JP3222219B2 - ポリエステル樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂成形品およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル樹脂成形品
およびその製造法に関する。詳細には、本発明は、耐熱
性に優れ、しかも透明性に優れたポリエステル樹脂成形
品およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(以後「P
BT」という)は、力学的特性、耐熱性、耐候性、耐薬
品性などの諸特性にバランスよく優れ、しかも射出成形
性にも優れていることから、エンジニアリングプラスチ
ックとして自動車部品、電気部品、電子部品などに広く
使用されている。PBTは結晶性が高く、それに基づい
て上記の優れた諸特性を有するが、その反面透明性に劣
り、透明性が要求される用途には使用できない。そのた
め、PBTにパラキシリデングリコールなどのコモノマ
ーを共重合して透明性を付与することが提案されている
(特開平3−223339号公報)。しかし、この方法に
よると透明性が得られるものの、非晶化による耐熱性の
低下などを生じて、PBTが本来有する上記した優れた
諸特性を失うことになるので、適当な方法とはいえな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐熱
性などのPBTが本来有する優れた諸特性を保持しつ
つ、透明性に優れたPBT射出成形品を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく研究を続けてきた。その結果、PBTに対
して、PBTと相溶性がよく且つ特定の結晶化熱量を有
する非晶性のエチレンテレフタレート系共重合ポリエス
テル樹脂を特定の割合で配合してポリエステル樹脂組成
物を調製し、このポリエステル樹脂組成物を特定温度の
金型内に溶融射出成形すると、耐熱性などのPBT本来
の優れた諸特性を有し、しかも透明性に極めて優れた成
形品が得られること、その上この成形品は加熱雰囲気下
でも透明性が失われず白化しないことを見出して本発明
を完成した。
【0005】 すなわち、本発明は、(A)ブチレンテ
レフタレート単位から主としてなるポリエステル樹脂
(以後「ポリエステル樹脂(A)」という);並びに
(B)エチレンテレフタレート単位25〜85モル%お
よび他の繰返し単位75〜15モル%からなり且つ下記
の式(1)を満足する結晶化熱量(△Hch)(J/g)を
有する低結晶性共重合ポリエステル樹脂(以後「共重合
ポリエステル樹脂(B)」)という;
【0006】
【数2】△Hch(J/g)≦20 ・・・(1) [ただし、△Hchは290℃で溶融させた厚さ250
μのシート状樹脂を氷水中で急冷し、DSCにより10
℃/分の速度で昇温した時の結晶化熱量(J/g)を示
す]を、ポリエステル樹脂(A):共重合ポリエステル
樹脂(B)=60〜99:40〜1の重量割合で含むポリ
エステル樹脂組成物を用いて、金型温度80℃以下で射
出成形することを特徴とするポリエステル樹脂成形品の
製造方法である。そして、本発明は上記方法により製造
されたポリエステル樹脂成形品を包含する。
【0007】本発明で使用する上記のポリエステル樹脂
(A)は、ポリエステル樹脂を構成するグリコール単位
がブタンジオール単位から主としてなり且つジカルボン
酸単位がテレフタル酸単位から主としてなるポリエステ
ル樹脂である。本発明により得られる射出成形品の耐熱
性や機械的特性などが充分に高められる点から、ポリエ
ステル樹脂(A)におけるブチレンテレフタレート単位
の割合が全繰返し単位基準で80モル%以上、特に85
モル%以上であるのが望ましい。また、限定されるもの
ではないが、一般に、ポリエステル樹脂(A)は、フェ
ノール/テトラクロロエタン等重量混合溶媒中にて30
℃で測定したときの粘度が約0.7〜1.5dl/gの
範囲にあるのが、射出成形性、得られる射出成形品の力
学的特性や耐熱性の点から望ましい。
【0008】ポリエステル樹脂(A)は、必要に応じて
少量(通常20モル%未満)のブチレンテレフタレート
単位以外の繰返し単位を含むことができ、そのような他
の繰返し単位用の成分、すなわち、テレフタル酸以外の
ジカルボン酸および/または1,4−ブタンジオール以
外のジオールの例としては、フタル酸、イソフタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバチン酸等のジカルボン酸;p−オキシ安息
香酸などのオキシカルボン酸;エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノ−ル
などのジオール;またはそれらのエステル形成性誘導体
を挙げることができる。更にポリエステル樹脂(A)
は、必要に応じて少量の3価以上の多価の構造単位を含
むことができ、そのような構造単位用の成分の例として
は、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコー
ル;またはそれらのエステル形成性誘導体を挙げること
ができる。
【0009】ポリエステル樹脂(A)は、通常のポリエ
ステル樹脂を製造するのに一般的に採用されているいず
れの方法に準じて製造してもよく、例えばテレフタル酸
および1,4−ブタンジオール、またはそれらのエステ
ル形成性誘導体、更に必要に応じて少量の上記したよう
な他の共重合成分を含む原料を使用して、エステル化反
応またはエステル交換反応を行って低重合体をつくり、
この低重合体を溶融重縮合させることにより製造するこ
とができる。なお、この溶融重縮合でえられたポリエス
テルからなるチップを、必要に応じて固相重合すること
により更に高重合度化してもよい。
【0010】また、共重合ポリエステル樹脂(B)は、
エチレンテレフタレート単位の含有割合が全繰返し単位
基準で25〜85モル%であり且つその結晶化熱量(△
Hch)が上記の式(1)を満足する、すなわち20J
/g以下になるように、エチレングリコール、テレフタ
ル酸またはそれらのエステル形成性誘導体を、他の共重
合成分と共重合させて得られる共重合ポリエステル樹脂
である。
【0011】共重合ポリエステル樹脂(B)の結晶化熱
量(△Hch)が20J/gよりも大きいと、共重合ポリ
エステル樹脂(B)の結晶性が高くなり過ぎて、ポリエ
ステル樹脂(A)と共重合ポリエステル樹脂(B)との
組成物から得られる射出成形品の透明性が低下する。共
重合ポリエステル樹脂(B)としては、その結晶化熱量
(△Hch)が12J/g以下のものを使用するのが、
得られる射出成形品の透明性、耐熱性、力学的特性など
の点から特に好ましい。
【0012】 共重合ポリエステル樹脂(B)におい
て、エチレングリコール、テレフタル酸またはそれらの
エステル形成性誘導体と共重合させる他の共重合体成
分、すなわち、テレフタル酸以外のジカルボン酸および
/またはエチレングリコール以外のジオールとしては、
イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、パラフェニ
レンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウムなど
の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、スベリン酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、ンタンジオール、ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエ
チレンオキサイド付加物、又はそれらのエステル形成性
誘導体を挙げることができる。
【0013】上記したような他の共重合成分は、共重合
ポリエステル樹脂(B)の結晶化熱量(△Hch)が20
J/g以下になるように、該共重合体成分の種類に応じ
て、ジカルボン酸単位およびジオール単位からなる全構
造単位を基準として、75〜15モル%の範囲内でその
適当な量を選んで使用するのがよい。他の共重合成分の
割合が15モル%未満であったり、または75モル%を
超えると、得られる共重合ポリエステル樹脂(B)の結晶
化熱量(△Hch)が20J/gよりも大きくなり、透明
な射出成形品が得られなくなる。
【0014】共重合ポリエステル樹脂(B)は、ポリエ
ステル樹脂(A)の場合と同様に、通常のポリエステル
樹脂を製造するのに一般的に採用されているいずれの方
法に準じて製造してもよく、例えばテレフタル酸および
エチレングリコール、またはそれらのエステル形成性誘
導体と、上記した他の共重合成分のうちの少なくとも1
種とを含む原料を使用して、エステル化反応またはエス
テル交換反応を行って低重合体をつくり、この低重合体
を溶融重縮合させてポリエステルプレポリマーを形成
し、このプレポリマーからなるペレット(チップ)を固
相重合することにより製造することができる。
【0015】また、共重合ポリエステル樹脂(B)は、
その結晶化熱量(△Hch)が20J/g以下である限
りは、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール等
の三官能以上の多官能性共重合成分から誘導される単位
を必要に応じて少量含んでいてもよい。
【0016】 そして、本発明の射出成形品を製造する
に当たっては、上記したポリエステル樹脂(A)と共重合
ポリエステル樹脂(B)とを、60:40〜99:1の重
量割合で含むポリエステル樹脂組成物を形成し、このポ
リエステル樹脂組成物を使用して射出成形を行う。ポリ
エステル樹脂(A)の割合が60重量%よりも少ない[す
なわち共重合ポリエステル樹脂(B)の割合が40重量
%よりも多い]と、得られる射出成形品の耐熱性、力学
的特性などが低下し、一方ポリエステル樹脂(A)の割合
が99重量%よりも多い[すなわち共重合ポリエステル
樹脂(B)の割合が1重量%よりも少ない]と、透明な
射出成形品が得られなくなる。上記の範囲のうちでも、
ポリエステル樹脂(A)と共重合ポリエステル樹脂
(B)とを70/30〜95/5の重量割合で含むポリ
エステル樹脂組成物を使用するのが、成形性が良好で、
且つ得られる成形品の力学的特性、耐熱性、透明性など
の特性のバランスがよく、より好ましい。
【0017】ポリエステル樹脂(A)と共重合ポリエス
テル樹脂(B)との混合、射出成形法は特に限定され
ず、両方のポリエステル樹脂が均一に混合される限りど
のような方法で行ってもよい。例えば、ポリエステル
樹脂(A)のペレット(チップ)と共重合ポリエステル
樹脂(B)のペレットとを別々につくり、両方のペレッ
トを混合して混合ペレットとした後、この混合ペレット
を溶融混練押出して両樹脂が均一に混ざった均一混練ペ
レットをつくり、この均一混練ペレットを用いて射出成
形を行う方法、ポリエステル樹脂(A)ペレットと共重
合ポリエステル樹脂(B)ペレットの各々を射出成形装置
の溶融混練部分に直接供給して該溶融混練部で両者を均
一に混合してそのまま金型内に射出して成形を行う方
法、ポリエステル樹脂(A)と共重合ポリエステル樹
脂(B)とをペレット状ではなく粉末状やその他の形態
で混合してポリエステル樹脂組成物を形成してこれを用
いて射出成形する方法などを挙げることができる。
【0018】更に、上記のポリエステル樹脂組成物は、
必要に応じて、タルク、リン酸ナトリウムなどの結晶化
促進のための造核剤、光安定剤、酸化防止剤などのその
他の成分を含有することができる。
【0019】 上記のポリエステル樹脂組成物を用いて
射出成形を行うことにより、目的とする透明性に優れた
成形品を製造する。射出成形に当たっては、こののポ
リエステル樹脂に対して通常使用されている射出成形装
置および射出成形方法のいずれもが採用できる。その場
合に得られる成形品の透明性の点から、金型温度を80
℃以下にしておくことがよく、特に10〜60℃にして
おくのが望ましい。金型温度が80℃よりも高いと、得
られる成形品の透明性が低下する。また、成形性、得ら
れる成形品の透明性などの点から、射出成形時のポリエ
ステル樹脂組成物の溶融温度を220〜280℃とし、
成形品の肉厚を4mm以下にするのが望ましい。しかし
ながら、それに限定されるものではなく、本発明により
種々の形状、構造および寸法の射出成形品を製造するこ
とができる。
【0020】本発明で得られる射出成形品は、外装材、
内装材、電気製品、電子部品、光学部品、日用雑貨品、
食品用包装材などとして種々の広汎な分野で使用するこ
とができる。特に、本発明の射出成形品は、透明性と共
に耐熱性が要求される用途に有効であり、例えば150
℃程度の高温下に長期間置かれても、透明性の低下がな
く、しかも変形、容積の縮小などを生じず、当初の形状
および寸法を保持することができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
中、各ポリエステル樹脂の極限粘度、共重合ポリエステ
ル樹脂(B)の結晶化熱量(△Hch)、並びに成形品
の耐熱性(熱変形温度)および透明性(ヘイズ)(%)
を、下記の方法により測定した。
【0022】ポリエステル樹脂の極限粘度:試料(ポリ
エステル樹脂)をフェノールとテトラクロロエタンの等
重量混合溶媒に溶解し、その30℃の粘度を測定した結
果に基づいて求めた。
【0023】共重合ポリエステル樹脂(B)の△Hc
:各実施例または比較例で用いた共重合ポリエステル
樹脂(B)を290℃のホットプレスでシート状に溶融
させた後、直ちに氷水(温度0℃)中に浸漬して急冷
し、得られたシートをメトラー社製の示差走査熱量計を
使用して、DSC(示差走査熱量測定)方式によって1
0℃/分の速度での昇温条件下にその結晶化熱量(J/
g)を測定した。
【0024】成形品の耐熱性(熱変形温度):ASTM
D648により測定した。成形品の透明性(ヘイズ) :ASTM D1003によ
り評価した。
【0025】《実施例 1》エチレングリコール69.
2モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール3
0.8モル%からなるグリコール原料とテレフタル酸と
から、グリコール原料:テレフタル酸のモル比が1.
2:1になるように調整してスラリーを形成し、このス
ラリーを加圧下(絶対圧2.5kg/cm2)、温度2
50℃でエステル化率が95%になるまでエステル化反
応させて低重合体を製造した。次に、触媒として350
ppmの三酸化アンチモンを加えて、絶対圧1トールの
減圧下に280℃で1.5時間溶融重縮合を行い、極限
粘度0.75dl/gの共重合ポリエステル樹脂(B)
を製造した。この共重合ポリエステル樹脂(B)をノズ
ルからストランド状に押出して切断して、直径2.8m
m、長さ3.2mmの円柱状ペレットを製造した。得ら
れた共重合ポリエステル樹脂(B)のペレットを、1
−NMRにより分析したところ、この共重合ポリエステ
ル樹脂(B)は、1,4−シクロヘキサンジメタノール
単位が全グリコール単位中33モル%含まれている共重
合ポリエステル樹脂であることが確認された。また、こ
の共重合ポリエステル樹脂(B)の△Hchは0 J/
gであった。
【0026】1,4−ブタンジオールとテレフタル酸ジ
メチルとをモル比が1.3:1となるように調整し、こ
れに250ppmのテトライソプロピルチタネート触媒
を加えて、常圧下に145℃から230℃まで徐々に昇
温させてエステル交換反応を行って低重合体を製造し
た。次に、絶対圧1トールの減圧下に240℃で1.8
時間溶融重縮合を行い、極限粘度0.85dl/gのポ
リエステル樹脂(A)(PBT)を製造した。このPB
Tをノズルからストランド状に押出して切断して、直径
2.8mm、長さ3.2mmの円柱状ペレットを製造し
た。
【0027】上記で製造した共重合ポリエステル樹脂
(B)ペレット25重量部とPBTペレット75重量部
とを混合した後、この混合ペレットを一軸押出機(プラ
スチック工学研究所製;UT−40−H)に供給して、
210〜230℃で溶融混練してストランド状に再押出
し切断して、長さ3.2mm、直径2.8mmの共重合
ポリエステル樹脂(B)とPBTとが均一に混合した円柱
状混練ペレットを得た。
【0028】上記で得た円柱状混練ペレットを、射出成
形機(日精樹脂社製FS80S12ASE)に供給し
て、溶融温度260℃、金型温度40℃、射出圧250
kg/cm2の条件下で射出成形して、縦100mm、
横100mm、厚さ1mmの平板状成形品を製造した。
この成形品の熱変形温度およびヘイズを上記した方法に
より測定したところ、下記の表1に示すとおりの結果を
得た。
【0029】《実施例2〜3》1,4−シクロヘキサン
ジメタノールの代わりに下記の表1に示す共重合成分を
用いた以外は、実施例1と同様にして共重合ポリエステ
ル樹脂(B)のペレットを製造した。この共重合ポリエ
ステル樹脂(B)ペレットを用いて、以後実施例1と全
く同様にして射出成形を行って平板状成形品を製造し
た。これらの成形品の熱変形温度およびヘイズは表1に
示すとおりであった。
【0030】《実施例 4》 テレフタル酸の33モル
%を表1に示すイソフタル酸で置き換えて共重合ポリエ
ステル樹脂(B)のペレットを製造し、その共重合ポリ
エステル樹脂(B)ペレットを用いて、以後実施例1と
全く同様にして射出成形を行って平板状成形品を製造し
た。この成形品の熱変形温度およびヘイズは表1に示す
とおりであった。
【0031】《実施例5〜6》共重合ポリエステル樹脂
(B)とPBTの配合割合を10:90または1:99
に変えた以外は実施例1と同様にして平板状成形品を製
造した。これらの成形品の熱変形温度およびヘイズは表
1に示すとおりであった。
【0032】《実施例7および比較例1〜2》共重合ポ
リエステル樹脂(B)における1,4−シクロヘキサン
ジメタノールの共重合割合を表1に示す値に変えた以外
は実施例1と同様にして平板状成形品を製造した。これ
らの成形品の熱変形温度およびヘイズは表1に示すとお
りであった。
【0033】《比較例 3》共重合ポリエステル樹脂
(B)とPBTの配合割合を50:50に変えた以外は
実施例1と同様にして平板状成形品を製造した。この成
形品の熱変形温度およびヘイズは表1に示すとおりであ
った。
【0034】《比較例 4》共重合ポリエステル樹脂
(B)を使用せずに、PBTのみを使用して実施例1と
同様にして平板状成形品を製造した。この成形品の熱変
形温度およびヘイズは表1に示すとおりであった。
【0035】《比較例 5》PBTを使用せずに、共重
合ポリエステル樹脂(B)のみを使用して実施例1と同
様にして平板状成形品を製造した。この成形品の熱変形
温度およびヘイズは表1に示すとおりであった。
【0036】《実施例 8》金型温度を80℃にした以
外は実施例1と同様にして平板状成形品を製造した。こ
の成形品の熱変形温度およびヘイズは表1に示すとおり
であった。
【0037】《比較例 6》金型温度を90℃にした以
外は実施例1と同様にして平板状成形品を製造した。こ
の成形品の熱変形温度およびヘイズは表1に示すとおり
であった。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1の結果から、PBTと、△Hch
が20J/g以下の共重合ポリエステル樹脂(B)とを
60/40〜99/1の重量比で含むポリエステル樹脂
組成物を用いて、金型温度80℃以下で射出成形を行っ
ている本発明の実施例1〜8では、熱変形温度が高く耐
熱性に優れ、且つヘイズが小さく透明性に極めて優れた
射出成形品が得られることがわかる。
【0040】 これに対して、△Hchが20J/gよ
りも大きい共重合ポリエステル樹脂(B)を使用してい
る比較例1および比較例2;共重合ポリエステル樹脂
(B)の△Hchが20J/g以下であっても、その使用
割合が上記した本発明の範囲から外れている比較例3お
よび比較例4;並びに80℃よりも高い金型温度を使用
している比較例6では、得られる成形品のヘイズが高く
透明性に劣っていること、また共重合ポリエステル樹脂
(B)のみを使用している比較例5では成形品の透明性
はある程度優れているものの熱変形温度が極めて低く、
耐熱性に劣ることがかわる。
【0041】
【発明の効果】本発明により、耐熱性に優れていると共
に、透明性の極めて良好な射出成形品を成形性よく得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−7119(JP,A) 特開 昭57−80034(JP,A) 特開 平4−112029(JP,A) 特開 平6−107930(JP,A) 特開 平3−223339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84 C08L 67/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ブチレンテレフタレート単位から
    主としてなるポリエステル樹脂;並びに(B)エチレン
    テレフタレート単位25〜85モル%および他の繰返し
    単位75〜15モル%からなり且つ下記の式(1)を満
    足する結晶化熱量(△Hch)(J/g)を有する低結晶
    性共重合ポリエステル樹脂; 【数1】△Hch(J/g)≦20 ・・・(1) [ただし、△Hchは290℃で溶融させた厚さ250
    μのシート状樹脂を氷水中で急冷し、DSCにより10
    ℃/分の速度で昇温した時の結晶化熱量(J/g)を示
    す]を、ポリエステル樹脂(A):低結晶性共重合ポリエ
    ステル樹脂(B)=60〜99:40〜1の重量割合で含
    むポリエステル樹脂組成物を用いて、金型温度80℃以
    下で射出成形することを特徴とするポリエステル樹脂成
    形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法により製造されたポリエ
    ステル樹脂成形品。
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