JPH06107817A - 熱成形用シート製造用樹脂材料 - Google Patents

熱成形用シート製造用樹脂材料

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JPH06107817A
JPH06107817A JP25646592A JP25646592A JPH06107817A JP H06107817 A JPH06107817 A JP H06107817A JP 25646592 A JP25646592 A JP 25646592A JP 25646592 A JP25646592 A JP 25646592A JP H06107817 A JPH06107817 A JP H06107817A
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JP
Japan
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polyester resin
sheet
glycol
resin
unit
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JP25646592A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Okamoto
知大 岡本
Toshiro Taniguchi
俊郎 谷口
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリテトラメチレンテレフタレート系ポリエ
ステル樹脂(I)およびエチレンテレフタレート単位を
25〜85モル%含有する繰り返し単位からなるポリエ
チレンテレフタレート系コポリエステル樹脂(II)より
なるポリエステル樹脂組成物からなる熱成形用シート製
造用樹脂材料である。このポリエステル樹脂組成物は、
ポリエステル樹脂(I)60〜99重量部とコポリエス
テル樹脂(II)40〜1重量部とを含む。 【効果】 本発明の樹脂材料から得られたシートを使用
して熱成形を行なった場合には、高温条件下に長時間さ
らされても変形のほとんどない、透明性に優れた形態良
好な成形品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空成形用シート等の
熱成形用シートを製造するための特定のポリエステル系
樹脂からなる材料および該ポリエステル系樹脂からなる
熱成形用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラメチレンテレフタレート(P
BT)は高い結晶性に由来して、耐熱変形性等の諸特性
に優れる高結晶化度のポリエステル成形品を与えること
からエンジニアリングプラスチックとして自動車部品、
電気部品、電子部品などの樹脂材料として広く使用され
ている。しかしながらPBTは粗大な結晶核を発生し易
いために白化傾向が強く、透明性が要求される成形品の
樹脂材料としては不適当である。このため透明性が改善
されたPBT成形品を得る試みが検討されており、その
一つの試みとして、パラキシリデングリコールなどのコ
モノマーを共重合させたPBTを樹脂材料とするシート
が提案されている(特開平3−223339号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の共重合PBTを
樹脂材料とするシートは、耐熱変形性を付与するため
に、成形後、熱処理により結晶化度を高めることが必要
である。このように上記の共重合PBTを樹脂材料とす
る成形品は、コモノマーの共重合により透明性が改善さ
れる反面、それに付随して、非晶化による耐熱変形性の
低下など、PBTが本来有する優れた諸特性が失われる
ため、熱処理等の煩雑な後処理の付加が必要となるとい
う欠点を有する。しかして本発明の目的は、熱処理等の
煩雑な後処理工程を経ない場合においても、耐熱変形性
などの高い結晶化度に由来する優れた諸特性を保持し且
つ透明性に優れた成形品を良好な付形性で製造すること
が可能なポリエステル系樹脂からなる熱成形用シート製
造用樹脂材料、および該ポリエステル系樹脂からなる熱
成形用シートを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく研究を行ってきた結果、PBTをそれと
の相溶性が高い非晶性ポリエチレンテレフタレート系コ
ポリエステルと所定の割合でブレンドして得られるポリ
エステル樹脂組成物からなるシートが、熱成形性に優
れ、またPBTの高結晶性に由来する耐熱変形性などの
優れた諸特性を保持し、且つ高温下でも白化せず透明性
が失われない熱成形品を与えることを見出し、さらに検
討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、(a)テトラメチレン
テレフタレート単位を主体とする繰り返し単位からなる
ポリエステル樹脂60〜99重量部および(b)エチレ
ンテレフタレート単位を25〜85モル%含有する繰り
返し単位からなるポリエステル樹脂40〜1重量部より
なるポリエステル樹脂組成物からなる熱成形用シート製
造用樹脂材料、ならびに該ポリエステル樹脂組成物から
なる熱成形用シートである。
【0006】本発明におけるテトラメチレンテレフタレ
ート単位を主体とする繰り返し単位からなるポリエステ
ル樹脂[以下、これをポリエステル樹脂(I)と称する
ことがある]は、高い結晶化度に由来する優れた耐熱変
形性を発揮し得る点から、繰り返し単位の80モル%以
上、とりわけ85モル%以上、がテトラメチレンテレフ
タレート単位であることが好ましい。該ポリエステル樹
脂(I)は、主として、テレフタル酸単位を主体とする
ジカルボン酸単位およびテトラメチレングリコール単位
を主体とするグリコール単位からなるが、少量であれ
ば、テレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位および/
またはテトラメチレングリコール単位以外のグリコール
単位を有していてもよい。かかるテレフタル酸単位以外
のジカルボン酸単位としては、イソフタル酸、オルトフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,
4’−ジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、ス
ルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸の
単位;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン
酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等
の脂肪族ジカルボン酸の単位などが例示される。また上
記のテトラメチレングリコール単位以外のグリコール単
位としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加
物、スピログリコールなどのグリコールの単位などが例
示される。
【0007】本発明におけるエチレンテレフタレート単
位を25〜85モル%含有する繰り返し単位からなるポ
リエステル樹脂[以下、これをポリエステル樹脂(II)
と称することがある]は、主として、テレフタル酸単位
を25モル%以上含有するジカルボン酸単位とエチレン
グリコール単位を25モル%以上含有するグリコール単
位とからなる。エチレンテレフタレート単位が25モル
%未満の場合および85モル%を越える場合には、得ら
れるシートが熱成形時に白化を生じ、得られる成形品の
透明性および形態が不良となるので好ましくない。ポリ
エステル樹脂(II)における繰り返し単位のうちの30
〜60モル%がエチレンテレフタレート単位であること
が、シートの熱成形時における白化がいっそう抑制さ
れ、透明性が特に良好な成形品が得られることから好ま
しい。
【0008】該ポリエステル樹脂(II)は分子中に、テ
レフタル酸単位以外のジカルボン酸単位および/または
エチレングリコール単位以外のグルコール単位を含み、
全ジカルボン酸単位基準におけるテレフタル酸単位以外
のジカルボン酸単位の含有率X(モル%)および全グリ
コール単位基準におけるエチレングリコール単位以外の
グルコール単位の含有率Y(モル%)は、0≦X≦7
5、0≦Y≦75および30≦X+Y≦150を満足す
る。該ポリエステル樹脂(II)が分子中に有することの
あるテレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位として
は、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、パラフ
ェニレンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム
等の芳香族ジカルボン酸の単位;コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、スベリン酸、ドデカンジオン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸の単位
などが例示される。また該ポリエステル樹脂(II)が分
子中に有することのあるエチレングリコール単位以外の
グルコール単位としては、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレ
ンオキサイド付加物、スピログリコールなどのグリコー
ルの単位などが例示される。
【0009】ポリエステル樹脂(II)は、得られるシー
トの熱成形性およびそれを用いた熱成形品の耐熱変形性
および透明性が特に良好となる点から、実質的に非晶性
であることが好ましい。したがって、テレフタル酸単位
以外のジカルボン酸単位および/またはエチレングリコ
ール単位以外のグルコール単位は、得られるポリエステ
ル樹脂(II)が実質的に非晶性となるような組合せおよ
び含有率に設定することが好ましい。例えば、ポリエス
テル樹脂(II)がテレフタル酸単位およびエチレングリ
コール単位以外の構造単位としてシクロヘキサンジメタ
ノール単位のみを含む場合には、該シクロヘキサンジメ
タノール単位の含有率としては、全グリコール単位基準
で15〜75モル%の範囲内が好ましい。なお、ここで
いう「実質的に非晶性」であるとは、150℃で3時間
の熱処理を施した樹脂試料をDSC(示差走査熱量測
定)法により10℃/分の昇温条件下で熱分析した場合
に、融解による吸熱ピークが実質的に認められないこと
を意味する。さらに、ポリエステル樹脂(I)およびポ
リエステル樹脂(II)は、それぞれ熱可塑性を実質的に
損なわない程度の少ない量であれば、例えばトリメリッ
ト酸、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能性
化合物から誘導される3価以上の単位を必要に応じて含
んでいてもよい。
【0010】ポリエステル樹脂(I)およびポリエステ
ル樹脂(II)の極限粘度は、必ずしも限定されるもので
はないが、シートの熱成形性およびそれから得られる成
形品の力学的特性等の観点から、フェノール/テトラク
ロロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定した極限粘
度が、ポリエステル樹脂(I)では0.65〜1.50
dl/gの範囲内であり、ポリエステル樹脂(II)では
0.45〜1.00dl/gの範囲内であることが好ま
しい。
【0011】上記のポリエステル樹脂(I)およびポリ
エステル樹脂(II)は、いずれも、ポリテトラメチレン
テレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの通
常の熱可塑性ポリエステル樹脂を製造するのに一般的に
採用されている方法に準じて製造することができる。例
えば、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸またはそ
の低級アルキルエステルからなるジカルボン酸原料と、
テトラメチレングリコールまたはエチレングリコールを
主体とするグリコール原料とを、エステル化反応または
エステル交換反応させて低重合体を得、該低重合体を溶
融重縮合させてポリエステルを生成させ、ついでこのポ
リエステルをダイス状、円柱状等の任意の形状のチップ
とし、更に所望により該チップを固相重合することによ
りチップ状のポリエステル樹脂を製造することができ
る。
【0012】本発明の熱成形用シート製造用樹脂材料
は、ポリエステル樹脂(I)60〜99重量部とポリエ
ステル樹脂(II)40〜1重量部とをブレンドすること
によって得ることができる。これらのポリエステル樹脂
(I)およびポリエステル樹脂(II)における重量部で
表される組成比は、両ポリエステル樹脂の重量の和を基
準(100重量部)とするものである。ポリエステル樹
脂(I)の割合がポリエステル樹脂(II)40重量部に
対して60重量部未満である場合には、得られるシート
が熱成形時に白化を生じ、得られる成形品の耐熱変形
性、透明性および形態が不良となる。またポリエステル
樹脂(I)の割合がポリエステル樹脂(II)1重量部に
対して99重量部を越える場合には、得られるシートの
熱成形性および透明性が低下し、そのシートから得られ
る熱成形品の形態および透明性が不良となる。シートの
熱成形時における白化がいっそう抑制され、透明性が特
に良好な成形品が得られる点において、ポリエステル樹
脂(I)とポリエステル樹脂(II)の組成比は、ポリエ
ステル樹脂(I)/ポリエステル樹脂(II)の重量比に
おいて65/35〜95/5の範囲内であることが好ま
しい。本発明の熱成形用シート製造用樹脂材料における
ポリエステル樹脂組成物では、ポリエステル樹脂(I)
とポリエステル樹脂(II)とのブレンドの形態はとくに
限定されることなく、ポリエステル樹脂(I)のチップ
とポリエステル樹脂(II)のチップとのチップブレンド
物、ポリエステル樹脂(I)とポリエステル樹脂(II)
との溶融ブレンド物等の任意のものが挙げられる。
【0013】本発明の熱成形用シートは、ポリエステル
樹脂(I)およびポリエステル樹脂(II)からなるポリ
エステル樹脂組成物を溶融成形することにより得ること
ができ、例えば、ポリエステル樹脂(I)のチップとポ
リエステル樹脂(II)のチップとのチップブレンド物を
溶融混練し、引き続き溶融成形する方法、ポリエステル
樹脂(I)とポリエステル樹脂(II)との溶融ブレンド
物からなるチップを溶融成形に供する方法等の任意の方
法を採用することができる。また、溶融成形方法として
はとくに限定されることなく、熱可塑性樹脂からなる熱
成形用シートの製造法として知られている任意の方法を
採用することができ、例えばTダイまたは環状ダイによ
る押出成形法、カレンダーロールによるシート成形法、
流延法等が採用される。これらの溶融成形方法の中で
も、Tダイによる押出成形法、カレンダーロールによる
シート成形法が得られたシートの内部応力が少なく、耐
熱変形性が特に良好となる成形品を与え易い点で好まし
い。例えば、押出成形法による場合は約220〜280
℃の押出温度でTダイより押出した後、約20〜70℃
の冷却ロールで冷却してシートを製造するのがよい。ま
た、表面状態が良好なシートを得るために、冷却ロール
との接触時点で必要に応じて5〜15KV程度の静電圧
を印加してもよい。
【0014】本発明でいう「熱成形」(thermoformin
g)とは、シートを加熱・軟化させて真空成形、圧空成
形、プレス成形、ブロー成形等により成形して所定形状
の成形品を製造する成形をいう。本発明のシートの厚さ
は特に限定されず、通常の熱成形技術に使用できる程度
の厚みであればどのような厚さでもよい。熱成形によっ
て所定形状を有する成形品を製造し得るものである限り
は、フイルムに近い薄いシートからプレートに近い厚い
シートまで包含される。通常、シートの厚さは約10〜
1000μの範囲である。本発明の熱成形用シートは加
熱した後、または加熱と同時に真空成形、圧空成形、プ
レス成形、ブロー成形のような通常の熱成形技術によっ
て、例えば凹部等を有する任意の形状に成形することが
でき、特に真空成形用として適している。真空成形によ
る場合は、直接真空成形法(ストレート法)、ドレープ
法、エアスリップ法、スナップバック法、プラグアシス
ト法等の既知の真空成形法のいずれもが採用できる。ま
た、本発明のシートを用いた熱成形時の加熱温度は、ポ
リエステル樹脂の組成等により異なる場合もあるが、一
般にシート表面温度が約80〜160℃の範囲になるよ
うにするのが好ましい。80℃未満であるとシートの軟
化が不足し金型への密着が不完全になることにより形態
不良が発生する場合があり、一方160℃を越えるとシ
ートのドローダウン(drawdown)により成形が困難とな
る場合があり、また結晶化による白化の発生等の問題を
生じる場合がある。
【0015】本発明の熱成形用シートを熱成形して得ら
れた成形品は、電気製品、電気部品、日用雑貨品、食品
等の種々の製品の包装容器として使用することができ、
特に耐熱変形性の要求されるレトルト用途への使用が有
効であり、150℃程度の高温下においても透明性に優
れ、且つ変形、容積の縮小等を生じず当初の形態および
寸法を保持する。
【0016】
【作用】本発明の熱成形用シートは熱成形性に優れ、し
かも耐熱変形性に優れ且つ高温下でも白化せず透明性が
失われない熱成形品を与えるが、これらの作用効果は次
の理由によるものと推定される。すなわち、該シートお
よびそれから得られる熱成形品を構成する樹脂において
は、非晶性であるかまたは結晶性が低いポリエステル樹
脂(II)のマトリックス中に、結晶性が高いポリエステ
ル樹脂(I)が適度な寸法で分散して存在しているもの
と推定され、それに由来して、ポリエステル樹脂(I)
における高度の結晶化により成形品が優れた耐熱変形性
を発揮し、その一方で結晶粒径が微細であるためシート
の熱成形性および成形品の透明性が良好となるものと推
定される。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例により限定されない。
【0018】なお、下記の実施例および比較例におい
て、得られたポリエステル樹脂の極限粘度は、フェノー
ル/テトラクロロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測
定した。さらに、得られたポリエステル樹脂のうちポリ
エチレンテレフタレート系コポリエステルについては、
採取した試料を150℃で3時間の熱処理に付したの
ち、30℃から290℃まで10℃/分の速度で温度を
上昇させながらDSC法で熱分析することにより、融点
および融解熱量を測定した。さらに、真空成形により得
られたカップ状成形品の耐熱変形性は以下に記載した容
積保持率により評価した。
【0019】<容積保持率の測定>下記の実施例および
比較例において、真空成形により製造されたカップ状成
形品を、恒温槽により温度140℃の空気雰囲気中で1
時間静置した後、該熱処理前後の容積から以下の式によ
り容積保持率(%)を求めた。容積保持率が100%に
近い程、元の容積がそのまま保持されていることとな
り、耐熱変形性が優れているということができる。 容積保持率(%)=(V1/V0)×100 (ここで、V1は恒温槽内に1時間静置した後のカップ
状成形品の容積を表し、V0はカップ状成形品の元の容
積を表す)
【0020】またカップ状成形品の透明性は、「白化が
なく透明性良好である(○)」、「白化がやや認められ
透明性がやや劣る(△)」および「白化が著しく透明性
不良である(×)」の3段階で評価した。
【0021】<実施例1>エチレングリコール69.2
モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール3
0.8モル%からなるグリコール原料とテレフタル酸と
から、グリコール原料:テレフタル酸のモル比が1.
2:1になるように調整してスラリーを形成し、このス
ラリーを加圧下(絶対圧2.5kg/cm2)、250
℃の温度でエステル化率が95%になるまでエステル化
反応させて低重合体を製造した。次に、触媒として35
0ppmの三酸化アンチモンを加えて絶対圧1トールの
減圧下、280℃の温度で低重合体を重縮合し、極限粘
度0.75dl/gのポリマーを調製した。このポリマ
ーをノズルからストランド状に押出し、切断して長さ
3.2mm、直径2.8mmの円柱状チップを製造し
た。得られたポリエステル樹脂チップを1H−NMRに
より分析したところ、該ポリエステルは1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール単位が全グリコール単位中33モ
ル%含まれているポリエチレンテレフタレート系コポリ
エステルであることが確認された。さらに、このポリエ
チレンテレフタレート系コポリエステルを前述の方法で
DSC法により熱分析したところ、明瞭な融解吸熱ピー
クが認められなかったことから、該コポリエステルは実
質的に非晶性であることが判明した。
【0022】テトラメチレングリコールとテレフタル酸
ジメチルとをモル比が1.3:1となるように調整して
250ppmのテトライソプロピルチタネートを触媒と
して、常圧下に145℃から230℃まで徐々に昇温さ
せ、エステル交換反応を行い低重合体を製造した。次
に、絶対圧1トールの減圧下、240℃の温度で低重合
体を重縮合し、極限粘度0.85dl/gのポリマーを
調製した。このポリマーをノズルからストランド状に押
出し、切断して長さ3.2mm、直径2.8mmの円柱
状ポリテトラメチレンテレフタレートチップを製造し
た。
【0023】得られたポリエチレンテレフタレート系コ
ポリエステルチップ25重量部とポリテトラメチレンテ
レフタレートチップ75重量部とをブレンドし、Tダイ
押出機(川田製作所製;EMS−II)により温度230
〜270℃で溶融混練・押出を行った後、40℃の冷却
ロールで冷却して厚さ500μのポリエステル樹脂シー
トを製造した。
【0024】上記で製造したシートをその表面温度が1
30℃になるように加熱した後、真空成形して、絞り比
が1/0.7の凹部の底部直径が6.5cmで深さが1
1.0cmの円筒形のカップ状成形品を製造した(凹部
容積V0=425cc)。得られたカップ状成形品は、
白化がなく透明性に優れ、また真空成形用金型の形状に
よく一致した、良好な形態を有していた。このカップ状
成形品を、上記したように温度140℃の恒温槽内に1
時間静置した後、容積を測定してV1とし、上記式によ
り容積保持率を求めた。得られたカップ状成形品の評価
結果を下記表2に示す。
【0025】<実施例2、3、4>ポリエチレンテレフ
タレート系コポリエステル樹脂におけるコモノマーの種
類を、1,4−シクロヘキサンジメタノールから表1に
示す化合物に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリ
エチレンテレフタレート系コポリエステル樹脂を製造
し、これをポリテトラメチレンテレフタレート樹脂とブ
レンドし、カップ状成形品を得た。これらの評価結果を
表2に示す。
【0026】<比較例1、2>ポリエチレンテレフタレ
ート系コポリエステル樹脂におけるコモノマーの共重合
量を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にし
て、ポリエチレンテレフタレート系コポリエステル樹脂
を製造し、それとポリテトラメチレンテレフタレート樹
脂とを用いてカップ状成形品を得た。これらの評価結果
を表2に示す。
【0027】<実施例5、比較例3>ポリエチレンテレ
フタレート系コポリエステル樹脂とポリテトラメチレン
テレフタレート樹脂とのブレンド比を表1に示すように
変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状成形品を
得た。これらの評価結果を表2に示す。
【0028】<比較例4>ポリエチレンテレフタレート
系コポリエステル樹脂を使用しない以外は実施例1と同
様にして、カップ状成形品を得た。その評価結果を表2
に示す。なお得られたシートはすでに白化していた。
【0029】
【表1】
【0030】なお、上記表1中の「含有率」とは、ポリ
エチレンテレフタレート系コポリエステルにおけるコモ
ノマーに由来する構造単位の全ジカルボン酸単位基準ま
たは全グリコール単位基準での含有率(1H−NMR分
析に基づく定量値)を表す。また表1中の「融点」の欄
における「なし」とは、DSC法による熱分析において
明瞭な融解吸熱ピークが認められなかったことを意味す
る。
【0031】
【表2】
【0032】上記表2中の「透明性」の欄における
「○」は「白化がなく透明性良好である」ことを表し、
「×」は「白化が著しく透明性不良である」ことを表
す。また表2中の「形態」の欄における「良」は「真空
成形用金型に合致した形状を有し、形態良好である」こ
とを表し、「不良」は「真空成形用金型への密着性が低
く、形態不良である」ことを表す。
【0033】上記の結果から、実施例1〜5の本発明の
樹脂材料および熱成形用シートを用いて得られた成形品
は、容積保持率が95%以上と耐熱変形性が極めて良好
であること、しかも成形品は透明性に優れ、かつ形態良
好であることがわかる。これに対して、ポリエチレンテ
レフタレート系コポリエステルにおけるエチレンテレフ
タレート単位の含有率が本発明で特定された範囲から外
れる場合(比較例1および2)には、シートの熱成形に
より得られた成形品の透明性および形態が劣ることがわ
かる。2種のポリエステル樹脂のブレンド比が本発明で
特定された範囲から外れる場合(比較例3)には、シー
トの熱成形により得られた成形品の耐熱変形性、透明性
および形態が劣ることがわかる。また比較例4のポリテ
トラメチレンテレフタレートのみを樹脂材料とした場合
には、シート中に大きな結晶が含まれているためか熱成
形に供した時の付形性が悪く、また得られた成形品にお
いても大きな結晶の存在のためか透明性が不良であるこ
とがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明の樹脂材料から得られたシートを
使用して真空成形などの熱成形を行なった場合には、高
温条件下に長時間さらされても変形のほとんどない、透
明性に優れた形態良好な成形品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)テトラメチレンテレフタレート単
    位を主体とする繰り返し単位からなるポリエステル樹脂
    60〜99重量部および(b)エチレンテレフタレート
    単位を25〜85モル%含有する繰り返し単位からなる
    ポリエステル樹脂40〜1重量部よりなるポリエステル
    樹脂組成物からなる熱成形用シート製造用樹脂材料。
  2. 【請求項2】 (a)テトラメチレンテレフタレート単
    位を主体とする繰り返し単位からなるポリエステル樹脂
    60〜99重量部および(b)エチレンテレフタレート
    単位を25〜85モル%含有する繰り返し単位からなる
    ポリエステル樹脂40〜1重量部よりなるポリエステル
    樹脂組成物からなる熱成形用シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002047361A (ja) * 2000-08-03 2002-02-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐熱性ポリエステルシート及びその成形品
JP2010184493A (ja) * 2009-01-14 2010-08-26 Toray Ind Inc 積層フィルム

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