JP2001150621A - 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板ラミネート用ポリエステルフィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性や耐熱性に優れ、金属板への低温
での熱圧着が可能であり、ラミネート金属板は耐傷性や
加工性、成形性に優れ、さらには、缶のレトルト処理後
の耐衝撃性に優れる金属板ラミネート用フィルムを提供
する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート(A)、ポ
リブチレンテレフタレート(B)、および融点が140
〜200℃の結晶性樹脂または、ガラス転移温度が80
〜180℃の非晶性樹脂(C)から構成された複層フィ
ルムであって、各層の樹脂組成が下記の条件(1)〜
(6)を満足する。 <第1層> WA1/WB1=60/40〜10/90 (1) WC1=1〜15 (2) WA1+WB1+WC1=100 (3) <第2層> WA2/WB2=100/0〜50/50 (4) WC2≦5 (5) WA2+WB2+WC2=100 (6) ただし、各層のWA、WB、、WCは、樹脂A、B、Cの
重量割合(重量部)を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に金属缶体のよ
うな、金属にラミネートして得られたラミネート金属板
に絞り成形やしごき成形等の加工を施して使用される構
成材料として有用なフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲食料の包装容器の一形態である金属缶
は、機械的強度に優れ、密閉性にも優れることから内容
物の長期保存が可能であり、また、内容物を高温で充填
しそのまま密封したり、レトルト処理等の殺菌処理も容
易に行えるため、包装容器としての安全衛生性に対する
信頼性も高く、さらに、加温状態で内容物が保存できた
り、使用後の缶体の分別・回収が比較的容易であるとい
う多くの長所を有するため、近年、様々な種類の内容物
が充填され多量に使用されている。
【0003】飲食料用金属缶の内面及び外面には、内容
物の風味を保つと同時に、金属缶素材の腐食を防止する
ため、あるいは缶外面の美粧性の向上、印刷面の保護等
を目的として、従来より、熱硬化性樹脂を主成分とする
溶剤型塗料が塗布されて使用されてきた(塗装缶)。し
かし、このような塗装缶においては、次のような問題が
ある。 (イ)内容物を充填、密封した後にレトルト処理等の加
温処理を施すと、塗膜中の残存溶剤や未硬化物等の低分
子量物質が内容物中に移行し、内容物の風味が著しく低
下する。(フレーバー性に劣る) (ロ)缶蓋部の小径化や缶体の薄肉化に伴い、これまで
以上に塗膜の加工性や耐衝撃性が要求され、一方ではレ
トルト処理後に塗膜が白化したり、塗膜が剥離する等の
問題に対する耐レトルト性が要求されるが、これらの性
能を同時に満足させる塗膜を得ることが難しい。 (ハ)有機溶剤を多量に使用し、また、塗膜の乾燥、焼
付けに多量の熱エネルギーが必要である。
【0004】このような塗装缶に対して、最近、単層も
しくは複層のプラスチックフィルムを金属板にラミネー
トしたフィルムラミネート金属板を用いて製造した金属
缶(ラミネート缶)が注目されている。特に、ポリエス
テルフィルムは、機械的強度、加工性、耐熱性に優れ、
ピンホールやクラック等が発生しにくく、内容物の風味
が損なわれにくく(フレーバー性に優れる)、比較的安
価であるという長所があり、積極的に実用化が進められ
ている。
【0005】プラスチックフィルムを金属板にラミネー
トする方法としては、プラスチックフィルム、あるいは
金属板の少なくとも一方に予め接着層を設けておき、熱
接着する方法や、熱接着性のプラスチックフィルムを用
いて金属板とを熱圧着させる方法等がある。前者の方法
において、未硬化の熱硬化性樹脂を有機溶剤に溶解した
溶液からなる接着剤を用いた場合には、前記の(イ)及
び(ハ)の問題や、接着層とフィルムとの間に界面が生
成するためラミネート金属板の加工性や、金属板より得
られる缶の耐衝撃性に難がある。一方、後者の方法を用
いた場合には、上記の(イ)〜(ハ)の問題は解決し、
金属缶の生産性も向上する。たとえば、特開平2−30
5827号公報、特開平3−86729号公報、特公平
7−35092号公報、特開平5−154971号公
報、特開平5−156040号公報、特開平6−399
79号公報、特開平7−207040号公報、特開昭6
4−22530号公報、特開平6−116374号公
報、特公平7−80253号公報、特開平5−1476
47号公報、特開平7−195617号公報、特公昭5
7−23584号公報等には、熱圧着が可能なポリエス
テルフィルムが記載されており、また、特開昭60−1
70532号公報、特開平3−212433号公報、特
開平5−92535号公報、特開平3−57514号公
報、特開平3−101930号公報、特開昭58−22
0729号公報、特公昭57−22750号公報等に
は、熱圧着可能なポリエステルフィルムを用いてラミネ
ート金属板及び高絞り比の金属缶体を製造する方法が記
載されている。
【0006】ところで、従来の金属板ラミネート用のポ
リエステルフィルムは熱圧着性を保持させる目的や、ラ
ミネート金属板の加工性を向上させ、金属缶体の耐衝撃
性を保持する目的から、他の成分を共重合したり配合す
ることによってフィルムの結晶化度を低くすることがな
されている。しかしながら、従来の金属板ラミネート用
ポリエステルフィルムを用いた場合には、レトルト処理
等の高温処理の際にフィルム中の低分子量物が内容物に
移行しやすく、内容物の風味が損なわれ、場合によって
は内容物が変色するといった現象が発生したり、レトル
ト処理時にフィルムの結晶化が起こり、フィルムの剥離
や、ミクロクラックが発生し、あるいは、球晶が生長し
てフィルムが白化するという種々の問題が発生し、改善
が求められていた。また、種々提案されているポリエス
テルフィルムを用いても、得られる缶の耐衝撃性は十分
でないという問題があった。
【0007】これに対して、本発明者等は先に、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)又はこれを主体とする
ポリエステルと、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)又はこれを主体とするポリエステルより成る2軸延
伸フィルムを用いることによって、これらの問題が解決
されることを提案した(特開平9−194604号公報
等)。すなわち、このフィルムは高結晶化度であって
も、比較的、低温で熱圧着でき、しかも得られたラミネ
ート金属板は、フィルムが高結晶化度であっても加工
性、成形性に優れる。しかしながら、昨今の生産性、経
済性から求められる更なる低温での熱圧着性の改善や、
ラミネート缶の耐衝撃性のさらなる向上が求められてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の各種
の問題を一挙に解決することを目的とするものであり、
具体的には、(ア)機械的特性や耐熱性に優れ、(イ)
高結晶化度であっても金属板との低温での熱圧着が可能
であり、しかも、金属板に熱圧着する際の条件変動に対
してラミネート金属板の品質の変化がしにくく、(ウ)
これをラミネートして得られる金属板は、工程通過性
(耐傷性)、加工性、成形性に優れ、高絞り比缶や絞り
しごき缶の製造も可能であり、しかも、(エ)ラミネー
ト缶にした場合に、耐レトルト性、フレーバー性、印刷
性等に優れ、特に、製缶後の熱処理およびレトルト処理
後の耐衝撃性に優れたフィルムを提供することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、PET又はこれを
主体とする融点が220℃以上のポリエステル(A)
と、PBT又はこれを主体とするポリエステル(B)
と、融点が140〜200℃の結晶性樹脂またはガラス
転移温度が80〜180℃の非晶性樹脂(C)を特定量
配合した樹脂組成物からなる複層フィルムを用いること
により、上記課題が解決され、特に製缶後の熱処理およ
びレトルト処理後の耐衝撃性が著しく改善されることを
見出し本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は以下の通りであ
る。下記の樹脂成分(A)〜(C)から構成された複層
フィルムであって、各層の樹脂組成が下記の条件(1)
〜(6)を満足することを特徴とする金属板ラミネート
用ポリエステルフィルム。 (A)ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とす
る融点が220℃以上のポリエステル (B)ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とす
るポリエステル (C)融点が140〜200℃の結晶性樹脂、または、
ガラス転移温度が80〜180℃の非晶性樹脂の少なく
とも一種類以上よりなる樹脂 <第1層> WA1/WB1=60/40〜10/90 (1) WC1=1〜15 (2) WA1+WB1+WC1=100 (3) <第2層> WA2/WB2=100/0〜50/50 (4) WC2≦5 (5) WA2+WB2+WC2=100 (6) ただし、各層のWA、WB、、WCは、樹脂A、B、Cの
重量割合(重量部)を示す。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において用いられるポリエステル(A)
は、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分とを主
成分として溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重
合されたものであり、極限粘度は0.50〜0.90d
l/g、さらには0.55〜0.80dl/gであるこ
とが好ましい。極限粘度が0.50dl/g未満では、
実用に供することのできる機械的強度を有したフィルム
を得ることが難しく、極限粘度が0.90dl/gを超
えるとフィルムの金属板への熱圧着性が損なわれる場合
がある。
【0012】ポリエステル(A)としては、融点が22
0℃以上である必要があるが、本発明の効果を損なわな
い範囲で適宜他の成分を共重合してもよい。共重合成分
としての酸成分としては、イソフタル酸、(無水)フタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ
酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、ドデカンジカルボン酸、炭素数20〜60の
ダイマー酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)
イタコン酸、(無水)シトラコン酸、メサコン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸、p−
ヒドロキシ安息香酸、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、ε−
カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸や、(無水)
トリメリット酸、トリメシン酸、(無水)ピロメリット
酸等の多官能カルボン酸を挙げることができる。また、
共重合成分としてのアルコール成分としては、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエ
タノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールAやビス
フェノールSのエチレンオキシドあるいはプロピレンオ
キシド付加物等の芳香族ジオール、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多官能ア
ルコール等を挙げることができる。これらの共重合成分
は、PETの有する優れた特性を損なわない範囲、具体
的には、235〜256℃の範囲となるように選択され
ることが望ましい。
【0013】ポリエステル(A)の製法としては公知の
方法を適用することができる。たとえば、ビス(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体の存
在するエステル化反応槽に、テレフタル酸とエチレング
リコール及び必要に応じて他の共重合成分のスラリーを
連続的に供給し、温度250℃で3〜8時間程度反応さ
せて、エステル化反応率95%付近のエステル化物を連
続的に得る。次いで、これを重合缶に移送し、二酸化ゲ
ルマニウム、三酸化アンチモン等の触媒の存在下に、
1.3hPa以下の減圧下、温度250〜280℃で所
望の極限粘度のポリエステルが得られるまで溶融重縮合
反応を行えばよい。また、引き続き、不活性雰囲気下、
あるいは、減圧下、150〜230℃で固相重合反応を
実施してもよい。
【0014】本発明におけるポリエステル(B)は、テ
レフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とを主成
分として溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重合
されたものであり、極限粘度が0.60〜2.0dl/
g、さらには0.80〜1.6dl/gであることが好
ましい。極限粘度が0.60dl/g未満では、実用に
供することのできる機械的強度を有したフィルムを得る
ことが難しく、2.0dl/gを超えると、フィルムの
熱圧着性が損なわれる場合がある。
【0015】また、ポリエステル(B)としては、本発
明の効果が損なわれない範囲で適宜ポリエステル(A)
と同様の他の成分を共重合したものでよい。これらの共
重合成分は、PBTの有する優れた特性を損なわない範
囲、具体的には、ポリエステル(B)の融点が210〜
223℃の範囲となるように選択されることが望まし
い。
【0016】ポリエステル(B)の製法としては公知の
方法を適用することができる。たとえば、ジメチルテレ
フタレートと1,4−ブタンジオール及び必要に応じて
他の共重合成分とをエステル交換反応槽に仕込み、温度
230℃で5時間程度反応させて、エステル交換反応率
95%付近のエステル化物を得る。次いで、これを重合
缶に移送し、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライ
ソプロピルチタネート等の触媒の存在下に、1.3hP
a以下の減圧下、温度220〜250℃で所望の極限粘
度のポリエステルが得られるまで溶融重縮合反応を進め
ればよい。また、ポリエステル(A)と同様にして固相
重合反応を実施してもよい。
【0017】本発明のフィルム成分には、融点が140
〜200℃の結晶性樹脂、または、ガラス転移温度が1
20〜180℃の非晶性樹脂の少なくとも一種類以上を
含有することが必要である。融点が140〜200℃の
結晶性樹脂としては、共重合ポリエステル、ナイロン1
1、ナイロン12やナイロン6/66、6/610、6
6/610、6/12、66/12等のポリアミド、ポ
リアセタール、ポリメチルペンテン等を挙げることがで
きる。また、ガラス転移温度が80〜180℃の非晶性
樹脂としては、共重合ポリエステル、共重合ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド及び
これらと、たとえばポリスチレン等とのブレンド物を例
示することができる。これらの樹脂は単一あるいは2種
以上を使用することができる。
【0018】本発明における成分(C)は、成分
(A)、(B)に対して実質的に非相溶性であることが
好ましい。成分(A)、(B)と相溶する場合には、熱
圧着性は向上するが、耐レトルト性やフレーバー性が低
下する場合がある。
【0019】非晶性ポリアミドとしては、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸等から成るジカルボン酸と、1,6−ヘキ
サメチレンジアミン、トリメチル−1,6−ヘキサメチ
レンジアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレ
ンメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−
ジシクロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミノ−ジシ
クロヘキシレンプロパン、イソホロンジアミン等からな
るジアミン、さらにはε−カプロラクタム、ω−ラウロ
ラクタム等の環状アミドモノマー等から構成されている
ものが好ましく、具体的には次のような共重合体を例示
できる。 (a)テレフタル酸、トリメチル−1,6−ヘキサメチ
レンジアミン (b)イソフタル酸、4,4’−ジアミノ−3,3’−
ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、ω−ラウロラク
タム (c)アジピン酸、アゼライン酸、4,4’−ジアミノ
−ジシクロヘキシレンプロパン (d)テレフタル酸、イソフタル酸、1,6−ヘキサメ
チレンジアミン
【0020】本発明において、第1層の樹脂成分(A)
〜(C)の配合割合は下記の条件(1)〜(3)を満足
しなければならない。 WA1/WB1=60/40〜10/90 (1) WC1=1〜15 (2) WA1+WB1+WC1=100 (3) ただし、WA1、WB1、WC1は、樹脂A、B、Cの重
量割合(重量部)を示す。
【0021】ポリエステル(A)とポリエステル(B)
との配合割合は重量比で60/40〜10/90、好ま
しくは、50/50〜10/90である。ポリエステル
(A)の配合割合が60重量部を超えると熱圧着性が低
下する場合があり、また、10重量部未満では金属との
密着性や成形性が低下する。
【0022】成分(C)の含有率が1重量部未満の場合
には金属への熱圧着性が低下し、15重量部を超えると
フィルムの機械的性質が低下する。
【0023】本発明において、第2層の樹脂成分(A)
〜(C)の配合割合は下記の条件(4)〜(6)を満足
しなければならない。 WA2/WB2=100/0〜50/50 (4) WC2≦5 (5) WA2+WB2+WC2=100 (6) ただし、WA2、WB2、WC2は、樹脂A、B、Cの重
量割合(重量部)を示す。
【0024】第2層のポリエステル(A)とポリエステ
ル(B)との配合割合は、ポリエステル(A)の配合割
合が50重量部以上であることが必要であり、60/4
0〜90/10が特に好ましい。ポリエステル(A)が
50重量部未満の場合には製缶後の熱処理やレトルト処
理後の耐衝撃性が低下する。
【0025】第2層の成分(C)は5重量%以下の範囲
で配合されるが、1〜5重量%配合することが好まし
い。成分(C)を1〜5重量%配合することにより、成
形時の滑り性、耐傷性に優れたフィルムを得ることがで
きる。しかし、配合比が5重量%を超えると耐衝撃性に
悪影響を及ぼし始める。
【0026】本発明において、第1層と第2層中のPE
Tの配合割合は下記式を満足することがさらに好まし
い。 WA1+70≧WA2≧WA1+20
【0027】ポリエステル(A)とポリエステル(B)
は熱特性、結晶特性が異なるため、フィルムを延伸した
時の歪-応力特性や配向結晶特性(以下、延伸特性とい
う)が大きく異なる。このような延伸特性が大きく異な
る樹脂からなる複層フィルムを延伸した場合には、層間
で歪応力に差が生じ、界面の強度が低下するために耐衝
撃性が低下する。また、熱収縮率も異なるために、フィ
ルムのカールや熱処理時の収縮段差の発生等、新たな問
題が生じる可能性がある。このような問題の発生を未然
に防止するためには、第1層と第2層中のPETの配合
割合が上記の式を満足することが好ましく、WA1+5
0≧WA2≧WA1+20を満足することがさらに好まし
い。
【0028】本発明の複層フィルムの構成としては、樹
脂成分(A)〜(C)の配合割合が下記式(12)〜
(14)を満足する第3層を、第1層の反対側に第2層
を挟んでさらに積層することも好ましい形態である。 WA1/WB1=60/40〜10/90 (12) WC1=1〜15 (13) WA1+WB1+WC1=100 (14) 第3層の(A)〜(C)の配合割合は、第1層と同一で
も、また、異なっていてもよい。
【0029】本発明の複層フィルムにおいては、第2層
の層の厚みが複層フィルム全体の厚みに対して50%以
上、さらには、60%以上であることが好ましい。第2
層の厚みが50%以下ではフィルムの耐衝撃性が低下す
る場合がある。
【0030】本発明においては、示差走査熱量(DS
C)分析で得られるフィルムの熱特性のうち、フィルム
中の樹脂組成物の結晶部分に由来する融解熱の和(ΔH
m)が25〜48J/g、さらには、28〜45J/g
であることが好ましい。フィルムを構成する成分、すな
わち、結晶性樹脂であるポリエステル(A)及び(B)
はエステル交換反応等によりある程度相溶化するが、過
度に相溶化すると結晶化速度が遅くなりフィルム自体の
結晶化度が低くなる。また、成分(C)の種類を選択す
ることによってもフィルムの結晶化度を調整することが
できる。ΔHmが25J/g未満の場合には、フレーバ
ー性が低下したり、レトルト処理時にフィルムが白化す
る場合があり好ましくない。また、48J/gを超える
と、フィルムの熱圧着性及び金属板との接着性が低下
し、ラミネート金属板を缶体に成形加工する際にフィル
ムにミクロクラックが発生したり、フィルムと金属が剥
離してしまうことがある。
【0031】また、本発明におけるフィルムのDSC分
析で得られる熱特性が下記式(11)を満足することが
好ましい。 T80−T20≧30(℃) (11) ただし、T80は融解熱を積算した値(ΔHm)の80
%に相当する温度、T20は同じくΔHmの20%に相
当する温度を示す。式(11)の値は、樹脂の種類や配
合比、相溶性の程度によって変化し、上式を満足しない
場合は、フィルムの耐熱性が十分ではなく、製缶後に施
される印刷やトップコート剤塗布後の乾燥、焼き付け熱
処理によってフィルムが収縮したり、剥離したりする場
合がある。式(11)で示される温度差は33℃以上で
あることが特に好ましい。
【0032】本発明の金属板ラミネート用ポリエステル
フィルムは、たとえば次のような方法によって製造でき
る。すなわち、各層を構成する樹脂組成物を別々の押出
機を用いて溶融し、フィードブロック法により重ね合わ
せてダイスより押し出す方法や、溶融した樹脂組成物を
マルチマニホールドダイス中で重ね合わせて押し出す方
法や、両方法を組み合わせた方法等を用いて未延伸シー
トを得る。次に、この未延伸シートをフラット式もしく
はチューブラー式の公知の方法により、縦方向および横
方向に延伸することにより得られる。本発明において規
定した熱特性を有し、厚みムラの少ないフィルムを製造
するためにはフラット式が好ましく、延伸方法としては
逐次多段または同時二軸延伸法が好ましい。
【0033】具体的なフィルムの製造方法としては、成
分(A)、(B)、(C)を混合して、押出温度230
〜280℃で溶融混合し、Tダイよりシート状に押出
し、これを40℃以下に温度調節されたキャスティング
ロール上に密着させて急冷し、所望の厚みの未延伸シー
トを得る。この場合、ポリエステル(A)、(B)のエ
ステル交換を促進させるために、単軸あるいは2軸押出
機を用いて、250〜280℃であらかじめ溶融混合し
てもよい。
【0034】次に、未延伸シートをクリップで両端を把
持してシート上下面より60〜120℃の熱風を吹付け
て予熱し、70〜130℃の雰囲気下で縦及び横方向に
それぞれ1.5〜5倍程度に二軸延伸する。その後、縦
方向及び、または横方向の弛緩率を数%として、80〜
220℃で数〜十数秒間熱処理してフィルムを熱固定し
た後、室温まで冷却し、20〜300m/minの速度
で巻き取って所望の厚みのフィルムとする。予熱、延伸
温度が低すぎると、延伸応力が高くなり、ネッキングが
発生して安定してフィルムを製造できないか、均一なフ
ィルムを得ることができない。予熱、延伸温度が高すぎ
ると、溶断したり、フィルムの結晶化が進んで均一な延
伸ができない。また、熱固定温度が80℃未満の場合に
はその目的を達成することはできず、220℃を超える
と、金属板との熱圧着性が低下することがある。
【0035】延伸後の熱処理方法としては、公知の方法
を採用することができ、例えば、延伸フィルムに熱風を
吹き付ける方法、延伸フィルムに赤外線を照射する方
法、延伸フィルムにマイクロ波を照射する方法等が挙げ
られるが、均一に精度良く加熱できる点で、延伸フィル
ムに熱風を吹き付ける方法が好適である。また、特公昭
35−11774号公報、特公昭43−5557号公報
等に開示されているような、延伸工程から熱固定工程の
中間に熱緩衝帯を設けてもよい。
【0036】本発明のフィルムには、平均粒径2.5μ
m以下のシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン、硫酸バリウム等の無機滑剤、もしく
はシリコーン粒子、フッ素化ポリエチレン(テフロン)
粒子やビニル系モノマーから成る3次元架橋粒子等の有
機滑剤から選ばれた1種もしくは2種以上を添加してフ
ィルム表面にスリップ性を付与させ、フィルム製造時や
金属板との熱圧着時の工程通過性を改善させることがで
きる。しかし、無機滑剤のみを添加した場合には、製缶
時等にかえって滑剤が起点となってフィルムに傷を発生
させてしまうことがある。また、有機滑剤を配合すると
金属との接着性を低下させて、特に低温ラミネート性に
悪影響を与えることがある。従って、これらの滑剤は必
要最低限の量を使用することが好ましい。本発明では、
フィルムに炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、シリコーン等を5〜50重量%配合してフィルムに
隠ぺい性を付与し、金属缶体の外観や印刷性を向上させ
ることができる。また、必要に応じて、着色剤、酸化防
止剤、帯電防止剤、難燃剤等を含有させることもでき
る。
【0037】本発明のフィルムの厚みは、通常、5〜1
00μm、好ましくは10〜50μm、さらに好ましく
は10〜25μmである。厚みが5μm未満では加工時
に破れ等が生じ易くなり、100μmを超えても過剰品
質となり不経済である。
【0038】本発明のフィルムと金属板をラミネートす
る方法としては、金属板を予め所定温度まで予熱してお
き、これとフィルムとを温度制御可能なロールによって
圧接して熱圧着させた後、室温まで冷却することにより
連続的に製造される。金属板の加熱方法としては、ヒー
ターロール伝熱方式、誘導加熱方式、抵抗加熱方式、熱
風伝達方式等があげられ、特に、設備費及び設備の簡素
化を考慮した場合、ヒーターロール伝熱方式が好まし
い。また、ラミネート後の冷却方法については、水等の
冷媒中に浸漬する方法や冷却ロールと接触させる方法を
用いることができる。本発明のフィルムの特徴を十分に
発揮させるためには、フィルムと金属板をラミネートす
る際の金属板の温度は160〜270℃、ロール温度は
金属板より30℃、さらには50℃以上低いことが好ま
しい。
【0039】金属板としては、シート状又は帯状の鋼板
及びアルミニウム板、あるいはそれらの表面に種々のメ
ッキ処理や化成処理を施したものを例示することができ
る。特に表層にクロム水和酸化物皮膜を有したものはフ
ィルムとの接着性が優れる。特に、下層が金属クロム、
上層がクロム水和酸化物の二層構造をもつティンフリー
スチール(TFS)が好ましく、さらに鋼板表面に錫、
ニッケル、亜鉛、アルミニウム等の一種又は二種以上の
複層メッキ、合金メッキを施し、その上層に上記の二層
構造をもつ皮膜、あるいはクロム水和酸化物皮膜を形成
させたもの、アルミニウムに電解クロム酸処理、浸漬ク
ロム酸処理等を施し、表層にクロム水和酸化物皮膜を形
成させたもの等を用いることができる。
【0040】以上のようにして得られたラミネート金属
板を用いることにより、耐熱性に優れ、レトルト処理の
ような高温処理が可能で、過酷な加工処理を施してもピ
ンホールやミクロクラック、フィルムの剥離等の欠陥が
発生し難く、しかもフレーバー性や耐食性、特に、製缶
後の熱処理およびレトルト処理後の耐衝撃性に優れた金
属缶体を製造することができる。金属缶体としては、飲
食料を充填して使用に供することができる形態にまで加
工処理が施された金属容器及びその一部分、例えば巻き
締め加工が可能な形状に成形された缶蓋も含まれる。特
に、厳しいネックイン加工が施される3ピース缶(3P
缶)の缶胴部材や、絞りしごき加工によって製造される
2ピース缶(2P缶)の缶胴部材として用いる場合に本
発明のフィルムの優れた加工性が発揮される。また、特
開平3−57514号公報や特開平3−101930号
公報に示された、実質的にしごき加工を施さずに絞り加
工のみで胴高が10cm以上の缶体を製造する場合にも
特に好適である。本発明のフィルムを用いた金属缶体
は、その優れた耐レトルト性、フレーバー性、耐食性か
ら、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、各種加工食品
等の内容物を充填する場合に適している。
【0041】次に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例に用いた各特性値
の分析方法、測定方法は下記の通りである。
【0042】成分(A)、(B)の極限粘度〔η〕:フ
ェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの等重
量混合溶媒を用い、20℃で測定した。(単位はdl/
g)
【0043】フィルムの熱特性:フィルムより10〜1
2mgの試料を採取し、パーキンエルマー社製DSC−
7を用いて、昇温速度20℃/minの条件で、25℃
から280℃まで昇温して測定した。なお、各成分に由
来する融点(Tm)は、それぞれの融解ピークのピーク
トップの温度とした。また、樹脂組成物の結晶部分に由
来する融解熱(ΔHm)は、フィルムの熱固定処理に由
来する吸熱、あるいは発熱ピークを勘案し、測定中に結
晶化したことによる融解熱を除去して算出した。また、
T80及びT20はDSCチャートより求めた。
【0044】フィルムの引張強度:ASTM−D882
に準じて、幅10mm、長さ10cmの試験片を用いて
測定を行った。なお、フィルムの機械方向(MD)及び
その直角方向(TD)にそれぞれ各10枚の試験片を採
取して測定し、その平均値で表した。
【0045】ラミネート性: (ラミネート金属板の製造)錫メッキを施した板厚0.
19mm、板幅22cmのロール状の金属板を、ヒート
ロールにより所定温度に加熱し、その両面に幅20cm
のロール状のフィルムを、表面温度が50℃に調整され
た1対のシリコーンロールを用いて、ライン速度20m
/minの条件で連続的にラミネートした後、2sec
後に氷水中に浸漬冷却してラミネート金属板を得た。な
お、各フィルムについて、金属板の予備加熱温度を20
0℃、180℃の2水準でそれぞれラミネートを実施し
た。また、いずれの場合も、氷水中に浸漬して2sec
後には、ラミネート金属板は、20℃以下に冷却されて
いることを確認した。 (ラミネート性)各条件で得られたラミネート金属板か
ら幅18mmの短冊状の試験片(ラミネート金属板の端
部はラミネートせず、ラミネートされた部分がMD方向
に8cm以上確保されるようにする)をTD方向に11
枚切り出した。次に、この試験片のフィルム面に、JI
S Z−1522に規定された粘着テープを貼りつけ、
島津製作所社製オートグラフで、10mm/ninの速
度で180゜剥離試験を行い、その剥離強力を測定する
ことにより、次の基準に従って接着性を評価した。 ◎:10枚以上の試験片の剥離強力が300gf以上
か、300gf以上でフィルムが 破断。 ○:5枚以上の試験片の剥離強力が300gf以上か、
300gf以上でフィルムが破 断。 △:剥離強力が300gf未満の試験片が7枚以上。 ×:良好にラミネートされていないか、手で簡単にフィ
ルムが剥がれる。
【0046】耐熱性:ラミネート性が◎〜△と評価され
たラミネート金属板について、印刷、トップコート剤の
焼き付け条件に準じて、230℃のオーブン中に5mi
n間、水平に保ち、室温まで放冷した後、次の基準に従
ってフィルムの外観を観察して耐熱性を評価した。 ○:外観変化がなく、端部のフィルムの後退幅が平均し
て2mm以下。 △:外観変化はないが、端部のフィルムの後退幅が平均
して2mmを超える。 ×:フィルムに白化や発泡等の外観変化が認められる。
【0047】成形性:ラミネート金属板を用いて金属缶
体を成形した後のフィルムの剥離、切れ、クラック等の
損傷の有無を目視及び蛍光顕微鏡(倍率80倍)で観察
し、次の基準に従って評価した。 ○:缶体100個のうち、95個以上に損傷なし。 △:缶体100個のうち、80〜94個に損傷なし。 ×:缶体100個のうち、21個以上に何らかの損傷が
認められる。
【0048】耐レトルト性:金属缶体をオートクレーブ
(トミー精工社製、BS−325)に入れ、125℃の
スチーム中で30min、レトルト処理を施し、フィル
ムの外観について、白化、ウォータースポット(白い斑
点)及び白粉(フィルム中のオリゴマーに由来)の発生
状況を目視観察し、耐レトルト性の指標とした。 ○:良好。 △:フィルム表面積の5%未満に何らかの変化がみられ
た。 ×:フィルム表面積の5%以上に何らかの変化がみられ
た。
【0049】耐食性:缶体の成形性が○と評価された金
属缶体について、それぞれ缶体10個に、食塩、リンゴ
酸、クエン酸をそれぞれ3重量%溶解させた水溶液を充
填し、密封後、60℃で2週間保存し、これを開缶して
缶体内の錆の発生状況を次の基準に従って評価した。 ○:目視ではほとんど錆が認められない。 △:錆が点在しており、その総面積がフィルム表面積の
5%未満。 ×:ほぼ全面に錆が発生しており、その総面積がフィル
ム表面積の5%以上。
【0050】フレーバー性:金属缶体に蒸留水を充填
し、市販の206mm径および202mm径のアルミE
O蓋を巻き締めてこれを密封し、上記と同様にしてレト
ルト処理を行った。次に、室温まで十分冷却した後に、
内容物をパネラー100人に試飲してもらい、におい、
味覚等が蒸留水と違いがないかを判断してもらい、その
結果を次の基準に従ってフレーバー性の指標とした。な
お、アルミEO蓋は味覚試験に対して何ら悪影響は及ぼ
さないことが予め確認された。 ○:両者の違いを感知した人数が5人未満。 △:両者の違いを感知した人数が5人以上20人未満。 ×:両者の違いを感知した人数が20人以上。
【0051】耐衝撃性:金属缶体に3重量%の食塩水を
充填し、市販の206mm径および202mm径のアル
ミEO蓋を巻き締めてこれを密封し、オートクレーブ
(トミー精工社製、BS−325)に入れ、125℃の
スチーム中で30minレトルト処理を施した缶50個
を水平に固定して、これに30cmの高さから300g
の剛球を落下させた。次に、これを60℃で1週間保存
し、これを開缶して缶体内の錆の発生状況を耐食性と同
様にして評価した。 ○:目視ではほとんど錆が認められない。 △〜○:錆が若干認められ、その総面積がフィルム表面
積の1%未満 △:錆が点在しており、その総面積がフィルム表面積の
5%未満。 ×:ほぼ全面に錆が発生しており、その総面積がフィル
ム表面積の5%以上。
【0052】(原料)次に、実施例及び比較例において
使用した樹脂原料を次に示す。 成分(A) A−1:固相重合を施したPET、〔η〕0.78dl
/g、Tm256℃。 A−2:固相重合を施したセバシン酸(SEA)5mo
l%共重合PET、〔η〕0.72l/g、Tm243
℃。 A−3:イソフタル酸(IPA)8mol%共重合PE
T、〔η〕0.76dl/g、Tm236℃。 A−4:IPA20mol%共重合PET、〔η〕0.
82dl/g、Tm209℃。 成分(B) B−1:固相重合を施したPBT、〔η〕1.12dl
/g、Tm223℃。 B−2:固相重合を施したIPA5mol%共重合PB
T、〔η〕0.98dl/g、Tm218℃。 成分(C) C−1:ナイロン12(ダイセル・ヒュルス社製、「ダ
イアミド」L1801)、Tm178℃。 C−2:結晶性ポリアミド(エムス社製、「グリロン」
ELY2702)、Tm171℃。 C−3:非晶性ポリアミド(エムス社製、「グリルアミ
ド」TR55)、Tg155℃。 C−4:ポリカーボネート(住友ダウケミカル社製「カ
リバー」200−13)、Tg143℃。 C−5:SEA20mol%共重合PBT、〔η〕0.
95dl/g、Tm185℃ 固相重合を施していない。
【0053】実施例1 ポリエステル(A−1)35重量部、ポリエステル(B
−1)60重量部、及び(C−1)5重量部とをドライ
ブレンドし、第1の押出機より270℃で溶融押出し
た。同様に,ポリエステル(A−1)を第2の押出機より
280℃で溶融押出した。溶融した2種の樹脂をマルチ
マニホールドダイス中で重ね合わせて、Tダイからシー
ト状に押し出した。続いて、これを表面温度18℃に調
節されたキャスティングロール上に密着させて急冷し、
厚み120μmの未延伸シートを得た。この未延伸シー
トの端部を、テンター式同時二軸延伸機のクリップで把
持し、70℃の予熱ゾーンを走行させた後、温度90℃
でMDに3.0倍、TDに3.5倍の倍率で同時二軸延
伸した。次に、TDの弛緩率を5%として120℃で熱
固定処理した後、室温まで冷却し、50m/minの速
度で巻き取って、第1層の厚みが3μm、第2層の厚み
が9μm、全厚みが12μmのフィルムを得た。得られ
たフィルムをスリットし、幅20cmのロール状のフィ
ルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。次
に、前記した方法により、温度180℃でラミネートし
たラミネート金属板を用い、ボディブランクに切断後、
ロールフォーマーにより円筒状に成形し、溶接、ネック
イン加工、トリミングを施し、市販のスチール製206
mm径蓋を用いて巻き締めを行い、211mm径溶接缶
(外径67mm、胴高さ100mm)を得た。得られた
金属缶体の性能を表1および表2に示す。
【0054】実施例2〜11及び比較例1〜5 原料樹脂、配合比及びフィルムの製造条件を、表1およ
び表2に示したように変更し、実施例1と同様にして各
種フィルムを得た。得られたフィルムを用いてラミネー
ト金属板を製造し、次に実施例1と同様にして金属缶体
を作製し、性能を評価した。フィルムおよび金属缶体の
性能を表1および表2に示す。
【0055】★
【表1】
【0056】★
【表2】
【0057】表1より明らかなように、本発明のポリエ
ステルフィルムは熱圧着性、耐熱性、缶成形性に優れて
おり、また、これらのフィルムを用いて成形した金属缶
体は、耐レトルト性、耐食性、フレーバー性、耐衝撃性
に優れていた。これに対し、比較例に示したポリエステ
ルフィルムは、上記の特性をすべて満足するものが得ら
れず、特に、金属缶体のレトルト処理後の耐衝撃性が劣
るものであった。
【0058】
【発明の効果】本発明よれば、(ア)機械的特性や耐熱
性に優れ、(イ)高結晶化度であっても金属板と熱圧着
可能であり、しかも、金属板に熱圧着する際の条件変動
に対してもラミネート金属板の品質が変化し難く、さら
には、低温でも熱圧着可能であり、(ウ)これをラミネ
ートして得られるラミネート金属板はフィルムが高結晶
化度であっても加工性や成形性に優れ、高絞り比缶の製
造も可能であり、しかも、(エ)ラミネート缶にした場
合に、フレーバー性や耐レトルト性、耐食性、印刷性等
に優れ、特に、製缶後の熱処理およびレトルト処理後の
耐衝撃性に優れたフィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 67/02 (C08L 67/02 77:00) 77:00) Fターム(参考) 3E062 AA04 AC03 JA01 JA07 JB11 4F100 AB03D AB04D AK01C AK42A AK42B AK46C BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D BA15 JA04A JA04C JA05C JA11C JA20 JJ03 JK10 JL01 JL11 YY00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の樹脂成分(A)〜(C)から構成
    された複層フィルムであって、各層の樹脂組成が下記の
    条件(1)〜(6)を満足することを特徴とする金属板
    ラミネート用ポリエステルフィルム。 (A)ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とす
    る融点が220℃以上のポリエステル (B)ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とす
    るポリエステル (C)融点が140〜200℃の結晶性樹脂、または、
    ガラス転移温度が80〜180℃の非晶性樹脂の少なく
    とも一種類以上よりなる樹脂 <第1層> WA1/WB1=60/40〜10/90 (1) WC1=1〜15 (2) WA1+WB1+WC1=100 (3) <第2層> WA2/WB2=100/0〜50/50 (4) WC2≦5 (5) WA2+WB2+WC2=100 (6) ただし、各層のWA、WB、、WCは、樹脂A、B、Cの
    重量割合(重量部)を示す。
  2. 【請求項2】 第2層の厚みがフィルム全体の厚みの5
    0%以上であることを特徴とする請求項1記載の金属板
    ラミネート用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 WA1+70≧WA2≧WA1+20を満
    足する請求項1または2記載の金属板ラミネート用ポリ
    エステルフィルム。
  4. 【請求項4】 樹脂成分(A)〜(C)が下記の条件を
    満足する第3層を第1層の反対側に第2層を挟んで積層
    してなる請求項1〜3のいずれかに記載の金属板ラミネ
    ート用ポリエステルフィルム。 <第3層> WA3/WB3=60/40〜10/90 WC3≦15 WA3+WB3+WC3=100
  5. 【請求項5】 第2層の樹脂組成が下記条件(7)〜
    (10)を満足する請求項1〜4のいずれかに記載の金
    属板ラミネート用ポリエステルフィルム。 WA2/WB2=90/10〜60/40 (7) WC2≦5 (8) WA1+50≧WA2≧WA1+20 (9) WA2+WB2+WC2=100 (10)
  6. 【請求項6】 樹脂成分(C)がポリアミドであること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属板ラ
    ミネート用ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 下記式(11)を満足することを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の金属板ラミネート
    用ポリエステルフィルム。 T80−T20≧30(℃) (11) ただし、T80は融解熱を積算した値(ΔHm)の80
    %に相当する温度、T20は同じくΔHmの20%に相
    当する温度を示す。
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