JP2019094475A - ポリエステルフィルム - Google Patents
ポリエステルフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019094475A JP2019094475A JP2018104592A JP2018104592A JP2019094475A JP 2019094475 A JP2019094475 A JP 2019094475A JP 2018104592 A JP2018104592 A JP 2018104592A JP 2018104592 A JP2018104592 A JP 2018104592A JP 2019094475 A JP2019094475 A JP 2019094475A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- polyester
- content
- mol
- polyester film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
【解決手段】
ポリエステルを主成分とするポリエステル樹脂組成物からなるフィルムであって、該ポリエステル樹脂組成物に含まれるアルカリ金属元素の含有量をM1(mol/t)、2価金属元素の含有量をM2(mol/t)、3価金属元素の含有量をM3(mol/t)とするとき、M=0.5×(M1)+M2+1.5×(M3)として求められるM(mol/ton)と、リン元素の含有量(P(mol/ton)とのモル比(M/P)が2.0〜5.4であり、フィルムの固有粘度(IV)が0.55〜0.75、冷結晶化温度(Tcc)が150℃以上165℃未満、環状三量体の含有量が0.5重量%以下であるポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
(1)ポリエステルを主成分とするポリエステル樹脂組成物からなるフィルムであって、該ポリエステル樹脂組成物に含まれるアルカリ金属元素の含有量をM1(mol/t)、2価金属元素の含有量をM2(mol/t)、3価金属元素の含有量をM3(mol/t)とするとき、M=0.5×(M1)+M2+1.5×(M3)として求められるM(mol/ton)と、リン元素の含有量P(mol/ton)とのモル比(M/P)が2.0〜5.4であり、フィルムの固有粘度(IV)が0.55〜0.75、冷結晶化温度(Tcc)が150℃以上165℃未満、環状三量体の含有量が0.5重量%以下であるポリエステルフィルム。
(2)前記ポリエステルフィルムのヘイズ値が2.0%以下である(1)に記載のポリエステルフィルム。
(3)前記ポリエステルフィルムを170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズ値が2.0%以下である(1)または(2)に記載のポリエステルフィルム。
(4)前記ポリエステルフィルムを170℃3時間加熱した際の加熱前と加熱後のヘイズ値の差ΔHzが0.5%以下である(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(5)ポリエチレンテレフタレートを主成分とする(1)〜(4)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(6)光学用途に使用される(1)〜(5)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(7)表面保護用途に使用される(1)〜(5)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルを主成分とするポリエステル樹脂からなるフィルムである。ポリエステル樹脂は、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であり、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主成分とし、これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも、品質、経済性などを総合的に考慮すると、ポリエチレンテレフタレートを主成分とすることが好ましい。また、これらポリエステル樹脂には、さらに他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよいが、フィルムの高温加熱処理後の平面性が低下する場合があるため、好ましくは共重合量は10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下、より好ましくは共重合しないホモポリエステルであることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートを主成分とする場合、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移温度Tg(℃)は、75〜80℃、さらには79℃〜80℃であることが好ましい。
本発明において、M(mol/t)は、アルカリ金属元素の含有量をM1(mol/t)、2価金属元素の含有量をM2(mol/t)、3価金属元素の含有量をM3(mol/t)とするとき、M=0.5×(M1)+M2+1.5×(M3)として求められるものである。一般的に、リン酸などのリン元素に由来する陰イオンは3価の負電荷をもつため、1価の金属元素の陽イオンとは1:3、2価の金属元素の陽イオンとは2:3、3価の金属元素の陽イオンとは1:1で相互作用すると考えられる。しかしながら、本発明者らが鋭意検討を進めた結果、リン酸などのリン化合物に由来するリン元素が2価の陰イオンとして金属元素の陽イオンと相互作用するとして求められる(M/P)(すなわち、リン元素による陰イオンが、1価の金属元素の陽イオンとは1:2、2価の金属元素の陽イオンとは1:1、3価の金属元素の陽イオンとは3:2で相互作用するとした式)のもと、M/Pが2.0以上であると、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の溶融時の体積比抵抗が低くなり、フィルム成形時に静電印加キャスト法を好適に用いることができフィルムの厚みむらの発生を抑制することができる。また、M/Pが、5.4以下であると、溶融時の環状三量体の再生や、触媒残渣がフィルム中に異物として残存することを抑制しやすくなるため、フィルム製膜後の初期ヘイズ値や加熱後のヘイズ値を低く抑えることができる。M/Pについては、さらには2.5〜4.5の範囲にすることが好ましい。M/Pが高くなると、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素量が多くなりポリマーの結晶化が進みやすくなり、後述するポリエステルフィルムの冷結晶化温度(Tcc)が低くなり、加熱後のΔHz値が高くなる場合がある。M/Pが低くなると、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素量が少なく、ポリマーは結晶化しにくく、後述するポリエステルフィルムの冷結晶化温度(Tcc)が高くなり、高温加熱後の平面性に影響を与える場合がある。
環状三量体の含有量の下限については特に限定されるものではないが、本発明においては0.01重量%以上である。0.01重量%未満の場合は、環状三量体を減少させる固相重合にかかる時間が長時間となることで、ポリエステル樹脂原料の固有粘度(IV)の上昇が大きくなり、本発明のポリエステルフィルムとした場合の固有粘度(IV)も高くなり、溶融押し出し時の負荷が大きくなり、フィルムの厚みムラを引き起こす場合がある。環状三量体が0.5重量%を超えると、フィルムの初期ヘイズ値、加熱後のヘイズ値が2.0%を越える場合があり、粒子の添加量同様に、透明電極の基材として本発明のフィルムが用いられた場合、最終的な透明電極として視認性が低下し、タッチパネル等の高度な視認性が必要とされる用途に不適当となる場合がある。本発明のポリエステルフィルムは、加熱後(170℃3時間加熱後)のヘイズ値が1.5%以下であることが好ましい。更に好ましくは1.0%以下である。
この未延伸フィルムを70〜100℃に加熱されたロール間でフィルムの走行方向である縦方向に2.5〜5.0倍延伸する。続いて、このフィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、75〜95℃の温度まで加熱を行い、引き続き連続的に90〜115℃の加熱ゾーンで縦方向とは直交する横方向に3.0〜5.0倍延伸し、続いて200〜240℃の加熱ゾーンで5〜60秒間熱処理を施し、100〜200℃の冷却ゾーンを経て結晶配向の完了したポリエステルフィルムを得る。
なお、上記の熱処理中に熱寸法安定性を高めるために、縦方向あるいは幅方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸する方法は、上述した逐次延伸法のほかに、縦方向と横方向を同時に延伸するは同時二軸延伸法のいずれでもよく、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
得られたポリエステルフィルムの端部をカットし、巻き取り中間製品とし、その後、巻き取ったフィルムを巻き返しながら、スリッターを用いて所望の幅にカット後、円筒状のコアに巻き付け所望の長さのフィルムロールを得ることができる。なお、巻き取った後のフィルムの擦過キズの発生やフィルムとフィルムが張り付くブロッキングを抑制すべく、フィルムの横方向の両端部にナール処理を施し、フィルムにエンボス加工が施されていても良い。
ポリエステルフィルムをソニー社製、デジタルマイクロメーターを使用し、JIS−C−2151に従って測定した。ポリエステルフィルムの長手方向および幅方向をそれぞれ、以下のように測定し、厚みむらを求め、その平均を取って評価した。
〔厚みむらの測定〕
ポリエステルフィルムを長手方向または幅方向に10点測定しその平均値を中心値Aとした。また、最大値から最小値を差し引いた値を厚みムラBとし、中心値に対する厚みムラの割合を算出した。すなわち、フィルムの厚み斑(%)=100×B/Aとし、長手方向と幅方向の平均を以下にて評価を行なった。
〔厚みむらの評価〕
×:厚みむらが5.0%を超える
△:厚みむらが3.0%を超え、5.0%以下
○:厚みむらが3.0%以下。
5cm角のフィルムを試料とし、加熱前と170℃3時間加熱後のヘイズをそれぞれJIS−K−7105(1985年)に基づいて、ヘーズメーターで測定した。(スガ試験機製“HZ−V3”)測定試料はそれぞれ3試料用意し、加熱前のヘイズの平均をもって初期ヘイズ値とし、加熱前のヘイズと加熱後のヘイズ値の平均値の差分からΔHzを求め、以下のようにΔHzを評価した。
〔ΔHzの評価〕
×:ΔHzが1.0%を超える
△:ΔHzが0.5%を超え、1.0%以下
○:ΔHzが0.1%を超え、0.5%以下
◎:ΔHzが0.1%以下。
フィルムを電子天秤で5mg計量し、アルミパッキンで挟み込みセイコーインスツルメント社(株)ロボットDSC−RDC220熱示差走査計を用いて測定を行い、データ解析は同社製ディスクセッションSSC/5200を用いて、JIS−K−7121(1987年)に従って行った。25℃から300℃まで20℃/分で昇温した。その後25℃まで急冷し、再び300℃まで20℃/分で昇温した(2ndRun)。ガラス転移温度(Tg)として、中間点ガラス転移温度を求め、結晶化温度として、結晶化ピークの頂点温度を求めた。
2ndrunの結晶化ピークが複数観測される場合には、JIS−K−7122により求められる最大となるピーク面積を示す結晶化ピーク頂点温度とする。
これを3回繰り返し、平均値を冷結晶化温度(Tcc)とした。
加熱前のフィルム片20mgを試料として、OCP(o−クロロフェノール)に150℃で30分間溶解し、室温で冷却した。その後、内部標準として1,4−ジフェニルベンゼンを添加後、メタノール2mLを加えて高速遠心分離機でポリマーを分離し、液層部を高速液体クロマトグラフ(島津製作所製“LC−10ADvp”)を用いて測定した。
20cm四方に切り出したフィルムをパンチングメタルの上に置いた状態で、温度を150℃に設定したオーブン中に無緊張状態で10分間保持した後、フィルムサンプルを室温で10分間冷却し、蛍光灯の反射光により、フィルムの表面に映し出された蛍光灯の反射像の状態を観察した。パンチングメタルは下記の2種を用いて評価を行ない、下記の判定基準により耐熱変形性を評価した。
エンボス加工 1.5t×D4.5×P7.5 60°チドリ
・パンチングメタルB:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304
エンボス加工 2t×D7/H1.3×P10 60°チドリ
〔耐熱変形性の評価基準〕
○:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれの場合においても、蛍光灯の反射像に歪みは見られなかった。
△:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれの場合においても、フィルム表面の一部に、パンチングメタルのエンボス加工ピッチで、蛍光灯の反射像に歪みがあった。
×:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれの場合においても、フィルム表面の全面に、パンチングメタルのエンボス加工ピッチで、蛍光灯の反射像に歪みがあった。
試料をメタノールで十分洗浄し、表面付着物を取り除き、水洗して乾燥した300gのサンプルにo−クロロフェノール2.7Kgを加えて撹拌しつつ100℃まで昇温させ、昇温後さらに1時間そのまま放置してポリエステル部分を溶解させる。ただし、高度に、結晶化している場合などでポリエステル部分が溶解しない場合は、一度溶解させて急冷した後に前記の溶解操作を行なう。
ついで、ポリエステル中に含有されているゴミなどの粗大不溶物をG−1ガラスフィルターでろ別し、除去し、このろ上物の重量を試料重量から差し引く。
日立製作所分離用超遠心機40p型にローターRP30を装備し、セル1個当りに前記ガラスフィルターろ別後の溶液30ccを注入後、ローターを4500rpmにて回転させ、回転異常のないことを確認後、ローター中を真空にし、30000rpmに回転数を上げ、この回転数にて粒子の遠心分離を行なう。
分離の完了はほぼ40分後であるが、この確認は必要あれば分離後の液の375mμにおける光線透過率が分離前のそれに比し、高い値の一定値になることで行なう。分離後、上澄液を傾斜法で除去し分離粒子を得る。
分離粒子には分離が不十分なことに起因するポリエステル分の混入があり得るので、採取した該粒子に常温のo−クロロフェノールを加え、ほぼ均一懸濁後、再び超遠心分離機処理を行なう。この操作は、後述の粒子を乾燥後該粒子の走差型差動熱量分析を行なって、ポリマに相当する融解ピークが検出できなくなるまで繰返す必要がある。最後に、このようにして得た分離粒子Aを120℃、16時間真空乾燥して秤量する。
これをフィルム中の粒子含有量(重量%)とした。
得られたフィルムが巻き取られたロールからフィルムを1m巻きだし、ハロゲンライトを光源として、フィルムロールの幅方向を透過光で観察し、フィルムのキズの目立ち易さを評価した。フィルムのキズが全く見えないものを良好(◎)、うっすら確認されるが品質として問題ないものを合格(〇)、キズがはっきり確認できるものが1箇所あるものをやや不良(△)とした。
(PET−A)
テレフタル酸とエチレングリコールの反応物であるエステル化反応物を予め255℃の溶融状態で貯留させ、さらにテレフタル酸とエチレングリコールとをテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比が1.15になるようにスラリー状にしてエステル化反応槽の温度を保ちながら定量供給し、水を留出させながらエステル化反応を行い、エステル化反応物を得た。得られたエステル化反応物を、重合反応槽に移送し、リン酸を含むエチレングリコール溶液と水酸化カリウムを含むエチレングリコール溶液、酢酸マグネシウム4水和物を含むエチレングリコール溶液、三酸化アンチモンを含むエチレングリコール溶液を、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対して、アルカリ金属元素(カリウム元素)として2ppm、かつカリウム元素、マグネシウム元素、リン元素のM/Pが2.8に、アンチモン元素として60ppmとなるように添加し、引き続いて重合反応槽内を除々に減圧にし、30分で0.13kPa以下とし、それと同時に除々に昇温して280℃とし、目標の固有粘度まで重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化し、表面結晶化装置によって予備結晶化し、固有粘度(IV)が0.50dl/gの液相重合(溶融重合)ポリエステルを得た。ここで得られた液相重合(溶融重合)ポリエステルを用いて、回転式真空乾燥装置により、0.13KPaの減圧下、露点が5℃の窒素ガス下で、215℃の温度で18時間固相重合を行い、ポリエステル樹脂(PET−A)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−A)の固有粘度は0.65dl/g、環状三量体含有量は0.42重量%、末端カルボキシル基量は24当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
液相重合(溶融重合)ポリエステルを得た後の固相重合を連続式真空乾燥装置を用いて行うとこと以外はPET−Aと同様にしてポリエステル樹脂(PET−B)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−B)の固有粘度は0.73dl/g、環状三量体含有量は、0.39重量%、末端カルボキシル基量は20当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
固相重合前の固有粘度を0.40dl/g、固相重合時間を26時間と変更する以外は,PET−Aと同様の方法で実施した。得られたポリエステル樹脂(PET−C)は、固有粘度が0.60dl/g、環状三量体が0.38重量%、末端カルボキシル基量は30当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
三酸化アンチモンを含むエチレングリコール溶液をアンチモン元素が300ppmとなるように添加したこと、固相重合を実施しないこと、固有粘度を変更したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−A)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−D)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−D)の固有粘度は0.70dl/g、環状三量体含有量は1.07重量%、末端カルボキシル基量は35当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
水酸化カリウムを添加せず三酸化アンチモンをアンチモン元素として65ppmとなるよう添加する以外は、PET−Aと同様の方法で、溶融重合反応を行い、固有粘度が0.64の液相重合(溶融重合)ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を得、次いで攪拌翼を有する乾燥機に仕込み、窒素ガス中で225℃の温度で8時間固相重合を行い、さらに固相重合後のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を225℃で湿熱処理を行い、ポリエステル樹脂(PET−E)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−E)の固有粘度は、0.60dl/g、環状三量体含有量は0.40重量%、末端カルボキシル基量は45当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
固相重合時間を26時間と変更する以外は、PET−Aと同様の方法で実施し、ポリエステル樹脂(PET−F)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−F)の固有粘度は、0.70dl/g、環状三量体含有量は、0.38重量%、末端カルボキシル基量は20当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
水酸化カリウム、酢酸マグネシウム、リン酸の添加量をM/Pが1.5となるように変更する以外は、PET−Aと同様の方法で実施し、ポリエステル樹脂(PET−G)を得た。ポリエステル樹脂(PET−G)の固有粘度は、0.63dl/g、環状三量体含有量は、0.43重量%、末端カルボキシル基量は23当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
酢酸マグネシウム4水和物、リン酸の添加物をM/Pが6.0となるように変更する以外は、PET−Aと同様の方法で実施し、ポリエステル樹脂(PET−H)を得た。ポリエステル樹脂(PET−H)の固有粘度は、0.67dl/g、環状三量体含有量は、0.41重量%、末端カルボキシル基量は21当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
酢酸マグネシウム4水和物、リン酸の添加量をM/Pが2.0となるように変更すること以外は、PET−Aと同様にして、ポリエステル樹脂(PET−I)を得た。
ポリエステル樹脂(PET−I)の固有粘度は、0.64dl/g、環状三量体含有量は、0.42重量%、末端カルボキシル基量は28当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
固相重合時の窒素ガスの露点を−5℃、固相重合時間を15時間とすること以外は、PET−Aと同様にして、ポリエステル樹脂(PET−J)を得た。
ポリエステル樹脂(PET−J)の固有粘度は、0.65dl/g、環状三量体含有量は、0.42重量%、末端カルボキシル基量は18当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
固相重合時の窒素ガスの露点を15℃、固相重合時間を30時間に変更した以外は、PET−Aと同様にして、ポリエステル樹脂(PET−K)を得た。ポリエステル樹脂(PET−K)の固有粘度は、0.65dl/g、環状三量体含有量は0.40重量%、末端カルボキシル基量は40当量/t、ガラス転移温度Tgは80℃であった。
(塗剤−1)
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸40モル部、テレフタル酸50モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール95モル部、ジエチレングリコール5モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万重量部に対して100重量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、トリメリット酸5モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万重量部に対して100重量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220〜280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(A)を得た。その後、ポリエステル(A)を100重量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF:有効成分70重量%、イソプロピルアルコール17重量%含有)を50重量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5重量部混合してなる有効成分を5.0重量部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを3.0重量部、水を92.0重量部混合して、塗液−1を得た。
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸85モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール100モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万重量部に対して100重量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、1,3,5−トリメリット酸10モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万重量部に対して100重量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220〜280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(B)を得た。その後、ポリエステル(A)をポリエステル(B)に変更したこと以外は、塗液−1と同様の方法により、塗液−2を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100重量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF:有効成分70重量%、イソプロピルアルコール17重量%含有)を40重量部(有効成分換算)、オキサゾリン系架橋剤(日本触媒(株)製“エポクロス”(登録商標)WS500:有効成分40重量%、1−メトキシ−2−プロパノール38重量%含有)を10重量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5重量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液−1と同様の方法により、塗液−4を得た。
(実施例1)
PET−A真空中160℃で4時間乾燥した後、PET−Aにシリカ粒子(平均粒子径0.45μm)をPET−Aに対して、0.01重量%添加し、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き5μmのフィルターで、次いで平均目開き14μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。なお、この時キャスティングドラムの反対面から温度10℃の冷風を長手方向に8段設置した間隙2mmのスリットノズルから風速20m/sでフィルムに吹き付け、両面から冷却を実施した。
PET−Aに粒子を添加しないこと、一軸延伸フィルムを得た後、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとし、表1に記載する塗液を上記一軸延伸フィルムの両面にバーコーターを用いて、塗布乾燥後の塗布厚みが100nmとなるように塗布した。なお、メタリングワイヤーバーは直径13mm、ワイヤー径0.1mm(#4)のものを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
一軸延伸フィルムを得た後、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとし、表1に記載する塗液を上記一軸延伸フィルムの両面にバーコーターを用いて、塗布乾燥後の塗布厚みが100nmとなるように塗布した。なお、メタリングワイヤーバーは直径13mm、ワイヤー径0.1mm(#4)のものを用いた。塗布をした以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Aに代えて、PET−Bとすること、粒子を添加しないこと以外は実施例3と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Aに代えて、表1のポリエステル樹脂を用いる以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Jに添加する粒子を表1に記載の粒子とする以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Aに添加する粒子を表1に記載の粒子にする以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Bに表1に記載の粒子を添加する以外は実施例4と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Dにすること、表1に記載の塗布材を用い、最終的に得られるフィルムの厚みが50μmとなるように押出し厚みを調整する以外は、実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Dにすること、表1に記載の無機粒子を添加すること、表1に記載の塗布材を用いる以外は、実施例3と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Aに代えて、表1のポリエステル樹脂を用いること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET−Aに代えて、表1のポリエステル樹脂を用いること以外は実施例3と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
Claims (7)
- ポリエステルを主成分とするポリエステル樹脂組成物からなるフィルムであって、該ポリエステル樹脂組成物に含まれるアルカリ金属元素の含有量をM1(mol/t)、2価金属元素の含有量をM2(mol/t)、3価金属元素の含有量をM3(mol/t)とするとき、M=0.5×(M1)+M2+1.5×(M3)として求められるM(mol/ton)と、リン元素の含有量(P(mol/ton)とのモル比(M/P)が2.0〜5.4であり、フィルムの固有粘度(IV)が0.55dl/g〜0.75dl/g、冷結晶化温度(Tcc)が150℃以上165℃未満、環状三量体の含有量が0.5重量%以下であるポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムのヘイズ値が2.0%以下である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムを170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズ値が2.0%以下である請求項1または請求項2に記載のポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムを170℃3時間加熱した際の加熱前と加熱後のヘイズ値の差ΔHzが0.5%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエチレンテレフタレートを主成分とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 光学用途に使用される請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 表面保護用途に使用される請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017217909 | 2017-11-13 | ||
JP2017217909 | 2017-11-13 | ||
JP2017242611 | 2017-12-19 | ||
JP2017242611 | 2017-12-19 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019094475A true JP2019094475A (ja) | 2019-06-20 |
Family
ID=66972708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018104592A Pending JP2019094475A (ja) | 2017-11-13 | 2018-05-31 | ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019094475A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115320206A (zh) * | 2022-09-06 | 2022-11-11 | 扬州纳力新材料科技有限公司 | 复合聚酯膜及其制备方法与用途 |
CN115447248A (zh) * | 2022-09-06 | 2022-12-09 | 扬州纳力新材料科技有限公司 | 复合聚合物膜、其制造方法、金属化复合聚合物膜与应用 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003301094A (ja) * | 2002-02-05 | 2003-10-21 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル組成物並びにそれからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム |
JP2003306600A (ja) * | 2002-02-12 | 2003-10-31 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル組成物並びにそれからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム |
JP2004059735A (ja) * | 2002-07-29 | 2004-02-26 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル、それからなるポリエステル組成物およびその製造方法 |
JP2009185193A (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-20 | Toray Ind Inc | ポリエステル組成物 |
JP2012162058A (ja) * | 2011-02-09 | 2012-08-30 | Toyobo Co Ltd | 易接着性ポリエステルフィルム |
JP2012183735A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Mitsubishi Plastics Inc | 離型フィルム |
JP2017052839A (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | 東レ株式会社 | ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその製造方法 |
-
2018
- 2018-05-31 JP JP2018104592A patent/JP2019094475A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003301094A (ja) * | 2002-02-05 | 2003-10-21 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル組成物並びにそれからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム |
JP2003306600A (ja) * | 2002-02-12 | 2003-10-31 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル組成物並びにそれからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルム |
JP2004059735A (ja) * | 2002-07-29 | 2004-02-26 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル、それからなるポリエステル組成物およびその製造方法 |
JP2009185193A (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-20 | Toray Ind Inc | ポリエステル組成物 |
JP2012162058A (ja) * | 2011-02-09 | 2012-08-30 | Toyobo Co Ltd | 易接着性ポリエステルフィルム |
JP2012183735A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Mitsubishi Plastics Inc | 離型フィルム |
JP2017052839A (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | 東レ株式会社 | ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその製造方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115320206A (zh) * | 2022-09-06 | 2022-11-11 | 扬州纳力新材料科技有限公司 | 复合聚酯膜及其制备方法与用途 |
CN115447248A (zh) * | 2022-09-06 | 2022-12-09 | 扬州纳力新材料科技有限公司 | 复合聚合物膜、其制造方法、金属化复合聚合物膜与应用 |
CN115320206B (zh) * | 2022-09-06 | 2024-02-06 | 扬州纳力新材料科技有限公司 | 复合聚酯膜及其制备方法与用途 |
CN115447248B (zh) * | 2022-09-06 | 2024-02-06 | 扬州纳力新材料科技有限公司 | 复合聚合物膜、其制造方法、金属化复合聚合物膜与应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5253730B2 (ja) | 離型フィルム | |
JP2019094475A (ja) | ポリエステルフィルム | |
TWI468290B (zh) | Release film | |
JP7124283B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
JP4979105B2 (ja) | 光学用ポリエステルフィルム | |
JP2013001022A (ja) | 光学用積層ポリエステフィルムロール | |
JP7187774B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
JP7188086B2 (ja) | 二軸配向積層フィルム | |
JP7130951B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
JP3908098B2 (ja) | 光学フィルム製造用キャリアフィルム | |
JP6467942B2 (ja) | 両面金属積層フィルム | |
JP4076446B2 (ja) | ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム | |
JP6467928B2 (ja) | 両面金属積層フィルム | |
KR20120039867A (ko) | 다층 세라믹 콘덴서 이형용 적층 폴리에스테르 필름 및 그 제조방법 | |
JP6299491B2 (ja) | 導電性フィルム用離型フィルム基材 | |
JP2002332336A (ja) | ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム | |
JP7338359B2 (ja) | 光学用ポリエステルフィルムロール | |
WO2010023891A1 (ja) | 二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP2009226767A (ja) | 透明導電性フィルム用積層ポリエステルフィルム | |
JP2002332335A (ja) | ポリアルキレンナフタレート組成物及びそれからなるフィルム | |
JP2022114516A (ja) | 包装用ポリエステルフィルム | |
JP6379674B2 (ja) | 積層体 | |
JP2023117374A (ja) | 離型用ポリエステルフィルム、積層グリーンシートの製造方法、偏光膜の製造方法、離型フィルム、および積層体 | |
JP2014172299A (ja) | 保護フィルム用ポリエステルフィルム | |
JP2015107618A (ja) | 離型フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210422 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220301 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220426 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220607 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220905 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20220905 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20220912 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20220913 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20221118 |
|
C211 | Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211 Effective date: 20221122 |