JPH05239324A - 熱成形用シート製造用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

熱成形用シート製造用ポリエステル樹脂組成物

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JPH05239324A
JPH05239324A JP7591592A JP7591592A JPH05239324A JP H05239324 A JPH05239324 A JP H05239324A JP 7591592 A JP7591592 A JP 7591592A JP 7591592 A JP7591592 A JP 7591592A JP H05239324 A JPH05239324 A JP H05239324A
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JP
Japan
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polyester resin
sheet
component
thermoforming
resin composition
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JP7591592A
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Tomohiro Okamoto
知大 岡本
Toshiro Taniguchi
俊郎 谷口
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
ト単位からなり且つ全酸成分の5〜20モル%がイソフ
タル酸であるポリエステル樹脂に対して、平均粒径0.
01〜5μのシリカアルミナ粒子をポリエステル樹脂1
00重量部当たり0.1〜0.5重量部配合したことを特
徴とする熱成形用シート製造用ポリエステル樹脂組成
物、並びにそれから製造された熱成形用シート。 【効果】 易滑性、透明性およびヒートシール性に優れ
且つ白化のない高品質の熱成形用シートおよび成形品を
提供でき、しかもシートや成形品を製造する際の工程通
過性、成形加工性および取り扱い性が極めて良好であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空成形等の熱成形用
のシートを製造するためのポリエステル樹脂組成物、お
よび該ポリエステル樹脂組成物から製造された熱成形用
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは、透明性、力学的特性、耐熱性、耐候性、耐
薬品性等の諸特性に優れ、且つ特に環境汚染のおそれが
少ないことから、塩化ビニル樹脂の代わりに食品容器、
ブリスターパック等の製品包装用資材として近年広く使
用されるようになっている。
【0003】しかしながら、ポリエチレンテレフタレー
トシート、および該シートを真空成形等により熱成形し
て得られた包装材料は、滑り性が不良で工程通過性の不
良や生産性の低下等の問題を生じ易い。
【0004】そのような問題を解消するために、ポリエ
チレンテレフタレートシートの表面にシリコーン樹脂な
どの滑剤を塗布して易滑性を付与することが従来から知
れているが、この方法による場合はヒートシール性が低
下するためにシートをブリスターパックなどの用途に使
用することができない。
【0005】また、フイルムや繊維に表面平坦性、表面
易滑性、耐摩耗性等を付与することを目的として、ポリ
エチレンテレフタレート中にシリカアルミナ粒子を含有
させた樹脂組成物が提案されている(特開昭63−11
8324号公報)。しかしながら、本発明者らの実験に
よると、シリカアルミナ粒子を含有するポリエチレンテ
レフタレート樹脂組成物からなるシートは、ヒートシー
ル性に劣り、しかも真空成形した場合に白化を生じて透
明性を損ない易いという欠点があることが判明した。
【0006】
【発明の内容】上記の点から、本発明者らは、真空成形
を行った場合に成形品の白化が生じず、しかも易滑性お
よびヒートシール性に優れた真空成形用のシート素材と
して適したポリエステル系樹脂を得ることを目的として
研究を行ってきた。
【0007】その結果、ポリエチレンテレフタレート樹
脂において、その全酸成分をテレフタール酸から構成す
る代わりに、全酸成分の5〜20モル%がイソフタル酸
からなるポリエステルを形成し、そしてそのポリエステ
ル樹脂中に特定の平均粒径を有するシリカアルミナ粒子
を特定の量で含有させてポリエステル組成物を得て、該
ポリエステル組成物からシートを製造すると、滑性およ
びヒートシール性が良好であり、しかも真空成形を行っ
た場合に成形品の白化が生じないことを見いだした。
【0008】そして、更に研究を進めたところ、そのポ
リエステル樹脂組成物からなるシートを使用した場合に
は、真空成形品だけでなく、圧空成形、プレス成形、ブ
ロー成形のような他の熱成形技術で製造された成形品に
おいても、同様の効果を奏し得ることを見出して本発明
を完成した。
【0009】したがって、本発明は、主たる繰り返し単
位がエチレンテレフタレート単位からなり且つ全酸成分
の5〜20モル%がイソフタル酸であるポリエステル樹
脂に対して、平均粒径0.01〜5μのシリカアルミナ
粒子を上記ポリエステル樹脂100重量部当たり0.1
〜0.5重量部配合したことを特徴とする熱成形用シー
ト製造用ポリエステル樹脂組成物、ならびに該ポリエス
テル樹脂組成物からなる熱成形用シートである。
【0010】上記本発明における「主たる繰り返し単位
がエチレンテレフタレート単位からなり」とは、ポリエ
ステル樹脂の繰り返し単位の75モル%以上、95モル
%以下がエチレンテレフタレート単位からなっているこ
とを意味する。エチレンテレフタレート単位の割合が7
5モル%未満であると、ポリエステル樹脂が非結性とな
り、熱成形時におけるシートのドローダウン量が大きく
なり、一方95モル%を超えるとポリエステル樹脂の結
晶化速度が大きくなり、熱成形時に白化を生じ易くなる
とともに、ヒートシール性も低下する。
【0011】そして、本発明で使用するポリエステル樹
脂は、ポリエステル樹脂を構成している全酸成分のうち
の5〜20モル%がイソフタル酸成分から誘導された共
重合単位であることが必要である。イソフタル酸の共重
合割合が5モル%未満であると、ポリエステル樹脂の結
晶化速度が大きくなって真空成形等の熱成形時の加熱に
よって白化を生じ、成形品の商品価値が著しく低いもの
となり、しかも充分なヒートシール性を得ることができ
ない。一方、ポリエステル樹脂におけるイソフタル酸の
共重合割合が20モル%を超えると、真空成形等の熱成
形時にシートのドローダウン量が大きくなり、工程通過
性が著しく低下する。
【0012】また、本発明におけるポリエステル樹脂で
は、必要に応じて、イソフタル酸との合計量で25モル
%以下の他のジカルボン酸および/またはジオール成分
が共重合されていてもよい。共重合成分として用い得る
他のジカルボン酸としては、例えばオルトフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、
スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、
ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸を挙げることができ、必要に応じてこ
れら他のジカルボン酸の1種または2種以上を、テレフ
タル酸およびイソフタル酸と共に用いることができる。
【0013】また、共重合し得る他のジオールとして
は、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂肪族または脂環式グリコール類を挙げる
ことができ、必要に応じてこれら他のグリコールの1種
または2種以上をエチレングリコールと共に使用するこ
とができる。
【0014】更に、本発明で使用するポリエステル樹脂
では、必要に応じて、例えばトリメリット酸、ピロメリ
ット酸、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能
性化合物から誘導される共重合単位を2モル%以下の割
合で含んでいてもよい。
【0015】本発明で使用するポリエステル樹脂は、ポ
リエステル樹脂を製造するのに通常採用されているいず
れの方法に準じて製造してもよい。例えば、テレフタル
酸またはテレフタル酸ジメチル等のテレフタル酸の低級
アルキルエステルと、イソフタル酸またはイソフタル酸
ジメチル等のイソフタル酸の低級アルキルエステルとか
らなるジカルボン酸原料、および主としてエチレングリ
コールからなるグリコール原料からなる混合物を、エス
テル化反応またはエステル交換反応させて低重合体を製
造した後、この低重合体を溶融重縮合させてプレポリマ
ーを製造し、次いでこのプレポリマーをダイス状、円柱
状等の任意の形状のチップとし、更に該チップを固相重
合することによって、本発明で使用するポリエステル樹
脂のチップを得ることができる。
【0016】上記の方法において、低重合体を得るため
のエステル化反応またはエステル交換反応は、上記のグ
リコール原料およびジカルボン酸原料からなる混合物
を、通常、常圧下もしくは絶対圧で約3kg/cm2
下の加圧下に約230〜280℃でエステル化反応させ
るか、または常圧もしくはその付近の圧力条件下に約1
60〜230℃でエステル交換反応させることにより行
う。その場合のジカルボン酸原料:グリコール原料の使
用割合は、モル比で、エステル化反応による場合には約
1:1〜約1:1.5、エステル交換反応による場合に
は約1:2〜約1:3にするとよい。
【0017】また、低重合体からプレポリマーを得るた
めの上記した溶融重縮合は、通常、二酸化ゲルマニウ
ム、三酸化アンチモン等のエステル重合触媒の存在下に
約250〜290℃の温度で行うのがよい。そして、こ
のような溶融重縮合によって、通常、約0.35〜0.
70dl/gの極限粘度(フェノール/テトラクロロエ
タンの等重量混合溶媒中30℃で測定)を有するプレポ
リマーを得る。
【0018】更に、上記のエステル化反応、エステル交
換反応および/または溶融重縮合工程は、必要に応じ
て、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(テトラ
エチルアンモニウムヒドロキシド等)、トリエタノール
アミン、トリエチルアミン等のジエチレングリコール副
生抑制剤を添加して行ってもよい。
【0019】上記で得られたプレポリマーを任意形状の
チップにした後、これを通常190℃以下の温度で予備
乾燥してから上記した固相重合を行うが、固相重合は、
通常、減圧下でまたは窒素ガス等の不活性ガスの流通下
にチップを流動させながら、約190〜240℃の温度
に加熱することにより行うのがよい。機械的特性の良好
な熱成形品を得るためには、最終的に得られるポリエス
テル樹脂チップの極限粘度(フェノール/テトラクロロ
エタンの等重量混合溶媒中30℃で測定)が約0.60
〜0.90dl/gの範囲になるように固相重合を行う
のが望ましい。
【0020】そして、本発明では、上記したポリエステ
ル樹脂に、ポリエステル樹脂100重量部当たり、平均
粒径が0.01〜5μのシリカアルミナ粒子を0.1〜
0.5重量部配合して熱成形用のポリエステル樹脂組成
物を形成する。本発明で使用するシリカアルミナ粒子と
は、シリカとアルミナとの複合体であり、その代表例と
してはカオリナイト、ゼオライト、ジークライトを挙げ
ることができるが、これ以外のシリカアルミナ粒子であ
ってもよい。また、シリカアルミナ粒子の「平均粒径」
とは、シリカアルミナ粒子の一次粒子の平均粒径をい
う。
【0021】シリカアルミナ粒子の平均粒径が0.01
μ未満であると、ポリエステル樹脂組成物から得られる
シートおよび熱成形品に充分な易滑性を付与することが
できず、一方平均粒径が5μを超えると、シートおよび
熱成形品の透明性およびヒートシール性が著しく低下す
る。そして、ポリエステル樹脂100重量部当たりのシ
リカアルミナ粒子の配合量が0.1重量部未満である
と、ポリエステル樹脂組成物から得られるシートおよび
熱成形品に充分な易滑性を付与することができず、一方
シリカアルミナ粒子の配合量が0.5重量部を超える
と、シートおよび熱成形品の透明性が著しく低下し、熱
成形時に白化を生ずる。
【0022】ポリエステル樹脂中へのシリカアルミナ粒
子の配合方法としては、樹脂中にシリカアルミナ粒子を
均一に分散し得る方法であればどのような方法でもよ
く、特に、(1)ポリエステル樹脂の製造時に添加する
方法、および(2)ポリエステル樹脂チップとシリカア
ルミナ粒子とを溶融混合して予めマスターバッチを製造
しておき、このマスターバッチをシート製造時にポリエ
ステル樹脂中に加える方法が、シリカアルミナ粒子をポ
リエステル中に均一に分散させることができ好ましい。
【0023】シリカアルミナ粒子は表面処理をせずにそ
のままポリエステル樹脂中に配合しても、または必要に
応じて、シリカアルミナ粒子とポリエステル樹脂との親
和性を高めるための第4級アンモニウム化合物等の処理
剤で表面処理してからポリエステル樹脂中に配合しても
よい。
【0024】また、本発明のポリエステル樹脂組成物
は、シリカアルミナ粒子以外にも、この種のポリエステ
ル樹脂組成物で通常使用されている安定剤、着色剤等の
他の成分を必要に応じて含有していてもよい。
【0025】そして、上記により得られたポリエステル
樹脂組成物から熱成形用シートを製造する。ここで、本
発明でいう「熱成形」(thermoforming)とは、シート
を加熱して、真空成形法、圧空成形法、プレス成形法、
ブロー成形法、マッチモールド成形法、リッジ成形法等
により成形して、所定形状の成形品を製造する成形をい
う。
【0026】本発明のシートの厚さは特に限定されず、
通常の熱成形技術に使用できる程度の厚さであればどの
ような厚さでもよい。熱成形によって所定形状を有する
成形品を製造し得るものである限りは、フイルムに近い
薄いシートからプレートに近い厚いシートまで包含され
る。そのうちでも、シートの厚さを約200〜1000
μの範囲にしておくのが特に好ましい。
【0027】また、本発明の熱成形用シートは、熱成形
用シートの製造法として知られている任意の方法で製造
することができ、例えばTダイによる押出成形法;カレ
ンダーロールによるシート成形法;流延法等により製造
することができる。例えば、押出成形法による場合は、
約270〜310℃の押出温度でTダイより押出した
後、約30〜70℃の冷却ロールで冷却してシートを製
造するのがよい。また、表面状態の良好なシートを得る
ために、冷却ロールとの接触時点で5〜15kV程度の
静電圧を必要に応じて印加してもよい。
【0028】上記のポリエステル樹脂シートは、加熱し
た後、または加熱と同時に、上記した真空成形法やその
他の熱成形法によって、例えば凹部等を有する任意の形
状に成形することができ、特に真空成形用として適して
いる。真空成形による場合は、直接真空成形法(ストレ
ート法)、ドレープ法、エアスリップ法、スナップバッ
ク法、プラグアシスト法、逆圧成形法等の通常の方法を
採用することができる。
【0029】また、本発明のシートを用いる熱成形時の
加熱温度は、ポリエステル樹脂組成物で使用されている
ポリエステル樹脂の内容やシリカアルミナ粒子の種類や
配合量等により異なり得るが、一般に、シート表面の温
度が約110〜160℃の範囲になるようにするのが好
ましい。110℃未満であると、シートの軟化が不足し
金型への密着が不完全になることによる形態不良が発生
し易く、一方160℃を超えるとシートのドローダウン
(drawdown)により成形が困難となる場合があり、また
結晶化による白化の発生等の問題を生じ易い。
【0030】上記の熱成形用シートの熱成形により得ら
れた成形品は、電気製品、電気部品、日用雑貨品、食
品、その他種々の製品の包装容器などとして使用するこ
とができ、得られる成形品は白化やヘイズ(曇り)がな
く透明性に優れ、しかも易滑性およびヒートシール性に
も極めて優れていて取り扱い性が良好である。
【0031】
【実施例】以下の本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれらの例により限定されない。な
お、下記の実施例および比較例において、プレポリマー
および最終的に得られたポリエステル樹脂の極限粘度、
静摩擦係数、ヒートシール性およびシートヘイズは以下
の方法により測定した。
【0032】極限粘度:上記と同様に、プレポリマーま
たはポリエステル樹脂のフェノール/テトラクロロエタ
ンの等重量混合溶媒中において30℃で測定した。静摩擦係数 :JIS−K7125に従って測定した。ヒートシール性 :シール圧1.2kg/cm2、シール
時間1.4秒の条件でヒートシールを行い、シール可能
下限温度を求めることにより評価した。シールヘイズ :ASTM−D1003−52に従って測
定した。
【0033】《実施例 1》エチレングリコール45重
量部中にカオリナイト(平均粒径0.14μ)を分散さ
せた分散液(カオリナイト量は最終的に得られるポリエ
ステル樹脂100重量部当たり0.20重量部になるよ
うに調整)、テレフタル酸90重量部およびイソフタル
酸10重量部を混合してスラリーを形成し、このスラリ
ーを加圧下に250℃の温度でエステル化反応させて、
エステル化率が95%のビスヒドロキシエチルテレフタ
レート、ビスヒドロキシエチルイソフタレートおよびそ
れらの低重合物の混合物を調製した。
【0034】次いで、該混合物の124重量部に触媒と
して三酸化アンチモン0.046重量部を加えて、絶対
圧1トールの減圧下に、280℃で重縮合反応を行い、
極限粘度が0.65dl/gのプレポリマーを調製し
た。このプレポリマーをノズルからストランド状に押出
し、切断して長さ3.2mm、直径2.8mmの円柱状
チップを製造した。このプレポリマーチップを150℃
で5時間乾燥した後、窒素気流下に流動させながら20
5℃の温度で15時間固相重合させて、極限粘度が0.
80dl/gのカオリナイトを含有するポリエステル樹
脂組成物のチップを得た。
【0035】上記で得たポリエステル樹脂組成物のチッ
プを用いてTダイ押出機(川田製作所製;EMS−II)
により温度280〜290℃で押出した後、40℃の冷
却ロールで冷却して、該ポリエステル樹脂組成物から厚
さ500μのシートを製造した。得られたシートをその
表面温度が130℃になるように加熱した後、真空成形
して、絞り比が1/2のカップ状成形品を製造した。シ
ートの静摩擦係数、ヘイズおよびヒートシール性を上記
した方法で測定するとともに、得られたカップ状成形品
の品質を目視により観察した。その結果を下記の表1に
示す。
【0036】《実施例2〜5および比較例1〜4》ポリ
エステル樹脂におけるイソフタル酸の共重合割合、カオ
リナイトの平均粒径および/または配合割合を表1に示
したように変えた以外は、実施例1と同様にして、ポリ
エステル樹脂組成物およびシートを製造すると共にその
シートからカップ状成形品を製造した。得られたシート
の静摩擦係数、ヘイズおよびヒートシール性を上記した
方法で測定するとともに、カップ状成形品の品質を目視
により観察した。その結果を下記の表1に示す。
【0037】《比較例 5》カオリナイトの代わりにシ
リカ(平均粒径0.5μ)を使用した以外は実施例1と
同様にしてポリエステル樹脂組成物およびシートを製造
すると共にそのシートからカップ状成形品を製造して、
得られたシートの静摩擦係数、ヘイズおよびヒートシー
ル性、並びにカップ状成形品の品質を同様にして測定ま
たは評価した。その結果を下記の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1の結果から、主たる繰り返し単位
がエチレンテレフタレート単位からなり且つ全酸成分の
5または10モル%がイソフタル酸であるポリエステル
樹脂中に、平均粒径が0.01〜5μの範囲内のシリカ
アルミナ粒子(すなわちカオリナイト)をポリエステル
樹脂100重量部当たり0.1〜0.5重量部の範囲内
で含有する本発明のポリエステル樹脂組成物から得られ
た実施例1〜5のシートは、静摩擦係数が低くて易滑性
に優れ且つシートヘイズが低く透明性が良好であるこ
と、しかもヒートシール下限温度が低くヒートシール性
に優れていること、更にそれらのシートから得られた真
空成形品は白化を生じておらず品質が良好で商品価値が
高いことがわかる。
【0040】一方、比較例1の結果からは、上記実施例
1等と同じポリエステル樹脂を使用した場合であって
も、樹脂中にシリカアルミナ粒子を配合しない場合はシ
ートの静摩擦係数が極めて高く、シートに滑性がないこ
とがわかる。更に、比較例2の結果から、実施例1等に
おけるのと同じポリエステル樹脂を使用し且つ実施例1
等におけるのと同じ量のシリカアルミナ粒子を配合した
場合であっても、シリカアルミナ粒子の平均粒径が5μ
を超える場合は、シートヘイズが高くなって透明性が失
われると共に、ヒートシール可能下限温度が240℃と
高温になってヒートシールしにくくなり且つ真空成形品
に白化が生じてその商品価値が低下することがわかる。
【0041】また、比較例3の結果からは、シリカアル
ミナ粒子の配合量がポリエステル樹脂100重量部当た
り0.5重量部を超えると、その他の要件が本発明と同
じであっても、得られるシートのヘイズが高くなって透
明性が失われ、且つ真空成形品に白化が生ずることがわ
かる。そして、比較例4の結果から、ポリエステル樹脂
にイソフタル酸が共重合されていない場合は、その他の
要件が本発明と同じであっても、得られるシートがヒー
トシール不可能になると共に、真空成形品に白化が生じ
てその商品価値が低くなることがわかる。
【0042】更に、比較例5の結果から、シリカアルミ
ナ粒子以外のシリカ粒子を配合した場合には、ポリエス
テル樹脂中におけるイソフタル酸の共重合割合、粒子の
平均粒径およびその添加量が本発明と同じであっても、
良好な熱成形用シートおよび真空成形品が得られず、シ
ートヘイズが高くなって透明性が失われると共に真空成
形品に白化が生ずることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物、それ
からなる熱成形用シートおよび該シートを熱成形して得
られた成形品は、易滑性、透明性およびヒートシール性
に極めて優れているので、シートや成形品を製造する際
の工程通過性、成形加工性および取り扱い性が極めて良
好であり、且つ品質的にも優れている。しかも、本発明
の熱成形用シートを使用して熱成形を行った場合は、白
化のない商品価値の極めて高い成形品を得ることができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
    レート単位からなり且つ全酸成分の5〜20モル%がイ
    ソフタル酸であるポリエステル樹脂に対して、平均粒径
    0.01〜5μのシリカアルミナ粒子を上記ポリエステ
    ル樹脂100重量部当たり0.1〜0.5重量部配合し
    たことを特徴とする熱成形用シート製造用ポリエステル
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
    レート単位からなり且つ全酸成分の5〜20モル%がイ
    ソフタル酸であるポリエステル樹脂に対して、平均粒径
    0.01〜5μのシリカアルミナ粒子を上記ポリエステ
    ル樹脂100重量部当たり0.1〜0.5重量部配合し
    たポリエステル樹脂組成物からなる熱成形用シート。
JP7591592A 1992-02-28 1992-02-28 熱成形用シート製造用ポリエステル樹脂組成物 Pending JPH05239324A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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