JP6318717B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
[I](1)〜(2)を満たすポリエステルフィルム。
(1)オイル中へのオリゴマー溶出抑制性試験において、オリゴマーの溶出量が0g/m2以上1.5g/m2以下であること。
(2)ポリエステルフィルムの表面をフーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、839cm−1に観察されるスペクトル強度r1と、824cm−1に観察されるスペクトル強度r2から求められるR1が以下の関係を満たすこと。
(i)1.0≦R1≦2.0
ここで、R1=r1/r2
[II]空気中、180℃、相対湿度5.0%以下で1時間熱処理したとき、処理した前後のフィルムのヘイズ変化(Δヘイズ)が5.0%以下である、[I]に記載のポリエステルフィルム。
[III]前記ポリエステルフィルムの表面をフーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1018cm−1に観察されるスペクトル強度r3と、1602cm−1に観察されるスペクトル強度rから求められるR3が以下の関係を満たす[I]または[II]に記載のポリエステルフィルム。
(ii) 1.2≦R3≦2.0
ここで、R3=r3/r
[IV]前記ポリエステルフィルムが、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、フィルムの両面の表層を構成するポリエステル樹脂の融点TmAが、260℃以上280℃以下、結晶融解熱量(ΔHmA)が30J/g以上45J/g以下であることを特徴とする[I]〜[III]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[V]ポリエステルフィルムの表層以外の層を構成するポリエステル樹脂の融点TmBが、250℃以上260℃以下、結晶融解熱量(ΔHmB)が30J/g以上45J/g以下であることを特徴とする[IV]に記載のポリエステルフィルム。
[VI]ポリエステルフィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の融点と、表層以外の層を構成するポリエステル樹脂の融点の差(TmA−TmB)が3℃以上8℃以下であることを特徴とする[IV]または[V]に記載のポリエステルフィルム。
[VII]ポリエステルフィルムの両側の表層の厚みの和と、表層以外の層の厚みの和の比(両側の表層の厚みの和/表層以外の層の厚みの和)が、1/9〜1/4である[IV]〜[VI]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[VIII]ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量が15eq./t以下である[I]から[VII]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[IX]フィルムの総厚みが120μm以上400μm以下である、[I]から[VIII]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
[X]モーターの電気絶縁部材として用いられる[I]から[IX]のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(2)ポリエステルフィルムの表面をフーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、839cm−1のスペクトル強度r1と、824cm−1に観察されるスペクトル強度r2から求められるR1が以下の関係を満たすこと。
(i)1.0≦R1≦2.0
ここで、R1=r1/r2
フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、824cm−1、839cm−1に観察されるスペクトルは、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレートの分子構造に特徴付けられるものである。すなわち、本発明のポリエステルフィルムは、フィルム表面を構成する樹脂中に、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレートを含有する。表面を構成する樹脂中のポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレートの含有量は、耐油性、耐熱性、耐湿熱性の観点から、少なくとも一方の表面を構成する樹脂の総量に対して70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは85質量%以上である。
(イ)フィルムの表層を構成するポリエステル樹脂を特定のポリエステル樹脂として、後述の条件にてフィルムを二軸延伸する方法
(ロ)少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムとして、表層と内層を構成するポリエステル樹脂を特定のポリエステル樹脂として、後述の条件にてフィルムを二軸延伸する方法
(ハ)上記の方法を組合せることにより得ることができる。
(ii) 1.2≦R3≦2.0
ここで、R3=r3/r
ここで(ii)式は、以下のことを表すものである。すなわち、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1018cm−1に観察されるスペクトルは、ポリエチレンテレフタレートの分子構造(ベンゼン環のC−H変角振動)に特徴付けられるものである。即ち、本発明の積層ポリエステルフィルムのどちらか一方の表層を構成する樹脂は、ポリエチレンテレフタレートを含有することが好ましい。フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1602cm−1に観察されるスペクトルは、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレートのナフタレン環のC−C伸縮振動による吸収に特徴付けられるものである。このスペクトル強度は、分子鎖の配向に依存しないため、強度比較において規格化の吸収ピークとして利用することができる。1018cm−1に観察されるスペクトルも分子鎖の配向に依存しないため、R3は、フィルムの表層を構成する樹脂に含有されるポリエチレンテレフタレートの量を反映する。
(3)下記(iii)式または(iv)式を満たす温度T1nにて、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率6.0倍以上9.6倍以下に二軸延伸する。
(iii)フィルムが単層ポリエステルフィルムである場合 TgA≦T1n≦TgA+40℃
TgA:ポリエステルフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(℃)
(iv)フィルムが積層ポリエステルフィルムである場合 TgB≦T1n≦TgB+40℃
TgB:ポリエステルフィルムの表層以外の層を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度(℃)
次に、得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、TmA−90℃以上TmA以下の温度で1秒間以上30秒間以下の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却することによって、本発明のポリエステルフィルムが得られる。
[特性の評価方法]
A.末端カルボキシル基量
Mauliceの方法に準じて以下の条件よって測定する(文献M.J.Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))。ポリエステル組成物2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mLに温度150℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基量を測定し、eq./ポリエステル1tの値で示す。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とする。
試料を、JIS K 7121(1999)に基づいた方法により、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置“ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施した。
サンプルパンに試料を5mgずつ秤量し、試料を25℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で加熱した(1stRUN)。1stRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。当該1stRunの示差走査熱量測定チャートの、吸熱ピークである結晶融解ピークにおけるピークトップの温度を求め、これを融点(℃)とする。2以上の結晶融解ピークが観測される場合は、最も温度が高いピークトップの温度を融点とする。
JIS K 7121(1999)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施する。
試料は、TgA測定においては、積層ポリエステルフィルムからミクロトームを用いて表層を構成する樹脂のみ削りだし、測定に供する。TgB測定においては、積層ポリエステルフィルムからミクロトームを用いて表層を構成する樹脂の厚さ分削りだした後のフィルムから、さらに表層に接する層を構成する樹脂のみ削りだし、測定に供する。
試料を、JIS K 7122(1999)に基づいた方法により、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置“ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施した。
サンプルパンに試料を5mgずつ秤量し、試料を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱した(1stRUN)。1stRUNの示差走査熱量測定チャート(縦軸を熱エネルギー、横軸を温度とする)を得る。当該1stRunの示差走査熱量測定チャートの、吸熱ピークのピーク面積を求め、結晶融解熱量とする。2以上の結晶融解ピークが観測される場合は、最も温度が高いピークの面積を結晶融解熱量とし、2以上のピークを分離できない場合は2つのピークを合わせてピーク面積を求める。
(株)パーキンエルマー製のFrontier FT−IRを用い、UATR IRユニットを使用して、媒質結晶をダイヤモンド/ZnSeとして、減衰全反射法(ATR法)によってスペクトル強度を測定する。分光器の分解能は1cm−1、スペクトルの積算回数は16回として測定する。スペクトル強度は、各波長での吸光度(arb.unit)とする。
フィルムを1cm×20cmの大きさに、長辺がフィルムの長手方向・幅方向に平行となるようにそれぞれ切り出し、ASTM−D882(1997)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/分にて引っ張ったときの破断伸度を測定する。なお、サンプル数はn=5とし、また、フィルムの長手方向、幅方向のそれぞれについて測定した後、それらの平均値を求め、これをフィルムの破断伸度E0とする。
(a) 伸度保持率(%)=E1/E0×100
得られた伸度半減期から、フィルムの耐湿熱性を以下のように判定する。
伸度半減期が61時間以上の場合:A
伸度半減期が48時間以上61時間未満の場合:B
伸度半減期が36時間以上48時間未満の場合:C
伸度半減期が36時間未満の場合:D
A、B、Cが良好であり、その中でもAが最も優れている。
試料とするオイルを一定量秤量し、10mLメスフラスコに入れ、アセトニトリルを加えて10mLに定容する。不溶物がある場合は、“テフロン”(登録商標)製のディスクフィルター(目の粗さ0.45μm)でろ過した後、測定に供する。定容した溶液を試料溶液としてHPLC/UV装置に供する。HPLC/UV装置は島津製作所製LC−20Aを用い、ジーエルサイエンス(株)製のIntertsilODS−3分析カラムに上記のとおり調整した溶液を流量1.2mL/minで注入し、波長240nmのUV光にて検出する。横軸保持時間(分)、縦軸吸光度(arb.unit)としてチャートを得、一定保持時間で出現するピークの面積を算出する。
フィルム試料を1辺10cmに切り出したものを準備する。
オリゴマー溶出量が0g/m2以上0.30g/m2未満:A
オリゴマー溶出量が0.30g/m2以上0.50g/m2未満:B
オリゴマー溶出量が0.50g/m2以上0.75g/m2以下:C
オリゴマー溶出量が0.75g/m2を超える場合:D
I.フィルムの厚み(μm)
フィルム厚みは、ダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992年)A−2法に準じて、フィルムを10枚重ねた状態で任意の5ヶ所について厚さを測定した。その平均値を10で除してフィルム厚みとした。
フィルムが積層フィルムである場合、下記の方法にて、各層の厚みを求めた。フィルム断面を、フィルム幅方向に平行な方向にミクロトームで切り出す。該断面を走査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で観察し、積層各層の厚み比率を求める。求めた積層比率と上記したフィルム厚みから、各層の厚みを算出する。
高分子計器(株)製試験片打抜機を用い、JIS K−6251に記載の5号型ダンベル形状に積層フィルムを打ち抜く。フィルムを1枚ずつ打ち抜き、10枚打ち抜いた際に端面の割れ、剥がれが起きている枚数Mを数え、打ち抜き性を評価する。
0≦M≦2:打ち抜き性A
3≦M≦5:打ち抜き性B
6≦M≦8:打ち抜き性C
9≦M:打ち抜き性D
Aが最も優れ、Dが最も劣っている。
オルトクロロフェノール100mlにポリエステル組成物を溶解させ(溶液濃度C=1.2g/dl)、その溶液の25℃での粘度を、オストワルド粘度計を用いて測定する。また、同様に溶媒の粘度を測定する。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記(c)式により、[η](dl/g)を算出し、得られた値でもって固有粘度(IV)とする。
(c)ηsp/C=[η]+K[η]2・C
(ここで、ηsp=(溶液粘度(dl/g)/溶媒粘度(dl/g))―1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)。
フィルムを1辺10cmの正方形状に切り出し、日本電色(株)製ヘイズメーターNDH−5000を用い、ランダムに3カ所のヘイズを測定して平均値を算出し、試験前のヘイズH0とする。該サンプルを23℃65%RHに保たれた部屋に静置したタバイエスペック(株)製ギアオーブンにて、180℃の高温下1時間熱処理する。熱処理した後のフィルムのヘイズを同様に測定し、H1を求める。Δヘイズ(ΔH)を下記式(v)により求める。
(v)ΔH=H1−H0
求めたΔヘイズから、以下のように判定する。
0≦ΔH<1.5:A
1.5≦ΔH<3.0:B
3.0≦ΔH≦5.0:C
5.0<ΔH:D
Aが最も優れ、Dが最も劣っている。
製膜中にフィルムが1時間に破れる回数を数え、1回未満であるものをA、1回以上3回未満であるものをB、3回以上5回未満であるものをC、5回以上であるものをDとして評価する。Aが最も製膜性がよく、Dが最も劣る。
フィルム構成する樹脂として、PEN−A95質量部、PET−A5質量部をブレンドし、160℃で2時間真空乾燥した後押出機に投入した。押出機内で原料を溶融させ、キャスティングドラム状に押し出し、シートを作製した。続いて該シートを加熱したロール群で予熱した後、120℃の温度で長手方向(MD方向)に3.0倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の150℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.0倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで200℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに200℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、厚さ250μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。オリゴマー溶出抑制性(耐油性)、耐湿熱性、加工性、Δヘイズに優れたフィルムであることが分かった。
(実施例2〜4)
フィルムを構成する樹脂に用いるPEN−AとPET−Aの混合比率を表に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。オリゴマー溶出抑制性(耐油性)、耐湿熱性、加工性、Δヘイズに優れたフィルムであることが分かった。
表層を構成する樹脂として、PEN−A100質量部とし、160℃で2時間真空乾燥した後押出機1に投入した。また、表層以外の層を構成する樹脂としてPET−A100質量部を160℃で2時間真空乾燥した後、押出機2に投入した。押出機内でそれぞれの原料を溶融させ、合流装置で押出機1に投入した樹脂がフィルムの両表層となるように合流させ、キャスティングドラム状に押し出し、3層構造をもつ積層シートを作製した。続いて該シートを加熱したロール群で予熱した後、95℃の温度で長手方向(MD方向)に3.0倍延伸を行った後、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向(TD方向)に3.0倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに220℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って、厚さ250μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。オリゴマー溶出抑制性(耐油性)、耐湿熱性、加工性に優れたフィルムであることが分かった。しかしながら、R3の値が小さく、最表層を構成する樹脂の運動性が低いため、Δヘイズにやや劣る結果となった。
延伸倍率を表に記載の通りに変えた以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。オリゴマー溶出抑制性(耐油性)、耐湿熱性、加工性に優れたフィルムであることが分かった。しかしながら、R3の値が小さく、最表層を構成する樹脂の運動性が低いため、Δヘイズにやや劣る結果となった。
表層を構成する樹脂として、表に記載の通りにブレンドした樹脂を用いた以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。オリゴマー溶出抑制性(耐油性)、耐湿熱性、加工性、Δヘイズに優れたフィルムであることが分かった。フィルム表層を構成する樹脂の分子鎖の運動性が向上したため、製膜性が向上した。特に、実施例1〜6に比べて、フィルム表面のR1の値を大きくすることができたため、実施例7〜13で成形性が向上し、実施例7〜11ではオリゴマー溶出抑制性(耐油性)が向上した。
表層を構成する樹脂として、表に記載の通りにブレンドした樹脂を用い、積層フィルムの総厚み、フィルム各層の厚みを変更した以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。オリゴマー溶出抑制性(耐油性)、耐湿熱性、加工性、Δヘイズに優れたフィルムであることが分かった。
フィルムを構成する樹脂として、PEN−A100質量部とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの各特性を表に示す。R3の値が低く、製膜性に劣る。また、R1の値が低く、オリゴマー溶出抑制性(耐油性)、成形性に劣る。
表層を構成する樹脂に用いる樹脂、表層以外の層を構成する樹脂、製膜条件、積層比、フィルムの厚みを表に記載の通りに変えた以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。
表層を構成する樹脂に用いる樹脂、製膜条件を表に記載の通りに変えた以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。
表層を構成する樹脂に用いる樹脂、製膜条件、フィルムの厚み、積層比を表に記載の通りに変えた以外は、実施例5と同様にして積層フィルムを得た。
Claims (9)
- (1)〜(2)を満たす少なくとも3層からなるポリエステルフィルムであって、フィルムの両面の表層を構成するポリエステル樹脂中にポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレートを含有し、かつ、フィルムの両面の表層を構成するポリエステル樹脂の融点TmAが、260℃以上280℃以下、結晶融解熱量(ΔHmA)が30J/g以上45J/g以下であるポリエステルフィルム。
(1)オイル中へのオリゴマー溶出抑制性試験において、オリゴマーの溶出量が0g/m2以上0.75g/m2以下であること。
(2)ポリエステルフィルムの表面をフーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、839cm−1に観察されるスペクトル強度r1と、824cm−1に観察されるスペクトル強度r2から求められるR1が以下の関係を満たすこと。
(i)1.0≦R1≦2.0
ここで、R1=r1/r2 - 空気中、180℃、相対湿度5.0%以下で1時間熱処理したとき、処理した前後のフィルムのヘイズ変化(Δヘイズ)が5.0%以下である、請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの表面をフーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)にて測定したとき、1018cm−1に観察されるスペクトル強度r3と、1602cm−1に観察されるスペクトル強度rから求められるR3が以下の関係を満たす請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
(ii) 1.2≦R3≦2.0
ここで、R3=r3/r - ポリエステルフィルムの表層以外の層を構成するポリエステル樹脂の融点TmBが、250℃以上260℃以下、結晶融解熱量(ΔHmB)が30J/g以上45J/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムの両側の表層を構成するポリエステル樹脂の融点と、表層以外の層を構成するポリエステル樹脂の融点の差(TmA−TmB)が3℃以上8℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムの両側の表層の厚みの和と、表層以外の層の厚みの和の比(両側の表層の厚みの和/表層以外の層の厚みの和)が、1/9〜1/4である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量が15eq./t以下である請求項1から6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- フィルムの総厚みが120μm以上400μm以下である、請求項1から7のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- モーターの電気絶縁部材として用いられる請求項1から8のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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