JP2004202701A - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】片面に厚さ0.15μm以上の易接着層を有するポリエステルフィルムであり、易接着層表面の非接触式3次元表面粗さRaが0.020μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルムであり、前記易接着層がポリエステル製造工程内で設けられたものであることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルフィルムに関する。詳しくは、本発明は、表面が平滑であり、かつ、種々の上塗り層との接着性に優れたポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二軸配向ポリエステルフィルムは、機械的性質、耐熱性、電気的特性、耐薬品性等、各種の特性を高度にバランス良く有し、コストパフォーマンスの点で優れるため、磁気テープ用、包装用、製版用等の産業用資材として広く用いられているが、特に近年は光学用途としての需要が増している。
光学用途においては、例えば、各種光学用途または可視光の反射・透過が影響する用途に代表されるように、反射の際の乱反射または透過の際の散乱を抑えるべく、表面が平坦であることに加えて、各用途に応じた層をポリエステルフィルムに積層し、最終製品としての積層加工品とするべく、積層される種々の層との接着性(易接着性)を有すること等が求められている。
【0003】
しかしながら、従来の手法では、表面を平滑にした場合、摩擦係数の増大を招き、フィルムの巻き特性を損ない、生産性を著しく損なう。また、ポリステルフィルムの製膜工程の後に易接着層を設ける、いわゆるオフラインコーティングによる積層方法では、コストの増大を招き、工業上、不適当である。
このように、高生産性、低コストを満足しながら、フィルム表面を平滑化させ、かつ、易接着層を積層させるという方法は、皆無であった。
【0004】
【特許文献1】特開2001−118530号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、生産時の高生産性および低コストを満足するとともに、平滑でかつ易接着力を発揮するポリエステルフィルムを提供することを解決課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の厚みを有する易接着層をポリエステルフィルムの製膜時に設けることにより、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、片面に厚さ0.15μm以上の易接着層を有するポリエステルフィルムであり、易接着層表面の非接触式3次元表面粗さRaが0.020μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、繰り返し単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。かかるポリエステルは、通常(1)芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとを主な出発原料としてエステル交換反応を経由して、重縮合反応を行う、あるいは(2)芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主な出発原料として、エステル化反応を経由して、重縮合反応を行うことにより得られる。これらの反応を行うため、通常、触媒として金属化合物を添加する方法が用いられる。例えば、エステル交換反応触媒として、Ca、Mg、Mn、Li等の化合物、重縮合反応触媒としてSb、Ti、Ge、Sn、Co等の化合物が一般的に用いられている。
【0009】
また、本発明の範囲を逸脱しなければ、本発明のポリエステルは他の第三成分を含有していてもよい。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。グリコール成分としては、エチレングリコール以外に、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上を用いることができる。
【0010】
本発明で用いるポリエステルの極限粘度は、通常0.45以上、好ましくは0.50〜1.0、さらに好ましくは0.52〜0.80の範囲である。極限粘度が0.45未満では、フィルム製造時の生産性が低下したり、フィルムの機械的強度が低下したりするという問題が生ずることがある。一方、ポリマーの溶融押出安定性の点から、極限粘度は1.0を超えないことが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、そのベース厚みが、好ましくは3〜38μmである。最終製品としての容量の点から38μm以下が好ましく、また、フィルム製造時の巻き歩留まりの点から3μm以上が好ましい。より好ましくは、3〜12μm、最も好ましくは4〜8μmである。
【0011】
本発明のポリエステルフィルムは、最終製品としての機能性を向上させる目的で、易接着層を有する方の面の非接触式3次元表面粗さ(Ra)が0.020μm以下である必要があり、好ましくは0.015μm以下である。非接触式3次元表面粗さ(Ra)については実施例にて詳細に説明する。非接触式3次元表面粗さが0.020μmを超える場合は、最終製品の機能性が劣り、不適当である。
【0012】
本発明の最大の特徴は、特定の範囲の厚みの易接着層を積層することにあり、当該易接着層は、ポリステルフィルムの製膜工程、すなわち、延伸・熱固定の一連の工程中で設けることが好ましい。
すなわち、0.15μm以上の厚みを有する易接着層を設けることにより、ポリエステル表面の凹凸を平滑化させ、光学用途等に最適化することができ、一定厚み以上の易接着層を設けることにより、易接着の特性を従来のものより一段と発揮し、各種の上塗り層との密着性を高めることができる。易接着層の厚みは、好ましくは0.20μm以上、最も好ましくは0.25μm以上である。
一方、ポリエステルフィルムの製膜工程において易接着層を設けることによれば、独立した塗布工程を省くことができ、省力化できる。
【0013】
易接着層を設けないもう一方の表面は、ポリエステル原料に由来する凹凸が残されているため、フィルムの製膜工程あるいはその後の加工工程において巻き特性が維持でき、巻き歩留まりが良好である。
本発明のフィルムの好適な用途としては、例えば、ブラウン管保護用フィルムのような、光学特性と紫外線硬化層との接着性を要求されるような用途、インクジェット方式に代表される各種の方式での印画面の保護層や、その保護層を転写する前に保持しておくフィルムのような、平滑性と接着性を要求されるような用途等が挙げられる。
【0014】
なお、本発明において「易接着」とは、当該層が有しない場合よりも、上に積層される種々の層との密着力が向上するすべてのケースを指す。
本発明において、本発明の要旨を越えない限りにおいて、ポリエステルフィルムは積層構造であってもむろん構わない。本発明で言う積層構造とは、すべての層が押出機の口金から共溶融押し出しされる、いわゆる共押出法により押し出された未延伸フィルムを、延伸および熱処理したものである。
【0015】
本発明のフィルムの巻き特性を向上させるため用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、カオリン、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子、およびポリエステル重合時に生成させる析出粒子を挙げることができ、好ましくは、炭酸カルシウム、シリカ並びにカルシウムおよびリンを含有する析出粒子である。
【0016】
炭酸カルシウムについては、粒径分布をシャープ化し、粗大粒子(平均粒径より著しく大きい粒子)をカットしやすいこと、フィルム化後、滑り性、耐摩耗性が得やすいこと等が好ましい理由である。また、シリカについては、他の粒子より比較的安価に入手できること等が好ましい理由である。カルシウムおよびリンを含有する析出粒子については、あらためて粒子を添加する必要がなく、安価であること、フィルム化時の延伸時の粒子の変形が小さく、突起高さを維持でき、良好な巻き特性を発揮する等が好ましい理由である。また、本発明の効果を発現させるために、上記で代表される粒子を複数種、採用させることはむろん可能である。とりわけ、フィルム表面の滑り性、巻き取り作業性をさらに向上させるために、上記例示の粒子のほかに、本発明の要旨を損なわない範囲で、平均粒径が0.50μm未満の小粒子を併用することもできる。小粒子として好ましいものは、シリカ、架橋高分子粒子、炭酸カルシウムおよびポリエステル重合時に生成させる析出粒子である。
【0017】
添加粒子を含むポリエステルの製造に際して、粒子はポリエステルの合成反応中に添加してもポリエステルに直接添加してもよい。合成反応中に添加する場合は、粒子をエチレングリコール等に分散させたスラリーとして、ポリエステル合成の任意の段階で添加する方法が好ましい。一方、ポリエステルに直接添加する場合は、乾燥した粒子として、または、水あるいは沸点が200℃以下の有機溶媒中に分散したスラリーとして、2軸混練押出機を用いてポリエステルに添加混合する方法が好ましい。なお、添加する粒子は、必要に応じ、事前に解砕、分散、分級、濾過等の処理を施しておいてもよい。
【0018】
粒子の含有量を調節する方法としては、上記した方法で高濃度に粒子を含有するマスター原料を作っておき、それを製膜時に、実質的に粒子を含有しない原料で希釈して粒子含有量を調節する方法が有効である。
また、上記の突起形成剤以外の添加剤として、必要に応じて、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤などを、使用する用途における特性を悪化させない範囲内で含有していてもよい。
【0019】
本発明のフィルムは、種々の最終用途に応じ、フィルムを接する層との接着性を高めるため、接着性を付与する層を設ける。この接着性を付与するために、特に水性ポリエステル系ポリマーおよび水性アクリル系ポリマーから成る群から選ばれた少なくとも1種からなるポリマー(バインダーポリマー)が有用である。また、塗布層の耐固着性(耐ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のために架橋性ポリマーとしてメチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系等の化合物、エポキシ系化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコーアルミネート系カップリング剤、過酸化物、熱および光反応性のビニル化合物や感光性樹脂などを含有してもよい。
【0020】
また、固着性や滑り性改良のために、塗布層中に無機系微粒子として、シリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモンゾルなどを、有機系微粒子として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを含有していてもよい。
さらに必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
【0021】
上述の塗布液をポリエステルフィルムに塗布する方法としては原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いることができる。
本発明において、塗布層は、フィルム製造工程内で塗布する、いわゆるインラインコーティング方法を採用する。フィルム製造工程内で塗布する方法としては、ポリエステル未延伸フィルムに塗布液を塗布し、逐次あるいは、同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法などがある。
【0022】
次に、本発明のフィルムの製造法を具体的に説明する。
まず、ポリエステル原料を、押出装置に供給する。すなわち、スリット状のダイから溶融シートとして押し出す。次に、溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0023】
本発明においては、このようにして得られたシートを二軸方向に延伸してフィルム化する。二軸延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートをまず第一軸方向に延伸する。延伸温度範囲は通常70〜150℃、延伸倍率は通常2.5〜6倍の範囲とし、延伸は一段階または二段階以上で行うことができる。次に第二軸方向、すなわち第一軸方向と直交する方向に一軸配向フィルムを一旦ガラス転移点以下に冷却するか、または冷却することなく、例えば80〜150℃の温度範囲に予熱して、さらにほぼ同温度の下で2.5〜5倍、好ましくは3.0〜4.5倍に延伸を行い、二軸に配向したフィルムを得る。なお、第一軸方向の延伸を2段階以上で行うことは、良好な厚さ均一性を達成できるので好ましい。また、横延伸した後、さらに長手方向に再延伸する方法も可能であるが、いずれにしても長手方向の総合延伸倍率を3.5倍以上とすることが好適である。また、第1軸方向とその直交する方向の延伸を同時に行う、いわゆる同時二軸延伸でも可能である。
【0024】
上述の工程の何れかの段階において、前述したように塗布・乾燥することにより、易接着層を設けることができる。
かくして得られたフィルムを、30%以内の伸長、制限収縮、または定長下で1秒〜5分間熱処理する。この際、熱処理工程内または熱処理後に長手方向または横方向、あるいは両方向に再延伸を行ってもよい。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比較例中、「部」とあるのは「重量部」を示し、「%」とあるのは「重量%」を示し、「ppm」とあるのは「重量ppm」を示す。
【0026】
(1)ポリマーの極限粘度 [η] (dl/g)
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlに溶解し、30℃で測定した。
【0027】
(2)添加粒子の平均粒径(d50)(μm)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)で測定した等価球形分布において大粒子側から積算した積算体積分率50%の粒径を平均粒径(d50)とした。
【0028】
(3)非接触式3次元表面粗さ Ra(μm)
下記巻き歩留まり評価法で作製したロールの巻き芯近傍より、切り取った試験片について、易接着層の表面に厚さ450オングストロームのアルミニウムを蒸着した。この蒸着面について、直接位相検出干渉法を用いた、マイクロマップ社製の非接触表面形状システム(Micromap 512)を用いて、1測定領域=230μm×177μmとしてその平均値 Raを算出した。測定波長は554nmとし、対物レンズは20倍を用いて、20測定領域を測定し、20点のRaの平均値を非接触式3次元表面粗さ Ra(μm)として採用した。
【0029】
(4)巻き歩留まり
フィルム製膜後、マスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、ロール状に250m/分の速度で、巻き取り、全長にわたり、しわなく巻けるものを合格とし、その合格率について以下の基準で判定した。
◎:95%以上であり、優秀
○:80%以上95%未満であり、良好
×:80%未満であり、不良
【0030】
(5)接着性
活性エネルギー線硬化樹脂層形成(硬化)直後、当該層に1インチ幅に碁盤目が100個になるようクロスカットを入れ、直ちに、同一箇所について3回、セロテープ(登録商標)による急速剥離テストを実施し、剥離面積により評価した。判定基準は以下のとおりである。
◎:碁盤目剥離個数=0 優秀
○:1≦碁盤目剥離個数≦20 良好
×:21<碁盤目剥離個数 不良
【0031】
(6)光沢度
活性エネルギー線硬化樹脂層形成(硬化)直後、硬化層表面の光沢度を目視にて、以下の基準で判定した。
◎:光沢が充分にあり、優秀
○:若干、光沢が低下するが、実用上、問題ないレベルであり、良好
×:光沢が不充分で実用に耐えず、不良
【0032】
(ポリエステル原料a)
テレフタル酸86部、エチレングリコール70部を反応器にとり、約250℃で0.5kg/mm2 の加圧下、4時間エステル化反応を行った。次いで、三酸化アンチモン0.015部、平均粒径2.0μmのシリカ粒子およびリン酸0.01部を添加した。温度を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を常圧から徐々に減じ0.5mmHgとした。4時間後、縮合反応を停止し、極限粘度0.66のポリエステル(a)を得た。このポリエステル(a)には、0.50重量%のシリカ粒子が含有されていた。
【0033】
(ポリエステル原料b)
ポリエステル原料aにおいてシリカ粒子を添加しないこと以外はポリエステルaとまったく同様にして極限粘度0.66の希釈用ポリエステル(b)を得た。
【0034】
(水性塗布剤)
<水性塗布剤の固形分比>
水性塗布剤a/水性塗布剤b/水性塗布剤c/水性塗布剤d=55/30/10/5
<水性塗布剤の内容>
・水性塗布剤a:テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/=24/25/1/25/25モル比のポリエステル分散体
・水性塗布剤b:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メチロールアクリルアミド=50/40/10モル比の乳化重合体
・水性塗布剤c:ヘキサメトキシメチルメラミン
・水性塗布剤d:酸化ケイ素の水分散体(粒子径=0.06μm)
【0035】
実施例1
ポリエステル(a)とポリエステル(b)を混合し、平均粒径2.0μmのシリカ粒子0.30%を含有する原料とした。
(製膜・スリット)
この混合した原料を常法により乾燥して押出機に供給し、290℃で溶融してシート状に押出し、静電印加密着法を用いて冷却ロール上で急冷し、無定形シートとした。得られたシートを、ロール延伸法を用いて縦方向に84℃で2.9倍延伸した後、さらに70℃で1.3倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムに上記記載の水性塗布剤を塗布し、その後、テンターに導いて、塗布層の水分を蒸発させた後、横方向に110℃で4.0倍延伸し、230℃で熱処理を行い、ベースフィルムの厚み5.0μmに最終厚み0.25μmの易接着層が積層された二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(硬化層の形成)
このロール状フィルムを再び巻きだして、易接着層上に活性エネルギー線硬化樹脂を硬化後の厚さが6μmになるように塗布し、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約10秒間照射して、硬化させた。活性エネルギー線硬化樹脂としては、日本化薬製KAYARAD DPHAを77部、日本化薬製KAYARAD R−128Hを18部、チバ・ガイギー製IRGACURE651を5部よりなる組成物を使用した。
【0036】
実施例2
ポリエステル(a)とポリエステル(b)を混合し、平均粒径2.0μmのシリカ粒子0.30%を含有する原料とした。
(製膜・スリット)
実施例1において、水性塗布剤の膜厚を変更する以外は、まったく同様にして、ベースフィルムの厚み5.0μmに最終厚み0.17μmの易接着層が積層された二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(硬化層の形成)
実施例1とまったく同様にして硬化層を形成した。
【0037】
比較例1
ポリエステル(a)とポリエステル(b)を混合し、平均粒径2.0μmのシリカ粒子0.30%を含有する原料とした。
(製膜・スリット)
実施例1において、水性塗布剤の膜厚を変更する以外は、まったく同様にして、ベースフィルムの厚み5.0μmに最終厚み0.10μmの易接着層が積層された二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(硬化層の形成)
実施例1とまったく同様にして硬化層を形成した。
【0038】
比較例2
ポリエステル(a)とポリエステル(b)を混合し、平均粒径2.0μmのシリカ粒子 0.30%を含有する原料とした。
(製膜・スリット)
実施例1において、水性塗布剤を塗布しない以外は、まったく同様にして、ベースフィルムの厚み5.0μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(硬化層の形成)
実施例1とまったく同様にして、ベースのポリエステルフィルムに直接、硬化層を形成した。
【0039】
比較例3
ポリエステル(a)とポリエステル(b)を混合し、平均粒径2.0μmのシリカ粒子0.03%を含有する原料とした。
(製膜・スリット)
実施例1において、水性塗布剤を塗布しない以外は、まったく同様にして、ベースフィルムの厚み5.0μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(硬化層の形成)
実施例1とまったく同様にして、ベースのポリエステルフィルムに直接、硬化層を形成した。
【0040】
比較例4
ポリエステル(a)をそのまま使用し、平均粒径2.0μmのシリカ粒子0.50%を含有する原料とした。
(製膜・スリット)
実施例1において、水性塗布剤の膜厚を変更する以外は、まったく同様にして、ベースフィルムの厚み5.0μmに最終厚み0.17μmの易接着層が積層された二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(硬化層の形成)
実施例1とまったく同様にして硬化層を形成した。
実施例1〜2および比較例1〜4について得られた結果をまとめて下記表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明のフィルムは、特定の易接着層を有するため、生産時および加工時の作業性を満足し、かつ、高度な機能性を与えることができ、その工業的価値は高い。
Claims (2)
- 片面に厚さ0.15μm以上の易接着層を有するポリエステルフィルムであり、易接着層表面の非接触式3次元表面粗さRaが0.020μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
- 易接着層がポリエステル製造工程内で設けられたものであることを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
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Cited By (2)
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CN102627014A (zh) * | 2012-03-28 | 2012-08-08 | 上海凯鑫森产业投资控股有限公司 | 一种光学用聚酯膜及其制造方法 |
WO2023145408A1 (ja) * | 2022-01-25 | 2023-08-03 | 東洋紡株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
-
2002
- 2002-12-24 JP JP2002371182A patent/JP2004202701A/ja active Pending
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