JP7239262B2 - 光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents
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項1.
下記要件(1)~(3)、(8)~(10)を満たす光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(1)全光線透過率が85%以上
(2)フィルムヘーズが15%以下
(3)透過偏光度が7.0%以上
(8)中心層とこれに接する両表層から構成される積層フィルム
(9)両表層は平均粒径1.5~4.0μmの微粒子を0.10~0.20質量%含有する
(10)中心層は平均粒径1.5~4.0μmの微粒子を0.00~0.10質量%含有する
項2.
さらに下記要件(4)~(6)を満たす項1に記載の光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(4)150℃、30分間加熱したときの熱収縮率が長手方向および幅方向とも2.0%以下
(5)150℃、30分間加熱したときの全方位熱収縮率の最大と最小の差が0.5%以下
(6)150℃、30分間加熱したときの5°当りの全方位熱収縮率の最大変化量が500ppm以下
項3.
さらに下記要件(7)を満たす項1又は2に記載の光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(7)最大配向角が18°以下
チレンテレフタレート系樹脂よりなる。ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、エチレングリコールおよびテレフタル酸を主な構成成分として含有する。本発明の目的を阻害しない範囲であれば、他のジカルボン酸成分およびグリコール成分を共重合させても良い。上記の他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、p-β-オキシエトキシ安息香酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシベンゾフェノン、ビス-(4-カルボキシフェニルエタン)、アジピン酸、セバシン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、シクロヘキサン-1、4-ジカルボン酸等が挙げられる。上記の他のグリコール成分としては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ビスフェノールA等のエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。この他、p-オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸成分も利用され得る。
以上になると一様な光学軸精度が得られないため、高精度の検査が困難になる場合がある。
ック)を用いて両層を合流させ、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。あるいは多層フィードブロックを用いる代わりにマルチマニホールドダイを用いても良い。
本発明における光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得るためには4.8~7.0倍の範囲で幅方向に延伸を行うことが望ましい。幅方向の延伸倍率が4.8倍以上では、透過偏光度が高くなり好ましい。7.0倍以下であると破断の頻度が少なくなり好ましい。
本発明における光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得るためには3.0倍以下の範囲で長手方向に延伸を行うことが望ましい。長手方向の延伸倍率が3.0倍以下であると透過偏光度が高くなり好ましい。長手方向の延伸倍率の下限は長手方向に延伸を行うことを除いて特に限定されないが、フィルム流れ方向の厚み変動を小さく抑えることができるという観点から2.6倍以上が好ましい。
これまで、光学的な軸精度を保持するために、比較的低温での熱固定処理が推奨されてきたが、本願発明では、熱固定処理工程の温度は220℃以上230℃以下が好ましい。熱固定処理の温度が220℃以上では、熱収縮率の絶対値が小さくなり好ましい。また、熱固定処理の温度が230℃以下であると、フィルムが不透明になり難く、また破断の頻度が少なくなり好ましい。
本発明における光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得るためには、幅方向の緩和率を2.0~4.5%の範囲で行うことが望ましい。これにより、全方位収縮率差を低減できるため望ましい。
本発明における光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得るためには、0.005~6.0%/秒以下の緩和速度で幅方向に緩和処理を行うことが望ましい。幅方向緩和速度が6.0%/秒以下であれば、局所的な平面性不良が発生しな
いため好ましい。さらに望ましくは、0.1~5.0%/秒、特に望ましくは0.5~4.0%/秒である。幅方向緩和速度の下限は限定されないが、0.005%/秒未満の幅方向緩和速度で全方位収縮率差を低減できる特定の幅方向緩和率を実施すると、緩和処理に要する時間が長くなりフィルム表面が白化し、透明性を阻害してしまう。
フィルムの表面を触針式三次元表面粗さ計(株式会社小坂研究所社製、SE-3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30mg、針のスピード0.1mm/秒の条件下で、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたって測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(株式会社小坂研究所社製、TDA-21)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、即ちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に、前記解析装置を用いて、三次元平均表面粗さSRaを求めた。SRaの単位はμmである。なお、測定は3回行い、それらの平均値を採用した。
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」ヘーズ(曇価)に準拠して測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH-300A型濁度計を用いた。
JIS C 2318-1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。測定すべき方向に対し、フィルムを幅10mm、長さ250mmに切り取り、200mm間隔で印を付け、5gfの一定張力下で印の間隔(A)を測定した。次いで、フィルムを150℃の雰囲気中のオーブンに入れ、無荷重下で150±3℃で30分間加熱処理した後、5gfの一定張力下で印の間隔(B)を測定した。以下の式より熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=(A-B)/A×100
フィルムを巾300mmに切り取り、直径250mmの円状に印を付けた。長手方向を0°、横手方向を90°とし5°ピッチでフィルム面内の収縮率を上記熱収縮率測定方法に従い熱収縮率を求めた。最大値と最小値の差を全方位熱収縮率の最大と最小の差とし、隣り合う位置の加熱収縮率差を算出し、その最大値をもって全方位熱収縮率の5°当りの最大変化量とした。
各実施例で得られた光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
幅において、端縁を0%とし、他の端縁を100%とする。上記フィルム幅の10%に相当する領域から90%に相当する領域について、幅方向に100mmピッチで連続してn個の100mm四方の正方形のフィルムサンプルを切り出した。該正方形のフィルムサンプルは長手方向、又は幅方向のいずれかの軸を基準に直角に切り出した。各フィルムサンプルについて、王子計測器株式会社製、MOA-6004型分子配向計を用いて、フィルム長手方向に対する分子鎖主軸の配向角(θi、-90°≦θi≦90°)、及び下記式によって定義される機械軸方向(長手方向、または幅方向のいずれか)に対する光学主軸の傾斜角(ξi)を測定した。それぞれ長手方向に3箇所サンプリングしその平均値を求めた。なお、nは、フィルム全幅に0.8を乗じ、10mmで除した数値の小数点以下を切り上げた整数である。また、iはサンプル番号を表し、i=1~nである。このうち、光学主軸の傾斜角(ξi)の値が最大のものを、最大配向角とした。
|θ|≦45度のとき ξ=|θ|
|θ|>45度のとき ξ=|90度-|θ||
測定器には、日本電色工業社製NDH-5000型濁度計を用いた。濁度計試験片設置部の手前に偏光板をセットした。フィルムを偏光板に密着させてセットして、フィルムの主配向軸を、入射する直線偏光の偏光方向に対して平行とし測定を行った。測定値を、偏光板の全光線透過率で除し、主配向軸に平行な偏光の全光線透過率Tpを求めた。次に、フィルムを、フィルム表面を含む平面内で90度回転させて、フィルムの主配向軸を、入射する直線偏光の偏光方向に対して垂直とした。上記同様に測定を行い、測定値を偏光板の全光線透過率で除し、主配向軸と垂直な偏光の全光線透過率Tvを求めた。数1に従い透過偏光度を求めた。
光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、加工張力10kg/mを印可した状態でダイコート方式でシリコーンを塗布し、120℃のオーブンで乾燥させた。上述のシリコ-ン塗布後のサンプルをロ-ルからカットして、平坦なテ-ブルの上に5mの長さを広げて、塗布面に蛍光灯の光を反射させて熱しわの有無を確認した。
○:熱しわは全く見られず良好。
×:熱しわが確認できた。
(1)PET樹脂(A)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物0.071質量部、次いでリン酸トリメチル0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部、次いで酢酸ナトリウム0.0036質量部を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を
重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、285℃で重縮合反応を行った。
添加剤としてシリカ粒子(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア310、平均粒径2.7μm)を2000ppm含有したポリエチレンテレフタレートをPET(A)樹脂と同様の製法で作成した。
表層(a)の原料として、PET樹脂(A)40質量部と、PET樹脂(B)60質量部とをペレット混合し、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給した。また、中間層(b)層の原料としてPET樹脂(A)82質量部と、PET樹脂(B)18質量部とをペレット混合し、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2に供給した。押出機2、及び押出機1に供給された各原料を、押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度は280℃、その後のポリマー管では275℃とし、3層合流ブロックを用いてa/b/aとなるように積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。なお、a層とb層との厚み比率は、a/b/a=8/84/8となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、前記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
取り位置を上記フィルム幅の80%に相当する領域から90%に相当する領域に変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成した。得られたフィルム物性を表2に示す。
製膜条件を表1に記載の条件へ変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成し
た。得られたフィルム物性を表2に示す。
層構成、製膜条件を表1に記載の条件へ変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成し、フィルム幅の50%に相当する領域から55%に相当する領域について、スリットを行い、光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたフィルム物性を表2に示す。
フィルム幅の80%に相当する領域から90%に相当する領域についてスリットを行う以外は比較例1に記載と同様の方法にて作成した。得られたフィルム物性を表2に示す。
層構成、製膜条件を表1に記載の条件へ変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成した。得られたフィルム物性を表2に示す。
製膜条件を表1に記載の条件へ変更する以外は実施例1に記載と同様の方法にて作成した。得られたフィルム物性を表2に示す。
め、コントラスト性が低いため易検査性に劣り、高精度の検査に用いることが困難であった。また、加工特性にも劣るものであった。
Claims (3)
- 下記要件(1)~(3)、(8)~(10)を満たし、
(1)全光線透過率が85%以上
(2)フィルムヘーズが15%以下
(3)透過偏光度が7.0%以上
(8)中心層とこれに接する両表層から構成される積層フィルム
(9)両表層は平均粒径1.5~4.0μmの微粒子を0.10~0.20質量%含有する
(10)中心層は平均粒径1.5~4.0μmの微粒子を0.00~0.10質量%含有し、
0.005%/秒以上2.3%/秒以下の緩和速度で幅方向に緩和処理して得られたフィルムである、光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム。 - さらに下記要件(4)~(6)を満たす請求項1に記載の光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(4)150℃、30分間加熱したときの熱収縮率が長手方向および幅方向とも2.0%以下
(5)150℃、30分間加熱したときの全方位熱収縮率の最大と最小の差が0.5%以下
(6)150℃、30分間加熱したときの5°当りの全方位熱収縮率の最大変化量が500ppm以下。 - さらに下記要件(7)を満たす請求項1又は2に記載の光学フィルム検査用二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
(7)最大配向角が18°以下。
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