JP3150441B2 - 延伸安定性に優れたチューブラ二軸延伸フィルム用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物 - Google Patents

延伸安定性に優れたチューブラ二軸延伸フィルム用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリブチレンテレフタ
レート系樹脂からなる機械的強度、耐熱性、透明性等に
優れたチューブラ二軸延伸フィルムを得るための組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート樹脂は優れ
た機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、電気的性
質等を有するために、従来よりエンジニアリングプラス
チックとして注目され、主に自動車部品、電気・電子部
品等の射出成形分野でその応用が進められてきたが、フ
ィルム成形分野ではインフレーション成形法によるフィ
ルムが調理用袋などの用途に、またTダイ法による未延
伸シートが成形容器用として一部応用されているにすぎ
ず、二軸延伸フィルムについては未だ実用化に至ってい
ないのが現状である。
【0003】ところで、ポリブチレンテレフタレート樹
脂は周知の如く結晶化速度が極めて速いために、これを
例えばインフレーション成形によって製膜しようとする
と、ダイスから押し出された溶融チューブの冷却が空冷
方式となる関係上、冷却不足による結晶化が進行して、
フィルムの白化が避けられない。またTダイ法によるシ
ート成形においても冷却ロールの温度を0℃近くまで冷
却したところで、200μ以上の厚みになるとシートが
白化して透明性が失われる。
【0004】一方、チューブラ二軸延伸フィルムを製造
する方法としては、環状ダイスから溶融押し出したチュ
ーブを水等の冷媒を用いて急冷することにより、実質的
に非晶質の未延伸フィルムとなした後、適宜の予熱工程
を経て縦横両方向同時に二軸延伸するのが一般的であ
る。ところが、ポリブチレンテレフタレート樹脂をチュ
ーブラ二軸延伸法で製膜すると、未延伸フィルムの厚み
が厚くなるにつれ、その極めて速い結晶性のために、通
常の水冷等の冷却方式では未延伸フィルムの結晶化を充
分抑えきれず、引き続く延伸工程での延伸性が悪化して
品質の良好なフィルムが得られないなど、広い範囲の厚
みのポリブチレンテレフタレート樹脂二軸延伸フィルム
を製造するためには、その未延伸フィルムの結晶化をい
かに抑制するかが大きなポイントで、この問題を解決し
ない限り安定した二軸延伸は行い得ないのである。
【0005】そこで、かかるポリブチレンテレフタレー
ト樹脂の結晶化を抑制する方法として、溶融チューブの
冷却効率を高めるために、チューブを内外両面から冷却
する方法や、零下の温度でも凍結しない冷媒を用いて冷
却する方法が考えられるが、いずれも設備面、コスト面
で多くの解決しなければならない問題が残されている。
【0006】また透明なポリブチレンテレフタレート樹
脂フィルムを得る方法として、固有粘度1.0以上のポ
リブチレンテレフタレート樹脂に固有粘度0.4以上の
ポリカーボネート樹脂を添加した樹脂組成物を上向き空
冷方式のインフレーション成形法にて厚さ50μ以下の
フィルムを製造する方法(特開平3−236935号公
報)やポリブチレンテレフタレート系樹脂10〜100
重量部とポリエチレンテレフタレート系樹脂90〜0重
量部を含む樹脂組成物を製膜し、得られたシートを用い
真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形により
結晶性耐熱性樹脂容器を製造する方法(特開平4−63
836号公報)がそれぞれ提案されている。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情
に鑑みなされたものであり、その目的とするところは延
伸性が極めて安定で、優れた機械的強度、耐熱性、透明
性を有するチューブラ二軸延伸ポリブチレンテレフタレ
ート系樹脂フィルムを得るための組成物を提供する点に
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために種々のポリブチレンテレフタレート系
樹脂について、その結晶化挙動と二軸延伸性との関係を
詳しく検討した結果、ポリブチレンテレフタレート樹脂
に共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を配合した特
定の結晶化熱を有する樹脂組成物であれば、未延伸フィ
ルムの結晶化が適度に抑制され、極めて安定した延伸が
可能となるばかりか、得られる二軸延伸フィルムも優れ
た機械的強度と耐熱性、透明性等を兼備することを見い
出し本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明はポリブチレンテレフタレー
ト樹脂を主成分とし、これに共重合ポリエチレンテレフ
タレート樹脂を配合してなるフィルム成形用樹脂組成物
において、該組成物の示差走査熱量計による降温時の結
晶化熱の絶対値が、室温から20℃/分の速度で250
℃まで昇温し、そのまま30秒間保持した後、20℃/
分の速度で室温まで降温したとき、50mJ/mg以下
となるよう上記ポリブチレンテレフタレート樹脂に共重
合ポリエチレンテレフタレート樹脂を配合したものであ
ることを特徴とする延伸安定性に優れたチューブラ二軸
延伸フィルム用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成
物に係るものである。
【0010】以下、本発明のポリブチレンテレフタート
系樹脂組成物について詳しく説明する。本発明において
ポリブチレンテレフタレート樹脂とは、ブチレンテレフ
タレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルの少
なくとも一種をさすもので、具体的にはグリコール成分
としての1,4−ブタンジオールとジカルボン酸成分と
してのテレフタル酸又はその低級アルコールエステルと
を重縮合して得られるポリエステルをいうが、これら成
分の20モル%以下を他の原料、例えばグリコール成分
としての1,4−ブタンジオールの一部をエチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル等で、またジカルボン酸成分としてのテレフタル酸ま
たはその低級アルコールエステルの一部をイソフタル
酸、オルトフタル酸等で置き換えた共重合ポリエステル
であってもよい。尚、ポリブチレンテレフタレート樹脂
の融点は一般的に200〜230℃であり、固有粘度は
その押出し適性の点から0.6〜1.5程度のものが好
ましい。
【0011】また本発明で使用する共重合ポリエチレン
テレフタレート樹脂とは、基本的に上記ポリブチレンテ
レフタレート樹脂の結晶化を抑制できる共重合タイプの
ポリエステル樹脂であればいかなるものでもよいが、一
般的には主としてエチレングリコールをグリコール成分
とし、テレフタル酸をジカルボン酸成分とする共重合ポ
リエステルの少なくとも一種をさすもので、この場合エ
チレングリコール以外のグリコール成分として1,4-
ブタンジオール、プロピレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを、
またテレフタル酸以外のジカルボン酸成分としてイソフ
タル酸、オルトフタル酸等の中から選ばれる共重合成分
を含むものであり、中でも融点が240℃以下の結晶性
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、或いは240
℃以下の温度でで押し出し可能な非晶性の共重合ポリエ
チレンテレフタレート樹脂のうち押出し適性の点から固
有粘度が0.6〜1.0程度のものが好ましい。
【0012】尚、本発明のポリブチレンテレフタレート
系樹脂組成物には、その性質を大きく変えない範囲内で
公知の滑剤、アンチブロッキング剤、安定剤、帯電防止
剤、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、可塑
剤、着色剤等の添加剤を必要に応じて適宜加えても差し
支えない。
【0013】本発明のチューブラ二軸延伸フィルム用ポ
リブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、かかるポリ
ブチレンテレフタレート樹脂と共重合ポリエチレンテレ
フタレート樹脂を必須成分とし、且つ示差走査熱量計に
よる降温時の結晶化熱の絶対値が50mJ/mg以下、
好ましくは48mJ/mg以下となるよう両者を配合し
たものである。ここで降温時の結晶化熱の絶対値とは、
示差走査熱量計を用いて約10mgの試料を室温から2
50℃まで20℃/分の速度で昇温し、そのまま30秒
間保持した後、20℃/分の速度で室温まで降温したと
きに現れる結晶化に伴う発熱ピークの結晶化熱をさすも
ので、溶融樹脂が冷却固化する際や二軸延伸時の結晶化
のしやすさの目安となるものである。即ち、本発明でい
う結晶化熱はその絶対値が大きいほど結晶化が起こりや
すく、逆に小さいほど結晶化が起こりにくいという傾向
を示すことから、結晶化熱の絶対値が50mJ/mgを
越えるものは未延伸フィルムの結晶化度が高く、引き続
く延伸工程での安定性が乏しくなるばかりか、延伸斑に
よる偏肉精度の悪化を招くことになる。尚、通常押出成
形に用いられるポリブチレンテレフタレート樹脂単体の
結晶化熱の絶対値は約53乃至57mJ/mg程度の値
である。
【0014】ここで図1は、固有粘度1.0のポリブチ
レンテレフタレート樹脂(ポリプラスチックス(株)製
ジュラネックス600FP)にA:固有粘度0.77
の結晶性共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(カネ
ボウ合繊(株)製 PBIC)、またはB:固有粘度
0.80の非晶性共重合ポリエチレンテレフタレート樹
脂(イーストマン・ケミカル社製 PETG6763)
を配合したときの、共重合ポリエチレンテレフタレート
樹脂の配合比率と結晶化熱の絶対値の関係を示したもの
であるが、同図から共重合ポリエチレンテレフタレート
樹脂の種類が異なると、配合比率によって結晶化熱の絶
対値が異なることから、延伸安定性は単に配合比率によ
って規定できるものではなく、適切な結晶化熱になるよ
う両者を配合することが肝要であることが分かる。
【0015】尚、結晶化熱の絶対値の下限は特にない
が、極端に結晶化熱の絶対値が減少、或いは消失してし
まうと、得られた二軸延伸フィルムの結晶化度が小さく
なり、熱固定の処理を施しても熱寸法安定性が向上しな
いことから、意図的に熱収縮性を付与する場合を除き、
結晶化熱の絶対値は40mJ/mg以上となるよう配合
することが好ましい。また配合比率も特に制限はないが
ポリブチレンテレフタレート樹脂特有の性質を維持する
ためには共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の配合
量を50重量%未満とすることが好ましい。
【0016】かかる本発明のポリブチレンテレフタレー
ト系樹脂組成物は、予めポリブチレンテレフタレート樹
脂と共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を二軸混練
押出機、バンバリミキサー等で混練、ペレット化したも
のや、ポリブチレンテレフタレート樹脂と共重合ポリエ
チレンテレフタレート樹脂をペレット同志で混合したも
のでもよい。
【0017】本発明のチューブラ二軸延伸用ポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂組成物は、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂に共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂
をかかる特定の結晶化熱となるように配合したものであ
るが、ここで共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を
用いた理由は単に透明性を向上させるためだけではな
く、むしろ前述の如くポリブチレンテレフタレート樹脂
特有の極めて速い結晶化を適度に抑制して、均一且つ安
定な延伸性を付与するためである。
【0018】尚、本発明の樹脂組成物は、延伸開始から
延伸終了までに要する時間が数秒以内で縦横方向同時に
延伸されるチューブラ二軸延伸用の組成物に限定するも
のであり、延伸時間が十数秒以上要するテンター法には
延伸時の配向結晶化に伴う延伸性の不安定要因が加わる
ため、適用できない。
【0019】また、本発明の樹脂組成物において、共重
合ポリエチレンテレフタレート樹脂の代わりに単独重合
ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた場合は、ほぼ
同等の効果は得られるものの、通常単独重合ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂は融点が約260℃と高く、押し
出し成形時には280℃以上の温度が必要となり、この
温度はポリブチレンテレフタレート樹脂の分解温度にほ
ぼ等しくなり、長時間安定した押出が困難となり適して
いない。
【0020】尚、本発明の組成物は二軸延伸フィルムと
なすことにより機械的強度、耐熱性、経時による品質の
安定性等、未延伸フィルムでは成し得られない優れた性
質を兼備させることができるため、包装材料のみにとど
まらず、加熱処理袋、インモールド転写基材フィルム、
深絞り成形容器用フィルム等の一般産業資材分野での利
用も大いに期待されるものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】(1)結晶化熱の絶対値(単位:mJ/m
g) セイコー電子工業(株)の示差走査熱量計DSC220
Cを用い、約10mgの試料を室温から20℃/分の速
度で250℃まで昇温し、そのまま30秒間保持した
後、20℃/分の速度で室温まで降温したとき、降温時
の結晶化に伴う発熱ピークの面積から下記の式1により
算出した。
【0023】
【式1】
【0024】(2)固有粘度 ポリブチレンテレフタレート樹脂はo−クロロフェノー
ル中25℃、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂は
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=6
/4混合溶媒中30℃で測定した。
【0025】(3)延伸安定性 二軸延伸時のチューブの揺れ、径変動、延伸斑が少ない
ものを(○)、揺れ、径変動、延伸斑の何れかが大きい
ものを(×)とした。
【0026】(4)偏肉精度(単位:%) 安立社製連続式フィルム厚さ測定器(電子マイクロメー
ター使用)により、フィルムの横方向の厚さを測定し、
式2より算出した。
【0027】
【式2】
【0028】(5)総合評価 延伸安定性、偏肉精度が良好なものを(○)、延伸安定
性または偏肉精度が不良なものを(×)とした。
【0029】実施例1 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分
として1,4−ブタンジオールよりなるポリブチレンテ
レフタレート樹脂(ポリプラスチックス(株)製 ジュ
ラネックス600FP[固有粘度:1.0、融点:22
5℃])とジカルボン酸成分としてテレフタル酸及びイ
ソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール
より成る結晶性共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂
(カネボウ合繊(株)製 PBIC[固有粘度:0.7
7、融点:224℃])を図1に基づいてポリブチレン
テレフタレート樹脂:共重合ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂=90:10(重量比)で配合して降温時の結晶
化熱の絶対値が48mJ/mgの樹脂組成物を、先端に
環状ダイスが装着された口径65mmの押出機を用いて
温度240〜260℃、スクリュー回転数50rpmの
条件下で下向きに溶融押出した。環状ダイスのスリット
直径は100mmで、スリットギャップは0.8mmで
ある。この押出後の溶融状態にあるチューブをダイス下
方に取り付けた内径110mmの円筒サイジングでチュ
ーブの外側から5℃の冷却水で水冷して引き取ることに
より、直径約110mm、厚み200μのチューブ状未
延伸フィルムを得た。こうして得た未延伸フィルムを引
き続き20℃の温度に保った状態で延伸ゾーンに導き、
チューブラ同時二軸延伸を行った。ここで延伸開始から
終了までの時間は約2秒で、縦横方向の延伸倍率はそれ
ぞれ2.5倍であり、得られた二軸延伸フィルムの厚さ
は約32μである。このときの延伸安定性と二軸延伸フ
ィルムの偏肉精度を表1に示す。
【0030】実施例2 図1に基づいてポリブチレンテレフタレート樹脂:共重
合ポリエチレンテレフタレート樹脂=80:20(重量
比)で配合して降温時の結晶化熱の絶対値を44mJ/
mgとした以外は実施例1と同様な方法により、厚さ約
32μの二軸延伸フィルムを作製した。このときの延伸
安定性と偏肉精度を表1に示す。
【0031】実施例3 未延伸フィルムの厚さを280μとした以外は実施例2
と同様な方法により、厚さ約45μの二軸延伸フィルム
を作製した。このときの延伸安定性と偏肉精度を表1に
示す。
【0032】実施例4 共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を非晶性タイプ
(イーストマン・ケミカル社製 PETG6763[固
有粘度:0.80])とし図1に基づいてポリブチレン
テレフタレート樹脂:共重合ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂=92:8(重量比)で配合して降温時の結晶化
熱の絶対値を48mJ/mgとした以外は実施例1と同
様な方法により、厚さ約32μの二軸延伸フィルムを作
製した。このときの延伸安定性と偏肉精度を表1に示
す。
【0033】比較例1 共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いず、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂のみを用いた以外は実施例
1と同様にして、厚さ約32μの二軸延伸フィルムを作
製した。このときの延伸安定性と偏肉精度を表1に示
す。
【0034】比較例2 図1に基づいてポリブチレンテレフタレート樹脂:共重
合ポリエチレンテレフタレート樹脂=97:3(重量
比)で配合して降温時の結晶化熱の絶対値を52mJ/
mgとした以外は実施例1と同様にして、厚さ約32μ
の二軸延伸フィルムを作製した。このときの延伸安定性
と偏肉精度を表1に示す。
【0035】比較例3 共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を非晶性タイプ
(イーストマン・ケミカル社製 PETG6763[固
有粘度:0.80])とし図1に基づいてポリブチレン
テレフタレート樹脂:共重合ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂=98:2(重量比)で配合して降温時の結晶化
熱の絶対値が52mJ/mgとした以外は実施例1と同
様な方法により、厚さ約32μの二軸延伸フィルムを作
製した。このときの延伸安定性と偏肉精度を表1に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】表1の結果から、ポリブチレンテレフタレ
ート系樹脂組成物において、本発明の範囲以外の配合で
二軸延伸フィルムを作製した場合、延伸安定性、偏肉精
度が悪く、品質の良好なフィルムが得られなかった。
【0038】
【発明の効果】以上の如く、本発明は溶融状態から冷却
した場合、その結晶化速度が極めて速いポリブチレンテ
レフタレート樹脂に特定の条件を満足させるように共重
合ポリエチレンテレフタレート樹脂を配合した樹脂組成
物を用いることにより、その結晶性を改善できるため、
チューブラ二軸延伸時の安定性を飛躍的に向上させ、二
軸延伸フィルムを容易に製造することに成功したもので
ある。
【0039】また、かかる本発明の樹脂組成物を用いた
二軸延伸フィルムは、優れた機械的強度、耐熱性、透明
性を有するため、一般包装用資材、収縮包装用資材、熱
成形用資材等として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリブチレンテレフタレート樹脂に共重合ポリ
エチレンテレフタレート樹脂を配合したときの、共重合
ポリエチレンテレフタレート樹脂の配合比率と結晶化熱
の絶対値の関係を示すための説明図である。
【符号の説明】
A:固有粘度1.0のポリブチレンテレフタレート樹脂
(ジュラネックス600FP)に結晶性共重合ポリエチ
レンテレフタレート樹脂(PBIC)を配合したもの。 B:固有粘度1.0のポリブチレンテレフタレート樹脂
(ジュラネックス600FP)に非晶性共重合ポリエチ
レンテレフタレート樹脂(PETG6763)を配合し
たもの。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリブチレンテレフタレート樹脂を主成分
    とし、これに共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を
    配合してなるフィルム成形用樹脂組成物において、該組
    成物の示差走査熱量計による降温時の結晶化熱の絶対値
    が、室温から20℃/分の速度で250℃まで昇温し、
    そのまま30秒間保持した後、20℃/分の速度で室温
    まで降温したとき、50mJ/mg以下となるよう上記
    ポリブチレンテレフタレート樹脂に共重合ポリエチレン
    テレフタレート樹脂を配合したものであることを特徴と
    する延伸安定性に優れたチューブラ二軸延伸フィルム用
    ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
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