JP2007245710A - 積層フィルムおよびそれを用いた装飾材料または包装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、結晶性ポリ乳酸の脆さを克服し、耐衝撃性、積層性、層間密着性に優れ、かつ、透明性が高く色鮮やかで装飾性に優れるフィルムを提供することを課題とする。また、環境負荷が小さい装飾材料あるいは包装材料や、透明性の非常に高い近赤外線カットフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)と下記構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に配列された構造を有し、かつ、A層とB層の面内平均屈折率の差が0.01以上であり、さらに1層の厚みが0.03μm以上0.5μm以下からなる層を20層以上含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】上記課題を解決するため、本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)と下記構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に配列された構造を有し、かつ、A層とB層の面内平均屈折率の差が0.01以上であり、さらに1層の厚みが0.03μm以上0.5μm以下からなる層を20層以上含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリ乳酸系重合体を主成分とした層と構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする層を積層した積層フィルムに関する物であり、積層により装飾性、耐衝撃性、透明性が高く、さらには環境負荷が小さい高機能フィルムに関するものである。
熱可塑性樹脂を多層に積層したフィルムは、種々提案されており、例えば、耐引裂性に優れた多層に積層したフィルムをガラス表面に貼りつけることにより、ガラスの破損および飛散を大幅に防止できるものとして利用されている(特許文献1、2、3参照)。
また、屈折率の異なる樹脂層を交互に多層に積層することより、選択的に特定の波長を反射するフィルム(特許文献4、5、6参照)等が存在する。これらの中で選択的に特定の波長を反射するフィルムは、特定の光を透過あるいは反射するフィルターとして作用し、液晶ディスプレイなどのバックライト用のフィルムとして利用されている。
この選択的に特定波長を反射するフィルムは、反射帯域を可視光線にすることにより意匠性フィルムとしての使用が可能である。しかしながら、従来のフィルムを装飾材料や包装材料として用いると、リサイクルが困難であるため埋め立てや焼却が必要であり、環境負荷が大きいため問題である。
このようなプラスチック廃棄物の処理問題について社会的に関心が高まるにつれて、酵素や微生物で分解される生分解性を有するプラスチックの研究開発が盛んに行われており、その中でも脂肪族ポリエステルが注目されている。最近特に積極的な研究開発が行われている生分解性の脂肪族ポリエステルとして、ポリ乳酸が挙げられる。
ポリ乳酸はトウモロコシや芋類などから得られる澱粉などを原料として乳酸を製造し、さらに化学合成により得られる重合体であり、脂肪族ポリエステルの中でも機械的物性や耐熱性、透明性に優れているため、フィルム、シート繊維などの各種成形品への展開を目的とした研究開発が盛んに行われている。しかしながら、ポリ乳酸の未延伸シートは堅くてもろいため、薄いフィルムでは実用性がなかった。これに対してはシートを延伸し、配向させることにより大幅な物性改良が可能ではあるがポリ乳酸はポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略すことがある)等に代表される芳香族系樹脂に比べガラス転移温度が比較的低く、この温度以上での熱変形や剛性低下が大きいため、機能性樹脂として大きく発展できていないのが現状である。
特開平6−190995号公報(第2頁)
特開平6−190997号公報(第2頁)
特開平10−76620号公報(第2頁)
特開平3−41401号公報(第2頁)
特開平4−295804号公報(第2頁)
特表平9−506837号公報(第2頁)
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、耐衝撃性、積層性、層間密着性に優れ、かつ、透明性が高く色鮮やかで装飾性に優れるフィルムを提供することを課題とする。また、環境負荷が小さい装飾材料あるいは包装材料や、透明性の非常に高い近赤外線カットフィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)と構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に配列された構造を有し、かつ、A層とB層の面内屈折率差が0.01以上であり、さらに1層の厚みが0.03μm以上0.5μm以下からなる層を20層以上含むことを特徴とする。
本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)と構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に配列された構造を有し、かつ、A層とB層の面内屈折率の差が0.01以上であり、さらに1層の層厚みが0.03μm以上0.5μm以下からなる層を20層以上含むことを特徴としたので、耐衝撃性、積層性、層間密着性に優れ、かつ、透明性が高く色鮮やかで装飾性に優れる積層フィルムを提供できるようになるものである。
また、構造式(1)に示す構造を有する樹脂においてR1が水素基、R2がヒドロキシル基とすることにより、生分解性でより環境低負荷な装飾材料あるいは包装材料となる。
また、ヘイズ値が10以下であることにより、透明性の非常に高い近赤外線カットフィルムを得ることも可能となる。
上記目的を達成するため本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)と構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に配列された構造を有し、かつ、A層とB層の面内屈折率差が0.01以上であり、さらに1層の厚みが0.03μm以上0.5μm以下からなる層を20層以上含んでいなければならない。このようなフィルムは積層性、耐衝撃性、層間密着性に優れ、かつ、透明性が高いため、色鮮やかで装飾性の高いものである。特に、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)を表層とすることにより、より深みのある色を有することができるため、好ましい。
本発明における樹脂としては、A層についてはポリ乳酸系重合体を主成分とするものであり、ホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各樹脂中には各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
ポリ乳酸系重合体とは、L−乳酸および/またはD―乳酸を主成分とし、重合体中の乳酸由来の成分が70重量%以上のものを示し、実質的にL−乳酸および/またはD―乳酸からなるホモポリ乳酸が好ましく用いられる。ポリ乳酸系重合体として、例えば均一なホモポリ乳酸を用いる場合にはその光学純度が70%以上のホモポリ乳酸を使用すればよい。あるいは、フィルムとして使用する際の用途によっては、必要な機能の付与あるいは向上を目的として、光学純度の異なる2種以上のホモポリ乳酸を併用してもよく、例えば、結晶性を有するホモポリ乳酸と非晶性のホモポリ乳酸を併用することも可能である。この場合、非晶性のホモポリ乳酸の割合は本発明の効果を損ねない範囲で決定すれば良い。また、通常、ホモポリ乳酸は光学純度が高いほど融点が高く、例えば光学純度が98%以上のポリL−乳酸では融点が約170℃程度であるが、フィルムとした際に高い耐熱性を付与したい際には、使用するポリ乳酸重合体のうち少なくとも1種に光学純度が95%以上のポリ乳酸を含むことが好ましい。
ポリ乳酸の製造方法には、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸(ラセミ体)を原料として一旦環状2量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う2段階のラクチド法と、当該原料を溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られている。本発明においてホモポリ乳酸を用いる場合はいずれの製法によって得られたものであってもよいが、ラクチド法によって得られるポリマーの場合にはポリマー中に含有されるラクチドが成形時に気化して、例えば溶融製膜時にはキャストドラム汚れやフィルム表面の平滑性低下の原因となるため、溶融製膜以前の段階でポリマー中に含有されるラクチドの含有量を0.3重量%以下とすることが望ましい。また、直接重合法の場合にはラクチドに起因する問題が実質的にないため、製膜性の観点からはより好適である。本発明におけるポリ乳酸系重合体の重量平均分子量は、通常少なくとも5万、好ましくは8万〜30万、さらに好ましくは10万〜20万である。平均分子量をかかる範囲とする場合には、フィルムとした場合の強度物性を優れたものとすることができる。
また、本発明におけるポリ乳酸系重合体は、L−乳酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその他の単量体成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合可能な単量体成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数のヒドロキシル基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。なお、ポリ乳酸系重合体の共重合成分としては、生分解性を有する成分を選択することが好ましい。
ポリ乳酸の製造方法には、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸(ラセミ体)を原料として一旦環状2量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う2段階のラクチド法と、当該原料を溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られている。本発明においてホモポリ乳酸を用いる場合はいずれの製法によって得られたものであってもよいが、ラクチド法によって得られるポリマーの場合にはポリマー中に含有されるラクチドが成形時に気化して、例えば溶融製膜時にはキャストドラム汚れやフィルム表面の平滑性低下の原因となるため、溶融製膜以前の段階でポリマー中に含有されるラクチドの含有量を0.3重量%以下とすることが望ましい。また、直接重合法の場合にはラクチドに起因する問題が実質的にないため、製膜性の観点からはより好適である。本発明におけるポリ乳酸系重合体の重量平均分子量は、通常少なくとも5万、好ましくは8万〜30万、さらに好ましくは10万〜20万である。平均分子量をかかる範囲とする場合には、フィルムとした場合の強度物性を優れたものとすることができる。
また、本発明におけるポリ乳酸系重合体は、L−乳酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその他の単量体成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合可能な単量体成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数のヒドロキシル基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。なお、ポリ乳酸系重合体の共重合成分としては、生分解性を有する成分を選択することが好ましい。
本発明の積層フィルムのB層は、構造式(1)に示す構造を有するものであり、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、ホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。より好ましくは成形性が良好となる熱可塑性樹脂である。また、各樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
構造式(1)中のR1およびR2は同じであっても異なっていても良く、水素基、アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アリ−ル基、アシル基、アリーレン基、アルコキシ基、ハロゲン基のいずれかである。アルキル基としては、炭素数が20以下のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基などがあげられる。また、アリール基としては、フェニル基、フェノール基、ナフチル基などがあげられ、アシル基としては、例えばアセチル基、アセトイミドイル基、チオアセチル基、カルボン酸アシル基が挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン基、ハロゲン基としてはクロロ基、フルオロ基、ブロモ基、ヨード基、アスタト基などがある。なかでも、層間密着性の観点からR1およびR2は、水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、カルボキシル基、カルボメチル基、カルボエチル基、カルボプロピル基、ヒドロキシル基、フェノール基、フェニル基、シクロヘキシル基、クロロ基が好ましい。積層性の観点から、より好ましくはR1がメチル基、R2がカルボメチル基であるポリメチルメタクリレート、R1がメチル基、R2がカルボエチル基であるポリエチレンメタクリレート、R1が水素基、R2がヒドロキシル基であるポリビニルアルコール、R1が水素基、R2がクロロ基であるポリ塩化ビニル、R1が水素基、R2がフェノール基であるポリビニルフェノールである。
本発明のポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)と構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする層(B層)が厚み方向に交互に配列された構造を有するとは、A層とB層を厚み方向に積層した構造を有している部分が存在することと定義される。すなわち、本発明のフィルム中のA層とB層の厚み方向における配置の序列がランダムな状態ではないことが好ましく、A層とB層以外の第3の層以上についてはその配置の序列については特に限定されるものではない。また、A層、B層、樹脂CからなるC層を有する場合には、A(BCA)n、A(BCBA)n、A(BABCBA)nなどの規則的順列で積層されることがより好ましい。ここでnは繰り返しの単位数であり、例えばA(BCA)nにおいてn=3の場合、厚み方向にABCABCABCAの順列で積層されているものを表す。
また、本発明では樹脂Aからなる層(A層)と樹脂Bからなる層(B層)を交互にそれぞれ20層以上含まなければならない。より好ましくは、50層以上である。さらに、好ましくはA層とB層の総積層数が150層以上である。A層とB層をそれぞれ20層以上積層した構造を含まないと、十分な反射率および耐衝撃性が得られなくなり、装飾性の高いフィルムとはならない。樹脂Aからなる層(A層)と樹脂Bからなる層(B層)を交互にそれぞれ50層以上含まれていると、波長400nm〜2000nmにおいて、少なくとも1つの反射ピークにおける反射率を40%以上とすることが容易となる。さらに、A層とB層の総積層数が150層以上であると、波長400nm〜2000nmにおける反射ピークの反射率を70%以上とすることが容易となり、非常に色鮮やかで装飾性の高いフィルムを得ることが容易となる。積層数の上限値としては特に限定するものではないが、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、1500層以下であることが好ましい。
本発明の積層フィルムはA層とB層の面内屈折率差が0.01以上であることが好ましい。より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。また、上限値は特に限定されないが、好ましくは、1以下である。面内屈折率差が0.01より小さい場合、十分な反射率が得られず、好ましくないものである。0.05以上であれば、目的とする反射率を得ることが容易となる。
また、本発明の積層フィルムは、1層あたりの層厚みが0.03μm以上0.5μm以下からなる層を20層以上含まなければならない。さらに好ましくは0.03μm以上0.3μm以下である。1層あたりの層厚みが0.03μm未満の場合、実質的に光の反射が起きないため好ましくない。また、0.5μm以上になると、高い反射率が得られにくく、かつ、無色の近赤外線カットフィルムとならないため好ましくない。また、0.03μm以上0.3μm以下の場合、反射帯域内の反射率がより高い反射率となるため好ましい。
また、本発明の積層フィルムは、ポリ乳酸系重合体が少なくとも1つのユニットに炭素数2個以上を有する脂肪族ポリエステルとポリ乳酸との共重合体であることが好ましい。脂肪族ポリエステルは、重合設計の容易さ、工業上のコスト等を考慮し、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの縮合体が望ましい。該縮合体には、少量の脂環族や芳香族モノマーが含まれても構わないが、完全生分解性や生分解速度を重視すれば、含有量は35mol%以下が望ましい。また、任意の割合でα−ヒドロキシカルボン酸やその環状無水物が共重合された縮合体でも良く、あるいは、α−ヒドロキシカルボン酸やその環状無水物の単独重合体を、該縮合体と共に使用しまたは該縮合体に代えたものでも構わない。いずれにしても、脂肪族ポリエステルは、ガラス転移温度が0℃以下であることが望ましい。0℃より高いと耐衝撃性の向上効果を得難い。
脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4〜20程度のアルキル基を持つものが好ましく、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジオールは、炭素数2〜12程度のアルキル基を持つものが好ましく、例えばエチレングリコール、ポロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール等が挙げられる。また、脂肪族ジオールは、エーテル結合を持つジオールおよびカーボネート結合を持つジオールを包含する。エーテル結合を持つジオールは、炭素数2〜8程度のアルキル基を持つものが好ましく、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒドロキシエチル/ヒドロキシプロピルエーテル、ビスヒドロキシエトキシヘキサン等が挙げられる。カーボネート結合を持つジオールは、炭素数4〜8程度のアルキル基を持つものが好ましく、例えばビスヒドロキシブチレンカーボネート、ビスヒドロキシヘキサンカーボネート等が挙げられる。さらに好ましい脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリエチレンスベレート、ポリエチレンセバケート、ポリエチレンデカンジカルボキシレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリブチレンサクシネートアジペート等が挙げられる。ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルの共重合体は、任意の方法で調製することができる。例えば、ポリ乳酸または脂肪族ポリエステルのいずれか一方を別途重合体として準備しておき、該重合体の存在下に他方の構成モノマーを重合させる。通常は、予め準備した脂肪族ポリエステルの存在下でラクチドの重合を行うことにより、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルの共重合体を得る。基本的には、脂肪族ポリエステルを共存させる点が相違するだけで、ラクチド法でホモポリ乳酸重合体を得る場合と同様に重合を行うことができる。この時、ラクチドの重合が進行すると同時に、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルの間で適度なエステル交換反応が起こり、比較的ランダム性が高い共重合体が得られる。出発物質として、ウレタン結合を有する脂肪族ポリエステルウレタンを用いた場合には、エステル−アミド交換も生成する。
本発明の積層フィルムは、構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とするB層の構造式(1)のうち、R2がヒドロキシル基であり、かつ、生分解性を示すことが好ましい。この場合、環境に低負荷でかつ、意匠性の高いフィルムとなる。積層性の観点から、より好ましくはR1が水素基、R2がヒドロキシル基のポリビニルアルコールである。
本発明の積層フィルムはポリ乳酸系重合体の溶融粘度が温度240℃、剪断速度100/secの時、300poise以上10000poise以下であることが好ましい。300poise以上10000poise以下であると、ポリ乳酸系重合体を主成分とするA層と構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とするB層との積層性が向上する。さらに、好ましくは2000poise以上5000poise以下である。この場合、フィルム厚み方向および幅方向の積層精度が向上し、波長400nm〜2000nmにおいて高い反射率を得ることが容易となる。
さらに、本発明の積層フィルムのA層あるいはB層は、溶融粘度を低減させたりあるいは生分解性を向上させるなどの目的で、本発明の効果を損なわない範囲でポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、あるいはエチレングリコール、1,4−豚ジオールなどの脂肪族ジオールとコハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸よりなるポリエステル、ポリグリコール酸などの脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸などを含有しても良い。
本発明の積層フィルムはポリ乳酸系重合体がステレオコンプレックスであることが好ましい。ポリ乳酸系重合体がステレオコンプレックスである場合、融点が高いため耐熱性が高い積層フィルムを得ることが可能となる。ステレオコンプレックスとは、ポリL乳酸(PLLA)とポリD乳酸(PDLA)とを溶融状態で混合することにより得られ、高融点及び高結晶性を示し、耐熱性に優れる。なお、ステレオコンプレックスはポリL乳酸分子とポリD乳酸分子とがラセミ結晶構造となっている共晶体であり、ポリL乳酸のホモ結晶やポリD乳酸のホモ結晶の融点(DSCによる融解ピーク)が一般に160〜180℃であるのに対して、ステレオコンプレックス結晶の融点は190〜240℃である。ステレオコンプレックスを形成させるためには、配向状態のポリL乳酸(PLLA)とポリD乳酸(PDLA)を用いることが好ましい。分子量が10万以上の無配向状態のポリL乳酸とポリD乳酸ではステレオコンプレックスが形成されにくいためである。より好ましくは、ポリL乳酸、ポリD乳酸のどちらか一方を低分子量、他方を高分子量とすることである。この場合、ポリL乳酸とポリD乳酸の分子鎖の接近が容易となり、ステレオコンプレックスを形成しやすくなる。
本発明の積層フィルムはポリ乳酸系重合体を主成分とする層が、ポリ乳酸と非晶性熱可塑性樹脂とのポリマーアロイからなることが好ましい。この場合、耐熱性の高いフィルムを得ることが可能となる。非晶性熱可塑性樹脂は本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されることはなく、例えば、ノルボルネン系樹脂、ポリアセタール、オレフィンーマレイミド樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。中でもポリ乳酸との相溶性が高く、高い透明性、高温成形性を得られるポリメチルメタクリレートが好ましい。好ましいポリマーアロイの態様としては、ポリ乳酸100重量部に対してポリメチルメタクリレートを5〜20重量部ブレンドしたものである。ポリメチルメタクリレートが5重量部未満の場合、耐熱性向上の効果が得られにくい。また、ポリ乳酸100重量部に対してポリメチルメタクリレートが20重量部以上ブレンドしたものとなると、ヘイズ値が上昇し透明性が低下する可能性があるためである。
本発明の積層フィルムは、ヘイズ値が10%以下であることが好ましい。より好ましくは6%以下、さらに好ましくは3%以下である。ヘイズが10%以下であれば、美麗性、透明性を損なうことなく装飾性用途、近赤外線カットフィルムとして使用でき、好適である。ヘイズを10%以下にするためには、可塑剤の添加量を本発明の効果を損なわない程度まで減少させることが好ましい。また、ヘイズを6%以下とする方法としては、積層フィルムの粒子濃度を積層するポリ乳酸系重合体100重量%に対して0.02重量%以下にすることが好ましい。また、ここでいう粒子とは、フィルムの巻き特性の確保のための粒子であり、平均粒子径としては0.02μm以上3.0μm以下であることが好ましい。粒子濃度が低すぎると、巻き特性を損なうことから、添加粒子がフィルムの極表層に集中していることが好ましい。
さらに、ヘイズを3%以下とする方法としては、積層するポリ乳酸系重合体を主成分とするA層と構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とするB層に透明性の高い樹脂、例えばポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノールなどを用いることが好ましい。最も低い反射率をRL、最も高い反射率をRHとした場合、たとえRHが同じであっても透明性の高い積層フィルムのほうが、RHとRLの差(RH−RL)が大きくなるため、色鮮やかにみえ、装飾性が高いフィルムとなる。
本発明の積層フィルムは少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸されていることが好ましい。さらに好ましくは少なくとも1.1倍から10倍である。延伸温度は、用いる樹脂のガラス転移温度以上、結晶化温度以下で行うことが、延伸性や透明性の点で好ましい。延伸倍率は、長手方向、幅方向にそれぞれ1.1倍〜10倍の範囲の任意とすることが好ましく、特に延伸倍率は長手方向、幅方向のどちらかを大きくしてもよく、同一であってもよい。なお、一軸方向の延伸倍率が10倍を超えると、延伸性が低下してフィルムの破断が頻発し、安定した延伸性を得られないことがある。また、延伸温度や延伸(変形)速度などの条件によっては不均一延伸となる場合もあり、一軸方向の好ましい延伸倍率は好ましくは2倍以上、さらに好ましくは2.5倍以上である。また、例えば二軸延伸フィルムとする場合の延伸倍率としては、延伸前後のフィルムの面積割合である面積倍率として、好ましくは4倍以上、さらに好ましくは7倍以上である。逐次二軸延伸とする場合、長手方向の延伸温度は積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましく、幅方向の延伸温度は積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
また、本発明の積層フィルムのうち、特に可視領域(380〜780nm)に少なくとも1つ以上の反射帯域を有する積層フィルムは装飾材料、または包装材料として好適に用いられる。包装材料としては色彩や特定の色彩パターンを付与するために用いられており、例えば、自動車内装や外装に用いられるデザインのための装飾フィルム、各種包装に用いられるデザインのための装飾フィルム、紙幣や金券や商品券や有価証券などに使われる真偽判定を目的とした偽造防止用フィルム、ホログラムの基材用または反射材用フィルムなどがあげられる。本発明の積層フィルム以外に、ハードコート層、易接着層、易滑層、帯電防止層、耐摩耗性層、色補正層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、印刷層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、エンボス層、耐候層(UVカット層)、着色層、接着層、基材樹脂層などのいずれかを含んでなることも好ましい。このような装飾材料、包装材料は、オールポリマーから構成することが可能であり、環境負荷が小さく、リサイクル性にも優れる。
特に、本発明の積層フィルムを意匠性フィルムに用いる際には、黒色や反射ピークの補色となる色を吸収する色吸収層や、アルミ、銀、金、インジウム等の金属層、印刷層、粘着層、エンボス層をフィルム表面に形成することが好ましい。
また、偽造防止用フィルムに用いる場合には、ホログラム層、印刷層、粘着層、アルミ、銀、金、インジウム等の金属層、Al2O3、Sb2O3、Sb2S3、As2S3、BeO、Bi2O3、CdO、CdSe、CdS、CdTe、Ce2O3、Cr2O3、SiO、AgCl、Na3AlF6、SnO2、TiO2、TiO、WO2、ZnSe、ZnS、ZnO2等の透明金属化合物層をフィルム表面に形成することが望ましい。このような層を積層フィルム表面に形成したフィルムは、特にエンボスホログラム用の材料として好適である。
また、光学フィルターとして用いる場合には、易滑・易接着層、ハードコート層、帯電防止層、反射防止層、色補正層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層をフィルム表面に形成することが望ましい。このような機能性層を有する本発明の積層フィルムは、光学フィルターとしても好適である。光学フィルターとしては、プラズマディスプレイにおける近赤外線カットフィルター、液晶ディスプレイにおけるバックライトの3原色を効率的に反射する反射板、プロジェクターからの光(RGB)のみを効率よく反射する反射型フロントスクリーン、各種ディスプレイやCCDカメラなどにおいて3原色を選択的に透過/反射し色純度を高める色調整フィルター、建材や車載用のウインドガラスに用いられる近赤外線/赤外線をカットする熱線遮断フィルムなどが挙げられる。
また、本発明の積層フィルムは、反射型フロントスクリーンにも好適である。本発明の積層フィルムにおいて、室内照明灯の波長に極力重ならないように、かつプロジェクターからの出射波長だけを効率よく反射する反射帯域に設計することにより、明光下でも高コントラストなフロントスクリーンとすることが可能となる。本発明の積層フィルムを反射型のフロントスクリーンとする場合には、表面保護層、ハードコート層、拡散層、異方拡散層、黒色層、粘着層、色補正層、布などと貼り合わせることにより、さらに好適なものとなる。本発明の積層フィルムを反射型フロントスクリーンに用いると、明光下でも高いコントラストが得られることが可能となり、かつ加熱や経時による光学特性の低下がなく、実際の使用下でも層間の剥離が生じない。
また、本発明の積層フィルムのうち、特に780〜2000nmの領域に反射帯域を有する積層フィルムは、近赤外線カットフィルムとしても好適に用いられる。例えば、自動車や電車の窓、建材の窓などの熱線遮断フィルムなどがあげられる。特に、反射ピークを近赤外線領域(820〜1200nm)とすることにより、PDPパネルから発せられる近赤外線を効率よく遮断することができ、かつ可視光線域(400〜800nm)においては、無色・高透明とすることが可能となる。このような積層フィルムの表面に、反射防止層、ハードコート層、色補正層、電磁波カット層を形成し、PDP表示パネルもしくは表示パネル前に設置された強化ガラスやガラスに貼り合わせることにより、さらに好適なPDP用フィルターとなる。このようなPDPフィルターは、加熱や経時による光学特性の変化がなく、層間での剥離がないため、加工工程や実使用環境下でも品質の劣化がほとんどないとともに、透過率が従来のものより非常に高く、近赤外線のカット率も高いので、PDPの省電力化や輝度向上を達成することが可能である。
次に、本発明の積層フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。
結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂Aおよび構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする樹脂Bをペレットの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギアポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。
結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂Aおよび構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする樹脂Bをペレットの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギアポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された樹脂AおよびBは、次に多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックやスタティックミキサー等を用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。特に本発明では、フィードブロックを用いる方法が積層精度を高めて本発明のフィルムを得るためには好ましく用いることができる。
ダイから吐出された積層構造を有するシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、実質的に未延伸のキャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ、急冷固化させるのが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させる方法も好ましい。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸しても構わない。二軸延伸とは、縦方向および横方向に延伸することをいう。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに縦および/または横方向に再延伸を行ってもよい。特に本発明では、耐衝撃性向上の点、面内の配向差を抑制できる点や、表面傷を抑制する観点から、同時二軸延伸を用いることが好ましい。
逐次二軸延伸の場合についてまず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、1.1〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂Bにポリメチルメタクリレートを用いた場合には、1.1〜10倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
また、幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、1.1〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂Bにポリメチルメタクリレートを用いた場合には、1.1〜10倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。より好ましくは100℃以上200℃以下であり、さらに好ましくは120℃以上190℃以下である。この場合、高温熱処理によるポリ乳酸系重合体を主成分とする層の非晶化により、層間密着性が向上する。熱処理温度が200℃以上であると、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層が溶融分解し、積層精度の低下につながるため好ましくない。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として4〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂Bにポリメチルメタクリレートを用いた場合には、面積倍率として7倍以上が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。より好ましくは70℃以上190℃以下である。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)フィルム断面観察
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、した。本発明の実施例では十分なコントラストが得られたため実施しなかったが、用いる樹脂の組み合わせによっては公知のRuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いてコントラストを高めても良い。
(物性値の評価法)
(1)フィルム断面観察
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、した。本発明の実施例では十分なコントラストが得られたため実施しなかったが、用いる樹脂の組み合わせによっては公知のRuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いてコントラストを高めても良い。
(2)相対反射率
日立製作所製 分光光度計(U−3410 Spectrophotomater)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取り付け反射率を測定した。なお、バンドパラメーターは2/servoとし、ゲインは3と設定し、187nm〜2600nmの範囲を120nm/min.の検出速度で測定した。また、反射率を基準化するため、標準反射板として付属のAl2O3板を用いた。対象となる波長範囲において整数の波長の反射率を求めた。
日立製作所製 分光光度計(U−3410 Spectrophotomater)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取り付け反射率を測定した。なお、バンドパラメーターは2/servoとし、ゲインは3と設定し、187nm〜2600nmの範囲を120nm/min.の検出速度で測定した。また、反射率を基準化するため、標準反射板として付属のAl2O3板を用いた。対象となる波長範囲において整数の波長の反射率を求めた。
(3)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出した。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示した。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出した。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示した。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。
(4)樹脂の溶融粘度
樹脂の溶融粘度は、島津製作所(株)島津フローテスターCFT−500形Aを用いて測定した。溶融温度は240℃とし、数グラムのチップをセットしてから約3分後に所望の荷重を掛けて、溶融粘度を測定した。ここでの所望の荷重とは、5、10、15、20kgの重りの事であり、これらを用いて剪断速度と溶融粘度の関係を測定し、1000(1/s)近傍の溶融粘度を求めた。なお、直接測定結果から値が求まらない時は、樹脂をニュートニアン材料とみなし、最小二乗法により近似式を求めて値を算出した。
樹脂の溶融粘度は、島津製作所(株)島津フローテスターCFT−500形Aを用いて測定した。溶融温度は240℃とし、数グラムのチップをセットしてから約3分後に所望の荷重を掛けて、溶融粘度を測定した。ここでの所望の荷重とは、5、10、15、20kgの重りの事であり、これらを用いて剪断速度と溶融粘度の関係を測定し、1000(1/s)近傍の溶融粘度を求めた。なお、直接測定結果から値が求まらない時は、樹脂をニュートニアン材料とみなし、最小二乗法により近似式を求めて値を算出した。
(5)面内屈折率差
積層フィルムを構成する熱可塑性樹脂を単独で用いて、積層フィルムと同じ製膜条件で単膜フィルムを製膜した。この際の製膜方法は、キャスティングまでは同じ方法で未延伸フィルムを製膜した。次いで、未延伸フィルムからサンプルを10cm×10cmの寸法に切り出し、二軸延伸装置(東洋精機(株))を用いて延伸し、さらに、得られた延伸フィルムを20cm×20cmの金枠に貼り付けてトンネルオーブン(泰伸製作所製)を用いて熱処理を施し、単膜フィルムを得た。なお、製膜時の熱処理温度が熱可塑性樹脂を溶融する温度の場合は、ポリイミドフィルムなどの支持体で挟みトンネルオーブンで熱処理を施した。得られた単膜フィルムのフィルム巾方向中央部からサンプルを長さ4×巾3.5cmの寸法で切り出し、アッベ屈折率計4T(アタゴ(株)製)を用いて、MD、TDの屈折率を求めた。光源は、ナトリウムD線 波長589nmを用いた。MDとTDの屈折率の平均を面内屈折率とし、異なる熱可塑性樹脂間での面内屈折率の差を面内屈折率差(絶対値)として、求めた(|熱可塑性樹脂Aの面内屈折率―熱可塑性樹脂Bの面内屈折率|)。なお、浸液には、ヨウ化メチレン、テストピースの屈折率は、1.74のものを用いた。
積層フィルムを構成する熱可塑性樹脂を単独で用いて、積層フィルムと同じ製膜条件で単膜フィルムを製膜した。この際の製膜方法は、キャスティングまでは同じ方法で未延伸フィルムを製膜した。次いで、未延伸フィルムからサンプルを10cm×10cmの寸法に切り出し、二軸延伸装置(東洋精機(株))を用いて延伸し、さらに、得られた延伸フィルムを20cm×20cmの金枠に貼り付けてトンネルオーブン(泰伸製作所製)を用いて熱処理を施し、単膜フィルムを得た。なお、製膜時の熱処理温度が熱可塑性樹脂を溶融する温度の場合は、ポリイミドフィルムなどの支持体で挟みトンネルオーブンで熱処理を施した。得られた単膜フィルムのフィルム巾方向中央部からサンプルを長さ4×巾3.5cmの寸法で切り出し、アッベ屈折率計4T(アタゴ(株)製)を用いて、MD、TDの屈折率を求めた。光源は、ナトリウムD線 波長589nmを用いた。MDとTDの屈折率の平均を面内屈折率とし、異なる熱可塑性樹脂間での面内屈折率の差を面内屈折率差(絶対値)として、求めた(|熱可塑性樹脂Aの面内屈折率―熱可塑性樹脂Bの面内屈折率|)。なお、浸液には、ヨウ化メチレン、テストピースの屈折率は、1.74のものを用いた。
(6)ガラス転移温度
示差熱量分析(DSC)を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って、行い、窒素雰囲気下、−50℃で5分間保持後、250℃まで20℃/分の速度で昇温し、その測定結果から求めた。
示差熱量分析(DSC)を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って、行い、窒素雰囲気下、−50℃で5分間保持後、250℃まで20℃/分の速度で昇温し、その測定結果から求めた。
装置:セイコー電子工業(株)製”ロボットDSC−RDC220”
データ解析”ディスクセッションSSC/5200”
サンプル質量:5mg。
データ解析”ディスクセッションSSC/5200”
サンプル質量:5mg。
(7)積層数、層対厚み
透過型電子顕微鏡にて得たフィルム断面像(倍率4万倍の写真画像)を、スキャナー(Canon製CanonScand123U)を用いて、画像サイズ720dpiで取り込んだ画像をビットマップファイル(BMP)で保存した。次に、画像処理ソフト Image−Pro Plus ver.4(MediaCybernetics社製)を用いて、このBMPファイルを開き、画像解析を行った。以下に代表的な画像処理条件を記す。まず、ローパスフィルタ(サイズ 7×7 強さ 10 回数 10)処理した後、垂直シックプロファイルモードで、位置と輝度の数値データとを得た。なお、位置は、予め空間較正でスケーリングしておいた。この位置と輝度のデータをMicrosoft社製EXCEL2000上で、サンプリングステップ6(間引き6)、さらに3点移動平均処理を行った。さらに、この得られた輝度を位置で微分し、その微分曲線の極大値と極小値を算出した。そして、隣り合う極大値−極大値または隣り合う極小値−極小値となる位置の間隔を層対厚みとし、全ての層対厚みを算出した。
透過型電子顕微鏡にて得たフィルム断面像(倍率4万倍の写真画像)を、スキャナー(Canon製CanonScand123U)を用いて、画像サイズ720dpiで取り込んだ画像をビットマップファイル(BMP)で保存した。次に、画像処理ソフト Image−Pro Plus ver.4(MediaCybernetics社製)を用いて、このBMPファイルを開き、画像解析を行った。以下に代表的な画像処理条件を記す。まず、ローパスフィルタ(サイズ 7×7 強さ 10 回数 10)処理した後、垂直シックプロファイルモードで、位置と輝度の数値データとを得た。なお、位置は、予め空間較正でスケーリングしておいた。この位置と輝度のデータをMicrosoft社製EXCEL2000上で、サンプリングステップ6(間引き6)、さらに3点移動平均処理を行った。さらに、この得られた輝度を位置で微分し、その微分曲線の極大値と極小値を算出した。そして、隣り合う極大値−極大値または隣り合う極小値−極小値となる位置の間隔を層対厚みとし、全ての層対厚みを算出した。
(8)耐熱性
枠サイズが150mm角であるアルミ製フレーム枠に評価用のフィルムを皺がないように緊張状態で貼り付け、文具用のダブルクリップを複数用いてフィルムをフレームに固定し、庫内を一定温度に保った熱風式オーブンに5分間放置した後に取り出してフィルムの状態を観察した。熱風式オーブンの設定温度を5℃刻みで変更してこのような試験を繰り返し、フィルムに穴が空いたりフィルムがフレームに融着するなどの変化が認められなかった最も高い温度を耐熱性を示す温度として求めた。
枠サイズが150mm角であるアルミ製フレーム枠に評価用のフィルムを皺がないように緊張状態で貼り付け、文具用のダブルクリップを複数用いてフィルムをフレームに固定し、庫内を一定温度に保った熱風式オーブンに5分間放置した後に取り出してフィルムの状態を観察した。熱風式オーブンの設定温度を5℃刻みで変更してこのような試験を繰り返し、フィルムに穴が空いたりフィルムがフレームに融着するなどの変化が認められなかった最も高い温度を耐熱性を示す温度として求めた。
(9)耐衝撃性
フィルムサンプルの流れ方向を幅、その90°方向を長とする幅10mm×長50mmに切り出した試験サンプルを10枚、およびフィルムサンプルの流れ方向を長、その90°方向を幅とする幅10mm×長50mmに切り出した試験サンプルを10枚用意する。東洋精機製作所製シャルピー衝撃試験機(容量:10kg・cm、ハンマー重量:1.019kg、ハンマーの空持ち上げ角度:127度、軸心より重心までの距離:6.12cm)に試験サンプルの長尺(50mm)側を固定し、試験温度25度で各試験サンプルを測定した(計20回)。それらの平均値を試験サンプルの断面積(試験サンプル厚み×試験サンプル幅)で除し、MJ/m2の単位に換算した。
フィルムサンプルの流れ方向を幅、その90°方向を長とする幅10mm×長50mmに切り出した試験サンプルを10枚、およびフィルムサンプルの流れ方向を長、その90°方向を幅とする幅10mm×長50mmに切り出した試験サンプルを10枚用意する。東洋精機製作所製シャルピー衝撃試験機(容量:10kg・cm、ハンマー重量:1.019kg、ハンマーの空持ち上げ角度:127度、軸心より重心までの距離:6.12cm)に試験サンプルの長尺(50mm)側を固定し、試験温度25度で各試験サンプルを測定した(計20回)。それらの平均値を試験サンプルの断面積(試験サンプル厚み×試験サンプル幅)で除し、MJ/m2の単位に換算した。
(10)ヘイズ
積層フィルムサンプルの透明性の指標として、あらかじめ厚みを測定したフィルムサンプルのヘイズ値をヘイズメーターHGM−2DP型(スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。測定は1水準につき5回行い、5回の測定の平均値から厚み10μmのフィルムとした場合の換算値としてフィルムヘイズ値を求めた。
積層フィルムサンプルの透明性の指標として、あらかじめ厚みを測定したフィルムサンプルのヘイズ値をヘイズメーターHGM−2DP型(スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。測定は1水準につき5回行い、5回の測定の平均値から厚み10μmのフィルムとした場合の換算値としてフィルムヘイズ値を求めた。
(11)剥離試験
JIS K5600(2002年)に従って試験を行った。なお、フィルムを硬い素地とみなし、2mm間隔で25個の格子状パターンを切り込んだ。また、約75mmの長さに切ったテープを格子の部分に接着し、テープを60°に近い角度で0.5〜1.0秒の時間で引き剥がした。ここで、テープにはセキスイ製セロテープ(登録商標)No.252(幅18mm)を用いた。評価結果は、格子1つ分が完全に剥離した格子の数で表した。
JIS K5600(2002年)に従って試験を行った。なお、フィルムを硬い素地とみなし、2mm間隔で25個の格子状パターンを切り込んだ。また、約75mmの長さに切ったテープを格子の部分に接着し、テープを60°に近い角度で0.5〜1.0秒の時間で引き剥がした。ここで、テープにはセキスイ製セロテープ(登録商標)No.252(幅18mm)を用いた。評価結果は、格子1つ分が完全に剥離した格子の数で表した。
(12)粒子の平均粒径
フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍以上の倍率で観察した。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて100視野以上測定した。粒子の平均径dは重量平均径(等価円相当径)から求めた。
フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍以上の倍率で観察した。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて100視野以上測定した。粒子の平均径dは重量平均径(等価円相当径)から求めた。
(13)粒子の含有量
ポリマーは溶解し、粒子は溶解させない溶媒を選択し、粒子をポリマーから遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とした。
ポリマーは溶解し、粒子は溶解させない溶媒を選択し、粒子をポリマーから遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とした。
本実施例で用いた結晶性ポリ乳酸系重合体、可塑剤は次のとおりにして得られた。
<ポリ乳酸系重合体(P1)>
L―ラクチド100重量部に対してオクチル酸錫を0.1重量部、ラウリルアルコールを0.1重量部混合し、攪拌装置つきの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で15分間重合し、さらに2軸混練押し出し機にてチップ化した後、140℃の窒素雰囲気下で3時間固相重合してポリ乳酸系重合体P1を得た。P1のガラス転移温度62℃、融点は172℃。
L―ラクチド100重量部に対してオクチル酸錫を0.1重量部、ラウリルアルコールを0.1重量部混合し、攪拌装置つきの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で15分間重合し、さらに2軸混練押し出し機にてチップ化した後、140℃の窒素雰囲気下で3時間固相重合してポリ乳酸系重合体P1を得た。P1のガラス転移温度62℃、融点は172℃。
<ポリ乳酸系重合体(P2)>
分子量約6万のポリL乳酸(PLLA)と分子量約12万のポリD乳酸(PDLA)とを溶融状態にて混合し、さらに2軸混練押し出し機にてチップ化し、ステレオ結晶であるポリ乳酸系重合体P3を得た。P3の融点は212℃。
分子量約6万のポリL乳酸(PLLA)と分子量約12万のポリD乳酸(PDLA)とを溶融状態にて混合し、さらに2軸混練押し出し機にてチップ化し、ステレオ結晶であるポリ乳酸系重合体P3を得た。P3の融点は212℃。
<ポリ乳酸系重合体(P3)>
ポリ乳酸系重合体P1とPMMAを80:20の重量比にてブレンドすることにより、PLAとPMMAのポリマーアロイを得た。
ポリ乳酸系重合体P1とPMMAを80:20の重量比にてブレンドすることにより、PLAとPMMAのポリマーアロイを得た。
<ポリ乳酸系重合体(P4)>
L−ラクチド65重量部およびDL―ラクチド35重量部に対しオクチル酸錫を0.1重量部、ラウリルアルコールを0.1重量部混合し、攪拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で3時間重合し、さらに、二軸混練押出機にてチップ化してポリ乳酸系重合体P4を得た。P4についてDSC測定を行ったところ、P4は結晶性を示さず、結晶化温度および融点は観測されなかった。
L−ラクチド65重量部およびDL―ラクチド35重量部に対しオクチル酸錫を0.1重量部、ラウリルアルコールを0.1重量部混合し、攪拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で3時間重合し、さらに、二軸混練押出機にてチップ化してポリ乳酸系重合体P4を得た。P4についてDSC測定を行ったところ、P4は結晶性を示さず、結晶化温度および融点は観測されなかった。
<可塑剤(S1)>
大日本インキ化学工業株式会社製樹脂:“プラメート”PD−150を用いた。
大日本インキ化学工業株式会社製樹脂:“プラメート”PD−150を用いた。
<可塑剤(S2)>
平均分子量10000のポリエチレングリコール71重量部とL―ラクチド29重量部に対し、オクチル酸錫0.07重量部を混合し、攪拌装置つきの反応器中で窒素雰囲気中190℃で60分間重合し、平均分子量2000のポリ乳酸セグメントを有する、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物S2を得た。
平均分子量10000のポリエチレングリコール71重量部とL―ラクチド29重量部に対し、オクチル酸錫0.07重量部を混合し、攪拌装置つきの反応器中で窒素雰囲気中190℃で60分間重合し、平均分子量2000のポリ乳酸セグメントを有する、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物S2を得た。
<可塑剤(S3)>
S2と同様の方法にて、平均分子量2000のポリ乳酸セグメントを有するポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物を得た後、この化合物を水に浸漬し80℃まで加熱して攪拌したあと、分離した有機相を抽出し、さらに90℃の加熱窒素にて乾燥して水分率が1%となるまで乾燥してS3を得た。
S2と同様の方法にて、平均分子量2000のポリ乳酸セグメントを有するポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物を得た後、この化合物を水に浸漬し80℃まで加熱して攪拌したあと、分離した有機相を抽出し、さらに90℃の加熱窒素にて乾燥して水分率が1%となるまで乾燥してS3を得た。
(実施例1)
結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする層にポリ乳酸系重合体(P1)、構造式(1)に示す構造を有する樹脂にポリメチルメタクリレートを準備した。これら樹脂はそれぞれ乾燥した後、別々の押出機に供給した。
結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする層にポリ乳酸系重合体(P1)、構造式(1)に示す構造を有する樹脂にポリメチルメタクリレートを準備した。これら樹脂はそれぞれ乾燥した後、別々の押出機に供給した。
樹脂は、それぞれ、押出機にて200℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルターを介した後、フィードブロックにて201層に合流させた。この時、合流部分の表面処理はアモルファスクロム(登録商標“クロアモール”、オテック社製)を用いた。合流した結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂P1およびPMMAは、樹脂P1が101層、PMMAが100層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし、最表層をP1とした。ここで、積層厚み比がP1/PMMA=2/3になるよう、吐出量にて調整した。この様にして得られた計201層からなる積層体をコートハンガーダイに供給しシート状に成型した後、静電印可しながら、表面温度5℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1における構造式(1)に示す構造を有する樹脂のPMMAに代わりポリビニルフェノールを用いた。条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
実施例1における構造式(1)に示す構造を有する樹脂のPMMAに代わりポリビニルフェノールを用いた。条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、フィードブロックを変更した以外は同様の条件・装置を用いた。用いたフィードブロックは層であり、結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂P1およびポリビニルフェノールは、樹脂P1が25層、ポリビニルフェノールが26層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし、最表層をポリビニルフェノールとした。得られた結果を表1に示す。
実施例2において、フィードブロックを変更した以外は同様の条件・装置を用いた。用いたフィードブロックは層であり、結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂P1およびポリビニルフェノールは、樹脂P1が25層、ポリビニルフェノールが26層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし、最表層をポリビニルフェノールとした。得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、得た未延伸フィルムを延伸温度70℃、縦および横方向の延伸倍率を共に3.2倍、面積倍率として10倍となるように同時2軸延伸した後、140℃の雰囲気下で60秒加熱処理して二軸延伸フィルムに成形した。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、得た未延伸フィルムを延伸温度70℃、縦および横方向の延伸倍率を共に3.2倍、面積倍率として10倍となるように同時2軸延伸した後、140℃の雰囲気下で60秒加熱処理して二軸延伸フィルムに成形した。得られた結果を表1に示す。
(実施例5)
結晶性ポリ乳酸系重合体(P1)90量部と可塑剤(S1)10量部を100℃で6時間、10torrの高真空下で乾燥した後、シリンダー温度200℃の2軸混練押出機に供して溶融混練、均質化した後にチップ化した組成物を得た。得られた組成物は透明であった。この組成物(チップ)をさらに10torrの高真空下、80℃で24時間以上乾燥した。
結晶性ポリ乳酸系重合体(P1)90量部と可塑剤(S1)10量部を100℃で6時間、10torrの高真空下で乾燥した後、シリンダー温度200℃の2軸混練押出機に供して溶融混練、均質化した後にチップ化した組成物を得た。得られた組成物は透明であった。この組成物(チップ)をさらに10torrの高真空下、80℃で24時間以上乾燥した。
上記チップおよび構造式(1)に示す構造を有する樹脂のPMMA樹脂は、それぞれ押出機にて200℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルターを介した後、フィードブロックにて201層に合流させた。条件・装置については実施例1と同様とした。得た未延伸フィルムを延伸温度70℃、縦および横方向の延伸倍率を共に3.2倍、面積倍率として10倍となるように同時二軸延伸した後、140℃の雰囲気下で60秒熱処理して二軸延伸フィルムに成形した。得られた結果を表1に示す。
(実施例6)
ポリ乳酸系重合体(P1)72重量部と可塑剤(S2)28重量部の混合物を100℃で6時間、10torrの高真空下で乾燥した後、シリンダー温度200℃の二軸混練押出機に供して溶融混練、均質化した後にチップ化した組成物を得た。得られた組成物を透明であった。この組成物(チップ)をさらに10torrの高真空下、80℃で24時間乾燥した。
ポリ乳酸系重合体(P1)72重量部と可塑剤(S2)28重量部の混合物を100℃で6時間、10torrの高真空下で乾燥した後、シリンダー温度200℃の二軸混練押出機に供して溶融混練、均質化した後にチップ化した組成物を得た。得られた組成物を透明であった。この組成物(チップ)をさらに10torrの高真空下、80℃で24時間乾燥した。
上記チップを、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)とし、実施例5と同様の製膜装置・条件にて二軸延伸フィルムに成形した、得られた結果を表1に示す。
(実施例7)
ポリ乳酸系重合体(P1)72重量部と可塑剤(S3)28重量部の混合物を100℃で6時間、10torrの高真空下で乾燥した後、シリンダー温度200℃の二軸混練押出機に供して溶融混練、均質化した後にチップ化した組成物を得た。得られた組成物を透明であった。この組成物(チップ)をさらに10torrの高真空下、80℃で24時間乾燥した。
ポリ乳酸系重合体(P1)72重量部と可塑剤(S3)28重量部の混合物を100℃で6時間、10torrの高真空下で乾燥した後、シリンダー温度200℃の二軸混練押出機に供して溶融混練、均質化した後にチップ化した組成物を得た。得られた組成物を透明であった。この組成物(チップ)をさらに10torrの高真空下、80℃で24時間乾燥した。
上記チップを、ポリ乳酸系重合体を主成分とする層(A層)とし、実施例1と同様の製膜装置・条件にて未延伸フィルムに成形した、得られた結果を表1に示す
(実施例8)
実施例1における構造式(1)に示す構造を有する樹脂のPMMAに代わりポリビニルアルコールを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1における構造式(1)に示す構造を有する樹脂のPMMAに代わりポリビニルアルコールを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1におけるポリ乳酸系重合体を主成分とする層にポリ乳酸系重合体(P1)に代わりにP2を用いた。樹脂は、それぞれ、押出機にて220℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルターを介した後、フィードブロックにて201層に合流させた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
実施例1におけるポリ乳酸系重合体を主成分とする層にポリ乳酸系重合体(P1)に代わりにP2を用いた。樹脂は、それぞれ、押出機にて220℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルターを介した後、フィードブロックにて201層に合流させた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1におけるポリ乳酸系重合体を主成分とする層にポリ乳酸系重合体(P1)に代わりにP3を用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
実施例1におけるポリ乳酸系重合体を主成分とする層にポリ乳酸系重合体(P1)に代わりにP3を用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1における構造式(1)に示す構造を有する樹脂であるPMMAに代わり、重合度800のポリ塩化ビニルに平均粒子計0.12μmの炭酸カルシウム粒子を混練したものを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
実施例1における構造式(1)に示す構造を有する樹脂であるPMMAに代わり、重合度800のポリ塩化ビニルに平均粒子計0.12μmの炭酸カルシウム粒子を混練したものを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1と同様の樹脂を用い、押出機にて200℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルターを介した後、フィードブロックにて801層に合流させた。この時、合流部分の表面処理はアモルファスクロム(登録商標“クロアモール”、オテック社製)を用いた。合流した結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂P1およびPMMAは、樹脂P1が401層、PMMAが400層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし、最表層をP1とした。ここで、積層厚み比がP1/PMMA=1.2/1になるよう、吐出量にて調整しながら、スリット数267個のスリット板3枚を用いた構成である801層フィードブロックにて合流させ、計801層からなる積層体とした。合流した樹脂AおよびBは、フィードブロック内にて各層の厚みが表面側から反対表面側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させ、樹脂Aが400層、樹脂Bが401層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。このようにして得られた計801層からなる積層体をコートハンガーダイに供給しシート状に成型した後、静電印可しながら、表面温度5℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
実施例1と同様の樹脂を用い、押出機にて200℃の溶融状態とし、ギアポンプおよびフィルターを介した後、フィードブロックにて801層に合流させた。この時、合流部分の表面処理はアモルファスクロム(登録商標“クロアモール”、オテック社製)を用いた。合流した結晶性ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂P1およびPMMAは、樹脂P1が401層、PMMAが400層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし、最表層をP1とした。ここで、積層厚み比がP1/PMMA=1.2/1になるよう、吐出量にて調整しながら、スリット数267個のスリット板3枚を用いた構成である801層フィードブロックにて合流させ、計801層からなる積層体とした。合流した樹脂AおよびBは、フィードブロック内にて各層の厚みが表面側から反対表面側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させ、樹脂Aが400層、樹脂Bが401層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。このようにして得られた計801層からなる積層体をコートハンガーダイに供給しシート状に成型した後、静電印可しながら、表面温度5℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
10torrの高真空下、100℃で6時間減圧乾燥したポリ乳酸系重合体(P1)15重量部および可塑剤(S3)34重量部と、10torrの高真空下、50℃で48時間以上減圧乾燥したポリ乳酸系重合体(P4)51量部と、チバガイギー社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤“イルガノックス1010”0.3重量部の混合物をシリンダー温度200℃の二軸混練押出機に供して溶融混練、均質化した後に、チップ化した組成物を得た。得られた組成物は透明であった。この組成物(チップ)をさらに10torrの高真空下、70℃で24時間乾燥し以下の製膜に供した。
10torrの高真空下、100℃で6時間減圧乾燥したポリ乳酸系重合体(P1)15重量部および可塑剤(S3)34重量部と、10torrの高真空下、50℃で48時間以上減圧乾燥したポリ乳酸系重合体(P4)51量部と、チバガイギー社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤“イルガノックス1010”0.3重量部の混合物をシリンダー温度200℃の二軸混練押出機に供して溶融混練、均質化した後に、チップ化した組成物を得た。得られた組成物は透明であった。この組成物(チップ)をさらに10torrの高真空下、70℃で24時間乾燥し以下の製膜に供した。
上記チップを溶融温度190℃に設定した1軸エクストルーダーにて溶融し、溶融ポリマーをTダイ口金に導いてシート状に押し出し、5℃に冷却したドラム上にキャストして厚さ200μmの未延伸フィルムを形成した。バッチ式のフィルム二軸延伸装置により、この未延伸フィルムを用いて延伸温度50℃、縦および横方向の延伸倍率をともに3.2倍、面積倍率として10倍となるように同時二軸延伸した後、140℃の雰囲気下で90秒加熱処理して二軸延伸フィルムに形成した。得られた二軸延伸フィルムは透明であった。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、エステル交換反応触媒として酢酸カルシウムを添加し、加熱昇温してメタノールを留出させてエステル交換反応を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、重合触媒として三酸化アンチモン、熱安定剤としてリン酸を加え重縮合反応槽に移行した。次いで、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧し、290℃減圧下で内部を攪拌しメタノールを留出させながら重合し、溶融粘度1700poise(測定温度:280℃)相当まで重合度が上がった時点で吐出し、ポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。
ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、エステル交換反応触媒として酢酸カルシウムを添加し、加熱昇温してメタノールを留出させてエステル交換反応を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、重合触媒として三酸化アンチモン、熱安定剤としてリン酸を加え重縮合反応槽に移行した。次いで、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧し、290℃減圧下で内部を攪拌しメタノールを留出させながら重合し、溶融粘度1700poise(測定温度:280℃)相当まで重合度が上がった時点で吐出し、ポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。
また、ジメチルテレフタレート90重量部とジメチルイソフタレート10重量部とブチレングリコール87重量部の混合物に、エステル交換反応触媒として酢酸カルシウムを添加し、加熱昇温してメタノールを留出させてエステル交換反応を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、重合触媒として三酸化アンチモン、熱安定剤としてリン酸を加え重縮合反応槽に移行した。次いで、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧し、270℃減圧下で内部を攪拌しメタノールを留出させながら重合し、粘度2300poise(測定温度:280℃)相当まで重合度が上がった時点で吐出し、樹脂ペレットを得た。さらに得られた樹脂ペレットを180℃、3mmHgの真空状態にて固相重合を行い、溶融粘度2300poise(測定温度:280℃)相当まで重合し、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)共重合体(以下、「PBT/I」と称する)を得た。
熱可塑性樹脂Aとして、上記PETを用い、また熱可塑性樹脂Bとして上記PBT/I(テレフタレート成分90mol%/イソフタレート成分10mol%)を用いた。これら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、アポンプおよびフィルターを介した後、フィードブロックにて201層に合流させた。この時、フィードブロックの合流部分の先端Rを30μmRとし、合流部分の表面処理はアモルファスクロム(登録商標“クロアモール”、オテック社製)を用いた。合流した熱可塑性樹脂AおよびBは、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された構造とし、最表層を熱可塑性樹脂Aとした。ここで、積層厚み比がA/B=7/3になるよう、吐出量にて調整した。この様にして得られた計201層からなる積層対をコートハンガーダイに供給しシート状に成型した後、静電印可しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、90℃に加熱した複数のロール群に導き予熱した後、延伸倍率3.0倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃にて3.5倍横延伸した後、230℃で熱処理を施し、室温まで徐冷後巻き取った。得られた結果を表1に示す。
本発明は、ポリ乳酸系重合体を主成分とした層と構造式(1)に示す構造を有する樹脂を主成分とする層を積層した積層フィルムに関する物であり、積層により装飾性、耐衝撃性、透明性が高く、さらには環境負荷が小さい高機能フィルムに関するものである。
Claims (13)
- ポリ乳酸系重合体が、少なくとも1つのユニットに炭素数2個以上を有する脂肪族ポリエステルとポリ乳酸との共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
- 構造式(1)に示す構造を有する樹脂においてR2がヒドロキシル基であり、生分解性を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
- ポリ乳酸系重合体の溶融粘度が温度240℃、剪断速度100/secの時、300poise以上10000poise以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積層フィルム。
- ポリ乳酸系重合体がステレオコンプレックスであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の積層フィルム。
- ポリ乳酸系重合体を主成分とする層がポリ乳酸と非晶性熱可塑性樹脂とのポリマーアロイからなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の積層フィルム。
- ヘイズ値が10以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の積層フィルム。
- 積層フィルムが少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の積層フィルム。
- 請求項1から8のいずれかに記載の積層フィルムを用いた装飾材料。
- 請求項1から8のいずれかに記載の積層フィルムを用いた包装材料。
- 請求項1から8のいずれかに記載の積層フィルムを用いた偽造防止用フィルム。
- 請求項1から8のいずれかに記載の積層フィルムを用いた光学フィルター。
- 請求項1から8のいずれかに記載の積層フィルムを用いた近赤外線カットフィルム。
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Cited By (3)
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JP2010126539A (ja) * | 2008-11-25 | 2010-06-10 | Toyobo Co Ltd | 二軸延伸フィルム |
JP2011256234A (ja) * | 2010-06-07 | 2011-12-22 | Teijin Ltd | 光学用脂肪族ポリエステルフィルム |
-
2007
- 2007-02-13 JP JP2007031709A patent/JP2007245710A/ja active Pending
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