JP2017146353A - 光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
項1.
下記要件(1)〜(3)を満たす二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる光学フィルム検査用フィルム。
(1)最大配向角が12°以下
(2)フィルム長手方向の150℃30分における熱収縮率が0%〜1%、かつ200℃30分における熱収縮率が2%〜4%
(3)広角X線回折測定で得られるフィルム(−105)面の結晶子長が71Å以上80Å以下、かつフィルム(010)面の結晶子長が65Å以上75Å以下
項2.
さらに下記要件(4)〜(6)を満たす項1に記載の光学フィルム検査用フィルム。
(4)フィルム長手方向の熱収縮応力曲線において、熱収縮応力の立ち上がり温度が150℃以上
(5)フィルム長手方向の屈折率Nxが1.63以上1.65以下、かつ幅方向の屈折率Nyが1.67以上1.70以下、かつ厚み方向の屈折率Nzが1.48以上1.49以項3.
さらに下記要件(6)及び(7)を満たす項1または2に記載の光学フィルム検査用フィルム。
(6)中心層とこれに接する両表層から構成される積層フィルム
(7)両表層は平均粒径1.0〜5.0μmの微粒子を0.10〜0.20質量%含有する。
項4.
項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム検査用フィルムが積層された光学フィルム。
項5.
光学フィルムが、偏光板、位相差偏光板、及び位相差板から成る群より選択される一種以上である、項4に記載の光学フィルム。
項
各実施例で得られた光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの幅において、端縁を0%とし、他の端縁を100%とする。上記フィルム幅の10%に相当する領域から90%に相当する領域について、幅方向に100mmピッチで連続してn個の100mm四方の正方形のフィルムサンプルを切り出した。該正方形のフィルムサンプルは長手方向、又は幅方向のいずれかの軸を基準に直角に切り出した。各フィルムサンプルについて、王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計を用いて、フィルム長手方向に対する分子鎖主軸の配向角(θi、−90°≦θi≦90°)、及び下記式によって定義される機械軸方向(長手方向、または幅方向のいずれか)に対する光学主軸の傾斜角(ξi)を測定した。それぞれ長手方向に3箇所サンプリングしその平均値を求めた。なお、nは、フィルム全幅に0.8を乗じ、100mmで除した数値の小数点以下を切り上げた整数である。また、iはサンプル番号を表し、i=1〜nである。
このうち、光学主軸の傾斜角(ξi)の値が最大のものを、最大配向角とした。
|θ|≦45度のとき ξ=|θ|
|θ|>45度のとき ξ=|90度−|θ||
JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。測定すべき方向(長手方向または幅方向)に対し、フィルムを幅10mm、長さ190mmに切り取り、10mm間隔で印をつけ、印の間隔(A)を測定した。フィルムを150℃の雰囲気中のオーブンに入れ、無荷重下で150℃±3℃で30分間加熱処理した後、印の間隔(B)を測定した。以下の式より150℃加熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=(A−B)/A×100
また、同様の方法でフィルムを200℃の雰囲気中のオーブンに入れ、無荷重下で200℃±3℃で30分間加熱処理し、200℃加熱収縮率を求めた。測定は、各実施例で得られた光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの中央部にて行った。
理学電機製X線回折装置RINT2500を用い、透過法にて測定した。フィルムを装置に設置し、フィルム面に対して垂直にX線を照射する。次いで、結晶格子面間隔に対する(−105)面の結晶ピーク強度および(010)面の結晶ピーク強度を測定する。得られる結晶ピーク曲線においてピークの半値幅を算出し、また、ピークが最も高くなる時のX線回折角を算出した。半値幅およびX線回折角をSchrrerの式「ACS=kλ/βcosθ」に代入し、見かけの結晶子長ACSを計算した。ここで、kは補正定数、λはX線波長、βは半値幅の二乗から装置のブロードニング定数の二乗を除いた値の平方根、θはX線回折角である。
セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS6100型熱機械的分析装置を用い測定した。測定すべき方向に対し、フィルムを幅2mm、長さ30mmに切り取った。次いで、フィルムを装置に設置し、測定時の下側荷重を1.0763mNに設定する。組立L制御モードを選択し、室温から250℃まで速度20℃/分で昇温する。得られる熱収縮応力曲線において、熱収縮応力曲線が立ち上がる前のベースラインと、熱収縮応力が立ち上がったあと、傾きが最大となる点における接線との交点の温度を熱収縮曲線の立ち上がり温度とした。測定は、各実施例で得られた光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの中央部にて行った。
JIS K 7142に準拠して測定した。アッベ屈折率計により、NaD線光で屈折率を測定した。接触液はヨウ化メチレンを用い、長手方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)及び厚み方向の屈折率(Nz)を測定した。測定は、各実施例で得られた光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの中央部において行った。
JIS K 7136「プラスチック 透明材料のヘイズの求め方」に準拠して測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−5000型濁度計を用いた。
得られたフィルムの片面に下記の成分を含むシリコーン塗布液を加工張力10kg/mを印可した状態でダイコート方式でシリコーンを塗布し、150℃のオーブンで乾燥させた。
(シリコーン塗布液)
硬化性シリコーン(KS847H、信越化学) 100質量部
硬化剤(CATPL−50T、信越化学) 2質量部
希釈剤 メチルエチルケトン/キシレン/メチルイソブチルケトン 898質量部
得られたシリコ−ン塗布後のサンプルをロ−ルからカットして、平坦なテ−ブルの上に5mの長さを広げて、塗布面に蛍光灯の光を反射させて下記評価方法により熱しわの有無を確認する。
○:熱しわは全く見られず良好。
△:全面に熱しわは見られないが部分的に熱しわがみられる。
×:全面に熱しわが確認できる。
フィルム製膜を20分間連続で行い、途中破断する回数を計測した。
○:破断が起こらない
△:破断が発生するが、フィルム採取は可能
×:破断が頻発し、フィルム採取不可能
得られたフィルムの長手方向と検査用カットサンプルの長手方向が平行になるようにサンプルを切り出し、検査用サンプルを作製した。白色光源の上に2枚の偏光板をクロスニコルに配置し、その間に一方の偏光板における偏光方向とサンプルの端面が平行となるように、得られたフィルムを配置した。光源として180Wのメタハラ伝送ライトを用いた。クロスニコルを通して見られる偏光板像より易検査性を評価した。
○:クロスニコルを通した際のコントラストが良好で、検査性が良い。
△:延伸むら、未延伸部、白化のいずれかが、観察するフィルムの全面積中の50%をこえない範囲で見られるため、検査性がやや悪い。
×:延伸むら、未延伸部、白化のいずれかが、観察するフィルムの全面積中の50%をこえる範囲で見られたり、コントラスト性が悪いため検査性が悪い。
(1)PET樹脂(A)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物0.071質量部、次いでリン酸トリメチル0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部、次いで酢酸ナトリウム0.0036質量部を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、285℃で重縮合反応を行った。
添加剤としてシリカ粒子(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア310、平均粒径2.7μm)を2000ppm含有させた以外はPET(A)樹脂と同様の製法で、PET樹脂(B)を作成した。
表層(a)の原料として、PET樹脂(A)40質量部と、PET樹脂(B)60質量部とをペレット混合し、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給した。また、中間層(b)層の原料としてPET樹脂(A)82質量部と、PET樹脂(B)18質量部とをペレット混合し、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2に供給した。押出機2、及び押出機1に供給された各原料を、押出機の溶融部、混練り部、配管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度は280℃、その後の配管では275℃とし、3層合流ブロックを用いてa/b/aとなるように積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。なお、a層とb層との厚み比率は、a/b/a=8/84/8となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、前記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
フィルムの切り取り位置を上記フィルム幅の80%に相当する領域から90%に相当する領域に変更する以外は実施例1に記載と同様にして光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたフィルム物性を表2に示す。
製膜条件を表1に記載の条件へと変更する以外は、実施例1と同様の方法にて光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたフィルム物性を表2に示す。
製膜条件を表1に記載の条件へと変更する以外は、実施例1と同様の方法にて光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたフィルム物性を表2に示す。
製膜条件を表1に記載の条件へと変更する以外は、実施例1と同様の方法にて光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。アニール処理については、得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを190℃の乾燥炉内にて長手方向に3%の弛緩処理を行った。得られたフィルムは、微細なむらや白化部が全面にみられた。更には全面に微小なしわが見られたため、熱しわ判定法による評価が困難であった。得られたフィルム物性を表2に示す。
製膜条件を表1に記載の条件へと変更する以外は、実施例1と同様の方法にて光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。破断が多発し、フィルムが得られなかった。
Claims (3)
- 下記要件(1)〜(3)を満たす二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる、光学フィルム検査用フィルム。
(1)最大配向角が12°以下
(2)フィルム長手方向の150℃30分における熱収縮率が0%〜1%、かつ200℃30分における熱収縮率が2%〜4%
(3)広角X線回折測定で得られるフィルム(−105)面の結晶子長が71Å以上80Å以下、かつフィルム(010)面の結晶子長が65Å以上75Å以下 - さらに下記要件(4)〜(5)を満たす請求項1に記載の光学フィルム検査用フィルム。
(4)フィルム長手方向の熱収縮応力曲線において、熱収縮応力の立ち上がり温度が150℃以上
(5)フィルム長手方向の屈折率Nxが1.63以上1.65以下、かつ幅方向の屈折率Nyが1.67以上1.70以下、かつ厚み方向の屈折率Nzが1.48以上1.49以下 - さらに下記要件(6)及び(7)を満たす請求項1または2に記載の光学フィルム検査用フィルム。
(6)中心層とこれに接する両表層から構成される積層フィルム
(7)両表層は平均粒径1.0〜5.0μmの微粒子を0.10〜0.20質量%含有する。
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