JP4707206B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは、紫外線カット性を有し、透明性、熱安定性、機械的物性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルム、とりわけポリエチレンテレフタレートに代表される二軸配向フィルムは、優れた物理的および科学的特性を有し、磁気記録媒体のベースフィルム、コンデンサー誘導体、包装用、製版用、電気絶縁用、写真用等の基材として広く用いられている。しかしながら、ポリエチレンテレフタレートは、紫外線領域における透過率が高く、包装用に用いた場合には内容物が紫外線により着色したり、印刷物のカバー等として屋外で使用された場合には、紫外線により印刷物の色が変色したり、ポリエチレンテレフタレート自身も着色するため、各種紫外線吸収剤を配合する等の検討が行われている。
【0003】
これらの目的で用いられる紫外線吸収材料としては、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系、ハイドロキノン系等を含有したポリエチレンテレフタレートフィルムが知られている。しかしながら、これら従来の紫外線吸収剤を含有したフィルムは、紫外線吸収剤の耐熱性が不十分であったり、紫外線吸収能力が劣るため、フィルムを製膜する際に紫外線吸収剤が分解したり、昇華するなどの問題が発生したり、紫外線吸収能力が十分発揮されないなどの問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、耐熱性、透明性、機械的物性、紫外線吸収能力に優れた、二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを解決課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、種々の紫外線吸収剤を検討した結果、特定の紫外線吸収剤を用いた二軸配向フィルムが、耐熱性、透明性、機械的物性、紫外線吸収能力等を同時にかつ十分に満足できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は、下記式(I)で表されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物からなり、10%重量減少温度が300℃以上である紫外線吸収剤を0.01〜10重量%含有し、エチレンナフタレート単位を1〜10モル%含有し、波長360nmにおける光線透過率が30%以下であり、表面粗度(Ra)が3〜50nmであり、フィルム厚さが10〜200μmであることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
【0007】
【化3】
Figure 0004707206
【0008】
(上記式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、ハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素原子数2〜6のアルキル基、またはベンジル基を表し、R’は水素原子またはメチル基を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明でいうポリエステル樹脂とは、二官能性酸成分が芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体を主とするものであり、具体的には、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、そのエステル形成誘導体としてはテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが挙げられ、使用用途に応じて選ばれる。これらの中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチルが好ましく選ばれる。
【0011】
また、グリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、エチレングリコール、ブチレングリコールが好ましい。
【0012】
かかるポリエステル樹脂は、1種の芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、1種のグリコール成分とを出発原料とするポリエステルでもよいし、2種以上の成分を含む共重体であってもよい。共重合する成分として上記のほかに、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられ、用途に応じて選択される。
【0013】
本発明においては、紫外線吸収剤の含有量減少や紫外線吸収能力を高めるために、自身が紫外線吸収能力を有するポリエステルを用いるのが好ましい。特に、エチレンナフタレート単位を1〜10モル%含有するポリエステルが好ましい。エチレンナフタレート単位が1モル%未満では、紫外線吸収能力が不足する傾向があり、10モル%以上では、ポリエステルの結晶性が失われ、種々の問題が生じてしまうおそれがある。紫外線吸収能力を有するポリエステルと特定の紫外線吸収剤を併用することにより、特に優れた紫外線吸収フィルムを得ることができる。
【0014】
エチレンナフタレート単位を含有するポリエステルを得る方法は特に制限がなく、所定のエチレンナフタレート単位を有する共重合をそのまま使用する方法や、ブレンドにより所定の組成となるようにして使用する方法などが挙げられる。
【0015】
本発明のフィルムは、極限粘度が0.40〜0.80、さらには0.45〜0.75、特に0.50〜0.70が好ましい。極限粘度が0.40未満では、ポリエステルが本来持っている機械的強度が得られなかったり、0.75を超えた場合は、溶融粘度も上昇するため押出工程での押出機やフィルターへの不可が大きくなる場合がある。
【0016】
本発明の最大の特徴は特定の紫外線吸収剤を用いることであり、その紫外線吸収剤であるトリアジン化合物は、極めて高温耐性があるため溶融温度が260〜300℃程度であるポリエチレンテレフタレートフィルムに配合した場合でも、昇華などがなく好適である。
【0017】
前記式(I)中のRが炭素原子数1〜18のアルキル基である場合、それは直鎖または分枝アルキル基であってよく、そしてそれは例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、2−エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基またはオクタデシル基であってよい。
【0018】
Rが、ハロゲンまたは炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された、炭素原子数2〜6のアルキル基である場合、例えば2−クロロエチル基、2−フルオロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−メトシキプロピル基、3−ブトキシプロピル基、2−ブトキシエチル基、2−ヘキシルオキシエチル基、2−オクチルオキシエチル基または2−ドデシルオキシエチル基等を例示できる。
【0019】
本発明においては、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基またはベンジル基、さらには炭素原子数3〜6のアルキル基、特にプロピル基が好ましい。
【0020】
また、式(I)におけるR'で好ましいのは水素原子である。
【0021】
特に好ましい例として、前記式(II)の2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル−)−5−(ヘキシル)オキシフェノールが挙げられる。
【0022】
また、本発明で用いる紫外線吸収剤は、10%重量減少温度が300℃以上、好ましくは320℃以上、さらに好ましくは340℃のものである。ポリエステルは通常紫外線吸収剤を配合したり、製膜工程の押出工程において260℃〜300℃の温度で溶融されるため、10%重量減少温度が300℃未満では、紫外線吸収剤を配合する際に紫外線吸収剤が昇華したり、ポリエステルの分子量を低下させてしまう。また、製膜工程においては、製膜機のロールに昇華物が付着したりする。特に、キャスティングロールに付着した場合は、ドラムとフィルムの密着性が悪くなり、厚み振れ等が激しくなり製膜不能となってしまい好ましくない。
【0023】
上記、紫外線吸収剤のポリエステルフィルムへの添加量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.10〜3重量%である。紫外線吸収剤の添加量が0.01重量%未満では、紫外線を吸収する能力が劣り、また、10重量%を超える場合には、ポリエステルフィルムの機械的強度が低下するため好ましくない。
【0024】
本発明のポリエステルフィルムは、紫外線領域である360nmにおける光線透過率が30%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。360nmでの光線透過率が30%を超えてしまうと、紫外線がポリエステルフィルムを通過するため、包装用とした場合は内容物を紫外線より守ることができなくなるため好ましくない。
【0025】
本発明のポリエステルフィルムは、単層でも積層でも構わず使用目的によって選択することができる。特に、紫外線吸収剤の配合した層を中間層とした3層構造は、紫外線吸収剤のブリードアウトを防止する目的で有効な手段である。また、フィルムの全厚みは、単層構造、積層構造にかかわらず、通常10〜200μmの範囲である。フィルム全厚みが10μm未満では、紫外線吸収能力が不十分となり、200μmを超えると、機械的に製膜時の延伸が困難になる場合がある。
【0026】
本発明のフィルムは、フィルム製造時の巻き上げ工程や各種工程における作業性を向上させるため、フィルムに適度な滑り性を付与する。
【0027】
具体的には、表面を適度に粗面化するためにフィルムに、例えば平均粒径0.05〜2.0μmの微粒子を0.01〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%含有させる。
【0028】
かかる微粒子の例として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、カオリン、タルク、カーボンブラック、窒化ケイ素、窒化ホウ素、および特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
この際、配合する微粒子は、単成分でもよく、また、2成分以上を同時に用いてもよい。2成分以上用いる場合は、それらの全体の平均粒径および含有量が上記した範囲内にあることが好ましい。
【0030】
平均粒径が0.05μm未満であったり、微粒子の含有量が0.01重量%未満である場合は、フィルム表面の粗面化が不足し、十分に効果が得られないことがある。また、平均粒径が2.0μmを超える場合や含有量が2.0重量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きすぎたり、フィルムの透明性が悪くなる場合がある。
【0031】
原料ポリエステルに対する前記各粒子の配合方法は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルの重合工程に各粒子を添加する方法または原料ポリエステルと各粒子を溶融混練する方法などが好適であり、この場合は紫外線吸収剤を同時に添加しても構わない。
【0032】
上記微粒子を添加した場合に得られるフィルムの表面粗度(Ra)は、3〜50nmが好ましい。表面粗度(Ra)が3nm未満では、フィルムの滑り性が悪くなるため、製膜工程での巻き特性や、作業性が悪くなる傾向がある。また、50nmを超える場合には、フィルムの透明性が悪くなる傾向がある。
【0033】
本発明のポリエステルフィルムには、必要に応じて、帯電防止剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、蛍光増白剤、難燃性付与等の添加剤を配合してもよい。
【0034】
また本発明のポリエステルフィルムの片面または両面に反射防止処理を施して使用してもよい、この反射防止処理としては、表面に微小凹凸を形成することによるエンボス処理や、反射波の光干渉を利用した薄膜形成処理等が挙げられる。さらに、必要に応じ、易滑性、離型性、帯電防止性、易接着性等を付与する目的のコーティング処理を行うこともできる。
【0035】
特に、高透明性を要求される用途においては、フィルムの透明性を上げるために添加する粒子量を少なくする場合があり、その場合、フィルムの滑り性が犠牲となるため、滑り性を付与する目的で易滑層をコーティングする方法が有効である。
【0036】
本発明のポリエステルフィルムは、例えば、ポリエステルを常法で溶融押出しを行った後、逐次または同時二軸延伸を行い、さらに必要に応じて再度縦または横方向に延伸を行った後、熱固定あるいは必要に応じてエージング等をすることによって得られる。
【0037】
かくして得られた本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、包装用、製版用、写真用等の基材として用いられ、特に紫外線吸収を要求される用途として最適である。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法を以下に示す。
(1)微粒子の平均粒径
(株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。なお、粒度分布値(r)は下記式から算出した。
【0039】
粒度分布値(r)=d25/d75
(上記式中、d25、d75は粒子群の積算体積を大粒子側から計測し、それぞれの総体積の25%、75%に相当する粒径(μm)を示す)
(2)極限粘度
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、30℃で測定した。
(3)フィルム厚み
幅W(cm)、長さL(cm)のフィルム試片を作成し、試片の重さをG(g)、密度d(g/cm3)とし、フィルム厚さt(μm)は、次式により計算した。
【0040】
t=G/(W×L×d)×10000
(4)10%重量減少
熱分析装置(島津製作所(株) DT−20Bs型)を用いて、窒素ガス流通下(200ml/分)室温より10℃/分の昇温速度で360℃まで加熱し、重量が10%減少した温度を読み取った。
(5)光線透過
ダブルビーム型分光光度計(島津製作所(株)製 UV−3100PC)により、波長350〜600nm領域で連続的に光線透過率を測定し、360nm波長での光線透過率を検出した。
(6)引張試験 (F2 、F5 値)
(株)インテスコ製 引張試験機インテスコモデル2001型を用いて温度23℃ 湿度50%RHに調節された室内において、長さ50mm 幅15mmの試料フィルムを、50mm/分の速度で引張り、2%,および5%伸張時の強度を、それぞれF2 値、F5 値とした。
(7)表面粗さ(Ra)
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとした。(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線 y=f(x)で表したとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
【0041】
Ra=(1/L)∫0 L0 |f(x)|dx
(8)連続製膜性
連続製膜性を下記のランクに分けて評価した。
【0042】
◎:問題なく連続して製膜が可能で、製膜後に紫外線吸収剤に起因する昇華物の付着等も見られない
○:破断なく連続して製膜が可能だが、製膜後に紫外線吸収剤に起因する昇華物がロールに付着していた
△:昇華物により時々破断が発生するため、連続して製膜できない場合がある
×:昇華物の発生が激しく、破断が多発するために連続して製膜ができない
(9)実用特性
カラーインクジェットプリンター(キャノン(株)製BJC−420J)を用いて印刷した用紙の印刷面に、ポリエステルフィルムを貼り合わせ、太陽光が当たる場所に1週間間放置し、印刷物を観察し下記のランクに分け評価した。
【0043】
○:色の変化がほとんど見られない
△:若干色の変化が見られる
×:激しく色が変化している
実施例1
(ポリエステル−A:ポリエチレンテレフタレートの製造)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、平均粒子径0.7μmのエチレングリコールに分散させた非晶質シリカ粒子を0.006部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.65であった。
(ポリエステル−B:ポリエチレンナフタレートの製造)
ナフタレン−2、6−ジカルボン酸ジメチル100部とエチレングリコール65部および酢酸マグネシウム・四水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留出し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いでリン酸0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後常法に従って重縮合反応を進め、極限粘度0.55のポリマーを得、次いで固相重合を行い、最終的に0.63のポリエチレンナフタレートを得た。
(ポリエステル−C:紫外線吸収剤含有マスターバッチ)
得られたポリエステル−Aと、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル−)−5−(ヘキシル)オキシフェノールを5重量%となるように、ベント付き二軸押出機を用いて錬り混み、紫外線吸収剤含有ポリエチレンテレフタレートを作成した。
(ポリエステルフィルムの製膜)
ポリエステル−A 80部、ポリエステル−B 10部、ポリエステル−C 10部をブレンドし、170℃で3時間乾燥後、280℃から300℃の温度で溶解し、押出機に供給し280℃から300℃の、ギヤポンプ、フィルターを介して、ダイより表面温度30℃に設定したキャスティングドラムにシート状に押出し、静電印加冷却法を用いて厚さ560μmの無定形シートを得た。
【0044】
次いでこの無定型シートを縦方向に84℃で3.7倍縦延伸し、横方向に75℃で4.0倍延伸し90℃で3秒間熱処理を行い、厚さ38μmでエチレンナフタレートを8.1モル%含有する二軸配向フィルムを製造した。
【0045】
比較例1
(ポリエステルフィルムの製膜)
ポリエステル−A80部、ポリエステル−C20部をブレンドし、170℃で3時間乾燥後、280℃から300℃の温度で溶解し、押出機に供給し280℃から300℃の、ギヤポンプ、フィルターを介して、ダイより表面温度30℃に設定したキャスティングドラムにシート状に押出し、静電印加冷却法を用いて厚さ560μmの無定形シートを得た。
【0046】
次いでこの無定型シートを縦方向に84℃で3.7倍縦延伸し、横方向に75℃で4.0倍延伸し90℃で3秒間熱処理を行い、厚さ38μmの二軸配向フィルムを製造した。
【0047】
比較例2〜11
比較例1において、紫外線吸収剤、紫外線吸収剤の添加量、フィルム厚みを下記表1、表2に変えた以外は比較例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。なお、比較例4および5については、フィルムを得ることができなかった。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004707206
【0049】
【表2】
Figure 0004707206
【0050】
【表3】
Figure 0004707206
【0051】
【発明の効果】
本発明のフィルムによれば、耐熱性、透明性、機械的物性、紫外線吸収能力に優れた二軸配向ポリエステルフィルムが提供でき、その工業的価値は高い。

Claims (2)

  1. 下記式(I)で表されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物からなり、10%重量減少温度が300℃以上である紫外線吸収剤を0.01〜10重量%含有し、エチレンナフタレート単位を1〜10モル%含有し、波長360nmにおける光線透過率が30%以下であり、表面粗度(Ra)が3〜50nmであり、フィルム厚さが10〜200μmであることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
    Figure 0004707206
    (上記式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、ハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素原子数2〜6のアルキル基、またはベンジル基を表し、R’は水素原子またはメチル基を表す)
  2. 紫外線吸収剤が、下記式(II)で表される2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル−)−5−(ヘキシル)オキシフェノールであることを特徴とする請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
    Figure 0004707206
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