JP5418235B2 - 積層フィルム - Google Patents

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本発明は、成形性に優れる積層フィルムに関し、金属光沢調フィルムやハーフミラーフィルムに好適に使用できるフィルムに関する。
従来、金属調外観を有する樹脂フィルム(以下、金属調フィルムと称す)としては、例えば、樹脂フィルムの一面に蒸着、もしくはスパッタリングなどの方法で薄い金属層を被着成形したものが知られており、主に装飾用途等に用いられている。しかしながら、この金属調フィルムは、成形時に金属層の剥離、クラックなどの問題が発生しやすいという問題があった。この問題に対する対策としては、樹脂フィルムと金属層との間に密着性を向上するための接着層を介在させる提案(例えば、特許文献1参照)がなされているが、成形条件などが厳しい場合には満足すべき改善に至っていない。
また、光輝性粉末(アルミニウム粉末)と熱可塑性樹脂バインダを含有したインク成分を、熱可塑性樹脂フィルムの片面にベタ印刷または塗布することにより、金属発色が付与され真空成形に適した金属調フィルム(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、この場合にもまた、金属粉を高濃度に添加しなければ金属調外観が得られないばかりか、金属を高濃度に含有した樹脂フィルムであるために、リサイクルが困難であるという問題を有していた。
一方、金属を用いずに金属調を呈する積層フィルムが種々提案されており、例えば、屈折率の異なる樹脂層を交互に多層に積層することより、選択的に特定の波長を反射するフィルム(例えば、特許文献3〜5参照)が知られている。これらの中で選択的に特定の波長を反射するフィルムは、特定の光を透過あるいは反射するフィルタとして作用し、液晶ディスプレイなどのバックライト用金属調リフレクターおよび反射型偏光子などに利用されている。
しかしながら、この選択的に特定の波長を反射するフィルムは、光沢感が強いために色の深みや高級感などが要求される装飾用途としの金属調の質感が不十分であったり、層間剥離を生じ易く、成形性も良いものではなかった。さらに一つはこの多層積層フィルムを成形体にした場合、フィルムが引き延ばされることからより反射帯域の抜け落ちが大きくなり、色づきが発生しやすい。
また、ポリマーの改質により、上記の問題点である層間剥離や成形性を改善しつつ金属光沢調を達成したフィルムも報告されているが、さらに深絞りの成形を行うには性能が不十分であり、成形時に破れが発生したり、反射帯域が低波長側にシフトして発色してしたりする問題があった(例えば、特許文献6参照)。また、スピログリコール成分を含んだポリエステルは、脆性が高いため、成形時に端部に皺やクラックが入りやすい問題があった。
特開平8−216334号公報(第2頁) 特開平8−183057号公報(第2頁) 特開平3−41401号公報(第2頁) 特開平4−295804号公報(第2頁) 特表平9−506837号公報(第2頁) 特開2007−203688号公報(第2頁)
上記従来技術に対し、本発明の目的は、高温成形時に破れが発生せず、成形追従性に優れた金属光沢調のフィルムを提供することにある。さらには高温成形時に変色がなく、耐衝撃性に優れたフィルムを提供することにある。

上記課題を解決するため、本発明は、主としてポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と主としてポリエステル樹脂Bからなる層(B層)が交互にそれぞれ50層以上積層された構造を含む二軸延伸フィルムであり、前記ポリエステル樹脂Bは、全ジカルボン酸残基に占めるテレフタル酸残基の比率が10〜90モル%、シクロヘキサンジカルボン酸残基の比率が10〜90モル%であり、全ジオール残基に占めるエチレングリコール残基の比率が40〜90mol%、ブチレングリコール残基の比率が5〜40mol%、スピログリコール残基の比率が5〜50mol%であることを特徴とする。
本発明のフィルムは、高温成形時に変色や破れが発生せず、また耐衝撃性に優れ、自動車用外部材、携帯電話・家電用品の光沢調装飾材などに好適に使用できる。
本発明の積層フィルムは、主としてポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と主としてポリエステル樹脂Bからなる層(B層)が交互にそれぞれ50層以上積層された二軸延伸フィルムである。ポリエステル樹脂Bはエチレングリコール、ブチレングリコールおよびスピログリコールの少なくとも3種のジオール残基を含んでいる。このような構成をとることにより、金属調としての質感に優れ、また、成形性に優れることから成形加工しても品位の良いものが得られる。
本発明にいう交互に積層した構造を含むとは、前記A層とB層とが厚み方向に交互に出現する構造を有していることと定義される。すなわち、本発明のフィルム中のA層とB層の厚み方向における配置がランダムな状態ではないことが好ましく、また、A層、B層、樹脂CからなるC層を有する場合には、CA(BA)n、CA(BA)nC、A(BA)nCA(BA)mなど、C層が最外層もしくは中間層に積層される構成であっても良い。ここでnおよびmは整数であり、例えばA(BA)nにおいてn=3の場合、厚み方向にABABABAの順列で積層されていることを表す。
また、本発明ではA層とB層を交互にそれぞれ50層以上含まなければならない。より好ましくは、200層以上である。さらに、好ましくはA層とB層の総積層数が600層以上である。A層とB層をそれぞれ50層以上積層した構造を含まないと、十分な反射率が得られなくなり、輝度の高い金属調の外観とはならない。また、樹脂Aからなる層(A層)と樹脂Bからなる層(B層)が交互にそれぞれ200層以上含まれていると、波長帯域400nm〜1000nmの反射率を30%以上とすることが可能となる。また、A層とB層の総積層数が600層以上であると、波長帯域400nm〜1000nmの反射率を60%以上とすることが容易となり、非常に輝度の高い金属調の外観を有することが容易となる。また、積層数の上限値としては特に限定するものではないが、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、3000層以下であることが通常の使用では一般的である。
本発明に用いるポリエステル樹脂Aは、ジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して得られる構造を有する。ポリエステル樹脂Aは共重合体であっても良い。ポリエステル樹脂Aとして用いうるものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンジフェニルレートなどが代表的なものである。特にポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ好ましい。
また、本発明において共重合ポリエステルとは、ジカルボン酸成分とジオール成分が合わせて少なくとも3種以上用いて重縮合して得られる構造を有する。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。グリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。本発明の積層フィルムでは、樹脂Aがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂Bは、エチレングリコール、スピログリコールおよびブチレングリコールの少なくとも3種のジオール由来の残基を含んでいることが必要である。典型的な例としては、エチレングリコール、スピログリコールおよびブチレングリコールを用いて共重合して得られる構造を有した共重合ポリエステルや該3種のジオールを用いて重合して得られる構造を有したポリエステルをブレンドして得られるポリエステルがある。この構成だと成形加工がしやすくかつ層間剥離もしにくいために好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂Bが、テレフタル酸/シクロヘキサンジカルボン酸の少なくとも2種のジカルボン酸由来の残基を含むポリエステルであることが好ましい。このようなポリエステルには、テレフタル酸/シクロヘキサンジカルボン酸を共重合したコポリエステル、またはテレフタル酸残基を含むポリエステルとシクロヘキサンジカルボン酸残基を含むポリエステルをブレンドして得られるものがある。シクロヘキサンジカルボン酸残基を含んだポリエステルは、A層の面内平均屈折率とB層の面内平均屈折率の差が大きくなり、高反射率なものが得られる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になることがなりにくく、かつ層間剥離もしにくいために好ましい。
また、「主として」の意味は、本発明のポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、本発明の目的を阻害しない範囲において他の樹脂が含まれていてもよいことを表す。例としてあげれば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などの樹脂があげられる。また、巻き特性、剛性、光学特性などの機能を付与するために、コロイダルシリカ、酸化チタン、架橋ポリスチレンなどの粒子が含まれていても問題ない。これらの樹脂や粒子は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その添加量は限定されないが、好ましい範囲としては10重量%未満である。
A層とB層は、金属光沢調を発するためにはその面内平均屈折率は等しくない。A層の面内平均屈折率はB層の面内平均屈折率より相対的に高いことが好ましい。また、A層の面内平均屈折率とB層の面内平均屈折率の差が、0.03以上であることが好ましい。より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。面内平均屈折率差が0.03より小さい場合には、十分な反射率が得られず、好ましくない。また、A層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率の差が0.03以上であり、B層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率差が0.03以下であると、入射角が大きくなっても、反射ピークの反射率低下が起きないため、より好ましい。A層とB層の面内屈折率差を高くするには、B層樹脂の結晶融解温度を、235℃以下にすることが好ましく、そうすることによりテンターの熱処理でB層が配向緩和するため、より屈折率差が高くなる。また、B層が非晶性であると、高温下でも結晶化が生じにくいため、白化といった問題が生じないため好ましい。ここでいう非晶性とは、示差熱量分析(DSC)において昇温速度5℃/分で昇温させたときの結晶融解熱量が0.1mJ/mg未満であることを指す。
ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bのガラス転移温度差が20℃以下である組合せが好ましい。ガラス転移温度差が20℃より大きい場合には積層フィルムを製膜する際の厚み均一性が不良となり、金属光沢の外観不良となり易くなる。また、積層フィルムを成形する際にも、過延伸が発生するなどの問題が生じやすい。
ポリエステルBにおいて、全ジカルボン酸残基に占めるテレフタル酸残基の比率が10〜90モル%、シクロヘキサンジカルボン酸残基の比率が10〜90モル%であり、全ジオール残基に占めるエチレングリコール残基の比率が40〜90mol%、ブチレングリコール残基の比率が5〜40mol%、スピログリコール残基の比率が5〜50mol%であるこのような比率にすることにより、高い反射率が得られ、また、高温成形時に破れが生じにくく、かつ層間剥離もしにくい。
本発明の積層フィルムは、波長帯域400nm〜700nmの絶対反射率が20%以上であることが好ましい。これにより光沢感のあるフィルムを得ることができる。そのためには、層厚みを20nm以上500nm以下の範囲で徐々に厚くもしくは薄くすることにより、反射する帯域を希望の値に近づけることができる。より理想的な層厚みの範囲としては、30nm以上370nm以下である。より好ましくは、フィルム両表面における波長帯域400nm〜1000nmの絶対反射率が30%以上である。この場合、成形後も光沢感を維持し、視野角によっても色の変化がほとんど起きないものとなる。これは、可視光より高波長側(700nm以上)も絶対反射率が30%以上であるためで、例え延伸によってフィルム厚みが薄くなったり、視野角によって反射帯域が低波長側にシフトしても、可視光領域の絶対反射率は30%以上を維持できるためである。より好ましくは、波長帯域400nm〜1000nmの絶対反射率が60%以上である。絶対反射率があがるほど光沢感が高くなり、金属調の外観とすることが可能となる。反射帯域は各層の層厚みを、下記式Aに基づいて反射が起こるように設計される。また、反射率についてはA層とB層の屈折率差と、A層とB層の層数にて制御する。
2×(na・da+nb・db)=λ 式A
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)。
本発明の積層フィルムは、150℃の時の破断伸度が150%以上であることが好ましい。150℃の時の破断伸度が150%以上であると、成形加工時に破れや皺などの成形不良などが少ないものが得られて好ましい。さらに好ましくは165%以上である。150℃の時の破断伸度を150%以上とするには、ポリエステル樹脂Bに含まれるブチレングリコール残基の比率を多くすることにより達成される。
また、B層に使用する原料を、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルとを混合して押し出す形態も好ましく、このようにすると押出機内で非晶ポリエステル内に結晶性ポリエステルが微分散化して、高温時の破断伸度が大きく向上するとともに耐衝撃性も大きく向上する。特に、スピログリコールとシクロヘキサンジカルボン酸を共重合したポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートと比較して、脆く耐衝撃性が低い、破断伸度が低い、熱膨張係数が高く高温成形時に端部に皺が入りやすいといった問題があるため、このような改質は好ましい。特にここで非晶性ポリエステルとは示差走査熱量分析において2ndランにて結晶融解ピークが観測されないポリエステル樹脂をいう。特にポリブチレンテレフタレートを結晶性ポリエステルとして使用するのが最も好ましい形態である。耐衝撃性と高温時の破断伸度を高めるのに、結晶性ポリエステルの好ましい配合比率は全体に対して5〜40重量%である。さらに好ましくは、20〜35重量%の範囲である。また、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの含有量が、下記式(1)を満たしていると210℃で熱成形しても成形時の皺が発生しないため好ましい。また、下記式(2)を満たしていると240℃で熱成形しても成形時の皺が発生しないためさらに好ましい。下記式が0.7未満であっても、皺は発生しないものの反射率が低下するため好ましくない。
0.7≦(A+B)/(C+D)≦4.6 (1)
0.7≦(A+B)/(C+D)≦1.9 (2)
A:全ジオール残基に占めるスピログリコール残基の比率(mol%)
B:全ジカルボン酸残基に占めるシクロヘキサンジカンロン残基の比率(mol%)
C:全体に対するポリエチレンテレフタレートの含有量(重量%)
D:全体に対するポリブチレンテレフタレートの含有量(重量%)
B層を構成する樹脂の屈折率は1.53以下であることが好ましい。B層を構成する樹脂の屈折率を1.53以下とすることにより高い反射率が得られる。
本発明の積層フィルムは、波長帯域400〜1400nmの絶対反射率が30%以上であることが好ましい。この場合、高温成形時で深絞り成形を行った後でも、色の変化がほとんど起きないものとなる。より好ましくは50%以上であり、この場合、高温成形時で深絞り成形を行った後でも、色の変化が全く起きないものとなる。さらに好ましくは75%以上であり、色の変化が全くなく、かつ金属光沢に優れるものである。
また、本発明の積層フィルムを成形体に用いる場合、該成形体は樹脂製の基材とその基材の表面に一体的に積層された本発明の積層フィルムと必要に応じて着色層を具備することが好ましい。基材の材質は、各種成形法で成形できるものであれば特に制限されないが、例示としてアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、FPR樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルメチレン樹脂、ポリプロピレン発泡樹脂などがあげられる。またその色調、形状は、目的に応じて種々選択できる。好ましい樹脂としては、アクリル樹脂などの硬度の高い樹脂基材を使うことにより表面硬度も向上することから好ましい。樹脂成形と積層フィルムとの一体成形の方法としては、図柄等を印刷した加飾成形用のシートもしくはフィルムを用いて、インモールド加飾成形により該シートを成形体の基材表面に一体化する方法が広く行われているが、特に限定されず、他にも、射出成形、プレス成形、インモールド転写成形法、サーモジェクト法、CFI法などで行ってもよい。
また、本発明の積層フィルム表面にハードコート層、着色層、易滑層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、紫外線吸収層、印刷層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、エンボス層、接着層などの機能性層を形成してもよい。
本発明のフィルムは、ポリマーで構成され、金属や重金属などを基本的には含まないため、環境負荷が小さく、リサイクル性にも優れ、電磁波障害を起こさないものである。また、真空成形、真空圧空成形、プラグアシスト真空圧空成形、インモールド成形、インサート成形、冷間成形、プレス成形などの各種成形法が適用できるため、低コストで立体形状を形成するものとすることが可能である。成形方法は、特に限定されるものではなく、一般に公知の成形方法、例えば、真空成形法、真空・圧空成形法、ブロー(吹き込み)成形法、プレス成形法、インサートインジェクション成形法、インモールド(金型内)成形法、押し出し成形法等で成形することができる。真空成形法および真空・圧空成形法とは、まず熱可塑性樹脂基材の全面または一部に成形加工用粘着シートを貼付しておき、この積層体を成形機の所定の位置に設置し、加熱軟化させ、木型または金型を下から送り込み、真空に引いて型に密着させ(真空成形法)、または真空に引くと共に反対側から圧縮空気で押して型に密着させ(真空・圧空成形法)、成形体を冷却後に型からはずして成形体を得る成形法である。
次に、本発明の、ポリエステルを使用した場合の、積層フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。
まずは、一般的な成形体用に用いるに好適な二軸配向ポリエステルフィルムの具体的な製造方法について記載する。まず、本発明のフィルムに用いるポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bについては、市販のポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂を用いたり、公知の方法で重縮合して得ることができるが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の場合、以下のように重合することができる。
テレフタル酸ジメチル、およびエチレングリコールの混合物に、酢酸マグネシウムと三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行なう。ついで、該エステル交換反応生成物に、リン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。粒子を添加する場合は、エチレングリコールに粒子を分散させたスラリーを所定の粒子濃度となるように重合反応釜に添加して、重合を行なうことが好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造は、たとえば以下のように行なうことができる。テレフタル酸、および1,4−ブタンジオールの混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチルと、モノヒドロキシブチルスズオキサイドとを添加しエステル化反応を行なう。ついで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチルを添加して、減圧下で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。
以上のようにして得られたポリエステル樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する際の好ましい方法について、具体的に記述する。まず、使用するポリエステル樹脂を混合する場合は所定の割合となるように計量し混合する。ついで、窒素雰囲気、真空雰囲気などで、たとえば150℃5時間の乾燥を行い、ポリエステル樹脂中の水分率を好ましくは50ppm以下とする。その後、押出機に供給し溶融押出する。なお、ベント式二軸押出機を用いて溶融押出を行なう場合は樹脂の乾燥工程を省略してもよい。ついで、フィルタやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、たとえば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
ついで、かかる未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行なう。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは、2.5〜3.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍、特に好ましくは3〜3.4倍が採用される。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましい。また延伸温度は、ガラス転移点〜(ガラス転移点+50℃)の温度が採用されるが、さらに好ましくは90〜130℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を100〜120℃、幅方向の延伸温度を90〜110℃とするのがよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なう。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行なうことができる。この熱処理は120℃以上ポリエステルの融点以下の温度で行われるが、200〜240℃の熱処理温度とするのが好ましい。フィルムの透明性、寸法安定性の点からは210〜235℃であればより好ましい。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行なうのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、横延伸工程の前で、インク印刷層や接着剤、蒸着層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、コーティング層を設けることもできる。このときの塗工液はロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、バーコーター、ダイコーター、ディップコーター等の公知の塗工手段を用いて、前記透明基材に塗布する。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行なうことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行なうのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
次に、多層積層押出法によるポリエステルフィルムの製造方法について詳細に説明する。2種類のポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出されたポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、次に多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックを用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。そのフィードブロックの構造は、多数の微細スリットを有する櫛形のスリット板に部材を少なくとも1個有しており、2つの押出機から押し出された樹脂Aと樹脂Bが、各マニホールドを経由して、スリット板に導入される。ここでは導入板を介して、樹脂Aと樹脂Bが選択的に交互にスリットに流入するため、最終的にはA/B/A/B/A・・・といった多層膜を形成することができる。また、スリット板をさらに重ね合わせることにより、層数を増やすことも可能である。また、両表層部に樹脂Cを設ける場合は、3つ目の押出機から樹脂Cを3層複合装置(フィードブロック)の表層側に導入し、中央層に多層膜を導入することによって、C/A/B/A・・・A/B/A/Cといった多層膜を形成することができる。
このようにして多層積層された溶融体を、上述のポリエステルフィルムの製造方法と同様に行い、二軸延伸フィルムを得ることができる。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)固有粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの固有粘度は、ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。
(2)ポリエステルの組成
樹脂またはフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)もしくはHFIPとクロロホルムの混合溶媒に溶解し、H−NMRおよび13 C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。
(3)積層厚み、積層数
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を4000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いても良い。
(4)フィルムの屈折率
アタゴ(株)製アッベ屈折計4Tを用いて、接眼レンズに偏光板を取り付け、偏光板の向きおよびフィルムの向きをそれぞれ調整し、フィルムの厚み方向の屈折率(nα)を測定した。なお、中間液としてヨードメタンを用いた。
(5)反射率・反射帯域
島津製作所製の分光光度計UV−3150に入射角5°の絶対反射率測定装置 ASR−3105を取り付け、付属の取扱説明書に従い、以下の条件にて400〜1500nmまでの絶対反射率を測定した。
スキャンスピード:高速
サンプリングピッチ:1nm
測定モード:シングル
スリット幅:30nm
光源切り替え波長:360nm
検出器切替波長:805nm
S/R切り替え:標準
検出器ロック:自動
スリットプログラム:標準。
なお、本発明における反射帯域は、300〜1500nmの波長範囲の間で、連続して30%以上の絶対反射率を示す波長範囲として定義される。
(6)層間剥離試験
JIS K5600(2002年)に従って試験を行った。なお、フィルムを硬い素地とみなし、2mm間隔で25個の格子状パターンを切り込んだ。また、約75mmの長さに切ったテープを格子の部分に接着し、テープを60°に近い角度で0.5〜1.0秒の時間で引き剥がした。ここで、テープにはセキスイ製セロテープ(登録商標)No.252(幅18mm)を用いた。このとき、フィルムの層間で剥離が認められなかった場合を○、剥離がわずかにでも生じていた場合を×とした。
(7)150℃の破断伸度
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの短冊形に切り出し、サンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として引張試験を行った。測定は予め150℃の温度に設定した恒温層中にフィルムサンプルをセットし、60秒間の予熱の後で引張試験を行った。得られた荷重−歪曲線から各方向の破断伸度を求めた。なお、測定は各サンプル、各方向に5ずつ行い、算出最大値、最小値を除く3点の平均値で評価を行った。
(8)耐衝撃性
ポリエステル容器底部の平坦部分を目視で観察し成形の流れ方向およびその90°方向をそれぞれ幅2mm×50mm長に切り出して試験サンプルとし、東洋精機製作所製シャルピー衝撃試験機(容量:10kg・cm、ハンマー重量:1.019kg、ハンマーの空持ち上げ角度:127度、軸心より重心までの距離:6.12cm)を用い、試験温度−20℃で試験数n=10を測定した。成形の流れ方向およびその90°方向の衝撃強度の平均値を求め、サンプルの断面積(サンプル厚み×サンプル幅)で除し、MJ/mの単位に換算して、下記基準により耐寒衝撃性を評価した。なお、○は耐寒衝撃性が優れ、△は耐寒衝撃性が実用上問題なく、耐寒衝撃性が劣ることを示す。
○:衝撃強度が1.0MJ/mを超える。
△:衝撃強度が0.5〜1.0MJ/mの範囲である。
×:衝撃強度が0.5MJ/m未満。
(9)成形性
真空成形装置SANWA KOGYO PLAVAC TYPE FB−7を用いてテストした。210℃に加熱した試料に、深さ20mm、直径50mmの円柱状のカップを押し当て、さらにカップ内の空気を一瞬で抜き取って真空にした。このとき試料がカップの形状に追従して変形するものは、成形性が高いと判断し、◎とした。また試料がカップに追従して変形するものの、角部分が十分に成形されないものを○とした。さらに試料がカップに追従せず、ほとんど変形しないものは成形性が低いと判断し、△とした。また、成形中にフィルムに破れが生じたものを×とした。
(10)成形時の変色
上記条件にて真空成形を行った時に、試料が全ての部分において変色が起きていない場合を○とした。また、試料が角部分でわずかに変色が起きているものを△とした、また、試料が角以外の湾曲部分において変色が起きているものを×とした。
(11)成型時の皺
上記条件にて真空成形を行った時に、フィルムの端部に皺が発生していない場合を○、発生している場合を×とした。また、成形時の温度は210℃と240℃で実施した。
(12)結晶融解温度
示差熱量分析(DSC)を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って測定・算出した。一軸の押出機にて、温度280℃で溶融時間7分で吐出後、すぐに10℃以下の冷水で冷却した溶融混練ポリエステルチップを、25℃から290℃まで20℃/minで昇温した。このとき、あらわれるピークトップを結晶融解温度とした。
比較例5(ただし、以下の実施例、比較例では実施例1として参照する。)
2種類の樹脂として、ポリエステル樹脂Aとして、固有粘度0.65、融点255℃のポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも表す)[東レ製F20S]を用い、ポリエステル樹脂Bとして固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(スピログリコール成分20mol%、ブチレングリコール成分5mol%共重合したPET)に酸化防止剤である“アデカスタブ”(登録商標)AS36[ADEKA製]を0.1重量%添加したものを用いた。これらポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、それぞれ乾燥した後、別々の押出機に供給した。
ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、それぞれ、押出機にて270℃の溶融状態とし、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比がポリエステル樹脂A/ポリエステル樹脂B=1.2/1になるように計量しながら、スリット数267個のスリット板1とスリット数269個のスリット板2とスリット数267個のスリット板3によってポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bを交互に積層し、フィードブロックにて合流させて、801層に積層された積層体とした。合流したポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、フィードブロック内にて各層の厚みが表面側から反対表面側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させ、ポリエステル樹脂Aが400層、ポリエステル樹脂Bが401層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。また、隣接するA層とB層の層厚みはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。この設計では、350nm〜1200nmに反射帯域が存在するものとなる。このようにして得られた計801層からなる積層体を、マルチマニホールドダイに供給、さらにその表層に別の押出機から供給したポリエステル樹脂Aからなる層を形成し、シート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。なお、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bが合流してからキャスティングドラム上で急冷固化されるまでの時間が約8分となるように流路形状および総吐出量を設定した。
得られたキャストフィルムを、75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.0倍延伸し、その後一旦冷却した。次に、この一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で235℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。
得られた積層フィルムは、層間剥離がなく、優れた光沢調を有し、かつ、成形によって破れが生じなかった。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分21mol%共重合したPET)と、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも表す)である“トレコン”(登録商標)[東レ製]と、PET[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、69.9/10/20/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
ポリエステル樹脂Bとして固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分20mol%、スピログリコール成分15mol%、ブチレングリコール成分20mol%共重合したPET)に酸化防止剤である“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を0.1重量%添加したものを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分21mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、PET[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、69.9/20/10/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。実施例3と比べ、耐衝撃性が向上していた。
(実施例5)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.80のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分65mol%、スピログリコール成分48mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、84.9/15/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。また、反射帯域が350nm〜1400nmに存在するように、フィードブロックの各厚みを調整している。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。得られた積層フィルムは、成形時にも破れがなく、また変色も全くないものであった。
(実施例6)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分10mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、PET[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、64.9/30/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例7)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分10mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、シクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したPETであるGN001[イーストマンケミカル製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、64.9/18/17/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。また、フィードブロックを201層スリット板1枚のものに変更し、このときの反射帯域を400〜1000nmに存在するように、スリットの各厚みを調整している以外は、その他の条件・装置については実施例1と同様である。また、その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例8)
ポリエステル樹脂Aとして、固有粘度0.59のポリエチレンナフタレート(PEN)を用い、ポリエステル樹脂Bは実施例7と同じものを用いた。また、フィードブロックを51層スリット板1枚のものに変更し、反射帯域を400〜750nmに存在するように、スリットの各厚みを調整している以外は、その他の条件・装置については実施例1と同様である。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例9)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分21mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、PET[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、89.9/5/5/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例5と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例10)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分21mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、PET[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、79.9/10/10/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例5と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例11)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分10mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、シクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したPETであるGN001[イーストマンケミカル製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、64.9/18/17/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す
(実施例12)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分21mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、PET[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、64.9/25/10/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例13)
ポリエステル樹脂Bとして、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分21mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、PET[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、49.9/25/25/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリエステル樹脂Bに代えて、GN001[イーストマンケミカル製]を用いた以外は、その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表2に示す。
(比較例2)
ポリエステル樹脂Bに代えて固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分20mol%、スピログリコール成分15mol%共重合したPET)を用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表2に示す。
(比較例3)
ポリエステル樹脂Bに代えて、GN001[イーストマンケミカル製]とPET[東レ製]を82/18の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリエステル樹脂Bに代えて、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分21mol%共重合したPET)と、PET[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、69.9/30/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表2に示す。
(比較例5)
ポリエステル樹脂Bに代えて、固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%共重合したPET)と、PBT“トレコン”[東レ製]と、“アデカスタブ”AS36[ADEKA製]を、69.9/30/0.1の重量比率で混合し、ベント付きの二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。その他の条件・装置については実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。得られた結果を表2に示す。
Figure 0005418235
Figure 0005418235
本発明の積層フィルムは、自動車などの内外装パネル、建材、包装、家具、家電製品、携帯電話各種カード類などの意匠材として利用することができる。

Claims (5)

  1. 主としてポリエステル樹脂Aからなる層(A層)と主としてポリエステル樹脂Bからなる層(B層)が交互にそれぞれ50層以上積層された構造を含む二軸延伸フィルムであり、前記ポリエステル樹脂Bは、全ジカルボン酸残基に占めるテレフタル酸残基の比率が10〜90モル%、シクロヘキサンジカルボン酸残基の比率が10〜90モル%であり、全ジオール残基に占めるエチレングリコール残基の比率が40〜90mol%、ブチレングリコール残基の比率が5〜40mol%、スピログリコール残基の比率が5〜50mol%であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記ポリエステル樹脂Bはテレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸の少なくとも2種のジカルボン酸由来の残基を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 150℃の時の破断伸度が150%以上である請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. ポリエステル樹脂Bの屈折率が1.53以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 波長帯域400〜1400nmの波長における絶対反射率が30%以上であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の積層フィルム。
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