JPH05166169A - 磁気記録媒体用ポリエステル系フィルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステル系フィルム

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JPH05166169A
JPH05166169A JP35472691A JP35472691A JPH05166169A JP H05166169 A JPH05166169 A JP H05166169A JP 35472691 A JP35472691 A JP 35472691A JP 35472691 A JP35472691 A JP 35472691A JP H05166169 A JPH05166169 A JP H05166169A
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JP
Japan
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film
polyester
acid
magnetic recording
water
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Application number
JP35472691A
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English (en)
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Atsushi Hara
厚 原
Hideaki Tatsuta
英昭 龍田
Haruo Matsumoto
治男 松本
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Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】二次加工性に優れ、ブロッキング等の問題を生
ずることなく、磁気記録層やバックコート層に対して優
れた接着性を示すような特に高密度記録に適する磁気記
録媒体用ポリエステル系フィルムを提供する。 【構成】中心線平均粗さRaが0.02μm以下のポリ
エステル系樹脂の基材フィルムの少なくとも片面に、水
分散性であるが水不溶性のスルホン酸金属塩基含有ポリ
エステルと潤滑剤とからなる組成物であって、フィルム
状にしたときの粗大突起数が100cm当り10個以
下であるものを被覆した磁気記録媒体用ポリエステル系
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用のベース
フィルムとして使用されるポリエステル系フィルムに関
し、詳細にはポリエステル系樹脂よりなる基材フィルム
の表面に、スルホン酸金属塩基を有する特定のポリエス
テルと潤滑剤とからなる薄層が形成された、フィルムの
二次加工性が良好で、その上に形成される磁気記録層や
バックコート層との接着性が改善され、且つ平滑性が良
好で電磁変換特性の優れた磁気記録媒体を与える磁気記
録媒体用ポリエステル系フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂よりなる2軸延伸フ
ィルムは耐熱性、寸法安定性、強度等に優れたものであ
るところから、磁気記録媒体用のフィルム基材として広
く利用されている。しかしながら2軸延伸ポリエステル
フィルムは高度に結晶配向しており、磁気記録層やバッ
クコート層との接着性が悪いので、磁気記録媒体用基材
フィルムとして使用するに当たっては、(1)その表面
に接着性改善のためのプライマー層を設ける方法、
(2)表面に各種ガス雰囲気下のコロナ放電処理、紫外
線照射処理、プラズマ処理、火焔処理等を施す方法、あ
るいは(3)基材表面に酸、アルカリ、アミン水溶液、
トリクロル酢酸、フエノール類等によってケミカルエッ
チング処理を施す方法、更には(4)上記(1)〜
(3)の処理を併用する方法等によって接着性を高める
方法が採用されている。これらの中でも(1)のポリエ
ステル系フィルム基材上にプライマー層を設ける方法
は、処理の容易性、作業の安全性、コスト、密着性改善
効果等のすべてにおいて優れたものであるところから広
く実用化されている。ここで使用されるプライマー処理
剤として多くの組成物が提案されており、中でもポリエ
ステル樹脂を主成分とするプライマー処理剤は、ポリエ
ステル系フィルム基材への塗布性、塗布層の接着性、耐
ブロッキング性等に優れたものとして注目されている。
【0003】しかしながら従来のプライマー処理剤は、
特定の磁性塗料に対してはそれなりの効果を示すもので
あっても、塗料の種類が変わるとその効果が得られない
など、汎用性に欠けるという欠点がある。しかも基材フ
ィルム上にプライマー層を形成してからロール状に巻き
取ったときに、フィルム同士がブロッキングを起こし易
いという問題も指摘されている。
【0004】本発明らは上記の様な事情に着目して、ブ
ロッキング等の問題を生ずることなく、磁気記録層やバ
ックコート層に対して優れた接着性を示す様な磁気記録
媒体用ポリエステル系フィルムを先に提案した(特願平
2−260732)。しかしながら、該提案によるポリ
エステル系フィルムにおいても高密度記録用途へのポリ
エステル系フィルムとしては少なからずブロッキング性
の問題ならびに摩擦係数の増加による二次加工性の悪化
等の問題点が残されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、二次
加工性に優れ、ブロッキング等の問題を生ずることな
く、磁気記録層やバックコート層に対して優れた接着性
を示すような特に高密度記録に適する磁気記録媒体用ポ
リエステル系フィルムを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る磁気記録媒体用ポリエステル系フ
ィルムの構成は、ポリエステル系樹脂よりなる中心線平
均粗さRaが0.02μm以下の基材フィルムの少なく
とも片面に、分子中にスルホン酸金属塩基を有する、水
分散性であるが水不溶性のスルホン酸金属塩基含有ポリ
エステルと潤滑剤とからなる組成物であって、フィルム
状としたときの下記の方法によって求められる粗大突起
数が100cm2 当たり10個以下であるスルホン酸金
属塩基含有ポリエステルと潤滑剤とからなる組成物を被
覆したものであるところに特徴を有するものである。
【0007】(粗大突起数の測定法)クリーンルーム内
で、平滑なガラス板上にスルホン酸金属塩基含有ポリエ
ステルよりなる厚さ0.1μmのフィルムを形成し、そ
の上に厚さ10μmの平滑なフィルムを重ね合わせて密
着した後上方からNaのD線を照射し、上記ポリエステ
ル中に含まれる未分散物や異物に基づく突起によって形
成される干渉リングの次数が3以上であるものの数を粗
大突起数として求める。
【0008】(触針式三次元表面粗さ計による基材フィ
ルムの平均粗さRaの測定法)フィルム表面の微細突起
の高さを(株)小坂研究所製触針式粗さ計(SE−3A
K)を用いて測定する。この測定は、フィルムの長手方
向に対して45°方向に、針の半径2μm、荷重30m
gの条件下で行なう。得られたデータを三次元粗さ解析
装置(SPA−11)にインプットすることにより平均
粗さRaが算出される。
【0009】本発明で使用される基材フィルムとして
は、熱可塑性のポリエステル系樹脂フィルム、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートなどのフィルムが挙げ
られる。中でも特に好ましいのは、樹脂成分の80%以
上がポリエチレンテレフタレートである単独もしくは共
重合ポリエステルフィルム、あるいはポリエチレンテレ
フタレートを80%以上の割合で含有するポリエステル
ブレンドフィルムである。
【0010】上記共重合ポリエステルやポリエステルブ
レンド物におけるポリエチレンテレフタレート成分以外
のポリエステル成分には格別の制限はなく、任意のポリ
エステル成分を組み合わせることができる。そのような
ポリエステルを構成するジカルボン酸成分としては、芳
香族、脂肪族および脂環族のジカルボン酸がいずれも使
用できる。芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル
酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
などが、また脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、
アジピン酸、セバシン酸、シュウ酸などが、そして脂環
族ジカルボン酸としては、1,3−シクロペンタンジカ
ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが
例示される。尚上記ジカルボン酸の一部に代えてp−ヒ
ドロキシ安息香酸などのオキシカルボン酸を併用するこ
とも有効である。
【0011】上記ポリエステルを構成するグリコール成
分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコールまたは
炭素数6〜12個の脂環族グリコールが好ましい。この
ようなグリコールとしては、エチレングリコール、1,
2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジ
メタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ールなどが挙げられる。この他、脂肪族グリコールとし
てポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル
グリコールを使用することも可能である。
【0012】上記の酸成分とグリコール成分とは、通常
の方法で重縮合することによりポリエステルとされる。
このポリエステルは、単独で、もしくは必要により2種
以上を適宜併用してもよく、またポリエステルの製造過
程で他の共重合性成分を少量共重合させたり、あるいは
ポリエステル以外の樹脂を少量ブレンドしてもよく、更
には必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔料、
紫外線吸収剤等を適量配合してもよい。これらの樹脂
は、通常溶融・押出法により、あるいは溶剤に溶解して
流延させるキャスティング法により基材フィルムとされ
る。この基材フィルムは未延伸状態で使用してもよく、
あるいは必要に応じて1軸もしくは2軸延伸して用いて
もよい。
【0013】次に、上記基材フィルムの少なくとも片面
に密着性改善層として形成されるスルホン酸金属塩基含
有ポリエステルは、分子中にスルホン酸金属塩基を有
し、水分散性であるが水不溶性のスルホン酸金属塩基含
有ポリエステルである。ここで「水不溶性」とは、対象
となるスルホン酸金属塩基含有ポリエステルを80℃の
熱水に浸漬して攪拌した場合でも、この熱水中に該重合
体が溶解しない性質を言い、より具体的には、スルホン
酸金属塩基含有ポリエステルをチップ状とし、これを大
過剰の熱水(80℃)に入れて、24時間攪拌を行なっ
たときに、該重合体の溶解による重量減少が5重量%以
下であるものを水不溶性のものとする。
【0014】この様なスルホン酸金属塩基含有ポリエス
テルは、ジカルボン酸成分として分子中にスルホン酸金
属塩基を有するジカルボン酸を共重合させることによっ
て得ることができる。ここで使用されるスルホン酸金属
塩基含有ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、
5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−ス
ルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−[4−ス
ルホフェノキシ]イソフタル酸などの金属塩が挙げられ
る。特に5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウ
ムスルホテレフタル酸が好ましいものとして挙げられ
る。
【0015】これらのスルホン酸金属塩基含有ジカルボ
ン酸は、使用される全ジカルボン酸に対して0.5〜1
5モル%、より好ましくは0.5〜10モル%の範囲で
使用するのがよく、0.5モル%未満では得られるスル
ホン酸金属塩基含有ポリエステルの水に対する分散性が
十分に上がらないため、均一な被覆層が形成され難くな
り、逆に15モル%を超えると、得られる被覆層の耐ブ
ロッキング性が低下する。
【0016】上記スルホン酸金属塩基を有するジカルボ
ン酸以外のジカルボン酸としては、芳香族、脂肪族、脂
環族のジカルボン酸がいずれも使用できるが、本発明に
おいては、スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸
以外のジカルボン酸として芳香族ジカルボン酸を50モ
ル%以上、好ましくは70モル%以上の割合で使用する
のがよい。好ましい芳香族ジカルボン酸としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸などが例示される。芳香族ジカルボン酸
が少ない場合は、得られるスルホン酸金属塩基含有ポリ
エステルにより形成される被膜の機械的強度がやや低く
なるほか、耐ブロッキング性も相対的に悪くなる傾向が
見られる。尚スルホン酸金属塩基における金属として
は、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金
属、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属等が例
示されるが、最も一般的なのはナトリウム、カリウム等
である。
【0017】芳香族ジカルボン酸と併用される脂肪族ジ
カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸などが、また脂環族ジカルボン酸としては、1,3−
シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ
る。これらの非芳香族ジカルボン酸成分は、得られるス
ルホン酸金属塩基含有ポリエステルの水分散性や該ポリ
エステルによって形成される被覆層の接着性を高めるう
えで有効である場合もあるが、使用量が多過ぎると、被
覆層の機械的強度や耐ブロッキング性が不十分になるこ
とがあるので、使用量は少なめに抑えるのがよい。
【0018】上記ジカルボン酸成分と組み合わせられる
グリコール成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリ
コールまたは炭素数6〜12個の脂環族グリコールが用
いられる。このようなグリコールとしてはエチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘ
キサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシ
リレングリコール、ビスフエノール系化合物、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールなどがある。
【0019】前記スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸
と上記他のジカルボン酸成分および多価アルコール成分
を使用し、溶融重縮合法、溶液重縮合法、界面重縮合法
等により重縮合を行なうと、スルホン酸金属塩基を有す
るスルホン酸金属塩基含有ポリエステルが得られる。例
えば、上記各成分を直接反応させて水を留去し、エステ
ル化するとともに、重縮合を行なう直接エステル化法、
あるいは上記ジカルボン酸成分のジアルキルエステルと
グリコール成分とを反応せしめ、アルコールを留出させ
つつエステル交換を行なわせるとともに重縮合を行なう
エステル交換法などが採用される。このようにして得ら
れる水不溶性であるが水分散性のスルホン酸金属塩基含
有ポリエステルは、そのガラス転移温度(Tg)が10
0℃以下であるものが好ましく、より好ましいガラス転
移温度は80℃以下、さらに好ましくは20〜80℃で
ある。ガラス転移温度が100℃を越えるものでは、該
スルホン酸金属塩基含有ポリエステルを含む組成物を基
材フィルムに塗布するときの造膜性が悪いため、得られ
る被覆層と基材フィルムとの接着性が十分に改善され
ず、その結果、得られる被覆フィルムとこれに積層され
る磁気記録層やバックコート層との接着性も不十分とな
る。一方ガラス転移温度が低過ぎると耐ブロッキング性
が悪くなるので、20℃以上のものを使用することが望
まれる。
【0020】本発明に用いられる潤滑剤は上記スルホン
酸金属塩基含有ポリエステルに添加されて潤滑作用を示
すものであればよく、一般に言われている潤滑剤の他に
界面活性剤、ワックス等も含まれる。これら潤滑剤とし
ては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステルワックス、高級
脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩、高級脂肪族アルコール、
パラフィン、種々の界面活性剤などが用いられる。
【0021】高級脂肪酸の例としては、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、モンタン酸などが挙げられる。
【0022】高級脂肪酸ワックスの具体例としては、セ
ラツクロウ、ヌカロウ、虫ロウ、羊毛ロウ、モンタンロ
ウ、カンデリラロウ、カルナウバロウなどが挙げられ
る。高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩としてはそれぞれ
上記供給脂肪酸のアミド、塩が挙げられる。
【0023】種々の界面活性剤としてはアニオン系界面
活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性
剤、フッ素系界面活性剤等がある。
【0024】アニオン系界面活性剤としては、通常市販
されているカルボン酸塩、高級アルコールの硫酸エステ
ル塩、スルホン酸塩、高級アルコールのリン酸エステル
およびその塩を挙げることができる。これら化合物の具
体例としては、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナ
トリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリルアルコール
硫酸エステルナトリウム、ミリスチルアルコール硫酸エ
ステルナトリウム、セチルアルコール硫酸エステルナト
リウム、ステアリルアルコール硫酸エステルナトリウ
ム、オレイルアルコール硫酸エステルナトリウム、高級
アルコールのエチレンオキサイド付加体の硫酸エステル
ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、デシルス
ルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、
オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸カリウム、ノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、
ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナ
フタレンスルホン酸カリウム、M−オレオイル−M−メ
チルタウリンナトリウム、テトラエトキシラウリルアル
コールリン酸エステル、リン酸モノステアリルエステル
ナトリウム、リン酸ジステアリルエステルナトリウムな
どを挙げることができるが、これらに限定されるもので
は無い。
【0025】カチオン系界面活性剤としては、市販され
ているものでよく、高級アルキルアミンから得られるア
ンモニウム塩、エタノールアミンと高級脂肪酸のエステ
ルの中和物、などを挙げることができるがこれらに限定
されるものではない。ノニオン系界面活性剤としては、
ポリアルキレンオキシドの付加体を主成分とするポリア
ルキレングリコール化合物、多価アルコールのエステ
ル、多価アルコールのエーテル、アルコールアミンの脂
肪酸アミド等があげられる。具体的には、ポリエチレン
グリコール、ポリプロポレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、これらグリコールの共重合体、高級
脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグリセリド、高級脂肪酸
のソルビタン、モノ、ジ、またはトリエステル、高級脂
肪酸とアルコールアミンとのアミドなどを挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。フッ素系
化合物としては液状、半固体状、又は固体上のフッ化炭
素誘導体を用いることができる。このような化合物とし
て炭素数5以上のパーフルオロアルキル基を有するスル
ホン酸塩またはカルボン酸塩、パーフルオロアルキルの
エチレンオキシド付加体、パーフルオロアルキル基を含
有するビニル系化合物の低重合体または他のビニル系モ
ノマーとの共重合低重合体をあげることができる。
【0026】高級脂肪族アルコールとしてはラウリルア
ルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げ
られる。
【0027】これら潤滑剤の使用量は基材フィルムのR
a、スルホン酸金属塩基含有ポリエステルの種類、潤滑
剤の種類等によって異なるが、通常0.0001〜20
%、好ましくは0.001〜15%、より好ましくは
0.01〜10%である。
【0028】尚、該スルホン酸金属塩基含有ポリエステ
ルと潤滑剤との組み合わせ単独で使用するのはもちろん
のこと、他の各種水分散性樹脂を併用することによっ
て、平滑性や接着性、耐ブロッキング性等をより改善す
ることも可能である。
【0029】好適に併用される水分散性樹脂としてはポ
リ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンお
よびその共重合体などのビニル系樹脂:アクリル酸、メ
チルメタクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、
スチレン、グリシジルメタメクリレート、メチルアクリ
レート、エチルアクリレートなどを用いて調製されるア
クリル系樹脂:イソフタル酸、アジピン酸、セバシン
酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどのグリコール類と、ジイソ
シアネート類とから調製されるポリウレタン系樹脂など
がある。
【0030】水分散性樹脂としては、この他にも、分子
内に親水性基を有するため水系溶媒において分散性を示
すか、もしくは分子内に親水性基を有するため分散助剤
を少量加えることにより水系溶媒において分散性を示す
高分子化合物が包含される。上記親水性基としては、ホ
スホン酸基、ホスフィン酸基、スルホン酸基、アンモニ
ウム基、カルボキシル基などが挙げられる。このような
親水性基を有する樹脂としては、ポリウレタン、ポリア
ミド、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂などがある。特に、ポリウレタン及び/又はア
クリル系樹脂を適当量併用することにより、接着性、耐
ブロッキング性の改善のみならず、耐溶剤性、制電性等
の向上が達成される。
【0031】該スルホン酸金属塩基含有ポリエステルと
潤滑剤とからなる組成物にはさらに他の添加剤として例
えば、その他の各種水分散性樹脂やシリカ、炭酸カルシ
ウム、カオリナイト、アルミナ、タルク、硫酸バリウム
などの無機質不活性粒子;ベンゾグアナミン系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂などの有機質不活性粒子(いずれも粒
径0.001〜2μm程度)を添加することができ、こ
れらを添加することにより、滑り性や耐ブロッキング性
を更に改善することができる。さらに必要に応じて顔
料;有機系、無機系の制電剤;防腐剤;消泡剤;紫外線
吸収剤などを併用することも可能である。
【0032】このスルホン酸金属塩基含有ポリエステル
は、例えば、該スルホン酸金属塩基含有ポリエステルよ
りなる微粒子を熱水中に加えて強撹拌することにより分
散させる方法;上記水不溶性ポリエステルを水溶性有機
化合物と混合して水に分散させる方法、などによって水
分散液とされる。このとき、水溶性有機化合物(通常、
有機溶剤)を併用すれば、均一な水分散液が得られ易い
ので有利である。併用される有機化合物としては、その
沸点が60〜200℃で、20℃における1リットルの
水に対する溶解量が20g以上のものが好ましく、具体
例としては脂肪族および脂環族のアルコール、エーテ
ル、エステル、ケトンなどが挙げられる。アルコール類
としては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノールなどの1価アルコール類;エチレン
グリコール、プロピレングリコールなどのグリコール
類;およびメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−
ブチルセロソルブなどのグリコール誘導体が例示され
る。エーテル類としては、ジオキサン、テトラヒドロフ
ランなどが;エステル類としては、酢酸エチルなどが;
ケトン類としては、メチルエチルケトンなどが挙げられ
る。これらの水溶性有機化合物は、単独で添加し得るほ
か2種以上を併用することもできる。上記化合物のう
ち、水への分散性、およびフィルムへの塗装性を加味し
て最も好ましいのはブチルセロソルブおよびエチルセロ
ソルブである。
【0033】このような水溶性有機化合物を用いてスル
ホン酸金属塩基含有ポリエステルの水分散液を調製する
には、上記スルホン酸金属塩基含有ポリエステルチップ
と上記水溶性有機化合物とを50〜200℃で混合し、
これに水を加えて撹拌することにより分散させる方法;
上記と同様に50〜200℃で混合して得られる混合物
を水に加え、撹拌して分散させる方法;あるいは、上記
スルホン酸金属塩基含有ポリエステル、水溶性有機化合
物および水の3者を40〜120℃で撹拌して分散させ
る方法などが採用される。又、被覆層の耐ブロッキング
性や表面特性を低下させない範囲内で、分散を促進させ
るために乳化剤を使用することも差支えない。
【0034】本発明で基材フィルム面を被覆するために
使用する塗布液は、固体、粉末、液体状の潤滑剤をその
ままもしくは上述水溶性化合物に溶解した溶液あるいは
水溶液、水分散液として、上記スルホン酸金属塩基含有
ポリエステル水分散液の製造過程の任意の段階で混合す
ることによって得られる。
【0035】ところで基材フィルム上に被覆層として形
成される該スルホン酸金属塩基含有ポリエステルと潤滑
剤とよりなる樹脂層は、磁気記録層やバックコート層に
対する接着性を高めるものであるが、この被覆層中に混
入することのある不溶性の異物に由来する粗大突起は、
その上に磁性層を形成した場合におけるドロップアウト
等の信号欠陥を生ずる原因になる。従って該被覆層に存
在する粗大突起は極力少なくしなければならず、従って
本発明では、磁気記録媒体用フィルムとして必要な平滑
度を確保するための基準として、以下に示す粗大突起数
を規定する。
【0036】即ちクリーンルーム内で、平滑なガラス板
上に上記スルホン酸金属塩基含有ポリエステルと潤滑剤
とよりなる厚さ0.1μmのフィルムを形成し、その表
面に厚さ10μmの平滑なフィルムを重ね合わせて密着
させた後、上方からNaのD線を照射したとき、該スル
ホン酸金属塩基含有ポリエステルと潤滑剤中に含まれる
未分散物や異物に基づく粗大突起によって形成される干
渉リングの次数が3以上であるものが100cm2 当た
り10個以下、より好ましくは3個以下でなければなら
ない。これよりも粗大突起数が多くなると、磁気記録媒
体として使用したときにドロップアウト等の欠陥が多く
なり、本発明の目的に適合し得なくなる。
【0037】この様な清浄度の高い塗布液を得るには、
塗装前に該塗布液を孔径3μm程度以下、より好ましく
は1.5μm程度以下のフィルターに通し、粗大不溶物
を除去すればよい。
【0038】あるいは、該塗布液を塗工前に加温処理を
施すことによって達成される。ここで加温処理とは、該
塗布液を塗工前1ケ月以内、好ましくは1週間以内に4
5〜80℃の温度で2分以上、好ましくは3分以上加温
する工程のことである。ただし処理時間を必要以上長く
することは不経済であり、塗布液中のバインダーの劣化
を引き起こす。
【0039】勿論、上記加温処理とフィルターによる除
去工程を組み合わせてもよいが、この場合のフィルター
孔径は、加温処理を行なわない場合と比べて、著しく大
孔径、例えば20μmでも構わない。
【0040】尚上記干渉リングが二次以下である微小突
起については、磁気特性に殆ど悪影響を及ぼすことがな
いので、本発明では特に問題としないが、これらの微小
突起についても少ない方が好ましいことは勿論である。
【0041】かくして得られる本発明の磁気記録媒体用
ポリエステル系フィルムは、中心線平均粗さRaが0.
02μm以下の基材と被覆層との層間接着性、および該
被覆層とその表面に形成される磁気記録層やバックコー
ト層との接着性が共に良好であり、またロール状に巻回
した場合でもブロッキングを起こすことがなく、摩擦係
数の増大が抑えられ二次加工性に優れている。しかも該
フィルムの粗大突起は少なく表面平滑度の高いものであ
るから、これをベースフィルムとして使用することによ
って優れた電磁変換特性の磁気記録媒体を得ることがで
きる。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚実施例で採用した性能評価法は下記の通りであ
る。また下記実施例において「部」とあるのは特記しな
い限り「重量部」を意味する。
【0043】接着性評価 評価用塗料−1(磁性塗料) Co−γ−Fe23 100部 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 15部 ウレタン変性飽和ポリエステル樹脂 15部 α−アルミナ 3部 カーボンブラック 1部 トルエン 105部 メチルエチルケトン 105部 シクロヘキサノン 105部 上記原料配合でボールミルにより約12時間混合分散した後、これに パルミチン酸 1部 ドデシルステアレート 2部 オレイン酸 2部 を加えて更に30分間混合する。次にトリイソシアネー
ト化合物の固形分75%酢酸エチル溶液を10部加えて
更に1時間混合し磁性塗料とする。
【0044】 評価用塗料−2(バックコート塗料) カーボンブラック 50部 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 30部 トリイソシアネート 30部 ポリウレタンエラストマー 30部 ニトロセルロース 30部 ステアリン酸アミド 5部 トルエン 120部 メチルエチルケトン 120部 をボールミルで均一に混合し、バックコート塗料とす
る。尚、磁性塗料は、供試フィルム上に乾燥後の厚さが
3μmとなる様に塗布し、磁場配向処理を施した後60
℃で乾燥してから100℃でカレンダー処理し、更に6
0℃で72時間キュァを行なう。またバックコート塗料
については、供試フィルム上に乾燥後の厚さが1μmと
なる様に塗布し、60℃で乾燥した後100℃でカレン
ダー処理し、更に60℃で72時間キュァを行なう。
【0045】塗料接着性の評価 供試フィルム上に、上記磁性塗料またはバックコート塗
料を所定の条件でコーティングした後、得られたフィル
ムの塗布面に23℃×50%RHの雰囲気下で、スコッ
チテープ(スリーエム社製「No.610」)(幅10
mm×長さ10cm)を気泡の入らないように貼り付
け、この上にロールを押しつけてならす。次いで東洋ボ
ールドウィン社製のテンシロンを使用し、引張速度10
00cm/分で360度剥離を行なう。チャック間は1
8cm、粘着部分は5cmとする。
【0046】蒸着接着性評価 供試ポリエステルフィルムの表面に真空蒸着によって膜
厚2000オングストロームのCo−Ni合金薄膜を形
成する。この蒸着フィルムの蒸着面に、23℃×50%
RHの雰囲気下でスコッチテープ(スリーエム社製「N
o.610」)(幅18mm×長さ15cm)を気泡の
入らない様に貼り付け、この上をロールで圧接した後、
180°方向に手ですみやかに剥離し、フィルムに残っ
た蒸着層を目視判定する。 ○:全く剥れないもの △:一部に剥れが見られたもの ×:1/3以上が剥れたもの
【0047】耐ブロッキング性 片面にスルホン酸金属塩基含有ポリエステルと潤滑剤と
からなる混合物の被覆を施した2枚のフィルム(3cm
×3cm)の、塗布面と非塗布面を重ね合わせ、これを
6cm×6cmのシリコーンラバーおよび同寸法で厚さ
7mmのガラス板によって両側から挟む。これに2kg
の荷重をかけ、50℃×85%RHの雰囲気で48時間
放置した後、フィルムを剥離したときの粘着状態を観察
する。 ○:粘着が全く見られない △:所々にフィルムの粘着が起こっている ×:全面で粘着が起こっている
【0048】粗大突起の評価 バーコーターを使用し、スルホン酸金属塩基含有ポリエ
ステルと潤滑剤とからなる混合物の水分散液をクラス1
000のクリーンルーム内で平滑なガラス板上に乾燥膜
厚が0.1μmとなる様にコーティングし乾燥する。次
いで該コーティング膜上に、異物の混入を極力少なくし
た厚さ10μmのポリエステルフィルムを重ね合わせ、
ローラーで隙間の空気を押し出して密着させた後、上か
らNaのD線を当て、生じる干渉リングを観察する。そ
して該干渉リングの縞の数が3以上であるものの数を調
べ、100cm2 当たりの個数として求める。
【0049】電磁変換特性 供試フィルムの片面に厚さ3μmの磁性塗膜を形成した
後、1/2インチ幅にスリットして、VHS規格のビデ
オテープを得る。このテープの標準テープ(比較例1)
に対するクロマS/Nを、(株)シバソク製TG−7形
NTCS TV試験信号発生器および925D/1NT
CSカラービデオノイズ測定器を用いて測定し、下記の
基準でランク付けした。 ×…−1dB未満 △…−1dB以上+1dB未満 ○…+1dB以上
【0050】静摩擦係数(μs) ASTM D−1894−63に準拠し、スレッド式ス
リップテスター(DAVENPORT)を用い、フィル
ム/フィルム間の静摩擦係数(μs)を測定する。測定
環境は23℃、相対湿度65%である。
【0051】実施例 1 (A)スルホン酸金属塩基含有ポリエステルおよび水分
散液の調製:まずスルホン酸金属塩基含有ポリエステル
(a)を次の方法により調製した。ジカルボン酸成分と
してジメチルテレフタレート49モル%、ジメチルイソ
フタレート49モル%および5−スルホイソフタル酸ナ
トリウム2モル%を使用し、グリコール成分としてエチ
レングリコール50モル%およびネオペンチルグリコー
ル50モル%を用いて、常法によりエステル交換反応お
よび重縮合反応を行なった。得られたスルホン酸金属塩
基含有ポリエステルのガラス転移温度は69℃であっ
た。このスルホン酸金属塩基含有ポリエステル300部
とn−ブチルセロソルブ150部とを加熱撹拌して粘稠
な溶液とし、更に撹拌しつつ水550部を徐々に加え
て、固形分30%の均一な淡白色の水分散液を得た。
【0052】(B)塗布液の調整:この分散液をさらに
水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、固形分が
5%のスルホン酸金属塩基含有ポリエステル水分散液を
調製した。この水分散液に、オレイン酸アミドの10%
イソプロパノール溶液を固形分に対してオレイン酸アミ
ドが3%の割合となるように添加して、塗布液を調製し
た。
【0053】(C)基材フィルムの調製:平均粒径0.
2μmの球状シリカを2000ppmの割合でポリエチ
レンテレフタレート(PET)と混合して290℃で溶
融押出しを行ない、15℃の冷却ロールで冷却し、厚さ
120μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィル
ムを周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方向に
3.5倍延伸して、基材フィルムとした。
【0054】(D)被覆ポリエステルフィルム(磁気記
録媒体用ベースフィルム)の調製:上記(B)で得た塗
布液を孔径1.0μmのフィルターに通した後、上記
(C)で得た基材フィルムの表面にロールコーター法に
よって塗布し、70℃で熱風乾燥する。次いでテンター
により98℃で横方向に3.5倍延伸した後、200〜
210℃で熱固定し、厚さ12μmの2軸延伸被覆ポリ
エステルフィルムを得た。該フィルムにおける最終的な
被覆剤(スルホン酸金属塩基含有ポリエステル)の付着
量は約0.04g/m2 であった。また、被覆面のRa
は0.010μmであり、非被覆面のRaは0.009
μmであった。得られたフィルムの耐ブロッキング性、
接着性、粗大突起数、静摩擦係数、及び電磁変換特性を
第1表に示す。
【0055】実施例 2 塗布液の濾過処理に用いたフィルターの孔径を2.5μ
mに変更した以外は実施例1と全く同様にして2軸延伸
被覆ポリエステルフィルムを得た。Raは0.010μ
mであった。得られたフィルムの耐ブロッキング性、接
着性、粗大突起数、静摩擦係数、及び電磁変換特性を第
1表に示す。
【0056】実施例 3 塗布液を濾過処理する代わりに、60℃で10分間加温
処理を行ない、24時間後に実施例1と同様にして2軸
延伸被覆ポリエステルフィルムを得た。Raは0.01
0μmであった。得られたフィルムの耐ブロッキング
性、接着性、粗大突起数、静摩擦係数、及び電磁変換特
性を第1表に示す。
【0057】実施例 4 ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート45モ
ル%、ジメチルイソフタレート45モル%および5−ス
ルホイソフタル酸ナトリウム10モル%を使用し、グル
コール成分としてエチレングリコール50モル%および
ネオペンチルグリコール40モル%、ジエチレングリコ
ール10モル%を使用した以外は実施例3と同様にし
て、塗布液を調製すると共に、基材フィルムへの塗布延
伸を行なって2軸延伸被覆ポリエステルフィルムを得
た。Raは0.010μmであった。得られたフィルム
の耐ブロッキング性、接着性、粗大突起数、静摩擦係
数、及び電磁変換特性を第1表に示す。
【0058】比較例 1 平均粒径0.2μmの球状シリカを2000ppmの割
合でポリエチレンテレフタレート(PET)と混合して
290℃で溶融押出しを行ない、15℃の冷却ロールで
冷却し、厚さ120μmの未延伸フィルムを得た。この
未延伸フィルムを周速の異なる85℃の一対のロール間
で縦方向に3.5倍延伸し、次いでテンターを用いて9
8℃で横方向に3.5倍延伸した後200〜210℃で
熱固定し、厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィル
ムを得た。Raは0.009μmであった。得られたフ
ィルムの耐ブロッキング性、接着性、粗大突起数、静摩
擦係数、及び電磁変換特性を第1表に示す。
【0059】比較例 2 実施例1で用いたフィルターの孔径を5μmに変えた以
外は実施例1と全く同様にして2軸延伸被覆ポリエステ
ルフィルムを得た。被覆面のRaは0.010μmであ
った。得られたフィルムの耐ブロッキング性、接着性、
粗大突起数、静摩擦係数、及び電磁変換特性を第1表に
示す。
【0060】比較例 3 実施例1で用いた塗布液の代わりにオレイン酸アミドを
まったく加えない固形分5%のスルホン酸金属塩基含有
ポリエステル水分散液を塗布液として用いた以外は実施
例1と全く同様にして2軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。Raは0.010μmであった。得られたフィル
ムの耐ブロッキング性、接着性、粗大突起数、静摩擦係
数、及び電磁変換特性を第1表に示す。
【0061】実施例 5〜9、比較例 4〜6 実施例3で行なった加温処理の条件を第2表のようにし
た以外は実施例3と全く同様にして2軸延伸被覆ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの耐ブロッキ
ング性、接着性、粗大突起数、静摩擦係数、電磁変換特
性を第1表に示す。
【0062】実施例 10〜12 実施例1で用いた塗布液中のオレイン酸アミドの代わり
に種々の潤滑剤を用いた塗布液を調製し(潤滑剤の濃度
はいずれも固形分に対して3%)、実施例3と同じ条件
で2軸延伸被覆ポリエステルフィルムを得た。第3表に
結果を示す。
【0063】参考例 1,2 実施例1、比較例3の基材フィルムの粒子代わりに、平
均粒径0.8μmの炭酸カルシウム微粒子を2500p
pm含有させた以外は同様にした。結果を第4表に示
す。
【0064】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0065】第1表より次のことが認められる。 実施例1,12:本発明の規定要件を満たすもので、磁
性塗膜やバックコート塗膜の密着性および蒸着層との密
着性並びに耐ブロッキング性がいずれも良好であり、し
かも被覆層に粗大突起が全く見られず、優れた電磁変換
特性を有している。 比較例1:被覆層の形成されていない通常のベースフィ
ルムであり、磁性塗膜およびバックコート塗膜との密着
性が悪く、蒸着層との密着性も悪い。 比較例2,4〜6:スルホン酸金属塩基含有ポリエステ
ルと潤滑剤とからなる塗布液を用いて被覆したものであ
るが、フィルターの孔径が大きいためあるいは加温処理
条件が不適当なため粗大突起数が多く、電磁変換特性に
欠ける。 比較例3:Raの小さい基材フィルムにスルホン酸金属
塩基含有ポリエステルのみからなる水分散液を用いて被
覆したため、耐ブロッキング性に欠ける。 参考例1,2:Ra>0.02μmの基材フィルムでは
スルホン酸金属塩基含有ポリエステルのみからなる塗布
液でも良好である。もちろん、潤滑剤を添加しても悪影
響は及ぼさない。
【0066】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、ポ
リエステル系樹脂よりなる特定のRaを有する基材フィ
ルムの表面を、スルホン酸金属塩基の導入された特定の
スルホン酸金属塩基含有ポリエステルと潤滑剤とで被覆
することによって、磁気記録層、バックコート層および
蒸着金属層との密着性に優れ、且つ耐ブロッキング性が
良好で二次加工性の優れた磁気記録媒体用ベースフィル
ムを提供し得ることになった。しかもこのフィルムは表
面平滑度が高く粗大突起が非常に少ないので、これをベ
ースフィルムとして使用することによって電磁変換特性
の一段と優れた磁気記録媒体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/00 5/09 7167−4J C08L 67/02 KJT 8933−4J C09D 167/02 PKX 8933−4J PLM 8933−4J // C08L 67:00 (72)発明者 龍田 英昭 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内 (72)発明者 松本 治男 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂よりなる中心線平均
    粗さRaが0.02μm以下の基材フィルムの少なくと
    も片面に、分子中にスルホン酸金属塩基を有する、水分
    散性であるが水不溶性のスルホン酸金属塩基含有ポリエ
    ステルと潤滑剤とからなる組成物であって、フィルム状
    としたときの粗大突起数が100cm2 当たり10個以
    下であるスルホン酸金属塩基含有ポリエステルと潤滑剤
    とからなる組成物を被覆したことを特徴とする磁気記録
    媒体用ポリエステル系フィルム。
JP35472691A 1991-12-18 1991-12-18 磁気記録媒体用ポリエステル系フィルム Pending JPH05166169A (ja)

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