JP2016020290A - 合わせガラス用ポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、ウインドシールド中間膜へ機能性を付与する際の加工に適するだけでなく、より大面積化するウインドシールドの加工に適した合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを提供することにある。【解決手段】下記要件(1)〜(4)を満たす、合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム。(1)フィルムヘーズが1.5%以下、(2)全光線透過率が90%以上、(3)フィルム両表面の十点平均粗さ(SRz)が1000nm以下、(4)フィルム幅方向における配向角の変化量が100mm当り0.2〜1.5?【選択図】なし
Description
本発明は、合わせガラス用ポリエチレンテレフタレートフィルムに関するものである。詳しくは、優れた透明性、加工特性を有し、大型で屈曲を有するガラスへ積層する用途に最適な合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに関するものである。
自動車の車両の窓ガラス、特にウインドシールド(防風ガラス)には合わせガラスと呼ばれる複数のガラスの間に樹脂などの中間膜を挟み、耐衝撃性を向上させたガラスが用いられている。
さらに中間膜に熱線遮蔽機能や透明導電機能を付与し、耐衝撃性の向上のみならず、高機能性を有する中間膜を使用した合わせガラスが提案されている。(特許文献1)
これまで合わせガラス用中間膜には耐衝撃性の高いポリカーボネートフィルムやエチレン−ビニルアセテート共重合体を用いられてきたが、樹脂が加熱に弱いため、高温状態では耐衝撃性を十分に発揮できない場合があることから、軟化点が高い結晶性プラスチックであるポリエチレンテレフタレート樹脂シートを用いることが提案されている。(特許文献2)
斯かる合わせガラス用ポリエチレンテレフタレート樹脂シートは、耐火炎照射による破壊貫通性向上に寄与するものであると考えられるものの、通常、曲面を有するウインドシールド用合わせガラスに用いた場合には、合わせガラス加工時にフィルムがガラス曲面に追従変形しないため、シワ状の欠点が発生すると考えられた。
曲面を有する合わせガラスに用いることのできるポリエステルフィルムとしては、特定の加熱収縮率や弾性率を有するポリエステルフィルムが提案されている。(特許文献3〜8)
斯かる合わせガラス用ポリエステルフィルムは、取り扱い性を容易にするために、最外層のポリエステル層へ粒子を含有させることによって製造される。この場合、透明性を損なわない範囲で粒子を添加しても、再外層へ粒子の凝集した突起が形成されることを防ぐことはできず、熱線遮蔽機能や透明導電機能を阻害するため、限られた用途しか用いることができなかった。
さらに、近年は運転者及び乗客が最大限の視界が得られるように、車室内の明るさを増加させる傾向にあり、ウインドシールドの大面積化が提案されている。(特許文献9)
現在、上記特許文献に提案のフィルムが合わせガラス用中間膜に用いられている。ところが、ウインドシールドを高機能化するために、中間膜として用いられるフィルムには例えば熱線遮熱機能の付与などの高機能化が求められており、各種機能層の加工に適したベースフィルムが必要とされている。
さらに、ウインドシールドの大面積化により、曲面ガラスの加工に追従する加工特性を有しながら、長幅にわたり均一な加工特性を有するベースフィルムが必要になると考えられた。
本発明の目的は、上記問題点を解消し、ウインドシールド中間膜へ機能性を付与する際の加工に適するだけでなく、より大面積化するウインドシールドの加工に適した合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを提供することにある。
前記課題を解決することができる、本願発明は、下記要件(1)〜(4)を満たす合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
(1)フィルムヘーズが1.5%以下
(2)全光線透過率が90%以上
(3)フィルム両表面の十点平均粗さ(SRz)が1000nm以下
(4)フィルム幅方向における配向角の変化量が100mm当り0.2〜1.5°
(1)フィルムヘーズが1.5%以下
(2)全光線透過率が90%以上
(3)フィルム両表面の十点平均粗さ(SRz)が1000nm以下
(4)フィルム幅方向における配向角の変化量が100mm当り0.2〜1.5°
本発明の合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、優れた透明性、加工特性を有する。そのため、大型で屈曲を有するガラスへ積層する用途に好適に用いることができる。
本発明の合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、下記要件(1)〜(4)を満たすことが好ましい。
(1)フィルムヘーズが1.5%以下
(2)全光線透過率が90%以上
(3)フィルム両表面の十点平均粗さ(SRz)が1000nm以下
(4)フィルム幅方向における配向角の変化量が100mm当り0.2〜1.5°
これにより、本発明のフィルムは、優れた透明性、表面平滑性と屈曲ガラスへの積層加工時における優れた曲面追従加工性を有し、安定的に連続加工を行うことができる。
(1)フィルムヘーズが1.5%以下
(2)全光線透過率が90%以上
(3)フィルム両表面の十点平均粗さ(SRz)が1000nm以下
(4)フィルム幅方向における配向角の変化量が100mm当り0.2〜1.5°
これにより、本発明のフィルムは、優れた透明性、表面平滑性と屈曲ガラスへの積層加工時における優れた曲面追従加工性を有し、安定的に連続加工を行うことができる。
本発明のフィルムは、機械的強度、耐熱性などの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである必要がある。ポリエチレンテレフタレートフィルムの延伸方法は特に限定されず、逐次二軸延伸方法、または同時二軸延伸方法が適宜使用される。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは単層であっても、2層以上の複層構成であってもよい。
本発明のフィルムはポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる。ここで、ポリエチレンテレフタレート樹脂は、エチレングリコールおよびテレフタル酸を主な構成成分として含有する。本発明の目的を阻害しない範囲であれば、他のジカルボン酸成分およびグリコール成分を共重合させても良い。上記の他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス−(4−カルボキシフェニルエタン)、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シクロヘキサン−1、4−ジカルボン酸等が挙げられる。上記の他のグリコール成分としては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ビスフェノールA等のエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。この他、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸成分も利用され得る。
このようなポリエチレンテレフタレート樹脂の重合法としては、テレフタル酸とエチレングリコール、および必要に応じて他のジカルボン酸成分およびジオール成分を直接反応させる直接重合法、およびテレフタル酸のジメチルエステル(必要に応じて他のジカルボン酸のメチルエステルを含む)とエチレングリコール(必要に応じて他のジオール成分を含む)とをエステル交換反応させるエステル交換法等の任意の製造方法が利用され得る。
また、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、0.45dl/g〜0.70dl/gの範囲が好ましい。固有粘度が0.45dl/gよりも低いと、フィルムが裂けやすくなり、0.70dl/gより大きいと濾圧上昇が大きくなって高精度濾過が困難となる。
本発明のフィルムは、透明性を低下させる原因となる粒子を実質的に含有させないことが好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に粒子を基材フィルム中に添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する場合があるためである。
通常、粒子を含有しないフィルムの表面は平滑であるため、ハンドリング時にキズが入り、合わせガラス用フィルムとして用いることができない場合がある。滑り性を付与する目的、機能層との接着性改善などの目的でフィルム表面に塗布層を設けることが望ましい。塗布層は片面に設けられても、両面に設けられていてもよい。塗布層には、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤などの添加剤を含有しても良い。塗布層の作成方法については特に限定されない。
本発明のフィルムは、合わせガラスと積層した場合に、透明性を維持することが好ましい。そのため、本発明のフィルムにおけるヘーズは1.5%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましく、0.5%以下が更に好ましい。フィルムヘーズは低ければ低いほど良いが、実質的な下限は0.1%である。
本発明における全光線透過率は90%以上が好ましく、91%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましい。合わせガラスの透明性向上のためには、光線透過率は高ければ高いほど良いが、100%の光線透過率は技術的に達成困難であり、実質的な上限は95%である。
本発明におけるフィルムを合わせガラス用中間膜として用いる場合には、例えば熱線遮蔽機能や透明導電機能等の機能層をフィルム上に作成する場合がある。これらの機能層は、フィルム表面に蒸着処理、スパッタリング処理などを行うため、フィルム表面は平滑であることが望ましい。フィルム表面の粗さが大きいと熱線遮断機能や透明導電機能を阻害される恐れがあるからである。フィルム両表面の十点平均粗さ(SRz)は1000nm以下であることが望ましく、600nm以下であることがより望ましく、300nm以下であることがさらに望ましい。十点平均粗さは低いほど良いが、実質的な下限は50nmである。なお、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に前述の塗布層を設けた場合、フィルム表面の十点平均粗さ(SRz)とは、塗布層上の粗さを意味する。
フィルム幅方向における配向角の変化量は100mm当り0.2〜1.5°であることが好ましい。これにより、大面積化するウインドシールドに用いることができる合わせガラス用中間膜において、シワの発生を抑制し、長幅にわたり均一な加工特性を発揮することができる。逐次二軸延伸法によって作成されるフィルムはボーイング現象によりフィルムの配向主軸が歪み、フィルム製膜工程で得られるフィルムジャンボロールの中央部と端部で物性差が異なるため、長幅にわたり均一な加工特性を有するためには、ボーイングを低減する必要がある。フィルム幅方向における配向角の変化量は100mm当り1.3°以下であることがより好ましく、1.0°以下であることが更に好ましい。配向角の変化量は小さければ小さいほど良いが、熱収縮率の制御と延伸フィルムが有する耐熱性などの特性を考えると実質的な下限は0.2°である。
さらに、大面積化するウインドシールドに用いることができる合わせガラス用中間膜においては、フィルムを150℃、30分間加熱したときの端部熱収縮率と中央部熱収縮率の差が小さいほうが好ましい。熱収縮率の差が小さいほどウインドシールドの大きさによらず、均一加工性を実現できるからである。端部熱収縮率と中央部熱収縮率の差はフィルム流れ方向、フィルム幅方向ともに0.5%以下であることが好ましい。端部熱収縮率と中央部熱収縮率の差は、0.3%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることがさらに好ましい。好ましい下限は0%である。
本発明のフィルムの厚みは特に制限されるものではなく任意であるが、大面積化するウインドシールドに用いることができる合わせガラス用中間膜においては、フィルム厚みは9〜49μmであることが望ましい。厚みが9μm未満であると合わせガラス加工における加熱時にシワが入りガラス外観を損なうことがあり、合わせガラス中間膜として耐衝撃性を発現できない場合がある。ガラスの大面積化によりガラス重量の軽量化が必要とされる場合には、49μmを超えるフィルムであると合わせガラス加工時の収縮力により薄物ガラスに負荷がかかり、ガラスの変形、割れなどが発生することがある。
本発明の合わせガラス用ポリエチレンテレフタレートフィルムにおける製造方法について説明する。ポリエチレンテレフタレートのペレットを用いた代表例について詳しく説明するが、これに限定されるものではない。
まず、フィルム原料を乾燥あるいは熱風乾燥によって、水分率が100ppm未満となるように乾燥する。次いで、各原料を計量、混合して押し出し機に供給し、シート状に溶融押出を行う。さらに、溶融状態のシートを、静電印加法を用いて回転金属ロール(キャスティングロール)に密着させて冷却固化し、未延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得る。
また、溶融樹脂が280℃に保たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の場合、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物及び高融点有機物の除去性能に優れ好適である。
表面層(a層)と中間層(b層)とを共押出し積層する場合は、2台以上の押出し機を用いて、各層の原料を押出し、多層フィードブロック(例えば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて両層を合流させ、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。あるいは多層フィードブロックを用いる代わりにマルチマニホールドダイを用いても良い。
次に、前記の方法で得られた未延伸フィルムを逐次二軸延伸し、次いで熱処理を行う。
本発明における合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得るためには2.6〜3.5倍の範囲でフィルム流れ方向(MD方向)に延伸を行うことが望ましい。フィルム流れ方向の延伸倍率が2.6倍以上では、フィルム流れ方向の厚み変動が小さくなり好ましい。3.5倍以下であると配向主軸の変化量が小さくなり好ましく、3.1倍以下がより好ましく、2.9倍以下が更に好ましい。
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、フィルム流れ方向への延伸手段として一段延伸、二段以上で延伸する多段延伸のどちらでもよく、特に限定されるものではない。
塗布層は上記方法で得られた該一軸延伸フィルム上に設けることができる。なお、塗布層作成方法については、必要に応じてフィルムの製造後に塗布層を設けるオフラインコートと呼ばれる手法を用いても良く、特に限定されない。
上記方法で得られた該一軸延伸フィルムは、通常の予熱、幅方向の延伸、熱固定、冷却を行う横延伸装置を用いて二軸配向したフィルムを得る。この際、前記二軸延伸フィルムは幅方向の延伸条件や熱固定条件の影響を受けるので、適宜公知の方法で条件を選択し所望の物性とすることができる。上記延伸条件の好ましい条件を以下に示す。
本発明のポリエチレンテレフタレートフィルムを得るためには4.1〜5.8倍の範囲で幅方向(TD方向)に延伸を行うことが望ましい。幅方向の延伸倍率が4.1倍以上では、厚み斑が均一になり大面積での加工に適するため好ましい。さらに、配向角変動も低減するため好ましい。5.8倍以下であると破断の頻度が少なくなり好ましい。
配向角の変動を低減させるためには、比較的低温での熱固定処理が望ましい。本願発明では熱固定処理工程の温度は190℃以上220℃以下が好ましく、より好ましくは190℃以上210℃未満である。熱固定処理の温度が190℃以上では、熱収縮率の絶対値が小さくなり好ましい。また、熱固定処理の温度が220℃以下であると、フィルムが不透明になり難く、また配向角変動が小さくなり好ましい。
熱固定処理で把持具のガイドレールを先狭めにして、弛緩処理することは熱収縮率、特に幅方向の熱収縮率の制御に有効である。弛緩処理する温度は熱固定処理温度からポリエチレンテレフタレートフィルムのガラス移転温度Tgまでの範囲で選べるが、好ましくは(熱固定処理温度)−10℃〜Tg+10℃である。この幅弛緩率は1〜6%が好ましい。1%未満では効果が少なく、6%以下であるとフィルムの平面性の点で好ましい。
本発明のフィルムは上記方法により製造されるものであるが、上記技術思想の範囲であれば、上記具体的に開示された方法に限定されるものはない。本発明のフィルムを製造する上で重要なのは、上記技術思想に基づき、フィルム流れ方向及び幅方向の延伸、熱固定を極めて狭い範囲で高精度の制御をすることである。
次に、本発明の効果を実施例および比較例を用いて説明する。まず、本発明で使用した特性値の評価方法を下記に示す。
[評価方法]
(1)フィルムヘーズ、全光線透過率
JIS K 7136(ヘーズ),K7361(全光線透過率)に準拠して測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−5000型濁度計を用いた。
(1)フィルムヘーズ、全光線透過率
JIS K 7136(ヘーズ),K7361(全光線透過率)に準拠して測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−5000型濁度計を用いた。
(2)十点平均表面粗さ(SRz)
フィルムの表面を触針式三次元表面粗さ計(株式会社小坂研究所社製、SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30mg、針のスピード0.1mm/秒の条件下で、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたって測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(株式会社小坂研究所社製、TDA−21)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、即ちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に、前記解析装置を用いて、三次元平均表面粗さSRzを求めた。SRzの単位はnmである。なお、測定は3回行い、それらの平均値を採用した。
(3)中央部と端部の熱収縮率差
実施例で得られたスリットロールについて、幅方向に端縁を0%、もう一方の端縁を100%とした。
フィルム幅の40%、50%。60%に相当する領域からサンプルを切出し、縦方向の熱収縮率を求め、その平均を、「フィルム流れ方向の中央部熱収縮率」とした。
フィルム幅の40%、50%。60%に相当する領域からサンプルを切出し、横方向の熱収縮率を求め、その平均を、「フィルム幅方向の中央部熱収縮率」とした。
フィルム幅の10%、90%に相当する領域からサンプルを切出し、縦方向の熱収縮率を求め、その平均を、「フィルム流れ方向の端部熱収縮率」とした。
フィルム幅の10%、90%に相当する領域からサンプルを切出し、横方向の熱収縮率を求め、その平均を、「フィルム幅方向の端部熱収縮率」とした。
「フィルム流れ方向の中央部熱収縮率」と「フィルム流れ方向の端部熱収縮率」の差を、「フィルム流れ方向の中央部と端部の熱収縮率差」とした。同様に、「フィルム幅方向の中央部熱収縮率」と「フィルム幅方向の端部熱収縮率」の差を、「フィルム幅方向の中央部と端部の熱収縮率差」とした。
なお、熱収縮率は、JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。測定すべき方向に対し、フィルム幅を10mm、長さ250mmに切出し、200mm間隔で印を付け、5gfの一定張力下で印の間隔(A)を測定する。次いで、フィルムを150℃の雰囲気中のオーブンに入れ、無荷重下で150±3℃で30分間加熱処理した後、5gfの一定張力下で印の間隔(B)を測定する。以下の式より熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=(A−B)/A×100
フィルムの表面を触針式三次元表面粗さ計(株式会社小坂研究所社製、SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30mg、針のスピード0.1mm/秒の条件下で、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたって測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(株式会社小坂研究所社製、TDA−21)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、即ちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に、前記解析装置を用いて、三次元平均表面粗さSRzを求めた。SRzの単位はnmである。なお、測定は3回行い、それらの平均値を採用した。
(3)中央部と端部の熱収縮率差
実施例で得られたスリットロールについて、幅方向に端縁を0%、もう一方の端縁を100%とした。
フィルム幅の40%、50%。60%に相当する領域からサンプルを切出し、縦方向の熱収縮率を求め、その平均を、「フィルム流れ方向の中央部熱収縮率」とした。
フィルム幅の40%、50%。60%に相当する領域からサンプルを切出し、横方向の熱収縮率を求め、その平均を、「フィルム幅方向の中央部熱収縮率」とした。
フィルム幅の10%、90%に相当する領域からサンプルを切出し、縦方向の熱収縮率を求め、その平均を、「フィルム流れ方向の端部熱収縮率」とした。
フィルム幅の10%、90%に相当する領域からサンプルを切出し、横方向の熱収縮率を求め、その平均を、「フィルム幅方向の端部熱収縮率」とした。
「フィルム流れ方向の中央部熱収縮率」と「フィルム流れ方向の端部熱収縮率」の差を、「フィルム流れ方向の中央部と端部の熱収縮率差」とした。同様に、「フィルム幅方向の中央部熱収縮率」と「フィルム幅方向の端部熱収縮率」の差を、「フィルム幅方向の中央部と端部の熱収縮率差」とした。
なお、熱収縮率は、JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。測定すべき方向に対し、フィルム幅を10mm、長さ250mmに切出し、200mm間隔で印を付け、5gfの一定張力下で印の間隔(A)を測定する。次いで、フィルムを150℃の雰囲気中のオーブンに入れ、無荷重下で150±3℃で30分間加熱処理した後、5gfの一定張力下で印の間隔(B)を測定する。以下の式より熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=(A−B)/A×100
(4)分子鎖主軸の配向角(θ)、光学主軸の傾斜角(ξ)
実施例で得られたスリットロールについて、幅方向に端縁を0%とし、他の端縁を100%とする。上記フィルム幅の10%に相当する領域から90%に相当する領域について、幅方向に100mmピッチで連続してn個の100mm四方の正方形のフィルムサンプルを切り出した。該正方形のフィルムサンプルは流れ方向、又は幅方向のいずれかの軸を基準に直角に切り出した。各フィルムサンプルについて、王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計を用いて、フィルム流れ方向に対する分子鎖主軸の配向角(θi)、及び下記式によって定義される機械軸方向(流れ方向、または幅方向のいずれか)に対する光学主軸の傾斜角(ξi)を測定した。それぞれ流れ方向に3箇所サンプリングしその平均値を求めた。なお、nは、フィルム全幅に0.8を乗じ、10mmで除した数値の小数点以下を切り上げた整数である。また、iはサンプル番号を表し、i=1〜nである。
|θ|≦45度のとき ξ=|θ|
|θ|>45度のとき ξ=|90度−|θ||
実施例で得られたスリットロールについて、幅方向に端縁を0%とし、他の端縁を100%とする。上記フィルム幅の10%に相当する領域から90%に相当する領域について、幅方向に100mmピッチで連続してn個の100mm四方の正方形のフィルムサンプルを切り出した。該正方形のフィルムサンプルは流れ方向、又は幅方向のいずれかの軸を基準に直角に切り出した。各フィルムサンプルについて、王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計を用いて、フィルム流れ方向に対する分子鎖主軸の配向角(θi)、及び下記式によって定義される機械軸方向(流れ方向、または幅方向のいずれか)に対する光学主軸の傾斜角(ξi)を測定した。それぞれ流れ方向に3箇所サンプリングしその平均値を求めた。なお、nは、フィルム全幅に0.8を乗じ、10mmで除した数値の小数点以下を切り上げた整数である。また、iはサンプル番号を表し、i=1〜nである。
|θ|≦45度のとき ξ=|θ|
|θ|>45度のとき ξ=|90度−|θ||
(5)配向角の変化量
上記フィルムサンプルより測定した光学主軸の傾斜角のうち、最大値を光学主軸の最大傾斜角(ξmax)、最小値を最小傾斜角(ξmin)とした。
最大傾斜角を得た測定位置をLmax(mm)、最小傾斜角を得た測定位置をLmin(mm)とした場合に、100mmあたりの配向角の変化量は下記式で表すことができる。
(配向角の変化量)=(ξmax−ξmin)/(Lmax−Lmin)×100
上記フィルムサンプルより測定した光学主軸の傾斜角のうち、最大値を光学主軸の最大傾斜角(ξmax)、最小値を最小傾斜角(ξmin)とした。
最大傾斜角を得た測定位置をLmax(mm)、最小傾斜角を得た測定位置をLmin(mm)とした場合に、100mmあたりの配向角の変化量は下記式で表すことができる。
(配向角の変化量)=(ξmax−ξmin)/(Lmax−Lmin)×100
(6)フィルム厚み
JIS K 7130に記載の「発泡プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法」により測定した。測定器は電子マイクロメーター(マール社製、ミリトロン1240)を用いた。測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
JIS K 7130に記載の「発泡プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法」により測定した。測定器は電子マイクロメーター(マール社製、ミリトロン1240)を用いた。測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
(7)大面積曲面ガラス加工適正
ポリエステルフィルムの両側からポリエステルフィルムと同じ大きさのポリビニルブチラールによる樹脂シートで挟み、さらにその積層体の両側からガラスで挟んだ合計5層からなる積層体を作成した。ガラスは、曲面ガラスを想定した実験をするために直径250mmφの時計皿を使用した。その積層体を130℃、1.0MPaの条件下で30分保持し降温後、下記記載の基準にて評価を行った。
○:ポリエチレンテレフタレートフィルムはガラスの形状に完全に追従する
△:一部曲率の大きい部位においてポリエチレンテレフタレートフィルムがガラスに追従しない
×:ポリエチレンテレフタレートフィルムがガラスに追従せずシワが発生するために、良好な積層体が採取できない
ポリエステルフィルムの両側からポリエステルフィルムと同じ大きさのポリビニルブチラールによる樹脂シートで挟み、さらにその積層体の両側からガラスで挟んだ合計5層からなる積層体を作成した。ガラスは、曲面ガラスを想定した実験をするために直径250mmφの時計皿を使用した。その積層体を130℃、1.0MPaの条件下で30分保持し降温後、下記記載の基準にて評価を行った。
○:ポリエチレンテレフタレートフィルムはガラスの形状に完全に追従する
△:一部曲率の大きい部位においてポリエチレンテレフタレートフィルムがガラスに追従しない
×:ポリエチレンテレフタレートフィルムがガラスに追従せずシワが発生するために、良好な積層体が採取できない
実施例1
(1)ポリエチレンテレフタレート樹脂−A(PET樹脂−A)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物0.071質量部、次いでリン酸トリメチル0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部、次いで酢酸ナトリウム0.0036質量部を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、285℃で重縮合反応を行った。
(1)ポリエチレンテレフタレート樹脂−A(PET樹脂−A)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物0.071質量部、次いでリン酸トリメチル0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部、次いで酢酸ナトリウム0.0036質量部を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、285℃で重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたPET樹脂−Aは、融点が257℃、固有粘度が0.616dl/g、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。
(2)ポリエチレンテレフタレート樹脂−B(PET樹脂−B)の製造
添加剤としてシリカ粒子(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア310)を2000ppm含有したポリエチレンテレフタレートをPET−A樹脂と同様の製法で作成した。
添加剤としてシリカ粒子(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア310)を2000ppm含有したポリエチレンテレフタレートをPET−A樹脂と同様の製法で作成した。
(3)易滑性被覆層用形成用塗布液の製造
(共重合ポリエステル樹脂の調製)
撹拌機、温度計、及び部分還流式冷却器を具備したステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート345質量部、1,4−ブタンジオール211質量部、エチレングリコール270質量部、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.5質量部を仕込み、160℃から220℃まで、4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで、フマル酸14質量部及びセバシン酸160質量部を加え、200℃から220℃まで1時間かけて昇温し、エステル化反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、29.3Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルは、淡黄色透明であり重量平均分子量は20000あった。また、NMR分析による芳香族成分の割合は70モル%であった。
(共重合ポリエステル樹脂の調製)
撹拌機、温度計、及び部分還流式冷却器を具備したステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート345質量部、1,4−ブタンジオール211質量部、エチレングリコール270質量部、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.5質量部を仕込み、160℃から220℃まで、4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで、フマル酸14質量部及びセバシン酸160質量部を加え、200℃から220℃まで1時間かけて昇温し、エステル化反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、29.3Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルは、淡黄色透明であり重量平均分子量は20000あった。また、NMR分析による芳香族成分の割合は70モル%であった。
(グラフト変性樹脂の調製)
撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応器に共重合ポリエステル75質量部、メチルエチルケトン56質量部及びイソプロピルアルコール19質量部を入れ、65℃で加熱、撹拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、無水マレイン酸15質量部をポリエステル溶液に添加した。
次いで、スチレン10質量部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル1.5質量部を12質量部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を0.1ml/分でポリエステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。反応溶液から分析用のサンプリングを行った後、メタノール5質量部を添加した。次いで、水300質量部とトリエチルアミン15質量部を反応溶液に加え、1時間撹拌した。その後、反応器内温を100℃に上げ、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のトリエチルアミンを蒸留により留去し、水分散性グラフト樹脂を得た。この水分散性グラフト樹脂)は淡黄色透明であった。この樹脂の酸価は1400eq/tであった。
撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応器に共重合ポリエステル75質量部、メチルエチルケトン56質量部及びイソプロピルアルコール19質量部を入れ、65℃で加熱、撹拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、無水マレイン酸15質量部をポリエステル溶液に添加した。
次いで、スチレン10質量部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル1.5質量部を12質量部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を0.1ml/分でポリエステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。反応溶液から分析用のサンプリングを行った後、メタノール5質量部を添加した。次いで、水300質量部とトリエチルアミン15質量部を反応溶液に加え、1時間撹拌した。その後、反応器内温を100℃に上げ、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のトリエチルアミンを蒸留により留去し、水分散性グラフト樹脂を得た。この水分散性グラフト樹脂)は淡黄色透明であった。この樹脂の酸価は1400eq/tであった。
(塗布液の調整)
上記方法で調製した水分散性グラフト樹脂の25質量%水分散液を40質量部、水を24質量部及びイソプロピルアルコールを36質量部、それぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤の10質量%水溶液を0.6質量部、プロピオン酸を1質量部、イオン交換水中でホモジナイザ−により分散処理したコロイダルシリカ粒子(日産化学工業社製、スノーテックスOL、平均粒径40nm)(粒子a)の20質量%水分散液を1.8質量部、イオン交換水中でホモジナイザ−により分散処理した乾式法シリカ粒子(日本アエロジル社製、アエロジルOX50、平均凝集粒径200nm、平均一次粒径40nm)(粒子b)の4質量%水分散液を1.1質量部添加し、塗布液とした。粒子aと粒子bの質量比は8、粒子bの含有量は被覆層の樹脂組成物に対して0.42質量%である。
上記方法で調製した水分散性グラフト樹脂の25質量%水分散液を40質量部、水を24質量部及びイソプロピルアルコールを36質量部、それぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤の10質量%水溶液を0.6質量部、プロピオン酸を1質量部、イオン交換水中でホモジナイザ−により分散処理したコロイダルシリカ粒子(日産化学工業社製、スノーテックスOL、平均粒径40nm)(粒子a)の20質量%水分散液を1.8質量部、イオン交換水中でホモジナイザ−により分散処理した乾式法シリカ粒子(日本アエロジル社製、アエロジルOX50、平均凝集粒径200nm、平均一次粒径40nm)(粒子b)の4質量%水分散液を1.1質量部添加し、塗布液とした。粒子aと粒子bの質量比は8、粒子bの含有量は被覆層の樹脂組成物に対して0.42質量%である。
(4)合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造
表面層(a)の原料としてPET樹脂−Aを100質量部用い、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給した。また、中間層(b)層の原料としてPET樹脂−A100質量部を用い135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2に供給した。押出機2、及び押出機1に供給された各原料を、押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度は280℃、その後のポリマー管では275℃とし、3層合流ブロックを用いてa/b/aとなるように積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。なお、a層とb層との厚み比率は、a/b/a=10/80/10となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、前記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
表面層(a)の原料としてPET樹脂−Aを100質量部用い、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給した。また、中間層(b)層の原料としてPET樹脂−A100質量部を用い135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2に供給した。押出機2、及び押出機1に供給された各原料を、押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度は280℃、その後のポリマー管では275℃とし、3層合流ブロックを用いてa/b/aとなるように積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。なお、a層とb層との厚み比率は、a/b/a=10/80/10となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、前記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
そして、押し出した樹脂を、表面温度30℃の冷却ドラム上にキャスティングして静電印加法を用いて冷却ドラム表面に密着させて冷却固化し、厚さ690μmの未延伸フィルムを作成した。
得られた未延伸シートを、78℃に加熱されたロール群でフィルム温度を75℃に昇温した後、赤外線ヒータで105℃に加熱し、周速差のあるロール群で、フィルム流れ方向に3.4倍に延伸した。
上記方法で調製した易滑性被覆層形成用塗布液を、濾過可能な粒子サイズ10μm(初期濾過効率95%)のフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、リバースロール法によって、上記一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの反冷却ロール接触面側に塗布、乾燥した。この際のコート量は、0.1g/m2であった。塗布後引き続いて、フィルムの端部をクリップで把持して130℃に加熱された熱風ゾーンに導いて乾燥した後、幅方向に4.2倍に延伸した。次いで、200℃で15秒間の熱処理を行い、200℃で4.1%の弛緩処理を行い、幅5000mmで長さ8000mの長尺広幅のジャンボロールに巻き取二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。ジャンボロールの端縁部から幅100mmを耳部として得られた、幅1300mm、長さ2000mのスリットロールを用いて評価した結果を表1に示す。
実施例2〜12
表1または2に記載の製造条件に変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成した。得られたフィルム物性、加工特性を表1または2に示す。
表1または2に記載の製造条件に変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成した。得られたフィルム物性、加工特性を表1または2に示す。
比較例1〜4
使用原料比率、製造条件を表3に記載の条件に変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成した。得られたフィルム物性、加工特性を表3に示す。
使用原料比率、製造条件を表3に記載の条件に変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成した。得られたフィルム物性、加工特性を表3に示す。
実施例及び比較例1、2のフィルムは、十点平均粗さ(SRz)が1000nm以下であるため、均一な熱線遮断機能層、透明導電機能層等を設けることができ、各種機能層の加工に適したフィルムであった。一方、比較例3、4のフィルムは十点平均粗さ(SRz)が1000nmを超えるため十分均一な機能層を設けることができず、各種機能層の加工に適したフィルムでなかった。
Claims (1)
- 下記要件(1)〜(4)を満たす、合わせガラス用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(1)フィルムヘーズが1.5%以下
(2)全光線透過率が90%以上
(3)フィルム両表面の十点平均粗さ(SRz)が1000nm以下
(4)フィルム幅方向における配向角の変化量が100mm当り0.2〜1.5°
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014144936A JP2016020290A (ja) | 2014-07-15 | 2014-07-15 | 合わせガラス用ポリエチレンテレフタレートフィルム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018035036A (ja) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | 大日本印刷株式会社 | 乗り物用ガラス装置、及び該装置に用いられる加熱電極シートの製造方法 |
JP2018035244A (ja) * | 2016-08-30 | 2018-03-08 | 中松 義郎 | 工業用テープ |
-
2014
- 2014-07-15 JP JP2014144936A patent/JP2016020290A/ja active Pending
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