JP3156890B2 - ポリエステルシート及びそれからなる成形品 - Google Patents

ポリエステルシート及びそれからなる成形品

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JP3156890B2
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polyester
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雅之 川辺
正樹 山本
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カネボウ株式会社
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステルシート及び
ポリエステル成形品に関する。更に詳しくは、耐衝撃性
の時間的な低下の少ない透明ポリエステルシート及びそ
のシートを熱成形した透明ポリエステル成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート(以下PETと記す)は、機械的特性、耐熱
性、耐薬品性、寸法安定性等が優れているために繊維、
フィルム、プラスチックとして広く利用されている。最
近、ポリエステルシートを素材として作られた成形品は
容易に成形可能でかつ良好な透明性、光沢、ガス透過性
を有するため、種々の商品包装のための容器等として利
用する試みがなされている。
【0003】しかしながら、これらの成形品は、従来の
塩化ビニール製の容器に比べて時間的な物理的性質の低
下が大きく、この点を改善することが必要である。
【0004】前記の公知のPETから作られた包装容器
は、ガラス転移温度以下の温度であっても長時間放置す
ると物理的性質が著しく低下する。たとえば、保管倉庫
内の状況(20〜30℃の温度、50〜60%RHの湿
度)で長時間放置すると、伸度および耐衝撃性が低下す
るため割れやすくなるという欠点を有しており、その改
善が望まれていた。
【0005】本発明者らは、時間的な物理的性質の低下
の少ないポリエステルシートを得るべく鋭意研究を重ね
たところ、物理的性質が低下する主な原因は、PETの
自由体積の減少すなわちPETの比容積の減少にあるこ
とを見出した。
【0006】特公昭63−59371号公報には、PE
Tを押出機により溶融混合せしめた後、スリット状のダ
イから吐出せしめる際に、冷却ドラムにより急冷するこ
とで得られたシートの伸度を改良する方法が開示されて
いる。しかし、このような急冷工程を施しても長時間放
置すると伸度および耐衝撃性の低下を起こし、シートお
よび成形品は割れやすくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
とするところは、前記のポリエステルシートの欠点をな
くし、長時間放置しても耐衝撃性が低下しない透明なポ
リエステルシートおよびポリエステル成形品を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は
(a)ポリエチレンテレフタレート樹脂50〜95重量
部と、(b)ガラス転移温度が80℃以上で、かつ密度
が1.32g/cm3以下のポリエステル樹脂(ポリエ
チレンテレフタレート樹脂を除く)5〜50重量部とか
らなる組成物のシートであって、該シートの密度が1.
33g/cm3以下であることを特徴とするポリエステ
ルシート及びそのシートを熱成形して得られるポリエス
テル成形品に関するものである。
【0009】本発明で用いられるPET樹脂は、テレフ
タル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えば低級ア
ルキルエステル等)と、エチレングリコールまたはその
エステル形成性誘導体(例えばモノカルボン酸エステル
エチレンオキサイド等)とを公知の方法によって重縮合
せしめて得られるものである。
【0010】本発明で用いられるポリエステル樹脂(ポ
リエチレンテレフタレート樹脂を除く)は、芳香族ジカ
ルボン酸成分とグリコール成分とを公知の方法によって
重縮合せしめて得られるものであり、ジカルボン酸成分
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボ
ン酸などであり、またジオール成分としてはエチレング
リコール、1,4−シクロヘキサメチレンジメタノー
ル、ビスフェノールA等である。
【0011】本発明で用いられるポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度は80℃以上であり、100℃以上である
ことが好ましい。80℃未満では、PETの時間的な物
理的性質の低下すなわちPETの比容積の減少を促進
し、逆効果となるため好ましくない。
【0012】本発明で用いられるポリエステル樹脂の密
度は1.32g/cm3 以下であり、1.30g/cm
3 以下であることが好ましい。1.32g/cm3 を越
えるとPETの時間的な物理的性質の低下、すなわちP
ETの比容積の減少を促進し、逆効果となるため好まし
くない。
【0013】このようなポリエステル樹脂として好まし
いものは、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレン
テレフタレート樹脂等であり、これらの樹脂単独もしく
は、これらの樹脂を複数混合して用いても良く、またこ
れらの樹脂を50%以上含む変性樹脂を用いても良い。
【0014】ポリエステル樹脂の添加割合は、PET樹
脂50〜95重量部に対して5〜50重量部である。5
重量部より少ないと、シートとしてまたは容器としての
耐衝撃性の改善効果は見られず、50重量部を越えると
PET本来の特性を失うために好ましくない。
【0015】本発明に用いるポリエステルシートとは、
前記の組成物を通常の成膜手段によって得た実質的に未
延伸状態のシートである。本発明の未延伸シートの密度
は、1.33g/cm3 以下であり、実質的に非晶質の
ものである。シートの密度が1.33g/cm3 よりも
大きいと、熱成形によって成形品を製造する際に成形品
の賦形性が悪くなり、またシートの衝撃強度が低くなり
割れやすくなるため好ましくない。
【0016】かかる非晶質のポリエステルシートは、本
発明の組成物を押出機により溶融混合せしめた後、スリ
ット状のダイから吐出せしめ冷却ドラムにより急冷する
ことにより得られる。
【0017】本発明の成形品は、本発明のポリエステル
シートを熱成形して得られる。熱成形はシートを加熱軟
化せしめて所望の型に押し当て、型と材料の間隙にある
空気を除去し、大気圧により型に密着せしめて成形する
真空成形、あるいは大気圧以上の圧縮空気によりシート
を型に密着せしめる圧空成形、および真空、圧空を併用
する成形などが適用できる。
【0018】
【発明の効果】本発明のポリエステルシートおよびそれ
からなる成形品は、耐衝撃性の時間的な低下が少なく優
れた透明性を有し、塩化ビニール製容器の代用品として
広く使用できる。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。なお、
主な物性値の測定条件は表1に示した。また、耐熱性評
価は、表2に準じて行った。
【0020】
【表1】
【0021】実施例1 PET樹脂50重量部、ポリ−1,4−シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート樹脂(ガラス転移温度87
℃、密度1.20g/cm3 )50重量部をブレンドし
たのち、減圧下150℃で水分100ppm以下に乾燥
し、先端にシート押出し用ダイを装着させた30mmφ
スクリュー径の押出機に供給した。押出機シリンダー温
度270〜300℃の条件にて溶融混練し、押出しシー
トを冷却ロールにて冷却して肉厚0.2mmのポリエス
テルシートを得た。シートの密度、極限粘度、透明性
(ヘーズ)を測定した。結果を表2に示す。
【0022】このシートをKiefel社製圧空、真空
成形機を用いて成形温度100℃で、縦120mm、横
160mm、高さ37mmに熱成形した。得られた成形
品を30℃、60%RHの雰囲気中に最高3カ月放置
し、密度および耐衝撃性の変化を測定した。結果を表2
に示す。
【0023】実施例2 実施例1において、PET樹脂90重量部、ポリアリレ
ート樹脂(ガラス転移温度180℃、密度1.05g/
cm3 )10重量部とする以外は同様の測定を行った。
結果を表2に示す。
【0024】実施例3 実施例1において、PET樹脂70重量部、ポリエチレ
ンナフタレート樹脂(ガラス転移温度118℃、密度
1.32g/cm3 )30重量部とする以外は同様の測
定を行った。結果を表2に示す。
【0025】比較例1 実施例1において、PET樹脂50重量部、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂(ガラス転移温度40℃、密度
1.28g/cm3 )50重量部とする以外は同様の測
定を行った。結果を表2に示す。
【0026】比較例2 実施例1において、PET樹脂50重量部、ポリエチレ
ンイソフタレート樹脂(ガラス転移温度60℃、密度
1.35g/cm3 )50重量部とする以外は同様の測
定を行った。結果を表2に示す。
【0027】比較例3 実施例1において、PET樹脂50重量部、1,4−シ
クロヘキサメチレンジメタノールを30モル%共重合し
たPET樹脂(ガラス転移温度82℃、密度1.33g
/cm3 )50重量部とする以外は同様の測定を行っ
た。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B29D 7/01 C08L 67/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリエチレンテレフタレート樹脂
    50〜95重量部と、(b)ガラス転移温度が80℃以
    上で、かつ密度が1.32g/cm3以下のポリエステ
    ル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂を除く)5〜
    50重量部とからなる組成物のシートであって、該シー
    トの密度が1.33g/cm3以下であることを特徴と
    するポリエステルシート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシートからなるポリエス
    テル成形品。
JP14155693A 1993-05-19 1993-05-19 ポリエステルシート及びそれからなる成形品 Expired - Fee Related JP3156890B2 (ja)

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