JP3059819B2 - ポリエステル熱成形物 - Google Patents

ポリエステル熱成形物

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JP3059819B2
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thermoformed
mol
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雅之 川辺
正樹 山本
徹 槇野
哲男 國丸
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鐘紡株式会社
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温多湿度雰囲気中で
の寸法安定性に優れ、かつ透明性が失われることなしに
滑り性が改良されたポリエステル熱成形物を提供するこ
とにある。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下PE
Tと記す。)から作られた熱成形物は、容易に成形可能
でかつ良好な透明性,光沢,耐薬品性,ガス透過性を有
するため、種々の商品包装のための熱成形物として広く
多量に使用されている。しかしながらこれらの熱成形物
は、高温多湿度下では不安定であってこの点を改善する
ことが必要である。前記の公知のPETから作られた熱
成形物は、ガラス転移温度以下の温度であっても多湿度
雰囲気中で長時間放置すると変形する。たとえば、輸出
用家電品のブリスターケースなどは輸送時の船室内でし
ばしば認められる比較的高い温度(50℃)及び湿度
(60%RH)中に長時間放置すると変形を起こす。
【0003】このような欠点を解決するための方法とし
て、PETから作られた熱成形物を成形した後、成形温
度よりも10℃以上高く溶融温度よりも30℃低い温度
で熱固定する方法(特開昭60−212325号公報)
等が提示されているが、このような熱固定を施しても高
温多湿度下で長時間放置すると変形を起こし、また経済
的な観点からも熱固定する工程をとらない方が好まし
い。
【0004】一方、PETから作られた熱成形物は、滑
り性に乏しく成形品を積み重ねた場合にブロッキングを
起こし、1個ずつ取り外すことが非常に困難である。一
般に、ポリエステル熱成形物のブロッキング防止のため
に熱成形物の表面にシリコンオイルを塗布したり、ポリ
エステル中に粒径が小さい無機粒子を均一に分散させる
方法(特開昭64−1515号公報、特開昭63−72
730号公報)が用いられる。しかしながら、シリコン
を塗布した場合は内容物の汚れが発生したり、印刷性や
ヒートシール性が著しく低下する。また、粒径の小さな
無機粒子を配合した場合は、滑り性を改善しようとする
と無機粒子の添加量を多くしなければならず、そのため
熱成形物の透明性が著しく低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的と
するところは、容易に成形可能な透明で滑り性と耐熱性
に優れた高温多湿度雰囲気中に長時間放置しても変形を
起こさないポリエステル熱成形物を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、テレフタ
ル酸を主たるジカルボン酸成分とし、ビス(4−β−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)スルホン2〜15モル%及
び他のジオール成分85〜98モル%をアルコール成分
とするポリエステル共重合体からなり、且つ平均粒径8
〜50ミクロンの易滑剤粒子を0.04〜1重量%配合
したことを特徴とするポリエステル熱成形物によって達
成される。
【0007】本発明のポリエステルの重合は、通常の公
知の方法で行うことができ、特に特殊な条件を必要とし
ない。即ち、このポリエステルはポリエステルが製造で
きるような温度条件、触媒反応条件のもとで、少なくと
も1種のポリエステル形成用ジカルボン酸またはそのエ
ステルまたはハイドライドを少なくとも化学量論の1種
またはそれ以上のポリエステル形成用二塩基性アルコー
ル(2価アルコール)と混合・反応させることにより製
造できる。
【0008】また、テレフタル酸またはその低級アルキ
ルエステルの一部をイソフタル酸,2,6−ナフタレン
ジカルボン酸,2,7−ナフタレンジカルボン酸,1,
5−ナフタレンジカルボン酸,1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸のごとき他の芳香族ジカルボン酸,p−オキシ
安息香酸などから選ばれる1種以上で代替しても良い。
さらに、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)
スルホン以外のジオール成分としては、エチレングリコ
ールやシクロヘキサンジメタノール,ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加体,ビスフェノールSのエチ
レンオキサイド付加体などから選ばれた1種以上を用い
ることができる。
【0009】本発明を実施するにあたり、上記ポリエス
テル共重合体に含まれるビス(4−β−ヒドロキシエト
キシフェニル)スルホンの量は、ジオール成分の2〜1
5モル%であることが必要であり、5〜10モル%であ
ることが好ましい。すなわち、2モル%より少ないと十
分な耐熱性の向上が見られず、また15モル%より多い
ときは結晶化速度が小さくなり溶融・成形操作によって
強靱な熱成形物が得られないなど、ホモポリエステル本
来の特性を失ってしまうためである。
【0010】本発明における易滑剤粒子としては、平均
粒径8〜50ミクロンの無機粒子等が挙げられる。平均
粒径が8ミクロン未満では、滑り性改良効果が小さく、
平均粒径50ミクロン以上では無機粒子が肉眼でも見え
てしまう。無機粒子として、シリカ,カオリン,タル
ク,酸化ケイ素,酸化アルミニウム,炭酸カルシウム,
水酸化カルシウム,炭酸マグネシウム等が例示され、こ
れらは単独でもまた併用して用いても良い。
【0011】易滑剤粒子の配合量は、ポリエステル共重
合体の0.04〜1重量%であることが必要であり、
0.07〜0.09重量%であることが好ましい。0.
04重量%未満では、滑り性の改善効果が小さく、1重
量%を超えると無機粒子とPETの屈折率の違いにより
透明性が悪くなる。
【0012】易滑剤粒子の配合は、公知の方法で行うこ
とができ、特に特別な条件を必要としない。即ち、易滑
剤粒子をタンブラーやブレンダーなどで予めポリエステ
ル共重合体と混合しておき、上記混合物を押出し機に速
やかに供給して溶融押出しする方法や、易滑剤粒子とポ
リエステル共重合体とを別々に押出し機へ定量供給する
方法などがある。ただし、PETは、溶融押出し時に加
水分解しないように予め水分率が0.05重量%好まし
くは0.05重量%以下になるように乾燥されているこ
とが好ましい。
【0013】
【作用】本発明におけるポリエステルは、溶融・成形操
作により熱成形物に成形できる。ここに、「溶融・成形
操作」とは次の周知操作を意味する。PETなどの熱可
塑性材料を最初に溶融状態にし、ついで成形操作を行う
ことにより、たとえばシート成形技術,熱成形技術,吹
き込み成形技術,射出成形技術またはこれらを組み合わ
せた技術に従って成形操作を行うことである。これによ
り、最終製品である熱成形物が製造できる。これらの熱
成形物は、従来のポリエステル熱成形物の特徴である透
明性,光沢,耐薬品性,剛性を維持しつつ、従来のポリ
エステル熱成形物よりも滑り性が改善され、かつ高温多
湿度雰囲気中での寸法安定性に優れた、パッケージ業界
において有利に使用できるものである。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、評価は表1及び表2に準じて行い、結果を表3
に示した。
【0015】〔実施例1〕ジメチルテレフタレート1モ
ル,ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スル
ホン0.02モル,エチレングリコール2.1モル,エ
ステル反応触媒として酢酸カルシウム0.1gを精留塔
を有する重合缶に投入後、微量の窒素を流しながら25
0℃まで加熱・攪拌した。この間精留塔温度を60〜7
0℃に維持することで、エチレングリコールを還流させ
メタノールだけを系外に留出させた。収集したメタノー
ルの量より計算して、エステル交換率が約90%に達し
たところで、重合用触媒として酸化ゲルマニウム0.0
5g,熱安定剤としてリン酸トリメチル0.25gを投
入し、加熱・攪拌を続けながら徐々に減圧し、約1時間
かけて缶内を1torr以下の高真空とした。この間、
温度は280℃まで上昇させた。この状態で約4時間重
合を続けた後、常圧に戻しガット状に押出し、水で冷却
後、カッターを用いてI.V.=0.75のペレット状
のポリマーを得た。
【0016】このポリマーを減圧下150℃で水分10
0ppm以下に乾燥した後、粒径20ミクロンのシリカ
を0.07重量%配合したのち小型製膜機によるシート
成形を行い、厚み300μmのシートを得た。得られた
シートをKiefel社製熱成形機を用いて成形温度1
00℃で、縦120mm,横160mm,高さ37mm
の熱成形物に成形した。
【0017】耐熱性は、各熱成形物を60℃,80%R
Hの高温多湿度雰囲気中に最高72時間放置し、熱成形
物外観の変形を点検して評価した。また、滑り性は熱成
形物を何枚積み重ねた時点で最下段の成形物の取外しが
困難になるかで評価した。
【0018】〔実施例2〕実施例1において、ビス(4
−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン0.05
モル,エチレングリコール2.15モルとする以外は同
様の条件で重合,シート成形,熱成形,測定を行った。
【0019】〔実施例3〕実施例1において、ビス(4
−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン0.1モ
ル,エチレングリコール2.18モルとする以外は同様
の条件で重合,シート成形,熱成形,測定を行った。
【0020】〔比較例1〕実施例1において、ビス(4
−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンは用い
ず、エチレングリコール2.2モルとする以外は同様の
条件で重合,シート成形,熱成形,測定を行った。
【0021】〔比較例2〕実施例1において、シリカを
配合しない以外は同様の条件で重合,シート成形,熱成
形,測定を行った。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】以上の結果から、本発明によって、PE
Tの特性を失うことなく、従来のPET熱成形物よりも
滑り性が改良され、かつ高温多湿雰囲気中での寸法安定
性に優れた熱成形物が得られることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−70174(JP,A) 特開 昭63−183935(JP,A) 特開 平2−127437(JP,A) 特開 平4−27522(JP,A) 特開 平5−247239(JP,A) 特開 昭57−131242(JP,A) 特開 平5−279463(JP,A) 特開 平4−261423(JP,A) 特開 昭50−96692(JP,A) 特開 平4−173837(JP,A) 特開 平5−193637(JP,A) 特開 昭57−158224(JP,A) 特開 平2−251539(JP,A) 特開 昭57−73045(JP,A) 特開 昭59−37161(JP,A) 特開 昭63−172740(JP,A) 特開 平3−9930(JP,A) 特開 平4−180957(JP,A) 特開 平4−136063(JP,A) 特開 平5−17598(JP,A) 特開 平5−239324(JP,A) 特開 平4−275125(JP,A) 特開 平2−296838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/08 B65D 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分
    とし、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)ス
    ルホン2〜15モル%及び他のジオール成分85〜98
    モル%をアルコール成分とするポリエステル共重合体か
    らなり、且つ平均粒径8〜50ミクロンの易滑剤粒子を
    0.04〜1重量%配合したことを特徴とするポリエス
    テル熱成形物。
  2. 【請求項2】 熱成形物がシートから熱成形された容器
    である請求項1記載の熱成形物。
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JP4547884B2 (ja) * 2003-09-22 2010-09-22 凸版印刷株式会社 カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート
JP2010004919A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Olympus Corp 医療用チューブ

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