JP2005194457A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産時の高生産性および低コストを満足するとともに、平滑なポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 単層のポリエステルフィルムの片面に塗布延伸法によって形成された塗布層を有し、当該該塗布層の反対のポリエステルフィルム面の非接触式3次元表面粗さRaが0.025μm以下であり、全体の厚みが6μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルムであり、塗布層厚tと塗布層中の粒子の平均粒径dとの比(d/t)が1.0〜3.0の範囲あることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムに関する。詳しくは、本発明は、表面が平滑であり、かつ、作業性に優れたポリエステルフィルムに関するものである。
二軸配向ポリエステルフィルムは、機械的性質、耐熱性、電気的特性、耐薬品性等、各種の特性を高度にバランス良く有し、コストパフォーマンスの点で優れるため、磁気テープ用、包装用、製版用等の産業用資材として広く用いられている。特に近年は光学用途における需要が増している。すなわち、各種光学用途または可視光の反射・透過が影響する用途に代表されるように、反射の際の乱反射または透過の際の散乱を抑えるべく、表面が平坦であるフィルムが要望されている。
しかしながら、上記の目的を達するべく、表面を平滑にした場合、摩擦係数の増大を招き、フィルムの巻き特性を損ない、生産性を著しく損なう。このように、高生産性、低コストを満足しながら、フィルム表面を平滑化させる方法は、皆無であった。
特開2001−390739号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、生産時の高生産性および低コストを満足するとともに、平滑なポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の塗布層をポリエステルフィルムの製膜時に設けることにより、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、単層のポリエステルフィルムの片面に塗布延伸法によって形成された塗布層を有し、当該該塗布層の反対のポリエステルフィルム面の非接触式3次元表面粗さRaが0.025μm以下であり、全体の厚みが6μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、繰り返し単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。かかるポリエステルは、通常(1)芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとを主な出発原料としてエステル交換反応を経由して、重縮合反応を行う、あるいは(2)芳香族ジカルボン酸とグリコールとを主な出発原料として、エステル化反応を経由して、重縮合反応を行うことにより得られる。これらの反応を行うため、通常、触媒として金属化合物を添加する方法が用いられる。例えば、エステル交換反応触媒として、Ca、Mg、Mn、Li等の化合物、重縮合反応触媒としてSb、Ti、Ge、Sn、Co等の化合物が一般的に用いられている。
また、本発明の範囲を逸脱しなければ、本発明のポリエステルは他の第三成分を含有していてもよい。芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。グリコール成分としては、エチレングリコール以外に、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上を用いることができる。
本発明で用いるポリエステルの極限粘度は、通常0.45以上、好ましくは0.50〜1.0、さらに好ましくは0.52〜0.80の範囲である。極限粘度が0.45未満では、フィルム製造時の生産性が低下したり、フィルムの機械的強度が低下したりするという問題が生ずることがある。一方、ポリマーの溶融押出安定性の点から、極限粘度は1.0を超えないことが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、その全厚みが、6μm以下である。最終製品としての容量の点から5μm以下が好ましく、また、フィルム製造時の巻き歩留まりの点から3μm以上が好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、平滑性の目的で、塗布層を有する面の反対面の非接触式3次元表面粗さ(Ra)が0.025μm以下である必要があり、好ましくは0.020μm以下、特に好ましくは0.015μm以下である。非接触式3次元表面粗さ(Ra)については実施例にて詳細に説明する。非接触式3次元表面粗さが0.025μmを超える場合は、最終製品の機能性が劣り、不適当である。
本発明の最大の特徴は、巻き特性を向上させる目的で、ポリステルフィルムの製膜工程、すなわち、延伸・熱固定の一連の工程中で塗布層を積層することにある。
すなわち、塗布層に易滑性を設けることにより、フィルム同士のすべり性を向上させ、巻き取り時のしわが入ることを防止したり、最終製品に加工工程での走行性を向上させたりすることができる。
塗布層の厚みは、特にこだわらないが、コストの点から、好ましくは、0.10μm以下である。
本発明のフィルムの好適な用途としては、例えば、(1)ブラウン管保護用フィルムのような、光学特性を要求されるような用途や(2)インクジェット方式に代表される各種の方式での印画面の保護層や、あるいは、その保護層を転写する前に保持しておくフィルムのような、平滑性を要求されるような用途等が挙げられる。
本発明の巻き特性を得るために、ポリエステルに存在する粒子の例としては、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、カオリン、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子、およびポリエステル重合時に生成させる析出粒子を挙げることができ、好ましくは、炭酸カルシウム、シリカ並びにカルシウムおよびリンを含有する析出粒子、特に好ましくは、炭酸カルシウムである。
特に、炭酸カルシウムについては、(1)粒径分布をシャープ化し、粗大粒子(平均粒径より著しく大きい粒子)をカットしやすいこと、(2)フィルム化後、滑り性、耐摩耗性が得やすいこと、(3)製品にならないフィルムの不要部分を再溶融、押し出しした際に粒子がこわれにくく、粒径を維持しやすいこと等が好ましい理由である。また、シリカについては、他の粒子より比較的安価に入手できること等が好ましい理由である。
また、カルシウムおよびリンを含有する析出粒子については、(1)あらためて粒子を添加する必要がなく、安価であること、(2)フィルム化時の延伸時の粒子の変形が小さく、突起高さを維持でき、良好な巻き特性を発揮する等が好ましい理由である。
また、本発明の効果を発現させるために、上記で代表される粒子を複数種、採用させることはむろん可能である。とりわけ、フィルム表面の滑り性、巻き取り作業性をさらに向上させるために、上記例示の粒子のほかに、本発明の要旨を損なわない範囲で、平均粒径が0.50μm未満の小粒子を併用することもできる。小粒子として好ましいものは、シリカ、架橋高分子粒子、炭酸カルシウムおよびポリエステル重合時に生成させる析出粒子である。
添加粒子を含むポリエステルの製造に際して、粒子はポリエステルの合成反応中に添加してもポリエステルに直接添加してもよい。合成反応中に添加する場合は、粒子をエチレングリコール等に分散させたスラリーとして、ポリエステル合成の任意の段階で添加する方法が好ましい。一方、ポリエステルに直接添加する場合は、乾燥した粒子として、または、水あるいは沸点が200℃以下の有機溶媒中に分散したスラリーとして、2軸混練押出機を用いてポリエステルに添加混合する方法が好ましい。なお、添加する粒子は、必要に応じ、事前に解砕、分散、分級、濾過等の処理を施しておいてもよい。
粒子の含有量を調節する方法としては、上記した方法で高濃度に粒子を含有するマスター原料を作っておき、それを製膜時に、実質的に粒子を含有しない原料で希釈して粒子含有量を調節する方法が有効である。
また、上記の突起形成剤以外の添加剤として、必要に応じて、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤などを、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。
本発明のフィルムの塗布層は、本発明の本来の目的である滑り性の他に、種々の最終用途に応じ、接触する層との接着性を付与することができる。この接着性を付与するために、特に水性ポリエステル系ポリマーおよび水性アクリル系ポリマーから成る群から選ばれた少なくとも1種からなるポリマー(バインダーポリマー)が有用である。
また、塗布層の耐固着性(耐ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のために架橋性ポリマーとしてメチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系等の化合物、エポキシ系化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコーアルミネート系カップリング剤、過酸化物、熱および光反応性のビニル化合物や感光性樹脂などを含有してもよい。
また、更なる滑り性改良や固着性改良のために、塗布層中に無機系微粒子として、シリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモンゾルなどを、有機系微粒子として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを含有していてもよい。この際、粒子は、その突起が塗布層の厚みより大きいことが必要であり、塗布層厚をt、粒子の平均粒径をdとしたときに、d/tが1.0〜3.0の範囲にあることが好ましい。d/tが3.0を超える場合は、粒子が塗布層からこすれ落ちやすい傾向がある。
さらに必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
上述の塗布液をポリエステルフィルムに塗布する方法としては原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いることができる。
本発明において、塗布層は、フィルム製造工程内で塗布する、いわゆるインラインコーティング方法を採用する。
フィルム製造工程内で塗布する方法としては、ポリエステル未延伸フィルムに塗布液を塗布し、逐次あるいは、同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたポリエステルフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法などがある。
次に、本発明のフィルムの製造法を具体的に説明する。
まず、ポリエステル原料を、押出装置に供給する。すなわち、スリット状のダイから溶融シートとして押し出す。次に、溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを二軸方向に延伸してフィルム化する。二軸延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを、第一軸方向に延伸する。延伸温度範囲は通常70〜150℃、延伸倍率は通常2.5〜6倍の範囲とし、延伸は一段階または二段階以上で行うことができる。次に第二軸方向、すなわち第一軸方向と直交する方向に一軸配向フィルムを一旦ガラス転移点以下に冷却するか、または冷却することなく、例えば80〜150℃の温度範囲に予熱して、さらにほぼ同温度の下で2.5〜5倍、好ましくは3.0〜4.5倍に延伸を行い、二軸に配向したフィルムを得る。なお、第一軸方向の延伸を2段階以上で行うことは、良好な厚さ均一性を達成できるので好ましい。また、横延伸した後、さらに長手方向に再延伸する方法も可能であるが、いずれにしても長手方向の総合延伸倍率を3.5倍以上とすることが好適である。また、第1軸方向とその直交する方向の延伸を同時に行う、いわゆる同時二軸延伸でも可能である。
上述の工程の何れかの段階において、前述したように塗布・乾燥することにより、塗布層を設ける。
かくして得られたフィルムを、30%以内の伸長、制限収縮、または定長下で1秒〜5分間熱処理する。この際、熱処理工程内または熱処理後に長手方向または横方向、あるいは両方向に再延伸を行ってもよい。
本発明のフィルムは、平滑な面と特定の塗布層を有するため、生産時および加工時の作業性を満足し、かつ、高度な機能性を与えることができ、その工業的価値は高い。
以下、実施例を挙げてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比較例中、「部」とあるのは「重量部」を示し、「%」とあるのは「重量%」を示し、「ppm」とあるのは「重量ppm」を示す。
(1)ポリマーの極限粘度 [η] (dl/g)
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlに溶解し、30℃で測定した。
(2)粒子の平均粒径(d50)(μm)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)で測定した等価球形分布において大粒子側から積算した積算体積分率50%の粒径を平均粒径(d50)とした。
(3)非接触式3次元表面粗さ Ra(μm)
下記巻き歩留まり評価法で作製したロールの巻き芯近傍より、切り取った試験片について、塗布層の反対の表面に厚さ450オングストロームのアルミニウムを蒸着した。この蒸着面について、直接位相検出干渉法を用いた、マイクロマップ社製の非接触表面形状システム(Micromap 512)を用いて、1測定領域=230μm×177μmとしてその平均値 Raを算出した。測定波長は554nmとし、対物レンズは20倍を用いて、20測定領域を測定し、20点のRaの平均値を非接触式3次元表面粗さ Ra(μm)として採用した。
(4)巻き歩留まり
フィルム製膜後、マスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、ロール状に250m/分の速度で、巻き取り、全長にわたり、しわなく巻けるものを合格とし、その合格率について以下の基準で判定した。
◎:95%以上。優秀
○:80%以上95%未満。良好
×:80%未満。不良
(5)光沢度
上記巻き歩留まり評価法で作製したロールの巻き芯近傍より、切り取った試験片について、塗布層の反対の表面に厚さ450オングストロームのアルミニウムを蒸着した。この蒸着面の光沢度を目視にて以下の基準で判定した。
◎:光沢が充分にあり。優秀。
○:若干、光沢が低下するが、実用上、問題ないレベル。良好。
×:光沢が不十分で実用に耐えない。不良。
(ポリエステル原料a)
テレフタル酸86部、エチレングリコール70部を反応器にとり、約250℃で0.5kg/mmの加圧下、4時間エステル化反応を行った。次いで、三酸化アンチモン0.015部、平均粒径1.4μmの炭酸カルシウム粒子およびリン酸0.01部を添加した。温度を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を常圧から徐々に減じ0.5mmHgとした。4時間後重縮合反応を停止し、極限粘度0.66のポリエステル(a)を得た。このポリエステル(a)には、0.50重量%の炭酸カルシウム粒子が含有されていた。
(ポリエステル原料b)
ポリエステル原料aにおいて炭酸カルシウム粒子を添加しないこと以外はポリエステルaとまったく同様にして極限粘度0.66の希釈用ポリエステル(b)を得た。
(ポリエステル原料c)
ポリエステル原料aにおいて炭酸カルシウム粒子の替わりに、平均粒径1.8μmのシリカ粒子を添加すること以外はポリエステルaとまったく同様にして極限粘度0.66のポリエステル(c)を得た。このポリエステルcには0.50重量%のシリカ粒子が含有されていた。
(ポリエステル原料d)
ポリエステル原料aにおいて炭酸カルシウム粒子の替わりに、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を添加すること以外はポリエステルaとまったく同様にして極限粘度0.66のポリエステル(d)を得た。このポリエステルdには0.30重量%のシリカ粒子が含有されていた。
(水性塗布剤)
<水性塗布剤の固形分比>
水性塗布剤a/水性塗布剤b/水性塗布剤c/水性塗布剤d=55/30/10/5
<水性塗布剤の内容>
水性塗布剤a:テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/=24/25/1/25/25モル比のポリエステル分散体
水性塗布剤b:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メチロールアクリルアミド=50/40/10モル比の乳化重合体
水性塗布剤c:ヘキサメトキシメチルメラミン
水性塗布剤d:酸化ケイ素の水分散体(平均粒径=0.10μm)
ポリエステル(a)とポリエステル(b)を混合し、平均粒径1.4μmの炭酸カルシウム粒子0.07%を含有する原料とした。この混合した原料を常法により乾燥して押出機に供給し、290℃で溶融してシート状に押出し、静電印加密着法を用いて冷却ロール上で急冷し、無定形シートとした。得られたシートを、ロール延伸法を用いて縦方向に84℃で2.9倍延伸した後、さらに70℃で1.3倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムに上記記載の水性塗布剤を塗布し、その後、テンターに導いて、塗布層の水分を蒸発させた後、横方向に110℃で4.0倍延伸し、230℃で熱処理を行い、ベースフィルムの厚み4.5μmに最終厚み0.05μmの塗布層が積層された二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
ポリエステル(b)とポリエステル(c)を混合し、平均粒径1.8μmのシリカ粒子0.07%を含有する原料とした。実施例1とまったく同様にして、ベースフィルムの厚み4.5μmに最終厚み0.05μmの塗布層が積層された二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
ポリエステル(a)とポリエステル(b)とポリエステル(d)を混合し、平均粒径1.4μmの炭酸カルシウム粒子0.07%、平均粒径0.3μmのシリカ粒子0.02%を含有する原料とした。実施例1とまったく同様にして、ベースフィルムの厚み4.5μmに最終厚み0.05μmの塗布層が積層された二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(比較例1)
ポリエステル(a)とポリエステル(b)を混合し、平均粒径1.4μmの炭酸カルシウム粒子0.07%を含有する原料とした。実施例1において、水性塗布剤を塗布しない以外は、まったく同様にして、ベースフィルムの厚み4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(比較例2)
ポリエステル(b)とポリエステル(c)を混合し、平均粒径1.8μmのシリカ粒子0.07%を含有する原料とした。実施例2において、水性塗布剤を塗布しない以外は、まったく同様にして、ベースフィルムの厚み4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
(比較例3)
ポリエステル(b)とポリエステル(c)を混合し、平均粒径1.8μmのシリカ粒子 0.20%を含有する原料とした。実施例1において、水性塗布剤を塗布しない以外は、まったく同様にして、ベースフィルムの厚み4.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら、内径6インチの巻き芯にトータル長35000m、250m/分の速度で、ロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。
実施例1〜3および比較例1〜3について得られた結果をまとめて下記表1に示す。
Figure 2005194457
本発明のフィルムは、例えば、ブラウン管保護用フィルムのような、光学特性を要求されるような用途や、インクジェット方式に代表される各種の方式での印画面の保護層や、あるいは、その保護層を転写する前に保持しておくフィルムのような、平滑性を要求されるような用途等に好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 単層のポリエステルフィルムの片面に塗布延伸法によって形成された塗布層を有し、当該該塗布層の反対のポリエステルフィルム面の非接触式3次元表面粗さRaが0.025μm以下であり、全体の厚みが6μm以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
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