JP7338359B2 - 光学用ポリエステルフィルムロール - Google Patents
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Description
1) 一方の表面(表面A)の算術平均粗さRaAが0.1nm以上2.0nm未満であり、前記表面Aとは反対側の表面(表面B)の算術平均粗さRaBが2.0nm以上10.0nm未満であるポリエステルフィルムが巻き取られてなるポリエステルフィルムロールであって、前記ポリエステルフィルムロール外面表面の平均帯電電位Vが-10.0kV以上10.0kV以下、帯電電位レンジRが10.0kV以下である光学用ポリエステルフィルムロール。
2) 前記表面A側の最外層の厚みが1μm以上である、1)に記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
3) 前記表面B側の最外層の厚みが1μm未満である、1)または2)に記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
4) 前記表面A側がポリエステルフィルムロールの外面になるように巻き取られてなる、1)~3)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
5) 前記表面B側がポリエステルフィルムロールの外面になるように巻き取られてなる、1)~3)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
6) 前記ポリエステルフィルムのヘイズHが0.1%以上1.5%以下である、1)~5)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
7) 前記ポリエステルフィルムの厚みが20μm以上250μm以下である、1)~6)のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
本発明のポリエステルフィルムロールにおけるポリエステルフィルムは、前記表面A側の最外層の厚みが1μm以上であることが好ましい。なお、前記表面A側の最外層の厚みは、フィルム断面の顕微鏡写真により当該層の厚みを計測することによって得ることができる。前記表面A側の最外層の厚みが1μm未満である場合には、表面Aの算術平均粗さRaAが2.0nm以上となりやすいため好ましくない。前記表面A側の最外層の厚みは2μm以上250μm以下であることがより好ましく、38μm以上188μm以下であることがさらに好ましく、50μm以上150μm以下であることが特に好ましい。
1) ベースとなるポリエステルフィルムの工程フィルムの少なくとも片面に、塗布層を形成する塗液を塗布する塗布工程。
2) ベースとなるポリエステルフィルムの工程フィルムに塗布された塗液を加熱乾燥することによって、塗布層を形成せしめる加熱乾燥工程。
3) 塗布層が形成された工程フィルムを延伸する延伸工程。
4) 延伸された工程フィルムを加熱し、熱処理を行う熱処理工程。
(1)厚み:T
ダイヤルゲージ(ミツトヨ社製“No2110S-10”)を用いて、フィルムの任意の20点を測定し、平均値を厚みTとした。
フィルムロール表面からフィルムを巻き出し、幅方向全長に切れ目を入れて短冊状にサンプリングし、ダイヤルゲージ(ミツトヨ社製“No2110S-10”)を用いて、フィルムの一方の端部から1cm内側の位置を最初の測定点として、もう一方の端部に向かって1cm移動する毎にフィルム厚みを測定し、フィルム幅方向全長にわたるフィルム厚みのデータを得た。次いで、任意の測定点とその次の測定点でのフィルム厚みの差の絶対値ΔTを算出し、幅方向全長におけるΔTのうち最大値を選択して、ΔTmaxとした。
最外層厚みが1μm以上である場合には金属顕微鏡を用いた方法により最外層厚みの測定を行い、最外層厚みが1μm未満である場合には透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた方法により最外層厚みの測定を行った。
フィルムの断面を、ライカマイクロシステムズ(株)製金属顕微鏡LeicaDMLMを用いて、100倍~1000倍の任意の倍率により、透過光で写真撮影し、最外層の厚みを測定した。合計で20点の厚み測定を行い、20点の平均値を、表面A側の最外層の厚みTAあるいは表面B側の最外層の厚みTBとした。基材フィルムが複合フィルムである場合など、層間の界面が不明確である場合には、任意の層に染料を任意量添加して、その他の製造条件は変更せずにサンプルフィルムを作成して測定した。
フィルムの断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて10万倍の倍率で撮影を行い、最外層の厚みを測定した。合計で20点の厚み測定を行い、20点の平均値を、表面A側の最外層の厚みTAあるいは表面B側の最外層の厚みTBとした。
SMI3200SE(SIINT(株)製)
FB-2000A II Micro Sampling System(日立(株)製)
Strata400S(FEI社製)
スパッタコート(白金、10nm)後に、C(炭素)のデポジション製膜を実施。
・観察条件:加速電圧300kV
(4)算術平均粗さ(表面Aおよび表面B):RaAおよびRaB
触針式表面粗さ計を用い、JIS-B0601(1994年)に準拠して下記条件にて表面Aおよび表面Bの算術平均粗さを測定した。1ヵ所の測定で幅方向に20回走査し、同様に計3ヵ所測定し、得られた結果の平均値をRaAおよびRaBとした。
・測定装置:小坂研究所製高精度薄膜段差測定器ET-10
・触針先端半径:0.5μm
・触針荷重:0.05mN
・測定長:1mm
・カットオフ値:0.08mm
・測定環境:温度23℃湿度65%RH
(5)ヘイズ:H
JIS-K-7105(1985年)に基づいて、ヘイズメーター(スガ試験機製“HGM-2GP”)を用いて、3回の測定を行い、平均値をヘイズHとした。
フィルムロールを構成するコアに中吊り棒を挿入し、中吊り棒の両端を架台に掛けることでフィルムロールを宙吊りにし、フィルムロールからフィルムを3周巻き出して、電位計(株式会社キーエンス製 静電気測定器SK-H050)を用いて露出したフィルムロール表面の帯電量を測定した。フィルムロールの幅方向3点の位置(幅方向の両端部からそれぞれ5cm内側の位置、および幅方向中心の位置)で電位を測定し、その平均値を平均帯電電位Vとした。
前記(5)平均帯電電位Vの測定過程で得られたフィルムロールの幅方向3点の位置(幅方向の両端部からそれぞれ5cm内側の位置、および幅方向中心の位置)の電位測定値のうち、最大値と最小値の差を算出して、帯電電位レンジRとした。
(8-1)光学転写フィルムの作成
フィルムロールからフィルムを巻き出してフィルムを搬送し、表面A側に配向層に係る塗工液Aを塗工し、乾燥装置により塗工液Aを乾燥させた後、塗工液Aの塗工側より直線偏光による紫外線を照射して塗工液Aを硬化させて、表面A側に配向層を設けた。続いて、配向層の上に位相差層に係る塗工液Bを塗工し、乾燥装置により塗工液Bを乾燥させた後、塗工液Bの塗工側と未塗工側の両側より直線偏光による紫外線を照射して塗工液Bを硬化させて、配向層の上に位相差層を設けることで、光学転写フィルムを得た。
三洋化成工業(株)製のファインキュアーPXV-18を用いて、その組成物中に、フッ素含有界面活性剤(DIC社製 メガファックF-554)を0.025質量%の割合で添加したものを用いた。
メルク(株)製 RMM28Bを用いた。
直線偏光板と粘着層と剥離フィルムとがこの順で積層された積層体を巻き取ってなる直線偏光板ロールを、剥離フィルムを剥離しながら粘着層が露出するように巻き出し、前記光学転写フィルムの位相差層と直線偏光版ロールの粘着層とが積層されるように貼り合わせて、加圧ロールにより加圧して、その後、剥離ロールによって配向層とフィルムとの界面で剥離を行うことで位相差層と配向層とで構成される転写層を転写して、直線偏光板と粘着層と位相差層と配向層とがこの順で積層された光学機能フィルムを得た。
前記(8-1)及び(8-2)の方法で得た光学機能フィルムを用いて、暗室内において、配向層側より三波長蛍光灯による投光を行い、配向層表面に投影された光源像を観察し、下記の基準にて転写層の表面外観の評価を行った。
・A:配向層表面に投影された光源像の輪郭が明確であり、転写層の表面外観が良好であった。
・B:配向層表面に投影された光源像の輪郭は不明確であったが、光源像の全体像は十分に認知可能であり、転写層の表面外観は十分に実用に耐えるものであった。
・C:配向層表面に投影された光源像の輪郭が不明確であり、光源像の全体像も認知できず、転写層の表面外観は不良であった。
前記(8-1)に記載の加工時における加工性を、下記の基準にて評価した。
・A:2000mの連続加工を行ったとき、全長にわたって泡の混入や紫外線硬化不足などの塗工不良は発生せず、安定した加工が可能であり、加工性は良好であった。
・B:2000mの連続加工を行ったとき、泡の混入や紫外線硬化不足などの塗工不良が合計値として1~5箇所の位置で発生したが、加工性は十分に実用に耐えるものであった。
・C:2000mの連続加工を行ったとき、泡の混入や紫外線硬化不足などの塗工不良が合計値として6箇所以上の位置で発生し、加工性は不良であった。
前記(8-2)に記載の加工時において、配向層とフィルムとの界面で剥離を行ったときの剥離性を、下記の基準にて評価した。
・A:2000mの連続加工を行ったとき、全長にわたって配向層の剥離残りは発生せず、剥離性は良好であった。
・B:2000mの連続加工を行ったとき、配向層の剥離残りが1~3箇所の位置で発生したが、加工性は十分に実用に耐えるものであった。
・C:2000mの連続加工を行ったとき、配向層の剥離残りが4箇所以上の位置で発生し、剥離性は不良であった。
暗室内において、三波長蛍光灯、偏光板A、前記(8-1)及び(8-2)の方法で得た光学機能フィルム、偏光板Bをこの順に配置し、偏光板B側より目視により観察を行い、下記の基準にて転写層の均一性の評価を行った。なお、偏光板Aと偏光板Bとの位置関係はクロスニコルの位置関係とし、光学機能フィルムの全幅を3mの長さにわたって目視観察を行った。
・AA:明暗のムラはなく、転写層の均一性は特に良好であった。
・A:明暗のムラが1~3個所の位置で確認された。
・B:明暗のムラが4~5個所の位置で確認された。
・C:明暗のムラが6個所以上の位置で確認され、転写層の均一性は不良であった。
前記(8-1)及び(8-2)の加工を行う際において、加工機へのフィルムロール取り付けから加工開始までの加工準備を行うときのフィルム取扱性について、下記の基準にて評価を行った。
・AA:前記(8-1)及び(8-2)の加工準備をそれぞれ10回ずつ行ったとき、すべて問題なく作業することができ、フィルムの取扱性は特に良好であった。
・A:前記(8-1)及び(8-2)の加工準備をそれぞれ10回ずつ行ったとき、フィルムロールからフィルムをうまく巻き出せなかったり、フィルムが工程中をうまく通過しなかったりするなどの不具合が1~2回発生した。
・B:前記(8-1)及び(8-2)の加工準備をそれぞれ10回ずつ行ったとき、フィルムロールからフィルムをうまく巻き出せなかったり、フィルムが工程中をうまく通過しなかったりするなどの不具合が3~4回発生した。
・C:前記(8-1)及び(8-2)の加工準備をそれぞれ10回ずつ行ったとき、フィルムロールからフィルムをうまく巻き出せなかったり、フィルムが工程中をうまく通過しなかったりするなどの不具合が5回以上発生し、フィルムの取扱性は不良であった。
前記(8)~(12)までの評価結果から、下記の基準にて評価を行った。
・A:前記(8)~(12)の評価結果が、すべてA以上であった。
・B:前記(8)~(12)の評価結果のうち、もっとも評価の低かった評価項目の評価結果がBであった。
・C:前記(8)~(12)の評価結果のうち、もっとも評価の低かった評価項目の評価結果がCであった。
(PET-1)
テレフタル酸とエチレングリコールの反応物であるエステル化反応物を予め255℃の溶融状態で貯留させ、さらにテレフタル酸とエチレングリコールとをテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比が1.15になるようにスラリー状にしてエステル化反応槽の温度を保ちながら定量供給し、水を留出させながらエステル化反応を行い、エステル化反応物を得た。得られたエステル化反応物を、重合反応槽に移送し、リン酸を含むエチレングリコール溶液と酢酸マグネシウム4水和物を含むエチレングリコール溶液、三酸化アンチモンを含むエチレングリコール溶液、水酸化カリウムを含むエチレングリコール溶液を別々に、得られるポリエステル樹脂に対して、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、リン元素をM/Pが2.8に、アンチモン元素として60ppmとなるように添加し、引き続いて重合反応槽内を除々に減圧にし、30分で0.13kPa以下とし、それと同時に除々に昇温して280℃とし、重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化し、表面結晶化装置によって予備結晶化し、ポリエステル樹脂(PET-1)を得た。
ポリエステル樹脂(PET-1)を用いて、回転式真空乾燥装置により、0.13KPaの減圧下、215℃の温度で20時間固相重合を行い、ポリエステル樹脂(PET-2)を得た。
重合反応槽に移送後の各種重合触媒のエチレングリコール溶液を添加する際に、さらに、平均粒子径が0.3μmの架橋ポリスチレン粒子を含むエチレングリコール溶液を添加したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET-1)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET-3)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET-3)の架橋ポリスチレン粒子含有量は0.02質量%であった。
重合反応槽に移送後の各種重合触媒のエチレングリコール溶液を添加する際に、さらに、平均粒子径が2μmのシリカ粒子を含むエチレングリコール溶液を添加したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET-1)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET-4)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET-4)のシリカ粒子含有量は0.02質量%であった。
(塗液-1)
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分として2,6-ナフタレンジカルボン酸40モル部、テレフタル酸50モル部、5-スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール95モル部、ジエチレングリコール5モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万質量部に対して100質量部添加して、160~240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、トリメリット酸5モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万質量部に対して100質量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220~280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(A)を得た。その後、ポリエステル(A)を100.0質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標) MW12LF:有効成分50質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を有効成分換算で50.0質量部、コロイダルシリカ(粒径140nm)を40質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で2.2質量部、シリカ粒子(粒径300nm)を20質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で0.6質量部、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを3.0質量部、水を92.0質量部混合して、塗液-1を得た。
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸85モル部、5-スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール100モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万質量部に対して100質量部添加して、160~240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、1,3,5-トリメリット酸10モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万質量部に対して100質量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220~280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(B)を得た。その後、ポリエステル(A)をポリエステル(B)に変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-2を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標) MW12LF:有効成分70質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を有効成分換算で40質量部、オキサゾリン系架橋剤(日本触媒(株)製“エポクロス”(登録商標) WS500:有効成分40質量%、1-メトキシ-2-プロパノール38質量%含有)を有効成分換算で10質量部、コロイダルシリカ(粒径140nm)を40質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で2.2質量部、シリカ粒子(粒径300nm)を20質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で0.6質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-3を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100.0質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標) MW12LF:有効成分50質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を有効成分換算で50.0質量部、コロイダルシリカ(粒径140nm)を40質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で2.2質量部、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを3.0質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-4を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100.0質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標) MW12LF:有効成分50質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を有効成分換算で50.0質量部、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを3.0質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-5を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100.0質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標) MW12LF:有効成分50質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を有効成分換算で50.0質量部、コロイダルシリカ(粒径40nm)を40質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で2.2質量部、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを3.0質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-6を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100.0質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標) MW12LF:有効成分50質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を有効成分換算で50.0質量部、コロイダルシリカ(粒径140nm)を40質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で7.0質量部、シリカ粒子(粒径300nm)を20質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で2.0質量部、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを3.0質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-7を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100.0質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標) MW12LF:有効成分50質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を有効成分換算で50.0質量部、コロイダルシリカ(粒径140nm)を40質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で4.5質量部、シリカ粒子(粒径300nm)を20質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で1.4質量部、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを3.0質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-8を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100.0質量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”(登録商標) MW12LF:有効成分50質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を有効成分換算で50.0質量部、コロイダルシリカ(粒径140nm)を40質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で1.0質量部、シリカ粒子(粒径300nm)を20質量部混合してなる水分散液を有効成分換算で0.3質量部、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを3.0質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液-1と同様の方法により、塗液-9を得た。
メチルメタクリレートを64.0質量部、エチルアクリレートを34質量部、アクリル酸を1質量部、アクリロニトリルを1質量部の組成で共重合してなるアクリル樹脂共重合体をアクリル(A)とし、有効成分として、ポリエステル(A)をアクリル(A)に変更したこと以外は塗液-1と同様の方法により、塗液-10を得た。
有効成分として、ポリエステル(A)100.0質量部を、アクリル(A)70.0質量部およびポリエステル(A)30.0質量部に変更したこと以外は塗液-1と同様の方法により、塗液-11を得た。
有効成分として、ポリエステル(A)100.0質量部を、アクリル(A)50.0質量部およびポリエステル(A)50.0質量部に変更したこと以外は塗液-1と同様の方法により、塗液-12を得た。
(工程ロールA)
クロロプレンゴム製、表面導電抵抗:3×105Ω
(工程ロールB)
ニトリルゴム製、表面導電抵抗:2×108Ω
(工程ロールC)
エチレン・プロピレン・ジエンゴム製、表面導電抵抗:7×106Ω
(工程ロールD)
工程ロールAのロール表面に、幅1.5mm、深さ1.0mmで、角度が工程ロール幅方向に対して30°の角度でX字状に網目加工を施して、工程ロールDとした。工程ロールDのロール表面形状は、菱形が規則正しく配置された態様であった。
クロロプレンゴム製、表面導電抵抗:7×1010Ω
(工程ロールF)
ニトリルゴム製、表面導電抵抗:2×1011Ω
[ポリエステルフィルムの作成]
(実施例1)
PET-1を真空中160℃で4時間乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き5μmのフィルターで、次いで平均目開き14μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。なお、この時キャスティングドラムの反対面から温度10℃の冷風を長手方向に8段設置した間隙2mmのスリットノズルから風速20m/sでフィルムに吹き付け、両面から冷却を実施した。
この未延伸フィルムを予熱ロールにて70℃に予熱後、上下方向からラジエーションヒーターを用いて90℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.1倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向(一軸延伸)フィルムとした。このフィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとした。
塗液を塗布した1軸延伸フィルムをクリップで把持してオーブンに導き、温度120℃、風速20m/分の熱風にて加熱乾燥した。引き続き連続的に延伸工程に導き、温度100℃、風速15m/分の熱風にて加熱しながら幅方向に3.7倍延伸した。得られた二軸配向フィルムを引き続き連続的に温度230℃、風速20m/分の熱風にて15秒間熱処理を実施後、230℃から120℃まで冷却しながら5%の弛緩処理を施し、続けて50℃まで冷却した。引き続き幅方向両端部を除去した後に巻き取り、厚み100μmのポリエステルフィルム中間製品を得た。
その後、ポリエステルフィルム中間製品を1500mm幅にスリットし、フィルムがコアに巻き取られる部分で交流電圧印加式除電器により除電しながら、フィルムを2000m巻き取り、本発明のポリエステルフィルムロールを得た。中間製品のスリット工程における工程ロールは、搬送ロールには工程ロールAを、コンタクトロールには工程ロールDをそれぞれ採用した。
ここで得られた本発明のポリエステルフィルムロールの評価結果を表1に示す。ここで得られた本発明のポリエステルフィルムロールは、転写層の表面外観、加工性、剥離性、転写層の均一性に優れ、またフィルムの取扱性に特に優れており、光学フィルム用途として特に好適に使用できるものであった。
表1記載のフィルム構成と工程ロールに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、本発明のポリエステルフィルムロールを得た。ここで得られた本発明のポリエステルフィルムロールの評価結果を表1に示す。
表2記載のフィルム構成と工程ロールに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、本発明のポリエステルフィルムロールを得た。ここで得られた本発明のポリエステルフィルムロールの評価結果を表2に示す。
表3記載の原料を用いて、それぞれ独立した別々の真空乾燥機により真空中160℃で4時間乾燥した後、それぞれ独立した別々の押出機に供給し、フィルムとして表3記載の層構成、積層厚みになるよう、共押出法によって溶融押出を行い、表3記載の工程ロールを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、本発明のポリエステルフィルムを得た。なお、表3記載の基材層構成の項目における表記において、例えば「B/A/B」の表記は、基材層の構成として、基材層Aの両面に基材層Bを配置したこと、すなわち、基材層B/基材層A/基材層Bの層構成で構成したことを意味する。得られたポリエステルフィルムロールの評価結果を表3に示す。
表4記載のフィルム構成に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、本発明のポリエステルフィルムロールを得た。ここで得られた本発明のポリエステルフィルムロールの評価結果を表1に示す。
実施例1のポリエステルフィルムロールにおいて、フィルム幅方向の厚みムラの変更を行い、フィルムの厚みデータが表4記載の最大厚み差ΔTmaxに調整して、本発明のポリエステルフィルムロールを得た。ここで得られた本発明のポリエステルフィルムロールの評価結果を表4に示す。
表5記載のフィルム構成と工程ロールに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムロールを得た。なお、表5記載の基材層構成の項目における「A」の表記は、基材層の構成として、基材層Aの単層構成としたことを意味する。得られたポリエステルフィルムロールの評価結果を表5に示す。
表5記載のフィルム構成と工程ロールに変更したこと以外は、実施例21と同様の方法により、ポリエステルフィルムロールを得た。なお、表5記載の基材層構成の項目における表記において、例えば「B/A/B」の表記は、基材層の構成として、基材層Aの両面に基材層Bを配置したこと、すなわち、基材層B/基材層A/基材層Bの層構成で構成したことを意味する。得られたポリエステルフィルムロールの評価結果を表5に示す。
表6記載のフィルム構成に変更し、フィルム幅方向の厚みムラが表6記載のデータとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムロールを得た。得られたポリエステルフィルムロールの評価結果を表6に示す。
Claims (7)
- 一方の表面(表面A)の算術平均粗さRaAが0.1nm以上2.0nm未満であり、前記表面Aとは反対側の表面(表面B)の算術平均粗さRaBが2.0nm以上10.0nm未満であるポリエステルフィルムが巻き取られてなるポリエステルフィルムロールであって、前記ポリエステルフィルムロール外面表面の平均帯電電位Vが-10.0kV以上10.0kV以下、帯電電位レンジRが10.0kV以下であり、前記表面A側の最外層と前記表面B側の最外層とを備える積層構成を有する光学用ポリエステルフィルムロール。
- 前記表面A側の最外層の厚みが1μm以上である請求項1に記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
- 前記表面B側の最外層の厚みが1μm未満である請求項1または2に記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
- 前記表面A側がポリエステルフィルムロールの外面になるように巻き取られてなる請求項1~3のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
- 前記表面B側がポリエステルフィルムロールの外面になるように巻き取られてなる請求項1~3のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
- 前記ポリエステルフィルムのヘイズHが0.1%以上1.5%以下である請求項1~5のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
- 前記ポリエステルフィルムの厚みが20μm以上250μm以下である請求項1~6のいずれかに記載の光学用ポリエステルフィルムロール。
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