JP2001089582A - コンデンサ用ポリエステルフィルム - Google Patents

コンデンサ用ポリエステルフィルム

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JP2001089582A
JP2001089582A JP26838199A JP26838199A JP2001089582A JP 2001089582 A JP2001089582 A JP 2001089582A JP 26838199 A JP26838199 A JP 26838199A JP 26838199 A JP26838199 A JP 26838199A JP 2001089582 A JP2001089582 A JP 2001089582A
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polyester
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Masaya Watanabe
真哉 渡辺
Koji Furuya
幸治 古谷
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑り性、スリット性等の作業性に優れ、機械
的特性が良好で大容量化が可能なコンデンサー用フィル
ムを提供する。 【解決手段】 イソフタル酸成分を特定割合で共重合
し、アルカリ金属量が特定量以下のポリエチレン−2,
6−ナフタレートに、平均粒径の異なる球状シリカ微粒
子2種類を配合したポリエステルを主要構成成分とする
ポリエステルフィルムであって、フィルムのスペースフ
ァクターが3〜23%、及びフィルム表面の1.5μm
以上の高さの突起が50個/cm2以下のコンデンサ用
ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンデンサ用ポリエ
ステルフィルムに関し、更に詳しくは、共重合ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートを主成分とするポリエステ
ルからなるコンデンサ用ポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
ィルムは、その優れた機械的性質、熱的性質、及び耐熱
性を有することからコンデンサ用フィルムに使用されて
いる。最近の電気あるいは電子回路の小型化要求に伴
い、コンデンサに対しても小型化・大容量化が要求さ
れ、その誘電材料であるフィルムも薄く成形することが
求められている。
【0003】フィルムコンデンサにおいて誘電体である
フィルムの薄膜化が図られる理由は、(イ)コンデンサ
の静電容量が誘電材料の誘電率及び電極面積に比例する
こと、(ロ)フィルム厚みに反比例すること、言い換え
ると誘電体の単位体積当りの静電容量はフィルム厚さの
2乗に反比例し、かつ誘電率に比例することから、同じ
誘電率の誘電材料を使用する限り、コンデンサの小型化
又は大容量化を図ろうとすれば、フィルム厚みを薄くす
ることが不可欠なこととなるからである。
【0004】このようなフィルムの薄膜化の必要性があ
るものの、従来の延伸フィルムにおいてその厚みを単に
薄くするだけでは次のような問題がある。例えば、フィ
ルムの薄膜化に伴い、フィルムに電極を蒸着する際や、
スリット、素子巻き等の工程における作業性が悪くなる
問題が生じる。
【0005】この作業性はフィルムの滑り性に関るもの
であり、その滑り性を改良するためには、一般に熱可塑
性樹脂フィルムにおいては、フィルム表面に微小な凹凸
を与える方法が知られている。かかる方法の例として、
不活性無機微粒子をフィルムの原料である熱可塑性重合
体の重合時、又は重合後に添加したり(外部粒子添加方
式)、熱可塑性重合体の重合時に使用する触媒等の一部
又は全部を反応工程でポリマー中に析出させる技術(内
部粒子析出方式)が公知である。
【0006】しかし、極薄のフィルムを、それよりも肉
厚のフィルムに使用されていた不活性無機微粒子濃度を
含有する重合体を用いて製造すると、フィルム単位表面
積当りの不活性無機微粒子の数が減少し、フィルム表面
における微粒子の間隔が広がり、フィルム表面が平坦化
し、滑り性が低下する傾向にある。従って薄膜化に伴う
滑り性低下を補うためには、フィルム厚みが薄くなれば
なるほど、添加する不活性無機微粒子の添加濃度を高め
るか、あるいは粒径を大きくする必要があった。
【0007】ところが、微粒子の添加濃度を高めて、あ
るいは粒径の大きな微粒子を用いて極薄フィルムを製造
すると、フィルムの溶融押出時や延伸の際に不活性無機
微粒子と、熱可塑性重合体との親和性が乏しいことに起
因して、ボイドが界面、すなわち不活性無機微粒子の周
りに多発し、このボイドの発生の結果、得られたフィル
ムの機械的性質(例えば破断強度、破断伸度)や電気的
性質(例えば絶縁欠陥)が低下するばかりでなく、フィ
ルムを製造する際にも破断が発生しやすくなり、生産性
の低下、製造条件の安定性に欠ける問題が生じる。この
問題は、フィルムの製造条件でドラフト比の高い(延伸
倍率の大きい)場合に特に顕著となる。
【0008】かかる問題を解消せしめ、作業性(ハンド
リング性)に優れ、かつ製膜性に優れた4μm以下の薄
い熱可塑性フィルムが先に提案されている(特開平1−
266145号公報)。しかし、熱可塑性フィルムがポ
リエチレン−2,6−ナフタレートフィルムの場合、機
械的性質の低下がなく、作業性、製膜性に優れるもの
の、含有する粒子によって形成されるフィルム表面の突
起により、フィルムを重ね合わせた時に生じる空気層が
厚くなり、体積当りのコンデンサ容量が低下するためコ
ンデンサ用フィルムとしては不充分である問題があっ
た。また極薄の上記フィルムをコンデンサ素子巻用にス
リットする際に、引き裂き抵抗が不足し破断し易い問題
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解消し、作業性、特にスリット性に優れ、コンデ
ンサの大容量化が可能なコンデンサ用ポリエステルフィ
ルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリエス
テルに特定の成分を共重合したポリエチレン−2,6−
ナフタレートを用い、特定の微粒子を配合した特定アル
カリ金属濃度のポリエステルを用いて得られる特定表面
特性のフィルムであれば、フィルムのスリット性等の作
業性が改良でき、破断強度などの機械的性質の低下を防
止でき、大容量化が可能なコンデンサ用フィルムとなる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明は、微粒子を含有するポ
リエステルを主成分とするポリエステルフィルムであっ
て、該ポリエステルがエチレン−2,6−ナフタレート
を主たる繰返し単位とし、全ジカルボン酸成分の総量に
対しイソフタル酸成分が0.1〜10モル%、全グリコ
ール成分の総量に対しジエチレングリコール成分が0〜
3モル%共重合されたポリエステルであり、該ポリエス
テルが粒径比(長径/短径)1.0〜1.2、平均粒径
0.5〜5μmの球状シリカ微粒子(A)を0.1〜2
重量%、粒径比(長径/短径)1.0〜1.2、平均粒
径0.01〜1μm(但し、微粒子(A)の平均粒径よ
りも小)の球状シリカ微粒子(B)を0.1〜2重量
%、アルカリ金属を10ppm以下の量含有し、フイル
ムのスペースファクターが3〜23%、フイルム表面の
1.5μm以上の高さの突起が50個/cm2以下であ
ることを特徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルム
である。
【0012】
【発明の実施の形態】[ポリエステル]本発明において
ポリエステルとは、エチレン−2,6−ナフタレートを
主たる繰返し単位とし、全ジカルボン酸成分の総量に対
しイソフタル酸成分が0.1〜10モル%、全グリコー
ル成分の総量に対しジエチレングリコール成分が0〜3
モル%共重合された共重合ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートである。
【0013】この共重合ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート(以下、『共重合PEN』と略記する)は、エチ
レン−2,6−ナフタレートが主たる繰返し単位であっ
て、全ジカルボン酸成分の総量に対して85モル%以
上、好ましくは90モル%以上が2,6−ナフタレンジ
カルボン酸成分であり、全グリコール成分の総量に対し
て80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレ
ングリコール成分であることが好ましい。
【0014】また、本発明における共重合PENは、イ
ソフタル酸成分が全ジカルボン酸成分の総量に対し0.
1〜10モル%共重合されたものである。このイソフタ
ル酸成分の共重合割合の上限は10モル%であるが、好
ましくは8モル%、更に好ましくは7モル%である。ま
た、イソフタル酸成分の共重合割合の下限は0.1モル
%であるが、好ましくは0.5モル%、更に好ましくは
1モル%である。イソフタル酸成分の共重合割合が上記
の範囲であると、フィルムの耐デラミネーション性が優
れたものとなり、かつフィルムの機械的特性が優れたも
のとなる。
【0015】イソフタル酸成分の共重合割合が、0.1
モル%より少ないと、フィルムの耐デラミネーション性
すなわち引き裂き抵抗が向上せず、スリット時の破断を
防止できない。逆に10モル%を超える場合、フィルム
としたときポリマーの結晶性が損なわれて機械的強度に
劣るフィルムとなってしまう。尚、イソフタル酸成分の
共重合割合が他の共重合成分よりも高い比率であると、
フィルムの耐デラミネーション性改良効果が優れたもの
となるため好ましい。
【0016】共重合PENは、例えば2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸のジメチルエステルを原料としたいわゆ
るエステル交換反応法(以下、EI法と略称することが
ある)によって製造されたものであっても良く、あるい
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を原料とした直接重
合反応法(以下、直重法と略称することがある)によっ
て製造されたものであっても良いが、得られる共重合P
EN中の不純物が少ないEI法によって製造されたもの
が好ましい。
【0017】共重合PENにイソフタル酸成分を共重合
させるには、例えば共重合体を製造する際に、イソフタ
ル酸、或いはそのエステル形成性誘導体を原料として用
いる方法を挙げることができる。上記、直重法の場合は
原料としてイソフタル酸を用いることが好ましく、EI
法の場合はイソフタル酸であってもイソフタル酸のエス
テル形成性誘導体であっても良く、イソフタル酸を用い
る場合は、エステル交換反応が実質的に終了する時点で
添加することが好ましい。なお、イソフタル酸のエステ
ル形成性誘導体としては、イソフタル酸ジメチルを好ま
しい例として挙げることができる。
【0018】本発明における、共重合PENは、ジエチ
レングリコール成分が全グリコール成分の総量に対して
0〜3モル%のものである。ジエチレングリコール成分
の共重合割合の上限は3モル%であるが、好ましくは
2.5モル%、更に好ましくは2モル%である。ジエチ
レングリコール成分の共重合割合が3モル%を超える
と、フイルムとしたときの耐デラミネーション性の改良
効果は大きくなるが、ポリマーの結晶性が損なわれるた
め機械的強度が大幅に低下し、コンデンサ用フィルムと
しての性能が低下する。
【0019】また、ジエチレングリコール成分は少ない
ほどフィルムの機械的特性が優れたものとなるため好ま
しく、共重合割合の下限は0モル%である。しかし、こ
のジエチレングリコール成分は、共重合体製造の際に、
製造反応の過程で副生して共重合されるものであるため
0モル%とすることは難しい。共重合PENの生産性の
観点からジエチレングリコールの共重合割合の下限は好
ましくは0.5モル%、更に好ましくは1モル%であ
る。
【0020】上述のとおり、ジエチレングリコール成分
は少ないほど好ましいので、共重合PENを製造する際
にジエチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導
体を原料として添加することは好ましくない。共重合P
ENを製造する過程で反応中にジエチレングリコールの
副生を押さえるためには、添加するエチレングリコール
のモル量とジカルボン酸および/またはそのエステル形
成性誘導体のモル量の比を2.0〜3.0の範囲にする
ことが好ましい。また、エステル交換反応に要する時間
は短いほどよい。
【0021】本発明における共重合PENは、イソフタ
ル酸成分、ジエチレングリコール成分以外の共重合成分
を含んでも良いが、これらの成分は耐デラミネーション
性を向上させる効果はあるが、ヤング率を大きく低下さ
せるため多量に用いないことが望ましい。この量として
はイソフタル酸成分及びジエチレングリコール成分以外
共重合成分の合計量が3モル%以下、好ましくは1モル
%以下、さらに好ましくは0.1モル%以下である。
【0022】上記イソフタル酸成分、ジエチレングリコ
ール成分以外の共重合成分としては、2個のエステル形
成性官能基を有する化合物、例えば蓚酸、アジピン酸、
フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、テレフタル
酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、フェニルイン
ダンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸及
びこれらの低級アルキルエステル、p−オキシエトキシ
安息香酸等の如きオキシカルボン酸及びその低級アルキ
ルエステル、プロピレングリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,
3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノー
ルスルホンのエチレンオキサイド付加物、トリエチレン
グリコール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテ
トラメチレンオキシドグリコール、ネオペンチルグリコ
ール等を挙げることができる。
【0023】また、共重合PENは、例えば安息香酸、
メトキシポリアルキレングリコール等の1官能性化合物
によって、末端の水酸基および/またはカルボキシル基
の一部または全部を封鎖したものであってもよく、ある
いは例えば極少量のグリセリン、ペンタエリスリトール
などの如き3官能以上のエステル形成性化合物で実質的
に線状のポリマーが得られる範囲内で変性されたもので
あってもよい。
【0024】[反応触媒]共重合PENをEI法で製造
する場合、エステル交換反応触媒としては、マンガン化
合物を好ましく用いることができる。マンガン化合物と
しては、酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩等を挙
げることができ、これらの中、酢酸塩が特に好ましい。
【0025】共重合PENを製造する過程で、エステル
交換反応が実質的に終了した時点で燐化合物を添加し、
エステル交換触媒を失活させることが好ましい。燐化合
物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホス
フェート、トリ−n−ブチルホスフェート及び正燐酸が
好ましく、これらの中、トリメチルホスフェートが特に
好ましい。
【0026】重縮合触媒としては、アンチモン化合物を
好ましく用いることができ、三酸化アンチモンを特に好
ましく用いることができる。
【0027】本発明における共重合PENは、上記触媒
が下記式(1)、(2)、(3)を満足する量含有され
ていることが好ましい。
【0028】
【数4】30≦Mn≦100………(1)
【0029】
【数5】150≦Sb≦450……(2)
【0030】
【数6】20≦P≦100…………(3)
【0031】[(1)〜(3)式中、Mnはマンガン元
素の共重合PEN中の量(ppm)、Sbはアンチモン
元素の共重合PEN中の量(ppm)、Pは燐元素の共
重合PEN中の量(ppm)をそれぞれ表わす。]
【0032】マンガン元素の含有量が共重合PEN中3
0ppm未満では、エステル交換反応が不充分であり、
一方100PPmを超えるとフィルムのCR値が低下
し、コンデンサ用ポリエステルフィルムとして適さなく
なることがある。また、アンチモン元素の含有量が15
0ppm未満では重縮合反応性が低下して生産性が悪く
なり、一方450ppmを超えると熱安定性が劣り、フ
ィルム製膜時の工程切断や機械的強度の低下を招くこと
がある。さらに、リン元素の量が20ppm未満では、
エステル交換触媒が完全に失活せず熱安定性が悪く、得
られるフィルムの機械的強度が低下するので好ましくな
い。一方100ppmを超えると熱安定性が悪く、フィ
ルム製膜時の工程切断、機械的強度の低下を招き、さら
にはCR値も低下し、コンデンサー用フィルムとして適
さなくなるので好ましくない。
【0033】本発明において、ポリエステル中のアルカ
リ金属の含有量は10ppm以下である必要がある。ア
ルカリ金属の含有量が10ppmを超えるとフィルムの
CR値が低下し、コンデンサー用フィルムとして適さな
くなる。
【0034】[添加物]本発明のコンデンサ用ポリエス
テルフィルムはそのフィルム表面に多数の微細な突起を
有している。それらの多数の微細な突起は、本発明によ
れば共重合PEN中に分散して含有される大小2種の球
状シリカ微粒子に由来する。
【0035】本発明において共重合PEN中に分散して
いる大小2種の球状シリカ微粒子は、粒径比(長径/短
径)がともに1.0〜1.2であって、その平均粒径が
0.5〜5μmの球状シリカ微粒子(A)と、その平均
粒径が0.01〜1μmの球状シリカ微粒子(B)であ
る。球状シリカ微粒子(A)の平均粒径の下限は0.8
μm、上限は3μmであることが更に好ましい。球状シ
リカ微粒子(B)の平均粒径の上限は0.7μmである
ことが更に好ましい。また、球状シリカ微粒子(A)の
平均粒径は、球状シリカ微粒子(B)の平均粒径より大
きいことが好ましい。
【0036】球状シリカ微粒子(A)の平均粒径が0.
5μm未満では、フィルムの滑り性や作業性の改善効果
が不充分であり、一方5μmを超えるとフィルム破断強
度が低下する。また、球状シリカ微粒子(B)の平均粒
径が0.01μm未満では、フイルムの滑り性や作業性
の改善効果が不充分であり、一方1μmを超えるとフィ
ルム表面が粗れすぎて、スペースファクターが増大しす
ぎる。
【0037】これらの2種類の球状シリカ微粒子は、粒
径比(長径/短径)がともに1.0〜1.2であること
により、個々の微粒子の形状が極めて真球に近い球状で
あって、10nm程度の超微細な塊状粒子か又はこれら
が凝集して0.5μm程度の凝集物(凝集粒子)を形成
している従来から滑剤として知られているシリカ微粒子
とは著しく異なる点に特徴がある。
【0038】なお、粒径比は、下記式で求めることがで
きる。具体的な測定方法については後述する。
【0039】
【数7】(粒径比)=(球状シリカ微粒子の平均長径)
/(球状シリカ微粒子の平均短径)
【0040】ここで「平均粒径」とは、測定した全粒子
の50重量%の点にある粒子の「等価球形直径」を意味
する。「等価球形直径」とは粒子と同じ容積を有する想
像上の球(理想球)の直径を意味し、粒子の電子顕微鏡
写真又は通常の沈降法による測定から計算することがで
きる。
【0041】このような平均粒径の異なる2種類の球状
シリカ微粒子を含有することにより、1.5μm以上の
高さの突起が50個/cm2以下の表面粗さであって
も、スペースファクターを大きくすることができ、フィ
ルムの作業性を確保することができる。
【0042】球状シリカ微粒子の平均粒径は、その突起
高さが前述の範囲を外れない限り、フィルム厚みより大
きくてもよい。
【0043】球状シリカ微粒子は、上述の条件を満たせ
ば、その製法、その他に何ら限定されるものではない。
例えば、球状シリカ微粒子は、オルトケイ酸エチル[S
i(OC254]の加水分解から含水シリカ[Si
(OH)4]単分散球をつくり、さらにこの含水シリカ
単分散球を脱水化処理して下記シリカ結合を三次元的に
成長させることで製造できる(日本化学会誌、’81,
No.9,P.1503)。
【0044】
【化1】
【0045】
【化2】
【0046】本発明において球状シリカ微粒子(A)及
び球状シリカ微粒子(B)の添加量は、ともに共重合ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートに対して0.1〜2
重量%とする必要がある。球状シリカ微粒子(A)の添
加量が0.1重量%未満では、フィルムの滑り性や作業
性が不充分となり、一方2重量%を超えると、フィルム
表面が粗れ、スペースファクターが増大したりフィルム
破断強度が低下して好ましくない。また、球状シリカ微
粒子(B)の添加量が0.1重量%未満では、フィルム
の滑り性や作業性が不充分となり、一方2重量%を超え
ると、スペースファクターの増大や絶縁破壊電圧の低下
を招き好ましくない。
【0047】2種類の球状シリカ微粒子を分散含有する
共重合PENは、ポリマー重合反応時、例えばエステル
交換法による場合のエステル交換反応中あるいは重縮合
反応中の任意の時期に、球状シリカ微粒子(好ましくは
グリコール中のスラリーとして)を反応系中に添加する
ことにより製造することができる。好ましくは、重縮合
反応の初期、例えば固有粘度が約0.3に至るまでの間
に、球状シリカ微粒子を反応系中に添加するのが好まし
い。
【0048】なお本発明の趣旨を逸脱しない範囲におい
て、前記2種類の球状シリカ微粒子と平均粒径の異なる
球状シリカ微粒子および/または他の滑剤微粒子を微量
添加したものは、本発明の範囲を逸脱するものではな
い。
【0049】[スペースファクター]本発明のコンデン
サー用ポリエステルフィルムは、そのスペースファクタ
ーが、3〜23%である必要がある。
【0050】なお、スペースファクターとは、試料フィ
ルム100cm2のフィルム重量w(g)と、密度d
(g/cm3)から求めた重量法厚みをt1(μm)、1
0cm角の試料フィルムを10枚重ね、マイクロメータ
ーを用いて求めた試料フィルム1枚分の厚みをt2(μ
m)としたとき、下記式より算出される値である。
【0051】
【数8】スペースファクターF(%)=100−t1
2×100
【0052】このスペースファクターが3%未満では、
フィルムの滑り性、作業性(ハンドリング性)が不充分
であり、一方23%を超えると体積当りのコンデンサー
容量が低く、コンデンサーの小型大容量化に不適である
ため好ましくない。
【0053】また、本発明のコンデンサー用ポリエステ
ルフィルムの表面は、前述の2種類の球状シリカ微粒子
に由来する多数の突起を有するが、その突起は1.5μ
m以上の高さのものが50個/cm2以下である必要が
ある。1.5μm以上の高さの突起が50個/cm2
下であることで、球状シリカ微粒子周辺に発生するボイ
ドが小さくかつ少なく、フィルム形成中の破断や延伸製
膜中の破断が少なく、得られるフィルムの破断強度も高
い値を示す。
【0054】[その他の物性]また、本発明のコンデン
サー用ポリエステルフィルムの熱収縮率は、3%以下で
あることが好ましい。熱収縮率が3%を超えると、コン
デンサー製造時の蒸着工程においてフィルムがが収縮
し、しわがはいることがある。さらには電気絶縁材料で
あるという観点から絶縁破壊電圧(BDV)は、260
V/μm以上であることが好ましい。さらに、本発明の
コンデンサー用ポリエステルフィルムのCR値は、10
000ΩF以上であることが好ましい。CR値が100
00ΩF未満では、フイルムの絶縁抵抗が不足し、電気
絶縁材料として不適となることがある。
【0055】[固有粘度他]本発明のコンデンサ用ポリ
エステルフィルムは、そのポリマーの固有粘度が0.4
0以上であることが好ましく、0.40〜0.80であ
ることがさらに好ましい。固有粘度が0.40未満では
工程切断が多発することがある。上限は特に定めないが
0.8より高いと溶融粘度が高いため溶融押出しが困難
になり好ましくない。またコンデンサ用ポリエステルフ
ィルムの厚みは0.2〜20μmが好ましい。厚みが
0.2μm未満では製膜が困難であり、一方20μmを
超えるとコンデンサの小型化が図りにくくなることがあ
る。フィルム厚みの下限は0.5μmであることが更に
好ましく、上限は15μmであることが更に好ましい。
また、本発明のコンデンサ用ポリエステルフィルムのピ
ンホールは、0.1個/cm2以下であることが好まし
い。なお、1.5μm以上の高さの突起数、ポリマーの
固有粘度、フィルムの厚み、熱収縮率、絶縁破壊電圧
(BDV)、ピンホール、及びCR値はそれぞれ後述の
方法により測定した。
【0056】[製膜法]本発明のコンデンサ用ポリエス
テルフィルムは、二軸配向フィルムであることが好まし
い。二軸配向フィルムは二軸方向(縦及び横方向)に、
それぞれ延伸倍率2倍以上で延伸したものが好ましい。
二軸方向の延伸倍率は等しくても、等しくなくてもよ
い。また、該フィルムは単一膜であっても、積層フィル
ムであってもよい。
【0057】本発明のコンデンサ用ポリエステルフィル
ムを製造するには、例えばポリエステルを通常の押出温
度、すなわちポリエステルの融点(以下『Tm』と表わ
す)以上、Tm+70℃以下の温度で溶融押出し。押出
されたフィルム状溶融物を回転冷却ドラムの表面で急冷
し、固有粘度が0.40〜0.80の未延伸フィルムを
得る。この工程でフィルム状溶融物と回転冷却ドラムの
密着性を高める目的で、フィルム状溶融物に静電荷を付
与する静電密着法を用いることができる。共重合PEN
は溶融物の電気抵抗が高いため、上記静電密着が不十分
である場合がある。
【0058】この対策として、共重合PENに2官能性
カルボン酸成分に対し0.1〜40mmol%のエステ
ル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウムを
含有させることが好ましい。この未延伸フィルムを共重
合PENの二次転移点(以下『Tg』と表わす)以上、
Tg+70℃以下の温度で縦あるいは横方向に2.5〜
5.0倍の延伸倍率で延伸し、次いで前記延伸方向と直
角方向に(前記延伸方向が縦方向であるならば横方向)
Tg以上、Tg+70℃以下の温度で2.5〜5.0倍
の延伸倍率で延伸する(延伸はこのような逐次二軸延伸
であってもよく、また同時二軸延伸であってもよく、そ
の製造方法は特に限定されない)と得られる。このよう
にして得られた二軸配向フィルムは、Tg+70℃以
上、Tm以下の温度で1〜100秒間熱固定するのが好
ましい。
【0059】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。実施例において、各種特性値は下記の方法で
測定、評価した。
【0060】1.粒子の粒径 (1−1)粉体の粒径 島津製作所製CP50型セントリフュグルパーティクル
サイズアナライザー(Centrifugal Par
ticle Size Analyser)を用いて測
定した。得られた遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の
粒子とその存在量との累積曲線から、50マスパーセン
ト(mass percent)に相当する粒径を読み
取り、この値を平均粒径とした。(「粒度測定技術」、
日刊工業新聞社発行、1975年、p.242−247
参照) (1−2)フィルム中の粒子の粒径 試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定
し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JIS−
1100型イオンスパッターリング装置)を用いてフィ
ルム表面に、1×10-3torrの真空下で0.25k
V、1.25mAの条件でイオンエッチング処理を10
分間施した。さらに、同じ装置で金スパッターを施し、
走査型電子顕微鏡を用いて1万〜3万倍で観測し、日本
レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて、少な
くとも100個の粒子の長径(Dli)、短径(Dsi)及
び面積相当粒径(Di)を求めた。下式で表わされる面
積相当粒径(Di)の数平均値を平均粒径(D)とし
た。
【0061】
【数9】
【0062】(1−3)粒子粒径比 前項1で得られた粒子の長径(Dli)及び短径(Dsi)
から下式で表わされる長径(Dl)、短径(Ds)をそれ
ぞれ求め、これらの比より算出した。
【0063】
【数10】
【0064】
【数11】
【0065】2.スペースフアクター(F) 試料100cm2のフィルム重量w(g)と、密度d
(g/cm3)から求めた重量法厚みをt1(μm)、1
0cm角の試料フィルムを10枚重ね、マイクロメータ
ーを用いて求めた試料フィルム1枚分の厚みをt2(μ
m)としたとき、下記式より算出した。
【0066】
【数12】スペースファクターF(%)=100−t1
/t2×100
【0067】3.表面突起 (3−1)1.5μm以上の高さの突起数 NIKON二光束顕微鏡OPTIPHOT(波長λ=5
46nm)を用いて、干渉縞がλ/2であることを利用
し、突起高さを算出し、1cm2当りに存在する干渉縞
が5つ以上のものを1.5μm以上の突起としてカウン
トした。 (3−2)表面粗さ 非接触式三次元粗さ計(小坂研究所製、ET−30H
K)を用いて波長780nmの半導体レーザー、ビーム
径1.6μmの光触針で測定長(Lx)1mm、サンプ
リング入ピッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方
向拡大倍率1万倍、横方向拡大倍率200倍、走査線数
100本(従って、Y方向の測定長Ly=0.2mm)
の条件にてフィルム表面の突起プロファイルを測定し
た。その粗さ曲面をZ=F(x,y)で表わしたとき、
次の式で得られる値(Ra、単位nm)をフィルムの表
面粗さとして定義した。
【0068】
【数13】
【0069】4.固有粘度(IV) ο−クロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定
した。単位はdl/gである。
【0070】5.ジエチレングリコール(DEG)の含
有量 抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、ガスクロマ
トグラフィにより定量する。
【0071】6.密度 硝酸カルシウム水溶液を溶媒として用いた密度勾配管
中、25℃で浮沈法により測定した値である。
【0072】7.フィルムの製膜性 二軸延伸製膜を24時間連続運転したときのフィルム破
断の発生した回数を測定し下記の基準で評価した。単位
は回/24時間である。極薄フィルムは、フィルム破断
が発生しやすいが、実用化の点から、通常この値が2回
/24時間以下であることが好ましい。 ○(製膜性良好) :破断2回以下 △(歩留まり不満):破断3〜5回 ×(製膜性不良):破断6回以上
【0073】8.スリット性 長さ20000m、幅500mmのフィルムロールをス
リットし、長さ10000m、幅20mmのスリット品
を50個作成した。切断部を含むスリット品の個数を測
定し、下記の基準でスリット性を評価した。 ◎(スリット性優秀):切断部を含むスリット品の個数……0 ○(使用可) :切断部を含むスリット品の個数……1〜2 ×(使用不可) :切断部を含むスリット品の個数……3以上
【0074】9.絶縁破壊電圧(BDV) JISC2318に示す方法に従って測定し、n=10
0の平均値を絶縁破壊電圧(BDV)とした。
【0075】10.CR値 試料フィルムを、23℃、50%RH、16時間の条件
で状態調節した後、23℃、50%RHの雰囲気下で、
JISC2319に示す方法に従って測定した。
【0076】11.誘電正接(tanδ) 試料フィルムを、23℃、50%RH、16時間の条件
で状態調節した後、フィルムの両面にAl蒸着を行い、
JIS−C−2318の電極およびキャパシタンス・ブ
リッジを用いて100℃、1kHzにおける値を測定し
た。
【0077】12.ピンホール マジックインキ(登録商標)を試薬特級エタノールで1
0倍に希釈した液を感熱紙上に密着させた試料フィルム
の上に滴下し、エアーブラシで全体に広げ、感熱紙側に
転写したピンホール箇所の個数を数え、3000cm2
当りの個数を計算した。
【0078】13.フィルム厚み 試料フィルムの幅をW(cm)、長さをl(cm)、重
量をG(g)、密度をd(g/cm3)としたとき、フ
ィルム厚みt(μm)を下記式で算出した。
【0079】
【数14】t=G/(W×l×d)×10000
【0080】14.熱収縮率 試料フィルムに30cm間隔で標線を入れ、加熱オーブ
ン中で張力フリーの状態で一定時間熱処理(150℃、
30分間)後の試料長の変化から下記式によリ求めた。
【0081】
【数15】熱収縮率(%)=(熱処理前の長さ−熱処理
後の長さ)/熱処理前の長さ×100
【0082】15.フィルム中の触媒量、アルカリ金属
量 試料フィルムを、蒸留アセトンで2回以上洗浄乾燥の
後、0.200g採取した。次に、試薬特級の硫酸、硝
酸等で湿式分解し、イオン交換蒸留水を20ml加え、
試料液とした。この試料液を高周波プラズマ発光分光分
析装置(ジヤーレルアッシュ製、Atomu Comp
Siries 800)にて金属定性定量分析を行な
った。
【0083】[実施例1〜5]2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルを表1に記載
の量添加し、エチレングリコール60部の混合物に、酢
酸マンガン・4水塩0.03部を添加し、150℃から
240℃に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行っ
た。途中反応温度が170℃に達した時点で三酸化アン
チモン0.024部を添加し、さらに表1記載の平均粒
径を有する球状シリカ(A)および(B)を表1記載の
量添加して、次いで220℃に達した時点で3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩0.042部(2mmol%に相当)を添加した。
【0084】引き続いてエステル交換反応を行い、エス
テル交換反応終了後燐酸トリメチル0.023部を添加
した。その後反応生成物を重合反応器に移し、290℃
まで昇温し、0.2mmHg以下の高真空下にて重縮合
反応を行って25℃のo−クロロフェノール溶液で測定
した固有粘度が0.61dl/g、DEG共重合量1.
1モル%のポリエチレン−2,6−ナフタレート共重合
体ポリマーを得た。
【0085】このポリマーを170℃において6時間乾
燥させた後、押出機に供給し、溶融温度310℃で溶融
し、開度1mmのスリット状ダイを通して、表面仕上げ
0.3S、表面温度50℃の回転ドラム上に押出し、未
延伸フィルムを得た。
【0086】こうして得られた未延伸フィルムを140
℃で縦方向に3.6倍に延伸し、次いで140℃で横方
向に3.9倍延伸し、さらに220℃で5秒間熱固定処
理し、厚み1.5μmの二軸配向共重合ポリエチレン−
2,6−ナフタレートフィルムを得た。フィルム中のM
nは50ppm、Sbは300ppm、Pは50pp
m、アルカリ金属量は0ppmであり、フィルムの25
℃のo−クロロフェノール溶液で測定した固有粘度が
0.55dl/gであった。
【0087】これらのフィルムの特性を表1に示す。表
1から明らかなように、本発明のコンデンサ用ポリエス
テルフィルムは製膜性、スリット性に優れ、コンデンサ
用フィルムとして優れた特性を有するものであった。
【0088】[比較例1]イソフタル酸成分を含有しな
いこと以外は実施例1と同様にして厚み1.5μmの二
軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを
得た。このフィルムの特性を表1に示す。スリット性が
不満足であった。
【0089】[比較例2]球状シリカ(A)を添加せ
ず、球状シリカ(B)は表1に示す粒径のものを、表1
に示す量添加した。それ以外は実施例1と同様にして厚
み1.5μmの二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−
ナフタレートフィルムを得た。このフィルムの特性を表
1に示す。滑り性不良で巻取りは困難を極めた。
【0090】[比較例3]平均粒径の大きい球状シリカ
(A)のみを添加した(表1)。それ以外は実施例1と
同様にして厚み1.5μmの二軸配向共重合ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。このフィル
ムの特性を表1に示す。製膜時の切断が多く、ピンホー
ルが多かった。
【0091】[比較例4]実施例1の4級ホスホニウム
塩に代えてナトリウム塩(Na20ppm)を添加し
た。それ以外は実施例1と同様にして厚み1.5μmの
二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
ィルムを得た。このフィルムの特性を表1に示す。10
0℃における誘電正接が大きく、CR値が低く、コンデ
ンサ用として不適である。
【0092】[比較例5]イソフタル酸成分を12モル
%とした以外は実施例1と同様にして厚み1.5μmの
二軸配向共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
ィルムを得た。このフィルムの特性を表1に示す。フィ
ルム破断が発生し、製膜性が不良であった。
【0093】[比較例6]エステル交換反応時DEG量
を4モル%となるように添加した。それ以外は実施例1
と同様にして厚み1.5μmの二軸配向共重合ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。このフィ
ルムの特性を表1に示す。絶縁破壊電圧が低くまた、1
00℃における誘電正接が大きく、コンデンサ用として
不適である。また張力をかけると伸び易い欠点を有す
る。
【0094】
【表1】
【0095】
【発明の効果】本発明は、次のような優れた効果を持
ち、極薄フィルムを必要とするコンデンサ用ポリエステ
ルフィルムとして好適に用いられる。 (1)製膜時並びにスリット時の破断がなく、極薄フィ
ルムの製膜に有用であり、スペースファクターが小さい
のでコンデンサの大容量化が可能である。 (2)フィルム表面が適度に粗面化されており、フィル
ムの滑り性が良好で、製膜時、加工時の作業性に優れ
る。 (3)触媒量、金属量が適量で絶縁抵抗が高く、CR特
性が優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 4/18 330 H01G 4/18 330Z Fターム(参考) 4F071 AA45 AB26 AF39Y AF61Y AH12 BB08 BC01 BC14 BC16 4J002 CF081 DA118 DD079 DE099 DE129 DE249 DJ016 DJ017 EG049 EW049 FA086 FA087 GQ00 GQ01 4J029 AA03 AB07 AC02 AE03 AE18 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA09 BA10 BB12A BB13A BD03A BD04A BF08 BF09 CA04 CA06 CB05A CB06A CC05A CC06A HA01 HB03A JF011 JF471 JF541 KB02 KE02 KE03 KH01 5E082 BC31 BC32 EE05 EE37 FF14 FF15 FG06 FG19 FG22 FG36 FG48 FG54 MM11 MM23 MM24 PP01 PP03 PP04 PP08 PP09 PP10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子を含有するポリエステルを主成分
    とするポリエステルフィルムであって、該ポリエステル
    がエチレン−2,6−ナフタレートを主たる繰返し単位
    とし、全ジカルボン酸成分の総量に対しイソフタル酸成
    分が0.1〜10モル%、全グリコール成分の総量に対
    しジエチレングリコール成分が0〜3モル%共重合され
    たポリエステルであり、該ポリエステルが粒径比(長径
    /短径)1.0〜1.2、平均粒径0.5〜5μmの球
    状シリカ微粒子(A)を0.1〜2重量%、粒径比(長
    径/短径)1.0〜1.2、平均粒径0.01〜1μm
    の球状シリカ微粒子(B)を0.1〜2重量%、アルカ
    リ金属を10ppm以下の量含有し、フイルムのスペー
    スファクターが3〜23%、フイルム表面の1.5μm
    以上の高さの突起が50個/cm2以下であることを特
    徴とするコンデンサ用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルがマンガン化合物、アンチ
    モン化合物及びリン化合物を下記式(1)、(2)及び
    (3)を満たす量含有し、ポリエステルの固有粘度が
    0.40dl/g以上であり、かつフィルムが厚み0.
    2〜20μm、熱収縮率3%以下、絶縁破壊電圧260
    V/μm以上、ピンホール個数0.1個/cm2以下で
    ある請求項1記載のコンデンサ用ポリエステルフィル
    ム。 【数1】30≦Mn≦100………(1) 【数2】150≦Sb≦450……(2) 【数3】20≦P≦100…………(3) [(1)〜(3)式中、Mn、Sb及びPは、ポリエス
    テル中のマンガン元素、アンチモン元素及びリン元素の
    量(ppm)をそれぞれ表わす。]
  3. 【請求項3】フィルムのCR値が10000ΩF以上で
    ある請求項1または2記載のコンデンサ用ポリエステル
    フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2010265459A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Mitsubishi Polyester Film Gmbh 脱カルボキシル化触媒を含有する二軸延伸ポリエステルフィルム、その製造方法およびその使用

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