JP2002332335A - ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム - Google Patents

ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム

Info

Publication number
JP2002332335A
JP2002332335A JP2001137132A JP2001137132A JP2002332335A JP 2002332335 A JP2002332335 A JP 2002332335A JP 2001137132 A JP2001137132 A JP 2001137132A JP 2001137132 A JP2001137132 A JP 2001137132A JP 2002332335 A JP2002332335 A JP 2002332335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyalkylene naphthalate
composition
naphthalate
polyalkylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001137132A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kameoka
晃 亀岡
Nobuo Minobe
信夫 見延
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2001137132A priority Critical patent/JP2002332335A/ja
Publication of JP2002332335A publication Critical patent/JP2002332335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアルキレンナフタレート中に発生する熱
劣化物や金属成分の蓄積物を抑制し、フィルムにしたと
きに触媒の析出に起因した表面の平坦性悪化も抑制し
た、特に磁気記録媒体のベースフィルムに好適な、ポリ
アルキレンナフタレート組成物の提供。 【解決手段】 チタン化合物を主たる触媒として製造さ
れたポリアルキレンナフタレートからなる樹脂組成物で
あって、ジエチレングリコールの含有量が2重量%以下
で、かつ、樹脂組成物に含有されるリン化合物とチタン
化合物の量が、以下の一般式 【数1】2<Ti≦15 ・・・(1) 【数2】1.0≦(P/Ti)≦20・・・(2) (式中、TiおよびPは、ポリアルキレンナフタレート
の全酸成分のモル数を基準としたときの、それぞれチタ
ン元素およびリン元素の割合(単位:mmol%)を示
す。)を具備するポリアルキレンナフタレ−ト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアルキレンナフ
タレート組成物及びそれからなるフィルムに関し、さら
に詳しくは、高温で使用した場合もポリエステルに起因
する劣化物発生が少なく、表面の平坦性および厚みの均
一性に優れた、特に磁気記録媒体のベースフィルムに好
適なポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからな
るフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアルキレンナフタレートは、優れた
物理的および化学的性質を有することから、繊維、フィ
ルム、樹脂等に利用されている。中でもポリエチレンナ
フタレートは、強度、耐熱性、耐薬品性等の諸特性と生
産コストとを両立し得るポリマーとして、多く利用され
ており、例えば写真用フィルムや磁気テープ用フィルム
に好適に使用されている。
【0003】ポリエチレンナフタレートフィルムは、通
常ポリエチレンナフタレートを口金より溶融押出し、押
出したフィルム状溶融物を回転冷却ドラム表面で急冷し
て未延伸フィルムとし、続いて該未延伸フィルムを縦方
向(フィルムの製膜方向)および横方向(フィルムの製
膜方向および厚み方向に直交する方向で、フィルムの幅
方向と称することもある。)に延伸して製造される。な
お、回転冷却ドラム表面で冷却する際、フィルムの表面
欠点を無くし厚みの均一性を高める為に、フィルム状溶
融物と回転冷却ドラムの表面との密着性を高めることが
好ましい。そして、該密着性を高める方法としては、口
金から押出されたフィルム状溶融物が回転冷却ドラムの
表面に接する点またはその近傍で、かつ、フィルム状溶
融物のドラム側とは異なる側の空間に、フィルム状溶融
物の幅方向に沿って、ワイヤー状の金属電極(以下、静
電ワイヤーという)を設け、該電極に電圧を印加してフ
ィルム状溶融物の表面に静電荷を印加させる方法(以
下、静電キャスト法という)が知られている。
【0004】ところで、フィルムの製膜において、生産
性を高めて製造コストを低減することは、フィルム品質
の向上とともに重要な課題であるが、製膜を長時間継続
すると経時でフィルム表面に筋状欠点が発生してくる。
そして、このような筋状欠点(以下、ダイ筋と略す)が
発生するとフィルム製品化が困難になるとともに、口金
部分の清掃作業が必要となり大幅な生産性悪化を惹起す
る。ダイ筋の大きな原因は、口金部分及びその周辺に発
生する異物であり、主な異物因は、ポリエステルの熱劣
化物、ポリエステル中の金属成分の経時に伴う蓄積物ま
たはこれらの複合である。したがって、フィルムの生産
性向上や製造コスト低減といったことから、ポリエステ
ルの熱劣化物やポリエステル中の金属成分の蓄積物の発
生を抑制することが求められてきている。
【0005】また、製膜工程での生産性をさらに高める
ために、回転冷却ドラムの周速を速くして製膜速度を向
上させることも求められてきている。しかし、前記の静
電キャスト法において回転冷却ドラムの周速を速めてい
くと、フィルム状溶融物の表面における単位面積当りの
静電荷量が少なくなり、回転冷却ドラムとの密着性が低
下する。回転冷却ドラムの周速度を速めた状態で密着性
を維持するには、まず前記電極に印加する電圧を高めて
フィルム状溶融物上に析出させる静電荷量を多くするこ
とが考えられる。しかし、印加電圧を高めすぎると、電
極と回転冷却ドラムの間にアーク放電が生じて冷却ドラ
ム面上のフィルム状溶融物が破壊されたり、ひどい場合
は冷却ドラム表面に損傷を与えることもある。したがっ
て、印加電圧の調整だけで製膜速度の高速化を図ること
は、実質上不可能である。
【0006】そこで、このような静電キャスト法の限界
を克服し、製膜速度を向上させる方法として、溶融ポリ
マーの比抵抗または交流体積抵抗率を下げる方法が提案
されている。具体的には、アルカリ金属化合物またはア
ルカリ土類金属化合物をポリマーに含有させて、ポリマ
ーの比抵抗を1010Ωcm以下にする方法、または、ポ
リマーの重合鎖体中に酸成分に対し0.1〜45mmo
l%のエステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホ
スホニウム塩を含有させて、溶融ポリマーの交流体積抵
抗率の値を6.5×108Ωcm以下にする方法(特公
平7−5765号公報)が提案されている。
【0007】さらにまた、ビデオ用蒸着テープに代表さ
れるような高密度磁気記録媒体に用いるフィルムは、通
常の磁気記録媒体では許容されるレベルの微小突起でも
エラー(ドロップアウト)を発生することがあり、より
表面の平坦性及び厚みの均一性高められたフィルムが求
められてきている。通常、ポリエステルの製造反応は触
媒の存在下で行われ、アンチモン化合物(触媒)は、重
縮合反応速度が速く、得られるポリエステルに高い熱安
定性、少ない末端カルボキシル基量、高い軟化点などの
優れた諸特性を付与しやすいことから広く用いられてき
ている。しかし、アンチモン化合物など多くの触媒は、
ポリマー及びフィルムの製造過程で析出することが多
く、口金部分の異物因となったり、また析出粒子がフィ
ルム表面に小さい突起を形成し、表面欠点のトラブルを
惹起することが、特開平8−53541号公報などで提
起されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、ポリアルキレンナフタレート中に発生する熱劣化物
や金属成分の蓄積物を抑制し、かつ、フィルムにしたと
きに触媒の析出に起因した表面の平坦性悪化も抑制し
た、特に磁気記録媒体のベースフィルムに好適な、ポリ
アルキレンナフタレート組成物およびそれからなるフィ
ルムを提供することにある。
【0009】また、本発明の第2の目的は、第1の課題
に加えて、フィルムの製膜工程における冷却ドラムとの
密着性をさらに高めることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記第1
の目的を達成しようと鋭意研究した結果、触媒残渣の析
出が少ないチタン化合物を特定の割合でリン化合物と併
用し、かつ、ポリアルキレンナフタレート組成物中のジ
エチレングリコール量を2重量%以下とするとき、高温
で使用してもポリエステルに起因する劣化物の発生が少
ない優れた耐熱性と、フィルムにすると極めて凹凸の少
ない表面が得られる平坦性とを具備するポリアルキレン
ナフタレート組成物が得られることを見出し、本発明に
到達した。
【0011】かくして本発明によれば、本発明の第1の
目的は、チタン化合物を主たる触媒として製造されたポ
リアルキレンナフタレートからなる樹脂組成物であっ
て、ジエチレングリコールの含有量が、樹脂組成物の重
量を基準として、2重量%以下で、かつ、樹脂組成物に
含有されるリン化合物とチタン化合物の量が、以下の一
般式
【0012】
【数4】2≦Ti≦15 ・・・(1)
【0013】
【数5】1.0≦(P/Ti)≦20・・・(2) (式中、Ti、PおよびMは、ポリアルキレンナフタレ
ートの全酸成分のモル数を基準としたときの、それぞれ
チタン元素およびリン元素の割合(単位:mmol%)
を示す。)を同時に満足することを特徴とするポリアル
キレンナフタレ−ト組成物によって達成される。
【0014】また、本発明によれば、本発明の第2の目
的は、本発明の第1の目的を達成する樹脂組成物に、ポ
リアルキレンナフタレ−ト組成物がスルホン酸4級ホス
ホニウム塩化合物を含有し、かつ、その含有量が、以下
の一般式
【0015】
【数6】0.01<S≦10 ・・・(3) (式中、Sは、ポリアルキレンナフタレートの全酸成分
のモル数を基準としたときの、スルホン酸4級ホスホニ
ウム塩化合物の割合(単位:mmol%)を示す)を満
足させることで達成される。
【0016】さらにまた、本発明によれば、本発明のポ
リアルキレンナフタレート組成物の好ましい態様とし
て、差動走査熱量計を用いて測定した降温結晶化温度が
160℃以下で、かつ、該降温結晶化に要する熱量が1
0J/g以下であるポリアルキレンナフタレ−ト組成物
も提供され、これらの本発明のポリアルキレンナフタレ
−ト組成物は磁気記録媒体用として好適に用いることが
できる。
【0017】さらにまた、本発明によれば、少なくとも
一方の表面が、これらの本発明のポリアルキレンナフタ
レ−ト組成物からなる、特に高密度の磁気記録媒体のベ
ースフィルムに好適な、二軸配向フィルムも提供され
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリアルキレンナ
フタレート組成物について説明する。
【0019】本発明のポリアルキレンナフタレート組成
物を構成するポリアルキレンナフタレートは、ナフタレ
ンジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコール
を主たるグリコール成分とする、実質的に線状でフィル
ム形成性、特に溶融成形に対するフィルム形成性を有す
るポリエステルである。なお、ここでいう、主たると
は、それぞれ70mol%以上、好ましくは80mol
%以上がナフタレンジカルボン酸成分または脂肪族グリ
コール成分であることを意味する。
【0020】前述のポリアルキレンナフタレートを構成
する具体的な酸成分は、2,6−ナフタレンジカルボン
酸成分および2,7−ナフタレンジカルボン酸成分が好
ましく例示でき、特に優れた機械的および化学的特性が
得られる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好まし
い。なお、エステル交換法によってポリアルキレンナフ
タレートを製造する場合は、これらのジカルボン酸のエ
ステル形成性誘導体(例えば、低級アルキルエステル)
を原料として用いればよい。このエステル形成性誘導体
としては、例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,
7−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等を挙げることが
でき、中でも工業的に容易に入手できることから、2,
6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルが好ましい。
【0021】また、前述のポリアルキレンナフタレート
を構成する具体的なグリコール成分は、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールなどの炭素数2〜10のポリ
メチレングリコールあるいは1,4−シクロヘキサンジ
メタノールなどの脂環族ジオールを例示することがで
き、中でも優れた機械的および化学的特性が得られるこ
とからエチレングリコールが好ましい。
【0022】本発明におけるポリアルキレンナフタレー
トは、表面平坦性や耐熱劣化性などの物性を損なわない
範囲で、少量の共重合成分(第三成分)を共重合したコ
ポリマーでもよい。好ましい第三成分としては、グリコ
ール成分がエチレングリコールを主成分とする場合、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールなどを、酸成分が2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を主成分とする場合、テレフタル
酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などを
例示できる。これらのコポリマーの中では、テレフタル
酸またはイソフタル酸成分を、全酸成分のモル数を基準
としたとき、20mol%以下、さらには10mol%
以下の範囲で共重合したものが好ましい。また、これら
の第3成分以外に、ヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オ
キシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ
酸など、オキシカルボン酸に由来する成分も、表面平坦
性や耐熱劣化性などの物性を損なわない限り、含んでい
てもかまわない。もちろん、本発明におけるポリアルキ
レンナフタレートは、表面平坦性や耐熱劣化性などの物
性を損なわない限り、光安定剤、酸化防止剤、遮光剤な
どの機能性を付与するための各種添加剤を含有させても
よい。
【0023】本発明におけるポリアルキレンナフタレー
トは、o−クロロフェノール中の溶液として、35℃で
測定した固有粘度が、0.4〜0.9cm3/gの範囲
にあるものが、優れた機械的および化学的特性を有する
フィルムを得られることから好ましい。なお、特に断ら
ない限り、本発明における固有粘度は、o−クロロフェ
ノール中の溶液として35℃で測定した値を意味する。
【0024】本発明におけるポリアルキレンナフタレー
トは、それ自体公知のポリエステルを製造する方法で製
造できる。例えば、ナフタレンジカルボン酸エステルと
グリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合反応
を行う方法、または、ナフタレンジカルボン酸とグリコ
ールとを脱水反応、いわゆる直接エステル化反応させた
後、重縮合反応を行う方法を採用すればよい。本発明に
おいて好ましいのは前者の製造方法であり、特にナフタ
レンジカルボン酸のエステル形成性誘導体と脂肪族グリ
コールとをエステル交換触媒の存在下で加熱してエステ
ル交換反応を行い、次いで重縮合反応触媒の存在下で重
縮合反応を行う方法である。
【0025】ところで、本発明のポリアルキレンナフタ
レ−ト組成物の最大の特徴は、組成物を構成するポリア
ルキレンナフタレートがチタン化合物を主たる触媒とし
て製造されたもので、該組成物の重量を基準として、ジ
エチレングリコールの含有量が高々2重量%で、かつ、
該樹脂組成物中のチタン化合物およびリン化合物の含有
量が、それぞれ以下の一般式
【0026】
【数7】2≦Ti≦15 ・・・(1)
【0027】
【数8】1.0≦(P/Ti)≦20・・・(2) (式中、TiおよびPは、ポリアルキレンナフタレート
の全酸成分のモル数を基準としたときの、それぞれチタ
ン元素およびリン元素の割合(単位:mmol%)を示
す。)を同時に満足することにある。
【0028】ここでいう、チタン化合物を主たる触媒と
して製造されたものとは、エステル交換反応や重縮合反
応に用いた全触媒中の金属元素のモル数を基準として、
触媒として用いたチタン化合物中のチタン元素のモル数
が、50モル%以上であることを意味する。すなわち、
本発明は、エステル交換反応や重縮合反応に用いる触媒
の50モル%以上(金属元素量換算)を、析出を抑制し
やすいチタン化合物とすることで、フィルムにしたとき
に触媒の析出による表面の平坦性悪化が抑制したもので
ある。そのため、エステル交換反応や重縮合反応に用い
る触媒の50モル%以上(金属元素量換算)がチタン化
合物以外の触媒である場合は、フィルムにしたときの触
媒の析出による表面の平坦性悪化を抑制する効果がほと
んど発現されない。好ましいチタン化合物の量は、上述
の金属元素量換算で70モル%以上、特に90モル%以
上である。
【0029】本発明におけるポリアルキレンナフタレ−
ト組成物が含有するジエチレングリコール量は、樹脂組
成物の重量を基準として、高々2重量%、好ましくは
1.7重量%以下、特に好ましくは1.5重量%以下で
ある。該ジエチレングリコール量が2重量%を超える
と、該組成物を高温で保持した際の劣化物の生成が大き
くなり、ダイ筋などが発生する。他方、該ジエチレング
リコール量の下限は、少ないほど好ましく、特に制限は
されない。該組成物中のジエチレングリコール量を2.
0重量%以下にする方法は、該組成物中のチタン化合物
およびリン化合物の量を前述の範囲にすることが挙げら
れ、エステル交換反応を経由して重縮合反応を行なうエ
ステル交換法の場合は、エステル交換反応が終了してか
ら重縮合反応の減圧開始までの時間を好ましくは30分
以内、特に好ましくは20分以内にすることや高温反応
下でのエチレングリコールの飛散速度を早めることが有
効である。
【0030】本発明におけるポリアルキレンナフタレ−
ト組成物が含有するチタン化合物量は、ポリアルキレン
ナフタレートの全酸性分のモル数を基準として、チタン
元素量(Ti)で15mmol%以下、好ましくは12
mmol%以下、特に好ましくは9mmol%以下であ
る。該チタン元素量が15mmol%を超えると、ポリ
エステルの合成時に副生するジエチレングリコール量が
増加したり、ポリマーを溶融した時の固有粘度が著しく
低下するといった問題を生じる。他方、チタン元素量
が、前記元素量の比で2mmol%未満だと、チタン化
合物の触媒としての効果がほとんど発現されず、所望の
重合度のポリアルキレンナフタレートを効率的に製造で
きない。
【0031】本発明におけるポリアルキレンナフタレ−
ト組成物が含有するリン化合物の量は、チタン化合物と
の比で、特定の範囲にあることが必要である。具体的に
は、ポリアルキレンナフタレートの全酸性分のモル数を
基準として、樹脂組成物中に含有されるリン元素量
(P)をチタン元素量(Ti)で割ったモル比(P/T
i)が、1.0〜20、好ましくは1.5〜15、特に
好ましくは2〜10の範囲にある。該モル比が20を超
えると、ポリエステル合成時に副生するジエチレングリ
コール量が増加したり、フィルムとした際に表面が粗れ
る。他方、該モル比が1.0未満だと、該樹脂組成物を
高温で保持した際の劣化物の生成が多く、ダイ筋が発生
する。
【0032】本発明におけるチタン化合物としては、チ
タニウムテトラブトキサイド,トリメリット酸チタン,
テトラエトキシチタン,硫酸チタン,塩化チタンなどが
好ましく挙げられる。また、本発明におけるリン化合物
としては、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリフェニル、酸性リン酸メチルエステル、
亜リン酸、亜リン酸トリメチル、メチルホスホン酸、フ
ェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、メチルホスホ
ン酸メチルエステル、フェニルホスホン酸エチルエステ
ル、ベンジルホスホン酸フェニルエステル、トリメチル
ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブ
チルホスフェートなどが好ましく挙げられる。なお、こ
れらの化合物はグリコールに可溶なものが好ましく、そ
れぞれ2種類以上併用してもよい。
【0033】本発明におけるチタン化合物の添加時期
は、製造するポリマーの固有粘度が0.2cm3/gに
到達するまでの間であり、エステル交換反応を経由して
重縮合反応を行なうエステル交換法では、エステル交換
反応の開始前に、エステル交換反応触媒として添加して
もよい。また、エステル交換反応触媒としてチタン化合
物を添加する場合は、反応を加圧下で行うことが、チタ
ン化合物の添加量を少なくすることができることから好
ましい。なお、チタン化合物は、一括でも何段階かに分
割して添加してもよい。
【0034】本発明におけるリン化合物の添加時期は、
エステル交換反応またはエステル化反応が実質的に終了
した後であればいつでもよく、例えば、重縮合反応を開
始する以前の大気圧下でも、重縮合反応を開始した後の
減圧下でも、重縮合反応の末期でもまた、重縮合反応の
終了後、すなわちポリマーを得た後に添加してもよい。
なお、チタン化合物は重縮合反応触媒としても機能し、
リン化合物はチタン化合物の重合活性を失活させること
から、リン化合物の添加時期を遅らせることは、重縮合
反応に必要な時間を短縮できることから好ましい。ま
た、リン化合物は、一括でも何段階に分割して添加して
もよい。つぎに、本発明の樹脂組成物の好ましい態様に
ついて、詳述する。
【0035】本発明のポリアルキレンナフタレート組成
物は、回転冷却ドラムとの密着性を高められることか
ら、スルホン酸4級ホスホニウム塩化合物を含有し、そ
の含有量が、以下の一般式
【0036】
【数9】0.01<S≦10 ・・・(3) (式中、Sは、ポリアルキレンナフタレートの全酸成分
のモル数を基準としたときの、スルホン酸4級ホスホニ
ウム塩化合物の割合(単位:mmol%)を示す)を満
足することが好ましい。
【0037】ポリアルキレンナフタレート組成物が含有
するスルホン酸4級ホスホニウム塩化合物の含有量が1
0mmol%を超える場合、製膜工程における静電ワイ
ヤー部分での汚れがひどく、頻繁に清掃を行う必要があ
り生産上好ましくなく、他方、0.01mmol%以下
の場合、フィルム状溶融物の回転冷却ドラル面への静電
密着性の向上効果が乏しいものとなる。本発明における
ポリアルキレンナフタレート組成物が含有するスルホン
酸4級ホスホニウム塩化合物の含有量(S)は、より好
ましくは0.2〜80mmol%の範囲、特に好ましく
は0.5〜50mmol%の範囲である。また、本発明
における含有されるスルホン酸4級ホスホニウム塩化合
物は、ポリアルキレンナフタレートと化学的結合を有す
る、すなわち、共重合したものでも、ポリアルキレンナ
フタレートに化学的結合を介さずに混合されたものでも
よい。なお、ポリアルキレンナフタレートと共重合させ
るスルホン酸4級ホスホニウム塩化合物としては、エス
テル形成性官能基を有するものが好ましく、例えば下記
の一般式で表わされる化合物が好ましく挙げられる。
【0038】
【化1】
【0039】ここで、上記一般式中の、Aは炭素数6〜
18の芳香環を含む基であり、具体的にはベンゼン骨
格、ナフタレン骨格あるいはビフェニル骨格を含む基を
好ましく挙げることができる。なお、該芳香環は、
1、Y2及びスルホン酸4級ホスホニウム塩基のほか
に、例えば炭素数1〜12のアルキル基などで芳香核水
素が置換されたものであってもよい。また、上記一般式
中の、Y1及びY2はそれぞれ水素原子またはエステル形
成性官能基であるが、同時に水素原子であることはな
く、具体的なエステル形成性官能基としては、−COO
H、−COOR5、−OCOR5、−(CH2mOH、−
(OCH2mOHなど(ここで、R5はメチル、エチ
ル、プロピルまたはブチルを、また、mは1〜6の整数
を示す。)を挙げることができる。さらにまた、上記一
般式中の、nは1または2の整数で、R1、R2、R3
よびR4は、それぞれ炭素数1〜18のアルキル基、ベ
ンジル基または炭素数6〜12のアリール基で、具体的
には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル、
ステアリル、フェニル、ナフチル、ビフェニルなどを好
ましく挙げることができる。なお、R1、R2、R3およ
びR4は同一でも互いに異なるものでもよい。
【0040】本発明におけるスルホン酸4級ホスホニウ
ム塩の好ましい具体例としては、3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,
5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチル
ホスホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸ベンジルトリブチルホスホニウム塩、3,5−ジカ
ルボキシベンゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホ
ニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テ
トラフェニルホスホニウム塩、3,5−ジカルボキシベ
ンゼンスルホン酸ブチルトリフェニルホスホニウム塩、
3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼ
ンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3,5
−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブ
チルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼ
ンスルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、3,
5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼン
スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5−ジ
(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホ
ン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3−
ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホ
ニウム塩、3−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニ
ル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
3−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼン
スルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、4−ジ(β
−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム塩、ビスフェノールA−3,
3−ジ(スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩)、
2,6−ジカルボキシナフタレン−4−スルホン酸テト
ラブチルホスホニウム塩などを挙げることができる。な
お、これらのスルホン酸4級ホスホニウム塩は、二種以
上を併用してもよい。
【0041】本発明において、上述のスルホン酸4級ホ
スホニウム塩をポリアルキレンナフタレートに含有させ
た樹脂組成物は、溶融時の交流体積抵抗率が2.0×1
8Ω・cm以下であることが好ましい。溶融時の交流
体積抵抗率が2.0×108Ω・cm以下であると、比較
的速く回転する冷却ドラム上にも密着するに十分な電荷
量を溶融状態のフィルム状物に付与することができ、本
発明のひとつの目的である製膜速度の向上を達成するこ
とができる。好ましい溶融時の交流体積抵抗率の値は
6.0×106〜2.0×108Ω・cmの範囲である。な
お、溶融時の交流体積抵抗率が2.0×108Ω・cm以
下にするには、ポリアルキレンナフタレートに添加する
上述のスルホン酸4級ホスホニウム塩の種類および添加
量を適宜選択すればよい。また、スルホン酸4級ホスホ
ニウム塩をポリアルキレンナフタレートに含有させる方
法は、効率良く含有させる方法であればどのようなもの
でも採用でき、スルホン酸4級ホスホニウム塩を均一に
分散できることから、ポリアルキレンナフタレートの合
成が終了する迄の任意の段階で添加するのが好ましく、
特にポリアルキレンナフタレートの重縮合反応開始前に
添加するのが好ましい。もちろん、スルホン酸4級ホス
ホニウム塩を高濃度で含有するポリアルキレンナフタレ
ートとスルホン酸4級ホスホニウム塩成分を含有しない
ポリアルキレンナフタレートとをブレンドした後に、溶
融押出ししてフィルムなどに成形してもよく、スルホン
酸4級ホスホニウム塩を低濃度で含有するかもしくは含
有しないポリアルキレンナフタレートに、溶融押出し直
前にスルホン酸4級ホスホニウム塩をドライブレンドし
て所定の含有量とした後に、溶融押出ししてフィルムな
どに成形してもよい。
【0042】本発明のポリアルキレンナフタレート組成
物は、主たる触媒としてチタン化合物を採用しているこ
とから、フィルムとしたときに表面の平坦なものが得ら
れるが、磁気記録媒体のベースフィルムとする場合は、
より平坦な表面が求められることから、差動走査熱量計
を用いて測定した降温結晶化温度が160℃以下で、そ
の降温結晶化に要する熱量が10J/g以下であること
が好ましい。本発明のポリアルキレンナフタレート組成
物に、このような降温結晶化温度および降温結晶化に要
する熱量を具備させることで、その理由は定かではない
が、フィルム製膜時の熱固定の際の表面平坦安定性を向
上でき、超平坦な表面のフィルムを製造することができ
る。特に好ましい降温結晶化温度の上限は、140℃以
下であり、降温結晶化温度の下限は特に限定されない
が、好ましくは100℃以上である。また、より好まし
い降温結晶化に要する熱量の上限は、3J/g以下、特
に1J/g以下であり、降温結晶化に要する熱量の下限
は特に制限されないが、好ましくは0.01J/g以上
である。このような降温結晶化温度や降温結晶化に要す
る熱量をポリアルキレンナフタレート組成物に満足させ
るには、結晶核となる微細な粒子、例えば、触媒起因の
析出粒子、原料から混入する不純物粒子を取り除けばよ
い。
【0043】本発明のポリアルキレンナフタレート組成
物は、含有するオリゴマー量が0.6重量%以下である
ことが好ましく、特に0.5重量%以下であることが好
ましい。ポリアルキレンナフタレート組成物中のオリゴ
マー量が0.6重量%を超えると、フィルム製膜時の熱
固定工程などで、フィルム表面にオリゴマーが多量にブ
リードアウトする。ポリアルキレンナフタレート組成物
中のオリゴマー量を減らす方法としては、重縮合反応に
よって得られたポリアルキレンナフタレートのペレット
を、固相重合した後水処理する方法が好ましく挙げら
れ、該方法によると溶融時に再生するオリゴマー量を抑
制することができる。つぎに、本発明のポリアルキレン
ナフタレートフィルムについて、詳述する。
【0044】本発明のポリアルキレンナフタレートフィ
ルムは、前述の本発明のポリアルキレンナフタレート組
成物からなる層を少なくとも一方の表面に有するもので
ある。具体的には、前述の本発明のポリアルキレンナフ
タレート組成物からなる単層のフィルム、一方の表面が
前述の本発明のポリアルキレンナフタレート組成物から
なるようにそれとは異なる他の熱可塑性樹脂組成物を積
層した2層以上の積層フィルム、または、両方の表面が
前述の本発明のポリアルキレンナフタレート組成物から
なるようにそれとは異なる他の熱可塑性樹脂組成物から
なる層を積層した3層以上の積層フィルムなどが挙げら
れる。
【0045】本発明のポリアルキレンナフタレートフィ
ルムは、前述の触媒に基因するポリマー不溶物が無いか
その量が極めて少ない樹脂組成物で一方の表面が形成さ
れていることから、少なくとも片面は表面が極めて平坦
であり、しかも、該樹脂組成物が高温で保持した際のポ
リマー起因による劣化物が発生し難いという特性を有す
ることから、生産性よくフィルムに製膜することがで
き、製膜中にダイ筋などのフィルム表面の平坦性を乱す
工程不良も抑制されたものである。したがって本発明の
ポリアルキレンナフタレートフィルムは、ベースフィル
ムに特に平坦な表面を要求する磁気記録媒体に好適に使
用でき、かつ、そのような要求に答えるフィルムを高い
生産性で製造することができる。しかも、本発明のポリ
アルキレンナフタレート組成物にスルホン酸4級ホスホ
ニウム塩化合物を含有させることでさらにフィルムの生
産性を高めることができ、また、特定の降温結晶化特性
を本発明のポリアルキレンナフタレート組成物に具備さ
せることでより平坦な表面が要求される高密度磁気記録
媒体のベースフィルムとして好適に使用することができ
る。
【0046】本発明のポリアルキレンナフタレートフィ
ルムの製造方法は特に制限されないが、例えば、以下の
方法で製造できる。まず、乾燥したポリアルキレンナフ
タレートを、(Tm)〜(Tm+65)℃(Tmはポリ
アルキレンナフタレートの融点℃である)の温度範囲で
シート状に回転冷却ドラム上に溶融押出し、急冷固化し
て未延伸フィルム(シート)を得る。次いで、該未延伸
フィルムを縦方向(フィルムの製膜方向)に延伸した
後、横方向(フィルムの製膜方向および厚み方向に直交
する方向で、フィルムの巾方向と称することもある。)
に延伸する、いわゆる、縦・横逐次二軸延伸法(縦方向
と横方向の延伸の順序は逆でもよく、また、さらに縦方
向または横方向に再度延伸するものでもよい。)、また
は、縦方向と横方向に同時に延伸する、いわゆる、同時
二軸延伸法で延伸する。この際の延伸温度は70〜18
0℃の範囲が好ましく、また、延伸倍率は面積延伸倍率
で9〜35倍の範囲が好ましい。
【0047】本発明のポリアルキレンナフタレートフィ
ルムは、既述の通り、単層フィルムでも、2層以上の積
層フィルムでもよいが磁気記録媒体としたときの、磁性
層が形成される側の面と磁性層が形成されない側、すな
わち走行する側の面との表面の凹凸を調整しやすいこと
から、好ましくは2層以上の積層フィルムである。この
場合、本発明のポリアルキレンナフタレート組成物を用
いたフィルム層で、積層フィルムの片面、すなわち、最
外層の少なくとも一方を構成することが、平坦な表面を
有するフィルムを得るために必要であり、特に平坦な表
面が要求される磁性層を設ける側のフィルム層(以下、
磁性層側と略す)に用いることが好ましい。本発明のポ
リアルキレンナフタレートフィルムの(総)厚みは、単
層フィルムでも積層フィルムでも3〜25μm、更には
4〜20μmの範囲が好ましい。
【0048】本発明のポリアルキレンナフタレートフィ
ルムを磁気記録媒体のベースフィルムとする場合、磁性
層側の中心線平均粗さ(RaA)は、10nm以下、更
に3nm以下であることが好ましく、該RaAの下限
は、小さいほど好ましいことから、特に制限はされな
い。また、磁性層側の表面に存在する、長径が10μm
以上の大きさで、高さが100nm以上の微小突起数
は、10個/cm2以下であることが好ましく、他方、
該突起数の下限は、少ないほど好ましいことから、特に
制限はされない。一方、走行面側の中心線平均粗さ(R
aB)は、30nm以下、更に10nm以下であること
が、フィルムの耐ブロッキング性及び巻き取り性の観点
から好ましく、それらの中心線平均粗さの比(中心線平
均粗さ(RaA)/中心線平均粗さ(RaB))は0.
05〜0.8の範囲にあることが好ましい。もちろん、
本発明のポリアルキレンナフタレートフィルムは、その
表面にオリゴマー析出抑制や走行耐久性向上のため、所
望により、本発明の目的を妨げない範囲で、従来からそ
れ自体公知の易滑処理(プライマー層の塗設等)を行な
ってもよい。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。なお、実施例に
おける種々の物性および特性の測定方法、定義は以下の
通りであり、また、「部」は重量部を意味する。
【0050】(1)ポリマーの熱劣化物の生成率 樹脂組成物のサンプルを、180℃で3時間熱風乾燥機
で予備乾燥する。予備乾燥したサンプルは、約2g採取
して精秤(C1)した後、SUS製容器に入れる。SU
S製容器に入れられたサンプルは、窒素雰囲気下、ギャ
−老化試験機(テスター産業[株]製)を用いて、31
0℃で8時間熱処理する。処理したサンプルに、溶解液
(1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール=
50/50(重量比)の混合液で、以下、Esol液と
称することがある。)を加え、ヒーター上で加温してポ
リマーを溶解させる。次にガラスフィルター(SIBA
TA(株)製、型番号11GP60)で未溶解物をろ過
し、更に過剰のEsol液でガラスフィルターを洗浄
し、溶解ポリマー成分を除去する。ろ液中にポリマー成
分がないことを確認した後、メタノールでガラスフィル
ターを洗浄置換し、ろ過残査量を秤量(C2)して、以
下の一般式により熱劣化物生成率を求め、下記の基準で
評価する。
【0051】
【数10】熱劣化物生成率(重量%)=(ろ過残査量C
2/粉砕サンプルC1)×100 ○:熱劣化物生成率が0.5重量%以下で極めて安定な
製膜を長期間行なうことが可能。 △:熱劣化物生成率が0.5重量%を超え1.0重量%
以下の範囲で、短期間なら安定な製膜が可能。 ×:熱劣化物生成率が1.0重量%を超え、不安定な製
膜しか行なえない。
【0052】(2)固有粘度 35℃のo−クロロフェノール溶液中で測定する。
【0053】(3)ポリマー中のジエチレングリコール
量 樹脂組成物のサンプル1gに、ヒドラジン10mlを加
え、1時間ヒーター上で加熱処理する。次に窒素をキャ
リアとして、日立製作所(株)製、ガスクロマトグラフ
ィー(263−50型)を用いて、ジエチレングリコー
ル量を測定する。
【0054】(4)ポリマーの降温結晶化温度及び降温
結晶化に要する熱量 樹脂組成のサンプル10mgを採取し、TA社製、Th
ermal Analyst2200型にて、昇温速度
5℃/minで310℃まで昇温し、310℃で2分間
保持した後、降温速度10℃/minで降温する。そし
て、100℃まで降温する際の結晶化ピークより、降温
結晶化温度及び降温結晶化に要する熱量を求める。
【0055】(5)フィルムの微小突起数 フィルムの一方の表面(好ましくは磁性層側のフィルム
表面)にアルミニウムを0.5μmの厚みで蒸着し、株
式会社ニコン(NIKON CORP.)製の光学顕微
鏡(商品名、OPTIPHOT)を用いて、微分干渉法
により倍率200倍にて1cm×5cmの範囲を観察
し、長径が10μm以上の大きさの突起をマーキングす
る。マーキングした突起をWYKO株式会社製の非接触
三次元粗さ計、商品名「TOPO−3D」を用いて、測
定倍率40倍、測定面積242μm×239μm(0.
058mm2)の条件にて測定を行い、表面粗さのプロ
フィル(オリジナルデータ)を得る。同粗さ計内蔵ソフ
トによる表面解析により、ベースラインからの最高高さ
の値をもって突起高さとし、高さ100nm以上の突起
を単位1cm2当たりの個数より、下記の基準で評価す
る。 ○:高さ100nm以上の突起が5個/cm2以下で、
極めて平坦な表面である。 △:高さ100nm以上の突起が5個/cm2を超え1
0個/cm2以下で、やや荒れた表面である。 ×:高さ100nm以上の突起が10個/cm2を超
え、荒れた表面である。
【0056】 (6)フィルムの中心線平均粗さ(表面粗さ、WRa) WYKO株式会社製の非接触三次元粗さ計(商品名「T
OPO−3D」)を用いて、測定倍率40倍、測定面積
242μm×239μm(0.058mm2)の条件に
て測定を行い、表面粗さのプロフィル(オリジナルデー
タ)を得る。そして、上記粗さ計内蔵ソフトによる表面
解析により、以下の一般式によって定義される中心線平
均粗さ(WRa)を得る。
【0057】
【数11】
【0058】ここで、Zjkは、測定方向(242μm)
およびそれと直行する方向(239μm)を、それぞれ
M分割およびN分割したときの各方向のj番目、k番目
の位置における三次元粗さチャート上の高さである。
【0059】(7)静電密着性 樹脂組成物を180℃で乾燥した後、305℃で溶融押
出し、1mmのスリット状ダイを通して、厚み200μ
mのフィルム状溶融物として溶融押出しし、線状電極
(印加電圧5000V)を用いて表面仕上げ0.3s程
度、表面温度40℃に保持した回転冷却ドラム上で急冷
固化させて未延伸フィルムを巻き取る際、静電ピンニン
グ法にて、フィルム厚みむらが小さく、安定して未延伸
フィルム巻き取れる速度の上限を観察し、下記の基準で
静電密着性を評価する。 ○:安定な巻取り速度の上限が60m/分以上 △:安定な巻取り速度の上限が30m/分以上から60
m/分未満 ×:安定な巻取り速度の上限が30m/分未満
【0060】(8)製膜時の安定性評価 樹脂組成物を170℃で3時間乾燥した後、押出し機ホ
ッパーに供給し、溶融温度290℃で1mmのスリット
状ダイを通して厚み200μmのフィルム状溶融物とし
て溶融押出しし、線状電極(印加電圧5000V)を用
いて表面仕上げ0.3s程度、表面温度40℃の回転冷
却ドラム上に密着固化させた。続いて、この未延伸フイ
ルムを75℃の予熱ロールにて予熱し、低速、高速のロ
ール間で15mm上方より900℃の表面温度のIRヒ
ータ1本にて加熱して3.8倍に延伸し、次いでステン
ターに供給した後、105℃にて横方向に4.0倍に延
伸し、熱固定する。この際、熱固定の温度を240℃か
ら220℃まで10℃/30分の速度で降温する。そし
て、得られた二軸延伸フィルムの磁性層側フィルム表面
に、アルミニウムを0.5μm厚みで蒸着した後、光学
顕微鏡で目視評価し、下記の基準で製膜安定性を評価す
る。 ○:表面に粗れが全く見られない。 △:表面に微小な粗れが発生する。 ×:表面に粗れ及びうねりが発生する。
【0061】(9)巻き取り性 スリット時の巻き取り条件を最適化したのち、幅650
mm×長さ12000mのサイズで、30ロールを速度
75m/分でスリットし、スリット後のフィルム表面
に、ブツ状、突起やシワのないロールを良品として、以
下の基準にて巻き取り性を評価する。 ○:良品ロールの本数28本以上 △:良品ロールの本数25〜27本 ×:良品ロールの本数24本以下
【0062】(10)樹脂組成物中の、リン、硫黄およ
び各金属元素の測定 樹脂組成物5gをホットプレート上で310℃にまで加
熱して融解し、平板状のディスクを作成する。そして、
該ディスクを、理学電気(株)製の蛍光X線3270E
型を用いて測定し、該ディスクに含有される各元素量を
測定した。なお、スルホン酸4級ホスホニウム塩は、硫
黄元素の量から測定した。
【0063】[実施例1]2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル100部、エチレングリコール6
0部およびチタン化合物(トリメリット酸チタンを表1
に示す元素量となるように添加)を加圧反応が可能なS
US製容器に仕込み、0.05MPaの加圧を行い14
0℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させ
た後、第1のリン化合物(トリメチルホスフェートを表
1に元素量となるように添加)を添加し、エステル交換
反応を終了させた。
【0064】次に、スルホン酸4級ホスホニウム塩化合
物(3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩)を表1に示す量となるように添加
した後、反応混合物を重合反応器に移し、295℃まで
昇温し、30Pa以下の高真空下にて重縮合反応させ、
固有粘度0.61のポリエチレンナフタレートを得た。
なお、トリメチルホスフェート添加から重縮合での減圧
開始までの時間は20分間で、この間の温度は240℃
〜265℃で行った。
【0065】得られたポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート樹脂組成物は、ジエチレングリコールの含有量が
1.3重量%、降温結晶化温度が120℃、降温結晶化
に要する熱量が0.7J/gという非常に小さいピーク
で、290℃における交流体積抵抗率の値が4.0×1
7Ω・cmであった。得られたポリアルキレンナフタ
レート組成物の特性を表1に示す。
【0066】[実施例2]実施例1で作成したポリエチ
レンー2,6−ナフタレートのほかに、リン化合物のマ
スターポリマーを以下の通り作製し、これらを300℃
で溶融混練して、ポリエチレンー2,6−ナフタレート
組成物を得た。 リン化合物のマスターポリマー 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル10
0部、エチレングリコール60部及びエステル交換反応
触媒として酢酸マンガン4水塩を最終の含有量が表1に
示すようになる量加え、140℃から240℃に昇温し
ながらエステル交換反応させた後、三酸化アンチモンと
トリメチルホスフェートを最終の含有量が表1に示すよ
うになる量添加し、実質的にエステル交換反応を終了さ
せた。その後、反応混合物を重合反応器に移し、295
℃まで昇温し26.7Pa以下の高真空下にて重縮合反
応させ、リン化合物のマスターポリマーとして固有粘度
0.61のポリエチレン−2,6−ナフタレートを得
た。
【0067】得られたポリエチレンー2,6−ナフタレ
ート組成物は、ジエチレングリコール量が1.6重量
%、降温結晶化温度が155℃、降温結晶化に要する熱
量が7.5J/gで、290℃における交流体積抵抗率
の値が6.0×107Ω・cmであり、特性を表1に示
す。
【0068】[実施例3]3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加しない
以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた
ポリエチレン−2,6−ナフタレート組成物は、ジエチ
レングリコール量が1.3重量%、290℃における交
流体積抵抗率の値は2.0×108Ω・cm以上であ
り、特性を表1に示す。
【0069】[比較例1]実施例1において、トリメチ
ルホスフェート添加から重縮合での減圧開始までの時間
を60分とする以外は、実施例1と同様な操作を繰り返
した。得られたポリエチレン−2,6−ナフタレート組
成物は、ジエチレングリコール量が2.5重量%、29
0℃における交流体積抵抗率の値が4.0×107Ω・
cmであり、特性を表1に示す。
【0070】[比較例2]トリメリット酸チタンの添加
量を表1に示すように変更する以外は実施例1と同様な
操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−ナ
フタレート組成物は、ジエチレングリコール量が1.8
重量%、290℃における交流体積抵抗率の値が4.0
×107Ω・cmであり、特性を表1に示す。
【0071】[比較例3]トリメチルホスフェートの添
加量を表1に示すように変更する以外は実施例1と同様
な操作を繰り返した。得られたポリエチレン−2,6−
ナフタレート組成物は、ジエチレングリコール量が2.
2重量%、290℃における交流体積抵抗率の値が4.
0×107Ω・cmであり、特性を表1に示す。
【0072】[比較例4]2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル100部、エチレングリコール6
0部及びエステル交換反応触媒として酢酸マンガン4水
塩を表1に示す含有量となるように加え、140℃から
240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、三
酸化アンチモン、酢酸ナトリウム3水塩およびトリメチ
ルホスフェートをそれぞれ表1に示す含有量となるよう
に添加し、実質的にエステル交換反応を終了させた。そ
の後、反応混合物を重合反応器に移し、295℃まで昇
温し30Pa以下の高真空下にて重縮合反応させて固有
粘度0.61のポリエチレン−2,6−ナフタレートを
得た。
【0073】得られたポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート組成物は、ジエチレングリコール量が1.5重量
%、290℃における交流体積抵抗率の値が5.5×1
7Ωcmであり、特性を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】[実施例4]実施例1で作成したポリエチ
レン−2,6−ナフタレート組成物のペレットを170
℃で3時間乾燥した後、押出し機ホッパーに供給し、溶
融温度290℃で1mmのスリット状ダイを通して厚み
200μmのフィルム状溶融物として溶融押出しし、線
状電極(印加電圧5000V)を用いて表面仕上げ0.
3s程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に密着固
化させた。このとき、密着不良因に基因するフイルムの
表面欠点を生じることなく、かつ安定にキャスティング
できる回転冷却ドラムの最高速度(周速)は70m/分
であった。続いて、この未延伸フイルムを75℃の予熱
ロールにて予熱し、低速、高速のロール間で15mm上
方より900℃の表面温度のIRヒータ1本にて加熱し
て3.6倍に延伸し、急冷して縦延伸フィルムを得た。
次いで縦延伸フィルムの走行面側に下記に示す組成(固
形分換算)の水性塗液(全固形分濃度1.0%)をキス
コート法により乾燥後の塗布層の厚みが5nmとなるよ
うに塗布した。
【0076】塗液の固形分組成 バインダー:アクリル変性ポリエステル(高松油脂株式
会社製、IN−170−6)67% 不活性粒子:アクリルフィラー(平均粒径30nm、体
積形状係数0.40、日本触媒株式会社製、商品名「エ
ポスター」)6% 界面活性剤:(日本油脂株式会社製、ノニオンNS−2
08.5)1% 界面活性剤:(日本油脂株式会社製、ノニオンNS−2
40)26%
【0077】次いで、塗布された縦延伸フィルムをステ
ンターに供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸
した後、230℃で5秒間熱固定処理し、厚み14μm
の熱固定二軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレート
フイルムを得た。このフイルムの磁性層側の表面粗さは
0.5nm、走行面側の表面粗さは1.2nmであっ
た。得られたポリアルキレンナフタレートフィルムの特
性を表2に示す。
【0078】[実施例5]ポリエチレンー2,6−ナフ
タレート組成物を実施例2の溶融混練によって得たポリ
エチレンー2,6−ナフタレート組成物に変更した以外
は、実施例5と同様な操作を繰り返した。得られたポリ
エチレンー2,6−ナフタレートフィルムは、磁性層側
の表面粗さが0.7nm、走行面側の表面粗さが1.2
nmであり、特性を表2に示す。
【0079】[実施例6]実施例1で得られた組成物
と、後述の走行面側用樹脂組成物とをそれぞれ170℃
で3時間乾燥後、2台の押出し機ホッパーに供給し、溶
融温度290℃にて溶融しマルチマニホールド型共押出
しダイを用いて、実施例1で得られたポリマーの片面に
走行面側用樹脂組成物が積層されるように、1mmのス
リット状ダイを通して、厚み200μmのフィルム状溶
融物を溶融押出しし、線状電極(印加電圧5000V)
を用いて表面仕上げ0.3s程度、表面温度20℃の回
転冷却ドラム上に密着固化させた。続いて、この未延伸
フイルムを75℃の予熱ロールにて予熱し、低速、高速
のロール間で15mm上方より900℃の表面温度のI
Rヒータ1本にて加熱して3.6倍に延伸し、得られた
縦延伸フィルムをステンターに供給し、105℃にて横
方向に3.9倍に延伸した後、230℃で5秒間熱固定
処理し、厚み14μmの熱固定二軸延伸ポリエチレン−
2,6−ナフタレートフイルムを得た。なお、このフィ
ルムの厚みについては2台の押出機の吐出量により調整
し、磁性層側の層と走行面側の層との厚みは、それぞれ
2μmと12μmであった。
【0080】得られたフイルムは、磁性層側の表面粗さ
が0.5nm、走行面側の表面粗さが4.5nmであ
り、特性を表2に示す。
【0081】走行面側用樹脂組成物の作製 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル10
0部とエチレングリコール60部及びエステル交換反応
触媒として酢酸マンガン4水塩を0.03部加え、14
0℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させ
た後、三酸化アンチモン0.035部と酢酸ナトリウム
3水塩0.005部とトリメチルホスフェート0.02
3部を添加し、実質的にエステル交換反応を終了させ
た。その後、さらに滑剤として平均粒径0.6μmのシ
リコーン粒子および平均粒径0.2μmのθ型アルミナ
を、ポリマー中にそれぞれ0.02%および0.2%添
加した後、反応混合物を重合反応器に移し、295℃ま
で昇温して26.7Pa以下の高真空下にて重縮合反応
させ、走行面側用樹脂組成物として固有粘度0.61の
ポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。得られた
走行面側用樹脂組成物であるポリエチレンナフタレート
は、ジエチレングリコール量が1.0重量%、290℃
における交流体積抵抗率の値が4.0×107Ωcmで
あった。
【0082】[実施例7]ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート組成物を、実施例3の組成物に変更する以外
は、実施例4と同様な操作を繰り返した。得られたポリ
エチレン−2,6−ナフタレートフイルムは、磁性層側
の表面粗さが0.5nm、走行面側の表面粗さが1.2
nmであり、特性を表2に示す。
【0083】[比較例5]ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート組成物を、比較例1の組成物に変更する以外
は、実施例4と同様な操作を繰り返した。得られたポリ
エチレン−2,6−ナフタレートフイルムは、磁性層側
の表面粗さが0.5nm、走行面側の表面粗さが1.2
nmであり、特性を表2に示す。
【0084】[比較例6]ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート組成物を、比較例2の組成物に変更する以外
は、実施例4と同様な操作を繰り返した。得られたポリ
エチレン−2,6−ナフタレートフイルムは、磁性層側
の表面粗さが0.5nm、走行面側の表面粗さが1.2
nmであり、特性を表2に示す。
【0085】[比較例7]ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート組成物を、比較例3の組成物に変更する以外
は、実施例4と同様な操作を繰り返した。得られたポリ
エチレン−2,6−ナフタレートフイルムは、磁性層側
の表面粗さが0.5nm、走行面側の表面粗さが1.2
nmであり、特性を表2に示す。
【0086】[比較例8]ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート組成物を、比較例4の組成物に変更する以外
は、実施例4と同様な操作を繰り返した。得られたポリ
エチレン−2,6−ナフタレートフイルムは、磁性層側
の表面粗さが0.5nm、走行面側の表面粗さが1.2
nmであり、特性を表2に示す。
【0087】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/73 G11B 5/73 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA89 AB15 AB24 AB25 AC05 AC09 AC15 AH14 BB08 BC01 4J002 CF081 DD076 DG046 DH027 EC076 EG106 EW047 EW067 EW127 EW178 GS01 4J029 AA03 AB07 AC01 BA02 BA03 BA05 BA08 BD07A CC05A CC06A HB01 HB03A JA061 JA201 JA253 JB131 JB171 JC483 JC583 JC593 JC633 JF321 5D006 CB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン化合物を主たる触媒として製造さ
    れたポリアルキレンナフタレートからなる樹脂組成物で
    あって、ジエチレングリコールの含有量が、樹脂組成物
    の重量を基準として、2重量%以下で、かつ、樹脂組成
    物に含有されるリン化合物とチタン化合物の量が、以下
    の一般式 【数1】2≦Ti≦15 ・・・(1) 【数2】1.0≦(P/Ti)≦20・・・(2) (式中、TiおよびPは、ポリアルキレンナフタレート
    の全酸成分のモル数を基準としたときの、それぞれチタ
    ン元素およびリン元素の割合(単位:mmol%)を示
    す。)を同時に具備することを特徴とするポリアルキレ
    ンナフタレ−ト組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレンナフタレ−ト組成物が、
    スルホン酸4級ホスホニウム塩化合物を含有し、その含
    有量が、以下の一般式 【数3】0.01<S≦10 ・・・(3) (式中、Sは、ポリアルキレンナフタレートの全酸成分
    のモル数を基準としたときの、スルホン酸4級ホスホニ
    ウム塩化合物の割合(単位:mmol%)を示す)を満
    足する請求項1記載のポリアルキレンナフタレ−ト組成
    物。
  3. 【請求項3】 差動走査熱量計を用いて測定した降温結
    晶化温度が160℃以下で、かつ、該降温結晶化に要す
    る熱量が10J/g以下である請求項1または2のいず
    れかに記載のポリアルキレンナフタレ−ト組成物。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体用である請求項1〜3のい
    ずれかに記載の磁気記録媒体用ポリアルキレンナフタレ
    −ト組成物。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方の表面が、請求項1〜4
    のいずれかに記載のポリアルキレンナフタレート組成物
    からなることを特徴とする二軸配向フィルム。
JP2001137132A 2001-05-08 2001-05-08 ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム Pending JP2002332335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001137132A JP2002332335A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001137132A JP2002332335A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002332335A true JP2002332335A (ja) 2002-11-22

Family

ID=18984285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001137132A Pending JP2002332335A (ja) 2001-05-08 2001-05-08 ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002332335A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007196511A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Teijin Dupont Films Japan Ltd 積層二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録テープ
KR101012680B1 (ko) * 2003-02-07 2011-02-09 도레이 카부시키가이샤 기록 매체용 폴리에스테르 필름 및 자기기록 테이프

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06170911A (ja) * 1992-12-11 1994-06-21 Teijin Ltd ポリエステルフイルムの製造方法
JPH075765B1 (ja) * 1989-01-10 1995-01-25 Teijin Ltd
JP2000319370A (ja) * 1999-05-13 2000-11-21 Teijin Ltd ポリエステルの製造方法
JP2001048970A (ja) * 1999-06-04 2001-02-20 Teijin Ltd フィルム用ポリアルキレンナフタレート、その製造法及びそれからなるフィルム
JP2001089582A (ja) * 1999-09-22 2001-04-03 Teijin Ltd コンデンサ用ポリエステルフィルム
JP2001098058A (ja) * 1999-07-26 2001-04-10 Kanebo Ltd 共重合ポリエステル樹脂およびそれからなるプリフォーム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH075765B1 (ja) * 1989-01-10 1995-01-25 Teijin Ltd
JPH06170911A (ja) * 1992-12-11 1994-06-21 Teijin Ltd ポリエステルフイルムの製造方法
JP2000319370A (ja) * 1999-05-13 2000-11-21 Teijin Ltd ポリエステルの製造方法
JP2001048970A (ja) * 1999-06-04 2001-02-20 Teijin Ltd フィルム用ポリアルキレンナフタレート、その製造法及びそれからなるフィルム
JP2001098058A (ja) * 1999-07-26 2001-04-10 Kanebo Ltd 共重合ポリエステル樹脂およびそれからなるプリフォーム
JP2001089582A (ja) * 1999-09-22 2001-04-03 Teijin Ltd コンデンサ用ポリエステルフィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101012680B1 (ko) * 2003-02-07 2011-02-09 도레이 카부시키가이샤 기록 매체용 폴리에스테르 필름 및 자기기록 테이프
JP2007196511A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Teijin Dupont Films Japan Ltd 積層二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録テープ
JP4664825B2 (ja) * 2006-01-26 2011-04-06 帝人デュポンフィルム株式会社 積層二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録テープ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100843397B1 (ko) 폴리에스테르 수지 조성물, 폴리에스테르 제조용 촉매,폴리에스테르 필름 및 자기기록매체
JPH08188704A (ja) ポリエステル組成物
JPH11512143A (ja) 部分エステル化トリメリト酸塩を含有するポリエステルフィルムの製造方法
JP3979866B2 (ja) 塗布型磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2002332336A (ja) ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム
JP2842982B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP2019094475A (ja) ポリエステルフィルム
JP2002332335A (ja) ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム
JP2005015784A (ja) 記録媒体用二軸延伸ポリエステルフィルム
JP3799211B2 (ja) フィルム用ポリエステル組成物の製造方法
JP4076446B2 (ja) ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム
KR0147690B1 (ko) 복합 폴리에스테르필름
JP3083702B2 (ja) ポリエチレンナフタレートの製造方法
JP4765237B2 (ja) ポリエステル組成物、それからなるフィルムおよび磁気記録媒体
JP4266484B2 (ja) フィルム用ポリアルキレンナフタレート、その製造法及びそれからなるフィルム
JP5596445B2 (ja) 塗布型磁気記録テープ用積層2軸配向ポリエステルフィルム
JPH11348210A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2005314660A (ja) ポリエステル組成物およびポリエステルフィルム
JP5069434B2 (ja) ポリエステル組成物およびその製造方法
JP2004359744A (ja) ポリエステル組成物および2軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP3282371B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフイルム
JP2013147616A (ja) ポリエステル組成物の製造方法およびそれを用いたポリエステル組成物とポリエステルフィルム
JP3283651B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP3075932B2 (ja) ポリエステルフイルム
JP2013018184A (ja) 2軸配向積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101005