JP2001076536A - 電気絶縁用フィルム - Google Patents
電気絶縁用フィルムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱劣化性及び耐デラミネーションに優れ、
しかもオリゴマー抽出量の少ない電気絶縁用フィルムを
提供する。 【解決手段】 2,6−ナフタレンジカルボン酸を主た
るジカルボン酸成分とし、エチレングリコールを主たる
グリコール成分とし、共重合成分としてイソフタル酸成
分を0.5〜8モル%(全ジカルボン酸成分に対し)含
有し、かつジエチレングリコール成分の含有量が3モル
%(全グリコール成分に対し)以下である共重合ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートからなる二軸配向フィル
ムであって、該フィルムの結晶融解熱が10〜24J/
g、面配向係数が0.230以上0.270以下、かつ
密度が1.350g/cm3以上であることを特徴とす
る電気絶縁用フィルム。
しかもオリゴマー抽出量の少ない電気絶縁用フィルムを
提供する。 【解決手段】 2,6−ナフタレンジカルボン酸を主た
るジカルボン酸成分とし、エチレングリコールを主たる
グリコール成分とし、共重合成分としてイソフタル酸成
分を0.5〜8モル%(全ジカルボン酸成分に対し)含
有し、かつジエチレングリコール成分の含有量が3モル
%(全グリコール成分に対し)以下である共重合ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートからなる二軸配向フィル
ムであって、該フィルムの結晶融解熱が10〜24J/
g、面配向係数が0.230以上0.270以下、かつ
密度が1.350g/cm3以上であることを特徴とす
る電気絶縁用フィルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は共重合ポリエチレン
−2,6−ナフタレートからなる電気絶縁用フィルムに
関する。さらに詳しくは、特定量のイソフタル酸成分及
びジエチレングリコール成分で変性された共重合ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートからなり、耐熱劣化性及
び耐デラミネーションに優れ、しかもオリゴマー抽出量
の少ない電気絶縁用フィルムに関する。
−2,6−ナフタレートからなる電気絶縁用フィルムに
関する。さらに詳しくは、特定量のイソフタル酸成分及
びジエチレングリコール成分で変性された共重合ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートからなり、耐熱劣化性及
び耐デラミネーションに優れ、しかもオリゴマー抽出量
の少ない電気絶縁用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】電気絶縁用フィルムとして二軸配向ポリ
エチレンテレフタレートフィルムが主として用いられて
いるが、近年、耐熱劣化性のより優れている二軸配向ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートフイルムが注目さ
れ、かつその使用量が増大している。
エチレンテレフタレートフィルムが主として用いられて
いるが、近年、耐熱劣化性のより優れている二軸配向ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートフイルムが注目さ
れ、かつその使用量が増大している。
【0003】このフィルムには、その特性として、高
温度に長時間さらされてもフィルムが劣化して脆くなっ
たり、絶縁破壊特性が悪くならない(耐熱劣化性に優れ
る)こと、フィルムの加工時や使用時にデラミネーシ
ョン(層間剥離)を起こさぬこと、フィルム表面から
冷媒等に抽出される低分子量物(オリゴマー)が少ない
こと、などが要求される。
温度に長時間さらされてもフィルムが劣化して脆くなっ
たり、絶縁破壊特性が悪くならない(耐熱劣化性に優れ
る)こと、フィルムの加工時や使用時にデラミネーシ
ョン(層間剥離)を起こさぬこと、フィルム表面から
冷媒等に抽出される低分子量物(オリゴマー)が少ない
こと、などが要求される。
【0004】二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートフィルムの耐熱劣化性を向上させたり、オリゴマー
を少なくする方法としては、延伸倍率を上げてポリマー
分子配向を向上させる方法が有効であり、現実にこの方
法が採用されている。しかし、この方法では、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルム固有の問題とし
て、ポリマー分子の面配向を大きくするにつれてフィル
ムがデラミネーションを起こし易くなるという新たな問
題が生じ、延伸倍率を上げるにも限界がある。デラミネ
ーションを起り難くするには、上記とは逆にフィルムの
面配向を低下させるのが有効であるが、これはまた上記
とは逆に耐熱劣化性の低下とオリゴマー発生量の増大を
もたらす。
ートフィルムの耐熱劣化性を向上させたり、オリゴマー
を少なくする方法としては、延伸倍率を上げてポリマー
分子配向を向上させる方法が有効であり、現実にこの方
法が採用されている。しかし、この方法では、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルム固有の問題とし
て、ポリマー分子の面配向を大きくするにつれてフィル
ムがデラミネーションを起こし易くなるという新たな問
題が生じ、延伸倍率を上げるにも限界がある。デラミネ
ーションを起り難くするには、上記とは逆にフィルムの
面配向を低下させるのが有効であるが、これはまた上記
とは逆に耐熱劣化性の低下とオリゴマー発生量の増大を
もたらす。
【0005】そこで、電気絶縁用二軸配向ポリエチレン
−2,6−ナフタレートフィルムは、耐熱劣化性及び低
オリゴマー抽出量の特性を優先させ、デラミネーション
が起り易いのをある程度我慢する状態で製造され、かつ
使用されているが、優れた耐熱劣化性及び低オリゴマー
抽出量の特性を保持しながら、耐デラミネーションに優
れたフィルムの開発が強く求められている。
−2,6−ナフタレートフィルムは、耐熱劣化性及び低
オリゴマー抽出量の特性を優先させ、デラミネーション
が起り易いのをある程度我慢する状態で製造され、かつ
使用されているが、優れた耐熱劣化性及び低オリゴマー
抽出量の特性を保持しながら、耐デラミネーションに優
れたフィルムの開発が強く求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る課題を解決し、耐熱劣化性及び耐デラミネーションに
優れ、しかもオリゴマー抽出量の少ない電気絶縁用フィ
ルムを提供することにある。
る課題を解決し、耐熱劣化性及び耐デラミネーションに
優れ、しかもオリゴマー抽出量の少ない電気絶縁用フィ
ルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主たるジ
カルボン酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリ
コール成分とし、共重合成分としてイソフタル酸成分を
0.5〜8モル%(全ジカルボン酸成分に対し)含有
し、かつジエチレングリコール成分の含有量が3モル%
(全グリコール成分に対し)以下である共重合ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートからなる二軸配向フィルム
であって、該フィルムの結晶融解熱が10〜24J/
g、面配向係数が0.230以上0.270以下、かつ
密度が1.350g/cm3以上であることを特徴とす
る電気絶縁用フィルムによって達成される。
によれば、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主たるジ
カルボン酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリ
コール成分とし、共重合成分としてイソフタル酸成分を
0.5〜8モル%(全ジカルボン酸成分に対し)含有
し、かつジエチレングリコール成分の含有量が3モル%
(全グリコール成分に対し)以下である共重合ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートからなる二軸配向フィルム
であって、該フィルムの結晶融解熱が10〜24J/
g、面配向係数が0.230以上0.270以下、かつ
密度が1.350g/cm3以上であることを特徴とす
る電気絶縁用フィルムによって達成される。
【0008】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートを構成する主たるジカルボン酸成分は
2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、主たるグリコ
ール成分はエチレングリコールである。ここで、主たる
ジカルボン酸成分とは全ジカルボン酸成分に対して90
モル%以上、好ましくは92モル%以上をいい、また主
たるグリコール成分とは全グリコール成分に対して90
モル%以上、好ましくは95モル%以上をいう。
6−ナフタレートを構成する主たるジカルボン酸成分は
2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、主たるグリコ
ール成分はエチレングリコールである。ここで、主たる
ジカルボン酸成分とは全ジカルボン酸成分に対して90
モル%以上、好ましくは92モル%以上をいい、また主
たるグリコール成分とは全グリコール成分に対して90
モル%以上、好ましくは95モル%以上をいう。
【0009】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートは、共重合成分としてイソフタル酸成
分が全ジカルボン酸成分に対し0.5〜8モル%を占め
るように共重合されていることが必要である。このイソ
フタル酸成分の共重合量が、ポリマーの全ジカルボン酸
成分に対し、0.5モル%より少ない場合、フィルムの
耐デラミネーション性が向上せず、例えば電動機のスロ
ット絶縁材として自動装填する時に層間剥離を生じるこ
とがある。一方、8モル%を超える場合、フィルムとし
たときポリマーの結晶性が損なわれて機械的強度の劣る
フィルムとなってしまう。イソフタル酸成分の共重合量
は好ましくは1〜7モル%である。
6−ナフタレートは、共重合成分としてイソフタル酸成
分が全ジカルボン酸成分に対し0.5〜8モル%を占め
るように共重合されていることが必要である。このイソ
フタル酸成分の共重合量が、ポリマーの全ジカルボン酸
成分に対し、0.5モル%より少ない場合、フィルムの
耐デラミネーション性が向上せず、例えば電動機のスロ
ット絶縁材として自動装填する時に層間剥離を生じるこ
とがある。一方、8モル%を超える場合、フィルムとし
たときポリマーの結晶性が損なわれて機械的強度の劣る
フィルムとなってしまう。イソフタル酸成分の共重合量
は好ましくは1〜7モル%である。
【0010】このイソフタル酸成分は、共重合ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートの製造反応において下記式
で表される化合物を用いることで共重合させることが好
ましい。
レン−2,6−ナフタレートの製造反応において下記式
で表される化合物を用いることで共重合させることが好
ましい。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rは水素または低級アルキル基を
表す。) 上記式中、Rは水素、またはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基などの、炭素数1〜4の低級アルキル
基である。上記式で表される化合物としては、イソフタ
ル酸、イソフタル酸ジメチルを好ましい具体例として挙
げることができる。
表す。) 上記式中、Rは水素、またはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基などの、炭素数1〜4の低級アルキル
基である。上記式で表される化合物としては、イソフタ
ル酸、イソフタル酸ジメチルを好ましい具体例として挙
げることができる。
【0013】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートは、さらに、ジエチレングリコール成
分の共重合量が3モル%以下(全グリコール成分に対し
て)であることが必要である。このジエチレングリコー
ル成分は、共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレート
の製造時、反応系に共重合成分としてジエチレングリコ
ールまたはそのエステル形成性誘導体の形で添加された
ものではなく、ポリマー製造反応の過程で副生して共重
合されたものである。ジエチレングリコール成分の量は
少ないほど好ましい。
6−ナフタレートは、さらに、ジエチレングリコール成
分の共重合量が3モル%以下(全グリコール成分に対し
て)であることが必要である。このジエチレングリコー
ル成分は、共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレート
の製造時、反応系に共重合成分としてジエチレングリコ
ールまたはそのエステル形成性誘導体の形で添加された
ものではなく、ポリマー製造反応の過程で副生して共重
合されたものである。ジエチレングリコール成分の量は
少ないほど好ましい。
【0014】このジエチレングリコール成分の共重合量
が3モル%を超えると、フイルムとしたときの耐デラミ
ネーション性の改良効果は大きくなるが、ポリマーの結
晶性が損なわれるため機械的強度が大幅に低下するよう
になり、またオリゴマー抽出量が多くなるので好ましく
ない。ジエチレングリコール成分の共重合割合は好まし
くは2.5モル%以下であり、更に好ましくは2モル%
以下である。ポリマー製造反応でジエチレングリコール
の副生を押さえるには、反応原料であるエチレングリコ
ールの、ジカルボン酸成分に対するモル比が著しく過剰
にならないようにする(例えば、このモル比はエステル
交換反応法では1.97〜2.30とし、直接エステル
化法では1.2〜1.6とする)ことが好ましい。ま
た、モノマー製造反応時間を短くするほど好ましく、か
かる点から反応温度や触媒を選定するのが好ましい。ジ
エチレングリコール成分の共重合割合を抑制する点から
は、反応方式としてはエステル交換反応法が好ましい。
が3モル%を超えると、フイルムとしたときの耐デラミ
ネーション性の改良効果は大きくなるが、ポリマーの結
晶性が損なわれるため機械的強度が大幅に低下するよう
になり、またオリゴマー抽出量が多くなるので好ましく
ない。ジエチレングリコール成分の共重合割合は好まし
くは2.5モル%以下であり、更に好ましくは2モル%
以下である。ポリマー製造反応でジエチレングリコール
の副生を押さえるには、反応原料であるエチレングリコ
ールの、ジカルボン酸成分に対するモル比が著しく過剰
にならないようにする(例えば、このモル比はエステル
交換反応法では1.97〜2.30とし、直接エステル
化法では1.2〜1.6とする)ことが好ましい。ま
た、モノマー製造反応時間を短くするほど好ましく、か
かる点から反応温度や触媒を選定するのが好ましい。ジ
エチレングリコール成分の共重合割合を抑制する点から
は、反応方式としてはエステル交換反応法が好ましい。
【0015】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートには、本発明の目的を損なわない範囲
内で、イソフタル酸成分のほかに他の共重合成分を含有
させても良いが、この他の共重合成分は耐デラミネーシ
ョンの向上には効果があるが、フィルムの機械的物性、
例えばヤング率を大きく低下させるため、この使用には
充分注意するのが望ましい。この量としては、ジエチレ
ングリコール以外の合計量を全酸成分又は全グリコール
成分に対し3モル%以下、さらに1モル%以下、特に
0.1モル%以下とするのが好ましい。
6−ナフタレートには、本発明の目的を損なわない範囲
内で、イソフタル酸成分のほかに他の共重合成分を含有
させても良いが、この他の共重合成分は耐デラミネーシ
ョンの向上には効果があるが、フィルムの機械的物性、
例えばヤング率を大きく低下させるため、この使用には
充分注意するのが望ましい。この量としては、ジエチレ
ングリコール以外の合計量を全酸成分又は全グリコール
成分に対し3モル%以下、さらに1モル%以下、特に
0.1モル%以下とするのが好ましい。
【0016】上記他の共重合成分の例としては、2個の
エステル形成性官能基を有する化合物、例えば蓚酸、ア
ジピン酸、フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、コハク酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、テ
レフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、2,7
−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、フェ
ニルインダンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカル
ボン酸などの如きジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、
p−オキシエトキシ安息香酸などの如きオキシカルボン
酸、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−
シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールス
ルホンのエチレンオキサイド付加物、トリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテトラ
メチレンオキシドグリコール、ネオペンチルグリコール
などの如きグリコール等を挙げることができる。
エステル形成性官能基を有する化合物、例えば蓚酸、ア
ジピン酸、フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、コハク酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、テ
レフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、2,7
−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、フェ
ニルインダンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカル
ボン酸などの如きジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、
p−オキシエトキシ安息香酸などの如きオキシカルボン
酸、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−
シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールス
ルホンのエチレンオキサイド付加物、トリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテトラ
メチレンオキシドグリコール、ネオペンチルグリコール
などの如きグリコール等を挙げることができる。
【0017】また、共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレン
グリコール等の1官能性化合物によって、ポリマー分子
末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部また
は全部を封鎖したものであってもよく、あるいはポリマ
ー分子鎖が、例えば極少量のグリセリン、ペンタエリス
リトールなどの如き3官能以上のエステル形成性化合物
で実質的に線状のポリマーが得られる範囲内で変性され
たものであってもよい。
タレートは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレン
グリコール等の1官能性化合物によって、ポリマー分子
末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部また
は全部を封鎖したものであってもよく、あるいはポリマ
ー分子鎖が、例えば極少量のグリセリン、ペンタエリス
リトールなどの如き3官能以上のエステル形成性化合物
で実質的に線状のポリマーが得られる範囲内で変性され
たものであってもよい。
【0018】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートは、共重合成分としてイソフタル酸成
分を用いる以外は従来から知られているポリエチレン−
2,6−ナフタレートの製造法で製造することが出来
る。例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びイソ
フタル酸とエチレングリコールとを、所望によりモノマ
ー乃至オリゴマーを存在させて、エステル化反応させ
(直接エステル化法)、あるいは2,6−ナフタレンジ
カルボン酸のエステル形成性誘導体(特に低級アルキル
エステル)及びイソフタル酸のエステル形成性誘導体
(特に低級アルキルエステル)とエチレングリコールと
をエステル交換反応させて(エステル交換反応法)モノ
マーまたはオリゴマーを製造し、ついでこれらを減圧下
で重縮合反応させて所望分子量のポリマーを製造する方
法が好ましく挙げられる。また、固相反応法と組合わせ
ても良い。
6−ナフタレートは、共重合成分としてイソフタル酸成
分を用いる以外は従来から知られているポリエチレン−
2,6−ナフタレートの製造法で製造することが出来
る。例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びイソ
フタル酸とエチレングリコールとを、所望によりモノマ
ー乃至オリゴマーを存在させて、エステル化反応させ
(直接エステル化法)、あるいは2,6−ナフタレンジ
カルボン酸のエステル形成性誘導体(特に低級アルキル
エステル)及びイソフタル酸のエステル形成性誘導体
(特に低級アルキルエステル)とエチレングリコールと
をエステル交換反応させて(エステル交換反応法)モノ
マーまたはオリゴマーを製造し、ついでこれらを減圧下
で重縮合反応させて所望分子量のポリマーを製造する方
法が好ましく挙げられる。また、固相反応法と組合わせ
ても良い。
【0019】上記反応おいては、反応触媒や安定剤を用
いることが好ましい。エステル交換反応触媒としては、
マンガン化合物が好ましく用いられる。このマンガン化
合物としては、酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩
等が挙げられる。これらの中、酢酸塩が特に好ましく用
いられる。また、エステル交換反応が実質的に終了した
時点で燐化合物を添加し、エステル交換触媒を失活させ
ることが好ましい。燐化合物としては、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチル
ホスフェート及び正燐酸が好ましく使用できる。これら
の中、トリメチルホスフェートが特に好ましい。 重縮
合触媒としては、アンチモン化合物が好ましく用いられ
る。このアンチモン化合物としては三酸化アンチモンが
特に好ましく用いられる。
いることが好ましい。エステル交換反応触媒としては、
マンガン化合物が好ましく用いられる。このマンガン化
合物としては、酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩
等が挙げられる。これらの中、酢酸塩が特に好ましく用
いられる。また、エステル交換反応が実質的に終了した
時点で燐化合物を添加し、エステル交換触媒を失活させ
ることが好ましい。燐化合物としては、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチル
ホスフェート及び正燐酸が好ましく使用できる。これら
の中、トリメチルホスフェートが特に好ましい。 重縮
合触媒としては、アンチモン化合物が好ましく用いられ
る。このアンチモン化合物としては三酸化アンチモンが
特に好ましく用いられる。
【0020】前記共重合ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートは、ポリマー中に上記触媒が下記式(1)、
(2)、(3)を満足する量含有される条件で製造され
ることが好ましい。
レートは、ポリマー中に上記触媒が下記式(1)、
(2)、(3)を満足する量含有される条件で製造され
ることが好ましい。
【0021】
【数1】30≦Mn≦100………(1)
【0022】
【数2】150≦Sb≦450……(2)
【0023】
【数3】P/Mn≧1………………(3)
【0024】(上記式中、Mnはマンガン元素の共重合
ポリエチレン−2,6−ナフタレート中の量(pp
m)、Sbはアンチモン元素の共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレート中の量(ppm)、Pは燐元素の
共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレート中の量(p
pm)をそれぞれ表わす。)
ポリエチレン−2,6−ナフタレート中の量(pp
m)、Sbはアンチモン元素の共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレート中の量(ppm)、Pは燐元素の
共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレート中の量(p
pm)をそれぞれ表わす。)
【0025】マンガン元素の含有量が共重合ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート中30ppm未満では、エス
テル交換反応が不充分であり、一方100PPmを超え
るとフィルムの体積抵抗率が低下し、電気絶縁用フィル
ムとして適さなくなることがある。また、アンチモン元
素の含有量が150ppm未満では重縮合反応性が低下
してポリマー生産性が悪くなり、一方450ppmを超
えると熱安定性が劣り、フィルム製膜時の切断トラブル
や機械的強度の低下を招くことがある。さらに、P/M
nが1未満ではポリマーの安定性が低下し、例えば溶融
成形時にポリマー固有粘度の低下を引き起こすことがあ
る。
ン−2,6−ナフタレート中30ppm未満では、エス
テル交換反応が不充分であり、一方100PPmを超え
るとフィルムの体積抵抗率が低下し、電気絶縁用フィル
ムとして適さなくなることがある。また、アンチモン元
素の含有量が150ppm未満では重縮合反応性が低下
してポリマー生産性が悪くなり、一方450ppmを超
えると熱安定性が劣り、フィルム製膜時の切断トラブル
や機械的強度の低下を招くことがある。さらに、P/M
nが1未満ではポリマーの安定性が低下し、例えば溶融
成形時にポリマー固有粘度の低下を引き起こすことがあ
る。
【0026】また、共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートはアルカリ金属元素の含有量が10ppm以下
であることが好ましい。アルカリ金属の含有量が10p
pmを超えると、フィルムの体積抵抗率が低下し、電気
絶縁用フィルムとして適さなくなることがある。
タレートはアルカリ金属元素の含有量が10ppm以下
であることが好ましい。アルカリ金属の含有量が10p
pmを超えると、フィルムの体積抵抗率が低下し、電気
絶縁用フィルムとして適さなくなることがある。
【0027】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートは、フィルムに好ましい滑り性を付与
するため、1種以上の不活性粒子を少量含有することが
好ましい。かかる不活性粒子としては、例えば球状シリ
カ、多孔質シリカ、炭酸カルシウム、シリカアルミナ、
アルミナ、二酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バリウ
ム、ゼオライトのごとき無機粒子、あるいは架橋シリコ
ーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子のごとき耐熱性に
優れた有機粒子を挙げることができる。無機粒子は粒径
が均一であることなどの理由で天然品よりも、合成品で
あることが好ましく、あらゆる結晶形態、硬度、比重、
色の無機粒子を使用することができる。不活性粒子の粒
径は揃っているのが好ましく、粒度分布の狭いのが好ま
しい。
6−ナフタレートは、フィルムに好ましい滑り性を付与
するため、1種以上の不活性粒子を少量含有することが
好ましい。かかる不活性粒子としては、例えば球状シリ
カ、多孔質シリカ、炭酸カルシウム、シリカアルミナ、
アルミナ、二酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バリウ
ム、ゼオライトのごとき無機粒子、あるいは架橋シリコ
ーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子のごとき耐熱性に
優れた有機粒子を挙げることができる。無機粒子は粒径
が均一であることなどの理由で天然品よりも、合成品で
あることが好ましく、あらゆる結晶形態、硬度、比重、
色の無機粒子を使用することができる。不活性粒子の粒
径は揃っているのが好ましく、粒度分布の狭いのが好ま
しい。
【0028】上記の不活性微粒子の平均粒径は0.05
〜5.0μmであることが好ましく、0.1〜3.0μ
mであることが更に好ましい。また、不活性微粒子の含
有量は0.001〜1.0重量%であることが好まし
く、0.03〜0.5重量%であることが更に好まし
い。
〜5.0μmであることが好ましく、0.1〜3.0μ
mであることが更に好ましい。また、不活性微粒子の含
有量は0.001〜1.0重量%であることが好まし
く、0.03〜0.5重量%であることが更に好まし
い。
【0029】フィルム中の不活性粒子は上記に例示した
中から選ばれた単一成分でもよく、二成分以上を含む多
成分でもよい。
中から選ばれた単一成分でもよく、二成分以上を含む多
成分でもよい。
【0030】不活性粒子の添加時期は、共重合ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートを製膜するまでの段階であ
れば特に制限はなく、例えばポリマーの重合段階で添加
してもよく、また製膜の際に添加してもよい。
レン−2,6−ナフタレートを製膜するまでの段階であ
れば特に制限はなく、例えばポリマーの重合段階で添加
してもよく、また製膜の際に添加してもよい。
【0031】前記共重合ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートの製膜では、通常、ダイから押出したフィルム状
溶融物を回転冷却ドラムに密着させ、ポリマーの結晶化
を抑制しながら平面性の高い未延伸フィルムを作成する
が、この時密着性を高める目的で、フィルム状溶融物に
静電荷を付与する静電密着法を用いることが多い。共重
合ポリエチレン−2,6−ナフタレートは溶融物の電気
抵抗が高いため、上記静電密着が不十分である場合があ
る。この対策として、共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートに、全ジカルボン酸成分に対し0.1〜40
mmol%、更には0.2〜10mmol%のエステル
形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウムを含
有させることが好ましい。このエステル形成性官能基を
有するスルホン酸4級ホスホニウム塩としては、3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩や、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸
テトラフェニルホスホニウム塩などを好ましく例示する
ことができる。かかる化合物は、フィルムの体積抵抗率
を低下させないで静電密着性を向上させる点で、アルカ
リ金属元素より優れている。
レートの製膜では、通常、ダイから押出したフィルム状
溶融物を回転冷却ドラムに密着させ、ポリマーの結晶化
を抑制しながら平面性の高い未延伸フィルムを作成する
が、この時密着性を高める目的で、フィルム状溶融物に
静電荷を付与する静電密着法を用いることが多い。共重
合ポリエチレン−2,6−ナフタレートは溶融物の電気
抵抗が高いため、上記静電密着が不十分である場合があ
る。この対策として、共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートに、全ジカルボン酸成分に対し0.1〜40
mmol%、更には0.2〜10mmol%のエステル
形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウムを含
有させることが好ましい。このエステル形成性官能基を
有するスルホン酸4級ホスホニウム塩としては、3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩や、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸
テトラフェニルホスホニウム塩などを好ましく例示する
ことができる。かかる化合物は、フィルムの体積抵抗率
を低下させないで静電密着性を向上させる点で、アルカ
リ金属元素より優れている。
【0032】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは、ポリマーの固有粘度が
0.40以上であることが好ましく、0.40〜0.8
0であることがさらに好ましい。この固有粘度が0.4
0未満では製膜工程や加工工程でのフィルム切断が多発
することがあり、またフィルムの耐熱劣化性が低下する
ので好ましくない。この上限は特に限定されないが、
0.8より高いと、ポリマーの溶融粘度が高いため成膜
時の溶融押出しが難しくなり好ましくない。
6−ナフタレートフィルムは、ポリマーの固有粘度が
0.40以上であることが好ましく、0.40〜0.8
0であることがさらに好ましい。この固有粘度が0.4
0未満では製膜工程や加工工程でのフィルム切断が多発
することがあり、またフィルムの耐熱劣化性が低下する
ので好ましくない。この上限は特に限定されないが、
0.8より高いと、ポリマーの溶融粘度が高いため成膜
時の溶融押出しが難しくなり好ましくない。
【0033】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは二軸配向されたフィルムで
あるが、該フィルムの結晶融解熱は10〜24J/gで
あることが必要である。この結晶融解熱が10J/g未
満であると、ポリマーの延伸配向が不十分で耐熱劣化性
が不十分となり、オリゴマー量が多くなるので好ましく
ない。一方、この結晶融解熱が24J/gを超えると、
フィルムの耐熱劣化性の向上がほば飽和に達してそれ以
上の効果は期待できず、またデラミネーションが起り易
くなるので好ましくない。この結晶融解熱のより好まし
い範囲は15〜24J/gである。この結晶融解熱は、
二軸方向の延伸倍率や熱固定温度で調整することが出来
る。本発明における共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートフィルムは、さらに、面配向係数が0.230
以上0.270以下であることが必要である。この面配
向係数が0.230未満であると、配向不十分で抽出オ
リゴマー量が増加するので好ましくない。一方、0.2
70を超えると、配向しすぎるためにデラニメーション
を起こしやすくなるので好ましくない。好ましい面配向
係数は0.240〜0.265である。この面配向係数
は、二軸方向の延伸倍率の調整で、また場合によっては
トーイン、トーアウトや弛緩処理することで調整するこ
とが出来る。本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは、さらに、密度が1.35
0g/cm3以上であることが必要である。この密度が
1.350g/cm3未満であると、フィルムの耐熱劣
化性が低下し、好ましくない。好ましいフィルム密度は
1.355g/cm3以上である。この密度は、二軸方
向の延伸倍率や熱固定温度の調整で、また場合によって
はトーイン、トーアウトや弛緩処理することで調整する
ことが出来る。
6−ナフタレートフィルムは二軸配向されたフィルムで
あるが、該フィルムの結晶融解熱は10〜24J/gで
あることが必要である。この結晶融解熱が10J/g未
満であると、ポリマーの延伸配向が不十分で耐熱劣化性
が不十分となり、オリゴマー量が多くなるので好ましく
ない。一方、この結晶融解熱が24J/gを超えると、
フィルムの耐熱劣化性の向上がほば飽和に達してそれ以
上の効果は期待できず、またデラミネーションが起り易
くなるので好ましくない。この結晶融解熱のより好まし
い範囲は15〜24J/gである。この結晶融解熱は、
二軸方向の延伸倍率や熱固定温度で調整することが出来
る。本発明における共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートフィルムは、さらに、面配向係数が0.230
以上0.270以下であることが必要である。この面配
向係数が0.230未満であると、配向不十分で抽出オ
リゴマー量が増加するので好ましくない。一方、0.2
70を超えると、配向しすぎるためにデラニメーション
を起こしやすくなるので好ましくない。好ましい面配向
係数は0.240〜0.265である。この面配向係数
は、二軸方向の延伸倍率の調整で、また場合によっては
トーイン、トーアウトや弛緩処理することで調整するこ
とが出来る。本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは、さらに、密度が1.35
0g/cm3以上であることが必要である。この密度が
1.350g/cm3未満であると、フィルムの耐熱劣
化性が低下し、好ましくない。好ましいフィルム密度は
1.355g/cm3以上である。この密度は、二軸方
向の延伸倍率や熱固定温度の調整で、また場合によって
はトーイン、トーアウトや弛緩処理することで調整する
ことが出来る。
【0034】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは、さらに電気絶縁材として
用いる観点から、絶縁破壊電圧(BDV)が260V/
μm以上、さらに280V/μm以上であることが好ま
しい。驚くべきことに、本発明の共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレートフィルムは、変性されていないポ
リエチレン−2,6−ナフタレートからなるフィルムよ
り若干ながら高い絶縁破壊電圧(BDV)を示す。これ
は、イソフタル酸成分特有の作用であって、例えばテレ
フタル酸を共重合した場合には見られない現象である。
6−ナフタレートフィルムは、さらに電気絶縁材として
用いる観点から、絶縁破壊電圧(BDV)が260V/
μm以上、さらに280V/μm以上であることが好ま
しい。驚くべきことに、本発明の共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレートフィルムは、変性されていないポ
リエチレン−2,6−ナフタレートからなるフィルムよ
り若干ながら高い絶縁破壊電圧(BDV)を示す。これ
は、イソフタル酸成分特有の作用であって、例えばテレ
フタル酸を共重合した場合には見られない現象である。
【0035】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは、また、体積抵抗率が1×
1015Ωcm以上であることが好ましく、1×1016Ω
cmであることがより好ましい。
6−ナフタレートフィルムは、また、体積抵抗率が1×
1015Ωcm以上であることが好ましく、1×1016Ω
cmであることがより好ましい。
【0036】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは、また、耐熱劣化性(20
0℃に保持したとき破断強度が初期値の50%になるま
での時間)が2000時間以上であることが好ましく、
2300時間以上であることがより好ましい。
6−ナフタレートフィルムは、また、耐熱劣化性(20
0℃に保持したとき破断強度が初期値の50%になるま
での時間)が2000時間以上であることが好ましく、
2300時間以上であることがより好ましい。
【0037】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムは、また、抽出オリゴマー量
(25℃のクロロホルムに1時間浸漬したときの抽出
量)が1.5mg/m2以下であることが好ましく、
1.2mg/m2以下であることがより好ましい。
6−ナフタレートフィルムは、また、抽出オリゴマー量
(25℃のクロロホルムに1時間浸漬したときの抽出
量)が1.5mg/m2以下であることが好ましく、
1.2mg/m2以下であることがより好ましい。
【0038】本発明における共重合ポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムの厚みは特に限定されない
が、通常12〜350μmの厚みのフィルムが用いられ
る。
6−ナフタレートフィルムの厚みは特に限定されない
が、通常12〜350μmの厚みのフィルムが用いられ
る。
【0039】本発明の電気絶縁用フィルムは、前記した
特性を有する二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムである。該フィルムは二軸方向(例
えば縦及び横方向)に、それぞれ延伸倍率2倍以上で延
伸されたものが好ましい。二軸方向の延伸倍率は等しく
ても、等しくなくてもよい。また、該フィルムは単層フ
ィルムであっても、積層フィルムであってもよい。
特性を有する二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムである。該フィルムは二軸方向(例
えば縦及び横方向)に、それぞれ延伸倍率2倍以上で延
伸されたものが好ましい。二軸方向の延伸倍率は等しく
ても、等しくなくてもよい。また、該フィルムは単層フ
ィルムであっても、積層フィルムであってもよい。
【0040】二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムの製造では、例えば通常の押出温
度、すなわちポリマーの融点(以下Tmと表わす)以上
(Tm+70℃)以下の温度で溶融押出されたフィルム
状溶融物を回転冷却ドラムの表面で急冷し、固有粘度が
0.40〜0.80の未延伸フィルムを得る。この工程
でフィルム状溶融物と回転冷却ドラムの密着性を高める
目的で、フィルム状溶融物に静電荷を付与する静電密着
法を用いるのが好ましい。この未延伸フィルムを共重合
ポリエチレン−2,6−ナフタレートの二次転移点(以
下Tgと表わす)以上(Tg+70℃)以下の温度で縦
または横方向に2.5〜5.0倍の延伸倍率で延伸し、
次いで前記延伸方向と直角方向に(前記延伸方向が縦方
向であるならば横方向)Tg以上、(Tg+70℃)以
下の温度で2.5〜5.5倍の延伸倍率で延伸する(延
伸はこのような逐次二軸延伸であってもよく、また同時
二軸延伸であってもよく、その製造方法は特に限定され
ない)。このようにして得られる二軸配向フィルムは、
さらに、(Tg+70℃)以上Tm以下の温度で1〜1
00秒間熱固定するのが好ましい。
フタレートフィルムの製造では、例えば通常の押出温
度、すなわちポリマーの融点(以下Tmと表わす)以上
(Tm+70℃)以下の温度で溶融押出されたフィルム
状溶融物を回転冷却ドラムの表面で急冷し、固有粘度が
0.40〜0.80の未延伸フィルムを得る。この工程
でフィルム状溶融物と回転冷却ドラムの密着性を高める
目的で、フィルム状溶融物に静電荷を付与する静電密着
法を用いるのが好ましい。この未延伸フィルムを共重合
ポリエチレン−2,6−ナフタレートの二次転移点(以
下Tgと表わす)以上(Tg+70℃)以下の温度で縦
または横方向に2.5〜5.0倍の延伸倍率で延伸し、
次いで前記延伸方向と直角方向に(前記延伸方向が縦方
向であるならば横方向)Tg以上、(Tg+70℃)以
下の温度で2.5〜5.5倍の延伸倍率で延伸する(延
伸はこのような逐次二軸延伸であってもよく、また同時
二軸延伸であってもよく、その製造方法は特に限定され
ない)。このようにして得られる二軸配向フィルムは、
さらに、(Tg+70℃)以上Tm以下の温度で1〜1
00秒間熱固定するのが好ましい。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、例中の「部」は重量部を意味し、また
各種特性は下記の方法で測定、評価した。
説明する。なお、例中の「部」は重量部を意味し、また
各種特性は下記の方法で測定、評価した。
【0042】1.固有粘度(IV) ο−クロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定
する。単位は100cc/gである。
する。単位は100cc/gである。
【0043】2.ポリマー中のジエチレングリコール成
分(DEG)の含有量 抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、ガスクロマ
トグラフィにより定量する。
分(DEG)の含有量 抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、ガスクロマ
トグラフィにより定量する。
【0044】3.フィルムの密度 硝酸カルシウム水溶液を溶媒として用いた密度勾配管
中、25℃で浮沈法により測定した値である。
中、25℃で浮沈法により測定した値である。
【0045】4.面配向係数(NS) アッベ屈折計を用い、ナトリウムD線(589nm)を
光源として屈折率を測定し、下記式により求める。
光源として屈折率を測定し、下記式により求める。
【0046】
【数4】NS=(nMD+nTD)/2−nZ
【0047】ここで、nMDは二軸配向フィルムの機械
軸方向(縦方向)の屈折率を表し、nTDは機械軸方向
と直交する方向(横方向)の屈折率を表し、nZはフィ
ルムの厚み方向の屈折率を表す。
軸方向(縦方向)の屈折率を表し、nTDは機械軸方向
と直交する方向(横方向)の屈折率を表し、nZはフィ
ルムの厚み方向の屈折率を表す。
【0048】5.結晶融解熱 所定量(10mg)のフィルムサンプルをサンプルパン
に入れ、セイコー電子工業(株)製SSC/580熱分
析装置を用い、昇温速度10℃/minで昇温して結晶
融解の吸熱曲線を求め、その吸熱曲線の面積から結晶融
解熱を求める。
に入れ、セイコー電子工業(株)製SSC/580熱分
析装置を用い、昇温速度10℃/minで昇温して結晶
融解の吸熱曲線を求め、その吸熱曲線の面積から結晶融
解熱を求める。
【0049】6.耐熱劣化性 フイルムを幅10mm、長さ約200mmの短冊状に切
り、200℃に設定したエアーオープン中で所定時間熱
劣化させる。その後サンプルをとり出し、その機械特性
(破断強度、伸度)を測定する。このようにして破断強
度が初期値の50%になるまでの時間を求め、耐熱劣化
性とする。
り、200℃に設定したエアーオープン中で所定時間熱
劣化させる。その後サンプルをとり出し、その機械特性
(破断強度、伸度)を測定する。このようにして破断強
度が初期値の50%になるまでの時間を求め、耐熱劣化
性とする。
【0050】7.抽出オリゴマー量 フィルム(38mm×38mm)を25℃のクロロホル
ム20ccに1時間浸漬し、その後フィルムを取出して
該クロロホルム中のオリゴマー量を測定波長240nm
の吸光度より求める。オリゴマーの濃度と吸光度との関
係は予め検量線を作成して用いる。吸光度の測定はSH
IMADZU製UV−VIS−NIR自記分光々度計U
V−3101PCを用いる。
ム20ccに1時間浸漬し、その後フィルムを取出して
該クロロホルム中のオリゴマー量を測定波長240nm
の吸光度より求める。オリゴマーの濃度と吸光度との関
係は予め検量線を作成して用いる。吸光度の測定はSH
IMADZU製UV−VIS−NIR自記分光々度計U
V−3101PCを用いる。
【0051】8.デラミネーション フイルムに、製袋ミシン(The New long M
anufacturing Co.製)のミシン針で室
温下で100穴打ち抜く。打ち抜いた穴は、フイルムが
デラミネーションを起こさない時はきれいにぼぼ針の太
さに打ち抜かれるが、デラミネーションを起こす場合に
は打抜かれた穴の周辺が厚み方向で層状に割れて損傷部
が広がる。打抜き穴を含んだ傷部の面積を求めてデラミ
ネーション良否の尺度とする。この穴の大きさが(面積
が)打抜きの穴と同等〜1.5倍のときは1級、それが
1.5〜2.0倍のときは2級とし、2.0倍以上のと
きは3級と評価する。
anufacturing Co.製)のミシン針で室
温下で100穴打ち抜く。打ち抜いた穴は、フイルムが
デラミネーションを起こさない時はきれいにぼぼ針の太
さに打ち抜かれるが、デラミネーションを起こす場合に
は打抜かれた穴の周辺が厚み方向で層状に割れて損傷部
が広がる。打抜き穴を含んだ傷部の面積を求めてデラミ
ネーション良否の尺度とする。この穴の大きさが(面積
が)打抜きの穴と同等〜1.5倍のときは1級、それが
1.5〜2.0倍のときは2級とし、2.0倍以上のと
きは3級と評価する。
【0052】9.体積抵抗率 JIS C−2318に準拠して測定する。
【0053】10.フィルム厚み 試料フィルムの幅をW(cm)、長さをl(cm)、重
量をG(g)、密度をd(g/cm3)としたとき、フ
ィルム厚みt(μm)を下記式で算出した。
量をG(g)、密度をd(g/cm3)としたとき、フ
ィルム厚みt(μm)を下記式で算出した。
【0054】
【数5】t=G/(W×l×d)×10000
【0055】11.フィルム中の触媒量、アルカリ金属
量 試料フィルムを、蒸留アセトンで2回以上洗浄乾燥の
後、0.200g採取する。次に、試薬特級の硫酸、硝
酸等で湿式分解し、イオン交換蒸留水を20ml加え、
試料液とする。この試料液を高周波プラズマ発光分光分
析装置(ジヤーレルアッシュ製、Atomu Comp
Siries 800)にて金属定性定量分析を行な
う。
量 試料フィルムを、蒸留アセトンで2回以上洗浄乾燥の
後、0.200g採取する。次に、試薬特級の硫酸、硝
酸等で湿式分解し、イオン交換蒸留水を20ml加え、
試料液とする。この試料液を高周波プラズマ発光分光分
析装置(ジヤーレルアッシュ製、Atomu Comp
Siries 800)にて金属定性定量分析を行な
う。
【0056】[実施例1]2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチル100部に相当する量の、表1に記載の割
合のイソフタル酸ジメチルと2,6−ナフタレンジカル
ボン酸ジメチルの混合物及びエチレングリコール60部
の混合物に、酢酸マンガン・4水塩0.03部を添加
し、150℃から240℃に徐々に昇温しながらエステ
ル交換反応を行った。途中反応温度が170℃に達した
時点で三酸化アンチモン0.024部を添加し、さらに
平均粒径0.9μmのカオリンクレーを0.13重量%
(ポリマー重量に対し)添加し、次いで220℃に達し
た時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テト
ラブチルホスホニウム塩0.042部(2mmol%に
相当)を添加した。引き続いてエステル交換反応を行
い、エステル交換反応終了後燐酸トリメチル0.023
部を添加した。その後反応生成物を重合反応器に移し、
290℃まで昇温し、0.2mmHg以下の高真空下に
て重縮合反応を行って25℃のo−クロロフェノール溶
液で測定した固有粘度が0.61dl/g、DEG共重
合量1.1モル%の共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートを得た。
ン酸ジメチル100部に相当する量の、表1に記載の割
合のイソフタル酸ジメチルと2,6−ナフタレンジカル
ボン酸ジメチルの混合物及びエチレングリコール60部
の混合物に、酢酸マンガン・4水塩0.03部を添加
し、150℃から240℃に徐々に昇温しながらエステ
ル交換反応を行った。途中反応温度が170℃に達した
時点で三酸化アンチモン0.024部を添加し、さらに
平均粒径0.9μmのカオリンクレーを0.13重量%
(ポリマー重量に対し)添加し、次いで220℃に達し
た時点で3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テト
ラブチルホスホニウム塩0.042部(2mmol%に
相当)を添加した。引き続いてエステル交換反応を行
い、エステル交換反応終了後燐酸トリメチル0.023
部を添加した。その後反応生成物を重合反応器に移し、
290℃まで昇温し、0.2mmHg以下の高真空下に
て重縮合反応を行って25℃のo−クロロフェノール溶
液で測定した固有粘度が0.61dl/g、DEG共重
合量1.1モル%の共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートを得た。
【0057】このポリマーを170℃において6時間乾
燥させた後、押出機に供給し、溶融温度310℃で溶融
し、開度2mmのスリット状ダイを通して、表面仕上げ
0.3S、表面温度50℃の回転ドラム上に押出し、未
延伸フィルムを得た。続いて該未延伸フィルムを140
℃で縦方向に3.5倍に延伸し、次いで140℃で横方
向に3.8倍延伸し、さらに220℃で5秒間熱固定処
理し、厚み100μmの二軸配向共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレートフィルムを得た。これらのフィル
ムの特性を表1に示す。
燥させた後、押出機に供給し、溶融温度310℃で溶融
し、開度2mmのスリット状ダイを通して、表面仕上げ
0.3S、表面温度50℃の回転ドラム上に押出し、未
延伸フィルムを得た。続いて該未延伸フィルムを140
℃で縦方向に3.5倍に延伸し、次いで140℃で横方
向に3.8倍延伸し、さらに220℃で5秒間熱固定処
理し、厚み100μmの二軸配向共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレートフィルムを得た。これらのフィル
ムの特性を表1に示す。
【0058】[実施例2〜4]イソフタル酸成分の含有
量が表1に示す量になるようにする以外は実施例1と同
様にして厚み100μmの二軸配向共重合ポリエチレン
−2,6−ナフタレートフィルムを得た。これらのフィ
ルムの特性を表1に示す。
量が表1に示す量になるようにする以外は実施例1と同
様にして厚み100μmの二軸配向共重合ポリエチレン
−2,6−ナフタレートフィルムを得た。これらのフィ
ルムの特性を表1に示す。
【0059】[実施例5]イソフタル酸成分の共重合量
を3モル%(全ジカルボン酸成分に対し)とし、延伸倍
率を縦方向に3.8倍、横方向に4.1倍とする以外は
実施例1と同様にして厚み100μmの二軸配向共重合
ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。
このフィルムの特性を表1に示す。
を3モル%(全ジカルボン酸成分に対し)とし、延伸倍
率を縦方向に3.8倍、横方向に4.1倍とする以外は
実施例1と同様にして厚み100μmの二軸配向共重合
ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。
このフィルムの特性を表1に示す。
【0060】[比較例1]イソフタル酸成分を共重合し
ない以外は実施例1と同様にして厚み100μmの二軸
配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを得
た。このフィルムの特性を表1に示す。このフィルムは
耐デラミネーション性が不満足であった。
ない以外は実施例1と同様にして厚み100μmの二軸
配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを得
た。このフィルムの特性を表1に示す。このフィルムは
耐デラミネーション性が不満足であった。
【0061】[比較例2]延伸倍率を縦方向2.4倍、
横方向2.4倍とする以外は実施例1と同様にして厚み
100μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムを得た。このフィルムの特性を表1
に示す。このフィルムは耐熱劣化性が不十分であり、オ
リゴマー抽出量が多かった。
横方向2.4倍とする以外は実施例1と同様にして厚み
100μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムを得た。このフィルムの特性を表1
に示す。このフィルムは耐熱劣化性が不十分であり、オ
リゴマー抽出量が多かった。
【0062】[比較例3]エステル交換反応時にジエチ
レングリコールをポリマー中のDEG含有量が4%にな
るように添加する以外は実施例1と同様にして厚み10
0μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートフィルムを得た。このフィルムの特性を表1に示
す。このフィルムは腰がなく、耐熱劣化性が不十分であ
る。
レングリコールをポリマー中のDEG含有量が4%にな
るように添加する以外は実施例1と同様にして厚み10
0μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートフィルムを得た。このフィルムの特性を表1に示
す。このフィルムは腰がなく、耐熱劣化性が不十分であ
る。
【0063】[比較例4]延伸倍率を縦方向4.8倍、
横方向5.5倍とする以外は実施例1と同様にして厚み
100μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムを得た。このフィルムの特性を表1
に示す。このフィルムは面配向係数および結晶融解熱が
過大で耐デラミネーションが不満足である。また製膜中
切断が多発した。
横方向5.5倍とする以外は実施例1と同様にして厚み
100μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムを得た。このフィルムの特性を表1
に示す。このフィルムは面配向係数および結晶融解熱が
過大で耐デラミネーションが不満足である。また製膜中
切断が多発した。
【0064】[比較例5]イソフタル酸成分の共重合量
を15モル%とする以外は実施例1と同様にして厚み1
00μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートフィルムを得た。このフィルムの特性を表1に
示す。このフィルムは結晶融解熱が過小で耐熱劣化性が
悪く、オリゴマー抽出量が多かった。
を15モル%とする以外は実施例1と同様にして厚み1
00μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートフィルムを得た。このフィルムの特性を表1に
示す。このフィルムは結晶融解熱が過小で耐熱劣化性が
悪く、オリゴマー抽出量が多かった。
【0065】[比較例6]イソフタル酸成分の代わりに
テレフタル酸成分を5モル%共重合する以外は実施例1
と同様にして厚み100μmの二軸配向共重合ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。このフィ
ルムの特性を表1に示す。このフィルムは結晶融解熱が
過小で耐熱劣化性が悪く、オリゴマー抽出量が多かっ
た。
テレフタル酸成分を5モル%共重合する以外は実施例1
と同様にして厚み100μmの二軸配向共重合ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。このフィ
ルムの特性を表1に示す。このフィルムは結晶融解熱が
過小で耐熱劣化性が悪く、オリゴマー抽出量が多かっ
た。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明における共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレートフィルムは、次のような優れた効
果を持ち、電気絶縁用フィルムとして好適に用いられ
る。 (1)耐熱劣化性に優れ、電気機器の小形化が高い信頼
性を保持しながら図れる。 (2)耐デラミネーション性に優れ、スリット時の破
断、回転機のスロットライナやウエジ装填時の層状剥
離、粘着テープ引き剥がし時の層状剥離などが少ない。 (3)オリゴマー抽出量が少なく、エアコン冷凍機用モ
ータ絶縁に適する。
2,6−ナフタレートフィルムは、次のような優れた効
果を持ち、電気絶縁用フィルムとして好適に用いられ
る。 (1)耐熱劣化性に優れ、電気機器の小形化が高い信頼
性を保持しながら図れる。 (2)耐デラミネーション性に優れ、スリット時の破
断、回転機のスロットライナやウエジ装填時の層状剥
離、粘着テープ引き剥がし時の層状剥離などが少ない。 (3)オリゴマー抽出量が少なく、エアコン冷凍機用モ
ータ絶縁に適する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA45 AA82 AA83 AA88 AF05Y AF38Y AF39Y AF45Y AH12 BA01 BB06 BB08 BC01 5G305 AA14 AB34 BA12 BA19 CA11 CA55
Claims (5)
- 【請求項1】 2,6−ナフタレンジカルボン酸を主た
るジカルボン酸成分とし、エチレングリコールを主たる
グリコール成分とし、共重合成分としてイソフタル酸成
分を0.5〜8モル%(全ジカルボン酸成分に対し)含
有し、かつジエチレングリコール成分の含有量が3モル
%(全グリコール成分に対し)以下である共重合ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートからなる二軸配向フィル
ムであって、該フィルムの結晶融解熱が10〜24J/
g、面配向係数が0.230以上0.270以下、かつ
密度が1.350g/cm3以上であることを特徴とす
る電気絶縁用フィルム。 - 【請求項2】 共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートの固有粘度が0.40以上であり、かつフィルムの
体積抵抗率が1×1015Ωcm以上である請求項1記載
の電気絶縁用フィルム。 - 【請求項3】 フィルムの絶縁破壊電圧が260V/μ
m以上である請求項1記載の電気絶縁用フィルム。 - 【請求項4】 フィルムの耐熱劣化性が2000時間以
上である請求項1記載の電気絶縁用フィルム。 - 【請求項5】 フィルムの抽出オリゴマー量が1.5m
g/m2以下である請求項1記載の電気絶縁用フィル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25291499A JP2001076536A (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 電気絶縁用フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25291499A JP2001076536A (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 電気絶縁用フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001076536A true JP2001076536A (ja) | 2001-03-23 |
Family
ID=17243934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25291499A Pending JP2001076536A (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 電気絶縁用フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001076536A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007314717A (ja) * | 2006-05-29 | 2007-12-06 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム |
WO2008149770A1 (ja) | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Teijin Dupont Films Japan Limited | 自動車駆動モーター用二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれからなる電気絶縁部材 |
JP2010019898A (ja) * | 2008-07-08 | 2010-01-28 | Teijin Chem Ltd | ポリエチレン−2,6−ナフタレートから形成されたレンズフィルムおよびその製造方法 |
JP2015168769A (ja) * | 2014-03-07 | 2015-09-28 | 東レ株式会社 | ポリエステルフィルム |
-
1999
- 1999-09-07 JP JP25291499A patent/JP2001076536A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007314717A (ja) * | 2006-05-29 | 2007-12-06 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム |
WO2008149770A1 (ja) | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Teijin Dupont Films Japan Limited | 自動車駆動モーター用二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれからなる電気絶縁部材 |
US8518551B2 (en) | 2007-05-30 | 2013-08-27 | Teijin Dupont Films Japan Limtied | Biaxially oriented polyester film for automobile driving motors, and electrically insulating member therefrom |
JP2010019898A (ja) * | 2008-07-08 | 2010-01-28 | Teijin Chem Ltd | ポリエチレン−2,6−ナフタレートから形成されたレンズフィルムおよびその製造方法 |
JP2015168769A (ja) * | 2014-03-07 | 2015-09-28 | 東レ株式会社 | ポリエステルフィルム |
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