JP5044904B2 - ポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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ピー・ジェイ・フローリー著「高分子化学」(岡小天、金丸競共訳、丸善出版社発行)P90〜97 湯木 和男著 飽和ポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社)P167〜178
加熱処理を施すポリエステルの固有粘度は0.4〜0.7の範囲にある。0.4未満では、環状三量体は減少しやすいものの得られたポリエステル成型体は機械特性が不十分となる。固有粘度が0.7を超える場合には環状三量体の減少速度が遅く、長時間の加熱処理が必要になり経済的に不利である。好ましい固有粘度は0.5〜0.7の範囲、さらには0.55〜0.68の範囲が好ましい。このような範囲の固有粘度を有するポリエステル樹脂は、通常の溶融重合において重合攪拌トルクを制御することで得ることができる。
加熱処理を施すポリエステル樹脂は、結晶化度が30%以上である。環状三量体はポリエステル樹脂の非晶部に存在するため、結晶化が進行すれば環状三量体は非晶部に濃縮されることになる。このような状態のポリエステルは、非晶部において過飽和となった環状三量体が平衡量まで減少するために、ポリエステル樹脂全体としての環状三量体量を低減することができる。結晶化度が30%未満である場合、非晶部における環状三量体の過飽和度が不十分なために大きな環状三量体低減効果を期待することができない。なお、結晶化度は加熱処理の最中にも高めることができ、最終的には70%以上の結晶化度とすることが好ましい。結晶化度を30%以上とする方法は、加熱処理の前に結晶化処理工程を設けることが好ましく、例えばポリエステル樹脂を減圧下、または熱風流通下において120〜180℃で2時間以上加熱することが好ましい。該工程を乾燥工程と兼ねても良い。ポリエステル樹脂の結晶化度は密度変化によって確認することができ、例えば完全非晶部の密度を1.335g/cm 3 、結晶密度を1.455g/cm 3 とすれば、結晶化度=(チップ密度−1.335)/(1.455−1.335)で求めることができる。
不活性ガス雰囲気としては、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスや窒素ガス、炭酸ガス等を挙げることができる。このうち窒素ガスが入手しやすく、好ましく用いることができる。これらの不活性ガスに含有される酸素や水分の濃度は、500体積ppm以下であることが好ましい。酸素や水分の濃度が500ppmを超える場合にはポリエステルの劣化が起こりやすくなり、ポリエステルの着色などの原因となる。
不活性ガス雰囲気の圧力は、650〜1,020hPaの範囲である。650hPa未満である場合、固相重合が進行するためポリエステルの重合度が上昇する。重合度の上昇はポリエステル樹脂の溶融粘度増大に結びつき、該樹脂を溶融成形する際に剪断発熱等が激しくなり、ポリエステル樹脂の劣化が起こりやすくなる。また650hPa未満ではビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートの含有量が下がりやすく、ポリエステル樹脂の成形性も悪くなりやすい。一方、不活性ガス雰囲気の圧力が1,020hPaを超える場合にはポリエステルの熱分解が起こりやすくなる。加圧状態で処理をする場合には、後に説明するとおり特定の流通度で不活性雰囲気を流通させることが重要である。好ましい圧力範囲は800〜1,020hPaの範囲であり、さらには850〜1,000hPaである。
加熱処理を施す温度は、190℃〜250℃の範囲である。190℃未満ではオリゴマー減少速度が遅いために処理時間が長くなり、経済的に不利であり、一方処理温度が250℃を超える場合にはポリエステル樹脂の融着が起こりやすく、さらには熱劣化も起こるためにポリエステルの着色が激しくなる。好ましい温度範囲は200℃〜240℃であり、さらには220℃〜235℃の範囲が好ましい。
加熱処理を施す時間は0.5〜60時間の範囲である。ポリエステル樹脂に残存する重合触媒の量や処理温度によって時間は変わるが、0.5時間未満では十分に環状三量体を減少させることが困難であり、60時間を超える場合には経済的に不利となる。上記した製造方法によって、ポリエステルの重合度を上昇させず、着色などさせずに環状三量体のみを減少させることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、環状三量体の含有量が0.1〜0.7重量%の範囲である。環状三量体の含有量が0.7重量%を超える場合、環状三量体がフィルムなどの表面に析出しやすく、析出物が表面欠点となる。さらに環状三量体の含有量は0.6重量%以下であることが析出抑制の観点から好ましく、さらには0.4重量%以下が好ましい。
次に、本発明のポリエステル樹脂組成物は、固有粘度が0.4〜0.7、かつ結晶化度が30%以上であるポリエステルを1,020hPa〜0.5MPaの範囲にある不活性ガスをポリエステル1kgあたり1リットル/hr以上流通させながら、190℃〜250℃の温度で0.5〜60時間加熱して得られた、環状三量体の含有量が0.1〜0.7重量%、カルボキシル末端基量が15〜40当量/トン、かつ固有粘度が0.55〜0.80の範囲であり、オルトクロロフェノールを溶媒とした溶液(0.8g/10ml)の365nmにおける吸光度が0.22〜0.36であるポリエステル樹脂組成物である。
固有粘度、結晶化度、環状三量体含有量、カルボキシル末端基量、吸光度等については、先に述べたとおりである。
請求項2のポリエステル樹脂組成物では、圧力が1、020hPa〜0.5MPaの範囲にある不活性ガスをポリエステル1kgたり1リットル/hr以上流通させながら処理を行ったものである。不活性ガスは第一の製造方法と同様のガスを選択することができ、酸素濃度や水分濃度も第一の製造方法と同様の範囲にすることが好ましい。なお、本発明における不活性ガスの流通量とは、標準状態における流通量を指し、標準状態とは圧力1,013hPa、温度0℃における状態を指す。
不活性ガスの圧力が1,020hPa未満である場合、不活性ガスを流通すれば固相重合が進行するため、ポリエステル樹脂の重合度が増大してしまう。一方、0.5MPaを超える高圧にしてもオリゴマー低減には特に効果はなく、経済的に不利である。好ましい圧力範囲は0.12MPa〜0.4MPaであり、さらに0.15MPa〜0.35MPaである。加圧状態で不活性ガスを流通すれば、ポリエステルから発生するアセトアルデヒド等の熱劣化物は系外に排出され、エチレングリコール等は加圧状態では排出されにくいので着色をおさえながら重合度上昇を抑制し、環状三量体を減少させることができる。アセトアルデヒドの加熱処理温度における蒸気圧は0.5MPaを超えるものの、エチレングリコールの蒸気圧は0.5MPa以下であることが上記した効果が発現する要因である。
さらに本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステルを不活性ガスの流通量がポリエステル1kgあたり1リットル/hr以下である不活性ガス雰囲気下にて、190℃〜250℃の温度で15分〜10時間加熱処理する工程(A)と、15分以内に不活性ガス雰囲気を更新する工程(B)とを繰り返すと共に、この工程(A)および工程(B)の合計時間を0.5〜60時間とすることで得られた、環状三量体の含有量が0.1〜0.7重量%、カルボキシル末端基量が15〜40当量/トン、かつ固有粘度が0.55〜0.80の範囲であり、オルトクロロフェノールを溶媒とした溶液(0.8g/10ml)の365nmにおける吸光度が0.22〜0.36であるポリエステル樹脂組成物である。
固有粘度、結晶化度、環状三量体含有量、カルボキシル末端基量、吸光度等については、先に述べたとおりである。
請求項3のポリエステル樹脂組成物では、不活性ガスの流通量がポリエステル1kgあたり1リットル/hr以下である不活性ガス雰囲気下、ポリエステルを190℃〜250℃の温度で15分〜10時間加熱処理する工程(A)と、15分以内に不活性ガス雰囲気を更新する工程(B)とを繰り返すと共に、この工程(A)および工程(B)の合計時間を0.5〜60時間としたものである。工程(A)では、不活性ガス雰囲気がほとんど動かないため、加熱処理中におけるポリエステル組成物の固有粘度変化がほとんどない。一方、工程(A)によって発生した微量のアセトアルデヒド等の副生成物は工程(B)によって装置外へ排出され、ポリエステル組成物が着色したり劣化したりすることを防ぐ。
工程(B)は、一旦加熱処理装置内を減圧状態にした後、新しい不活性ガスで加熱処理装置内を充満させる方法や、不活性ガスを処理槽内の体積以上に流通させて入れ替えるなどの方法を採ることができる。工程(B)は15分以内に完了させることが好ましく、15分を超えるとポリエステル組成物の固有粘度が上昇する場合がある。
工程(B)によって新しく加熱処理雰囲気が更新されたら、そのまま工程(A)の条件に移行して工程(A)を実施すればよい。
ポリエステル1gを20mlのオルトクロロフェノールに溶解し、内部標準を添加する。さらにメタノールを加えてポリマーを析出させて遠心分離によって上澄みを採取し、液体クロマトグラフを用いて定量した。
ポリエステル0.5gをヘキサフルオロイソプロパノール10mlに溶解し、メタノールを加えてポリマーを析出させる。遠心分離によってポリマーを分離して上澄み液を採取し、該上澄み液を蒸発乾固させる。蒸発乾固した固形分をDMSO3mlに再溶解させ、該DMSO溶液中に含まれるBHT量を液体クロマトグラフを用いて定量した。
オルトクロロフェノールを用いて25℃で測定した。
ポリエステル0.8gを10mlのオルトクロロフェノールに溶解する。ポリエステルに粒子などが含有されている場合には、溶液を遠心分離して粒子を沈降させ、その上澄みを測定に供する。
ポリエステルをオルトクレゾール/クロロホルム(重量比7/3)に90〜100℃で溶解し、アルカリで電位差測定して求めた。
臭化ナトリウム水溶液からなる密度勾配管を用いて、25℃で密度dを測定した。得られた値から次式を用いて結晶化度を計算した。
(7)ポリエステル中のチタン元素、アンチモン元素の含有量
蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)またはICP発光分析装置(セイコーインスツルメンツ社製、SPS1700)により求めた。なお、必要に応じて、対象となるポリエステル中の酸化チタン粒子等の無機粒子の影響を除去するために次の前処理をした上で蛍光X線またはICP発光分析を行った。すなわち、ポリエステルをオルトクロロフェノールに溶解し、必要に応じてクロロホルムで該ポリマー溶液の粘性を調製した後、遠心分離器で粒子を沈降させる。その後、傾斜法で上澄み液のみを回収し、アセトン添加によりポリマーを再析出、濾過、洗浄して粒子を除去したポリマーとする。以上の前処理を施して得られた粒子を除去したポリマーについてチタン元素量、アンチモン元素などの金属量の分析を行った。
縦・横5cm角のフィルムを150℃で30分間熱風オーブン内で加熱した後、走査型電子顕微鏡でフィルム表面を観察し、100μm四方あたりの直径が1μm以上の環状三量体析出物個数をカウントした。
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中の温水(371g)に乳酸(226.8g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を減圧下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして減圧下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量5.6重量%)を得た。{乳酸チタンナトリウムキレート化合物}
(実施例1)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール62重量部をエステル交換反応槽に仕込み、150℃で溶融した。ついで酢酸マグネシウム4水塩を0.05重量部仕込んでメタノールを留出させながらエステル交換反応をおこなった。反応物の温度を3時間かけて235℃まで昇温し、エステル交換反応が終了したのちオルトリン酸を0.01重量部添加した。さらに平均粒子径が0.3μmであるコロイダルシリカを0.1重量部添加し、ついで三酸化アンチモンを0.015重量部添加した。その後、反応物を重縮合装置に移行した。
加熱処理時間をそれぞれ10時間、6時間と変更する以外は実施例1と同様にフィルムを製膜した。
実施例1におけるオルトリン酸の添加量のみを変更して同様に重合をおこない、チップを加熱処理したのちフィルムを製膜した。
重合終了判定トルクを変更する以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
実施例1におけるテレフタル酸ジメチル100重量部の原料をテレフタル酸ジメチル94重量部、イソフタル酸ジメチル6重量部とする以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップを得た。
溶融重合の終点判定攪拌トルクを低くする以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップを得た。ポリエステルチップの固有粘度は0.60であり、環状三量体量は1.0重量%であった。
実施例1における三酸化アンチモンの添加量を0.02重量部とする以外は実施例1と同様にポリエステルを重合し、さらにチップの乾燥・加熱処理および製膜をおこなった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール62重量部をエステル交換反応槽に仕込み、150℃で溶融した。ついで酢酸マグネシウム4水塩を0.05重量部仕込んでメタノールを留出させながらエステル交換反応をおこなった。反応物の温度を3時間かけて235℃まで昇温し、エステル交換反応が終了したのちオルトリン酸を0.01重量部添加した。さらに平均粒子径が0.3μmであるコロイダルシリカを0.1重量部添加し、ついで参考例で準備した乳酸チタンナトリウムキレート化合物をチタン元素としてテレフタル酸ジメチルに対して5ppm(重量)となるように添加した。その後、反応物を重縮合装置に移行した。
実施例1と同様に溶融重合を実施し、カッティングの条件を変更してチップ形状を変更した。得られたポリエステルの固有粘度は0.64、環状三量体の含有量は1.2重量%であった。このポリエステルを170℃で減圧下に乾燥し、結晶化度が60%であるポリエステルを得た。チップ1キロあたりの見かけ体積は1.0リットルであった。
溶融重合の終点判定攪拌トルクを高くする以外は実施例1と同様にしてポリエステルチップを得、実施例1と同様に加熱処理を実施したのちフィルムを得た。
実施例1における加熱処理機の槽内体積とチップ見かけ体積の比率を300%から200%に変更する以外は実施例1と同様にして加熱処理をおこない、フィルムを製膜した。
実施例1における加熱処理機の槽内体積とチップ見かけ体積の比率を300%から120%に変更する以外は実施例1と同様にして加熱処理をおこない、フィルムを製膜した。
実施例1における加熱処理条件を雰囲気圧力0.3MPa、窒素ガス通気量をポリエステル1kgあたり2リットル/hrとして加熱処理する以外は実施例1と同じようにフィルムを製膜した。得られたフィルムには若干の傷が見られた。
実施例17における窒素ガス流量を1リットル/hrとする以外は実施例17と同様にして加熱処理し、フィルムを製膜した。
実施例17における雰囲気圧力を0.1MPaとする以外は実施例17と同様にして加熱処理し、フィルムを製膜した。得られたフィルムには若干の傷が見られた。
2台の押出機を備えた2層積層製膜装置を準備した。2台の押出機それぞれに実施例1で加熱処理したチップ、および乾燥のみで加熱処理をしていないチップを供給し、溶融押出した。溶融したポリマーは積層ブロックで2層に積層され、口金からシート状に押し出した。このとき鏡面冷却ドラム側に未加熱処理ポリマーを、非ドラム面側に加熱処理ポリマーを積層した。積層比率は加熱処理/未加熱処理=1:5とした。
実施例1の未加熱処理チップを170℃で減圧下に乾燥し、結晶化度が60%であるポリエステルチップを得た。ポリエステルチップ1kgあたりの見かけ体積は1.43リットルであった。
実施例21における工程(A)の処理時間を30分、工程(B)の時間を15分とし、最後は工程(A)で終了することで、工程(A)と工程(B)の合計時間が20時間となるようにチップを加熱処理し、実施例21と同じ条件でフィルムとした。
実施例21における工程(A)の処理時間を2時間、工程(B)の時間を5分とし、最後の工程(A)を75分として、工程(A)と工程(B)の合計時間が20時間となるようにチップを加熱処理し、実施例21と同じ条件でフィルムとした。
実施例21における工程(A)の処理時間を10時間とし、工程(A)と工程(B)の合計時間が20時間5分となるようにチップを加熱処理をした他は、実施例21と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
加熱処理を実施しない以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。フィルム中の環状3量体量は1.2重量%、オリゴマー析出個数は50個/100μm□であった。
実施例1で重合したポリエステルチップを170℃で減圧下に乾燥し、結晶化度が60%であるポリエステルを得た。チップ1キロあたりの見かけ体積は1.43リットルであった。
加熱処理における窒素ガスの圧力を0.15MPaとし、通気量をポリエステル1kgあたり0.5リットル/hrとする以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。加熱処理の終了したポリエステルは着色し、フィルムの色調も黄味を帯びたものであった。
加熱処理の温度を180℃とする以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。環状三量体は全く減少していなかった。
加熱処理の温度を255℃とする以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。チップは加熱処理装置内で融着してオコシ状になっていた。またチップは褐色に着色していた。チップがオコシ状となってしまったので、フィルム製膜はできなかった。
溶融重合の終点撹拌トルクを小さくする以外は実施例1と同様にしてチップを得、実施例1と同様に加熱処理をしてフィルムを製膜した。しかし、固有粘度が低すぎたために押出シートの幅が一定せず、また押出シートも非常にもろいために延伸することはできなかった。
Claims (8)
- 固有粘度が0.4〜0.7、かつ結晶化度が30%以上であるポリエステルを650〜1,020hPa範囲にある不活性ガス雰囲気下にて190℃〜250℃の温度で0.5〜60時間加熱処理し、加熱するに際し加熱槽を用いるとともに、この加熱槽の容積をポリエステルの見かけ体積の150%以上とし、得られたポリエステル組成物の環状三量体の含有量が0.1〜0.7重量%、カルボキシル末端基量が15〜40当量/トン、かつ固有粘度が0.55〜0.80の範囲であり、オルトクロロフェノールを溶媒とした溶液(0.8g/10ml)の365nmにおける吸光度が0.22〜0.36であるポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 固有粘度が0.4〜0.7、かつ結晶化度が30%以上であるポリエステルを1,020hPa〜0.5MPaの範囲にある不活性ガスをポリエステル1kgあたり1リットル/hr以上流通させながら、190℃〜250℃の温度で0.5〜60時間加熱し、加熱するに際し加熱槽を用いるとともに、この加熱槽の容積をポリエステルの見かけ体積の150%以上とし、得られたポリエステル組成物の環状三量体の含有量が0.1〜0.7重量%、カルボキシル末端基量が15〜40当量/トン、かつ固有粘度が0.55〜0.80の範囲であり、オルトクロロフェノールを溶媒とした溶液(0.8g/10ml)の365nmにおける吸光度が0.22〜0.36であるポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- ポリエステルを不活性ガスの流通量がポリエステル1kgあたり1リットル/hr以下である不活性ガス雰囲気下にて、190℃〜250℃の温度で15分〜10時間加熱処理する工程(A)と、15分以内に不活性ガス雰囲気を更新する工程(B)とを繰り返すと共に、この工程(A)および工程(B)の合計時間を0.5〜60時間であり、加熱するに際し加熱槽を用いるとともに、この加熱槽の容積をポリエステルの見かけ体積の150%以上とし、得られたポリエステル組成物の環状三量体の含有量が0.1〜0.7重量%、カルボキシル末端基量が15〜40当量/トン、かつ固有粘度が0.55〜0.80の範囲であり、オルトクロロフェノールを溶媒とした溶液(0.8g/10ml)の365nmにおける吸光度が0.22〜0.36であるポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- ポリエステル構成単位の90モル%以上がエチレンテレフタレート単位である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートの含有量が50〜200ppmである、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- アンチモン元素を30〜150ppm、アルカリ土類金属元素を1〜80ppm含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- チタン元素を0.5〜50ppm含有する、請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 結晶化度が50〜95%の範囲であり、かつ、嵩密度が0.5〜1.0kg/リットルである、請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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