JPH1067923A - 収縮フィルム用可塑化ポリエステル - Google Patents

収縮フィルム用可塑化ポリエステル

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JPH1067923A
JPH1067923A JP16576397A JP16576397A JPH1067923A JP H1067923 A JPH1067923 A JP H1067923A JP 16576397 A JP16576397 A JP 16576397A JP 16576397 A JP16576397 A JP 16576397A JP H1067923 A JPH1067923 A JP H1067923A
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polyester
plasticizer
mol
heat
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JP16576397A
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Wayne Ken Shih
ケン シー ウェイン
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Eastman Chemical Co
Original Assignee
Eastman Chemical Co
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は低温収縮包装用の熱収縮性フィルム
又はシートとして有用なポリエステル/可塑剤ブレンド
として有用なポリエステル/可塑剤ブレンド。 【解決手段】 この熱収縮性フィルムまたはシートは、
(A)ガラス転移温度が40〜150℃及びインヘレン
ト粘度が0.5〜1.2dL/gのポリエステル90〜9
9重量%と(B)グリセロールと炭素数4〜30の脂肪
酸との反応によって得られたC5 〜C35モノグリセリド
から選ばれる可塑剤1〜10重量%((A)及び(B)
の合計重量を100%とする)とのブレンドを含んでな
る。ポリエステルは、ジカルボン酸100モル%及びジ
オール100モル%に基づき、少なくとも80モル%
の、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸からの反復単
位を含むジカルボン酸成分及び少なくとも10モル%の
1,4−シクロヘキサンジメタノールからの反復単位を
含むジオール成分からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性フィルム
またはシートとして有用な、より詳しくは、低温収縮包
装用のフィルムまたはシートとして有用なポリエステル
/可塑剤ブレンドに関する。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性プラスチックフィルムは、ガラ
ス、金属、セラミック及びプラスチックのボトル、箱、
缶、管、ならびに木材のラベル、保護、小包及び包装に
使用されている。例えば、熱収縮性フィルムは、タンパ
ー・エビデント・ラベル(包装の中身をいじった跡が歴
然とわかるように工夫されたラベル)として食品及び医
薬品に、また、プライマリー・ラベルとしてソフトドリ
ンクボトルのようなプラスチック容器に広く使用されて
いる。収縮フィルムは、(1)フィルムがx軸とy軸の
両方向に収縮する包装用の二軸延伸フィルムと、(2)
フィルムが主に伸張または延伸された方向に収縮し、伸
張または延伸されていない方向の収縮がわずかである一
軸延伸フィルムとの2つのカテゴリーに分類される。
【0003】最も広く使用されている収縮フィルムは、
ポリ塩化ビニル(PVC)であるが、収縮フィルムはポ
リスチレン(OPS)、延伸ポリエチレン、延伸ポリプ
ロピレン及びポリエステルから製造されている。PVC
は熱収縮性が優れているが、低温収縮包装には不適当で
ある。さらに、PVCを焼却すると塩化水素が発生し、
それが焼却炉を腐蝕し、環境を汚染する。
【0004】熱収縮性ポリエステルフィルムの例は、米
国特許第4,996,291号及び同第4,963,4
18号に開示されている。米国特許第4,996,29
1号は、ポリエチレンテレフタレートから製造される熱
収縮性ポリエステルフィルムを開示している。これに
は、添加剤は記載されているが、可塑剤の記載はない。
米国特許第4,963,418号は、ポリエステル、ポ
リエステルコポリマーまたはポリエステルとポリエステ
ルコポリマーとの混合物から製造される熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを開示している。可塑剤または他の添加
剤とのブレンドを形成することについては、何ら示唆さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以前に開示されたポリ
エステルフィルムは、少なくとも2つの重大な欠点を有
する。すなわち、収縮開始温度が50〜60℃より高
く、且つ収縮率が4%/℃より大きい。収縮開始温度が
高いということは、フィルムまたはシートが収縮トンネ
ルまたは収縮炉中で収縮し始めるのに必要な温度が比較
的高いことを意味する。開始温度が高いと容器や中身が
損なわれる可能性がある。もう一方の欠点は、温度増加
度当たりの収縮%を意味する収縮率が比較的高いことで
ある。収縮率が高いと、収縮トンネル通過時に、収縮フ
ィルムまたはシートにしわまたは気泡が形成される。
【0006】米国特許第5,534,570号におい
て、本発明者らは意外にも、可塑剤が温度200〜30
0℃においてポリエステル中に混和できる充分な安定性
を有するならば、炭素数12〜20のエポキシ化脂肪酸
のC4 〜C20アルキルエステルから選ばれる臨界量の可
塑剤を溶融ブレンドすることによって、ポリエステルか
ら製造される熱収縮性フィルムまたはシートの収縮開始
温度及び収縮率を低下させることができることを確認し
た。さらに、ポリエステル/可塑剤ブレンドから、他の
フィルムに見られるような環境上の欠点を有さない透明
なフィルムが生成された。
【0007】
【課題を解決するための手段】熱収縮性フィルムは、
(A)ガラス転移温度が40〜150℃及びインヘレン
ト粘度が0.5〜1.2dL/gのポリエステル90〜9
9重量%と(B)200〜300℃の温度においてポリ
エステル中に混和できる充分な安定性を有する、グリセ
ロールと炭素数4〜30の脂肪酸との反応によって得ら
れたC5 〜C35モノグリセリドから選ばれた可塑剤1〜
10重量%とのブレンド((A)と(B)の合計重量を
100%とする)を含んでなる。ポリエステルは、ジカ
ルボン酸100モル%及びジオール100モル%に基づ
き、少なくとも80モル%の、炭素数8〜14の芳香族
ジカルボン酸からの反復単位を含むジカルボン酸成分、
及び少なくとも10モル%の1,4−シクロヘキサンジ
メタノールからの反復単位を含むジオール成分を含んで
なる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の成分(A)のポリエステ
ルはコポリエステルを含む。ポリエステルは、半結晶質
でも非晶質でもよいが、非晶質が好ましい。ポリエステ
ルは、ジカルボン酸100モル%及びジオール100モ
ル%に基づくジカルボン酸及びジオールからの反復単位
を含む。ジカルボン酸成分は、炭素数8〜14の芳香族
ジカルボン酸を少なくとも80モル%含む。ポリエステ
ルは場合によっては、ジカルボン酸100モル%に基づ
き20モル%以下の、芳香族ジカルボン酸以外の1種ま
たはそれ以上の種々のジカルボン酸、例えば、炭素数4
〜12の飽和脂肪族ジカルボン酸及び炭素数8〜12の
脂環式ジカルボン酸で改質されることができる。ジカル
ボン酸の具体例はテレフタル酸、フタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−
4,4′−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などである。ポリエ
ステルは1種またはそれ以上の前記ジカルボン酸から製
造できる。用語「ジカルボン酸」にはこれらの酸に対応
する酸無水物、エステル及び酸塩化物が含まれることを
理解されたい。
【0009】ジオール成分は、少なくとも10モル%の
1,4−シクロヘキサンジメタノールからの反復単位を
含む。さらに、ジオール成分は場合によっては、ジオー
ル100モル%に基づき90モル%以下の、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール以外の1種またはそれ以上の
種々のジオールで改質されることができる。このような
追加のジオールとしては、炭素数6〜15の脂環式ジオ
ール及び炭素数3〜8の脂肪族ジオールが挙げられる。
1,4−シクロヘキサンジメタノールに添加できるこの
ようなジオールの例は、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロパン−
1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、2,2
−ジメチルプロパン−1,3−ジオール(ネオペンチル
グリコール)、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン
−1,6−ジオール、3−メチルペンタンジオール−
(2,4)、2−メチルペンタンジオール−(1,
4)、2,2,4−トリメチルペンタン−ジオール−
(1,3)、2−エチルヘキサンジオール−(1,
3)、2,2−ジエチルプロパン−ジオール−(1,
3)、ヘキサンジオール−(1,3)、1,4−ジ(ヒ
ドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,4−ジヒド
ロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタ
ン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロ
ポキシフェニル)−プロパンなどである。ポリエステル
は1種またはそれ以上の前記ジオールから製造できる。
【0010】ポリエステルはさらに、少量の三官能価ま
たは四官能価コモノマー、例えば、トリメリット酸無水
物、トリメチロールプロパン、ピロメリット酸二無水
物、ペンタエリトリトール、ならびに一般に公知の、他
のポリエステル形成性多酸及びポリオールを含むことが
できる。
【0011】本発明の目的で好ましい成分(A)のポリ
エステルは、テレフタル酸からの反復単位からなるジカ
ルボン酸成分並びに、エチレングリコール65〜90モ
ル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール35〜1
0モル%の反復単位からなるジオール成分を有する。よ
り好ましくは、ジオール部分は、エチレングリコール6
7〜75モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル33〜25モル%からなる。成分(A)として有用な
ポリエステルはインヘレント粘度が0.5〜1.2dL/
gである。好ましくは、ポリエステルは、フェノール6
0重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶
媒100ml当たりポリマー0.50gを用いて25℃に
おいて測定した場合に0.6〜0.9dL/gのインヘレ
ント粘度を有する。成分(A)として有用なポリエステ
ルはまた、ガラス転移温度が40〜150℃、好ましく
は50〜100℃である。
【0012】ポリエステルは公知の従来の重縮合法によ
って製造できる。このような方法は、ジカルボン酸とジ
オールとの直接縮合、またはジアルキルジカルボキシレ
ートを用いたエステル交換を含む。例えば、テレフタル
酸ジアルキル、例えば、テレフタル酸ジメチルを触媒の
存在下において高温でジオールとエステル交換する。ポ
リエステルは固相重合法に供することもできる。
【0013】本発明の成分(B)は、グリセロールと炭
素数4〜30の脂肪酸との反応によって得られるC5
35モノグリセリドから選ばれた可塑剤である。脂肪酸
は、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、モノ不飽和
またはマルチ不飽和であることができる。このような脂
肪酸の例をいくつか挙げると以下の通りである:イソ吉
草酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、
ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、トリデシル
酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マ
ルガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、フィタン酸、
ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、
カプロレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バク
セン酸、エライジン酸、ブラシジン酸、エルカ酸、ネル
ボン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン酸
及びアラキドン酸。好ましくは、成分(B)は、Eastma
n Chemical Companyから商品名Myvaplex 600P で市販さ
れている可塑剤、モノステアリン酸グリセリルである。
【0014】本発明者らは意外にも、これらの材料によ
って、米国特許第5,534,570号に開示されたエ
ポキシ化脂肪酸のC4 〜C20アルキルエステルと同様
な、比較的低い開始温度及び収縮率を有する熱収縮性フ
ィルムを提供できることを見出した。これらの可塑剤
は、200〜300℃、好ましくは250〜280℃の
温度においてポリエステル中に混和できる充分な安定性
を有する。用語「充分な安定性」とは、これらの可塑剤
が200〜300℃の温度範囲内で分解及び揮発性に対
して安定性であるべきことを意味する。
【0015】本発明のポリエステル/可塑剤ブレンドの
製造方法は、最初に乾燥空気もしくは乾燥窒素の雰囲気
中で、または減圧下でポリエステルを乾燥させることを
含む。溶融条件下において、ポリエステルは水のような
不純物の存在下で分解を受けるので、ポリエステルは無
水の形態で本発明のブレンド中に混和するのが好まし
い。
【0016】可塑剤は、任意の適当な溶融ブレンド法、
例えば、回分混合、一軸スクリュー押出または二軸スク
リューによってポリエステルと混合する。好ましくは、
可塑剤は、液体または固体ポンプ装置を用いてポリエス
テルの溶融液中に注入する。ポリエステル/可塑剤ブレ
ンドは、重合がほとんど完了した、重合の最後にポリエ
ステルに可塑剤を添加することによっても製造できる。
溶融配合の完了後、押出物をストランドの形態で取り出
し、切断のような常法に従って回収する。
【0017】前述のようにして製造した押出物は、成分
(A)のポリエステルと混合する濃縮物として使用でき
る。濃縮物ペレットとポリエステルペレットを混合する
方法は、添加剤供給装置で濃縮物ペレットを供給し、そ
してポリエステルペレットと濃縮物ペレットを機械的に
混合することを含む。ポリエステル/濃縮物ブレンドは
溶融ブレンドし、乾燥させ、そしてフィルムまたはシー
トの形態に押出する。
【0018】ポリエステル/可塑剤ブレンド中のポリエ
ステルの重量百分率は90〜99%である。より好まし
くは、ポリエステルはポリエステル/可塑剤ブレンドの
94〜98重量%を構成する。本発明のポリエステル/
可塑剤ブレンドは、フェノール60重量%及びテトラク
ロロエタン40重量%からなる溶媒100ml当たりポリ
マー0.5gを用いて23℃において測定した場合に
0.55〜1.5dL/g、好ましくは0.70〜0.8
0dL/gのインヘレント粘度を有する。
【0019】ブレンドの性能特性を向上させるために、
本発明の組成物に多くの他の成分を添加できる。例え
ば、嵌め外し剤(denesting agent)、粘着防止剤、安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、金属奪活剤、
着色剤、例えば、二酸化チタン及びカーボンブラック、
粒状シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、帯電防止剤、
充填剤などを本発明の組成物に含ませることができる。
これら全ての添加剤及びその使用法は公知であるので、
これ以上の説明を必要としないと思う。従って、限られ
た数にのみ言及するが、本発明の目的達成を妨げない限
り、これらの化合物は全て使用できることが理解され
る。
【0020】本発明のポリエステル/可塑剤ブレンド
は、全ての型のフィルム、特に熱収縮性フィルム及びシ
ートを製造するための優れた出発原料として役立つ。熱
収縮性プラスチックフィルムは、ガラス、金属、セラミ
ック及びプラスチックのボトル、箱、缶、管、ならびに
木材のラベル、保護、小包及び包装に使用されている。
例えば、熱収縮性フィルムは、タンパー・エビデント・
ラベル(包装の中身をいじった跡が歴然とわかるように
工夫されたラベル)として食品及び医薬品に、プライマ
リー・ラベルとしてソフトドリンクボトルのようなプラ
スチック容器上に、医薬品及び乾電池用の保護ラップと
して広く使用されている。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。実施例中の全ての部及び百分
率は特に断らない限り、重量に基づく。
【0022】実施例I テレフタル酸100モル%、エチレングリコール65〜
70モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール3
0〜35モル%からなる、インヘレント粘度(I.
V.)が0.75のポリエステルペレットを露点≦−2
9℃の乾燥空気中で65℃において4時間乾燥させた。
PETGポリエステルを一軸スクリュー押出機のホッパ
ー中に入れ、260℃において5〜10mil のシートに
押出した。ポリエステルは、I.V.が0.73dL/g
及びTg(DSCによって20℃/分で測定)/82℃
であった。PETGポリエステルの試験結果を表Iに要
約する。
【0023】実施例II PETGポリエステル99重量%及びモノステアリン酸
グリセリル1重量%からのシートの製造 固体モノステアリン酸グリセリル10重量%及び実施例
Iにおいて製造したPETGポリエステルペレット90
重量%を用いて、ポリエステル/可塑剤濃縮物を製造し
た。濃縮物ペレットを実施例IからのPETGポリエス
テルペレットと10/90の比で機械的にブレンドし
た。一軸スクリュー押出機を用いてペレットをシートに
押出した。シート中のモノステアリン酸グリセリルの最
終濃度は1重量%であった。ポリマーはTg(DSCに
よって20℃/分で測定)が77℃であった。試験結果
を表Iに要約する。
【0024】実施例III PETGコポリエステル98重量%及びモノステアリン
酸グリセリル2重量%からのシートの製造 固体モノステアリン酸グリセリル10重量%及び実施例
Iにおいて製造したPETGポリエステルペレット90
重量%を用いて、ポリエステル/可塑剤濃縮物を製造し
た。濃縮物ペレットを、実施例IからのPETGポリエ
ステルペレットと20/80の比で機械的にブレンドし
た。一軸スクリュー押出機を用いてペレットをシートに
押出した。シート中のモノステアリン酸グリセリルの最
終濃度は2重量%であった。ポリマーはTg(DSCに
よって20℃/分で測定)が75℃であった。試験結果
を表Iに要約する。
【0025】実施例IV PETGコポリエステル97重量%及びモノステアリン
酸グリセリル3重量%からのシートの製造 固体モノステアリン酸グリセリル10重量%及び実施例
Iにおいて製造したPETGポリエステルペレット90
重量%を用いて、ポリエステル/可塑剤濃縮物を製造し
た。濃縮物ペレットを実施例IからのPETGポリエス
テルペレットと30/70の比で機械的にブレンドし
た。一軸スクリュー押出機を用いてペレットをシートに
押出した。シート中のモノステアリン酸グリセリルの最
終濃度は3重量%であった。ポリマーはTg(DSCに
よって20℃/分で測定)が70℃であった。試験結果
を表Iに要約する。
【0026】実施例V PETGコポリエステル96重量%及びモノステアリン
酸グリセリル4重量%からのシートの製造 固体モノステアリン酸グリセリル10重量%及び実施例
Iにおいて製造したPETGポリエステルペレット90
重量%を用いて、ポリエステル/可塑剤濃縮物を製造し
た。濃縮物ペレットは実施例IからのPETGポリエス
テルペレットと40/60の比で機械的にブレンドし
た。一軸スクリュー押出機を用いてペレットをシートに
押出した。シート中のモノステアリン酸グリセリルの最
終濃度は4重量%であった。ポリマーはTg(DSCに
よって20℃/分で測定)が68℃であった。試験結果
を表Iに要約する。
【0027】 表 I 実施例 ポリエステル(wt%) 可塑剤(wt%) Tg(℃) I 100 0 82℃ II 99 1 77℃ III 98 2 75℃ IV 97 3 70℃ V 96 4 68℃ 表Iの結果から、熱収縮性ポリエステルフィルムのガラ
ス転移温度は、300℃未満の温度で、揮発性の低い可
塑剤の臨界量をポリエステルと溶融ブレンドすることに
よってかなり低下させることができることが明白であ
る。
【0028】実施例VI PVCシートを、横断方向(TD)には伸張せずに、9
0℃において縦方向(MD)に延伸比3倍でフィルムに
延伸した。すなわち、フィルムを一軸延伸した。延伸フ
ィルムの収縮を恒温の水浴中で30秒間測定した。各々
60,70,80及び90℃で測定したデータを表IIに
示す。収縮開始温度、すなわち、フィルムが2%収縮す
る温度は約60℃であった。PVC収縮に関する試験結
果を表IIに要約する。
【0029】実施例VII 実施例Iにおいて製造したPETGポリエステルをシー
トに押出してから、90℃においてMD延伸比4倍でフ
ィルムに延伸した。PETGの収縮開始温度は約64%
であった。PETG収縮に関する試験結果を表IIに要約
する。
【0030】実施例VIII 実施例Iにおいて製造したPETGポリエステルペレッ
トを、1%モノステアリン酸グリセリルと溶融ブレンド
しシートに押出してから、90℃においてMD延伸比4
倍でフィルムに延伸した。収縮に関する試験結果を表II
に要約する。
【0031】実施例IX 実施例Iにおいて製造したPETGポリエステルペレッ
トを、2%モノステアリン酸グリセリルと溶融ブレンド
しシートに押出してから、90℃においてMD延伸比4
倍でフィルムに延伸した。収縮に関する試験結果を表II
に要約する。
【0032】実施例X 実施例Iにおいて製造したPETGポリエステルペレッ
トを、3%モノステアリン酸グリセリルと溶融ブレンド
しシートに押出してから、85℃においてMD延伸比4
倍でフィルムに延伸した。収縮に関する試験結果を表II
に要約する。
【0033】実施例XI 実施例Iにおいて製造したPETGポリエステルペレッ
トを、4%モノステアリン酸グリセリルと溶融ブレンド
しシートに押出してから、85℃においてMD延伸比4
倍でフィルムに延伸した。収縮に関する試験結果を表II
に要約する。
【0034】 表 II 実施例 VI VII VIII IX X XI 延伸温度(℃) 90 90 90 90 85 85 延伸比 3 4 4 4 4 4 収縮率(60℃)% 2 0 2 3 12 14 収縮率(70℃)% 26 22 31 38 48 45 収縮率(80℃)% 51 59 62 57 68 69 収縮率(90℃)% 58 74 73 70 74 74 収縮開始温度(℃) 60 64 60 59 56 54 表IIの結果から、収縮開始温度は可塑剤を用いた改質に
よって低下することが明白である。さらに、これらのデ
ータから、PETGの収縮開始温度は比較的高いのでP
ETGはPVCより劣っていることがわかる。
【0035】60℃における収縮は、可塑剤を添加して
いないPETGの場合には0%であるのに比べて、ポリ
エステル/2%可塑剤ブレンドでは3%である。従っ
て、2%モノステアリン酸グリセリルで可塑化されたP
ETGは、最大収縮率がPVCよりも依然として高い
が、収縮開始温度はPVCと同じである。ポリエステル
/3%可塑剤ブレンドは収縮開始温度が約56℃であ
り、60℃における収縮が12%である。これは、収縮
開始温度が比較的低いので、より低温の収縮包装に使用
できる。このように可塑化されたPETGは、可塑剤を
添加していないPETG6763に比べていっそう優れ
た収縮特性を有する。ポリエステル/4%可塑剤ブレン
ドは、収縮開始温度が約54℃であるので、これは熱過
敏性の高い収縮包装に適している。
【0036】
【発明の効果】本発明のポリエステル/可塑剤ブレンド
によって製造できる熱収縮性フィルムは、環境上安全
で、しかも、以前の熱収縮性フィルムに見られるよう
な、収縮開始温度が比較的高く且つ収縮率が比較的高い
という欠点を持たない。本発明の熱収縮性フィルムは、
耐熱性、印刷適性、耐衝撃性及び耐応力亀裂性を示すと
共に、押出時に優れた溶融流動性を示す。
【0037】本発明を、特にその好ましい実施態様及び
方法に関して詳述したが、本発明の精神及び範囲内で変
更及び修正が可能なことを理解されたい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/103 C08K 5/103 // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジカルボン酸100モル%及びジ
    オール100モル%に基づき、(1)少なくとも80モ
    ル%の、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸からの反
    復単位を含むジカルボン酸成分、及び(2)少なくとも
    10モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールから
    の反復単位を含むジオール成分を含んでなる、ガラス転
    移温度が40〜150℃及びインヘレント粘度が0.5
    〜1.2dL/gのポリエステル90〜99重量%;と (B)グリセロールと炭素数4〜30の脂肪酸との反応
    によって得られたC5〜C35モノグリセリドから選ばれ
    た可塑剤1〜10重量%((A)及び(B)の合計重量
    を100%とする)とのブレンドを含んでなる熱収縮性
    フィルムまたはシート。
  2. 【請求項2】 ポリエステルのジカルボン酸成分がテレ
    フタル酸からの反復単位から本質的になる請求項1に記
    載の熱収縮性フィルムまたはシート。
  3. 【請求項3】 ポリエステルのジオール成分がエチレン
    グリコール67〜75モル%及び1,4−シクロヘキサ
    ンジメタノール33〜25モル%からの反復単位から本
    質的になる請求項1に記載の熱収縮性フィルムまたはシ
    ート。
  4. 【請求項4】 成分(A)のポリエステルが0.6〜
    0.9dL/gのインヘレント粘度を有する請求項1に記
    載の熱収縮性フィルムまたはシート。
  5. 【請求項5】 成分(A)のポリエステルが50〜10
    0℃のガラス転移温度を有する請求項1に記載の熱収縮
    性フィルムまたはシート。
  6. 【請求項6】 前記可塑剤が成分(A)及び(B)の重
    量に基づき2〜6重量%の量で存在する請求項1に記載
    の熱収縮性フィルムまたはシート。
  7. 【請求項7】 前記脂肪酸が、イソ吉草酸、吉草酸、カ
    プロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カ
    プリン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、
    ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステア
    リン酸、アラキン酸、フィタン酸、ベヘン酸、リグノセ
    リン酸、セロチン酸、モンタン酸、カプロレイン酸、パ
    ルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、エライジン
    酸、ブラシジン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール
    酸、エレオステアリン酸、リノレン酸及びアラキドン酸
    からなる群から選ばれる請求項1に記載の熱収縮性フィ
    ルムまたはシート。
  8. 【請求項8】 前記可塑剤がモノステアリン酸グリセリ
    ルである請求項1に記載の熱収縮性フィルムまたはシー
    ト。
  9. 【請求項9】 (I)温度200〜315℃において、 (A)ジカルボン酸100モル%及びジオール100モ
    ル%に基づき、(1)少なくとも80モル%の、炭素数
    8〜14の芳香族ジカルボン酸からの反復単位を含むジ
    カルボン酸成分、及び(2)少なくとも10モル%の
    1,4−シクロヘキサンジメタノールからの反復単位を
    含むジオール成分を含んでなる、ガラス転移温度が40
    〜150℃及びインヘレント粘度が0.5〜1.2dL/
    gのポリエステル90〜99重量%と (B)グリセロールと炭素数4〜30の脂肪酸との反応
    によって得られたC5〜C35モノグリセリドから選ばれ
    た可塑剤1〜10重量%((A)及び(B)の合計重量
    を100%とする)とを混合し、そして (II)このブレンドをフィルムまたはシートに成形する
    ことを含んでなる熱収縮性フィルムまたはシートの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記可塑剤がモノステアリン酸グリセ
    リルである請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 (A)ジカルボン酸100モル%及び
    ジオール100モル%に基づき、(1)少なくとも80
    モル%の、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸からの
    反復単位を含むジカルボン酸成分、及び(2)少なくと
    も10モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールか
    らの反復単位を含むジオール成分を含んでなる、ガラス
    転移温度が40〜150℃及びインヘレント粘度が0.
    5〜1.2dL/gのポリエステル88〜94重量%;と (B)グリセロールと炭素数4〜30の脂肪酸との反応
    によって得られたC5〜C35モノグリセリドから選ばれ
    た可塑剤6〜12重量%((A)及び(B)の合計重量
    を100%とする)を含んでなる、熱収縮性フィルムま
    たはシートの製造に使用されるポリエステル/可塑剤濃
    縮物。
  12. 【請求項12】 前記可塑剤がモノステアリン酸グリセ
    リルである請求項11に記載のポリエステル/可塑剤濃
    縮物。
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