JP6821969B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献3では、透明性が悪化しやすく、フィルム外観の白化による視認性の低下が発生しやすい。また、特許文献4では、フィルム製造工程におけるフィルム破れが発生しやすいため製造安定性が悪化しやすく、また、熱収縮率が高くなりやすいことから、透明電極の製造工程においてカールやたるみが発生しやすい。このため、ポリエステルフィルムは、導電性フィルム用表面保護フィルム、および透明導電基材フィルム用途として用いるには十分に満足のいくものとは言えず、透明性や加工性との両立が求められている。
1) ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルムであって、ヘイズが1.5%未満であって、示差走査熱量測定により加熱速度20℃/分で昇温した時に測定される結晶融解熱量ΔHmが13cal/g以上30cal/g以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
2) 厚みが16μm以上300μm以下であることを特徴とする、1)に記載のポリエステルフィルム。
3) 屈折率が1.63以上1.69以下であることを特徴とする、1)又は2)に記載のポリエステルフィルム。
4) 前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする、1)〜3)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
5) ポリエステル樹脂のみからなるポリエステルフィルムであって、前記ポリエステル樹脂がホモポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする、1)〜4)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
6) 環状三量体の含有量が0.01質量%以上1.00質量%以下であることを特徴とする、1)〜5)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
7) 150℃30分おけるフィルム長手方向の熱収縮率が2.0%以下であることを特徴とする、1)〜6)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
8) 150℃30分おけるフィルム幅方向の熱収縮率が1.0%以下であることを特徴とする、1)〜7)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
9) 光学用途に使用されることを特徴とする、1)〜8)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
なお、ここで言う屈折率とは、フィルム長手方向の屈折率とフィルム幅方向の屈折率の平均値をいう。屈折率は、ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、中間液としてジヨードメタンを用い、アッベ屈折計により測定する事ができる。屈折率を上記の範囲とする方法は特には限定されないが、一般的には延伸時の延伸倍率や温度を調整することによって制御できる。
さらに、このポリエステル樹脂中には、本発明の重要な要件を満たす限り、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、架橋剤等が添加されていてもよい。特に、紫外線カット機能を付与する場合においてはポリエステル樹脂中に紫外線吸収剤を含有させるのが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびベンゾオキサジン系化合物、環状イミノエステル系化合物などを好ましく例示することができるが、380nmでの紫外線カット性、色調などの点及び後述するポリエステル樹脂のM+P、M/P( Mはフィルム中に残存する触媒金属元素の濃度(ミリモル% ) 、P はフィルム中に残存するリン元素の濃度(ミリモル% ) を示す。) の制御による分散性向上の効果発現度合いの点からベンゾオキサジン系化合物が最も好ましい。これらの化合物は1種単独であるいは2種以上一緒に併用することができる。またHALSや酸化防止剤等の安定剤を併用することもでき、特にリン系の酸化防止剤を併用することが好ましい。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法を、ポリエステル樹脂としてホモポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)を用いた場合を例にして説明する。ただし、本発明のポリエステルフィルムはこれに限定されるものではない。
1) ベースとなるポリエステルフィルムの工程フィルムの少なくとも片面に、塗布層を形成する塗液を塗布する塗布工程。
2) ベースとなるポリエステルフィルムの工程フィルムに塗布された塗液を加熱乾燥することによって、塗布層を形成せしめる加熱乾燥工程。
3) 塗布層が形成された工程フィルムを延伸する延伸工程。
4) 延伸された工程フィルムを加熱し、熱処理を行う熱処理工程。
なお、インラインコート法においては、通常、オーブンによる加熱乾燥後に横延伸を実施するが、両端部はクリップに把持されているため、塗布は中央部のみに実施される場合が多い。このため、塗布が施されているフィルム中央部と塗布が施されていないフィルム端部とでは、延伸時のフィルム温度に差が生じる場合があり、この場合、相対的に温度が高いフィルム端部が、より延伸されやすい状態となっている。また、塗布層中に各種架橋剤等が含有されている場合においては、計量バーやグラビアロールが長期の連続生産による目詰まりにより経時で塗布厚みが減少する傾向があり、こ場合には、横延伸時のフィルム中央部のフィルム温度が上昇するため、フィルム中央部が比較的延伸されやすい傾向となり、フィルム中央部の横延伸の実効倍率が上昇することで、横延伸後の塗布層厚みが薄くなる場合がある。これらの実情を鑑みて、加熱乾燥工程終了後のフィルム温度を、フィルム幅方向、あるいは連続生産時の経時で一定に制御することが、好ましい態様となる。
ポリエステルフィルムの断面を、ライカマイクロシステムズ(株)製金属顕微鏡LeicaDMLMを用いて、100倍〜1000倍の任意の倍率により、透過光で写真撮影し、各層の厚みを測定することにより、各層の積層比を算出した。各層の界面が不明確である場合は、任意の層に染料を任意量添加して、その他の製造条件は変更せずにサンプルフィルムを作成して、各層の積層比を算出した。
ダイヤルゲージ(ミツトヨ社製“No2110S−10”)を用いて、任意の20点を測定し、平均値を厚み(μm)とした。
JIS−K−7105(1985年)に基づいて、ヘーズメーター(スガ試験機製“HGM−2GP”)を用いて測定した。
JIS−K−7122(1987年)に基づいて、以下の条件にて算出した。
装置:示差走査熱量計(TAインスツルメント社製DSC“Q100 V9.8 Build 296”)
測定条件:窒素雰囲気下
測定範囲:30〜300℃(1st RUN)
昇温速度:20℃/分
サンプル重量:10mg
(5)屈折率
JIS−K−7142(2008年)に基づいて、以下の条件にて測定を行い、フィルム長手方向の屈折率(nMD)とフィルム幅方向の屈折率(nTD)の平均値を屈折率とした。
フィルム片20mgをOCP(o−クロロフェノール)に150℃で30分間溶解し、室温で冷却した。その後、内部標準として1,4−ジフェニルベンゼンを添加後、メタノール2mlを加えて高速遠心分離機でポリマーを分離し、液層部を高速液体クロマトグラフ(島津製作所製“LC−10ADvp”)を用いて測定した。
ASTM−D1204(1984年)に基づいて測定した。具体的には、フィルム表面に、測定長が200mmになるように標点を付与し、熱処理前の標点間距離L0を測定し、温度を150℃に設定したオーブン中で、フィルムサンプルを、無緊張状態で30分間保持した後、加熱処理後の標点間距離Lを測定し、下記式(1)により、フィルム長手方向の熱収縮率とフィルム幅方向の熱収縮率を算出し、3回の測定の平均値を熱収縮率とした。
(8)透明性
前記(1)ヘイズの項目で得たヘイズ値をもとに、下記の判定基準により透明性を判定した。
A:ヘイズ値が1.0%未満であった。
20cm四方に切り出したフィルムサンプルをパンチングメタルの上に置いた状態で、温度を150℃に設定したオーブン中に無緊張状態で10分間保持した後、フィルムサンプルを室温で10分間冷却し、蛍光灯の反射光により、フィルムの表面に映し出された蛍光灯の反射像の状態を観察した。パンチングメタルは下記の2種を用いて評価を行ない、下記の判定基準により耐熱変形性を判定した。
・パンチングメタルB:奥谷金網製作所製パンチングメタル SUS304 エンボス加工 2t×D7/H1.3×P10 60°チドリ
(耐熱変形性の判定基準)
A:パンチングメタルAおよびパンチングメタルBのいずれの場合においても、蛍光灯の反射像に歪みは見られなかった。
フィルムの両面に下記の要領でハードコート層を配置し、さらに、一方のハードコート層の表面に透明導電層を配置し、透明導電フィルムを得た。作成した透明導電フィルムを、フィルム長手方向とフィルム幅方向に沿って、20cm四方に切り出し、透明導電層が上面になるように、温度を140℃に設定したオーブン中に無緊張状態で90分間保持した後、フィルムサンプルを室温で10分間冷却した。冷却後、凹み面が上側となるように透明導電フィルムを平坦面に置き、平坦面と透明導電フィルムの頂点部との距離をそれぞれ計測し、4点の平均値をカール量として算出し、下記の判定基準により耐カール性を判定した。
以下の原材料を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMA)で希釈して混合し、各原材料を溶媒中に分散させ、不揮発分が25.5質量%の塗料を調整した。ここで得た塗料を、フィルムの片面上に、乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗布して、80℃に設定した乾燥炉により塗布膜中の溶剤を除去した後、UV処理装置を用いて積算光量400mJ/cm2の紫外線を照射して塗布膜を硬化させた。フィルムのもう片方の面にも同様の方法によりハードコート層を設け、フィルムの両面にハードコート層を配置した。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:48質量部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:12質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン):2.5質量部
(透明導電層の配置)
フィルムの両面にハードコート層が設けられたハードコートフィルムの片方の面に、スパッタリング法を用いて透明導電層を配置し、透明導電フィルムを作成した。具体的には、酸化インジウムに酸化錫5質量%を添加したターゲットを用いて、アルゴンガス98体積%と酸素ガス2体積%とからなる混合雰囲気中で成膜して、酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化物からなる透明導電層を、一方のハードコート層表面に配置した。その後、積層体をオーブンにて140℃、90分の条件で加熱して、透明導電フィルムを作成した。
A:カール量が10mm未満であった。
前記した評価項目、(7)透明性、(8)耐熱変形性、(9)耐カール性の各項目における判定結果をもとに、下記の判定基準により判定した。
(PET−1)
テレフタル酸とエチレングリコールの反応物であるエステル化反応物を予め255℃の溶融状態で貯留させ、さらにテレフタル酸とエチレングリコールとをテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比が1.15になるようにスラリー状にしてエステル化反応槽の温度を保ちながら定量供給し、水を留出させながらエステル化反応を行い、エステル化反応物を得た。得られたエステル化反応物を、重合反応槽に移送し、リン酸を含むエチレングリコール溶液と酢酸マグネシウム4水和物を含むエチレングリコール溶液、三酸化アンチモンを含むエチレングリコール溶液、水酸化カリウムを含むエチレングリコール溶液を別々に、得られるポリエステル樹脂に対して、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、リン元素をM/Pが2.8に、アンチモン元素として60ppmとなるように添加し、引き続いて重合反応槽内を除々に減圧にし、30分で0.13kPa以下とし、それと同時に除々に昇温して280℃とし、重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化し、表面結晶化装置によって予備結晶化し、液相ポリエステルを得た。ここで得られた液相ポリエステルを用いて、回転式真空乾燥装置により、0.13KPaの減圧下、215℃の温度で20時間固相重合を行い、ポリエステル樹脂(PET−1)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−1)の固有粘度は0.65、環状三量体含有量は0.40質量%であった。
固相重合時間を30時間に変更したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−1)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−2)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−2)の固有粘度は0.70、環状三量体含有量は0.35質量%であった。
固相重合時間を50時間に変更したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−1)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−3)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−3)の固有粘度は0.60、環状三量体含有量は0.30質量%であった。
固相重合時間を10時間に変更したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−1)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−4)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−4)の固有粘度は0.65、環状三量体含有量は0.60質量%であった。
固相重合を実施せずに、固有粘度を変更したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−1)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−5)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−5)の固有粘度は0.70、環状三量体含有量は1.07質量%であった。
重合反応槽に移送後の各種重合触媒のエチレングリコール溶液を添加する際に、さらに、平均粒子径が2μmのシリカ粒子を含むエチレングリコール溶液を添加したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−5)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−8)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−8)の固有粘度は0.70、環状三量体含有量は1.07質量%、シリカ粒子含有量は0.02質量%であった。
重合反応槽に移送後の各種重合触媒のエチレングリコール溶液を添加する際に、さらに、平均粒子径が0.3μmの架橋ポリスチレン粒子を含むエチレングリコール溶液を添加したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−5)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−9)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−9)の固有粘度は0.70、環状三量体含有量は1.07質量%、架橋ポリスチレン粒子含有量は0.02質量%であった。
重合反応槽に移送後の各種重合触媒のエチレングリコール溶液を添加する際に、さらに、平均粒子径が0.45μmの架橋ポリスチレン粒子を含むエチレングリコール溶液を添加したこと以外は、ポリエステル樹脂(PET−1)と同様の方法により、ポリエステル樹脂(PET−10)を得た。得られたポリエステル樹脂(PET−10)の固有粘度は0.65、環状三量体含有量は0.40質量%、架橋ポリスチレン粒子含有量は0.01質量%であった。
(塗液−1)
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸40モル部、テレフタル酸50モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール95モル部、ジエチレングリコール5モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万質量部に対して100質量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、トリメリット酸5モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万質量部に対して100質量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220〜280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(A)を得た。その後、ポリエステル(A)を100重量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”MW12LF:有効成分70質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を50質量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5質量部混合してなる有効成分を5.0質量部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを3.0質量部、水を92.0質量部混合して、塗液−1を得た。
窒素ガス雰囲気下で、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸85モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール100モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万質量部に対して100質量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。その後、1,3,5−トリメリット酸10モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万質量部に対して100質量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220〜280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル(B)を得た。その後、ポリエステル(A)をポリエステル(B)に変更したこと以外は、塗液−1と同様の方法により、塗液−2を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100重量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”MW12LF:有効成分70質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を40質量部(有効成分換算)、オキサゾリン系架橋剤(日本触媒(株)製“エポクロス”WS500:有効成分40質量%、1−メトキシ−2−プロパノール38質量%含有)を10質量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液−1と同様の方法により、塗液−3を得た。
有効成分を、ポリエステル(A)を100重量部、メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”MW12LF:有効成分70質量%、イソプロピルアルコール17質量%含有)を40質量部(有効成分換算)、カルボジイミド系架橋剤(日清紡ケミカル(株)製“カルボジライト”V−04:有効成分40重量%)を10質量部(有効成分換算)、コロイダルシリカ(粒径140nm)を1.5質量部混合してなることに変更したこと以外は、塗液−1と同様の方法により、塗液−4を得た。
(実施例1)
PET−1を真空中160℃で4時間乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き5μmのフィルターで、次いで平均目開き14μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。なお、この時キャスティングドラムの反対面から温度10℃の冷風を長手方向に8段設置した間隙2mmのスリットノズルから風速20m/sでフィルムに吹き付け、両面から冷却を実施した。
この未延伸フィルムを予熱ロールにて70℃に予熱後、上下方向からラジエーションヒーターを用いて90℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.1倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向(一軸延伸)フィルムとした。このフィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとした。
塗液を塗布した1軸延伸フィルムをクリップで把持してオーブンに導き、温度120℃、風速20m/分の熱風にて加熱乾燥した。引き続き連続的に延伸工程に導き、温度100℃、風速15m/分の熱風にて加熱しながら幅方向に3.7倍延伸した。得られた二軸配向フィルムを引き続き連続的に温度230℃、風速20m/分の熱風にて15秒間熱処理を実施後、230℃から120℃まで冷却しながら5%の弛緩処理を施し、続けて50℃まで冷却した。引き続き幅方向両端部を除去した後に巻き取り、厚み125μmのポリエステルフィルムを得た。
ここで得られたポリエステルフィルムは、透明性、耐熱変形性、耐カール性に優れ、導電性フィルム用表面保護フィルム用途および透明導電基材フィルム用途として好適に使用できるものであった。
表1記載の構成に変更し、弛緩処理を3%に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
表1記載の構成に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
表2記載の原料を用いて、それぞれ独立した別々の真空乾燥機により真空中160℃で4時間乾燥した後、それぞれ独立した別々の押出機に供給し、フィルムとして表2記載の層構成、積層比になるよう、共押出法によって溶融押出を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。なお、表2記載の層構成の項目における「A/B」の表記は、フィルム構成として、層Aの片面に層Bを配置したこと、すなわち、ポリエステルフィルムを層A/層Bの層構成で構成したことを意味する。また、ヘイズあるいは屈折率を測定する際は、層A面を測定面とした。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
表2記載の原料を用いて、それぞれ独立した別々の真空乾燥機により真空中160℃で4時間乾燥した後、それぞれ独立した別々の押出機に供給し、フィルムとして表2記載の層構成、積層比になるよう、共押出法によって溶融押出を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。なお、表2記載の層構成の項目における「B/A/C」の表記は、フィルム構成として、層Aの片面に層Bを、もう片方の面に層Cをそれぞれ配置したこと、すなわち、ポリエステルフィルムを層B/層A/層Cの層構成で構成したことを意味する。また、ヘイズあるいは屈折率を測定する際は、層B面を測定面とした。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
表3記載の構成に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。なお、表3記載の層構成の項目における「A」の表記は、フィルム構成として、層Aの単層構成としたことを意味する。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表3に示す。
表3記載の構成に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。なお、表3記載の層構成の項目における「A」の表記は、フィルム構成として、層Aの単層構成としたことを意味する。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表3に示す。
表3記載の構成に変更し、さらに、長手方向の延伸倍率を3.8倍、幅方向の延伸倍率を4.2倍に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。なお、表3記載の層構成の項目における「A」の表記は、フィルム構成として、層Aの単層構成としたことを意味する。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表3に示す。
表3記載の構成に変更したこと以外は、実施例15と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表3に示す。
表3記載の構成に変更したこと以外は、実施例23と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表3に示す。
表3記載の構成に変更したこと以外は、実施例26と同様の方法により、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表3に示す。
Claims (7)
- ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステルフィルムであって、ヘイズが1.5%未満であって、示差走査熱量測定により加熱速度20℃/分で昇温した時に測定される結晶融解熱量ΔHmが15.2cal/g以上30cal/g以下、前記ポリエステルフィルムフィルムの環状三量体の含有量が0.01質量%以上0.48質量%以下であり、
以下の条件で前記ポリエステルフィルムフィルムの両面にハードコート層が設けたハードコートフィルムの片方の面に、スパッタリング法を用いて透明導電層を配置し、透明導電フィルムとした際のカール量が10mm未満である、透明導電性フィルムに用いられるポリエステルフィルム。
(ハードコート層の配置)
以下の原材料を、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMA)で希釈して混合し、各原材料を溶媒中に分散させ、不揮発分が25.5質量%の塗料を調整する。ここで得た塗料を、フィルムの片面上に、乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗布して、80℃に設定した乾燥炉により塗布膜中の溶剤を除去した後、UV処理装置を用いて積算光量400mJ/cm 2 の紫外線を照射して塗布膜を硬化させる。フィルムのもう片方の面にも同様の方法によりハードコート層を設け、フィルムの両面にハードコート層を配置する。
・反応性基装飾コロイダルシリカ(分散媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、不揮発分:40重量%):100質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:48質量部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:12質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン):2.5質量部
(透明導電層の配置)
酸化インジウムに酸化錫5質量%を添加したターゲットを用いて、アルゴンガス98体積%と酸素ガス2体積%とからなる混合雰囲気中で成膜して、酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化物からなる透明導電層を、一方のハードコート層表面に配置する。その後、積層体をオーブンにて140℃、90分の条件で加熱して、透明導電フィルムを作成する。
(カール量の測定)
作成した透明導電フィルムを、フィルム長手方向とフィルム幅方向に沿って、20cm四方に切り出し、透明導電層が上面になるように、温度を140℃に設定したオーブン中に無緊張状態で90分間保持した後、フィルムサンプルを室温で10分間冷却した。冷却後、凹み面が上側となるように透明導電フィルムを平坦面に置き、平坦面と透明導電フィルムの頂点部との距離をそれぞれ計測し、4点の平均値をカール量として算出する。 - 厚みが16μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 屈折率が1.63以上1.69以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステル樹脂のみからなるポリエステルフィルムであって、前記ポリエステル樹脂がホモポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 150℃30分おけるフィルム長手方向の熱収縮率が2.0%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 150℃30分おけるフィルム幅方向の熱収縮率が1.0%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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