JP7172025B2 - 二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)フィルム幅方向に対する配向主軸の傾き(配向角)が少なくとも5m幅にわたって5度以下であり、150℃30分間熱処理した後のフィルム長手方向の熱収縮率が2.5~7.0%、フィルム幅方向の熱収縮率が2.5~8.0%であり、フィルム幅方向においてX線回折で測定した結晶の面配向指数χi値が、少なくとも5m幅にわたって6.0以上である二軸配向ポリエステルフィルム。
(2)150℃30分間熱処理した後のフィルム長手方向の熱収縮率が3.0~6.0%、フィルム幅方向の熱収縮率が3.0~7.5%である(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(3)フィルムの固有粘度が0.55~0.62dl/gである(1)または(2)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)偏光板離型用途に用いられる(1)~(3)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(5)以下の工程を有する、(1)~(4)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
(工程1)ポリエステル樹脂をシート状に溶融押出し、前記シート状に溶融押出されたポリエステル樹脂を18~50℃のキャスティングロールに1~15秒接触させて冷却固化せしめ、厚み180~1400μmの未延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程2)(工程1)で得られた未延伸ポリエステルフィルムを、長手方向に延伸倍率が2.5~5倍で延伸した後、冷却をして一軸延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程3)(工程2)で得られた一軸延伸ポリエステルフィルムを、幅方向に延伸倍率が3~6倍、かつ、幅方向の延伸倍率が長手方向の延伸倍率よりも高い延伸倍率で延伸した後、冷却をして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程4)(工程3)で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムを、熱処理温度が180~230℃にて熱処理して、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程。
(6)前記溶融押出を行うポリエステル樹脂の平均固有粘度が0.55~0.64dl/gであり、固有粘度のバラツキが0.002~0.030dl/gであることを特徴とする(5)に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
(7)前記(工程2)の延伸工程から冷却工程におけるフィルムの幅縮みを15%以下とすることを特徴とする(5)または(6)に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
(8)前記(工程3)の冷却工程が、フィルム温度が25~45℃、フィルムの幅縮み速度が0.1~20%/minで行うことを特徴とする(5)~(7)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
(9)前記ポリエステルフィルムが少なくとも3層構成を有し、少なくとも一方の表層を構成する層がアルミナ成分を0.1~1.0質量%を含有する、(1)~(4)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(10)前記ポリエステルフィルムが、一方の表層を構成する層のアルミナ成分の含有量が0.1~1.0質量%であり、他方の表層を構成する層のアルミナ成分の含有量が0.1質量%以下であるか又はアルミナ成分を含有しない、(9)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(11)前記ポリエステルフィルムの他方の表層の表面にシリコーン離型層が積層された、(10)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(12)前記ポリエステルフィルムにおける、他方の表層のポリエチレングリコール(PEG)含有量が1.0~20.0質量%である、請求項11に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは単層であっても、2層以上からなる複合フィルムであってもよいが、フィルムのヘイズ値およびフィルムの表面粗さSRaを上記範囲にするには、3層複合フィルムからなる場合、特に好適である。この場合、図2に示すように、同一の組成とするA/B/Aの構成が、設備的に簡易であり、生産性の面からもよいが、両表面層側の積層部の粒子種あるいは粒子含有量が異なる、A/B/Cの構成が、片側表面に離型層が積層された離型フィルムにおいて加工面および非加工面に適した表面を設計できるため加工適正の面で特に好ましい。3層複合フィルムからなる場合、両表面層の積層厚さは、0.5~2.5μmが好ましく、とくに1.0~2.0μmが好ましい。
(工程1)ポリエステル樹脂をシート状に溶融押出し、前記シート状に溶融押出したポリエステル樹脂を18~50℃のキャスティングロール上で1~15秒接触させて冷却固化せしめて厚み180~1400μmの未延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程2)(工程1)で得られた未延伸ポリエステルフィルムを、長手方向に延伸倍率が2.5~5倍で延伸した後、冷却をして一軸延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程3)(工程2)で得られた一軸延伸ポリエステルフィルムを、幅方向に延伸倍率が3~6倍、かつ、幅方向の延伸倍率が長手方向の延伸倍率よりも高い延伸倍率で延伸した後、冷却をして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程4)前記二軸延伸ポリエステルフィルムを、熱処理温度が180~230℃にて熱処理して、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程。
ポリエステル樹脂を、必要に応じて乾燥し、押出機に供給し溶融押出する。フィルムの固有粘度を上述の範囲とするためには、押出機に供給するポリエステル樹脂の平均固有粘度は0.55~0.64dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.55~0.62dl/gである。また押出機に供給するポリエステル樹脂の固有粘度のバラツキは0.002~0.030dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.005~0.030である。なお、押出機に供給するポリエステル樹脂の固有粘度のバラツキは、後述する測定方法により求められるものであり、原料として押出機に供給するポリエステル樹脂から無作為に抽出する50サンプルについて固有粘度の測定を行い、得られた値の標準偏差σとして算出されるものである。原料として供給するポリエステル樹脂の固有粘度に一定のバラツキを有さしめることで、フィルムの結晶の面配向指数を高くしつつ、配向角を小さくすることが可能となる。原料として供給するポリエステル樹脂の固有粘度のバラツキが0.002dl/g未満であると、結晶の面配向指数χi値が低くなるため輝点欠点を低減できない場合がある。一方、原料として供給するポリエステル樹脂の固有粘度のバラツキが0.030dl/gを超えると、得られる二軸配向ポリエステルフィルムの特性が安定しない上、配向角が高くなり、偏光板をクロスニコル法で検査する際の光漏れが大きくなり検査の阻害となる場合がある。原料として供給するポリエステル樹脂のバラツキを上記の範囲とする方法は、特に限られるものでは無い。原料として供給するポリエステル樹脂の重合をバッチ式重合方法で得る場合は、連続式重合方法で得る場合に比べて、固有粘度のバラツキは大きくなる。
前記(工程1)で得られた未延伸フィルムを、長手方向に延伸倍率が2.5~5.0倍で延伸、冷却することによって、一軸延伸ポリエステルフィルムを得る。長手方向への延伸は、90~130℃の延伸温度で1段階的に、もしくは多段階的に分けて延伸することが好ましい。ボーイング現象およびフィルム長手方向の厚みムラを抑える観点から、延伸温度は100~120℃、延伸倍率は3~4倍がより好ましく、延伸ムラおよびキズを防止する観点から延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましい。また、長手方向延伸により幅方向の収縮が生じるが、この延伸工程から冷却工程におけるフィルムの幅縮みは15%以下であることが好ましい。フィルムの幅縮みが15%を超えるとフィルムの蛇行や幅変動が生じやすくなったり、フィルムの幅方向の面配向の均一性が悪化するため、5m幅にわたって結晶の面配向指数χi値を6.0以上とすることが困難になる場合がある。フィルムの幅縮みは、長手方向延伸を行う前のフィルム端部の厚みプロファイルを調整したり、延伸張力をニップロールなどで調整したりすることで制御することができる。
前記(工程2)で得られた一軸延伸ポリエステルフィルムを、幅方向に延伸倍率が3.0~6.0倍、かつ、幅方向の延伸倍率が長手方向の延伸倍率よりも高い延伸倍率で延伸する。幅方向の延伸は、90~130℃の延伸温度で延伸することが好ましい。延伸温度が90℃よりも低く、延伸倍率が6.0倍よりも高くなると配向角は低減する傾向になるが、フィルムが破断しやすくなる、また結晶の面配向指数χi値が低くなる傾向がある。延伸温度は100~120℃、延伸倍率は4.0~5.0倍であるとより好ましい。また、配向角を低くするためには、幅方向の延伸倍率が、長手方向の延伸倍率よりも高いことが好ましい。長手方向の延伸倍率より幅方向延伸倍率を高くとするとフィルム内の分子配向が長手方向側に傾く傾向があり、配向角バラツキを抑制することが困難となる場合がある。
フィルムの幅縮み速度 =(W1-W2)/W1 × 1/T1 式(1)
また、(工程3)の冷却工程においてフィルムは温度が低下した状態である程度の時間を経ることが好ましい。この理由としては、以下のように推測している。前述したように冷却工程では幅縮みをする際に配向緩和が起こっていると考えられるが、フィルムを冷却することによって配向緩和を止めるには一定の時間が必要であると推測される。そのため、冷却工程の通過時間が不十分であると配向緩和を抑制できないため、ボーイング現象を抑制する効果が少ないと推測している。本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを製造するに際して、冷却工程の通過時間は、10秒間以上が好ましく、更に好ましくは15秒間以上である。冷却工程の通過時間の上限は特に限定されないが、60秒間以下である
と生産性が良好となるため好ましい。
前記(工程3)で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムを、熱処理することによって、二軸配向ポリエステルフィルムを得る。熱処理温度は180~230℃が好ましく、さらに好ましくは180~215℃、とくに好ましくは185~210℃である。熱処理温度が180℃未満では熱処理が不十分となり、150℃30分間熱処理した後のフィルム長手方向の熱収縮率を2.5~7.0%、フィルム幅方向の熱収縮率を2.5~8.0%の範囲に収めることが困難となる場合がある。熱処理温度が230℃より高いと、ボーイングが発生しやすくなり配向角を上述の範囲に制御することが困難となるため好ましくない。
測定対象のフィルムを台に広げ、幅を金尺(JIS1級)で測定した。
野村商事製配向性測定機(SST-4000)を用いて測定をする。試料となる二軸延伸ポリエステルフィルムの幅に対して配向主軸の傾きが実質的に最も大きくなる幅方向両端部からA4サイズのサンプルを切り出した。切り出したA4サイズのサンプルの中点(105mm)を測定し、配向主軸がフィルム幅方向と平行である時を配向角0度であり、フィルム幅方向に対して時計回りの傾きを+、反時計回りを-とし、その絶対値の大きい方を測定結果とした。
フィルムを30mm(フィルム長手方向)×20mm(フィルム幅方向)になるようにカットし、該フィルムをX線回折用試料とし、日本フィリップス製のX線回折装置TYPE PW1840を用い、フィルムの長手方向に垂直な面内でX線の照射角を変え反射法で回折強度を測定する。試料は、フィルムの全幅にわたって幅方向に対して均等に10点抜き出した。ただし、そのうち両端の2点はフィルム両端とサンプル端を合わせ込み、採取した。試料10点について測定を行い、その最大値を測定結果とした。測定条件は下記の通りである。
[測定条件]
時定数:2秒
測定角度範囲:18度~32度
走行速度:1度/分
Divergency Slit : 1.5mmφ
Scattering Slit : 1度
Recelving Slit : 0.3mm
X線:Cu対陰極によるCu-Kα(35Kv、15mA、Ni-フィルタ)
フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであるときは、ポリエチレンテレフタレート結晶の(100),(110)面の回折角に相当する25.8°、22.5°での回折強度をH1、H2とし、下記式にて面配向指数χiを求めた。
面配向指数χi=(H2/H1)×100。
フィルム表面に、幅10mm、測定長約100mmとなるように2本のラインを引き、この2本のライン間の距離を23℃で測定しこれをL0とする。このフィルムサンプルを150℃のオーブン中に30分間、1.5gの荷重下で放置した後、再び2本のライン間の距離を23℃で測定しこれをL1とし、下式により熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)={(L0-L1)/L0}×100
フィルムの長手方法および幅方向についてそれぞれ3カ所の測定を行い、平均値を求めた。
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。すなわち、
ηsp/C=[η]+K[η]2・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)-1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、前記フィルムの固有粘度と同様に計算した値を用いた。
測定は、原料として押出機に供給するポリエステル樹脂から無作為に50サンプル抽出してn=50点で行い、その平均値Xをポリエステル樹脂の平均固有粘度、標準偏差σを固有粘度のバラツキとした。
固有粘度のバラツキσ=√((Σ(Xi-X)2)/(N-1))
ここで、Xiはi番目の固有粘度測定値、Nは測定数(=50)とする。
JIS K7105(1981)に準じ、フィルム長手方向4cm×フィルム幅方向3.5cmの寸法に切り出したものをサンプルとし、ヘイズメータ(スガ試験機製HGM-2DP(C光用))を用いて測定する。フィルム幅方向に対して均等に3点測定し、その平均値を測定結果とした。
三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET-350K)を用いて測定し、得られたる表面のプロファイル曲線より、JIS・B0601(2001)に準じ、算術平均粗さSRa値を求めた。測定条件は下記のとおりである。
X方向測定長さ:0.5mm、X方向送り速度:0.1mm/秒。
Y方向送りピッ:5μm、Y方向ライン数:40本。
カットオフ:0.25mm。
触針圧:0.02mN。
高さ(Z方向)拡大倍率:5万倍。
表面からエッチングしながらXPS(X線光電子光法)、IR(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、その粒子濃度のデプスプロファイルを測定する。片面に積層したフィルムにおける表層では、表面という空気-樹脂の界面のために粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明の片面に積層したフィルムの場合は、深さ[I]で一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II](ここで、II>I)を積層厚さとした。さらに、無機粒子などが含有されている場合には、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フィルム中の粒子のうち最も高濃度の粒子の起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、層(A)の表面からの深さ(厚さ)方向の分析を行う。そして上記同様の手法から積層厚さを得る。
JIS C2151(1990)に準じ、マイクロメーター(ミツトヨOMM-25)を用いてフィルム幅方向に対して均等に30点測定し、その平均値を測定結果とした。
ハンディ形放射温度計(株式会社チノー製IR-TA)を用いて、製造工程におけるフィルム温度を測定した。フィルム幅方向に対して均等に3点測定し、その平均値を測定結果とした。
光源(ライトボックス)上に偏光板2枚を載せ、その間にポリエステルフィルムを置き、2枚の偏光板をフィルム全体がクロスニコル状態になるように合わせた状態とし、目視検査を行い、フィルム表面の欠点をマーキングした。検査は2名で行いクロスチェックをして欠点の見逃しの有無を確認し、以下の判断基準で評価した(○以上を合格とした)。
◎:目視検査に良好な地合(背景部分)であったため、欠点をほとんど見逃すことなく、検査することができた。
○:視界に入る地合(背景部分)の光がやや強かったり、やや弱かったり、位置ごとに軽微な光量ムラが存在したので、2時間程度続けて検査をしていると疲労感を感じるようになり、いくつかの欠点を見逃してしまった。
△:視界に入る地合(背景部分)の光がやや強かったり、やや弱かったり、位置ごとに光量ムラが存在したので、1時間程度でも続けて検査をしていると疲労感を感じるようになり、いくつかの欠点を見逃してしまった。
×:視界に入る地合(背景部分)の光が強かったり、弱かったり、位置ごとに明確な光量ムラが存在したので、1時間程度でも続けて検査をしていると疲労感を強く感じるようになり、多くの欠点を見逃してしまった。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムを加工張力10kg/mで搬送しながら140℃のオーブンで乾燥させた。
クロスニコル検査における輝点欠点を評価する機器として、照明手段として250Wのメタルハライド(目白プレシジョン製 BMH-250A)及び角度調整が可能な第1の偏光板が設けられ、受光手段として分解能25μmのCCDカメラ(DALSA製 P3-80-8K-40)と角度調整が可能な第2の偏光板を組み合わせて複数配置されているクロスニコル検査器を使用した。装置の概要を図1に示す。
◎:100μm以上の輝点が0.05個/m2以下である。
○:100μm以上の輝点が0.05~0.1個/m2である。
△:100μm以上の輝点が0.1~0.15個/m2である。
×:100μm以上の輝点が0.15個/m2以上である。
(15)製膜性
安定に製膜できるか、下記基準で評価した。×を不合格とし、△以上を合格と判定した。
◎:36時間以上安定に製膜できる。
○:24時間以上安定に製膜できる。
△:12時間以上24時間未満安定に製膜できる。
×:12時間以内に破断が発生し、安定な製膜ができない。
SFT-700HにてMD長手方向にて50往復させる。
(幅:1/2インチ、長さ:30センチ(測長:10センチ)、荷重:100g)
処理後のサンプルをベルジャー真空蒸着機にてサンプル面蒸着を行い、実体顕微鏡にて観察し、最も傷が多く見える角度で傷をカウントする。
◎:50往復にてキズ発生本数が15本以下。
○:50往復にてキズ発生本数が16~20本。
△:50往復にてキズ発生本数が21~29本。
×:50往復にてキズ発生本数が30本以上。
<硬化型シリコーン離型剤組成>
硬化型シリコーン樹脂 (X-62-5039:信越化学社製) 20質量部
架橋剤 (X-92-185:信越化学社製) 0.4質量部
触媒 (PL-5000:信越化学社製) 1.0質量部
MEK/トルエン/n-ヘプタン混合溶媒(混合率は質量比で1:1:1)
シリコーン塗工面を5往復指でこすり、表面状態を観察し、効果状態を次の4つに分類して硬化性を評価した。
◎:シリコーンは硬化しており、密着性も良好である。
○:シリコーンは硬化しており、密着性は影響がない。
△:シリコーンは硬化しているが、密着性が悪く脱落(ラブオフ)がある。
×:シリコーンが硬化せず、曇り(スミアー)を生じる。
JIS-K6768-1977に準じ、濡れ指数試薬No.31(ナカライテスク製)を用いて測定する。
ジメチルテレフタレート(DMT)100質量部に61質量部(DMT1モルに対して1.9モル)のエチレングリコールおよび酢酸マグネシウム・4水塩を0.05質量部、リン酸を0.015質量部加え加熱エステル交換を行い、引き続き三酸化アンチモン0.025質量部を加え、加熱昇温し真空下で重縮合反応を行い、粒子を実質的に含有しない、固有粘度0.62のポリエステルペレットを得た。
用いたポリエステルの固有粘度、キャスト条件、延伸条件、冷却条件、熱処理温度、冷却工程の幅縮み速度、採取幅などの製膜条件を変えるほかは実施例1と同様に実施し、3層からなる二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた結果を表1、表2に示した。
すなわち、本発明の態様とすることにより、(特に、フィルム幅方向に対する配向主軸の傾き(配向角)を少なくとも5m幅にわたって5度以下とすることにより)クロスニコル法での目視検査をする場合においても、地合(背景部分)の光が強すぎたり、弱すぎたりすることがなくなったので、欠点を見逃すことが少なくなり、検査性が向上することが確認できた。
2 第1の偏光フィルター
3 第2の偏光フィルター
4 照明手段
5 受光手段
6 信号処理手段
Claims (10)
- 少なくとも3層構成を有し、少なくとも一方の表層を構成する層がアルミナ成分を0.1~1.0質量%を含有し、他方の表層のポリエチレングリコール(PEG)含有量が1.0~20.0質量%であり、フィルム幅方向に対する配向主軸の傾き(配向角)が少なくとも5m幅にわたって5度以下であり、150℃30分間熱処理した後のフィルム長手方向の熱収縮率が2.5~7.0%、フィルム幅方向の熱収縮率が2.5~8.0%であり、フィルム幅方向においてX線回折で測定した結晶の面配向指数χi値が、少なくとも5m幅にわたって6.0以上である二軸配向ポリエステルフィルム。
- 150℃30分間熱処理した後のフィルム長手方向の熱収縮率が3.0~6.0%、フィルム幅方向の熱収縮率が3.0~7.5%である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルムの固有粘度が0.55~0.62dl/gである請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 偏光板離型用途に用いられる請求項1~3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 以下の工程を有する、請求項1~4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
(工程1)ポリエステル樹脂をシート状に溶融押出し、前記シート状に溶融押出されたポリエステル樹脂を18~50℃のキャスティングロールに1~15秒接触させて冷却固化せしめ厚み180~1400μmの未延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程2)(工程1)で得られた未延伸ポリエステルフィルムを、長手方向に延伸倍率が2.5~5倍で延伸した後、冷却をして一軸延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程3)(工程2)で得られた一軸延伸ポリエステルフィルムを、幅方向に延伸倍率が3~6倍、かつ、幅方向の延伸倍率が長手方向の延伸倍率よりも高い延伸倍率で延伸した後、冷却をして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得る工程。
(工程4)(工程3)で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムを、熱処理温度が180~230℃にて熱処理して、二軸配向ポリエステルフィルムを得る工程。 - 前記溶融押出を行うポリエステル樹脂の固有粘度が0.55~0.64dl/gであり、固有粘度のバラツキが0.002~0.030dl/gであることを特徴とする請求項5に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
- 前記(工程2)の延伸工程から冷却工程におけるフィルムの幅縮みを15%以下とすることを特徴とする請求項5または6に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
- 前記(工程3)の冷却工程が、フィルム温度が25~45℃、フィルムの幅縮み速度が0.1~20%/minで行うことを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
- 前記ポリエステルフィルムが、一方の表層を構成する層のアルミナ成分の含有量が0.1~1.0質量%であり、他方の表層を構成する層のアルミナ成分の含有量が0.1質量%以下であるか又はアルミナ成分を含有しない、請求項1~4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムの他方の表層の表面にシリコーン離型層が積層された、請求項9に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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