JP6070550B2 - 光学反射フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、同時重層塗布により屈折率の異なる層を交互積層することで形成した光学反射フィルムに関し、金属光沢調フィルム、可視光着色フィルム、遮熱フィルムに好適に使用できるフィルムに関する。
屈折率の異なる層を交互積層したフィルムにおいて光学膜厚を調整することで、可視光を反射するように設計できることは知られている。
特許文献1には、SiO層とSi層とを交互にスパッタで設けた後に、アニールを行い、酸素(O)を拡散させて混合層を形成することで、スパッタの2層成膜で3層(O拡散層)構成を実現できることが開示されている。スパッタを用いる製法においては、確かに3層から2層成膜に減らせるため低コスト化が図られるが、大面積でスパッタ層を2層設けることは、同時重層塗布と比較すれば明らかにコスト高となる。
また、特許文献2には、屈折率が異なる特定ポリエステル成分Aと、特定ポリエステル成分Bとの交互積層膜を溶融押し出しにより形成し、さらに二軸延伸を行うことによって、波長帯域400〜1400nmにおいて反射率ピークを有する膜が得られることが開示されている。本方法の場合は、(1)一層辺り数十nm程度の薄膜が必要で、延伸率が大きくなり膜厚ムラが生じる、(2)層間の混合領域が無いことで、膜厚ムラの試料面内での可視光領域の反射率ムラに対する影響が大きくなり光学特性が十分ではない。
また、特許文献3には、金属酸化物や金属化合物微粒子を含む熱硬化型シリコーン樹脂や紫外線硬化型アクリル樹脂を有機溶媒中に分散させた高屈折率層塗布液を、バーコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法が知られている。しかしながら、開示されている方法では、前述と同様、層間の混合領域がないために光学特性が十分でない。
特許第4678268号公報 特開2010−184493号公報 特開平8−110401号公報
従って、本発明の目的は、製造コストが安く、大面積化が可能であり、可視光領域の反射率ムラが低減された生産性と光学特性とを両立する光学反射フィルムを得ることである。
本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
1.水溶性高分子と金属酸化物粒子とを、高屈折率層および低屈折率層の少なくとも1層に含有し、前記高屈折率層と前記低屈折率層とを交互に積層させたユニットをフィルム支持体上に少なくとも一つ有する光学反射フィルムにおいて、
前記高屈折率層と前記低屈折率層とを同時重層塗布することにより、前記高屈折率層と前記低屈折率層との間に、前記高屈折率層と前記低屈折率層との混合領域を設け、可視光波長領域の少なくとも1つの領域に平均反射率が30%以上100%以下である領域を有する光学反射フィルム。
2.前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも一方が、乾燥膜厚600nm以上、1200nm以下の層を含む、前記1に記載の光学反射フィルム。
3.前記光学反射フィルムが、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた、光学膜厚の異なる2種以上のユニットを有する、前記1または2に記載の光学反射フィルム。
4.2種以上の前記ユニットが、可視光を主反射するユニットを1種以上、および、近赤外光を主反射するユニットを1種以上含む、前記3に記載の光学反射フィルム。
5.前記水溶性高分子が、ゼラチン、ポリビニルアルコール、および増粘多糖類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記1〜4のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
6.前記金属酸化物粒子がルチル型二酸化チタンである、前記1〜5のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
7.前記混合領域における屈折率の変化が連続的である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
本発明により、製造コストが安く、大面積化が可能であり、可視光領域の反射率ムラが低減された生産性と光学特性とを両立する光学反射フィルムを得ることができる。
本発明の光学反射フィルムの反射特性の一例を示す図である。
以下本発明を詳細に説明する。
屈折率の異なる層を交互積層し光学膜厚を調整することで、可視光〜赤外線を反射するように設計できることは知られている。
しかし、屈折率の異なる層を交互積層したのみでは、反射を得たい波長領域以外の波長領域に高次の反射が生じて、反射特性が所望とズレたフィルムになってしまう場合がある。
これを防止する方法として、例えば、高屈折率層A(屈折率nA)及び低屈折率層C(屈折率nC)からなる交互積層ユニットによって赤外反射フィルムを構成する場合、屈折率の関係がnB=(nA・nC)0.5の関係を持つ屈折率の異なる層Bを前記高屈折率層A及び低屈折率層Cとともに、ABCBの順でこれを交互積層し、さらに各層の光学膜厚の比率がA1/3、B1/6、C1/3になるように設定した交互積層ユニットを有するポリマーフィルムの積層体が知られている(例えば、特許第3067863号公報など)。
本発明は、基本的にはこのような構成を採りつつも、高屈折率層中の高屈折率材料と低屈折率層中の低屈折率材料との両方が存在する領域(混合領域)を設ける、すなわち、高屈折率層(高屈折率領域)と低屈折層(低屈折率領域)との間に前記高屈折率層と低屈折率層とが混合した混合領域を設けたことを特徴とするものである。
即ち、本発明の光学反射フィルムは、水溶性高分子と金属酸化物粒子とを、高屈折率層および低屈折率層の少なくとも1層に含有し、前記高屈折率層と前記低屈折率層とを交互に積層させたユニット(以下「交互積層ユニット」ともいう)をフィルム支持体(例えば樹脂フィルム)上に少なくとも一つ有する光学反射フィルムにおいて、前記高屈折率層と前記低屈折率層とを同時重層塗布することにより、前記高屈折率層と前記低屈折率層との間に、前記高屈折率層と前記低屈折率層との混合領域を設けることを特徴とする。同時重層塗布で混合領域を形成することにより、別途前記層Bを設置する方法に比べて、塗布時に必要な層数を1/2に減らすことができ大幅にコスト削減が可能である。
高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを同時重層塗布すると、セットまでの時間において、各塗布液構成成分(高屈折率材料と低屈折率材料)が混じり合い、結果として界面に、高屈折率材料と低屈折率材料との比率が連続的に変化する混合領域を形成できる。すなわち、本発明の一実施形態において、混合領域における屈折率の変化が連続的である。
これにより、前記のような、高屈折率層塗布液A(屈折率nA)及び低屈折率層塗布液C(屈折率nC)を用いて交互積層を同時重層塗布により形成すると、それぞれの層が混合した領域(混合領域)中に、平均で屈折率が略nB=(nA・nC)0.5の関係となるよう屈折率が連続的に変化する領域(前記層Bに相当する)を形成できる。
これらの混合領域の屈折率の膜厚方向のプロファイルは、それぞれの層が混合し屈折率が交互に連続的に変化する構造の中で、最大屈折率−最小屈折率=Δnとした場合、最大屈折率に対して屈折率が最大屈折率−Δn/3になる位置が最大屈折率から最小屈折率までの幅(層厚)に対して最大屈折率点から0.9/3〜1.1/3の範囲にあるよう、また、最小屈折率に対しては、最小屈折率+Δn/3になる位置が最大屈折率から最小屈折率までの幅(層厚)に対して最小屈折率点から0.9/3〜1.1/3の範囲にあるよう連続した屈折率プロファイルをもつことが好ましい。
このような連続的な屈折率の変化を持たせることで、前記の交互積層構造に相当させると共に、また、屈折率が段階的変化ではなく、連続的、かつなめらかに変化することで、主反射バンドの反射波長領域に近いサイドバンド領域の反射も抑えられ、また、製造過程で膜厚が変動しても光学反射特性のロバスト性が高い光学反射フィルムが得られる。混合領域の屈折率プロファイルはサインカーブを示すのが好ましい。
従って、本発明の交互積層ユニットは、前記の如く、高屈折率層A、及び低屈折率層Cと略nB=(nA・nC)0.5の関係となる中間の屈折率を有する層Bとを前記高屈折率層A及び低屈折率層Cとともに、ABCBの順で各層が明確に交互積層されたものではなく、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを同時重層することによって、高屈折率層(高屈折領域)から低屈折領域へとその混合領域において屈折率が連続的に変化する構造を持つ交互積層体である。本発明において屈折率の連続的に変化している状態は、例えば、後述の金属酸化物濃度プロファイルを観察することで判定することができる。
また、屈折率の膜厚方向プロファイルにおいて、最大屈折率から最小屈折率までの幅(層厚;乾燥膜厚)をTとしたとき、該幅(層厚)Tの中をT/4ずつに区切って、任意のT/4区間の屈折率差の最小値をΔSとした時、(Δn/16)≦ΔS≦(Δn/2)を満たしていることが望ましい。ここでΔnは最大屈折率と最小屈折率との差である。連続した屈折率を持つものではΔSは所定の値以上の屈折率差(Δn/16)を有する。全てのT/4間で差がΔn/2のとき屈折率はリニアに変化している。
このように屈折率が連続的に変化する構造をもつ交互積層ユニットを採用することで、平均反射率、さらには後述する平均可視光反射率を向上することができ、また反射ムラを抑えることができる。
本発明に係るこれらの構成は、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを同時重層塗布することで得ることができ、生産性もよく、大面積で生産可能であり、また、膜厚変動があっても光学反射特性のロバスト性が高く、特に、数十nm程度の薄い膜厚が要求され、膜厚変動の影響を受けやすい可視光領域の光学特性に優れた光学反射フィルムを得ることができる。
同時重層塗布による前記高屈折率層と前記低屈折率層との混合領域を形成した積層ユニットにおいて、屈折率プロファイルは、これらの積層膜における膜厚方向での高屈折率材料および低屈折率材料の濃度プロファイルを測定することで知ることができる。すなわち、積層膜の膜厚方向での材料(高屈折率材料および低屈折率材料)の濃度プロファイルから組成によって屈折率に換算することができる。
具体的には、高屈折率材料および低屈折率材料として金属酸化物が用いられる場合、屈折率プロファイルは、これらの積層膜における膜厚方向での金属酸化物濃度プロファイルを測定することで知ることができる。
例えば、同時重層塗布による前記高屈折率層と前記低屈折率層との混合領域を形成した交互積層ユニットにおいて、高屈折率材料および低屈折率材料として金属酸化物が用いられる場合、例えば高屈折率層に例えば高屈折率材料として酸化チタンを、また、低屈折率層は低屈折率材料として酸化ケイ素を含有している場合、これらの積層膜における膜厚方向での金属酸化物濃度プロファイルを測定することで知ることができる。そして、積層膜の膜厚方向での金属酸化物濃度プロファイルから組成によって屈折率に換算することができる。
積層膜の金属酸化物濃度プロファイルは、スパッタ法を用いて表面から深さ方向へエッチングを行い、XPS表面分析装置を用いて、最表面を0nmとして、0.5nm/minの速度でスパッタし、原子組成比を測定することで観測することができる。
XPS表面分析装置としては、特に限定なく、いかなる機種も使用することができるが、本発明では、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いるものとする。X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定する。
〔膜設計〕
本発明においては、少なくとも隣接した2層(高屈折率層及び低屈折率層)の屈折率差が、0.2以上が好ましく、より好ましくは0.3以上である。また、上限には特に制限はないが通常1.4以下である。本発明の交互積層ユニットは、高屈折率層及び低屈折率層の境界が混合領域となっているが、高屈折率層および低屈折率層を同時重層塗布して作製するので、便宜的に2層ということで説明している。ここで高屈折率層と低屈折率層との屈折率差は、実際には高屈折領域の最大屈折率点と低屈折率領域の最低屈折率点との差である。
以下の説明においても便宜的に2層ということで説明している。
隣接した層界面での反射は、層間の屈折率比に依存するので、この屈折率比が大きいほど反射率が高まる。また、単層膜でみたとき層表面における反射光と、層底部における反射光の光路差を、n・d=波長/4、で表される関係にすると位相差により反射光を強めあうよう制御でき、反射率を上げることができる。ここで、nは屈折率、dは層の物理膜厚、n・dは光学膜厚である。この光路差を利用することで、反射を制御できる。反射中心波長を設定すると、この関係を利用して、各層の屈折率と膜厚とを制御して、可視光や、近赤外光の反射を制御する。即ち、各層の屈折率、各層の膜厚、各層の積層のさせ方で、特定波長領域の反射率をアップさせる。
本発明は可視光波長領域の少なくとも1つの領域に平均反射率が30%以上、100%以下の領域を設けることを特徴とする。該平均反射率は好ましくは40〜100%であり、より好ましくは50〜100%である。当該構成は上述のように交互積層ユニットを構成する各層の屈折率、物理膜厚を制御することによって得ることができる。
平均反射率は、分光光度計(日立製作所社製 U−4000型)に5°反射ユニットを付け、光学反射層の面側を測定面にして、波長1〜波長2までの波長領域において、2nm間隔で(波長2−波長1)/2+1点の反射率を測定し、得られた反射率を全て足し合わせた値を、(波長2−波長1)/2+1で除することにより測定される。
したがって、波長1が400nmであり、波長2が700nmである場合の平均反射率、すなわち、可視光波長領域全体(400〜700nm)の平均反射率は、以下の平均可視光反射率と等しい。
平均可視光反射率とは、分光光度計(日立製作所社製 U−4000型)に5°反射ユニットを付け、光学反射層の面側を測定面にして、400〜700nmの領域で、2nm間隔で151点の反射率を測定し、得られた反射率を全て足し合わせた値を、151で除することで測定する。
本発明の光学反射フィルムにおいては、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.70〜2.50であり、より好ましくは1.80〜2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.55である。各屈折率層の好ましい膜厚は、前記n・d=波長/4の式に従い、通常、1層が25〜300nmであることが好ましく、50〜130nmであることがより好ましい。より具体的には、可視光反射の好ましい膜厚は、前記n・d=波長/4の式に従い、通常、1層が30nm〜130nmであることが好ましく、より好ましくは、50nm〜85nmである。近赤外光反射の好ましい膜厚は、前記n・d=波長/4の式に従い、1層が80〜300nmであることが好ましく、85〜170nmであることがより好ましく、90〜130nmであることがさらに好ましい。
本発明の前記交互積層ユニットにおいては、いずれか一つの層に膜厚600nm〜1200nmの厚膜層を好ましく用いることができる。すなわち、本発明の一実施形態は、前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも一方が乾燥膜厚600〜1200nmの層を含む。より好ましくは全乾燥膜厚を薄くする方がハンドリングが容易である点から前記高屈折率層および前記低屈折率層の一方のみに乾燥膜厚600〜1200nmの層を含み、さらに好ましくは可視光領域の光反射バンドのバンド幅を広くして効率的に可視光反射を行う点から低屈折率層に乾燥膜厚600〜1200nmの層を含む。この厚膜層は、(1)反射する波長域をブロード化できる、(2)支持体との隣接層に用いた場合、支持体との密着性を向上できる、(3)厚膜が応力緩和の機能を発揮し積層膜付きフィルムの物性を向上できる効果がある。より好ましくは、該乾燥膜厚が700nm〜1000nmである。
なお、交互積層ユニットにおいて、交互積層ユニットを構成する前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも一方が上記厚膜層を含む場合、厚膜層以外の層は前述したようなn・d=波長/4の式に従って求められる膜厚を有することが好ましい。
本発明においては複数の交互積層ユニットを用いることができる。すなわち、本発明の一実施形態は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた、光学膜厚の異なる2種以上のユニットを有する。なお、光学膜厚の異なるユニットとは、ある交互積層ユニットを構成する層の光学膜厚が他の交互積層ユニットを構成する層の光学膜厚と異なっていることをいう。具体的には、(1)ある交互積層ユニットを構成する高屈折率層の光学膜厚が他の交互積層ユニットを構成する高屈折率層の光学膜厚と異なる、(2)ある交互積層ユニットを構成する低屈折率層の光学膜厚が他の交互積層ユニットを構成する低屈折率層の光学膜厚と異なる、または(3)ある交互積層ユニットを構成する高屈折率層および低屈折率層の光学膜厚がそれぞれ他の交互積層ユニットを構成する高屈折率層および低屈折率層の光学膜厚と異なる、ことをいう。光学膜厚(屈折率nと物理膜厚dとの積n・d)は交互積層ユニットを構成する層(高屈折率層および低屈折率層の少なくとも一方)の材料(高屈折率材料および低屈折率材料の少なくとも一方)および/または膜厚を変化させることにより制御することができる。各ユニットごとに光学膜厚を変更することにより、(1)反射する波長域をブロード化できる、(2)バンドのエッジを急峻化できる、(3)リップルを低減できる、(4)高次の反射を抑制できる、(5)入射角変化によりバンドシフトを低減できる、(6)偏光違いで光学反射特性が変化するのを抑制できる、等の効果があり有用である。特に(1)では、可視光反射ユニットと近赤外光反射ユニットを積層することにより、光吸収剤を用いることなく、全て反射モードで遮熱フィルムを形成でき、製造コストや熱吸収することがないので熱割れ防止のメリットが大きい。
本発明の光学反射フィルムは、少なくとも一つの高屈折率層及び低屈折率の交互積層ユニットで構成され、光学反射フィルムにおける該高屈折率層及び該低屈折率層の総層数をnとした場合、n/2の位置、すなわち総層数の1/2の位置(境界領域)を基準として、それより基材側の構成層(下層部領域ともいう)の総膜厚をΣd1、基準位置から最表層までの構成層(上層部領域ともいう)の総膜厚をΣd2としたとき、膜厚比Σd1/Σd2が1.05以上、1.80以下であることが好ましい。
総層数nが偶数である場合には、層1〜層n/2までの下層部領域と層n/2+1〜層nまでの上層部領域との境界領域は、層n/2と層n/2+1との界面となる。また、総層数nが奇数である場合には、境界領域(n+1/2)に該当する層を基準として、境界領領域(n+1/2)に該当する層の下層側で、境界領領域(n+1/2)に該当する層を除いた基材までの構成層の総膜厚をΣd1とし、界領領域(n+1/2)に該当する層の上層側で、境界領領域(n+1/2)に該当する層を除いた最表層までの構成層の総膜厚をΣd2と定義する。
[高屈折率層、低屈折率層]
高屈折率層および低屈折率層はそれぞれ、高屈折率材料および低屈折率材料ならびに必要に応じてバインダーとしての水溶性高分子、硬化剤、アミノ酸、後述する各種の添加剤を含んで構成される。なお、高屈折率材料および低屈折率材料としては金属酸化物粒子、金属微粒子、高屈折率ポリマー、低屈折率ポリマー等が挙げられる。また、場合によっては、水溶性高分子を高屈折率材料または低屈折率材料として用いることができる。
本発明では、高屈折率層および低屈折率層の少なくとも1層は水溶性高分子と金属酸化物粒子とを含有する。すなわち、高屈折率層および低屈折率層の両方が水溶性高分子と金属酸化物粒子とを含有してもよい。あるいは、高屈折率層および低屈折率層の一方のみが水溶性高分子と金属酸化物粒子とを含有してもよい。後者の場合、他の層の構成としては水溶性高分子を含有し金属酸化物粒子を含有しない形態や、他の公知の屈折率が異なる化合物を共存させる形態がありうる。
〔水溶性高分子〕
本発明に係る屈折率層(低屈折率層、高屈折率層)においては、各層塗布液を調製して同時重層により積層を行うため、バインダーとしてポリビニルアルコール等の合成高分子、ゼラチン、増粘多糖類等からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性高分子を用いることができる。特に、ゼラチンを用いることが好ましい。
本明細書において、「水溶性高分子」とは、該水溶性高分子が最も溶解する温度で、0.5質量%の濃度で水に溶解させた際、G2ガラスフィルタ(最大細孔40〜50μm)で濾過した場合に濾別される不溶物の質量が、加えた該水溶性高分子の50質量%以内であるものをいう。
水溶性高分子の重量平均分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、2,000以上150,000以下がより好ましく、3,000以上40,000以下がさらに好ましい。本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値を採用する。
(合成高分子)
本発明に適用可能な合成高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一級〜第三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
屈折率層(低屈折率層、高屈折率層)における合成高分子の含有量は、屈折率層の全質量(100質量%)に対して、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。合成高分子の含有量を5質量%以上とすると、強固な膜形成ができ、さらに20質量%以上とすることでそれが顕著になるためさらに好ましい。一方、屈折率制御の視点から、合成高分子の含有量は80質量%以下が好ましい。塗布液中の固形分全体に対する合成高分子の濃度を調整することで、上記範囲の屈折率層を作製することができる。
(ゼラチン)
本発明に適用可能なゼラチン(水膨潤性高分子)としては、石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンを使用してもよく、さらにゼラチンの加水分解物、ゼラチンの酵素分解物を用いることもできる。これらの水膨潤性高分子は、単独で用いても複数の種類を用いても良い。
好ましくは低分子量(例えば重量平均分子量5000〜25000)のゼラチンと高分子量(例えば重量平均分子量40000〜200000)のゼラチンとを併用することが好ましい。かかる場合には安定した塗布液粘度が得られ生産性向上効果が得られる。また、併用する場合には、塗布液粘度安定性の点から、低分子量ゼラチン:高分子量ゼラチン(質量比)が3:7〜7:3であることが好ましい。
屈折率層(低屈折率層、高屈折率層)におけるゼラチンの含有量は、屈折率層の全質量(100質量%)に対して、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。ゼラチンの含有量を5質量%以上とすると、強固な膜が形成でき、さらに20質量%以上とすることでそれが顕著になるためさらに好ましい。一方、屈折率制御の点から、ゼラチンの含有量は80質量%以下が好ましい。塗布液中の固形分全体に対するゼラチンの濃度を調整することで、上記範囲の屈折率層を作製することができる。
(増粘多糖類)
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり分子内に水素結合基を多数有するもので、温度により分子間の水素結合力の違いにより、低温時の粘度と高温時の粘度差が大きな特性を備えた多糖類であり、さらに金属酸化物微粒子を添加すると、低温時にその金属酸化物微粒子との水素結合によると思われる粘度上昇を起こすものであり、その粘度上昇幅は、添加することにより40℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。
本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、β1−4グルカン(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等)、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸及びアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられ、塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点から、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。その様な多糖類としては、例えば、L−アラビトース、D−リボース、2−デオキシリボース、D−キシロースなどのペントース、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類であることが好ましい。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖がキシロースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がガラクトースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができる。
本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用してもよい。
増粘多糖類を含有する各屈折率層(低屈折率層、高屈折率層)中における含有量としては、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。但し、他の水溶性高分子やエマルジョン樹脂等と併用する場合には、2質量%以上含有すればよい。増粘多糖類が少ないと塗膜乾燥時に膜面が乱れて透明性が劣化する傾向が大きくなる。一方、含有量が50質量%以下であれば、相対的な金属酸化物の含有量が適切となり、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易になる。
〔硬化剤〕
本発明においては、バインダーである水溶性高分子を硬化させるため、硬化剤を使用することが好ましい。すなわち、本発明に係る屈折率層(低屈折率層、高屈折率層)は硬化剤を含むことが好ましい。
本発明に適用可能なる硬化剤としては、水溶性高分子と硬化反応を起こすものであれば特に制限はなく、一般的には水溶性高分子と反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性高分子が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性高分子の種類に応じて適宜選択して用いられる。
例えば、水溶性高分子がポリビニルアルコールの場合には、ホウ酸及びその塩が好ましい。この他にも公知のものが使用でき、硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリス−アクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
水溶性高分子がゼラチンの場合には、例えば、ビニルスルホン化合物、尿素−ホルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、活性オレフィン類、イソシアネート系化合物などの有機硬膜剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウムなどの無機多価金属塩類などを挙げることができる。
水溶性高分子が増粘性多糖類の場合には、例えば、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物などを挙げることができる。
上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性高分子1g当たり1〜600mgが好ましく、更には、上記水溶性高分子1g当たり100〜600mgが好ましい。
〔金属酸化物粒子〕
本発明において金属酸化物粒子は、上記低屈折率層または高屈折率層を構成するときに用いられる。上記目的で使用される金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズ、等を挙げることができる。中でも、金属酸化物粒子として、二酸化チタン、二酸化ケイ素、及びアルミナから選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。各屈折率層における金属酸化物粒子はそれぞれ1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
金属酸化物粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層(低屈折率層、高屈折率層)の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
金属酸化物粒子は、その粒径が100nm以下であることが好ましく、より好ましくは4〜50nm、さらに好ましくは4〜35nmである。
屈折率層(低屈折率層、高屈折率層)における金属酸化物粒子の含有量は、屈折率層の全質量(100質量%)に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。金属酸化物粒子の含有量を30質量%以上になると、低屈折率層または高屈折率層としての機能を発揮でき、さらに40質量%以上とすることでそれが顕著になるためさらに好ましい。一方、金属酸化物同士の結着性を確保し、塗膜を形成させるうえで、金属酸化物粒子の含有量は95質量%以下が好ましい。塗布液中の固形分全体に対する金属酸化物粒子の濃度を調整することで、上記範囲の金属酸化物粒子を含む屈折率層を作製することができる。
低屈折率層においては、金属酸化物として二酸化ケイ素(シリカ)を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
〔二酸化ケイ素〕
本発明で用いることのできる二酸化ケイ素(シリカ)としては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、カチオン性ポリマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。
金属酸化物粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
金属酸化物粒子の種類、含有率は、高屈折率層および低屈折率層の所望の屈折率が得られるよう適宜決定すればよい。
低屈折率層においては、金属酸化物粒子として二酸化ケイ素(シリカ)を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
〔二酸化ケイ素〕
本発明で用いることのできる二酸化ケイ素(シリカ)としては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ(気相法微粒子シリカ)等が好ましく用いられる。本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカ(気相法微粒子シリカ)が好ましい。
例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された金属酸化物粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカ(気相法微粒子シリカ)としては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
本発明で好ましく用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、このコロイダルシリカをインクジェット記録用紙に使用することは、例えば、特開昭57−14091号公報、同60−219083号公報、同60−219084号公報、同61−20792号公報、同61−188183号公報、同63−17807号公報、特開平4−93284号公報、同5−278324号公報、同6−92011号公報、同6−183134号公報、同6−297830号公報、同7−81214号公報、同7−101142号公報、同7−179029号公報、同7−137431号公報、及び国際公開第94/26530号などに記載されている。
コロイダルシリカの好ましい平均粒子径は通常は5〜100nmであるが特に7〜30nmの平均粒子径が好ましい。
気相法により合成されたシリカ(気相法微粒子シリカ)及びコロイダルシリカは、その表面をカチオン変成されたものであってもよく、また、Al、Ca、Mg及びBa等で処理された物であってもよい。
また、本発明においては、コロイダルシリカ複合エマルジョンも低屈折率層において、金属酸化物として用いることができる。本発明に好ましく用いられるコロイダルシリカ複合エマルジョンは、粒子の中心部が重合体或いは共重合体等を主成分としてなり、特開昭59−71316号公報、特開昭60−127371号公報に記載されているコロイダルシリカの存在下でエチレン性不飽和結合を有するモノマーを従来公知の乳化重合法で重合して得られる。該複合体エマルジョンに適用されるコロイダルシリカの粒子径としては40nm未満のものが好ましい。
この複合エマルジョンの調製に用いられるコロイダルシリカとしては、通常2〜100nmの一次粒子のものが挙げられる。エチレン性モノマーとしては、例えば炭素数が1〜18個のアルキル基、アリール基、或いはアリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジエン等のラテックス業界で公知の材料が挙げられ、必要に応じて更にコロイダルシリカとの相溶性をより良くするためにビニルトリメトオキシシラン、ビニルトリエトオキシシラン、γ−メタクリロオキシプロピルトリメトオキシシラン等の如きビニルシランが、また、エマルジョンの分散安定に(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のアニオン性モノマーが助剤的に使われる。なお、エチレン性モノマーは必要に応じて2種類以上を併用することができる。
また、乳化重合におけるエチレン性モノマー/コロイダルシリカの比率は固形分比率で100/1〜200であることが好ましい。
本発明に使用されるコロイダルシリカ複合体エマルジョンの中でより好ましいものとしては、ガラス転移点が−30〜30℃の範囲のものが挙げられる。
また、組成的に好ましいものとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のエチレン性モノマーが挙げられ、特に好ましいものとしては(メタ)アクリル酸エステルとスチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸アラルキルエステルの共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸アリールエステル共重合体が挙げられる。
乳化重合で使われる乳化剤としては、例えばアルキルアリルポリエーテルスルホン酸ソーダ塩、ラウリルスルホン酸ソーダ塩、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硝酸ソーダ塩、アルキルアリルスルホサクシネートソーダ塩、スルホプロピルマレイン酸モノアルキルエステルソーダ塩等が挙げられる。
好ましい粒子径は1次粒子で10nm以下、また二次粒子で30nm以下であり、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる。
高屈折率層に含有される金属酸化物としては、TiO、ZnO、ZrOが好ましく、高屈折率層を形成するための後述の金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点ではTiO(二酸化チタン)ゾルがより好ましい。また、TiOの中でも特にアナターゼ型よりルチル型の方が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高いことから好ましい。すなわち、本発明の一実施形態において、金属酸化物粒子はルチル型二酸化チタンである。
〔二酸化チタン〕
二酸化チタンゾルの製造方法
ルチル型微粒子二酸化チタンの製造方法における第1の工程は、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(工程1)である。
二酸化チタン水和物は、硫酸チタン、塩化チタン等の水溶性チタン化合物の加水分解によって得ることができる。加水分解の方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。中でも硫酸チタンの熱加水分解によって得られたものであることが好ましい。
上記工程(1)は、例えば、上記二酸化チタン水和物の水性懸濁液に、上記塩基性化合物を添加し、所定温度の条件下において、所定時間処理する(反応させる)ことにより行うことができる。
上記二酸化チタン水和物を水性懸濁液とする方法は特に限定されず、水に上記二酸化チタン水和物を添加して攪拌することによって行うことができる。懸濁液の濃度は特に限定されないが、例えば、TiO濃度が懸濁液中に30〜150g/Lとなる濃度であることが好ましい。上記範囲内とすることによって、反応(処理)を効率よく進行させることができる。
上記工程(1)において使用するアルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の塩基性化合物としては特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。上記工程(1)における上記塩基性化合物の添加量は、反応(処理)懸濁液中の塩基性化合物濃度で30〜300g/Lであることが好ましい。
上記工程(1)は、60〜120℃の反応(処理)温度で行うことが好ましい。反応(処理)時間は、反応(処理)温度によって異なるが、2〜10時間であることが好ましい。反応(処理)は、二酸化チタン水和物の懸濁液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムの水溶液を添加することによって行うことが好ましい。反応(処理)後、反応(処理)混合物を冷却し、必要に応じて塩酸等の無機酸で中和した後、濾過、水洗することによって微粒子二酸化チタン水和物を得ることができる。
また、第2の工程(工程(2))として、工程(1)によって得られた化合物をカルボン酸基含有化合物及び無機酸で処理してもよい。ルチル型微粒子二酸化チタンの製造において上記工程(1)によって得られた化合物を無機酸で処理する方法は公知の方法であるが、無機酸に加えてまたは無機酸に代えてカルボン酸基含有化合物を使用して、粒子径を調整することができる。
上記カルボン酸基含有化合物は、−COOH基を有する有機化合物である。上記カルボン酸基含有化合物としては、2以上、より好ましくは2以上4以下のカルボン酸基を有するポリカルボン酸であることが好ましい。上記ポリカルボン酸は、金属原子への配位能を有することから、配位によって微粒子間の凝集を抑制し、これによって好適にルチル型微粒子二酸化チタンを得ることができるものと推測される。
上記カルボン酸基含有化合物としては特に限定されず、例えば、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、プロピルマロン酸、マレイン酸等のジカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ多価カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;エチレンジアミン四酢酸等を挙げることができる。これらのなかから、2種以上の化合物を同時に併用するものであってもよい。
なお、上記カルボン酸基含有化合物の全部又は一部は、−COOH基を有する有機化合物の中和物(例えば、−COONa基等を有する有機化合物)であってもよい。
上記無機酸としては特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等を挙げることができる。上記無機酸は、反応(処理)用液中の濃度が0.5〜2.5モル/L、より好ましくは0.8〜1.4モル/Lになるように加えるとよい。
上記工程(2)は、上記工程(1)によって得られた化合物を純水中に懸濁させ、攪拌下、必要に応じて加熱して行うことが好ましい。カルボン酸基含有化合物及び無機酸の添加は同時であっても順次添加するものであってもよいが、順次添加することが好ましい。
添加は、カルボン酸基含有化合物添加後に無機酸を添加するものであっても、無機酸添加後にカルボン酸基含有化合物を添加するものであってもよい。
例えば、上記工程(1)によって得られた化合物の懸濁液中にカルボキシル基含有化合物を添加し、加熱を開始し、液温が60℃以上、好ましくは90℃以上になったところで無機酸を添加し、液温を維持しつつ、好ましくは15分〜5時間、より好ましくは2〜3時間攪拌する方法(方法1);上記工程(1)によって得られた化合物の懸濁液中を加熱し、液温が60℃以上、好ましくは90℃以上になったところで無機酸を添加し、無機酸添加から10〜15分後にカルボン酸基含有化合物を添加し、液温を維持しつつ、好ましくは15分〜5時間、より好ましくは2〜3時間攪拌する方法(方法2)等を挙げることができる。これらの方法によって行うことにより、好適な微粒子状のルチル型二酸化チタンを得ることができる。
上記工程(2)を上記方法1によって行う場合、上記カルボン酸基含有化合物は、TiO100モル%に対し0.25〜1.5モル%使用するものであることが好ましく、0.4〜0.8モル%の割合で使用することがより好ましい。カルボン酸基含有化合物の添加量が0.25モル%より少ない場合は粒子成長が進んでしまい目的とする粒子サイズの粒子が得られないおそれがあり、カルボン酸基含有化合物の添加量が1.5モル%より多い場合は粒子のルチル化が進まずアナタースの粒子ができてしまうおそれがある。
上記工程(2)を上記方法2によって行う場合、上記カルボン酸基含有化合物は、TiO100モル%に対し1.6〜4.0モル%使用するものであることが好ましく、2.0〜2.4モル%の割合で使用することがより好ましい。
カルボン酸基含有化合物の添加量が1.6モル%より少ない場合は粒子成長が進んでしまい目的とする粒子サイズの粒子が得られないおそれがあり、カルボン酸基含有化合物の添加量が4.0モル%より多い場合は粒子のルチル化が進まずアナタースの粒子ができてしまうおそれがあり、カルボン酸基含有化合物の添加量が4.0モル%を超えても効果は良好なものとならず、経済的に不利である。また、上記カルボン酸基含有化合物の添加を無機酸添加から10分未満で行うと、ルチル化が進まず、アナタース型の粒子ができてしまうおそれがあり、無機酸添加から15分を超えて行うと、粒子成長が進みすぎ、目的とする粒子サイズの粒子が得られない場合がある。
上記工程(2)においては、反応(処理)終了後冷却し、更にpH5.0〜pH10.0になるように中和することが好ましい。上記中和は、水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水等のアルカリ性化合物によって行うことができる。中和後に濾過、水洗することによって目的のルチル型微粒子二酸化チタンを分離することができる。
また、二酸化チタン微粒子の製造方法として、「酸化チタン−物性と応用技術」(清野学 pp255〜258(2000年)技報堂出版株式会社)等に記載の公知の方法を用いることができる。
二酸化チタン微粒子の好ましい一次粒子径は、粒径4〜50nm、より好ましくは4〜35nmである。
〔アミノ酸〕
本発明においては、各屈折率層(低屈折率層、高屈折率層)において、更に、金属酸化物の分散性を向上させる目的で、アミノ酸を添加してもよい。
本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよいが、等電点が6.5以下のアミノ酸であることが好ましい。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、等電点が6.5以下のいずれの異性体も単独であるいはラセミ体で使用することができる。
本発明に適用可能なアミノ酸に関する詳しい解説は、化学大辞典1 縮刷版(共立出版;昭和35年発行)268頁〜270頁の記載を参照することができる。
本発明において、好ましいアミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、β−アラニン、セリン、ε−アミノ−n−カプロン酸、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等を挙げることができ、水溶液として使用するためには、等電点における溶解度が、水100gに対し、3g以上が好ましく、たとえば、グリシン、アラニン、セリン、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどが好ましく用いられ、金属酸化物粒子が、バインダーと緩やかな水素結合を有する観点から、水酸基を有する、セリン、ヒドロキシプロリンを用いることがさらに好ましい。
〔屈折率層のその他の添加剤〕
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができる。
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔フィルム支持体(樹脂フィルム)〕
本発明の光学反射フィルムは少なくとも一つの上述した交互積層ユニットをフィルム支持体上に有する。フィルム支持体は交互積層ユニットを支持できる限り特に制限されない。
本発明に用いられるフィルム支持体としては、種々の樹脂フィルムを用いることが好ましく、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に用いられるフィルム支持体の厚みは、10〜300μm、特に20〜150μmであることが好ましい。また、本発明のフィルム支持体は、2枚重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
〔同時重層塗布の製造方法〕
本発明の光学反射フィルムは、高屈折率層、低屈折率層を含む複数の構成層を、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に水系で同時重層塗布した後、セット、乾燥して製造することができる。同時重層により、各塗布液がセットするまでの間に各層境界において混合がある程度生じ、前記混合領域が形成することができる。また、当該混合領域において高屈折領域から低屈折領域へと屈折率を連続的に変化させることができる。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
本発明においては、重層塗布により連続的な屈折率分布を有する積層体を形成するため、各層塗布液において前記水溶性高分子(B)と前記金属酸化物粒子(F)との質量比(F/B)が0.3〜10の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5である。
また、各屈折率層塗布液において水溶性高分子の好ましい塗布液濃度は0.3〜3質量%、より好ましくは0.35〜2質量%である。
各屈折率層塗布液のpH(塗布膜面pH)は4〜9であることが好ましく、5〜8であることがより好ましい。かかる場合には経時安定性の高い塗布液にすることができる。pHの調整は塗布液へのpH調整剤の添加や酸および/または塩基の添加により行うことができる。
セット時間の調整は金属酸化物微粒子の濃度や他の成分等により粘度を調整する、またセット時間の調整は、バインダー質量比率を調整したり、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギーナン、ジェランガム等の各種公知のゲル化剤を添加、調整等により行うことができる。
ここで「セット」とは、例えば、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間及び各層内の物質流動性を低下させる工程のことを意味する。具体的には、塗布からセットまでの時間(セット時間)は、冷風を塗布膜に表面から当てて、表面に指を押し付けたときに指に何もつかなくなった時間を言うものとする。
冷風を用いる場合の温度条件(セット時の冷風温度)としては、25℃以下が好ましく、15℃以下であることが更に好ましい。また、塗布膜が冷風に晒される時間は、塗布搬送速度にもよるが、10秒以上120秒以下であることが好ましい。
また、前記高屈折率層と前記低屈折率層との前記同時重層塗布からゾルゲル転移してセットするまでの時間を5分以内、好ましくは2分以内にすることが好ましい。また、45秒以上の時間をとることが好ましい。前記のような、光学膜厚の比率がA1/3、B1/6、C1/3の場合に相当するように、即ち、最大屈折率−最小屈折率=Δnとした場合、最大屈折率に対して屈折率が最大屈折率−Δn/3になる位置が最大屈折率から最小屈折率までの幅(層厚)に対して最大屈折率点から0.9/3〜1.1/3の範囲にあるよう、また、最小屈折率に対しては、最小屈折率+Δn/3になる位置が最大屈折率から最小屈折率までの幅(層厚)に対して最小屈折率点から0.9/3〜1.1/3の範囲にあるよう積層膜に屈折率プロファイルをもたせるためである。セットまでの時間が短すぎると好ましい成分の混合が起こらない場合がある。また、セット時間が長くなると層混合が進み必要とされる屈折率差が得られなくなるおそれがある。
同時重層塗布を行う際の各塗布液の塗布時の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
〔光学反射フィルム〕
本発明の光学反射フィルムを遮熱フィルムに用いる場合は、高分子フィルムに互いに屈折率が異なる膜を同時重層塗布により積層させた多層膜を形成し、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上で、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率40%を超える領域を有する様に光学膜厚とユニットを設計することが好ましい。
遮熱フィルムは、太陽直達光の入射スペクトルのうち赤外域が室内温度上昇に関係し、これを遮蔽することで室内温度の上昇を抑えることができる。日本工業規格JIS R3106−1998に記載された重価係数をもとに赤外の最短波長(760nm)から最長波長3200nmまでの累積エネルギー比率をみてみると、波長760nmから最長波長3200nmまでの赤外全域の総エネルギーを100としたときの、760nmから各波長までの累積エネルギーをみると、760nmから1300nmのエネルギー合計が赤外域全体の約75%を占めている。従って、1300nmまでの波長領域を遮蔽することが熱線遮蔽による省エネルギー効果がもっとも効率がよい。
この近赤外域(760〜1300nm)の反射率を最大ピーク値で約80%以上にすると体感温度の低下が官能評価により得られる。たとえば8月の午前中の南東方法を向く窓際での体感温度が近赤外域の反射率を最大ピーク値で約80%にまで遮蔽したとき明確な差がでた。
このような機能を発現するのに必要となる多層膜構造を光学シミュレーション(FTG Software Associates Film DESIGN Version 2.23.3700)で求めた結果、屈折率が1.9以上、望ましくは2.0以上である高屈折率層を利用し、高屈折率層と低屈折率層とを合計6層以上積層した場合に優れた特性が得られることがわかっている。例えば、高屈折率層と低屈折率層(屈折率=1.35)とを交互に8層積層したモデルのシミュレーション結果をみると、高屈折率層の屈折率が1.8では反射率が70%にも達しないが、1.9になると約80%の反射率が得られる。また、高屈折率層(屈折率=2.2)と低屈折率層(屈折率=1.35)を交互に積層したモデルでは、積層数が4では反射率が60%にも達していないが、6層になると約80%の反射率が得られる。
このように光学膜厚を変化させることで反射する光の波長をコントロールできるので、前記高屈折率層と低屈折率層を交互に積層させたユニットにおいて、高屈折率層と低屈折率層の光学膜厚が異なるユニットを複数のセット積層した構成とすることで、反射する光の範囲を広げて、近赤外のみでなく、赤外又可視光領域の一部までを反射する遮熱フィルムとすることができる。
すなわち、本発明の一実施形態において、前記光学反射フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた、光学膜厚の異なる2種以上のユニットを有し、2種以上の前記ユニットが、可視光を主反射するユニットを1種以上、および、近赤外光を主反射するユニットを1種以上含む。かかる構成とすることで、熱吸収する部分が無いため、輻射による熱線遮蔽性低下を防止でき、熱線遮蔽による省エネルギー効果を効果的に得ることができる。
なお、「可視光を主反射する」とは、波長帯域400〜700nmの波長で最大反射波長を与えることをいう。また、「近赤外光を主反射する」とは、波長帯域780〜1300nmの波長で最大反射波長を与えることをいう。
〔光学反射フィルムの応用〕
本発明の光学反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備(基体)に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。特に、本発明に係る光学外反射フィルムが直接もしくは接着剤(接着層)を介してガラスもしくはガラス代替樹脂等の基体に貼合されている部材には好適に使用されうる。
接着剤(接着層)は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、近赤外反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また近赤外反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の近赤外反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤(接着層)としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を接着剤(接着層)として用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール〔積水化学工業社製、三菱モンサント社製等〕、エチレン−酢酸ビニル共重合体〔デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン〕、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体〔東ソー社製、メルセンG〕等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
また、反射バンド以外の光を吸収する光吸収物質として金属酸化物を用いることができる。かかる金属酸化物としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)を好ましく用いることができ、特に好ましいのはATO、ITOである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
(試料1:比較例)
樹脂Aとしてポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、融点255℃、東レ製F20S)を使用した。また、樹脂Bとしてポリエチレンテレフタレート共重合体(固有粘度0.72、シクロヘキサンジカルボン酸成分29mol%、スピログリコール成分20mol%の共重合)、PBT(トレコン、東レ製)、PET(東レ製)、およびアデカスタブ(ADEKA製AS36)を69.9/20/10/0.1の質量比率で混合して溶融混練して固化させた樹脂を用いた。樹脂A、樹脂Bをそれぞれ押出機にて270℃の溶融状態とし、ギアポンプにて樹脂A/樹脂B=1.2/1になる様に量を測りながらスリット間を押し出し、総積層数が400層の積層体を作製し、その後、110℃の温度で横方向に3.3倍延伸し、さらに同温度、同方向で5%の弛緩処理を施し、室温まで冷却して、全膜厚40μmの比較例1の光学反射フィルムを作製した。
(試料2:比較例)
下記組成物をボールミルにて4時間分散させ、分散粒子径がD50で20nmの酸化チタンの分散液を作製した。
イソプロパノール 100質量部
ピリジン 3質量部
エチルシリケート(コルコート製、有効成分30質量%) 5質量部
ルチル型酸化チタン粒子(体積平均粒子径15nm) 10質量部
得られた分散液に、紫外線硬化バインダー(信越化学工業製X−12−2400、有効成分30質量%)1.5質量部、触媒(信越化学工業製DX−2400)0.15質量部配合し、ボールミルにて1時間分散させ、分散粒子径がD50で16nmの酸化チタン含有高屈折率層塗布液1を得た。該塗布液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が75nmとなる条件で、スピンコートを用いて塗布し、100℃乾燥後、紫外線を照射し、硬化させ、基材上に酸化チタン含有高屈折率層1を形成した。
低屈折率層塗布液1は、上記ルチル型酸化チタン粒子をシリカのオルガノゾル(平均一次粒子径10〜20nm、日産化学株式会社製、XBA−ST)に変えた以外は上記高屈折率層塗布液1と同様にして、シリカ含有低屈折率層塗布液1を作製した。
得られた、シリカ含有低屈折率層塗布液1を、乾燥膜厚が78nmとなる条件で、上記酸化チタン含有高屈折率層1上にスピンコートを用いた湿式塗布方式により塗布し、以下、酸化チタン含有高屈折率層2と同様に、乾燥、熱硬化してシリカ含有低屈折率層1を形成した。以下、同様の操作を繰り返し、酸化チタン含有高屈折率層1/シリカ含有低屈折率層1から構成されるユニットを12、トータル24層を有する比較例2の光学反射フィルムを作製した。
(試料3:本発明)
下記の添加物1)〜5)をこの順序で添加、混合して、高屈折率層塗布液2を調製した。はじめに1)酸化チタン粒子ゾルを攪拌しながら50℃まで昇温した後、2)低分子量ゼラチンを添加して30分間攪拌して、酸化チタン粒子表面を低分子量ゼラチンで被覆した。次いで、3)高分子量ゼラチンおよび4)純水を添加し、90分間攪拌した後、5)界面活性剤を添加して、高屈折率層塗布液2を調製した。この調製方法を、調製パターンAと称す。
1)20質量%酸化チタン粒子ゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型二酸化チタン粒子、堺化学株式会社製、SRD−02W) 60g
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 125g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 100g
4)純水 150g
5)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.45g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製HBC−P20)であり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)(株式会社ニッピ製AP−270)である。
下記の添加物1)〜5)をこの順序で添加、混合して、低屈折率層塗布液2を調製した。はじめに1)コロイダルシリカ(平均粒子径6nm 日産化学株式会社製 スノーテックスAK)を攪拌しながら40℃まで昇温した後、2)低分子量ゼラチンを添加して10分間攪拌した。次いで、3)高分子量ゼラチンおよび4)純水を添加し、10分間攪拌した後、5)界面活性剤を添加する調製パターンAで、低屈折率層塗布液2を調製した。
1)20質量%コロイダルシリカ 68g
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 180g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 100g
4)純水 240g
5)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.64g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチンであり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)である。
上記調製した高屈折率層塗布液2、低屈折率層塗布液2をそれぞれ45℃に保温しながら、56時間、塗布液の停滞を行った。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚がそれぞれ78nmとなるように、高屈折率層塗布液2と低屈折率層塗布液2とが交互に並ぶ様、スライドホッパーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させてそれぞれ12層の高屈折率層および低屈折率層(合計24層)から構成された光学反射フィルムを作製した。尚、膜面pHは7.2となるように調整した。pHの調整には、酢酸、アンモニア水を用いた。また、高屈折率層塗布液2、低屈折率層塗布液2の塗布時の粘度はそれぞれ12mPa・s、18mPa・sであり、15℃における粘度はそれぞれ2500mPa・s、20000mPa・sであった。
(試料4:本発明)
上記試料3の作製において、高屈折率層塗布液2、低屈折率層塗布液2ともゼラチンを除き、ゼラチン質量(低分子量ゼラチン+高分子量ゼラチン)と同量のポリビニルアルコール(以下、PVAとも称する)(ポリビニルアルコール235、クラレ社製;重量平均分子量:14万)に変更し、ホウ酸/硼砂を用いて膜面pHを5.0に調整した以外は同様にして、試料4の光学反射フィルムを作製した。なお、高屈折率層塗布液、低屈折率層塗布液の塗布時の粘度はそれぞれ13mPa・s、20mPa・sであり、15℃における粘度はそれぞれ3500mPa・s、19000mPa・sであった。
(試料5:本発明)
上記試料4の高屈折率層塗布液2に、タマリンドシードガム(MRCポリサッカライド株式会社製 TG−500)を金属酸化物粒子体積に対して15%(質量に対して4%)添加した以外同様にして、試料5の光学反射フィルムを作製した。尚、膜面pHはホウ酸/硼砂を用いてPH5.5に調整した。また、なお、高屈折率層塗布液の塗布時の粘度は21mPa・sであり、15℃における粘度は5500mPa・sであった。
(試料6〜14:本発明)
試料4の膜厚と層構成を表1に示す以外は全く試料4と同様にして、試料6〜試料14を作製した。
なお、高屈折率層H2、H3、また低屈折率層L2、L3等についてはそれぞれ各試料において形成した高屈折率層H1、低屈折率層L1を、それぞれ(光学)膜厚(nm)を代えて作製したものである。また、試料の層構成についても表1に示した。
なお、層構成について、例えば、(H1/L1)200とは、(H1/L1)(H1/L1)・・・(H1/L1)/基材というようにH1/L1を200回繰り返し積層したという意味である。
試料9〜14については、乾燥膜厚600nm以上、1200nm以下の層を含んで形成されている。
[評価方法]
(各層の屈折率の測定)
基材(石英ガラス)上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作成し、下記の方法に従って、各高屈折率層及び低屈折率層の屈折率を求めた。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理したのち、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射スペクトルの測定を行い、該反射スペクトルのカーブフィッテングにより屈折率を求めた。
(層間の混合領域の評価)
層間の混合領域は、積層膜を切断して切断面をXPS表面分析装置で高屈折率材料(TiO)および低屈折率材料(SiO)の金属元素(TiおよびSi)の存在量を測定しデプスプロファイルを求めた。
(平均可視光反射率、反射率ムラの評価)
分光光度計(日立製作所社製 U−4000型)に5°反射ユニットを付け、付属の鏡でベースライン補正したのち、光学反射層の面側を測定面にして、400〜700nmの領域で、2nm間隔で151点の反射率を測定し、得られた反射率を全て足し合わせた値を、151で除することで平均可視光反射率とした。各塗布試料を20cm×20cm用意し、これを2cm間隔の計100個のグリッドに分割し、各グリッド内の前記平均可視光反射率を測定により求めて、その最大値から最小値を減じた値を、反射率ムラの評価尺度にした。
以下の基準に基づき評価した。
1:最大値−最小値が1%未満
2:最大値−最小値が1%以上4%未満
3:最大値−最小値が4%以上8%未満
4:最大値−最小値が8%以上12%未満
5:最大値−最小値が12%以上
図1に代表例として、試料9の反射スペクトルを示す。可視光域に反射特性を有していることが判る。その他の試料も同様に、可視光域に反射バンドを検出した。
すなわち、H1/L1、H2/L2、H3/L3ユニットは可視光を主反射するユニットとして機能する。
その他の結果を表1、2に示す。
なお、表1において、最大屈折率−Δn/3とは、屈折率が、最大屈折率に対し、最大屈折率−Δn/3になる位置を、最大屈折率から最小屈折率までの幅(層厚)に対して最大屈折率点からどの位置にあるか比率で表したものである。
また、最小屈折率+Δn/3とは、同様に、最小屈折率に対しては、最小屈折率+Δn/3になる位置を最大屈折率から最小屈折率までの幅(層厚)に対して最小屈折率点からの比率で表したものである。
ΔSは、屈折率変化連続性を示す、前述した、屈折率の膜厚方向プロファイルにおいて最大屈折率から最小屈折率までの幅(層厚)Tの中をT/4ずつに区切ったときの、任意の区間における屈折率差の最小値である。
本発明を満たす構成は、XPS分析により層間にTi、Si元素の連続的な混合領域を有し、また、外観は着色しており、可視光領域に反射特性を持ち、反射率ムラも優れていることが判る。試料1、2、また下記試料15のXPS分析では、Ti、Siがそれぞれ階段状の分布になっており、混合領域は検出されなかった。また、試料2〜14の二酸化チタンを酸化ジルコニウムに変更した所、平均可視光反射率は表1、2から62%低下するものの、混合領域を検出し、また、反射率ムラも同様の傾向があることが判った。
また、以下の通り試料15を作成し同様に評価した。
(試料15:比較例)
試料2の高屈折率層塗布液1と低屈折率塗布液とを1:1の体積比で混合し、中屈折率塗布液1を作製した。高屈折率層と低屈折率層との間に中屈折率層を乾燥膜厚39nmで塗布した以外は試料2と同様にして、中屈折率層23層、トータル47層の試料15を作製した。中屈折率層(作成した中屈折率層をM1とする)の屈折率は1.67、XPS分析によるTi,Si分布は、階段状になっており、平均可視光反射率は28%、反射ムラ評価は5であった。階段状変化する屈折率分布より、本発明の連続的な屈折率分布の方が、光学特性が優れているのが判る。
Figure 0006070550
Figure 0006070550
実施例2
実施例1の試料8において、新たにH4=130nm、L4=170nmを追加し、層構成を変えた以外は試料8と同様にして、(H1/L1)(H2/L2)(H3/L3)(H4/L4)24の構成を有する光学反射フィルム(試料16)を作製した。反射率を測定したところ、可視光域の平均可視光反射率が31%、さらに近赤外領域にも反射バンドを検出し、本光学反射フィルムが、可視光〜近赤外域の広い波長範囲に反射特性を有することが判った。JIS R3106を用いて求めた日射熱取得率は51%であり、反射バンドのみで遮蔽性の高い遮熱フィルムが得られた。
すなわち、H4/L4は近赤外光を主反射するユニットとして機能する。
また、試料16の(H1/L1)(H2/L2)(H3/L3)部分の代わりに、体積比でATO(アンチモンドープ酸化スズ)/ポリビニルアルコール=4/6となる混合物層を基材と(H4/L4)24の層の間に8μm設けた(可視光吸収層)試料17を作製した。試料17の日射熱取得率は51%であり、試料16と同等であった。試料16と試料17を窓ガラス/粘着層/塗布膜/基材の構成になる様、粘着層を介して窓ガラスに張り付け、日射を当てて実技テストを行った。試料17が約2ヶ月で窓ガラスにクラックが生じたのに対し、試料16の窓ガラスへのダメージは認められず、本発明の可視光部も熱吸収の無い反射膜を設けた試料16の構成が、熱割れに対して優れているのが判った。
実施例3
実施例1の試料9において、層構成を((H1/L1)(H1/L2)(H1/L1)(H1/L2))10に変更した以外は同様にして光学反射フィルムを作製した。平均可視光反射率は99.5%であり、金属光沢の外観を有する光学反射フィルムが得られた。

Claims (6)

  1. 水溶性高分子と金属酸化物粒子とを、高屈折率層および低屈折率層の少なくとも1層に含有し、前記高屈折率層と前記低屈折率層とを交互に積層させたユニットをフィルム支持体上に少なくとも一つ有する光学反射フィルムにおいて、
    前記高屈折率層と前記低屈折率層とを同時重層塗布することにより、前記高屈折率層と前記低屈折率層との間に、前記高屈折率層と前記低屈折率層との混合領域を設け、可視光波長領域の少なくとも1つの領域に平均反射率が30%以上100%以下である領域を有し、前記混合領域の屈折率の膜厚方向のプロファイルは、最大屈折率−最小屈折率=Δnとするとき、最大屈折率に対して、屈折率が最大屈折率−Δn/3になる位置が最大屈折率から最小屈折率までの幅に対して最大屈折率点から0.9/3〜1.1/3であるプロファイルをも
    前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも一方が、乾燥膜厚600nm以上、1200nm以下の層を含む、光学反射フィルム。
  2. 前記光学反射フィルムが、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた、光学膜厚の異なる2種以上のユニットを有する、請求項1に記載の光学反射フィルム。
  3. 2種以上の前記ユニットが、可視光を主反射するユニットを1種以上、および、近赤外光を主反射するユニットを1種以上含む、請求項に記載の光学反射フィルム。
  4. 前記水溶性高分子が、ゼラチン、ポリビニルアルコール、および増粘多糖類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  5. 前記金属酸化物粒子がルチル型二酸化チタンである、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  6. 前記混合領域における屈折率の変化が連続的である、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
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