JP7130951B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
透明導電性積層体としては、ポリエステルフィルムを基材とし、その上に直接、あるいは樹脂アンカー層を介して、様々な導電性層が形成されている。その導電性層として、例えば、酸化インジウムスズや銅などの金属を基材へ蒸着密着させるスパッタリングによって形成され、その蒸着時の高温による基材の熱寸法安定性を最小に抑えるべく事前に、機材フィルムを加熱処理し、加工されることが一般的になっている。また、保護フィルムとしては、タッチパネル用の透明電極の製造工程において、金属からなる透明導電膜が形成された透明導電性フィルムは、アニール処理や、金属の結晶化工程、レジストの印刷工程、エッジング処理工程など、多くの加熱工程や薬液処理の工程を経て、透明導電性フィルムが製造されているが、製造工程中に、透明電極の汚損、損傷が生じるのを防止するために、透明導電性フィルムの透明導電膜が形成された面と反対側に表面保護フィルムとしてポリエステルフィルム貼り合わされに用いられている。
(あ)ポリエステルを主成分とする下記(1)~(4)を満たす単層構成からなるポリエステルフィルム。
(1)170℃3時間加熱した前後のフィルムのヘイズ値の変化量ΔHz値が0.5%以下であること。
(2)ジエチレングリコール(DEG)量が0.9重量%以上3.0重量%以下であること。
(3)フィルムの長手方向、幅方向の厚みむらがいずれも5.0%以下であること。
(4)170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズ値が2.0%以下であること。
(い)ポリエステルを主成分とする単層構成からなるポリエステルフィルムの少なくとも片側に塗布層を有する下記(1)~(4)を満たすポリエステルフィルム。
(1)170℃3時間加熱した前後のフィルムのヘイズ値の変化量ΔHz値が0.5%以下であること。
(2)ポリエステルを主成分とする単層構成からなるポリエステルフィルムのジエチレングリコール(DEG)量が0.9重量%以上3.0重量%以下であること。
(3)フィルムの長手方向、幅方向の厚みむらがいずれも5.0%以下であること。
(4)170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズ値が2.0%以下であること。
(う)光学用途に使用される(あ)または(い)に記載のポリエステルフィルム。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルを主成分とするポリエステル樹脂を単層構成とするフィルムである。ポリエステル樹脂は、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であり、エチレンテレフタレート、エチレン-2,6-ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン-α,β-ビス(2-クロロフェノキシ)エタン-4,4’-ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主成分とし、これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも、品質、経済性などを総合的に考慮すると、ポリエチレンテレフタレートを主成分とすることが好ましい。また、これらポリエステル樹脂には、さらに他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
その後、得られた溶融ポリエチレンテレフタレートは口金よりストランド状に吐出、冷却し、カッターによってペレット化する方法により液相ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を製造できる。
得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、固相重合を施す前に予備結晶化することが好ましい。予備結晶化はポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に機械的衝撃を与え、せん断処理を施す方法や熱風流通下で加熱処理を施す方法などを採用することができる。
この未延伸フィルムを70~100℃に加熱されたロール間でフィルムの走行方向である縦方向に2.5~5.0倍延伸する。続いて、このフィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、75~95℃の温度まで加熱を行い、引き続き連続的に90~115℃の加熱ゾーンで縦方向とは直交する横方向に3.0~5.0倍延伸し、続いて200~240℃の加熱ゾーンで5~60秒間熱処理を施し、100~200℃の冷却ゾーンを経て結晶配向の完了したポリエステルフィルムを得る。
なお、上記の熱処理中に熱寸法安定性を高めるために、縦方向あるいは幅方向に3~12%の弛緩処理を施してもよい。
得られたポリエステルフィルムの端部をカットし、巻き取り中間製品とし、その後、巻き取ったフィルムを巻き返しながら、スリッターを用いて所望の幅にカット後、円筒状のコアに巻き付け所望の長さのフィルムロールを得ることができる。なお、巻き取った後のフィルムの擦過キズの発生やフィルムとフィルムが張り付くブロッキングを抑制すべく、フィルムの横方向の両端部にナール処理を施し、フィルムにエンボス加工が施されていても良い。
本発明のポリエステルフィルムは、厚みが10μm以上500μm以下であることが好ましい。フィルムの厚みが10μm未満あるいは500μmを超える場合は、フィルムとして安定した製造が困難となる場合があり、特に、500μmを超える場合は透明性との両立が困難となる場合がある。本発明のポリエステルフィルムの厚みは、16μm以上300μm以下であることがより好ましく、18μm以上250μm以下、さらには、20μm以上200μm未満であることがさらに好ましい。
実施例・比較例の条件にて製膜を実施した際の破れ回数を1日当たりに換算した計算値を用いて下記の基準にて判定した。○、△が実用可能な範囲である。
○:1日当たりの破れが1回以下
△:1日当たりの破れが1回を越えて2回以下
×:1日当たりの破れが2回を越える。
5cm角のフィルムを試料とし、加熱前と170℃3時間加熱後のヘイズをそれぞれJIS-K-7105(1985年)に基づいて、ヘーズメーターで測定した。(スガ試験機製“HZ-V3”)測定試料はそれぞれ3試料用意し、加熱前のヘイズの平均をもって初期ヘイズ値とし、加熱前のヘイズと加熱後のヘイズ値の平均値の差分からΔHzを求めた。
加熱前のフィルム片20mgを試料として、OCP(o-クロロフェノール)に150℃で30分間溶解し、室温で冷却した。その後、内部標準として1,4-ジフェニルベンゼンを添加後、メタノール2mLを加えて高速遠心分離機でポリマーを分離し、液層部を高速液体クロマトグラフ(島津製作所製“LC-10ADvp”)を用いて測定した。
20cm四方に切り出したフィルムをパンチングメタルの上に置いた状態で、温度を150℃に設定したオーブン中に無緊張状態で10分間保持した後、フィルムサンプルを室温で10分間冷却し、蛍光灯の反射光により、フィルムの表面に映し出された蛍光灯の反射像の状態を観察した。パンチングメタルは下記の2種を用いて評価を行ない、下記の判定基準により耐熱変形性を評価した。
エンボス加工 1.5t×D4.5×P7.5 60°チドリ
・パンチングメタルB:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304
エンボス加工 2t×D7/H1.3×P10 60°チドリ
〔耐熱変形性の評価基準〕
○:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれの場合においても、蛍光灯の反射像に歪みは見られなかった。
×:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれの場合においても、フィルム表面の全面に、パンチングメタルのエンボス加工ピッチで、蛍光灯の反射像に歪みがあった。
ポリエステルフィルムをソニー社製、デジタルマイクロメーターを使用し、JIS-C-2151に従って測定した。ポリエステルフィルムの長手方向および幅方向をそれぞれ、以下のように測定し、厚みむらを求め、その平均を取って評価した。
〔厚みむらの測定〕
ポリエステルフィルムの厚みを長手方向または幅方向に10点測定しその平均値を中心値Aとした。また、最大値から最小値を差し引いた値を厚みムラBとし、中心値に対する厚みムラの割合を算出した。すなわち、フィルムの厚みムラ(%)=100×B/Aとし、長手方向と幅方向の平均を以下にて評価を行なった。
〔厚みむらの評価〕
×:厚みむらが5.0%を超える
△:厚みむらが3.0%超えて5.0%以下
○:厚みむらが3.0%以下。
試料をメタノールで十分洗浄し、表面付着物を取り除き、水洗して乾燥した300gのサンプルにo-クロロフェノール2.7Kgを加えて撹拌しつつ100℃まで昇温させ、昇温後さらに1時間そのまま放置してポリエステル部分を溶解させる。ただし、高度に、結晶化している場合などでポリエステル部分が溶解しない場合は、一度溶解させて急冷した後に前記の溶解操作を行なう。
ついで、ポリエステル中に含有されているゴミなどの粗大不溶物をG-1ガラスフィルターでろ別し、除去し、このろ上物の重量を試料重量から差し引く。
日立製作所分離用超遠心機40p型にローターRP30を装備し、セル1個当りに前記ガラスフィルターろ別後の溶液30ccを注入後、ローターを4500rpmにて回転させ、回転異常のないことを確認後、ローター中を真空にし、30000rpmに回転数を上げ、この回転数にて粒子の遠心分離を行なう。
分離の完了はほぼ40分後であるが、この確認は必要あれば分離後の液の375mμにおける光線透過率が分離前のそれに比し、高い値の一定値になることで行なう。分離後、上澄液を傾斜法で除去し分離粒子を得る。
分離粒子には分離が不十分なことに起因するポリエステル分の混入があり得るので、採取した該粒子に常温のo-クロロフェノールを加え、ほぼ均一懸濁後、再び超遠心分離機処理を行なう。この操作は、後述の粒子を乾燥後、該粒子の走差型差動熱量分析を行なって、ポリマに相当する融解ピークが検出できなくなるまで繰返す必要がある。最後に、このようにして得た分離粒子Aを120℃、16時間真空乾燥して秤量する。
これをフィルム中の粒子含有量(重量%)とした。
(PET-A)
テレフタル酸とエチレングリコールの反応物であるエステル化反応物を予め255℃の溶融状態で貯留させ、さらにテレフタル酸とエチレングリコールとをテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比が1.15になるようにスラリー状にしてエステル化反応槽の温度を保ちながら定量供給し、水を留出させながらエステル化反応を行い、エステル化反応物を得た。得られたエステル化反応物を、重合反応槽に移送し、リン酸を含むエチレングリコール溶液と酢酸マグネシウム4水和物を含むエチレングリコール溶液、三酸化アンチモンを含むエチレングリコール溶液を、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対して、アルカリ金属元素、かつカリウム元素、マグネシウム元素、リン元素のM/Pが2.8に、アンチモン元素として60ppmとなるように添加し、引き続いて重合反応槽内を除々に減圧にし、30分で0.13kPa以下とし、それと同時に除々に昇温して280℃とし、溶融重合後の固有粘度が0.50dl/gとなるように重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化し、表面結晶化装置によって予備結晶化し、液相ポリエステルを得た。ここで得られた液相ポリエステルを用いて、回転式真空乾燥装置により、0.13KPaの減圧下、215℃の温度で18時間固相重合を行い、ポリエステル樹脂(PET-A)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET-A)の固有粘度は0.65dl/g、環状三量体含有量は0.42重量%、DEG量は1.05重量%であった。
液相ポリエステルを得た後の固相重合を連続式真空乾燥装置を用いて行うこと以外はPET-Aと同様にしてポリエステル樹脂(PET-B)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET-B)の固有粘度は0.73dl/g、環状三量体含有量は、0.39重量%、DEG量は1.05重量%であった。
溶融重合後の固有粘度を0.40、固相重合時間を26時間と変更する以外は,PET-Aと同様の方法で実施した。固有粘度が0.60dl/g、環状三量体が0.38重量%、DEG量は1.08重量%であった。
固相重合時間を26時間と変更する以外は、PET-Aと同様の方法で実施し、ポリエステル樹脂(PET-D)を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度は、0.70dl/g、環状三量体含有量は、0.38重量%、DEG量は1.05重量%であった。
酢酸マグネシウム4水和物、リン酸の添加量をM/Pが2.0となるように変更すること以外は、PET-Aと同様にして、ポリエステル樹脂を得た。固有粘度は、0.64dl/g、環状三量体含有量は、0.42重量%、DEG量は1.05重量%であった。
三酸化アンチモンを含むエチレングリコール溶液にアンチモン元素量を変更し、固相重合を実施しないこと、固有粘度を変更したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET-A)と同様の方法により、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度は0.70dl/g、環状三量体含有量は1.07重量%、DEG量は1.10重量%であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール38.15重量部、ジエチレングリコール0.25重量部を窒素雰囲気下、温度260℃にて混合した。その後温度を225℃へ降下させ、酢酸マンガン4水和物0.068重量部、三酸化アンチモン0.029重量部を添加後攪拌しながら、更にエチレングリコール15.9重量部とジエチレングリコール0.10重量部の混合物を2時間かけて徐々に添加しながらメタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、反応系内のポリエステルの温度を225℃とし、リン酸0.015重量部とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.027重量部をエチレングリコール6.8重量部に溶解したエチレングリコール溶液(リン化合物の濃度0.4重量%)を添加した。引き続き、重合反応を最終到達温度285℃、圧力13Paの減圧下で行い、固有粘度0.54を得た。さらに、得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させたのち、圧力65Paの減圧条件下にて230℃、10時間の固相重合を行い、固有粘度(IV)が0.82、環状三量体含有量が0.25重量%、DEG量が1.20重量%のポリエステルを得た。
PET-Gにおいて、リン酸アルカリ金属塩として、リン酸二水素ナトリウム2水和物を添加せず、ジエチレングリコール添加量を、全ジオール成分比率に対して、2.5重量とすること以外は、同様にして、固有粘度(IV)が0.82、環状三量体含有量が0.25重量%、DEG量が3.15重量%のポリエステルを得た。
(PET-I):
PET-Gにおいて、ジエチレングリコールを添加しないこと以外は、同様にして、固有粘度(IV)が0.82、環状三量体含有量が0.25重量%、DEG量が0.68重量%のポリエステルを得た。
(塗剤-1)
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸40モル部、テレフタル酸50モル部、5-スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール95モル部、ジエチレングリコール5モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万重量部に対して100重量部添加して、160~240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、トリメリット酸5モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万重量部に対して100重量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220~280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(A)を得た。その後、ポリエステル(A)を100重量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF:有効成分70重量%、イソプロピルアルコール17重量%含有)を50重量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5重量部混合してなる有効成分を5.0重量部、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを3.0重量部、水を92.0重量部混合して、塗液-1を得た。
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸85モル部、5-スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール100モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万重量部に対して100重量部添加して、160~240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、1,3,5-トリメリット酸10モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万重量部に対して100重量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220~280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(B)を得た。その後、ポリエステル(A)をポリエステル(B)に変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-2を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100重量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標)MW12LF:有効成分70重量%、イソプロピルアルコール17重量%含有)を40重量部(有効成分換算)、オキサゾリン系架橋剤(日本触媒(株)製“エポクロス”(登録商標)WS500:有効成分40重量%、1-メトキシ-2-プロパノール38重量%含有)を10重量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5重量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-4を得た。
(実施例1)
PET-A真空中160℃で4時間乾燥した後、PET-Aにシリカ粒子(平均粒子径0.45μm)をPET-Aに対して、0.01重量%添加し、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き5μmのフィルターで、次いで平均目開き14μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。なお、この時キャスティングドラムの反対面から温度10℃の冷風を長手方向に8段設置した間隙2mmのスリットノズルから風速20m/sでフィルムに吹き付け、両面から冷却を実施した。
PET-Aに粒子を添加しないこと、一軸延伸フィルムを得た後、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとし、表1に記載する塗液を上記一軸延伸フィルムの両面にバーコーターを用いて、塗布乾燥後の塗布厚みが100nmとなるように塗布した。なお、メタリングワイヤーバーは直径13mm、ワイヤー径0.1mm(#4)のものを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
一軸延伸フィルムを得た後、フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとし、表1に記載する塗液を上記一軸延伸フィルムの両面にバーコーターを用いて、塗布乾燥後の塗布厚みが100nmとなるように塗布した。なお、メタリングワイヤーバーは直径13mm、ワイヤー径0.1mm(#4)のものを用いた。塗布をした以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET-Aに代えて、PET-Bとすること、粒子を添加しないこと以外は実施例3と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET-Aに代えて、表1のポリエステル樹脂を用いる以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
PET-Aに代えて、塗剤、最終フィルム厚みを表1とする以外は、実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを得た。実施例2と対比すると、PET-Fは、固相重合を採用していない樹脂であり、厚みが50μmと薄かったのに対し、コーティング層を施しても加熱後のヘイズ値が2.0%を大きく上回り、ΔHzが劣るものであった。
PET-Aに代えて、表1に記載の樹脂を採用すること、粒子含有量を変更すること以外は、実施例5と同様にしてポリエステルフィルムを得た。実施例5と対比すると、PET-Cは、固相重合を施した樹脂であるが固相重合前の固有粘度が0.40と低く、最終的に得られたフィルムの固有粘度(IV)も低いものであったが、粒子量が多く、加熱前、加熱後のヘイズ値、ΔHz値が高かったが、加熱後の平面性は向上した。
PET-Aに代えて、表1に記載の樹脂を採用すること、粒子含有量を変更すること以外は、実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを得た。PET-Gは固相重合を施したものであり、最終的に得られたフィルムの固有粘度(IV)は高く、加熱後の平面性には優れるが、加熱前、加熱後のヘイズ値、ΔHzが高く、製膜性も若干悪化した。
PET-Aに代えて、表1に記載の樹脂を採用すること以外は、実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを得た。実施例2に比べて、固有粘度が高くなったが、ジエチレングリコール(DEG)量が高かったため、製膜性は安定したが、加熱後の平面性が悪化した。
(比較例5)
PET-Aに代えて、表1に記載の樹脂を採用すること以外は、実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを得た。実施例2に比べて、ジエチレングリコール(DEG)量が少なかったため、加熱後の平面性は良好であったが、固有粘度が高く、DEGが少ないため、製膜性は悪化した。
Claims (3)
- ポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とする下記(1)~(6)を満たす単層構成からなるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム。
(1)170℃3時間加熱した前後のフィルムのヘイズ値の変化量ΔHz値が0.5%以下であること。
(2)ポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とする単層構成からなるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムのジエチレングリコール(DEG)量が、ポリエチレンテレフタレート樹脂に対し、0.9重量%以上3.0重量%以下であること。
(3)フィルムの長手方向、幅方向の厚みむらがいずれも5.0%以下であること。
(4)170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズ値が2.0%以下であること。
(5)20cm四方に切り出したフィルムを、パンチングメタルAの上に置いた状態、及びパンチングメタルBの上に置いた状態で、温度を150℃に設定したオーブン中に無緊張状態で10分間保持した後、フィルムサンプルを室温で10分間冷却し、蛍光灯の反射光により、フィルムの表面に映し出された蛍光灯の反射像の状態を観察したときに、前記パンチングメタルAおよび前記パンチングメタルBのいずれの場合においても、蛍光灯の反射像に歪みは見られないこと。但し、前記パンチングメタルA、前記パンチングメタルBは下記のパンチングメタルとする。
パンチングメタルA:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304 エンボス加工 1.5t×D4.5×P7.5 60°チドリ。
パンチングメタルB:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304 エンボス加工 2t×D7/H1.3×P10 60°チドリ。
(6)フィルムの固有粘度(IV)が0.60dl/g以上0.70dl/g以下であること。 - ポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とする単層構成からなるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの少なくとも片側に塗布層を有する下記(1)~(6)を満たすポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム。
(1)170℃3時間加熱した前後のフィルムのヘイズ値の変化量ΔHz値が0.5%以下であること。
(2)ポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とする単層構成からなるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムのジエチレングリコール(DEG)量が、ポリエチレンテレフタレート樹脂に対し、0.9重量%以上3.0重量%以下であること。
(3)フィルムの長手方向、幅方向の厚みむらがいずれも5.0%以下であること。
(4)170℃3時間加熱した後のフィルムのヘイズ値が2.0%以下であること。
(5)20cm四方に切り出したフィルムを、パンチングメタルAの上に置いた状態、及びパンチングメタルBの上に置いた状態で、温度を150℃に設定したオーブン中に無緊張状態で10分間保持した後、フィルムサンプルを室温で10分間冷却し、蛍光灯の反射光により、フィルムの表面に映し出された蛍光灯の反射像の状態を観察したときに、前記パンチングメタルAおよび前記パンチングメタルBのいずれの場合においても、蛍光灯の反射像に歪みは見られないこと。但し、前記パンチングメタルA、前記パンチングメタルBは下記のパンチングメタルとする。
パンチングメタルA:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304 エンボス加工 1.5t×D4.5×P7.5 60°チドリ。
パンチングメタルB:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304 エンボス加工 2t×D7/H1.3×P10 60°チドリ。
(6)フィルムの固有粘度(IV)が0.60dl/g以上0.70dl/g以下であること。 - 光学用途に使用される請求項1または2に記載のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム。
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