JP2001072747A - ポリエステル樹脂組成物及びフィルム、並びにポリエステル中の低分子量化合物を低減する方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びフィルム、並びにポリエステル中の低分子量化合物を低減する方法

Info

Publication number
JP2001072747A
JP2001072747A JP2000250932A JP2000250932A JP2001072747A JP 2001072747 A JP2001072747 A JP 2001072747A JP 2000250932 A JP2000250932 A JP 2000250932A JP 2000250932 A JP2000250932 A JP 2000250932A JP 2001072747 A JP2001072747 A JP 2001072747A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
film
melting point
acid
ppm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000250932A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Murafuji
義則 村藤
Masayuki Kawabe
雅之 川辺
Yumi Ito
由実 伊藤
Masaki Yamamoto
正樹 山本
Michio Kubota
道雄 久保田
Yoshihiro Hayashi
義博 林
Hiroshi Naito
寛 内藤
Takashi Indo
▲たかし▼ 印藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP2000250932A priority Critical patent/JP2001072747A/ja
Publication of JP2001072747A publication Critical patent/JP2001072747A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】金属缶用途を主目的とし、金属板に直接押出し
ラミネート出来、製缶・乾燥・焼き付け工程の苛酷な環
境下にも充分耐える、フレーバー性の良好なポリエステ
ル樹脂組成物、フィルムを提供するものである。 【解決手段】エチレンテレフタレートを主体とした融点
220℃以上で多官能性化合物を含有し、融点+40℃
でのダイスウェルが1.3以上のポリエステル。及び、
このポリエステル樹脂組成物からなるフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、延展性、
接着性、耐衝撃性、フレーバー性、押出し加工性に優
れ、金属缶内外面の被覆を主目的としたポリエステル樹
脂組成物、及びフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属缶の内面及び外面のコーティ
ングには、腐食や内容物への金属溶出防止の為、エポキ
シ系、フェノール系等の各種熱硬化性樹脂塗料を塗布す
る方法が一般的である。しかしながら、このような熱硬
化性樹脂を塗布する方法は、硬化性樹脂塗料の乾燥に長
時間を要し、また多量の水による水洗工程を必要とする
ために生産性が低下したり、多量の有機溶剤による環境
汚染などの問題がある。
【0003】これらの問題を解決する方法として、金属
缶の材料となる鋼板、アルミニウム板、あるいはこれら
にメッキなどの表面処理を施した金属板に、あらかじめ
製造したポリエステルフィルムをラミネートし、その後
で成形加工して金属缶を製造する方法が提案されてい
る。例えば、特定の密度、面配向係数を有する共重合ポ
リエステルフィルム(特開昭64−22530号公
報)、特定の結晶性を有する共重合ポリエステルフィル
ム(特開平2−57339号公報)等を金属板に貼り合
わせる方法が開示されている。
【0004】しかしながら、これらの方法で得られた金
属缶はフレーバー性(保香性、保味性)は良いが、耐衝
撃性、金属板との接着性、金属缶成形時の延展性につい
ては充分ではない。また、使用される共重合ポリエステ
ルフイルムは高価である上に、金属板にフィルムをラミ
ネートする工程を要するためコストが高くなる。
【0005】一方、金属板上に溶融押出し成形を行って
樹脂被覆層を得る目的で、共重合飽和ポリエステルとア
イオノマー樹脂、又はポリスチレン系或はポリエステル
系熱可塑性エラストマーからなる組成物(特開平7−1
95617号公報、特開平8−66988号公報)が開
示されている。押出しラミネートは溶融押出しした樹脂
を直接金属板上にラミネートする方法であるが、このよ
うな方法は非常に高速での処理が可能であることに加
え、製造したフィルムを一旦巻き取る工程が不要となる
ため、工程が簡略化されるという利点を有する。
【0006】しかし、オレフィン系のアイオノマー樹脂
やポリスチレン系熱可塑性エラストマー等を用いた樹脂
組成物はフレーバー性が悪く、更にこれらの樹脂組成物
は飽和ポリエステルに比べ溶融粘性が高く、製膜や押出
しラミネートにおいて樹脂層を20μm程度以下の厚み
にする薄引き加工には適していない。
【0007】かかる欠点に対し、特開昭51−1798
8号公報には、飽和ポリエステル樹脂を直接押出しラミ
ネートする方法として、結晶化度20%以下のポリエチ
レンテレフタレート系重合体を押出しラミネートした金
属積層体が、特開昭51−148755号公報にはポリ
エチレンテレフタレート系重合体を200〜350℃に
加熱した金属体上に押出しラミネートした金属積層体が
開示されている。
【0008】しかしながら、これらの提案では高速押出
しラミネート性、金属缶の製缶時に必要な絞り成形加工
性、熱履歴を受けた後の耐衝撃性、コーヒー、紅茶、ジ
ュース、ビールなどの各種飲料に適した安全性、フレー
バー性等の多岐にわたる物性を総合的に満足させる金属
缶被覆用樹脂は得られなかった。
【0009】飲料用の金属缶に用いられるポリマー被覆
金属板を製造する際、金属板上にポリマーを押出しラミ
ネートする場合も、適正な溶融粘度と高い溶融強度を有
する樹脂が必要とされているが、ポリエステル樹脂は溶
融強度が低く、高速で押出しラミネートを行うと前述の
ように耳揺れが激しくなり正常な押出しが出来なくな
る。又、食品包装用に用いる紙、フィルムに押出しラミ
ネートする場合も同様な事が考えられる。
【0010】ポリエステルの溶融強度を改善する方法と
して、固相重合によりポリエステルの固有粘度(以下I
Vと記す。)を高くする方法又はポリエステルの分子鎖
中に架橋構造を形成する方法が考えられている。しかし
ながら、前者の方法では、溶融強度は改善されるが、溶
融粘度が増加するため、押出し加工性が著しく低下す
る。一方、後者の方法としては、ポリエステルの溶融重
合時に、多官能性化合物を少量添加する方法が考えられ
ている。この方法は架橋構造を形成させることにより、
溶融粘度の増加を抑制し成形加工性を低下させることな
く、溶融強度を改善することが目的であるが、未だ充分
に改善されていない。
【0011】ここで、重合時に多官能性化合物を用いる
場合、重合時に重縮合反応と架橋反応が同時に起こるた
め、重合時間が極端に短くなり、重合の中間生成物であ
るビスヒドロキシエチルテレフタレート(以下BHET
と記す。)やBHETの二量体(以下BHET2と記
す。)等のモノマーやオリゴマーが未反応物として樹脂
中に残存しやすい。
【0012】例えば、特開平6−80865号公報に
は、エステル結合形成性官能基を3個以上有する化合物
を添加配合した2種のポリエステルをブレンドした樹脂
組成物が提案されている。しかし、かくして得られた樹
脂組成物は、BHET又はBHET2等のモノマーやオ
リゴマーが多く含まれており、基材にラミネートし、レ
トルト処理を施した場合、BHET又はBHET2等の
モノマーやオリゴマーが多量に析出するため、フレーバ
ー性が劣り、ジュース、酒等を内容物として入れた場
合、香気が低下したり、味覚の劣化が生じやすくなり、
内容物によっては食品包装用途として適さない場合があ
る。と言うのも、一般にポリエステルのフレーバー性
は、ポリオレフィン系樹脂に比較して良好であるが、ポ
リエステル中にもフレーバー性に影響を与えると考えら
れるモノマー、オリゴマー等が存在するからである。
【0013】以上の如く、従来技術では、金属との接着
性が良好であり、高速での押出しラミネート性を充分確
保し、更にはフレーバー性に優れ、特にBHET、BH
ET2等のモノマー、オリゴマーの含有量を著しく低下
させた金属缶内外面の被覆に好適なポリエステル樹脂組
成物は提案されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の問題点を解消し、金属との接着性が良好で
あり、高速での押出しラミネート性を充分に確保するこ
とができ、尚且つ、耐熱性、延展性、押出し加工性、接
着性、フレーバー性等に優れ、特にBHET、BHET
2等のモノマー、オリゴマーの含有量を著しく低下させ
た金属缶内外面の被覆に好適なポリエステル樹脂組成物
からなる金属缶用表面被覆材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、エステ
ル結合形成性官能基を3又は4個有する化合物を0.1
〜2.0モル%含有するエチレンテレフタレートを主体
とした融点が220℃以上のポリエステルであって、該
ポリエステルの融点+40℃の温度において測定したダ
イスウェルが1.3以上であるポリエステルである。
【0016】本発明の第二は、エステル結合形成性官能
基を3又は4個有する化合物を0.1〜2.0モル%含
有するエチレンテレフタレートを主体とした融点が22
0℃以上のポリエステルであって、該ポリエステル樹脂
中のBHETの含有量が60ppm以下及びBHET2
の含有量が300ppm以下のポリエステルであって、
該ポリエステルの融点+40℃の温度において測定した
ダイスウェルが1.3以上であるポリエステルである。
本発明の第三は、一価のカルボン酸又はその誘導体及び
/又は一価のアルコールを含有するポリエステルであっ
て、該ポリエステルの融点+40℃の温度において測定
したダイスウェルが1.3以上であるポリエステルであ
る。
【0017】本発明の第四は、上記ポリエステル樹脂か
らなるフィルムである。
【0018】本発明の第五は、エステル結合形成性官能
基を3又は4個有する化合物を0.1〜2.0モル%含
有するエチレンテレフタレートを主体とした融点が22
0℃以上のポリエステルであって、真空下又は不活性ガ
ス雰囲気下150〜210℃で5時間以上の加熱処理を
行った際のIVの上昇が0.1dl/g以下であるポリ
エステルであって、該ポリエステルの融点+40℃の温
度において測定したダイスウェルが1.3以上であるポ
リエステルである。
【0019】本発明の第六は、真空中或いは不活性ガス
雰囲気下において、ポリエステルを130〜150℃の
温度で5時間以上加熱することにより、又は70〜15
0℃の水又は水蒸気含有ガスにポリエステルを5分間〜
50時間接触せしめた後、真空中又は不活性ガス雰囲気
下で融点未満の温度で加熱し、加熱処理を行うことによ
り、該ポリエステル中のBHETやBHET2等の含有
量を低減せしめる方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるエチレンテレフタレートを主体とし
たポリエステル(以下、単にポリエステルとする。)
は、テレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成
分とするポリエステルであり、その融点が220℃以上
のものである。融点が220℃未満であると、製缶工程
での乾燥、印刷焼き付け等の加熱処理に耐えることがで
きず、ピンホール等が生じる。
【0021】本発明のポリエステルは、ホモポリマーで
あっても良いが目的に応じ共重合成分を用いることも可
能である。使用することのできる化合物として具体的に
は、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、5−t−ブチルイ
ソフタル酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、5−スルホン酸塩イソフタル酸、
ダイマー酸等のジカルボン酸及び、ジエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコール、ビスフェ
ノールAまたはビスフェノールSのジエトキシ化合物等
のジオール成分が挙げられる。
【0022】このうち、好ましい共重合成分としては、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分が挙げられ、熱
安定性、フレーバー性に優れるために好適に用いられ
る。特に、これらの芳香族ジカルボン酸成分のうちで
も、イソフタル酸が安価であり、かつ重合反応も進みや
すいため好適に用いられる。イソフタル酸を用いる場
合、その共重合比率は、前述の融点範囲を満足するた
め、15モル%以下とすることが好ましい。但し、ポリ
エステル樹脂組成物を、後述する溶融押出しラミネート
法により押出す場合は、5モル%以上とすることが好ま
しい。
【0023】本発明に用いられるポリエステルは、何れ
も従来の方法により製造される。例えば、ジカルボン酸
とジオールとを直接反応させる直接エステル化法:ジカ
ルボン酸ジメチルエステルとジオールとを反応させるエ
ステル交換法等を用いてポリエステル又は共重合ポリエ
ステルを重合できる。直接エステル化法の場合、ジカル
ボン酸とジオールを所定の温度で1.5〜3.0Kg/
cm2Gに加圧しエステル化を行い、その後、降圧して
不活性ガスフロー中で充分エステル化を行う方法と、予
めエステル化又はエステル交換させたオリゴマー又は、
ジカルボン酸の両端にジオールを付加したエステルに直
接ジカルボン酸とジオールのスラリーを少しずつ添加す
る方法の何れでもよい。これ等の方法は回分式及び連続
式の何れでもよい。又、場合によっては重合度を高める
為に固相重合を用いてもよい。
【0024】本発明に用いられる重合触媒はアンチモ
ン、ゲルマニウム、チタン、スズ、ニオブ等の酸化物、
水酸化物、酢酸塩、アルコキシド化合物、蓚酸塩等の化
合物があげられるが、一般に三酸化アンチモン、二酸化
ゲルマニウム、テトラブチルチタネート等が主に用いら
れる。又、エステル交換触媒としては、カルシウム、マ
グネシウム、マンガン、コバルト、亜鉛、スズ、チタン
等の化合物があげられ、一般的には酢酸塩が用いられ
る。更に、重合時の熱安定剤としてはリン酸、亜リン酸
等のメチルエステル、エチルエステル、フェニルエステ
ル等が用いられる。
【0025】更に本発明のポリエステルには、押出しラ
ミネート性向上のために、その製造工程でエステル結合
形成性官能基を1分子中に3個又は4個有する多官能性
化合物(以下単に多官能性化合物と記す)を含有させ
る。多官能性化合物とは、ポリエステル分子鎖中のカル
ボキシル基又は水酸基と反応してエステル結合を形成す
る化合物であり、具体的にはカルボキシル基、水酸基、
或いはメチルエステル基、エチルエステル基等のアルキ
ルエステル基を有する化合物である。このような多官能
性化合物を含有させることによりポリエステル分子鎖中
に架橋構造が形成され、溶融特性が改善され、押出しラ
ミネート性や他の押出し成形性が向上する。
【0026】多官能性化合物として具体的には、ペンタ
エリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリッ
ト酸及びそれらの酸無水物、ピロメリット酸及びそれら
の酸無水物、トリメシン酸等の多官能性のアルコール及
び酸等を挙げることができる。
【0027】多官能性化合物の含有量はポリマー全量に
対して0.1〜2.0モル%であることが必要であり、
0.2〜0.5モル%であることが好ましい。かかる多
官能性化合物の含有量が0.1モル%より少ない場合は
押出しラミネート性の改善が充分でなく、2.0モル%
を越える場合はゲル化物の発生が起こることがあり、
又、架橋が進みすぎて高速押出しラミネート時にフィル
ムの膜割れが生じるおそれがある。
【0028】更に、本発明のポリエステル中に含有され
るBHET及びBHET2等のモノマー、オリゴマー等
の不純物(以下単にBHET及びBHET2と記す。)
の含有量は、BHETの含有量が60ppm以下、更に
50ppm以下が好ましく、及び、BHET2の含有量
が300ppm以下、更に200ppm以下が好まし
い。BHET及びBHET2の含有量が少ないと、缶の
内容物中にBHET及びBHET2が許容量以上流出せ
ず、香気が低下したり、味覚が低下することはない。
【0029】ポリエステル中に含有されるBHET及び
BHET2の含有量を低減する方法として、以下の方法
が挙げられる。まず、ポリエステルに水又は水蒸気処理
を施した後、加熱処理を行う方法である。水又は水蒸気
処理は、ポリエステルを水又は水蒸気含有ガスと接触さ
せることにより行われる。ポリエステルと水又は水蒸気
含有ガスとの接触は、通常70〜150℃の温度で行う
ことが好ましく、更には70〜110℃の温度が好まし
い。
【0030】このポリエステルと水又は水蒸気含有ガス
との接触時間は特に限定しないが、通常5分〜50時間
の範囲で行われる。このような水又は水蒸気処理を行う
ことにより、ポリエステル中の触媒が失活し、後述する
加熱処理工程でのIVの極端な増加が抑えられ、ゲル化
物の発生が抑えられるので好ましい。
【0031】水又は水蒸気処理の後、加熱処理工程に供
給されるポリエステルは、予め加熱処理を行う場合の温
度より低い温度で加熱して予備結晶化させたものを使用
してもよい。加熱処理工程は少なくとも一段からなり、
加熱処理の温度は150〜210℃が好ましく、更には
160〜200℃が好ましい。真空中或いは不活性ガ
ス、例えば窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガス等の雰囲
気下で5時間以上行われる事が好ましい。
【0032】ポリエステルのIVの増加値Y(dl/
g)は、下記式により算出され、Y≦0.1が好まし
く、更にはY≦0.05の範囲が好ましい。Yがこの範
囲であると、ポリエステル中のゲル化物の発生が見られ
ず、押出しラミネートに非常に適したものとなる。 Y=ηf−ηi Y;IVの増加値 ηf;加熱処理後のIV ηi;加熱処理前のIV
【0033】ポリエステル中のBHET及びBHET2
を低減させる方法として、真空中又は不活性ガス気流下
において、ポリエステルを130〜150℃の温度で加
熱処理する方法も挙げられる。130℃未満であると、
長時間加熱処理してもBHET及びBHET2が好まし
い値とならない可能性がある。又、150℃を超える
と、ポリマーのゲル化が発生しやすくなり、ポリマーの
品質や生産性の低下が見られる可能性がある。又、加熱
処理時間が5時間以上であれば、BHET及びBHET
2の含有量を所定量以下にすることができる。加熱処理
の際に使用する不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、
炭酸ガス等が挙げられるが、経済性の面から窒素が好ま
しい。
【0034】本発明のポリエステルには、一価のカルボ
ン酸又はその誘導体及び/又は一価のアルコールが含有
されていることが好ましい。これらの化合物を含有させ
ることにより、ポリエステルA中のBHET及びBHE
T2の含有量を低減させることができる。
【0035】一価のカルボン酸又はその誘導体として
は、ポリエステルとの混合が200℃以上の高温で行わ
れることから、大気圧における沸点が200℃以上のも
のが好ましく、他端にアルキル基やアリール基といった
基を有するものであれば特に好ましい。ポリエステルの
機械特性、熱的特性、例えば結晶性、耐熱性、機械的強
度を適正な範囲にするという観点から、炭素数が22以
下のカルボン酸又はその誘導体が好ましい。具体的に
は、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリ
ン酸、安息香酸、ナフトエ酸、安息香酸n−ブチル、安
息香酸n−プロピル等が挙げられる。
【0036】一価のアルコールとしては、上記カルボン
酸又はその誘導体と同様、大気圧における沸点が200
℃以上のものが好ましく、中でも他端にアルキル基やア
リール基を有するものが更に好ましい。特にアルキル基
の炭素数が26以下のものが好ましい。具体的には、ノ
ニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアル
コール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、
シンナミルアルコール、フェノキシエタノール等が挙げ
られる。これらの一価のカルボン酸又はその誘導体及び
/又は一価のアルコールの好ましい添加量は0.01モ
ル%以上であり、0.1〜2.0モル%が更に好まし
い。
【0037】一価のカルボン酸又はその誘導体及び/又
は一価のアルコールの添加により、ポリエステル中のB
HET及びBHET2の含有量が低下する明確な原因は
未だ分かっていないが、通常の重合条件で得られたポリ
エステルの末端基はカルボキシル基と水酸基であり、こ
れらの末端基が一価のカルボン酸又はその誘導体及び/
又は一価のアルコールにより封鎖されるために、ポリマ
ー末端からのBHET及びBHET2の熱分解が抑制さ
れるため、BHET及びBHET2の含有量が減少する
と考えられる。
【0038】本発明のポリエステルは、ポリエチレンテ
レフタレート系樹脂のみを用いてフィルムにすることが
できる。しかし、高速での良好な製膜性を得るために
は、ポリエステルの融点+40℃における温度において
測定したダイスウェルが1.3以上である必要がある。
ダイスウェルが1.3未満であると、高速押出しラミネ
ート時に耳揺れや厚みむらが生じる。
【0039】本発明のポリエステルには、必要に応じて
他のポリエステル、他のポリマー又は各種添加剤を添加
してもよい。例えばフィルムの易滑性を向上させる無機
滑剤及び有機滑剤として、カオリン、クレー、炭酸カル
シウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、リン酸カルシ
ウム、フッ化リチウム等の公知の不活性外部粒子、ポリ
エステル樹脂の溶融製膜に際して配合する不溶な高融点
有機化合物、及び架橋ポリマー、更にアルカリ金属化合
物触媒等のポリマー内部に形成される内部粒子等があ
る。又、その他の添加剤として帯電防止剤、着色剤、耐
候剤などが挙げられる。
【0040】本発明の単層のポリエステルからなるフィ
ルムの厚みは5〜200μmが好ましく、更に10〜6
0μmが好ましく、特に20〜50μmが好ましい。
【0041】本発明のポリエステルを金属板に被覆する
方法としては、例えばポリエステルを金属板の上に直接
フィルム状に溶融押出しラミネートする方法、又は予め
金属板を加熱し未延伸又は二軸延伸フィルムを貼り合わ
せる方法等が挙げられる。この中では、工程の簡略化が
図れることから、金属板の上に直接フィルム状に押出し
ラミネートする方法が好ましい。金属板への被覆は、目
的や用途に応じ金属板の両面を被覆しても、片面のみを
被覆しても構わない。
【0042】又、被覆される金属板としては、一般的に
金属缶に用いられている公知の、錫メッキ鋼板(ブリ
キ)、錫なし鋼板(電解クロム酸処理鋼板)、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金の板等を用いることができ
る。更に、接着性向上のために極性基やキレート構造を
有する有機物による処理やクロム酸塩処理を施しても良
い。又、必要に応じて、紙、フィルム、シート等にも被
覆することができる。
【0043】本発明のポリエステルと金属板より得られ
たポリマー被覆金属板は、金属缶に用いることができ
る。具体的には、接着ないし溶接により筒状とした缶胴
に蓋と底をつけた3ピース缶、深絞り成形や絞りしごき
成形によって得られる2ピース金属缶の何れでも良い
が、本発明のポリエステルと金属板より得られたポリエ
ステル被覆金属板は、延展性や金属板との接着性に優れ
ていることから特に2ピース缶に利用することが好まし
い。
【0044】ポリエステルを金属板に積層(ラミネー
ト)する際の操業性を考慮すると、ポリエステルの溶融
特性、即ちダイスウェルはこれまで述べた好適な数値範
囲にある事が好ましい。
【0045】而して、このようにして得られた金属缶は
優れた耐熱性、耐衝撃性、フレーバー性を有するためコ
ーヒー、紅茶、ジュース、ビール等の各種飲料用の缶と
して好ましく使用することができる。又、本発明のポリ
エステルは紙、フィルム等にも好適に押出しラミネート
でき、柔軟性のあるフィルムとしても用いることができ
る。
【0046】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。各物性の測定及び評価は下記の方法に従った。
【0047】(1)融点(Tm)、ガラス転移温度(T
g)、融解熱量(△H) 示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC−7
型)により、10℃/分の昇温速度で測定した。
【0048】(2)固有粘度(IV) 樹脂をフェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量
比)の混合溶媒に溶かし、20℃において測定した。
【0049】(3)BHET、BHET2の定量方法 樹脂をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム
=1/1(重量比)の混合溶液に溶解し、クロロホルム
で希釈した後減圧濃縮を行う。次いでメタノール/クロ
ロホルム=1/1(重量比)の混合溶液を加えてポリマ
ーを析出させ、ガラスフィルターで濾過した検液を高速
液体クロマトグラフィー(カラム:ラジアルパックC18
(ウォーターズ製)、溶離液:0.5%酢酸水溶液/ア
セトニトリル=90/10(容積比)→20/80(容
積比)のグラジエント(40分))により測定した。
【0050】(4)溶融特性 ダイスウェル 東洋精機製作所製キャピログラフ1Bで、90°の流入
角を持った、L/D=10mm/1mmのオリフィスを
使用し、ポリエステルの融点+40℃の温度において、
ピストン速度10mm/分(剪断速度121.6sec
-1)で下方に押出したとき、キャピラリ下端から11m
mの位置でオリフィスから押し出されたポリマーの直径
(Dp)を測定し、下記式よりダイスウェル(SD)を求
めた。特に記載のない場合は滞留時間10分後の値にて
評価した。 SD=Dp/DC(DCはオリフィスの直径)
【0051】(5)押出しラミネート性 ポリエステルを押出し機に供給してポリエステルの融点
+40℃の温度で溶融し、スリット幅1mm、幅方向長
さ400mmのT型ダイスから板厚0.25mmの金属
板上に厚さ30μmの押出しラミネートを行う。T型ダ
イスから金属板までの距離(エアギャップ)は100m
m、ラミネート速度(ライン速度)は100m/分で行
った。その時のネックイン(ダイス幅と得られた被覆金
属積層体上のポリマー部分の幅方向長さの差 ; 単位
mm)と下記の耳部の揺れの程度により評価した。 ◎:耳部の揺れなく安定 ○:耳部の揺れややあり(実使用可) △:耳部の揺れあり ×:耳部の揺れ大
【0052】(6)フレーバー性評価 フレーバー性−1(長期保存) 缶成形において欠陥が生じなかった缶を、220℃、6
分間のオーブン加熱処理を行い室温まで冷却する。次い
で蒸留水を充填して密封し、40℃、3ヶ月保持した。
開封後、香り、味の変化を官能検査した。官能評価は、
10名のパネラーが、香り、味の変化を確認し、「香
り、味の変化が認められない」場合を1点、「わずかに
変化が認められる」場合を2点、「変化が認められる」
場合を3点、「かなり変化が認められる」場合を4点と
して採点し、その平均点から下記のように評価を行っ
た。 ◎:1点以上、1.5点以下 ○:1.5点を超え、2点以下 △:2点を超え、3点以下 ×:3点を超え、4点以下
【0053】フレーバー性−2(レトルト処理) 缶の場合は、缶成形において欠陥が生じなかった缶を、
220℃、6分間のオーブン加熱処理した缶に蒸留水を
充填して、又フィルムの場合は10cm×10cmのフ
ィルム10枚を1Lの蒸留水に浸漬し、121℃、2時
間レトルト処理した後、蒸留水の香りと味の変化を官能
検査した。官能検査及び評価は「フレーバー性−1」の
場合と同様に行った。
【0054】フレーバー性−3(ボトル) 成形したボトルに蒸留水を充填して密封し、40℃、3
ヶ月間保持した。開封後、香りと味の変化を官能検査し
た。官能検査及び評価は「フレーバー性−1」の場合と
同様に行った。フレーバー性の評価方法は、以上のよう
に3種類の評価方法を用いている。このうち、フレーバ
ー性−1は、40℃で3ケ月という比較的低温で処理し
た後の官能試験であるが、閾値の小さい遊離テレフタル
酸は影響しやすい。又、フレーバー性−2は、蒸留水を
缶に充填するか又は、フィルムを蒸留水に浸漬して、1
21℃で2時間という苛酷な処理後に行う官能検査であ
り、ポリエステル樹脂組成物中のモノマーやオリゴマー
も影響しやすくなる。フレーバー性−3は、ボトル等の
食品容器としての樹脂の性能を評価するために行ったも
のである。高温ではボトルが変形等を起こすためフレー
バー性−1と同一条件で行った。
【0055】(7)レトルト処理時の析出物の有無 10cm×10cmのフィルム10枚を蒸留水1Lに浸
漬し、121℃、2時間レトルト処理した後の蒸留水の
濁りを目視で評価した。 ○:濁り無し △:わずかに濁り有り ×:濁り有り
【0056】(8)押出しブロー性 日本製鋼所製JEB−3押出し成形機を用いて押出しブ
ローボトルを成形し、成形時の垂れ落ちの有無を観察
し、以下のように評価を行った。 ○:成形時の垂れ落ちが無く成形性良好 ×:成形時の
垂れ落ちが見られ成形性不良
【0057】(9)インフレーション製膜性 ポリエステルを用いてインフレーション押出し機で製膜
し、得られたインフレーションフィルムの厚み斑及び膜
揺れにより評価した。 ○:フィルム厚み斑±10%未満、膜揺れ無し △:フィルム厚み斑±10%以上±20%未満、やや膜
揺れあり ×:フィルム厚み斑±20%以上、膜揺れ大
【0058】実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1
−3 ステンレス製オートクレーブに、表1に示す成分比にて
テレフタル酸ジメチル及びイソフタル酸ジメチルとエチ
レングリコールを、酸成分1000重量部とエチレング
リコール703重量部(モル比2.2)の割合で仕込
み、次いでエステル交換触媒として酸成分に対して90
0ppmの酢酸カルシウムを添加し、230℃でエステ
ル交換反応を行った。エステル交換反応完了後、重合触
媒(三酸化アンチモン)とトリメチルリン酸(各々ポリ
マーに対して300ppm、450ppm)、及び所定
量の多官能性化合物を加え、280℃、減圧下で重縮合
反応を行って表1に示すポリエステルを得た。
【0059】このポリエステルについて、「押出しラミ
ネート性」評価で用いた装置にて、クラフト紙(60g
/m2)の上に100m/分の速度で押出しラミネート
を行い評価した。又フレーバー性は「薄引き加工性」評
価の装置で作製したフィルムを用い「フレーバー性−
2」の方法で行った。表2に評価結果を示す。
【0060】比較例1−4 LDPE樹脂(東ソー(株)製、商品名ペトロセン20
4)を用い、前述の評価を実施した。但し、ダイスウェ
ルの評価は260℃で行った。結果は高速押出しラミネ
ート性は良好であったが、フレーバー性が悪く、食品包
装用として不適であった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】実施例2−1、2−3〜2−11、比較例
2−1〜2−3 ステンレス製オートクレーブに、表3と表4に示す成分
比にてテレフタル酸ジメチル及びイソフタル酸ジメチル
とエチレングリコールを、酸成分1000重量部とエチ
レングリコール703重量部(モル比2.2)の割合で
仕込み、次いでエステル交換触媒(酢酸カルシウム)を
酸成分に対して900ppm添加し、230℃でエステ
ル交換反応を行った。反応完了後、重合触媒(三酸化ア
ンチモン)とトリメチルリン酸をポリマーに対してそれ
ぞれ300ppm、450ppm、及び所定量の一価の
カルボン酸又はその誘導体及び/又は一価のアルコー
ル、更に多官能性化合物を加え、280℃、減圧下で重
縮合反応を行い、表3、表4に示すポリエステルを得
た。これを所定の条件で熱処理した後、前述の評価を実
施した。
【0064】実施例2−2 一価のカルボン酸又はその誘導体及び一価のアルコール
を添加しない以外は、実施例2−1と同様にしてポリエ
ステルを得、これを130℃で40時間熱処理した後、
前述の評価を実施した。表5、表6に評価結果を示す。
BHET及びBHET2の低減には、一価のカルボン酸
又はその誘導体及び/又は一価のアルコールを含有させ
る方法及び/又は、真空中又は不活性ガス雰囲気下にお
いて130〜150℃で加熱処理する方法が有効であ
り、析出物の発生が改善された。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】実施例3−1〜3−10、比較例3−1 ステンレス製エステル化槽にテレフタル酸880重量部
及びイソフタル酸120重量部とエチレングリコール4
48重量部を仕込み、255℃、1.7Kg/cm2
で加圧後放圧し、0.5Kg/cm2Gで窒素フローし
ながら250℃にてエステル化反応を行った。水の留出
が完了し反応が終了した後、重合槽に移し、二酸化ゲル
マニウムとトリメチルリン酸をポリマーに対しそれぞれ
100ppm、180ppm、及び多官能性化合物を加
え、280℃、減圧下で重縮合反応を行い、表7に示す
ポリエステルを得た。
【0070】<水処理>2kgのポリエステルをステン
レス容器に充填し、5Lの純水を加え密閉状態で、条件
A:95℃、5時間または条件B:110℃、1時間の
処理を行った。
【0071】<加熱処理>上記の水処理を行ったチップ
を、120℃で12時間真空乾燥した後、175℃、真
空下で24時間加熱処理を行い、ポリエステルP−15
〜P−23(但しP−18は加熱処理を行わず、P−2
3は水処理を行わなかった)を得た。
【0072】<押出しブロー成形>ポリエステルを水分
率50ppm以下になるまで乾燥し、日本製鋼所製JE
B−3(スクリュー径40mm、L/D=25)押出し
ブロー成形機に供給し、260℃の押出し温度で環状の
ダイより押出し円筒形パリソンを形成する。円筒形パリ
ソンが軟化状態のうちにブロー成形金型ではさむことに
より切断と底部形成を行い、これをブロー成形して容量
500ccのボトルを製造した。得られたボトルの評価
結果を表8に示す。
【0073】<押出しラミネート>乾燥したポリエステ
ルを押出し機に供給し、260℃の押出し温度で、Tダ
イスからアルミ板上に押出しラミネートを行いポリエス
テル金属積層体を得、押出しラミネートの評価を行っ
た。結果を表8に示す。
【0074】<インフレーション成形>乾燥したポリエ
ステルをインフレーション押出し機に供給し、250℃
の押出し温度で、直径50mmの円形ダイスから押出
し、引き取り速度18m/分で厚さ40μmのインフレ
ーションフィルムを得、インフレーション成形性等の評
価を行い、結果を表9に示す。
【0075】表8、表9に示したように、多官能性化合
物を含むポリエステルに水処理を行った後加熱処理を施
した場合は、成形性を損なわずにBHET及びBHET
2を低減することができた。
【0076】
【表7】
【0077】
【表8】
【0078】
【表9】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は、金
属板への直接高速押出しラミネート性に優れ、金属への
接着性、絞り成形加工性、耐衝撃性、熱履歴後の耐デン
ト性及びフレーバー性の全てを満足した極めて優れた樹
脂である。特に、樹脂に含まれる味に影響しやすいBH
ETとBHET2等のモノマー及びオリゴマーの低減を
図り、ビールや清涼飲料水用の金属缶の被覆材に特に好
適である。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平9−13408 (32)優先日 平成9年1月8日(1997.1.8) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−2730 (32)優先日 平成9年1月10日(1997.1.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 林 義博 山口県佐波郡徳地町大字伊賀地2403 (72)発明者 内藤 寛 山口県山口市大字吉敷2265−5 (72)発明者 印藤 ▲たかし▼ 東京都世田谷区奥沢7丁目30番3号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル結合形成性官能基を3又は4個
    有する化合物を0.1〜2.0モル%含有するエチレン
    テレフタレートを主体とする融点が220℃以上のポリ
    エステルであって、該ポリエステルの融点+40℃の温
    度で測定した下記式で示されるダイスウェルが1.3以
    上であるポリエステル。 SD=Dp/DC SD;ダイスウェル Dp;細管から押し出されたポリマ
    ーの直径 Dc;細管の直径 細管からの押出し剪断速
    度;121.6sec-1
  2. 【請求項2】 ビスヒドロキシエチルテレフタレートの
    含有量が60ppm以下及びビスヒドロキシエチルテレ
    フタレートの二量体の含有量が300ppm以下である
    請求項1記載のポリエステル。
  3. 【請求項3】 一価のカルボン酸又はその誘導体及び/
    又は一価のアルコールを含有する請求の範囲1又は請求
    の範囲2に記載のポリエステル。
  4. 【請求項4】 真空下又は不活性ガス雰囲気下150〜
    210℃で5時間以上の加熱処理を行った際の固有粘度
    の上昇が0.1dl/g以下である請求項1記載のポリ
    エステル。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4いずれかに記載の
    ポリエステルからなるフィルム。
  6. 【請求項6】 真空中又は不活性ガス雰囲気下におい
    て、130〜150℃の温度で5時間以上加熱処理する
    ことにより請求の範囲1記載のポリエステル中のビスヒ
    ドロキシエチルテレフタレート及びビスヒドロキシエチ
    ルテレフタレートの二量体を低減させる方法。
  7. 【請求項7】 70〜150℃の水又は水蒸気含有ガス
    に請求の範囲1記載のポリエステルを5分間〜50時間
    接触させた後、真空中又は不活性ガス雰囲気下で融点未
    満の温度で加熱し、加熱処理を行うことにより請求項1
    記載のポリエステル中のビスヒドロキシエチルテレフタ
    レート及びビスヒドロキシエチルテレフタレートの二量
    体を低減させる方法。
JP2000250932A 1996-05-31 2000-08-22 ポリエステル樹脂組成物及びフィルム、並びにポリエステル中の低分子量化合物を低減する方法 Pending JP2001072747A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000250932A JP2001072747A (ja) 1996-05-31 2000-08-22 ポリエステル樹脂組成物及びフィルム、並びにポリエステル中の低分子量化合物を低減する方法

Applications Claiming Priority (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-161016 1996-05-31
JP16101696 1996-05-31
JP8-241205 1996-08-23
JP24120596 1996-08-23
JP29435596 1996-10-15
JP8-294355 1996-10-15
JP9-13408 1997-01-08
JP1340897 1997-01-08
JP273097 1997-01-10
JP9-2730 1997-01-10
JP2000250932A JP2001072747A (ja) 1996-05-31 2000-08-22 ポリエステル樹脂組成物及びフィルム、並びにポリエステル中の低分子量化合物を低減する方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54204197A Division JP3243255B2 (ja) 1996-05-31 1997-05-29 ポリエステル樹脂組成物及びフィルム、又はポリエステル複合フィルム及びそれを用いた金属積層体、及びポリエステル中の低分子煕化合物を低減する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001072747A true JP2001072747A (ja) 2001-03-21

Family

ID=27547723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000250932A Pending JP2001072747A (ja) 1996-05-31 2000-08-22 ポリエステル樹脂組成物及びフィルム、並びにポリエステル中の低分子量化合物を低減する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001072747A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004299390A (ja) * 2003-03-19 2004-10-28 Toyo Seikan Kaisha Ltd ラミネート用多層フィルム、ラミネート材、缶耐及び缶蓋
JP2006104444A (ja) * 2004-09-08 2006-04-20 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびポリエステルフィルム
KR101145948B1 (ko) * 2004-05-31 2012-05-15 도레이 카부시키가이샤 폴리에스테르 수지 조성물, 그의 제조 방법 및 폴리에스테르 필름
WO2015019759A1 (ja) * 2013-08-07 2015-02-12 東洋製罐グループホールディングス株式会社 樹脂被覆シームレスアルミニウム缶
JP2018024754A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 三菱ケミカル株式会社 ポリエステル

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004299390A (ja) * 2003-03-19 2004-10-28 Toyo Seikan Kaisha Ltd ラミネート用多層フィルム、ラミネート材、缶耐及び缶蓋
JP4590886B2 (ja) * 2003-03-19 2010-12-01 東洋製罐株式会社 ラミネート用多層フィルム、ラミネート材、缶耐及び缶蓋
KR101145948B1 (ko) * 2004-05-31 2012-05-15 도레이 카부시키가이샤 폴리에스테르 수지 조성물, 그의 제조 방법 및 폴리에스테르 필름
KR101146443B1 (ko) 2004-05-31 2012-05-18 도레이 카부시키가이샤 폴리에스테르 수지 조성물, 그의 제조 방법 및폴리에스테르 필름
JP2006104444A (ja) * 2004-09-08 2006-04-20 Toray Ind Inc ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびポリエステルフィルム
WO2015019759A1 (ja) * 2013-08-07 2015-02-12 東洋製罐グループホールディングス株式会社 樹脂被覆シームレスアルミニウム缶
JP2015030538A (ja) * 2013-08-07 2015-02-16 東洋製罐株式会社 樹脂被覆シームレスアルミニウム缶
US9758272B2 (en) 2013-08-07 2017-09-12 Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. Resin-coated seamless aluminum can
JP2018024754A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 三菱ケミカル株式会社 ポリエステル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100379716B1 (ko) 폴리에스테르수지조성물및필름,또는폴리에스테르복합필름및그것을사용한금속적층체,및폴리에스테르중의저분자량화합물을저감하는방법
JP4655365B2 (ja) 成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルム
US5424121A (en) Biaxially oriented polyester film
US11046864B2 (en) Copolyester resin and polyester film for covering metal plates and laminated polyester film comprising same made into film
JP2001072747A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びフィルム、並びにポリエステル中の低分子量化合物を低減する方法
JP2908119B2 (ja) 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフイルム
JP3951203B2 (ja) 金属板貼合わせ成形加工用ポリエステルフィルム
JP2010168432A (ja) 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム
JP3769991B2 (ja) ラミネート用ポリエステルフィルム
JP3859108B2 (ja) 金属板貼合わせ成形加工用ポリエステルフィルム
JP3329019B2 (ja) 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム
JP4162159B2 (ja) 容器成形用二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法
EP0574232B1 (en) Biaxially oriented polyester film
KR0171631B1 (ko) 이축 배향 폴리에스테르 필름
JP4462722B2 (ja) 金属板表面被覆用ポリエステル積層体
JP3537893B2 (ja) 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフイルム
JP3865174B2 (ja) 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム
JP2000345013A (ja) 成形用ポリエステル樹脂
JP2006007746A (ja) 金属板被覆用ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルム被覆金属板及びポリエステルフィルム被覆金属容器
JPH07316317A (ja) 金属ラミネート用ポリエステル系フィルム、ラミネート金属板及び金属容器
US5874163A (en) Laminated polyester film to be laminated on metal plate
JP2001150621A (ja) 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム
JPH02172738A (ja) ポリエステル積層成形体およびその用途
JP2005008814A (ja) 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム、それからなるフィルムラミネート金属板、および金属容器
JP2023049184A (ja) 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040203