JP4196306B2 - 光拡散性フィルム - Google Patents

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本発明は、液晶ディスプレイのバックライトユニット、照明装置等に用いられる光拡散性フィルムに関する。さらに詳しくは、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性、機械的強度および厚み精度を有し、かつ優れた光線透過率と光拡散性とを有する光拡散性フィルムに関する。
近年、液晶ディスプレイの技術進歩は目覚しく、パソコンやテレビ、携帯電話等の表示装置として広く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、液晶表示ユニット単独では発光機能を有していないため、その裏面にバックライトユニットを設置して表示が可能になっている。
バックライトユニットには種々の方式があるが、2種に大別される。一般的に最も多い方式は、内部照光方式あるいは直下型といわれる方式で、光源が照光面の内側にある方式である。この方式では多数の冷陰極線管等の光源を照光面の直下に配置することができるため、後述するエッジライト方式と比較して、極めて高い輝度が得られ、また光損失が小さいという特徴を有している。そのため、大型液晶TVなど大型で、かつ高い輝度が必要な液晶ディスプレイには、直下型方式が多く用いられている。
しかしながら、直下型方式では、画面上で光源の直上に当たる位置と、そうでない位置とで大きな輝度差を生じやすく、輝度ムラとして認識されやすいという問題がある。このため、光出射面には有機、無機の微粒子などの光散乱物質を混入した厚さ数mmのアクリルやポリカーボネートなどからなる光拡散板、及び必要に応じて、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に光拡散加工を施した光拡散性フィルムが設置され、輝度ムラの低減が図られている。
もう一方の方式は、エッジライト型といわれる方式で、光源が照光面の外に配置され、照光面である透明なアクリル樹脂板などからなる導光板の一辺あるいは二辺に蛍光ランプ(多くは冷陰極放電管)等の例えば略線状発光体を密着させ、反射体からなるランプカバーを設けて導光板内に光を導入する方式である。この方式は、先述の直下型バックライトユニットと比較して、消費電力が小さい、小型・薄型化が可能であるという特徴を有している。そのため、ノート型パソコン等の小型ディスプレイ等、特に薄型化、軽量化が要求される場合には、エッジライト型のバックライトユニットが広く用いられている。
エッジライト型バックライトユニットの導光板に求められる必要な機能は、端部より入射した光を前方に送る機能と、送られた光を液晶表示素子側に出射する機能である。前者の機能は、使用する材料および界面反射特性に応じて決まり、後者の機能は、全反射条件を回避する導光板表面の形状に応じて決まる。この全反射条件を回避する導光板表面の形状に関して、導光板表面に白色の拡散材を形成する方法と導光板表面にレンチキュラーあるいはプリズムのフレネル形状を形成する方法が知られている。
しかしながら、これらの形状が形成された導光板から出射された光は、その形状に応じた不均一な光の分布を有している。従って、高品位の画像を得るために導光板上に光拡散性フィルムを設置し、光拡散層を通過する光を拡散、散乱させ、光出射面の輝度を均一にするよう試みられている。
これらのバックライトユニットには、さらにその正面輝度を向上させるため、光拡散性フィルムを透過して出射する光をできるだけ正面方向に集めるように、集光シートが用いられる場合がある。この集光シートは、表面にプリズム状やウェーブ状、ピラミッド状等の微小な凹凸が多数並んだ透明シートであり、光拡散性フィルムを透過した出射光を屈折させて正面に集め、照射面の輝度を向上させるようになっている。このような集光シートは、上記光拡散性フィルムの表面側に、1枚もしくは2枚重ねて使用される。
さらに、集光シートの配設によって生じた輝度ムラや集光シートの欠陥を拡散、散乱させて目立たなくするため、上記集光シートの表面側にも、光拡散性フィルムを配設する場合がある。
そして、前記バックライトユニットを構成する各部材(光拡散板、導光板、光拡散性フィルム、集光シート等)には、光の損失を抑えて光の利用効率を向上させるために、光線透過率の高い材料が求められている。
一方、これらの部材は一般に基材フィルムに機能層が積層された構成からなり、これらの部材を、粘着剤を介して貼り合わせて複合化している。これらの部材の支持体の数を削減することにより、異なる屈折率を有する部材間の界面において光が反射する回数を低減させることができる。そのため、部材の数を削減することは、光の利用効率を高める上でも有効である。一方、単一の基材フィルム自体に他の機能(例えば、光拡散性)を付与する試みも検討されている。
バックライトユニットに用いられる光拡散性フィルムとしては、例えば、透明熱可塑性樹脂をシート状に成形後、表面に物理的に凹凸を付ける加工を施して得られたフィルムや、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に微粒子を含有した透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られたフィルムが開示されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開平4−275501号公報 特開平6−59108号公報
特に、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に微粒子を含有した透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られたものは光線透過率が高く、かつ優れた光拡散性を有しており、また二軸延伸ポリエステルフィルムの特徴である優れた耐熱性、機械的強度、さらには優れた厚み均一性を併せ持つことから、広く採用されている。
しかしながら、この方法では、基材フィルムと光拡散層との線膨張係数の違いにより、光拡散性フィルムが加熱された際に、カールを生じやすいという問題がある。この問題は特に近年の大型液晶TVなど、大型でかつ極めて高い輝度が必要な、直下型バックライトユニットを採用する液晶ディスプレイにおいて、重要な問題となりつつある。なぜなら、光拡散性フィルムが大面積化すればする程、線膨張係数の異なる層の界面の面積が大きくなり、光拡散性フィルムが加熱された際に、カールが顕著になるからである。さらに、ディスプレイが高輝度化すればする程、光源の消費電力、即ちバックライトユニットの発熱量もより大きくなり、よりカールが発生しやすく状況になっている。また、この方法では後加工により光拡散層が形成されており、低コスト化の市場要求に関しても不利である。
一方、光拡散性フィルムと集光シート等、他の光学機能性フィルムとの一体化によるバックライトユニット部品の数の削減や製造工程の簡略化のように、低コスト化を目的として、二軸延伸ポリエステルフィルム自体に光拡散性を持たせる試みも多く提案されている。そして、優れた耐熱性、機械的強度、さらには優れた厚み均一性を併せ持つ二軸延伸ポリエステルフィルム自体に光拡散性を持たせようとするアプローチは、前記加熱カールの問題解決に結びつくものである。従って、その工業的価値は非常に大きい。
しかしながら、これまでに提案されてきた二軸延伸ポリエステルフィルム自体に光拡散性を持たせる試みは何れも、二軸延伸ポリエステルフィルムが本来有している特長の何れかを損なうものであるか、光線透過率や光拡散性といった光拡散性フィルムが具備すべき特性を損なうものであり、実用化には至っていない。例えば、2層以上の複合フィルムよりなり、少なくとも1層が内部に微細な気泡を含有する層である二軸延伸ポリエステルフィルムが開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開平11−268211号公報
この方法では、優れた耐熱性、機械的強度、優れた厚み均一性といった、二軸延伸ポリエステルフィルムが本来有している特長を有している。しかしながら、光拡散性が層の内部に存在する気泡により付与されているので、光線透過率が低いという問題がある。なぜなら、フィルムの二軸延伸工程において発生した気泡(ボイド)は、フィルム表面に対して平行な平板状の形態を有しているため、これを光拡散性フィルムとしてバックライトユニットに用いた場合には、照光面から出射した光を後方散乱させて光線透過率を損なってしまうからである。実際に、実施例において示されている全光線透過率は、最も高いものでも83%に過ぎない。
また、基材フィルムがポリエチレンテレフタレートからなり、光拡散層を構成する樹脂として、融点が200℃以下の低融点ポリエステル樹脂を用いた、多層タイプの二軸延伸ポリエステルフィルムが開示されている(例えば、特許文献4を参照)。
特開2001−272508号公報
上記方法においては、光拡散剤の周囲に発現し、かつ透明性を阻害するボイドの抑制に配慮がなされている。そのため、光線透過率と光拡散性とのバランスは、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に、微粒子を含有する透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られる、従来の光拡散性フィルムのそれらに匹敵する。
しかしながら、特許文献4に記載の方法で得られる光拡散性フィルムは、基材層を構成するポリエステル樹脂と光拡散層を構成するポリエステル樹脂との間に、大きな融点差がある。その結果、得られた二軸延伸フィルムは、光拡散層と基材フィルム間の線膨張係数が異なるため、二軸延伸フィルム自体が熱処理時にカールしやすくなる。そのため、後加工工程での熱処理によりカールが生じる場合や、液晶ディスプレイの使用環境(温度)によってカールが生じる場合があり、バックライトユニットにおける光出射面の輝度が不均一になる可能性がある。
また、融点が210℃以下の共重合ポリエステルまたは非結晶性ポリエステルを構成樹脂として、該構成樹脂に非相溶の粒子や熱可塑性樹脂よりなる光拡散性添加剤を配合した光拡散性層を中間層として、その両面にポリエチレンテレフタレートよりなる平滑な表面を形成する結晶性ポリエステル樹脂層を積層したフィルムが開示されている(例えば、特許文献5〜11を参照)。
特開2001−324605号公報 特開2002−162508号公報 特開2002−182013号公報 特開2002−196113号公報 特開2002−372606号公報 特開2004−219438号公報 特開2004−354558号公報
上記方法は特許文献4とは異なり、フィルムの構造が対象構造になっているので、該特許文献4で生ずる非対称構造によるカールの発生に関しては改善されている。しかし、融点や結晶性が大きく異なる樹脂を構成成分にしているために、製造条件等の変動によるカールの発生増大の要因を内在している。また、上記方法は積層フィルムの総厚みの80%以上が低融点共重合ポリエステル樹脂あるいは非結晶性ポリエステル樹脂からなる層よりなるので、結晶性二軸延伸ポリエステルフィルム本来の特徴である、耐熱性、機械的強度、厚み均一性などの優れた特性が損なわれてしまう。その結果、高温での加工や高温環境での使用において、著しい寸法変化や平面性の悪化を生じ、バックライトユニットにおける光出射面の輝度を均一にするという、光拡散性フィルムの本来目的が達成できない。
また、特定粒子径の球状または凸レンズ状の粒子を配合した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが開示されている(例えば、特許文献12を参照)。
特開2002−37898号公報
上記文献には、ポリエステルの原料としてポリエチレンテレフタレートを用いつつ、88%の全光線透過率と68%の拡散透過率を有するフィルムが実施例1に開示されている。また、実施例5においては、85%の全光線透過率と63%の拡散透過率を有するフィルムが開示されている。これらの光線透過率は、前記の二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に微粒子を含有した透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られたものに匹敵する優れた特性値である。
しかし、これらのフィルムの耐熱性、機械的強度、厚み精度等の基本的な特性は何ら開示されておらず、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム本来の特徴である耐熱性、機械的強度および高い厚み精度が得られる蓋然性も、全く認められない。なぜなら、これらのフィルムは厚み200μmの未延伸フィルムを縦、横、両方向に3.0倍ずつ、すなわち面積倍率9.0倍で延伸することによって得られたフィルムであるにも関わらず、その厚みは50μmであり、延伸前後の厚み比率から計算される実際の面積延伸倍率は4.0倍に過ぎない。
つまり、縦延伸時に生じる幅収縮や横延伸時に発生する幅方向の延伸倍率の分布、さらには熱処理時の寸法変化等の影響により、設定した延伸倍率と実際の延伸倍率とが著しく乖離してしまったものと考えられる。そして、実際の面積延伸倍率が4倍程度の延伸では、たとえ優れた光線透過率が得られたとしても、二軸延伸フィルム本来の特徴である耐熱性、機械的強度および高い厚み精度を達成することは、到底不可能である。
以上の状況より、二軸延伸フィルム自体に光拡散性を持たせる方法では、二軸延伸フィルムの特徴である耐熱性、機械的強度および高い厚み精度を維持した上で、光線透過率と光拡散性を両立させる、という総合的な品質の点から、透明基材フィルムに光拡散層を後加工する方法には及ばない。そのため、この方法は実用化には至っていない。
本発明の目的は、以下の2点である。
(1)二軸延伸ポリエステルフィルム本来の優れた耐熱性、機械的強度および厚み精度等を有し、かつ優れた全光線透過率と光拡散性とを有する光拡散性フィルムを提供すること。また、それにより、光拡散性フィルムと他の光学機能性フィルムとの一体化によるバックライトユニット部品点数の削減や製造工程の簡略化、低コスト化を促進すること。
(2)線膨張係数の異なる樹脂層を積層したことに起因する、加熱処理後のカールの発生が抑制された光拡散性フィルムを提供すること。また、それにより、大型でかつ極めて高い輝度が必要な直下型バックライトユニットを採用する液晶ディスプレイにおいて、光出射面の輝度を均一化すること。
本発明は、結晶性ポリエステルからなる支持層と、該支持層の少なくとも片面に共押出し法で積層された光拡散層を有する二軸延伸積層フィルムからなる光拡散性フィルムであって、光拡散層は、結晶性ポリエステルを60〜98質量部と該ポリエステルに非相溶な光拡散性添加剤を2〜40質量部含み、光拡散性フィルムは、面配向度(ΔP)が0.080〜0.160であり、全光線透過率が85%以上、ヘーズが30%以上であり、結晶性ポリエステルの融点が250℃以上であり、該光拡散性添加剤が、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂であることを特徴とする光拡散性フィルムである。
本発明の光拡散性フィルムは、結晶性の高いポリエステルよりなる二軸延伸フィルムであるため、二軸延伸ポリエステルフィルム本来の優れた耐熱性、機械的強度および厚み精度等を有している。また、本発明の光拡散性フィルムは特定の層構成を採用するとともに、面配向度を特定範囲内に制御することによって、光線透過率と光拡散性とを、何れも高レベルで両立している。さらに、本発明の光拡散性フィルムは結晶性が高く、かつ同種のポリエステルを構成成分とした多層構造よりなるので、線膨張係数の異なる樹脂層を積層したことに起因する、加熱処理後のカールの発生を抑制することができる。
本発明の光拡散性フィルムは、結晶性ポリエステルからなる支持層と、該支持層の少なくとも片面に共押出し法で積層された光拡散層を有する二軸延伸積層フィルムからなる光拡散性フィルムであって、光拡散層は結晶性ポリエステルを60〜98質量部と該ポリエステルに非相溶な光拡散性添加剤を2〜40質量部含み、光拡散性フィルムは、面配向度(ΔP)が0.080〜0.160であり、全光線透過率が85%以上、ヘーズが30%以上であり、結晶性ポリエステルの融点が250℃以上であり、該光拡散性添加剤がポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
(原料)
本発明において用いられる結晶性ポリエステルとは、示差走査型熱量計を用いた測定にて明確な結晶融解熱ピーク(融点)が観測されるポリエステルであれば、何ら制限されることなく任意である。しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィルム本来の優れた耐熱性、機械的強度および厚み精度等を達成するためには、原料として用いる結晶性ポリエステルの融点が250℃以上であ、さらに253℃以上であることが好ましい。
融点の好ましい上限は300℃である。また、結晶融解熱量は、15mJ/mg以上であることが好ましく、さらに好ましくは20mJ/mg以上、最も好ましくは30mJ/mg以上である。結晶融解熱量の好ましい上限は50mJ/mgである。かかる特性を有する最も好ましい結晶性ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンナフタレートのホモポリマーがあげられるが、ポリエチレンテレフタレートがコストパフォーマンスの点で最も優れている。
また、必要に応じて、上記の結晶性ポリエステルは共重合成分を含んでも良い。若干量の共重合成分をポリエステル中に導入することにより、二軸延伸フィルムの面配向度を制御することが可能である。
ここで、上記結晶性ポリエステルに共重合可能な成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルが例示される。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる直重法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させるエステル交換法か、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。
しかしながらこれらの共重合成分を過大に導入すると、ポリエステルの融点が低下し、二軸延伸ポリエステルフィルム本来の優れた特性が得られなくなるので、注意が必要である。上記共重合成分含有量の好ましい上限は5モル%であり、更に好ましい上限は3モル%である。共重合成分の含有量を5モル%以下とすることで、ポリエステルの融点を250℃以上に維持し、二軸延伸ポリエステルフィルム本来の優れた耐熱性、機械的強度および厚み精度等を達成することができる。
また、上記のポリエステルには、後述する光拡散性添加剤以外の粒子を実質的に含有させないことが好ましい。上記の「粒子を実質的に含有させず」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。このように不純物の無い、クリーンなポリエステル原料を用いることで、液晶ディスプレイ用の光拡散性フィルムにおける光学欠点の発生を抑制することができる。
(光拡散性添加剤)
本発明における光拡散性添加剤は上記ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂であり、下記のような材料を使用することが好ましい。
(1)ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂
本発明で用いる光拡散性添加剤としては、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を用いる。すなわち、結晶性ポリエステルと熱可塑性樹脂との非相溶性を活用して、二軸延伸フィルムの製造工程(溶融・押出し工程)において結晶性ポリエステルからなるマトリックス中に該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂からなるドメインを分散形成させ、光拡散性物質として活用する技術である。
この技術を用いることにより、フィルムの溶融・押し出し工程において高精度のフィルターで異物を濾過し、液晶ディスプレイ用の光拡散性フィルムに必要なクリーン度を達成することができる。
これに対し、後述する非溶融性のポリマー粒子や無機粒子を光拡散性添加剤として用いる場合、異物を除去するためにフィルターの孔径を細かくすると、これらの粒子がフィルターで補足され、光拡散性が低下するだけでなく、フィルター詰まりにより工業的に生産することが困難になる。一方、フィルター詰まりを避けるために、フィルターの孔径を粗くすると、液晶ディスプレイの光学欠点となる異物が増加する。
本発明の光拡散性添加剤として用いることができるポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂としては、例えば以下の材料が挙げられる。
(a)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン等のポリオレフィン樹脂
(b)ポリカーボネート樹脂
(c)アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、アイソタクティックポリスチレン等のポリスチレン樹脂
(d)ポリアミド樹脂
(e)ポリエーテル樹脂
(f)ポリエステルアミド樹脂
(g)ポリフェニレンスルフィド樹脂
(h)ポリフェニレンエーテル樹脂
(i)ポリエーテルエステル樹脂
(j)ポリ塩化ビニル樹脂
(k)ポリメタクリル酸エステルを代表例とするアクリル系樹脂
(l)(a)〜(k)のいずれかを主たる成分とする共重合体、またはこれらの樹脂の混合物
それらの中でも特に、非晶性の透明ポリマーを用いることが、高い光線透過率を有する光拡散性フィルムを製造するために好ましい。これに対し、結晶性ポリマーを光拡散性添加剤として用いた場合には、結晶性ポリマーが白濁してフィルムの内部ヘーズが大きくなり、光線透過率が低下する恐れがある。
本発明に用いることができる非晶性の透明ポリマーとしては、例えばポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、メタクリル酸樹脂に代表されるアクリル系樹脂およびポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらの非晶性の透明ポリマーのなかでも、ポリスチレン樹脂またはスチレン系共重合体が、特に好ましい。
ポリスチレン樹脂の溶融粘度ηsは、分散粒子中のポリスチレン樹脂相の分布を均一にし、分散粒子の相構造を安定させる点から、1000poise以上であることが好ましく、3000poiseがさらに好ましい。一方、ポリスチレン樹脂の溶融粘度ηsは、押出機中で分散性を向上させ、分散粒子のサイズを安定させる点から、10000poise以下であることが好ましく、7000poiseがさらに好ましい。
上記非相溶の熱可塑性樹脂に、非溶融性ポリマー粒子または/および無機粒子を併用してもよい。
)光拡散性添加剤の混合比率
本発明の光拡散性フィルムにおける光拡散層は、結晶性ポリエステルを60〜98質量部と該ポリエステルに非相溶の非拡散性添加剤を2〜40質量部含む組成物からなる。
そして、光拡散性添加剤の混合比率が2質量部未満の場合には、光拡散性能が不足する。一方、光拡散性添加剤の混合比率が40質量部を超える場合には、光拡散性添加剤の周りに発生するボイドの数や大きさが増大して内部ヘーズが大きくなり、全光線透過率が低下する傾向がある。また、光拡散層と支持層との組成が大きく異なるため、フィルムがカールしやすくなる傾向にある。さらに、フィルムの二軸延伸時に光拡散性添加剤が脱落しやすく、該脱落物が異物の原因となるので、この点からも好ましくない。
なお、光拡散性添加剤の混合比率は、使用する材料により適正な範囲が異なるので、全光線透過率が85%以上、ヘーズが30%以上となるように、前記の範囲内で調整する。なお、配合比率の調整は、予備実験を行うことにより調整できる設計事項であり、過度の試行錯誤は必要としない。
(層構成)
本発明の光拡散性フィルムは、前記結晶性ポリエステルからなる支持層(A)の少なくとも片面に、前記結晶性ポリエステルと該結晶性ポリエステルに非相溶性の上記光拡散性添加剤との配合組成物からなる光拡散層(B)が共押出し法で積層された多層構造よりなることが重要である。そして、このような多層構造を採用することにより、ヘーズが高く、かつ全光線透過率が高い光拡散性フィルムを得ることができる。すなわち、フィルムの内部での光拡散(内部ヘーズ)を抑制して高い全光線透過率を達成するとともに光拡散層(B)表面の凹凸によって生じる光拡散効果(表面ヘーズ)を有効に活用して高いヘーズを達成することができる。
本発明の光拡散性フィルムの層構成は、上記のように2層構成であっても構わないし、必要により3層以上の多層構成としても良い。
本発明の光拡散性フィルムを、プリズムシート(集光シート)の下面の光拡散性シートとして用いる場合には、支持層(A)の両面に光拡散層(B)を共押出し積層することで、表面凹凸によって生じる光拡散効果をフィルムの両面で得ることができるので、高い光線透過率を維持しつつ、さらに高いヘーズを有する光拡散性フィルムを得ることができる。
また、本発明の光拡散性フィルムをプリズムシート(集光シート)上面の光拡散性シートとして用いる場合には、プリズムシート(集光シート)と対向する表面には平滑性が必要であるので、光拡散層(B)を支持層(A)の片面に設けた構成とすれば良い。
また、本発明の光拡散性フィルムにプリズム加工を施し、光拡散性フィルムとプリズムシート(集光シート)との一体化を図るためには、上記の光拡散層(B)を支持層(A)の片面に設けた構成として、該構成の平滑面である支持層(A)表面にプリズム加工を施すことが、本発明の光拡散性フィルムが有する特徴を有効活用ができるので好ましい実施態様である。
また、支持層(A)、光拡散層(B)以外の機能を有する層を共押出し積層しても良い。特に、光拡散層(B)中に含まれる光拡散性添加剤のフィルム表面へのブリードアウトや脱落を防止して、欠点の無い光拡散性フィルムを製造するためには、光拡散層(B)の表面に保護層(C)を共押出し成型することが有効である。この場合、保護層(C)には光拡散性添加剤を配合しないか、配合する場合でも、その配合比率は光拡散層(B)への配合比率未満とする必要がある。
保護層(C)の主原料としては、前記の結晶性ポリエステルを用いても良いし、融点が250℃未満の低結晶性ポリエステル、または明確な結晶融解熱ピーク(融点)が観測されない非晶性のポリエステルを用いても良い。
本発明における上記光拡散層(B)の厚みは、フィルムの積層構造を均一にし、光拡散性を均一化させるために、下限を3μmとすることが好ましく、さらに好ましくは50μmとする。一方、光拡散層(B)の厚みは、表面ヘーズを大きくし、かつ内部ヘーズの増加による全光線透過率の低下を抑制するために、上限を70μmとすることが好ましく、さらに好ましくは50μmとする。
また、上記光拡散層のフィルム全体厚みに対する比率は3〜50%であることが好ましく、さらに好ましくは4〜40%、最も好ましくは5〜30%である。光拡散層のフィルム全体厚みに対する比率が3%より小さい場合には、フィルムの積層構造が不均一になって光拡散性が不均一化するので好ましくない。
一方、光拡散層(B)のフィルム全体厚みに対する比率が50%を超える場合には、支持層(A)と光拡散層(B)との熱的または力学的な特性差に由来するカールが発生しやすくなるので好ましくない。さらに、光拡散層のフィルム全体厚みに対する比率の不必要な増大は、支持層(A)表面の平滑性を低下させる要因となる点からも好ましくない。
また、保護層(C)を設ける場合、保護層(C)の厚みを前記光拡散層の厚みよりも薄くすることが好ましい。また、保護層(C)の原料として融点が250℃未満の低結晶性ポリエステル、または非晶性のポリエステルを用いる場合には、保護層(C)の厚みを20μm未満とすることが好ましく、さらに好ましくは10μm未満である。
(光拡散性フィルムの特性)
本発明の光拡散性フィルムは、面配向度(ΔP)が0.080〜0.160であり、かつ全光線透過率が85%以上、ヘーズが30%以上であることが重要である。
面配向度(ΔP)の下限は、0.100がより好ましく、0.110がさらに好ましい。一方、面配向度(ΔP)の上限は、0.150がより好ましく、0.140がさらに好ましい。面配向度(ΔP)が0.160を超える場合は、光拡散層(B)表面の凹凸が低下(平坦化)し、表面凹凸によって生じる光拡散効果(表面ヘーズ)が著しく低下する。また、面配向度(ΔP)が0.160を超える場合、用いる光拡散性添加剤の種類にもよるが、光拡散性添加剤の周りに発生するボイドの数や大きさが増大し、内部ヘーズが大きくなる。そのため、全光線透過率が低下する傾向がある。何れにしろ、面配向度(ΔP)が0.160を超える場合には、全光線透過率と光拡散性のバランスが取れなくなるので好ましくない。
フィルムの面配向度を小さくするためには、(1)二軸延伸時の延伸応力を小さくする方法、あるいは(2)二軸延伸後にフィルムに残留する応力を緩和させる方法、が挙げられる。前者の方法(1)としては、例えば、(a)延伸倍率を小さくする方法、(b)延伸温度を高くする方法、(c)延伸速度を遅くする方法、(d)フィルムの原料として、共重合ポリエステルを併用する方法、が挙げられる。また、後者の方法(2)としては、熱固定温度を通常よりも高くする方法が例示される。これらの方法を単独または複数組み合わせて、フィルムの面配向度を調整する。
一方、面配向度が0.080未満では、二軸延伸フィルムとしての特徴がなくなり、機械的な強度が著しく低下するので好ましくない。また、フィルムの厚み均一性も悪化する。
したがって、本願発明においては、全光線透過率と光拡散性のバランスと、二軸延伸ポリエステルフィルムが有する耐熱性、機械的強度、厚み精度の点から、特に、縦方向、及び横方向の、延伸開始から延伸終了までの全ての延伸を、80%/秒未満のゆっくりした延伸速度で完了させることによって、面配向度を制御する方法が好ましい。
本発明の光拡散性フィルムにおける全光線透過率の好ましい下限は86%、より好ましい下限は88%、さらに好ましい下限は89%、最も好ましい下限は90%である。一方、全光線透過率の好ましい上限は98%である。
また、本発明の光拡散性フィルムにおけるヘーズの好ましい下限は40%、さらに好ましい下限は50%、最も好ましい下限は60%である。一方、ヘーズの好ましい上限は100%である
さらに、本発明においては、上記ヘーズと下記方法で求められる内部ヘーズとの差である表面ヘーズが20%以上であることが好ましい。該表面ヘーズは30%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましい。表面ヘーズの好ましい上限は100%である。
〔内部ヘーズの評価〕
二枚のフィルムの間にセダー油を介して重ねて測定したヘーズ(2枚ヘーズ)から、上記の通常の方法にて測定したヘーズ(1枚ヘーズ)を差し引いた値を内部ヘーズとする。
上記表面ヘーズは光拡散層表面の表面凹凸により付与されるものであって、フィルム表面から光が出射、またはフィルム表面に光が入射するときに生じる光散乱によって付与されるものである。従って、表面ヘーズと全光線透過率とは基本的に無関係であり、表面ヘーズの増大により、全光線透過率の低下を抑制した上でヘーズを増大することができる。
一方、内部ヘーズは、フィルム内部での光散乱により付与されるものであって、入射光の後方散乱を生じるため、全光線透過率が低下する。従って、高ヘーズ、かつ高い全光線透過率を有する光拡散性フィルムを製造するためには、表面ヘーズを高くするとともに、内部ヘーズを極力小さくすることが有効な手段である。
なお、本発明における内部ヘーズは、12%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。また、内部ヘーズの好ましい下限は0.1%、さらに好ましい下限は1%である。内部ヘーズを0.1%以下にするためには、フィルム表層近傍にしか光拡散性添加剤を配合することしかできないので、光拡散性が不均一になる恐れがある。
次に、本発明の光拡散性フィルムの耐熱性、機械的強度および厚み精度について説明する。なお、以下に述べる特性は、本発明の結果として得られる効果を説明するものであって、本発明を制約するものではない。
本発明の光拡散性フィルムは、高温での加工や高温環境での使用において、著しい寸法変化や平面性の悪化を生じ、バックライトユニットにおける光出射面の輝度を均一にするという、光拡散性フィルムの本来目的を達成するために、150℃における寸法変化率を3%以下とすることが好ましい。より好ましくは2%以下、更に好ましくは1.0%以下、最も好ましくは0.5%以下である。
また、本発明の光拡散性フィルムは、二軸延伸フィルムの力学的強度を十分にし、フィルムの加工工程で割れ、破れ、折れ等の不具合を抑制するために、その引張り強さが縦方向及び横方向とも100MPa以上であることが好ましい。引張強さの下限は、110MPaが好ましく、さらに好ましくは140MPa、特に好ましくは150MPaである。
また、本発明の光拡散性フィルムは、フィルムをロール上に巻き上げる際の、シワやコブによる平面性の低下を防ぎ、バックライトユニットにおける光出射面の輝度を均一化するために、下記方法で測定した厚み斑を10%以下とすることが好ましい。厚み斑は5.0%以下がより好ましく、4.0%以下がさらに好ましい。該厚み斑は小さい方が望ましいが、厚み斑を0.1%以下とすることは技術的難度が高く、かつ実用上の品質としては大きな差異が見られないので、厚み斑の下限値は0.1%でも構わない。
〔厚み斑の評価〕
縦延伸方向に連続したテープ状サンプル(長さ1m)を採取し、(株)セイコー・イーエム製電子マイクロメータ、ミリトロン1240を用いて、1cmピッチで100点の厚みを測定する。測定値から、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出した。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
また、本発明の光拡散性フィルムは、次の理由(a)、(b)により、無荷重の状態で、100℃で30分間加熱処理した後のカール値が20mm以下であることが好ましい。より好ましくは10mm以下、さらには5mm以下、最も好ましくは2mm以下である。
(a)例えば、光拡散性フィルムとして最終製品に組み込む場合の無緊張下での作業時のハンドリング性の悪化を防ぐことができる。
(b)また、高温での加工や高温環境での使用において、光拡散性フィルムの歪の発生を抑制し、バックライトユニットにおける光出射面の輝度を均一にする。
カール抑制に関しては、本発明においては支持層(A)および光拡散層(B)共に結晶性ポリエステルを用いており抑制されているが、さらに両層に用いるポリエステルを同種のものを用いることが好ましい。
さらに、押し出し時の表裏冷却の冷却速度差によるフィルム厚み方向の結晶化度を始め、予熱、延伸、冷却、巻き取り等の各工程で付与されるフィルム表裏の構造差に起因するカールを制御するために、積極的にフィルム表裏の構造差を発生させ、必然的な構造差と補完しあってカール値をゼロに近づける方法等を適用するのが好ましい。
具体的には、製膜直後の縦方向カールについては、縦延伸時のフィルム裏表の延伸温度を制御すればよい。より低温で延伸された面は反対面よりもポリエステルの分子配向が強化される。そのため、フィルムの線膨張係数が低下する。この挙動を利用して、フィルム表裏での線膨張係数を制御し、縦方向のカールを制御することができる。
また、横方向のカールについても同様に、横延伸時の延伸温度を表裏別々に制御することによって、制御することが可能である。
(二軸延伸フィルムの製造)
本発明において、光拡散性フィルムに上記特性を付与する方法は限定されないが、以下の方法で実施するのが好ましい実施態様である。
本発明の光拡散性フィルムの製造方法では、前記の結晶性ポリエステルを構成成分として、かつ厚み精度の高いフィルムが得られる通常のポリエステルフィルムの製造において実施されている延伸倍率において製膜する方法において、延伸時に光拡散性添加剤の周りに発生するボイドの形成を抑制するとともに光拡散層表面に十分な凹凸を形成し、上記特性の光拡散性フィルムを得ることが最大の特徴である。該目的を達成するには、フィルムの二軸延伸を特定の延伸条件、特に縦方向及び横方向ともにゆっくりとした延伸速度で行うことが重要である。
以下、本発明の光拡散性フィルムの好適な製造方法について、光拡散層(B)の原料である結晶ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す)のペレットを用いた代表例について詳しく説明するが、当然これに限定されるものではない。
上記のペレットを移送するには通常、所定の配管を用いて空送で行うが、この際の空気は埃混入防止のため、HEPAフィルターを用い、清浄化された空気を用いることが好ましい。この際に用いるHEPAフィルターは公称濾過精度0.5μm以上の埃を95%以上カットの性能を有するフィルターを用いることが好ましい。
まず、フィルム原料として、ポリエステルと、ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を、それぞれ真空乾燥あるいは熱風乾燥によって、水分率が100ppm未満となるように乾燥する。次いで、各原料を計量、混合して押し出し機に供給し、シート状に溶融押出を行う。さらに、溶融状態のシートを、静電印加法を用いて、表面温度10〜50℃に制御された金属製の回転ロール(チルロール)に密着させ、さらに反対面から冷風を吹き付けて冷却固化し、未延伸PETシートを得る。
この際、押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度を280〜290℃、その後のポリマー管、ダイまでの樹脂温度を270〜295℃に制御することが、劣化物等の異物の発生を抑制するために好ましい。
また、溶融樹脂が約280℃に保たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の場合、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物及び高融点有機物の除去性能に優れ好適である。高精度濾過を行う上で、溶融樹脂の温度が280℃より低い場合、濾圧が上昇するため、原料樹脂の吐出量を低くするなどの対応が必要となり、生産性が低下する。
さらに、濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は、20μm以下、特に15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μmを超えると、20μm以上の大きさの異物が十分除去できない。濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μm以下の濾材を用いて溶融樹脂の高精度濾過を行うことにより、生産性が低下する場合があるが、粗大粒子による光学欠点の少ないフィルムを得る上で重要な工程である。なお、本発明では、光拡散性発現物質としてポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を用いることで、上記のような高精度濾過が可能となる。
光拡散層(B)と支持層(A)とを共押出し積層するためには、2台以上の押出し機を用いて、各層の原料を押出し、多層フィードブロック(例えば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて両層を合流させ、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。あるいは多層フィードブロックを用いる代わりにマルチマニホールドダイを用いても良い。
また、本発明の光拡散性フィルムにおいては、少なくとも一方の表面に塗布層を有していることが好ましく、さらには両面に塗布層を有していても構わない。好ましい塗布量は、0.005〜0.20g/mの範囲である。フィルム表面に塗布層を設けることによって、フィルム表面での反射光の発生を抑制して、全光線透過率をさらに高めることができる。また、光拡散層とは反対面にプリズム加工やハードコート加工を施す場合には、易接着性を付与することができる。
この場合、上記の方法によって得られた未延伸フィルムに塗布層を設けた後、同時二軸延伸を行う。また、逐次延伸法で行う場合、縦または横方向に一軸延伸したフィルムに易接着層を設けた後、直交方向に延伸し、二軸延伸を行う。
塗布層層形成用塗布液を未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムに塗布するための方法は、公知の任意の方法から選択することが出来、例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、などが挙げられ、これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて塗工する。
塗布層を構成する樹脂は、光拡散性フィルム用途において、他の部材などとのより優れた接着性を確保する観点から、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂よりなる群から選択される1種以上を主成分とするものであることが好ましい。また、これらの樹脂は、フィルム表面での反射光の発生を抑制するという観点からも推奨される。なお、易接着層における上記「主成分」とは、該層を構成する樹脂100質量%中、上に列挙した樹脂の少なくとも1種が50質量%以上であることを意味する。
なお、フィルムの透明性を高くするために、支持層(A)中に粒子を含有させないか、透明性を阻害しない程度に少量しか含有させないと、フィルムの易滑性が不十分となりハンドリング性が悪化する場合がある。そのため、上記の塗布層には、易滑性付与を目的とした粒子を添加しても構わない。これらの粒子には、透明性を確保するために可視光線の波長以下の極めて平均粒径が小さい粒子を用いることが重要である。
上記の粒子としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデンなどの無機粒子;架橋高分子粒子;シュウ酸カルシウムなどの有機粒子などが挙げられる。塗布層を、上記共重合ポリエステル樹脂を主体として形成する場合には、シリカが特に好ましい。シリカは、ポリエステルと屈折率が比較的近いため、より透明性に優れた光拡散性フィルムを確保し得る点で最も好適である。
塗布層に含有させる上記粒子は、平均粒径(SEM観察粒子径)が0.005〜1.0μmであることが、光拡散性フィルムの透明性、ハンドリング性、耐スクラッチ性確保の点から好ましい。粒子の平均粒径の上限は、透明性の点から、0.5μmであることがさらに好ましく、特に好ましくは0.2μmである。また、粒子の平均粒径の下限は、ハンドリング性と耐スクラッチ性の点から、0.03μmであることがさらに好ましい。
なお、上記の粒子の平均粒径の測定は下記方法により行う。
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均粒径とする。また、塗布層に含有する粒子の平均粒径を求める場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で塗布フィルムの断面を撮影し、塗布層の断面に存在する粒子の最大径を求める。凝集体からなる粒子の平均粒径は、塗布フィルムの塗布層の断面を、光学顕微鏡を用いて倍率200倍で300〜500個撮影し、その最大径を測定する。
塗布層の粒子の含有量は、塗布層の構成成分全量に対して、0.1〜60質量%であることが、光学用積層フィルムの透明性、密着性、ハンドリング性、耐スクラッチ性確保の点から好ましい。粒子の含有量の上限は、透明性と密着性の点から50質量%であることがさらに好ましく、特に好ましくは40質量%である。また、粒子の含有量の下限は、ハンドリング性と耐スクラッチ性の点から1質量%がさらに好ましい。
上記粒子は2種類以上を併用してもよく、同種の粒子で粒径の異なるものを配合してもよいが、いずれにしても、粒子全体の平均粒径、および合計の含有量が上記範囲を満足することが好ましい。
次に、上記の方法で得られた未延伸フィルムを同時二軸延伸または逐次二軸延伸し、次いで熱処理を行う。
上記の二軸延伸は、縦、横、両方向に2.8倍以上の延伸倍率で行うことが重要である。なお、本発明で定義する延伸倍率とは、フィルムが実際に延伸された実延伸倍率のことである。この延伸倍率は各延伸工程前後での単位面積あたりの質量変化率や、格子状の倍率マーカーを未延伸フィルムに記入することによって把握することができる。縦方向または横方向のいずれかの延伸倍率が2.8倍未満の場合は、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性と機械的強度が得られない。また、フィルムの厚み均一性が著しく悪化する。本発明における好ましい延伸倍率の下限は2.9倍、より好ましい下限は3.0倍、最も好ましい下限は3.1倍である。また、延伸倍率の好ましい上限は6.0倍である。
また、本発明における二軸延伸は、縦、横両方向の延伸をいずれも80%/秒未満の延伸速度、より好ましくは50%/秒以下の延伸速度で行うことが特に重要である。本発明における延伸速度とは、単位時間当たりのフィルムの変形率を、未延伸フィルムの寸法を基準として表したものであり、縦方向、及び横方向の延伸速度(単位:%/秒)は、それぞれ下記式によって定義される。
縦方向延伸速度(%/秒)=フィルム走行時の加速度(m/秒/秒)
÷未延伸フィルムの速度(m/秒)×100
横方向延伸速度(%/秒)=1秒間当たりの幅変化率(m/秒)
÷未延伸フィルムの幅(m)×100
そして、縦方向、及び横方向の、延伸開始から延伸終了までの全ての延伸を、80%/秒未満の延伸速度で完了させる。これによって初めて、結晶性ポリエステルをマトリックスポリマーとして用いつつ、フィルムの面配向度が0.160以下の製品を工業的に安定して製造することが可能となる。その結果、全光線透過率が高く、光拡散性に優れ、二軸延伸ポリエステルフィルム本来の耐熱性、機械的強度とを併せ持つ光拡散性二軸延伸フィルムを、優れた厚み精度で製造することが可能となる。
一方、延伸速度の下限は制限されないが、延伸速度を必要以上に遅くすると、工業的規模でのフィルムの生産において、フィルムの生産性が低下する、あるいは過剰な設備投資が必要となる。したがって、本発明においては、延伸開始から延伸終了の間の最高延伸速度を、5%/秒以上とすることが好ましく、さらには、10%/秒以上とすることが好ましい。
一般的に行われる逐次二軸延伸法において、縦方向の延伸はロール方式の延伸機が用いられる。しかしながら、ロール方式の延伸は極めて延伸速度が早く、本発明の効果を得ることが困難である。
上記のような縦方向及び横方向の延伸速度に制御することが可能な二軸延伸機としては、クリップによってフィルム両端を把持した状態でテンターに導き、クリップ間の幅およびクリップの搬送速度を制御することにより、縦・横両方向に連続延伸可能な機構を備えたテンター方式の同時二軸延伸機が好適である。当該機能を有する設備であれば、そのクリップ搬送機構は任意であり、特に制約されるものではないが、パンタグラフ方式やリニアモーター方式、或いはスクリュー方式等、従来公知の装置を採用することができる。
なお、フィルムの二軸延伸に際し、その延伸温度や熱処理温度、時間等の細部条件は、マトリックスポリマーの特性やフィルムに要求される特性、例えば屈折率等の光学特性、力学的特性、寸法変化率等の熱的特性、所望の結晶化度、等に応じて適宜選択することが可能であり、特に制約されるものではない。
但し、PETをマトリックスポリマーとして用い、かつフィルムの二軸延伸に同時二軸延伸機を用いる場合、好ましい延伸温度は95℃〜110℃である。延伸温度(最高温度)が110℃を超える場合には、フィルムの面配向度を0.080以上に制御することが困難になる。さらに、フィルムの厚み精度等の均一性も低下する。一方、延伸温度(最高温度)が95℃未満の場合には、フィルムの面配向度を0.160以下に均一制御することが困難になる。
また、フィルムの熱処理温度は200℃以上250℃以下の範囲が好ましく、熱処理時間は10秒以上100秒以下の範囲が好ましい。また、熱処理と同時または熱処理後に、縦方向および/または横方向の緩和処理を施してもかまわない。
次に、本発明の効果を実施例および比較例を用いて説明する。まず、本発明で使用した特性値の評価方法を下記に示す。
[評価方法]
(1)ポリエステル樹脂の固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
(2)結晶融解熱量および融点
示差走査型熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、DSC6220型)を用いて求める。窒素雰囲気下、サンプルを300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷する。次いで、そのサンプル10mgを20℃/分の速度で昇温する。得られたDSC曲線から、結晶の融解に伴う吸熱ピークの面積から融解熱を求め、これをサンプルの質量で割って結晶融解熱量を算出した。また、該吸熱ピークの頂点を融点とした。
(3)溶融粘度
樹脂温度285℃、剪断速度100/秒における溶融粘度を、フローテスター(島津製作所製、CFT−500)を用いて測定した。なお、剪断速度100/秒での溶融粘度の測定は、剪断速度を100/秒に固定して行うことが困難であるため、適当な荷重を用いて、100/秒未満の任意の剪断速度および当該速度よりも大きい任意の剪断速度で溶融粘度を測定し、縦軸に溶融粘度、横軸に剪断速度をとり、両対数グラフにプロットした。上記の2点を直線で結び、内挿により剪断速度100/秒での溶融粘度(単位:ポイズ)を求めた。
(4)フィルムの厚み斑
縦延伸方向に連続したテープ状サンプル(長さ1m)を採取し、(株)セイコー・イーエム製電子マイクロメータ、ミリトロン1240を用いて、1cmピッチで100点の厚みを測定する。測定値から、厚みの最大値(dmax)、最小値(dmin)、平均値(d)を求め、下記式にて厚み斑(%)を算出した。なお、測定は3回行い、その平均値を求めた。
厚み斑(%)=((dmax−dmin)/d)×100
(5)ヘーズ、全光線透過率
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」ヘーズ(曇価)に準拠して測定した。測定器には、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いた。
なお、光拡散層(B)が片面のみに積層されたフィルムの場合は、支持層(A)面を入射光側に配置し、光拡散層(B)面を出射光側に配置して測定した。
(6)内部ヘーズ、表面ヘーズ
〔内部ヘーズ評価法〕
二枚のフィルムの間にセダー油を介して重ねて測定したヘーズ(2枚ヘーズ)から、通常の方法にて測定したヘーズ(1枚ヘーズ)を差し引いた値を内部ヘーズとした。
また、通常の方法にて測定したヘーズ(1枚ヘーズ)から、上記方法で求められる内部ヘーズを差し引いた値を表面ヘーズとした。
なお、光拡散層(B)が片面のみに積層されたフィルム等、表裏で非対象構造を有するフィルムの場合は、各フィルムの光拡散層(B)面と支持層(A)面とをセダー油を介して重ねて測定する必要がある。この場合についても、支持層(A)面を入射光側に配置し、光拡散層(B)面を出射光側に配置して測定した。
(7)引張強さ
JIS C 2318−1997 5.3.3(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定した。
(8)寸法変化率
JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠して測定した。
(9)面配向度(ΔP)
JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)、厚み方向の屈折率(nz)を測定し、下記式によって面配向度(ΔP)を算出した。
ΔP={(nx+ny)−2nz}÷2
(10)カール値
フィルムを長手方向に100mm、幅方向に100mmに枚葉状に切り出し、無荷重の状態で、100℃で30分間加熱処理した後、フィルムの凸部を下にして水平なガラス板上に静置する。次いで、ガラス板と、立ち上がったフィルム4隅の下端との間の垂直距離を定規で測定する。この4箇所の測定値の最大値をカール値とした。サンプルは3点準備し、繰り返し測定を行い、この平均値をカール値とした。なお、カールが1mm以下の場合は0.5mmの精度で、カールが1mmを超える場合には1mmの精度で測定した。
実施例1
(1)PET樹脂(M1)の製造
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部及びトリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kgf/cm、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水和物0.071質量部、次いでリン酸トリメチル0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部、次いで酢酸ナトリウム0.0036質量部を添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、285℃で重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたPET樹脂(M1)は、結晶融解熱が35mJ/mg、融点が256℃、固有粘度が0.616dl/g、Sb含有量が144ppm、Mg含有量が58ppm、P量が40ppm、カラーL値が56.2、カラーb値が1.6であり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。
(2)ポリスチレンマスターバッチ(M2)の製造
溶融粘度が3900poiseのポリスチレン樹脂(PS)(日本ポリスチ社製G797N)30質量部と、上記のPET(M1)70質量部とをペレット混合したものを、ベント式二軸押出機に供給、混練して溶融押出し、得られたストランドを冷却、切断して、ポリスチレンマスターバッチ(M2)を調製した。
(3)塗布液(M3)の調製
ジメチルテレフタレート95質量部、ジメチルイソフタレート95質量部、エチレングリコール35質量部、ネオペンチルグリコール145質量部、酢酸亜鉛0.1質量部および三酸化アンチモン0.1質量部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6.0質量部を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減圧下(10〜0.2mmHg)、2時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量19,500、軟化点60℃の共重合ポリエステル系樹脂を得た。
得られた共重合ポリエステル系樹脂の30質量%水分散液を7.5質量部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン系樹脂の20質量%水溶液(第一工業製薬製、エラストロンH−3)を11.3質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製、Cat64)を0.3質量部、水を39.8質量部およびイソプロピルアルコールを37.4質量部、それぞれ混合した。
さらに、フッ素系ノニオン型界面活性剤(大日本インキ化学工業製、メガファックF142D)の10質量%水溶液を0.6質量部、粒子Aとしてコロイダルシリカ(日産化学工業製、スノーテックスOL;平均粒径40nm)の20質量%水分散液を2.3質量部、粒子Bとして乾式法シリカ(日本アエロジル製、アエロジルOX50;平均粒径200nm、平均一次粒径40nm)の3.5質量%水分散液を0.5質量部添加した。次いで、5質量%の重曹水溶液で塗布液のpHを6.2に調整し、濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)が10μmのフェルト型ポリプロピレン製フィルターで精密濾過し、塗布液(M3)を調整した。
(4)光拡散性フィルムの製造
光拡散層(B)の原料として、PET(M1)67質量部と、ポリスチレンマスターバッチ(M2)33質量部とを、それぞれ135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、混合し、押出機2に供給した。また、支持層(A)の原料としてPET(M1)を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給した。押出機2、及び押出機1に供給された各原料を、押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度は280℃、その後のポリマー管では275℃とし、2層合流ブロックを用いて積層し、口金よりシート状に溶融押し出しを行った。なお、(A)層と(B)層との厚み比率は、80対20となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、上記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
そして、押し出した樹脂を、表面温度30℃の冷却ドラム上にキャスティングして静電印加法を用いて冷却ドラム表面に密着させて冷却固化し、厚さ約1.2mmの未延伸フィルムを作成した。このとき、(B)層面を冷却ドラムに接する面とした。
次いで、得られた未延伸フィルムの片面(A)に易接着層を塗布した。塗布液には、上記塗布液(M3)を濾過粒子サイズ5μm(初期濾過効率95%)のフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過を行ったものを用いた。また、塗布方法にはリバースロール法を採用し、Wet塗布量が約20g/mとなるように塗布した。その後、2ゾーンに分かれた乾燥炉にて、第1ゾーン温度100℃、風速20m/秒、10秒間、第2ゾーン温度70℃、風速20m/秒、10秒間にて塗布面を乾燥した。
次いで、塗布層を有する未延伸フィルムの両端をクリップで把持して同時二軸延伸機に導き、以下の条件で二軸延伸フィルムを作成した。
105℃の熱風で35秒間の予熱を行った後、105℃で、縦方向に3.2倍、横方向に3.7倍の延伸倍率で同時二軸延伸した。このとき、縦および横方向の延伸倍率設定は図1に示した通りとした。この延伸工程における縦および横方向の延伸速度は図2に示した通りであり、縦方向の最高延伸速度は20.3%/秒、横方向の最高延伸温度は23.5%/秒となるように制御した。次いで、テンター幅一定、クリップ間隔一定の状態で、230℃で17.5秒間の熱処理を施した。さらに、15秒間をかけて60℃まで冷却する過程で、縦および横方向に3%の緩和処理を行った。
次いで、フィルムの両端を把持していたクリップを開放し、フィルムの両端をトリミングしてロール状に巻き取り、厚さ約110μmの二軸延伸フィルムを製造した。なお、未延伸フィルムに記入した格子状の倍率マーカーによって実延伸倍率を測定したところ、上記設定通りの延伸倍率となっていることが確認された。
(5)光拡散性フィルムの特性
本実施例1で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。表1から分かる通り、本発明の方法で得られる光拡散性フィルムは、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性と機械的強度を有しており、かつ優れた光線透過率と光拡散性とを有していることが分かる。
比較例1
実施例1と全く同じ方法で得た未延伸フィルムを、従来公知の方法で二軸延伸した。
まず、75℃に加熱したロール群でフィルムを予熱した後、非接触の赤外線ヒータを用いてフィルムを96℃まで加熱して、周速が異なるロール間で3.4倍に縦延伸を施した。このとき、フィルムの接点間の距離は200mmであり、低速ロールの周速は12m/分とした。ロール間のフィルム速度を、低速ロール周速と高速ロール周速の中間値で代表させると、ロール間のフィルム速度は26.4m/分となり、ロール間の通過時間は約0.45秒となる。したがって、0.45秒間に3.4倍、即ち240%の延伸を施したことになり、その延伸速度は約530%/秒となる。
次いで上記の縦延伸フィルムの両端をクリップで把持し、横延伸を行った。横延伸温度は135℃、横延伸倍率は3.7倍、横延伸速度は25%/秒で一定とした。次いで、230℃で15秒間の熱処理を行い、60℃まで冷却する過程で幅方向に2.5%の緩和処理を施した。
次いで、フィルムの両端を把持していたクリップを開放し、フィルムの両端をトリミングしてロール状に巻き取り、二軸延伸フィルムを製造した。本比較例1で得られた光拡散性フィルムの特性を表2に示す。
本比較例1で得られた光拡散性フィルムは、ヘーズが高く光拡散性は良好であるが、全光線透過率が低く低品質であった。また、寸法変化率も実施例1で得られた光拡散性フィルムより劣っていた。本比較例で得られた光拡散性フィルムは面配向度が高く、光拡散性添加剤の周りにボイドが形成されていた。内部ヘーズが実施例1よりも高いことから、全光線透過率が低かった理由は、このボイドの影響によると推定される。
比較例2
実施例1の方法において、光拡散層(B)の原料を、PET(M1)95質量部と、ポリスチレンマスターバッチ(M2)5質量部との混合物に変更した。それ以外は実施例1と同様の方法で、二軸延伸フィルムを製造した。本比較例2で得られた光拡散性フィルムの特性を表2に示す。
本比較例2で得られた光拡散性フィルムは、ヘーズが不足しており、光拡散性フィルムに要求される光拡散性と全光線透過率のバランスが取れておらず低品質であった。
比較例3
比較例1の方法において、光拡散層(B)の原料として、テレフタル酸単位100モル%、ジオール成分としてエチレングリコール単位70モル%及びネオペンチルグリコール単位30モル%を構成成分とする、固有粘度が0.69dl/gの非結晶性共重合ポリエステル50質量部と、ポリスチレンマスターバッチ(M2)50質量部との混合物に変更した。また、前記の共重合ポリエステルは、60℃で72時間、減圧乾燥(1Torr)した後、ポリスチレンマスターバッチ(M2)との混合に供した。
上記以外は、比較例1と同様の方法で二軸延伸フィルムを製造した。本比較例3で得られた光拡散性フィルムの特性を表2に示す。
本比較例3で得られた光拡散性フィルムは、光拡散層(B)の原料ポリエステルとして非結晶性の共重合ポリエステルを使用しているため、加熱カールが増大した。また、ヘーズも低く低品質であった。
比較例4
実施例1の方法において、同時二軸延伸テンターを用いて二軸延伸するに際し、予熱温度を110℃に、延伸温度を115℃に変更した。それ以外は実施例1と同様の方法により二軸延伸フィルムを作成した。本比較例4で得られた光拡散性フィルムの特性を表2に示す。
本比較例4で得られたフィルムは面配向度(ΔP)が0.080に満たなく、引張り強度が著しく低下しており、低品質であった。また、厚み斑も悪化していた。
比較例5
実施例1の方法において、同時二軸延伸テンターを用いて二軸延伸する際、予熱温度、延伸温度ともに92℃に変更した。それ以外は実施例1と同様の方法により、二軸延伸フィルムを作成した。本比較例5で得られた光拡散性フィルムの特性を表2に示す。
本比較例5で得られたフィルムは面配向度(ΔP)が0.160を超えており、ヘーズが低下した。また、内部ヘーズが大きくなり、全光線透過率も低下した。
実施例2
実施例1において、未延伸フィルムの両面に塗布層を設けた。塗布液には、実施例1と同じものを用いた。また、(A)面側の塗布、乾燥方法は実施例1記載の方法によって行った。但し、(B)面側の塗布方法にはワイヤーバー法を採用し、ウェット塗布量が約20g/mとなるように塗布し、塗布後、直ちに同時2軸延伸機に導いた。その他の製造条件は、実施例1と全く同じ方法により、二軸延伸フィルムを作成した。本実施例2で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。
本実施例2で得られたフィルムは、実施例1よりもさらに全光線透過率が向上しており、光拡散性フィルムとして優れた特徴を有していることが解る。
実施例3
光拡散層(B)の原料として、PET(M1)50質量部と、ポリスチレンマスターバッチ(M2)50質量部とを、それぞれ135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、混合し、押出機2に供給した。また、支持層(A)の原料としてPET(M1)を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機1に供給した。押出機2、及び押出機1に供給された各原料を、押出機の溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂温度は280℃、その後のポリマー管では275℃とし、2層合流ブロックを用いて積層し、口金よりシート状に溶融押し出した。なお、(A)層と(B)層との厚み比率は、80対20となるように、各層のギアポンプを用いて制御した。また、上記のフィルターには、いずれもステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子を95%カット)を用いた。また、口金の温度は、押出された樹脂温度が275℃になるように制御した。
そして、押し出した樹脂を、表面温度40℃の冷却ドラム上にキャスティングして静電印加法を用いて冷却ドラム表面に密着させて冷却固化し、厚さ約2.0mmの未延伸フィルムを作成した。このとき、(A)層面を冷却ドラムに接する面とした。また、冷却ドラムの外周に沿って、冷却風の吹き出しノズルと吸引ノズルを交互に連続配置させたマルチダクトを設置し、冷却ドラムから約30mm離れた位置から(B)層面を空冷した。
次いで、実施例1と同様の方法により、得られた未延伸フィルムの片面(A)に塗布層を塗布した。
次いで、塗布層を有する未延伸フィルムの両端をクリップで把持して、同時二軸延伸機に導き、二軸延伸フィルムを作成した。2軸延伸条件は、予熱の熱風温度を110℃に修正すること以外は、実施例1と全く同じ条件で行った。なお、本実施例においても、未延伸フィルムに記入した格子状の倍率マーカーによって実延伸倍率を測定したところ、設定通りの延伸倍率となっていることが確認された。
本実施例3で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。表1から分かる通り、本発明の方法で得られる光拡散性フィルムは、二軸延伸フィルム本来の優れた耐熱性と機械的強度を有しており、かつ優れた光線透過率と光拡散性とを有していることが分かる。
実施例4
実施例1の未延伸フィルムの製造において、光拡散層(B)の原料を、PET(M1)97質量部と、ガラス転移温度が160℃の環状オレフィンコポリマー(Topas Advanced Polymers社製、TOPAS6015)3重量部の混合物に変更した。また、A層とB層との厚み比率を、90対10となるように変更して、厚さ約1.2mmの未延伸フィルムを作成した。
得られた未延伸フィルムを、100℃の熱風で40秒間予熱した後、50%/秒の一定延伸速度で、縦、及び横方向に、3.5倍ずつ同時2軸延伸した。次いで220℃の熱風で10秒間の熱処理を施し、室温まで冷却して二軸延伸フィルムを作成した。
本実施例4で得られた光拡散性フィルムの特性を表1に示す。本実施例4で得られたフィルムは、実施例1同様、優れた特性を有していた。
Figure 0004196306
Figure 0004196306
本発明の光拡散性フィルムは、液晶ディスプレイ用、特に直下型バックライトユニットを採用する大型の液晶ディスプレイ用の光拡散性フィルムとして使用することができる。また、その片面にプリズム加工を施すことにより、光拡散性フィルムと集光シートを一体化し、バックライトユニット部品点数の削減、製造工程の簡略化、低コスト化を促進することが出来る。
実施例1のフィルム製造時におけるフィルムの延伸機内の工程と、縦延伸倍率または横延伸倍率との関係を示す説明図である。 実施例1のフィルム製造時におけるフィルムの延伸機内の工程と、縦延伸速度または横延伸速度との関係を示す説明図である。
符号の説明
1:横延伸
2:縦延伸
10:予熱ゾーン
11:延伸ゾーン(フィルムの通過時間:18秒)
12:熱処理ゾーン

Claims (5)

  1. 結晶性ポリエステルからなる支持層と、該支持層の少なくとも片面に共押出し法で積層された光拡散層を有する二軸延伸積層フィルムからなる光拡散性フィルムであって、
    光拡散層は、結晶性ポリエステルを60〜98質量部と該ポリエステルに非相溶な光拡散性添加剤を2〜40質量部含み、
    光拡散性フィルムは、面配向度(ΔP)が0.080〜0.160であり、全光線透過率が85%以上、ヘーズが30%以上であり、
    結晶性ポリエステルの融点が250℃以上であり、
    該光拡散性添加剤が、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂であることを特徴とする光拡散性フィルム。
  2. ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹脂、スチレン系共重合樹脂、環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂いずれかから選択された非晶性の透明ポリマーであることを特徴とする請求項に記載の光拡散性フィルム。
  3. 非晶性の透明ポリマーが、溶融粘度が1000〜10000poiseであるポリスチレン樹脂またはスチレン系共重合樹脂であることを特徴とする請求項に記載の光拡散性フィルム。
  4. 前記光拡散層の表面に、フィルムの延伸・配向完了前に設けられた共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有することを特徴とする請求項1記載の光拡散性フィルム。
  5. 請求項1記載の光拡散性フィルムの光拡散層とは反対面に、共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはアクリル樹脂を少なくとも1種以上を主成分とする塗布層を有することを特徴とする、集光シート基材用の光拡散性フィルム。
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