JPH05279464A - ポリエステルおよびそれからなる熱成形用シート - Google Patents
ポリエステルおよびそれからなる熱成形用シートInfo
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- JPH05279464A JPH05279464A JP10876792A JP10876792A JPH05279464A JP H05279464 A JPH05279464 A JP H05279464A JP 10876792 A JP10876792 A JP 10876792A JP 10876792 A JP10876792 A JP 10876792A JP H05279464 A JPH05279464 A JP H05279464A
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- polyester
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- sheet
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- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記化1または化2で表される構造単位
(I)および下記化3または化4で表される構造単位
(II)を含有するポリエチレンテレフタレート系コポリ
エステルである。構造単位(I)および構造単位(II)
の含有率の和は0.1〜10モル%である。 【化1】 (式中、mおよびnはそれぞれ1、2または3を表す) 【化2】 【化3】 【化4】 【効果】 本発明のポリエステルからなるシートから、
透明性、形態および耐湿熱変形性に優れた成形品が得ら
れる。
(I)および下記化3または化4で表される構造単位
(II)を含有するポリエチレンテレフタレート系コポリ
エステルである。構造単位(I)および構造単位(II)
の含有率の和は0.1〜10モル%である。 【化1】 (式中、mおよびnはそれぞれ1、2または3を表す) 【化2】 【化3】 【化4】 【効果】 本発明のポリエステルからなるシートから、
透明性、形態および耐湿熱変形性に優れた成形品が得ら
れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリエチレンテ
レフタレート系ポリエステルおよび該ポリエステルから
なる熱成形用シ−トに関する。
レフタレート系ポリエステルおよび該ポリエステルから
なる熱成形用シ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレ−トは、透明
性、熱成形性、力学的特性、耐熱性、耐候性、耐薬品性
等の諸特性に優れ、特に環境汚染のおそれが少なく且つ
安価であることから、塩化ビニル樹脂の代わりに食品容
器、ブリスタ−パック等の製品包装用資材として近年広
く使用されるようになっている。しかしながら、ポリエ
チレンテレフタレ−トのシ−トを真空成形等により熱成
形して得られた包装材料は、一般に高温高湿下では変形
し易い。例えば、ポリエチレンテレフタレ−トシ−トの
真空成形容器で包装された製品を船舶で輸送するような
場合には、船倉の高温高湿条件下に長期間さらされるこ
とになるが、その場合には該包装容器が変形を生じて製
品の価値を著しく損なうという問題を生じ易い。しか
も、ポリエチレンテレフタレ−トシ−トを真空成形した
場合には、成形条件によっては白化を生じて透明性を損
ない易いという欠点がある。従来より、上記の問題、と
くに耐湿熱変形性の改良に対しては、(1)真空成形時
のシ−ト加熱温度を高温にして成形する方法、(2)真
空成形時の金型温度を高温にして成形する方法、(3)
得られた真空成形品を熱処理する方法等の諸方法によっ
て成形品中の残留応力を取り除いて耐湿熱変形性を付与
することが行われている。しかしながら、それらの方法
による場合は、結晶化による成形品の白化などの成形不
良の発生率が増大したり、成形サイクルが長くなってコ
ストの上昇を招く等の欠点があり十分満足のいくもので
はない。
性、熱成形性、力学的特性、耐熱性、耐候性、耐薬品性
等の諸特性に優れ、特に環境汚染のおそれが少なく且つ
安価であることから、塩化ビニル樹脂の代わりに食品容
器、ブリスタ−パック等の製品包装用資材として近年広
く使用されるようになっている。しかしながら、ポリエ
チレンテレフタレ−トのシ−トを真空成形等により熱成
形して得られた包装材料は、一般に高温高湿下では変形
し易い。例えば、ポリエチレンテレフタレ−トシ−トの
真空成形容器で包装された製品を船舶で輸送するような
場合には、船倉の高温高湿条件下に長期間さらされるこ
とになるが、その場合には該包装容器が変形を生じて製
品の価値を著しく損なうという問題を生じ易い。しか
も、ポリエチレンテレフタレ−トシ−トを真空成形した
場合には、成形条件によっては白化を生じて透明性を損
ない易いという欠点がある。従来より、上記の問題、と
くに耐湿熱変形性の改良に対しては、(1)真空成形時
のシ−ト加熱温度を高温にして成形する方法、(2)真
空成形時の金型温度を高温にして成形する方法、(3)
得られた真空成形品を熱処理する方法等の諸方法によっ
て成形品中の残留応力を取り除いて耐湿熱変形性を付与
することが行われている。しかしながら、それらの方法
による場合は、結晶化による成形品の白化などの成形不
良の発生率が増大したり、成形サイクルが長くなってコ
ストの上昇を招く等の欠点があり十分満足のいくもので
はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明の目的
は、透明性、熱成形性、力学的特性、耐熱性、耐候性、
耐薬品性などのポリエチレンテレフタレートが本来有す
る優れた諸特性を保持し、且つ結晶化による成形品の白
化や成形サイクルの長期化などの上記の熱成形上の欠点
がなく、しかも高温高湿の条件下に長時間さらされても
変形を生じない成形品を与えるポリエチレンテレフタレ
ート系コポリエステルおよび該コポリエステルからなる
熱成形用シートを提供することにある。
は、透明性、熱成形性、力学的特性、耐熱性、耐候性、
耐薬品性などのポリエチレンテレフタレートが本来有す
る優れた諸特性を保持し、且つ結晶化による成形品の白
化や成形サイクルの長期化などの上記の熱成形上の欠点
がなく、しかも高温高湿の条件下に長時間さらされても
変形を生じない成形品を与えるポリエチレンテレフタレ
ート系コポリエステルおよび該コポリエステルからなる
熱成形用シートを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく研究を行ってきた結果、ポリエチレンテ
レフタレートにおいて、そのグリコール単位およびジカ
ルボン酸単位をエチレングリコ−ル単位およびテレフタ
ル酸単位のみから構成する代わりに、グリコール単位お
よびジカルボン酸単位からなる全構造単位の一部を特定
の構造単位に置き換えたコポリエステルが、ポリエチレ
ンテレフタレ−トが本来有する熱成形性等の前記の優れ
た諸特性を保持しているのみならず、高温高湿下に長期
間さらされても変形が全く無いか、またはほとんど無
く、しかも透明性の良好な真空成形品を提供できること
を見出した。そして、さらに研究を進めたところ、その
コポリエステルを使用した場合には、真空成形品だけで
なく、圧空成形、プレス成形、ブロ−成形のような他の
熱成形技術で製造された成形品においても、その耐湿熱
変形性の向上や白化防止が達成されることを見出して本
発明を完成した。
的を達成すべく研究を行ってきた結果、ポリエチレンテ
レフタレートにおいて、そのグリコール単位およびジカ
ルボン酸単位をエチレングリコ−ル単位およびテレフタ
ル酸単位のみから構成する代わりに、グリコール単位お
よびジカルボン酸単位からなる全構造単位の一部を特定
の構造単位に置き換えたコポリエステルが、ポリエチレ
ンテレフタレ−トが本来有する熱成形性等の前記の優れ
た諸特性を保持しているのみならず、高温高湿下に長期
間さらされても変形が全く無いか、またはほとんど無
く、しかも透明性の良好な真空成形品を提供できること
を見出した。そして、さらに研究を進めたところ、その
コポリエステルを使用した場合には、真空成形品だけで
なく、圧空成形、プレス成形、ブロ−成形のような他の
熱成形技術で製造された成形品においても、その耐湿熱
変形性の向上や白化防止が達成されることを見出して本
発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、エチレングリコ−ル単
位を主体とするグリコ−ル単位およびテレフタル酸単位
を主体とするジカルボン酸単位からなり、かつ下記化5
または下記化6で表されるジフェニルスルホン型構造単
位(I)および下記化7または下記化8で表されるシク
ロヘキサン型構造単位(II)を、全構造単位基準におけ
る構造単位(I)と構造単位(II)の含有率の和で0.
1〜10モル%含有することを特徴とするポリエステ
ル、および該ポリエステルからなる熱成形用シートであ
る。
位を主体とするグリコ−ル単位およびテレフタル酸単位
を主体とするジカルボン酸単位からなり、かつ下記化5
または下記化6で表されるジフェニルスルホン型構造単
位(I)および下記化7または下記化8で表されるシク
ロヘキサン型構造単位(II)を、全構造単位基準におけ
る構造単位(I)と構造単位(II)の含有率の和で0.
1〜10モル%含有することを特徴とするポリエステ
ル、および該ポリエステルからなる熱成形用シートであ
る。
【0006】
【化5】 (式中、mおよびnはそれぞれ1、2または3を表す)
【0007】
【化6】
【化7】
【化8】
【0008】本発明のポリエステルの分子主鎖は、主た
る構造単位としてグリコ−ル単位とジカルボン酸単位と
をそれぞれ50モル%程度ずつ含有する。該ジカルボン
酸単位の主たる部分、好ましくは全構造単位の40〜5
0モル%をテレフタル酸単位が占め、また該グリコ−ル
単位の主たる部分、好ましくは全構造単位の40〜50
モル%をエチレングリコ−ル単位が占める。本発明のポ
リエステルにおいては、テレフタル酸単位およびエチレ
ングリコール単位以外の構造単位として、上記構造単位
(I)および構造単位(II)の両方が存在することが必
要である。かかるポリエステルは、構造単位(I)とし
て、上記化5で表される構造単位(I−1)および上記
化6で表される構造単位(I−2)の少なくとも一方を
含有し、構造単位(II)として、上記化7で表される構
造単位(II−1)および上記化8で表される構造単位
(II−2)の少なくとも一方を含有する。したがって、
上記ポリエステルにおいては、グリコ−ル単位の一部が
構造単位(I−1)および/または構造単位(II−1)
であるか、ジカルボン酸単位の一部が構造単位(I−
2)および/または構造単位(II−2)であるか、また
はこれらの両方である。これらの構造単位(I)および
構造単位(II)の含有率はそれらの和において、全構造
単位基準で0.1〜10モル%の範囲内である。構造単
位(I)と構造単位(II)の含有率の和が0.1モル%
未満であると、得られる熱成形品に十分な耐湿熱変形性
が付与されず、しかもシ−トを熱成形に付した時に白化
が発生し易い。一方、構造単位(I)と構造単位(II)
の含有率の和が10モル%を越えると熱成形時での金型
への密着性が低下し、得られる成形品に形態不良が発生
し易くなる。熱成形時での形態付与性ならびに得られた
成形品の耐湿熱変形性および透明性のいずれもが特に良
好となる観点からは、構造単位(I)の含有率および構
造単位(II)の含有率がそれぞれ0.5〜6モル%の範
囲内であり、且つこれらの含有率の和が1〜9モル%の
範囲内であることが好ましい。また同じ観点から、構造
単位(II)における2個のオキシメチレン基または2個
のカルボニル基の配置はトランス配置が過剰であるこ
と、すなわち構造単位(II)におけるシス型/トランス
型のモル比は50/50〜0/100の範囲内であるこ
とが好ましい。
る構造単位としてグリコ−ル単位とジカルボン酸単位と
をそれぞれ50モル%程度ずつ含有する。該ジカルボン
酸単位の主たる部分、好ましくは全構造単位の40〜5
0モル%をテレフタル酸単位が占め、また該グリコ−ル
単位の主たる部分、好ましくは全構造単位の40〜50
モル%をエチレングリコ−ル単位が占める。本発明のポ
リエステルにおいては、テレフタル酸単位およびエチレ
ングリコール単位以外の構造単位として、上記構造単位
(I)および構造単位(II)の両方が存在することが必
要である。かかるポリエステルは、構造単位(I)とし
て、上記化5で表される構造単位(I−1)および上記
化6で表される構造単位(I−2)の少なくとも一方を
含有し、構造単位(II)として、上記化7で表される構
造単位(II−1)および上記化8で表される構造単位
(II−2)の少なくとも一方を含有する。したがって、
上記ポリエステルにおいては、グリコ−ル単位の一部が
構造単位(I−1)および/または構造単位(II−1)
であるか、ジカルボン酸単位の一部が構造単位(I−
2)および/または構造単位(II−2)であるか、また
はこれらの両方である。これらの構造単位(I)および
構造単位(II)の含有率はそれらの和において、全構造
単位基準で0.1〜10モル%の範囲内である。構造単
位(I)と構造単位(II)の含有率の和が0.1モル%
未満であると、得られる熱成形品に十分な耐湿熱変形性
が付与されず、しかもシ−トを熱成形に付した時に白化
が発生し易い。一方、構造単位(I)と構造単位(II)
の含有率の和が10モル%を越えると熱成形時での金型
への密着性が低下し、得られる成形品に形態不良が発生
し易くなる。熱成形時での形態付与性ならびに得られた
成形品の耐湿熱変形性および透明性のいずれもが特に良
好となる観点からは、構造単位(I)の含有率および構
造単位(II)の含有率がそれぞれ0.5〜6モル%の範
囲内であり、且つこれらの含有率の和が1〜9モル%の
範囲内であることが好ましい。また同じ観点から、構造
単位(II)における2個のオキシメチレン基または2個
のカルボニル基の配置はトランス配置が過剰であるこ
と、すなわち構造単位(II)におけるシス型/トランス
型のモル比は50/50〜0/100の範囲内であるこ
とが好ましい。
【0009】本発明のポリエステルは、分子中に少量、
好ましくは全構造単位の5モル%以下であれば他のジカ
ルボン酸単位を含んでいてもよい。他のジカルボン酸単
位としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニル−4,4´−ジカルボン
酸、パラフェニレンジカルボン酸、スルホイソフタル酸
ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、スベリン酸、ドデカンジオン酸等の
脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸の単位の1種ま
たは2種以上を必要に応じて含むことができる。
好ましくは全構造単位の5モル%以下であれば他のジカ
ルボン酸単位を含んでいてもよい。他のジカルボン酸単
位としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニル−4,4´−ジカルボン
酸、パラフェニレンジカルボン酸、スルホイソフタル酸
ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、スベリン酸、ドデカンジオン酸等の
脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸の単位の1種ま
たは2種以上を必要に応じて含むことができる。
【0010】本発明のポリエステルは、分子中に少量、
好ましくは全構造単位の5モル%以下であれば他のグリ
コ−ル単位を含んでいてもよい。他のグリコール単位と
しては、例えば、ジエチレングリコ−ル、トリエチレン
グリコ−ル、テトラエチレングリコ−ル、プロピレング
リコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタン
ジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグ
リコ−ル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物等のグリコ−ルの単位の1種または2種以上を必要に
応じて含むことができる。さらに、熱可塑性を実質的に
損なわない程度の量であれば、上記ポリエステルは、例
えばトリメリット酸、ペンタエリスリト−ル等の三官能
以上の多官能性化合物から誘導される3価以上の単位を
必要に応じて少量含んでいてもよい。
好ましくは全構造単位の5モル%以下であれば他のグリ
コ−ル単位を含んでいてもよい。他のグリコール単位と
しては、例えば、ジエチレングリコ−ル、トリエチレン
グリコ−ル、テトラエチレングリコ−ル、プロピレング
リコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタン
ジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグ
リコ−ル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物等のグリコ−ルの単位の1種または2種以上を必要に
応じて含むことができる。さらに、熱可塑性を実質的に
損なわない程度の量であれば、上記ポリエステルは、例
えばトリメリット酸、ペンタエリスリト−ル等の三官能
以上の多官能性化合物から誘導される3価以上の単位を
必要に応じて少量含んでいてもよい。
【0011】本発明のポリエステルは、ポリエチレンテ
レフタレ−トなどの通常のポリエステルを製造するのに
一般的に採用されている方法に準じて製造することがで
きる。例えば、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸
またはその低級アルキルエステルからなるジカルボン酸
原料と、エチレングリコ−ルを主体とするグリコ−ル原
料とを、エステル化反応またはエステル交換反応させて
低重合体を製造した後、この低重合体を溶融重縮合させ
てポリエステルを製造し、ついでこのポリエステルをダ
イス状、円柱状等の任意の形状のチップとし、更に所望
により該チップを固相重合することにより、チップ状の
ポリエチレンテレフタレ−ト系ポリエステルを製造する
ことができる。この製法において、グリコ−ル原料の一
部として下記化9で示されるビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホンのエチレンオキサイド付加物および/ま
たは下記化10で示される1,4−シクロヘキサンジメ
タノールを用いるか、ジカルボン酸原料の一部として下
記化11で示されるジフェニルスルホン−4,4´−ジ
カルボン酸もしくはその低級アルキルエステルおよび/
または下記化12で示される1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸もしくはその低級アルキルエステルを用いる
か、またはこれらの両方により、構造単位(I)および
構造単位(II)をそれぞれ与える所望のコモノマーを使
用すれば、本発明のポリエステルが得られる。
レフタレ−トなどの通常のポリエステルを製造するのに
一般的に採用されている方法に準じて製造することがで
きる。例えば、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸
またはその低級アルキルエステルからなるジカルボン酸
原料と、エチレングリコ−ルを主体とするグリコ−ル原
料とを、エステル化反応またはエステル交換反応させて
低重合体を製造した後、この低重合体を溶融重縮合させ
てポリエステルを製造し、ついでこのポリエステルをダ
イス状、円柱状等の任意の形状のチップとし、更に所望
により該チップを固相重合することにより、チップ状の
ポリエチレンテレフタレ−ト系ポリエステルを製造する
ことができる。この製法において、グリコ−ル原料の一
部として下記化9で示されるビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホンのエチレンオキサイド付加物および/ま
たは下記化10で示される1,4−シクロヘキサンジメ
タノールを用いるか、ジカルボン酸原料の一部として下
記化11で示されるジフェニルスルホン−4,4´−ジ
カルボン酸もしくはその低級アルキルエステルおよび/
または下記化12で示される1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸もしくはその低級アルキルエステルを用いる
か、またはこれらの両方により、構造単位(I)および
構造単位(II)をそれぞれ与える所望のコモノマーを使
用すれば、本発明のポリエステルが得られる。
【0012】
【化9】 (式中、mおよびnは前記定義のとおりである)
【0013】
【化10】
【化11】
【化12】
【0014】上記の方法において、低重合体を得るため
のエステル化反応またはエステル交換反応は上記のグリ
コ−ル原料およびジカルボン酸原料からなる混合物を通
常、常圧下もしくは絶対圧で約3Kg/cm2以下の加
圧下に約230〜280℃でエステル化反応させるか、
または常圧もしくはその付近の圧力条件下に約160〜
230℃でエステル交換反応させることにより行う。そ
の場合のジカルボン酸原料:グリコ−ル原料の使用割合
は、モル比で、エステル化反応による場合には約1:1
〜約1:1.5、エステル交換反応による場合には約
1:2〜約1:3にするとよい。また、低重合体からポ
リエステルを得るための上記した溶融重縮合は、通常二
酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモンなどの重合触媒の
存在下に約260〜290℃の温度で行うのがよい。そ
して、このような溶融重縮合によって、通常約0.40
〜0.75dl/gの極限粘度(フェノ−ル/テトラク
ロロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定)を有する
ポリエステルを得ることができる。
のエステル化反応またはエステル交換反応は上記のグリ
コ−ル原料およびジカルボン酸原料からなる混合物を通
常、常圧下もしくは絶対圧で約3Kg/cm2以下の加
圧下に約230〜280℃でエステル化反応させるか、
または常圧もしくはその付近の圧力条件下に約160〜
230℃でエステル交換反応させることにより行う。そ
の場合のジカルボン酸原料:グリコ−ル原料の使用割合
は、モル比で、エステル化反応による場合には約1:1
〜約1:1.5、エステル交換反応による場合には約
1:2〜約1:3にするとよい。また、低重合体からポ
リエステルを得るための上記した溶融重縮合は、通常二
酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモンなどの重合触媒の
存在下に約260〜290℃の温度で行うのがよい。そ
して、このような溶融重縮合によって、通常約0.40
〜0.75dl/gの極限粘度(フェノ−ル/テトラク
ロロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定)を有する
ポリエステルを得ることができる。
【0015】なお、上記エステル化反応、エステル交換
反応または溶融重縮合工程は、必要に応じてテトラアル
キルアンモニウムヒドロキシド、トリエタノ−ルアミ
ン、トリエチルアミン等のジエチレングリコ−ル副生抑
制剤を添加して行ってもよい。
反応または溶融重縮合工程は、必要に応じてテトラアル
キルアンモニウムヒドロキシド、トリエタノ−ルアミ
ン、トリエチルアミン等のジエチレングリコ−ル副生抑
制剤を添加して行ってもよい。
【0016】上記で得られたポリエステルを任意形状の
チップにするが、所望によりこれを通常190℃以下の
温度で予備結晶化し、固相重合に付することができる。
固相重合は通常減圧下または窒素ガス等の不活性ガスの
流通化にチップを流動させながら約190〜240℃の
温度に加熱することにより行う方法がよい。機械的特性
の良好な熱成形品を得るためには、最終的に得られるポ
リエステルチップの極限粘度(フェノ−ル/テトラクロ
ロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定)が約0.6
0〜1.20dl/gの範囲になるように固相重合を行
うのが望ましい。
チップにするが、所望によりこれを通常190℃以下の
温度で予備結晶化し、固相重合に付することができる。
固相重合は通常減圧下または窒素ガス等の不活性ガスの
流通化にチップを流動させながら約190〜240℃の
温度に加熱することにより行う方法がよい。機械的特性
の良好な熱成形品を得るためには、最終的に得られるポ
リエステルチップの極限粘度(フェノ−ル/テトラクロ
ロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定)が約0.6
0〜1.20dl/gの範囲になるように固相重合を行
うのが望ましい。
【0017】そして、上記により得られたポリエステル
を樹脂材料として使用して熱成形用シ−トが製造され
る。ここで、本発明でいう「熱成形」(thermoforming)
とは、シ−トを加熱して真空成形、圧空成形、プレス成
形、ブロ−成形等により成形して所定形状の成形品を製
造する成形をいう。本発明のシ−トの厚さは特に限定さ
れず、通常の熱成形技術に使用できる程度のものであれ
ばどのような厚さでもよい。熱成形によって所定形状を
有する成形品を製造し得るものである限りは、フイルム
に近い薄いシ−トからプレ−トに近い厚いシ−トまで包
含される。通常、シ−トの厚さは約10〜1000μの
範囲である。
を樹脂材料として使用して熱成形用シ−トが製造され
る。ここで、本発明でいう「熱成形」(thermoforming)
とは、シ−トを加熱して真空成形、圧空成形、プレス成
形、ブロ−成形等により成形して所定形状の成形品を製
造する成形をいう。本発明のシ−トの厚さは特に限定さ
れず、通常の熱成形技術に使用できる程度のものであれ
ばどのような厚さでもよい。熱成形によって所定形状を
有する成形品を製造し得るものである限りは、フイルム
に近い薄いシ−トからプレ−トに近い厚いシ−トまで包
含される。通常、シ−トの厚さは約10〜1000μの
範囲である。
【0018】また、本発明の熱成形用シ−トは通常の熱
成形用シ−トの製造法として知られている任意の方法で
製造することができ、例えばTダイまたは環状ダイによ
る押出成形法、カレンダ−ロ−ルによるシ−ト成形法、
流延法等により製造することができる。その中でも、T
ダイによる押出成形法、カレンダ−ロ−ルによるシ−ト
成形法が得られたシ−トの内部応力が少なく、耐湿熱変
形性が特に良好となる成形品を与え易い点で好ましい。
例えば、押出成形法による場合は約270〜310℃の
押出温度でTダイより押出した後、約30〜70℃の冷
却ロ−ルで冷却してシ−トを製造するのがよい。また、
表面状態が良好なシ−トを得るために、冷却ロ−ルとの
接触時点で5〜15KV程度の静電圧を必要に応じて印
加してもよい。
成形用シ−トの製造法として知られている任意の方法で
製造することができ、例えばTダイまたは環状ダイによ
る押出成形法、カレンダ−ロ−ルによるシ−ト成形法、
流延法等により製造することができる。その中でも、T
ダイによる押出成形法、カレンダ−ロ−ルによるシ−ト
成形法が得られたシ−トの内部応力が少なく、耐湿熱変
形性が特に良好となる成形品を与え易い点で好ましい。
例えば、押出成形法による場合は約270〜310℃の
押出温度でTダイより押出した後、約30〜70℃の冷
却ロ−ルで冷却してシ−トを製造するのがよい。また、
表面状態が良好なシ−トを得るために、冷却ロ−ルとの
接触時点で5〜15KV程度の静電圧を必要に応じて印
加してもよい。
【0019】上記の熱成形用シ−トは加熱した後、また
は加熱と同時に真空成形、圧空成形、プレス成形、ブロ
−成形のような通常の熱成形技術によって、例えば凹部
等を有する任意の形状に成形することができ、特に真空
成形用として適している。真空成形による場合は、直接
真空成形法(ストレ−ト法)、ドレ−プ法、エアスリッ
プ法、スナップバック法、プラグアシスト法等の既知の
真空成形法のいずれもが採用できる。また、本発明のシ
−トを用いた熱成形時の加熱温度は、ポリエステルの組
成により異なる場合もあるが、一般にシ−ト表面温度が
約110〜160℃の範囲になるようにするのが好まし
い。110℃未満であるとシ−トの軟化が不足し金型へ
の密着が不完全になることによる形態不良が発生する場
合がある。一方160℃を越えるとシ−トのドロ−ダウ
ン(drawdown)により成形が困難となる場合があり、また
結晶化による白化の発生等の問題を生じる場合がある。
は加熱と同時に真空成形、圧空成形、プレス成形、ブロ
−成形のような通常の熱成形技術によって、例えば凹部
等を有する任意の形状に成形することができ、特に真空
成形用として適している。真空成形による場合は、直接
真空成形法(ストレ−ト法)、ドレ−プ法、エアスリッ
プ法、スナップバック法、プラグアシスト法等の既知の
真空成形法のいずれもが採用できる。また、本発明のシ
−トを用いた熱成形時の加熱温度は、ポリエステルの組
成により異なる場合もあるが、一般にシ−ト表面温度が
約110〜160℃の範囲になるようにするのが好まし
い。110℃未満であるとシ−トの軟化が不足し金型へ
の密着が不完全になることによる形態不良が発生する場
合がある。一方160℃を越えるとシ−トのドロ−ダウ
ン(drawdown)により成形が困難となる場合があり、また
結晶化による白化の発生等の問題を生じる場合がある。
【0020】上記の熱成形用シ−トの熱成形により得ら
れた成形品は、電気製品、電気部品、日用雑貨品、食品
等の種々の製品の包装容器として使用することができ、
透明性および形態が良好であるうえに、高温高湿の条件
下に長期間置かれても変形、容積の縮小等を生じず、当
初の形態および寸法を保持する。
れた成形品は、電気製品、電気部品、日用雑貨品、食品
等の種々の製品の包装容器として使用することができ、
透明性および形態が良好であるうえに、高温高湿の条件
下に長期間置かれても変形、容積の縮小等を生じず、当
初の形態および寸法を保持する。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例により限定されない。
るが、本発明はこれらの例により限定されない。
【0022】なお、下記の実施例および比較例におい
て、得られたポリエステルの極限粘度は、フェノ−ル/
テトラクロロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定し
た。また、真空成形により得られたカップ状成形品の耐
湿熱変形性は以下に記載した容積保持率により評価し
た。
て、得られたポリエステルの極限粘度は、フェノ−ル/
テトラクロロエタンの等重量混合溶媒中30℃で測定し
た。また、真空成形により得られたカップ状成形品の耐
湿熱変形性は以下に記載した容積保持率により評価し
た。
【0023】容積保持率の測定 下記の実施例および比較例において、真空成形により製
造されたカップ状成形品を、温度60℃、湿度80%R
Hの恒温恒湿の室内に16時間静置した後、該処理前後
の容積から以下の式により容積保持率を求めた。容積保
持率が100%に近いほど、元の容積がそのまま保持さ
れていることとなり、耐湿熱変形性が優れているという
ことができる。
造されたカップ状成形品を、温度60℃、湿度80%R
Hの恒温恒湿の室内に16時間静置した後、該処理前後
の容積から以下の式により容積保持率を求めた。容積保
持率が100%に近いほど、元の容積がそのまま保持さ
れていることとなり、耐湿熱変形性が優れているという
ことができる。
【0024】 容積保持率(%)=(V16/V0)×100
【0025】(ここで、V16は恒温恒湿の室内に16時
間静置した後のカップ状成形品の容積を表し、V0はカ
ップ状成形品の元の容積を表す)
間静置した後のカップ状成形品の容積を表し、V0はカ
ップ状成形品の元の容積を表す)
【0026】<実施例1>エチレングリコ−ル92.4
モル%ならびに表1に示すビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンのエチレンオキサイド付加物[ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン/エチレンオキサイドの
モル比=1/2]1.6モル%および1,4−シクロヘ
キサンジメタノ−ル(シス型/トランス型のモル比=1
1/89)7.0モル%からなるグリコ−ル原料とテレ
フタル酸とから、グリコ−ル原料:テレフタル酸のモル
比が1.2:1になるように調整してスラリ−を形成
し、このスラリ−を加圧下(絶対圧2.5kg/c
m2)、250℃の温度でエステル化率が95%になる
までエステル化反応させて低重合体を製造した。次に、
触媒として350ppmの三酸化アンチモンを加えて絶
対圧1ト−ルの減圧下、280℃の温度で低重合体を重
縮合し、極限粘度0.65dl/gのポリマ−を調製し
た。このポリマ−をノズルからストランド状に押出し、
切断して長さ3.2mm、直径2.8mmの円柱状チッ
プを製造した。このポリマ−チップを150℃で5時間
乾燥した後、窒素気流下に流動させながら205℃の温
度で15時間固相重合させて極限粘度が0.80dl/
gのポリエステルチップを得た。
モル%ならびに表1に示すビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンのエチレンオキサイド付加物[ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン/エチレンオキサイドの
モル比=1/2]1.6モル%および1,4−シクロヘ
キサンジメタノ−ル(シス型/トランス型のモル比=1
1/89)7.0モル%からなるグリコ−ル原料とテレ
フタル酸とから、グリコ−ル原料:テレフタル酸のモル
比が1.2:1になるように調整してスラリ−を形成
し、このスラリ−を加圧下(絶対圧2.5kg/c
m2)、250℃の温度でエステル化率が95%になる
までエステル化反応させて低重合体を製造した。次に、
触媒として350ppmの三酸化アンチモンを加えて絶
対圧1ト−ルの減圧下、280℃の温度で低重合体を重
縮合し、極限粘度0.65dl/gのポリマ−を調製し
た。このポリマ−をノズルからストランド状に押出し、
切断して長さ3.2mm、直径2.8mmの円柱状チッ
プを製造した。このポリマ−チップを150℃で5時間
乾燥した後、窒素気流下に流動させながら205℃の温
度で15時間固相重合させて極限粘度が0.80dl/
gのポリエステルチップを得た。
【0027】得られたポリエステルチップを 1H−NM
Rにより分析したところ、該ポリエステルはビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホンのエチレンオキサイド付
加物単位が全構造単位中1.0モル%、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノ−ル単位(シス型/トランス型のモル
比=11/89)が全構造単位中4.0モル%含まれて
いるポリエチレンテレフタレ−ト系コポリエステルであ
ることが確認された。上記で得たポリエステルチップを
用いてTダイ押出機(川田製作所製;EMS−II)によ
り温度280〜300℃で押出した後、40℃の冷却ロ
−ルで冷却して厚さ500μのポリエステルシ−トを製
造した。
Rにより分析したところ、該ポリエステルはビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホンのエチレンオキサイド付
加物単位が全構造単位中1.0モル%、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノ−ル単位(シス型/トランス型のモル
比=11/89)が全構造単位中4.0モル%含まれて
いるポリエチレンテレフタレ−ト系コポリエステルであ
ることが確認された。上記で得たポリエステルチップを
用いてTダイ押出機(川田製作所製;EMS−II)によ
り温度280〜300℃で押出した後、40℃の冷却ロ
−ルで冷却して厚さ500μのポリエステルシ−トを製
造した。
【0028】上記で製造したシ−トをその表面温度が1
30℃になるように加熱した後、真空成形して、絞り比
が1/0.7の凹部の底部直径が6.5cmで深さが1
1.0cmの円筒形のカップ状成形品を製造した(凹部
容積V0 =425cc)。
30℃になるように加熱した後、真空成形して、絞り比
が1/0.7の凹部の底部直径が6.5cmで深さが1
1.0cmの円筒形のカップ状成形品を製造した(凹部
容積V0 =425cc)。
【0029】得られたカップ状成形品は、白化がなく透
明性に優れ、また真空成形用金型の形状によく一致した
良好な形態を有していた。このカップ状成形品を、上記
したように温度60℃、湿度80%RHの恒温恒湿の室
内に16時間静置した後、容積を測定してV16とし、上
記式により容積保持率を求めた。これらの評価結果を下
記表2に示す。
明性に優れ、また真空成形用金型の形状によく一致した
良好な形態を有していた。このカップ状成形品を、上記
したように温度60℃、湿度80%RHの恒温恒湿の室
内に16時間静置した後、容積を測定してV16とし、上
記式により容積保持率を求めた。これらの評価結果を下
記表2に示す。
【0030】<実施例2、3、比較例1、2>コモノマ
−の種類および共重合量を表1に示すように変えた以外
は実施例1と同様にして、それぞれポリエチレンテレフ
タレ−ト系コポリエステルを製造し、それを用いてカッ
プ状成形品を得た。これらの評価結果を表2に示す。
−の種類および共重合量を表1に示すように変えた以外
は実施例1と同様にして、それぞれポリエチレンテレフ
タレ−ト系コポリエステルを製造し、それを用いてカッ
プ状成形品を得た。これらの評価結果を表2に示す。
【0031】<実施例4>グリコール原料としてエチレ
ングリコールのみを使用し、且つテレフタル酸単独に代
えてテレフタル酸90.0モル%、ジフェニルスルホン
−4,4´−ジカルボン酸2.0モル%および1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸(シス型/トランス型のモ
ル比=11/89)8.0モル%の混合ジカルボン酸を
使用する以外は実施例1と同様にして、ポリエチレンテ
レフタレ−ト系コポリエステルを製造した。得られたポ
リエチレンテレフタレート系コポリエステルは、全構造
単位基準でジフェニルスルホン−4,4´−ジカルボン
酸単位を1.0モル%、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸単位(シス型/トランス型のモル比=11/8
9)を4.0モル%含有していた。次にそれを用いてカ
ップ状成形品を得た。評価結果を表2に示す。
ングリコールのみを使用し、且つテレフタル酸単独に代
えてテレフタル酸90.0モル%、ジフェニルスルホン
−4,4´−ジカルボン酸2.0モル%および1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸(シス型/トランス型のモ
ル比=11/89)8.0モル%の混合ジカルボン酸を
使用する以外は実施例1と同様にして、ポリエチレンテ
レフタレ−ト系コポリエステルを製造した。得られたポ
リエチレンテレフタレート系コポリエステルは、全構造
単位基準でジフェニルスルホン−4,4´−ジカルボン
酸単位を1.0モル%、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸単位(シス型/トランス型のモル比=11/8
9)を4.0モル%含有していた。次にそれを用いてカ
ップ状成形品を得た。評価結果を表2に示す。
【0032】<比較例3>コモノマ−を使用しない以外
は実施例1と同様にしてポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレ−ト)を製造し、それを用いてカップ状成形品
を得た。その評価結果を表2に示す。
は実施例1と同様にしてポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレ−ト)を製造し、それを用いてカップ状成形品
を得た。その評価結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【表2】
【0034】上記の結果から、実施例1〜4の本発明の
ポリエステルからなる熱成形用シートを使用して得られ
た成形品は、容積保持率が95%以上と耐湿熱変形性が
極めて良好であり、しかも透明性に優れ、形態良好であ
ることがわかる。
ポリエステルからなる熱成形用シートを使用して得られ
た成形品は、容積保持率が95%以上と耐湿熱変形性が
極めて良好であり、しかも透明性に優れ、形態良好であ
ることがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明のポリエステルからなるシ−トを
使用して真空成形などの熱成形を行った場合には、熱成
形時にシ−ト加熱温度を高温にしたり、熱成形時の金型
温度を高温にしたり、得られた成形品を熱処理する等の
特殊な方法によらずとも、十分な耐湿熱変形性を有し、
高温高湿条件下に長時間さらされても変形のほとんどな
い成形品を円滑に且つ高い生産性で経済的に得ることが
できる。しかも得られる成形品は、白化等がなく透明性
に優れており、且つ形態良好である。
使用して真空成形などの熱成形を行った場合には、熱成
形時にシ−ト加熱温度を高温にしたり、熱成形時の金型
温度を高温にしたり、得られた成形品を熱処理する等の
特殊な方法によらずとも、十分な耐湿熱変形性を有し、
高温高湿条件下に長時間さらされても変形のほとんどな
い成形品を円滑に且つ高い生産性で経済的に得ることが
できる。しかも得られる成形品は、白化等がなく透明性
に優れており、且つ形態良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:02
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレングリコ−ル単位を主体とするグ
リコ−ル単位およびテレフタル酸単位を主体とするジカ
ルボン酸単位からなり、かつ下記化1または下記化2で
表されるジフェニルスルホン型構造単位(I)および下
記化3または下記化4で表されるシクロヘキサン型構造
単位(II)を、全構造単位基準における構造単位(I)
と構造単位(II)の含有率の和で0.1〜10モル%含
有することを特徴とするポリエステル。 【化1】 (式中、mおよびnはそれぞれ1、2または3を表す) 【化2】 【化3】 【化4】 - 【請求項2】 請求項1記載のポリエステルからなる熱
成形用シ−ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10876792A JPH05279464A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | ポリエステルおよびそれからなる熱成形用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10876792A JPH05279464A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | ポリエステルおよびそれからなる熱成形用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279464A true JPH05279464A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=14492974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10876792A Pending JPH05279464A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | ポリエステルおよびそれからなる熱成形用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05279464A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6120889A (en) * | 1999-06-03 | 2000-09-19 | Eastman Chemical Company | Low melt viscosity amorphous copolyesters with enhanced glass transition temperatures |
US6183848B1 (en) | 1999-06-03 | 2001-02-06 | Eastman Chemical Company | Low melt viscosity amorphous copolyesters with enhanced glass transition temperatures having improved gas barrier properties |
US6287656B1 (en) | 1999-06-03 | 2001-09-11 | Eastman Chemical Corporation | Low melt viscosity amorphous copolyesters having improved resistance to lipids |
-
1992
- 1992-03-31 JP JP10876792A patent/JPH05279464A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6120889A (en) * | 1999-06-03 | 2000-09-19 | Eastman Chemical Company | Low melt viscosity amorphous copolyesters with enhanced glass transition temperatures |
US6183848B1 (en) | 1999-06-03 | 2001-02-06 | Eastman Chemical Company | Low melt viscosity amorphous copolyesters with enhanced glass transition temperatures having improved gas barrier properties |
US6287656B1 (en) | 1999-06-03 | 2001-09-11 | Eastman Chemical Corporation | Low melt viscosity amorphous copolyesters having improved resistance to lipids |
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