた測長機を用いて正確に測定し、L0 (mm)とする。このサンプルを、150℃の温度に加熱されたオーブン中で30分間処理し、室温(23℃、65%)で放冷してから、再び、マーキング間隔を測長機で測定して、L(mm)とする。ここで、熱収縮率=(L0 −L)×100/L0 (%)とし、5サンプルの平均値を採用した。
(2)平面性
フィルムをA2版に切り、そのフィルムを、上部(台より20cm)に糸を張った水平な台の上に拡げ、フィルムに写った糸の状態を観察し、全面の湾曲箇所の個数をカウントした。3サンプルの湾曲箇所の平均値を用いて、0個のものを◎、2箇所以下のものを○、3箇所以下のものを△、3箇所よりも多いものを×と判定した。本発明では、◎と○が合格である。
(3)ヘイズと全光線透過率
ヘイズおよび全光線透過率の測定は、常態(温度23 ℃、相対湿度65 %)において、フィルム(サンプル)を2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP を用いて行った。3回測定した平均値を、該サンプルのヘイズおよび全光線透過率とした。
以下、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法を、実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートのペレットを180℃の温度で5時間真空乾燥した後に、270℃〜300℃の温度に加熱された押出機に供給し、Tダイからシート状に成形した。さらにこのシート状物を表面温度25℃の温度の冷却ドラム上に静電気力で密着固化して未延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた未延伸ポリエステルフィルムを、70〜100℃の温度の加熱ロール群で加熱し長手方向に3.4倍一段階で縦延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却し一軸延伸されたポリエステルフィルムを得た。この一軸延伸されたポリエステルフィルムの両面に、バーコーターを用いて、易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.5重量%)を含む水分散性ポリエステル系樹脂が水分比4.5重量%の塗液を、厚み6μで塗工した後、40m/分の速度でテンタに導き、その塗工ポリエステルフィルムの両端をクリップで把持しながら、90℃の温度に加熱された熱風雰囲気中で予熱し、100℃の温度の熱風雰囲気中で幅方向に3.6倍横延伸した。このようにして得られたフィルムをそのまま、テンタの中で引き続き、230℃の温度の熱処理を行い、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向にリラックス率4%のリラックス処理を実施し、その後150℃の温度下でテンタのクリップ間隔を縮めるMDリラックスゾーンで6mかけてリラックス率2%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で0.34以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例2)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度40m/分のフィルムを、220℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを220℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向に4%リラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン3mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率2.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で0.34以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例3)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度20m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向に4%リラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン6mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率2.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で0.34以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み350μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
参考例4)
実施例1と同様に得られた未延伸ポリエステルフィルムの両面に、バーコーターを用いて実施例1と同様の組成からなる塗液を同様に塗工した後、同時二軸延伸機で長手方向に3.3倍、幅方向に3.5倍延伸した。搬送速度40m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から210℃までの徐冷区間でMDリラックスゾーン6mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率2.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で0.34以下)、その後、210から180℃までの徐冷区間でテンタのレール幅を縮めてTD方向にリラックス率4%のリラックス処理を実施し、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例5)
極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用い、平均粒径0.1μmの炭酸カルシウムを0.5重量%となるように添加混合した原料ペレットを、実施例1と同様にして縦延伸を施し、塗工せずに、実施例1と同様にして3.2倍に横延伸を施した搬送速度20m/分のフィルムを、250℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを250℃から220℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向にリラックス率4%のリラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン3mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率2.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で0.67以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み350μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例6)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度90m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向にリラックス率4%のリラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーンの前半1mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率0.8%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率はこの区間で0.80以下)、後半2mでMD方向にリラックス率1.2%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率はこの区間で0.60以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み350μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例7)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度40m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向にリラックス率4%のリラックス処理を実施し、その後、130℃の温度下のMDリラックスゾーン3mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率2.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で0.67以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例8)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度40m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向にリラックス率4%のリラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン6mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率5.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で0.56以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例9)
実施例1と同様にして縦延伸し、この一軸延伸ポリエステルフィルムの両面に、バーコーターを用いて、易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.5重量%)を含む水分散性アクリル系樹脂が水分比3.0重量%の塗液を厚み6μで塗工した後、実施例1と同様にして横延伸を施した搬送速度40m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向にリラックス率4%のリラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン3mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率3.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で1.00以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例10)
実施例1と同様にして縦延伸し、この一軸延伸ポリエステルフィルムの両面に、バーコーターを用いて、易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.5重量%)を含む水分散性ウレタン系樹脂が水分比4.5重量%の塗液を厚み6μで塗工した後、実施例1と同様にして横延伸を施した搬送速度40m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向にリラックス率4%のリラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン1.5mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率2.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で1.34以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(実施例11)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度90m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向に4%リラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン1mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率1.5%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で1.50以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率が小さく、平面性の優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることができた。
(比較例1)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度40m/分のフィルムを、テンタ中で引続き、230℃の温度で熱処理を行い、熱処理後、幅方向、長手方向ともリラックス処理を施さないで、80℃まで徐冷して、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2のとおりである。実施例1と比較すると、リラックス処理を施していないので、熱収縮率が高い二軸延伸ポリエステルフィルムが得られている。
(比較例2)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度40m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理し、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向に4%リラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン1mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率2.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で2.00以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率は小さいが、平面性に劣る二軸延伸ポリエステルフィルムが得られている。
(比較例3)
実施例1と同様にして縦延伸、塗工および横延伸を施した搬送速度40m/分のフィルムを、230℃の温度で熱処理を行い、熱処理後、得られた二軸延伸されたポリエステルフィルムを230℃から200℃までの徐冷区間で、テンタのレール幅を縮めてTD方向に4%リラックス処理を実施し、その後、150℃の温度下のMDリラックスゾーン1mでテンタのクリップ間隔を縮めてMD方向にリラックス率4.0%のリラックス処理を施し(1mあたりのMDリラックス率は全区間で4.00以下)、テンタから取出し、ポリエステルフィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻取り、厚み125μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの物性は、表2に示すとおりである。熱収縮率は小さいが、平面性に劣る二軸延伸ポリエステルフィルムが得られている。
製造条件を表1に、結果を表2にまとめて示す。
Figure 0004983075
Figure 0004983075
本発明は、熱収縮率を低減し平面性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関するもので、フラットパネルディスプレイ用部材などの光学用途を代表する工業材料用途に好適に利用されるフィルムが得られ、有用である。

Claims (4)

  1. フィルムの長手方向と幅方向に延伸され、熱処理を施された二軸延伸されたポリエステルフィルムに、該熱処理温度から徐冷しながら、幅方向にリラックス率1〜12%のリラックスを施した後、クリップ間隔を狭くする方法による長手方向のリラックス処理を施すに当たり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.1%以上1.5%以下とし、かつ、リラックス率を1%以上5%以下とすることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 前記熱処理温度が215℃以上255℃以下であり、熱処理温度からの徐冷区間温度が250℃から200℃であり、長手方向のリラックス処理を終える温度が200℃から80℃であることを特徴とする請求項1記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 長手方向のリラックス処理を施すに当たり、フィルム走行距離1mあたりのリラックス率を0.2%以上0.8%以下とし、かつ、リラックス率を1.5%以上2.5%以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 二軸延伸されたポリエステルフィルムが、少なくともその片面に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびポリアミド系樹脂からなる群から選択された少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂層が形成されてなる積層構造を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
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