JP6187211B2 - 積層フィルム - Google Patents

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本発明は、光沢度の高い積層フィルムに関する。
近年、加飾フィルムを利用した成形体が、パソコン、携帯電話、白物家電、自動車、アミューズメント、化粧品パッケージ等の種々の用途で利用されつつある。ここでの加飾フィルムとは、基材シートにスクリーン印刷により、印刷層、さらに、射出成形用樹脂と熱融着するためのバインダー層を形成したフィルムのことである。成形体としては、加飾シートを予め、真空圧空やプレス成形により、プレフォーミングし、次いで、金型に挿入し、射出成形機からの溶融樹脂と一体成形するフィルムインサート成形法が、従来の塗装による加飾に比べ、環境・リサイクル性に優れるため、増加してきている。
このような背景の中、意匠性として高光沢・高輝度な加飾シートのニーズが高く、中でも、従来の金属粉末を利用した印刷や蒸着法でなく、環境に低負荷なオールポリマーの金属調フィルムが注目を浴びている。このフィルムは、可視光の光学距離レベルの層の厚みで、異なる2種の透明熱可塑性樹脂を交互積層することにより発現する干渉反射現象を利用し、金属調を実現する多層フィルムである。しかしながら、高倍率な絞り比でも破れることなく、また、成形後にも成形体として金属調を維持し、特に良く伸ばされた箇所と殆ど伸ばされなかった箇所で色調が変化しない等の要求特性を満足するフィルムは存在しなかった。
これらの課題に対して、種々の対策が提案されているので、次に説明する。(特許文献1〜5)例えば、層が、最低190nmの光学的繰り返し単位の厚みから340nmに少なくとも1.25の予め定めた延伸比を乗じた積までの範囲にわたる光学層の繰り返し単位の厚さ勾配を有し、可視光スペクトル領域の全範囲を反射する成形可能な反射多層物体が提案されている。(特許文献1)これは、干渉理論による1次の反射波長を可視〜赤外領域まで拡張することにより、前記要求課題を達成しようとするものである。しかしながら、1000層以上の層を高精度に設計通りに整列させることは、ポリマーの流動特性上困難であり、また、仮に成し得たとしても1000層以上の多くの層を必要とするため厚みが厚くなり、使い勝手が悪いという問題がある。また、実質的に高波長端の反射波長が1200nmを超えると、その波長の3次以上の高次の反射の影響が、可視光領域に出はじめるため、反射率を飽和させる以外、シルバー調とすることは難しく、それ故、成形後には、色調変化が発生する問題を有していた。反射率を飽和させるためには、屈折率差0.15以上の異素材による交互積層構造を必要とするため、フローマーク等の積層乱れや層間剥離が、問題となっていた。さらに、実質的に成形倍率も制限されていた。
また、色調が無彩色の例では、例えば、ポリマー物体の個々の層の実質的に大部分が0.09マイクロメートル以下もしくは0.45マイクロメートル以上の光学的厚さを有し,そして前記個々の層の少なくとも1つが0.45マイクロメートル以上の光学的厚さを有する反射性ポリマー物体が提案されている。(特許文献2)このフィルムは、0.45マイクロメートル以上の非常に厚い層を、非常に多く重ねることにより、銀白色の外観を実現するものである。現象としては、これは、波動光学に基づく光の干渉反射現象ではなく、光の直進性に基づく幾何光学による多重反射現象、すなわち、複数の界面を設けることにより反射光の増幅を狙った考え方であり、位相の概念や厚さ方向の層厚みの勾配などを特に考慮していない。したがって、界面での媒質間の屈折率差を0.15以上と非常に大きくする必要があり、異素材の組合せとなり易く、外観不良のフローマークや成形前後での層間剥離などもしばしば問題が生じていた。また、各層の厚みをかなり厚くする必要があるため、厚みが厚く、成形材料の使い勝手の良さの点から、不都合でもあった。
その他の提案においては、1次の反射波長を利用する観点が主流であるため、波長400〜1200nm程度までしか、均一反射する多層フィルムは存在しなかった。(特許文献3〜5)また、高次の反射波長を利用する多層フィルムは存在しても、高次の反射波長帯域とその反射率、および1次の反射波長帯域とその反射率を、それぞれを調整し、波長400〜1600nmにわたって、均一な反射率を有する多層フィルムは存在しなかった。さらに、成形倍率1.5以上の高い絞り比で成形したときに、破れることなく、成形前後で光沢感を維持し、かつ色変化のない積層フィルムは、存在しなかった。
特表平08―503312号公報 特開平05−193040号公報 特表2002−521730号公報 国際公開2005/095097パンフレット 国際公開2007/020861パンフレット
本発明の課題とするところは、適度な層数で、使い勝手が良い厚みで、破れることなく高い成形性を有し、3次から1次の反射波長帯域とその反射率を、それぞれを最適化することで波長400〜1600nmにわたって、均一な反射率を実現することで、成形前後で色付かず、光沢感が維持されている均一かつ広い反射帯域を有する積層フィルムを提供する。
係る課題を解決するため、鋭意検討した結果、波動光学に基づく光干渉理論の高次の反射を有効活用した層厚み構成とすることによって、本発明に至った。すなわち、
少なくとも異なる2種の熱可塑性樹脂からなる樹脂A層と樹脂B層を交互に200層以上積層し、かつ、傾斜の度合い(最大層厚み/最小層厚み)が2以上の傾斜構造を含む積層フィルムであって、樹脂A層、および樹脂B層の繰り返し単位からなる層対厚み(d+d)において、下記(1)〜(4)式のいずれか1つを満足する層対の数が、全層対の数の40%以上であり、波長400〜1600nmの波長帯域において、連続して反射率が8%以上であることを特徴とする積層フィルム。
(i)2.5≦A/B≦3.5、あるいは1/3.5≦A/B≦1/2.5のとき
900(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦2700(nm)・・・(1)式
(ii)3.5<A/B≦4.5、あるいは1/4.5≦A/B≦1/3.5のときのとき
1200(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦3600(nm)・・・(2)式
(iii)4.5<A/B≦5.5のとき、あるいは1/5.5≦A/B≦1/4.5のとき
1500(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦4500(nm)・・・(3)式
(iv)5.5<A/B≦6.5のとき、あるいは1/6.5≦A/B≦1/5.5のとき
1800(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦5400(nm)・・・(4)式
ここで、dおよびdは各層対におけるA層及びB層のそれぞれの厚み(nm)、A/Bは、隣接する樹脂A層と樹脂B層の層厚みの比の当該積層フィルムにおける平均値
本発明は、2次以上、特に3次以上の干渉反射光を効果的に可視領域の反射に利用することにより、広い反射帯域を有しながら、1000層未満のできるだけ少ない層数、すなわち、従来に比べて厚みが薄い多層成形フィルムを可能とし、また、少なくとも成形倍率1.75倍の成形前後でも、色変化なく無色透明かつ光沢感のある積層フィルムを提供することができる。
(a)積層フィルムの層厚み分布(A/B=1、傾斜の度合い1.5)と、(b)その反射率の計算結果の例 (a)積層フィルムの層厚み分布(A/B=2、傾斜の度合い1.5)と、(b)その反射率の計算結果の例 (a)積層フィルムの層厚み分布(A/B=3、傾斜の度合い1.5)と、(b)その反射率の計算結果の例 (a)積層フィルムの層厚み分布(A/B=4、傾斜の度合い1.5)と、(b)その反射率の計算結果の例 (a)積層フィルムの層厚み分布(A/B=3、傾斜の度合い2.05)と、(b)その反射率の計算結果の例 本発明に用いる積層フィルムの製造方法の一例を説明する説明図であり、(a)は装置の概略正面図、(b)、(c)、(d)はそれぞれL−L’、M−M’、N−N’で切った樹脂流路の断面図である。 本発明に用いる積層フィルムの層の並び順−層厚みの関係(層厚み分布)の例 本発明に用いる積層フィルムの層の並び順−層厚みの関係(層厚み分布)の例 本発明に用いる積層フィルムの層の並び順−層厚みの関係(層厚み分布)の例
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。本発明の積層フィルムは、少なくとも異なる2種の熱可塑性樹脂からなる樹脂A層と樹脂B層を交互に200層以上積層し、かつ、傾斜の度合い(最大層厚み/最小層厚み)が2以上の傾斜構造を含む積層フィルムであって、樹脂A層、および樹脂B層の繰り返し単位からなる層対厚み(d+d)において、下記(1)〜(4)式のいずれか1つを満足する層対の数が、全層対の数の40%以上であり、波長400〜1600nmの波長帯域において、連続して反射率が8%以上であることが必要である。
(i)2.5≦A/B≦3.5、あるいは1/3.5≦A/B≦1/2.5のとき
900(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦2700(nm)・・・(1)式
(ii)3.5<A/B≦4.5、あるいは1/4.5≦A/B≦1/3.5のときのとき
1200(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦3600(nm)・・・(2)式
(iii)4.5<A/B≦5.5のとき、あるいは1/5.5≦A/B≦1/4.5のとき
1500(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦4500(nm)・・・(3)式
(iv)5.5<A/B≦6.5のとき、あるいは1/6.5≦A/B≦1/5.5のとき
1800(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦5400(nm)・・・(4)式
ここで、dおよびdは各層対におけるA層及びB層のそれぞれの厚み(nm)、A/Bは、隣接する樹脂A層と樹脂B層の層厚みの比の当該積層フィルムにおける平均値
本発明の積層フィルムに用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタールなどの鎖状ポリオレフィン、ノルボルネン類の開環メタセシス重合,付加重合,他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボーネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、フェノールおよびフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、2,6-ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体など、パラヒドロキシ安息香酸などを基本構造としつつ、各種の成分と直鎖状にエステル結合させた芳香族ポリエステル系樹脂の液晶ポリマーを用いることができる。この中で、押出成形が良く、耐薬品性・強度・耐熱性・透明性に優れ、汎用性の観点から、特にポリエステルを用いることが好ましい。これらは、ホモポリマーでも共重合ポリマー、さらには複数のポリマーの混合物であってもよい。
このポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールあるいはこれらのエステル形成性誘導体からの重合により得られるポリエステルが好ましい。ここで、芳香族ジカルボン酸として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4′-ジフェニルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′-ジフェニルスルホンジカルボン酸、6,6′‐(エチレンジオキシ)ジ‐2‐ナフトエ酸などを挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。中でも高い屈折率と成形性を発現するテレフタル酸とシクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、スピログリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキサイド、ビスフェノールA・エチレンオキサイド、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどを挙げることができる。中でも、高いガラス転移点と成形性の観点から、エチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイドが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記ポリエステルのうち、高い反射率を実現し、成形性を兼ね備え、高い生産性に優れる観点から、何れか一方の樹脂は、二軸延伸と熱処理により配向結晶化が付与できる観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートが好ましい。また、結晶性の観点から、共重合成分15モル%以下のこれらの共重合体を用いることが好ましい。一方、これとは別な樹脂は、共重合成分5モル%以上60モル%以下の前記した好ましいポリエステル樹脂の共重合体を用いることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、少なくとも異なる2種の熱可塑性樹脂からなる樹脂A層と樹脂B層を交互に200層以上積層されていることが必要である。ここで、樹脂の種類が異なるという意味は、完全に同一組成樹脂でないという意味である。積層構成としては、周期的な繰り返し単位、例えば、3種類の樹脂を利用する場合、A層/B層/C層の繰り返し単位で構成されるABCABC・・・・ABCなどの周期構造が好ましい。特に、プロセス的に煩雑でない利点の観点から、周期的繰り返し単位が、A層/B層の単位であるABAB・・・・ABと交互に繰り返して積層される構成が好ましい。層の厚みは、干渉反射を起こす観点から、少なくとも0.01〜30μmである。1層の厚みが、30μmを越えると、層を構成するポリマー中の不純物や吸収などが原因で、光の可干渉性が失われ、干渉反射を起こさなくなる。一方、0.01μm以下であると、光が、屈折率差の異なる異種ポリマー間の界面を認識しなくなるため、光干渉を起こさなくなる。したがって、より好ましくは、0.05μm〜10μmである。積層数は、少なすぎると、波長400nm〜1600nmに亘って反射率を均一にすることが困難であるため、200層以上が必要である。より好ましくは、400層以上であり、さらに好ましくは、800層以上である。上限は、全体厚みが厚くなると、成形し難くなるので、取り扱い性および厚みの観点から、1000層以下が好ましい。
本発明の積層フィルムは、傾斜構造を含んでいることが必要である。傾斜構造の傾きの程度を表す傾斜の度合い(最大層厚み/最小層厚み)は、2以上であることが必要である。フィルムの傾斜の度合いとは、積層フィルムの同一樹脂における最大の層厚みと最小の層厚みの比である。通常、樹脂A層、樹脂B層、それぞれによる傾斜度合いは、近似しているが、ここでは、大きい値を採用する。傾斜構造とは、積層フィルムの各層の厚みが、例えば、等差数列、等比数列的に配列したもの、層番号と各層の厚みの関係が、直線的、二次関数、指数関数的、対数関数的、階段(ステップ)関数的に増加または減少傾向がある層厚み分布のことである。この傾斜構造は、積層フィルム中に少なくとも1つ以上含まれていることが必要である。層厚み分布に連続性が欠如すると、欠如した層厚みに相当する光学距離の波長の干渉反射が発生し難くなり、色づく可能性がある。全ての光学距離を相補する観点から、傾斜構造は、2つ以上とすることが好ましい。より好ましくは、3つ以上である。
本発明の積層フィルムが、隣接する樹脂A層および樹脂B層(かかるA層とB層のペアを層対と呼ぶ。なお、3層の場合は隣接する3層でもって層対とし、以下同様である。)の繰り返し単位からなる層対の厚み(d+d。なお、dおよびdは各層対におけるA層及びB層のそれぞれの厚み(nm)である)において、下記(1)〜(4)式のいずれか1つを満足する層対の数が、全層対の数の40%以上であることが必要である。高次の反射を有効に利用する観点からは、全層対の数の60%以上が好ましい。次に、(1)式〜(4)式について、説明する。A/Bは、積層フィルムの層厚み分布において、隣接する樹脂A層と樹脂B層の層厚みの比の当該積層フィルムにおける平均値である。これは、積層フィルムの層対厚み比d/dを全て求め、これを平均した結果である。A/Bの算式を(5)式に示す。Nは、層対厚みの数を示す。iは、層対厚みの番号を示す。なお、異なる樹脂が3層からなる場合は、3層内での最大値と最小値を、層対厚み比として全て求め、これを平均する。
Figure 0006187211
但し、層厚み分布の中には、干渉反射を意図したものではなく、層の破壊抑制するための1μm以上の厚さの保護層としての層がある場合があるため、1μm以上の厚みの層は層対をなす層とはしない。
(i)2.5≦A/B≦3.5、あるいは1/3.5≦A/B≦1/2.5のとき
900(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦2700(nm)・・・(1)式
(ii)3.5<A/B≦4.5、あるいは1/4.5≦A/B≦1/3.5のときのとき
1200(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦3600(nm)・・・(2)式
(iii)4.5<A/B≦5.5のとき、あるいは1/5.5≦A/B≦1/4.5のとき
1500(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦4500(nm)・・・(3)式
(iv)5.5<A/B≦6.5のとき、あるいは1/6.5≦A/B≦1/5.5のとき
1800(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦5400(nm)・・・(4)式
本発明の積層フィルムは、高次の干渉反射を利用することにより、積層数が少ないにもかかわらず、広い反射帯域を実現するものである。高次の反射を利用するためには、隣接する樹脂A層と樹脂B層の層厚みの比の全ての層における平均値A/Bは、2.5以上6.5以下、あるいは1/6.5以上1/2.5以下であることが必要である。なお、2種以上の熱可塑性樹脂を用いたとき何れの層を樹脂A層と称し何れの層を樹脂B層と称するかによってA/Bは2つの逆数の関係にある値を与える。従って、前記(1)〜(4)式は逆数の範囲も規定されるものであるが、何れの範囲でも実質は同じである。従って、以下、平均値A/Bが1以上となる樹脂A層の厚みが樹脂B層の厚みより厚い場合について説明する。平均値A/Bが2.5未満であると、高次の反射である可視光の反射率と近赤外〜赤外光にみられる1次の反射の反射率とのバランスが、1次の反射波長側に偏る。その結果、低波長側から高波長側へ向かうにつれて、反射率が増加する分光反射特性しか実現できない。そのため、視野角により赤く色付きやすく、また、成形後にも赤く色づき、成形前後で無色の積層フィルムは達成できない。一方、A/Bが、6.5超過であると、干渉反射現象が、発現しがたくなるため、高次の反射率が低下する。
次に、1.6×2×(d+d)式について説明する。2層膜の薄膜干渉反射の理論として、一般に下記式(6)が知られている。
2×(n・d+n・d)= k・λ(k) ・・・(6)式
kは自然数、λは光の反射波長であり、2層膜のA層とB層の屈折率と層厚みは、それぞれ、n、nとd、dである。通常、熱可塑性樹脂の屈折率は、1.3〜1.9程度であり、本発明は、屈折率の範囲の中央値1.6とした場合に、(6)式の左辺は、1.6×2×(d+d)とみなせる。右辺は、反射波長λと自然数kの積であり、この自然数kは、反射波長λの次数に関係し、k=1のときは、反射波長λは1次の反射波長を)、k=2のときは、反射波長は2次の反射波長を示す。ここで重要なことは、k次の反射波長は、1次の反射波長1/kとなることである。特に、本発明においては、k次の反射波長における反射率が、A/Bの比と深く関係しており、A/Bの値が大きくなるに従って、1次の反射波長における反射率が小さくなるとともに、k次の反射波長(k=2〜6)における反射率が大きくなる傾向を見出した。この効果を利用することによって、できるだけ少ない層数で、広い波長範囲に亘って一様な反射率を実現し、成形前後でも、色変化なく無色あるいは銀白色の光沢感のある積層フィルムを提供することができる。積層フィルムの層厚み分布におけるA/Bの比と、高次の反射波長における反射率の関係を図1〜4を用いて説明する。
図1(a)〜図4(a)は、A層、B層のそれぞれについて、層番号が増えるに従ってその層厚みが等比数列的に増加するように配列し、層数として501層、フィルム総厚みが150μm、傾斜の度合い(最大層厚み/最小層厚み)を1.5とし、そして、積層フィルムのA/Bの値を1〜4まで1刻みに変化させたときのA層とB層の層厚み分布である。一方、図1(b)〜図4(b)は、A層の屈折率1.66、B層の屈折率1.59とし、図1(a)〜図4(a)の層厚み分布に基づき計算した光学シミュレーションの結果である。図1(b)では、2次反射が発生しておらず、1次の反射が支配的であることが分かる。また、3次や5次の反射が少し見られるだけである。図2(b)では、2次の反射が発生しており、1次の反射率が減少していることが分かる。図3(b)では、さらに1次の反射が減少し、図4(b)では、2次の反射の方が、1次の反射より高い反射率となっていることが分かる。このように、A/Bの比を大きくすると、高次の反射が発生し、かつ反射率が高くなり、1次の反射率と同程度の反射率となるA/Bの値が2.5以上であることが理解できる。
次に1次から高次の反射波長の帯域について説明する。高次の反射波長は、(6)式に従った波長位置に発生する。1次の反射波長を基準とすると、2次の反射波長は、1次の波長の1/2、3次の反射波長は、1次の波長の1/3となる。先の光学シミュレーションの結果図1(b)〜4(b)は、2次の反射波長から4次の反射波長においては、重なりが見られるが、1次の反射波長の帯域と2次の反射波長の帯域に重なりなく、広い帯域に亘って、均一な反射率の分布が実現していない。これは、一次の反射帯域、すなわち、傾斜度合いが最適化されていないことに起因している。
本発明において、前記した課題である1次の反射の波長帯域と2次反射の波長帯域に重なりを設けるためには、本発明の積層フィルムの傾斜の度合い(最大層厚み/最小層厚み)は、2以上が必要である。図5(a)に、フィルム総厚みが90μm、最表層の保護層なし、等比数列に配列した積層フィルムの層厚み分布(A/B=3、傾斜の度合い2.05)と、その反射率の計算結果の例を図5(b)に示す。A層とB層の屈折率は、図3での例と同様である。傾斜の度合い2未満であれば、図3(b)の波長1400nm近傍に示した谷となる低反射領域が発生するため、波長400〜1600nmの範囲に亘って、均一な反射率を達成することができない。積層フィルムの傾斜の度合い(最大層厚み/最小層厚み)は、より好ましくは、2.5以上であり、さらに好ましくは3以上である。傾斜の度合いが大きすぎると、均一な反射率の反射特性の形成が困難となるため、4以下が好ましい。
次に、(1)式の技術的意味について、詳しく説明する。
(1)式は、1次の反射波長λ(1)の範囲を規定しており、例として、A/B=3の場合は、3次の反射波長の範囲を表すと (6)式となる。すなわち、d+dの層対によってもたらされる干渉反射の波長のうち、3次の反射波長が、300nm〜900nmの間に含まれる層対の厚みが必要である。
300(nm)≦ 1/3×{1.6×2×(d+d)}≦900(nm)・・・(6)式
従って、(i)の場合は、主に3次の干渉反射によって、可視光領域の波長400〜700nmを均一に反射させることを意図したものである。そのような反射特性を達成するためには、全層対厚みの数のうち、40%以上が(1)式を満足することが必要である。より好ましくは、60%以上である。また、好ましい層厚み分布は、少なくとも1つ以上の傾斜構造が存在することである。より好ましくは、2つ以上の傾斜構造である。1つの傾斜構造は、層厚み分布の配列が偏りやすいため、低反射領域のない均一な反射率を達成し難い。ゆえに、特開2011−129110公報〔0034〕〜〔0036〕に記載した複数の傾斜を含んだ構造とすることが好ましい。また、傾斜構造を採用することの利点は、できるだけ少ない層の数で、高い反射率を達成する効率面からである。また、各傾斜構造の各樹脂層が、等比数列の層厚みで変化する配列で、近似されることが好ましい。このような配列とすることで、薄い層の厚み、すなわち、光学厚さが短い低波長側の層の数を、十分にとることができ、成形前後で色変化なく、無色かつ光沢を維持した成形フィルムとなる。無色透明または銀白色の外観を得るための彩度としては、5以下であることが好ましい。5を超えると色付きを視覚しする。より好ましくは、3以下である。また、成形前後における色変化においては、色差ΔEが8未満であれば、殆ど色変化を感じない。より好ましくは、4未満である。
(2)式〜(4)式についても同様であり、それぞれ、4次、5次、6次の干渉反射を利用して、可視光領域の波長400〜700nmを均一に反射させることができる。また、(1)式から(4)式につれて、高波長側に1次の反射が発生することを意味し、そのため、可視光領域の波長400〜700nmを均一に反射させるには、(1)式から(4)式につれて、より高い次数の反射を利用する必要性からA/Bの値が、(i)〜(iv)に記載したように、順次、高くなる設定となっている。
本発明の積層フィルムは、波長400〜1600nmの波長帯域において、連続して反射率が8%以上であることが必要である。反射率が8%未満であると、光沢感がなく、通常の熱可塑性樹脂フィルムと比べて、光沢感の差がない。より好ましくは、11%以上であり、さらに好ましくは、25%以上である。反射率が高すぎると、デザインの観点から、反射率の上限は90%以下が好ましい。より好ましくは、70%以下である。ハーフミラー的な効果が生じ、デザインの幅が広がる観点からは、50%以下が好ましい。反射率の調整は、層の数やパターンでなく、本発明の積層フィルムは、熱可塑樹脂Aからなる層と熱可塑性樹脂Bからなる層との面内屈折率差を調整することで達成できる。好ましい面内屈折率差は、0.03〜0.12である。
本発明の積層フィルムは、波長400〜800nmの平均反射率が、波長800nm〜1600nmの平均反射率以上であることが好ましい。成形前の反射率において、波長800nm〜1600nmの平均反射率が、可視光領域を含む波長400〜800nmに比べて高い場合、成形後、あるいは視野角が広がると、反射波長が低波長側へ移行するため、近赤外波長領域の高い反射率が、先ず可視光領域の波長650nm近傍の赤色の領域の波長帯へシフトする。ゆえに、赤い色付きが起こりやすい。逆に、波長400〜800nmの平均反射率が、波長800nm〜1600nmの平均反射率以上であると、成形後も常に、青および緑色の領域の反射率が、赤色の領域よりも高くなるため、青と緑系の構造色となり、視覚的な色変化も感じ難く、装飾用デザイン色として好まれる。
本発明の積層フィルムの結晶融解熱は35J/g以下であり、かつ、150℃での破断点伸度は250%以上であることが好ましい。結晶融解熱とは、示差走査熱量測定(DSC)で測定される融解エンタルピーΔHのことである。積層フィルムの結晶融解熱が35J/gを越えると、結晶性高くなり、成形時の破れにつながる。より好ましくは、15J/g以下である。積層フィルムを構成する非晶性樹脂の割合いを70%以上とすることで達成できる。成形性を高める観点から、A層またはB層の一方を非晶性樹脂とし、A/Bの比率を2.5以上、または1/2.5以下とすることが好ましい。非晶性樹脂からなる層は、成形性が良く、一方、結晶性樹脂からなる層は、配向結晶化により屈折率が高くなりやすく、また、厚みが薄くすることで、成形性が良くなる。また、破断点伸度は、150度の環境温度下で250%以上であると成形倍率が高いため大型の成形品に対応できるため好ましい。なお、破断点伸度は、長手方向と幅方向の平均値を採用する。
本発明の積層フィルムは、150℃の温度環境下における破断点応力が、150MPa以下であることが好ましい。150MPaを越えると、応力が高すぎて、成形時における金型への追従性が悪く、成形性が悪い。すなわち、高い絞り比の成形ができない。好ましくは、120MPa以下であり、より好ましくは、90MPa以下である。破断点応力を低下させる好ましい態様は、樹脂A層または樹脂B層に、強く配向結晶化を付与しないことである。強く配向結晶化されると、分子鎖は、緊張状態となり、成形時には、高い応力を誘発し、限界値にて破れることになる。したがって、好ましい態様は、樹脂A層、樹脂B層とも、配向緩和されやすい非晶性樹脂を含んでなる層であることが好ましい。さらに、製膜条件としては、逐次または同時2軸延伸方式において、長手および幅方向とも、延伸倍率を3.3倍以下とすることが好ましい。より好ましくは、3倍以下である。
本発明の積層フィルムは、ガラス転移点が90℃以上であることが好ましい。ガラス転移点とは、示差走査熱量測定(DSC)で測定される物理量であり、分子鎖のミクロブラウン運動が始まる現象であり、吸熱特性として出現する。ガラス転移温度が、90℃未満であると、成形体としての熱寸法安定性が問題となりやすく、加飾成形用途向けに利用できない。より好ましくは、110℃以上である。さらに、好ましくは、140℃以上である。ガラス転移点が90℃以上であるポリエステルは、スピログリコール成分、あるいは、ナフタレンジカルボン酸成分を共重合したポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートが好ましい。好ましい共重合量は、5モル%以上、40モル%以下である。ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、あるいはポリアレリートなども高いガラス転移点や成形性の点から好ましい。これらは、ホモポリマー、あるいはポリエステルとのアロイにより用いることが好ましい。なお、ガラス転移点が2つ以上観測される場合は、最も高い値を採用する。
本発明の積層フィルムは、ポリカーボネートと共重合ポリエステルとのアロイ樹脂を含んでなることが好ましい。ここでのポリカーボネートとは、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。重合方法としては、塩化カルボニルを用いる界面重合法、あるいはエステル交換法などを用いることができる。
二価フェノールの例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、成形材料として優れる点からビスフェノールAが特に好ましい。
共重合ポリエステルは、前記した本発明の積層フィルムに用いるに好適なポリエステル共重合体であれば、特に限定されない。しかしながら、ポリカーボネートとの相溶性の観点から、共重合ポリエステルは、ジオール成分として、シクロヘキサンジメタノール、または、ジカルボン酸成分として、シクロヘキサンジカルボン酸を含んだ共重合ポリエステルが好ましい。共重合量は、相溶性の観点から、10モル%〜90モル%であることが好ましい。より好ましくは、20モル%〜80モル%である。
本発明の積層フィルムは、ポリエーテルイミドと共重合ポリエステルとのアロイ樹脂を含んでなることが好ましい。本発明に用いられるポリエーテルイミドは、共重合ポリエステルと相溶するポリマーであればよく、特に限定されないが、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンとの縮合物が好ましい。このポリエーテルイミドは、”Ultem”(登録商標)の商品名で、SABICイノベーティブプラスチックジャパン社より入手可能である。例えば、1000V、1010V、1000RV、1010RV、4001、CRS5001、XH6050、ATX100、ATX200、1285、DT1810EV、DT1800E、DT1810E、UH1006、UH1016、UH1005、UH1015、UH1016などのグレードがある。
共重合ポリエステルは、本発明の積層フィルムに用いる好適なポリエステの共重合体であれば、特に限定されない。ポリエーテルイミドとの相溶性、および耐熱性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンナフタレート共重合体を用いることが好ましい。中でも屈折率を低下させない観点から、好ましい共重合成分は、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。成形性の観点から、共重合量は、5〜60モル%が好ましい。より好ましくは、15モル%〜50モル%である。
本発明の積層フィルムは、最表層に5μm以上の保護層があることが好ましい。最表層に5μm以上の保護層を設けることにより、1次の反射波長端と2次の反射波長端の境界で発生するリップルを抑えることができる。図5(b)において、リップルとは、矢印で示される波長800nm近傍にある破線の大きな反射率の振動である。リップルは、色付きや干渉むらの原因であり、積層フィルムの外観不良に繋がるため、好ましくない。図5(b)の破線は、保護層なしの最表層厚みを、1μm以下とした場合の計算結果であり、実線は、最表層厚みを20μmとしたときの計算結果である。最表層を厚くすることにより、その効果が理解できる。なお、実際のフィルムでは、理論計算とは異なり、面内または面直方向における層厚み分布のムラなどが考慮されるため、リップルはより低減される。リップルは、最表層の空気との界面で反射する光は、その強度が強く、これと内部の多数層の界面で反射する光との干渉により発生するものである。従って、保護層である最表層厚みを厚することにより、位相差を大きくすることができ、干渉を抑制できる。より好ましくは、10μm以上であり、さらに好ましくは、20μm以上である。この保護層は、耐転写性や耐フローマークにおいても有効である。
本発明の積層フィルムの作製過程について説明する。以下に、具体的な例として、図6を参照して積層構造を作製する過程について説明する。
図6に示す積層装置7は、3つのスリット板を有している。係る積層装置7によって得られる積層構造の層厚み分布の例を図7に示す。横軸に層の並び順18、縦軸に各層の厚み(nm)19をとると、積層構造は、スリット板71によって形成された樹脂積層流による層厚みの傾斜構造11、スリット板72によって形成された樹脂の積層流による層厚みの傾斜構造12、スリット板73によって形成された樹脂の積層流による層厚みの傾斜構造10の3つの傾斜構造を有している。一つの傾斜構造は、A層とB層からなる。図7に例示した本発明の積層フィルムにおいては、3つの傾斜構造のA/Bが3、傾斜の度合いが3である層厚み分布の例である。なお、図7に示すように1つの傾斜構造は、他の何れかの傾斜構造と向きが反対であることが好ましい。このような構造とすることにより、1つの傾斜構造で形成される層厚み分布によって得られる反射率の帯域特性と比べて、各傾斜構造間で光学密度の疎の部分を補うため、可視光から赤外まで均一な反射特性を有した積層フィルムを得る。本発明の積層フィルムは、特に傾斜構造が少なくとも偶数個存在し、表層側からフィルム厚み方向中央部に向かうにつれて、層の厚みが厚くなる傾斜構造を有し、偶数個の傾斜構造が線対称の関係で形成されていることが特に好ましい。傾斜構造の数が、二つの場合は、フィルム厚み方向の中央部において、上に凸もしくは下に凸の層厚み分布であればいかなる形状でも良い。例えば、2次関数、V字型、逆V字型、U字型、逆U字型、または図8の傾斜構造12と傾斜構造13の対称関係で配置された、表面側から厚み方向中央部まで等比数列あるいは指数関数的に増加した層厚み分布であっても良い。傾斜構造が4つある一例の図8において、各々の傾斜構造11、12、13、23の配列、向きなどを種々変更しても良い。特に、厚み方向中央部において、線対称な層の配列をとることにより、成形時に対称に伸ばされやすく、局部的な過延伸が抑えられ、色変化などが発生しがたくなるため、好ましい。また、図9に示すW型の積層構造は、フィルム幅方向の色目を均一化しやすい点で好ましい。
さらに、樹脂流の不安定現象による発生するフローマークを抑える観点から、少なくとも最表層には厚み1μm以上の厚膜層20を設けている。特に、成形加工時に、成形倍率が大きくなると最表層から破れ、次いで薄膜層が破れるためフィルム破れを起こしやすい。好ましくは2μm以上である。より好ましくは、5μm以上である。さらに好ましくは、10μm以上である。
また、傾斜構造の継ぎ目に位置する中間層にある厚膜層20については、フローマークを抑える観点で最表層の厚膜化と同様の役割である。また、1つのスリット板から形成される傾斜構造は、熱可塑性樹脂Aの層厚み分布21と熱可塑性樹脂Bの層厚み分布22からなり、その積層比は、2台の押出機の熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの押出量の比により容易に調整することができる。高い反射率および高い成形性の観点から、積層比は、2.5以上が好ましい。各傾斜構造における層厚みの範囲は、可視光全域の光を高次の反射により強く反射させるために、平均層厚みが90nm〜800nmの層厚みの範囲となるように積層フィルムの厚みを調整して製膜を行う。より好ましくは、95nm〜600nmである。ここで、平均層厚みとは、隣接するA層とB層の平均値である。すなわち、層対厚みを2で除した値である。全ての層について、重複なく、層対厚みの平均を求めた分布は、平均層厚み分布となる。
積層装置7を構成する各々のスリット板から流れ出た積層構造を有した樹脂流は、図6(b)に示したように積層装置の流出口11L、12L、13Lから流れ出て、次いで合流器8にて、図6(c)に示した11M、12M、13Mの断面形状で再配置される。次いで、接続管9内部にて、流路断面のフィルム幅方向の長さが拡幅されて口金10へ流入されて、さらにマニホールドにて拡幅されて口金10のリップから溶融状態でシート状に押し出されてキャスティングドラム上に冷却固化されて未延伸フィルムを得ることができる。ここで、口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さ17を口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さ15で割った値を5以下とすることにより、フィルム幅方向で反射率および反射帯域が均一な積層フィルムが得られる。より好ましくは、拡幅比は3以下である。次いで、必要により得られた未延伸フィルムを構成する樹脂のガラス転移点温度(Tg)以上の温度で延伸する方法で得ることもできる。この際の延伸の方法は、高い反射率、熱寸法安定性および大面積化の実現の観点から、公知の逐次2軸延伸法、もしくは同時2軸延伸法を採用することが好ましい。公知の2軸延伸法とは、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する方法、幅方向に延伸した後に長手方向に延伸する方法で行えばよく、長手方向の延伸、幅方向の延伸を複数回組み合わせて行ってもよい。例えば、ポリエステルから構成された延伸フィルムの場合、延伸温度及び延伸倍率は適宜選択することができるが、通常のポリエステルフィルムの場合、延伸温度は80℃以上160℃以下であり、延伸倍率は2倍以上7倍以下が好ましい。本発明の積層フィルムは、延伸工程でできるだけ、樹脂A層は、逐次二軸延伸により配向結晶化させ、反射率が高くなるようにA層の面内屈折率の上昇を誘発する観点から、延伸温度は、90℃以上が好ましい。長手方向の延伸方法は、ロール間の周速度変化を利用して行う。また、幅方向の延伸方法は、公知のテンター法を利用する。すなわち、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。また、同時二軸延伸法としては、同時二軸テンターにてフィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。長手方向の延伸は、テンターのクリップ間の距離を広げることで、また、幅方向はクリップが走行するレールの間隔を広げることで達成される。本発明における延伸・熱処理を施すテンタークリップは、リニアモータ方式で駆動することが好ましい。その他、パンタグラフ方式、スクリュー方式などがあるが、中でもリニアモータ方式は、個々のクリップの自由度が高いため延伸倍率を自由に変更できる点で優れている。フィルムが通常のポリエステルの場合、延伸倍率、延伸温度および熱処理温度は、逐次二軸延伸の条件と類似している。すなわち、延伸温度は80℃以上160℃以下、延伸倍率は面積倍率として8〜30倍が好ましく用いられる。本発明の積層フィルムは、延伸工程においては、でできるだけ、A層には、屈折率の上昇を伴う配向結晶化を付与する観点から、延伸温度は、95℃以上が好ましく、より好ましくは、95〜160℃である。次いで、この延伸されたフィルムを、テンター内で熱処理する。この熱処理は、延伸温度より高く、融点より低い温度で行うのが一般的である。ポリエステルを用いた場合、200℃ないし250℃の範囲で行うのが好ましい。本発明においては、延伸工程で発生した熱可塑性樹脂Bにおける配向を弛緩処理し、熱可塑性樹脂Aの配向結晶化を消失させない観点から、210℃以上240℃以下で熱処理することが好ましい。また、フィルムの熱寸法安定性を付与するために幅方向、もしくは長手方向に2〜10%程度の弛緩熱処理を施すことも好ましい。
本発明の積層フィルムは、加飾成形フィルムに用いられることが好ましい。ここでの加飾成形フィルムとは、化粧フィルムとも呼ばれることがある。基材となる積層フィルムにインキ密着性の優れたバインダーにて、デザイン印刷を施したフィルムのことである。表面硬度が必要とされる場合は、ハードコート層を形成しても良い。
本発明の積層フィルムと成形体を一体成形化することは、従来にない光沢感をもつ成形体が得られるため、好ましい。特に、フィルムインサート成形品に本発明の積層フィルムを用いることが好ましい。フィルムインサート成形品とは、デザイン印刷などを施した特殊フィルムをプラスチック成形の金型(mold)に挿入し、次いで加熱流動化した成形材料(射出樹脂)を、その金型に流し込むことによって製造されるデザインフィルム一体型の射出成形品のことである。本発明の積層フィルムは、インサート成形し易くなる観点から、フィルム厚みは50μm以上500μm以下であることが好ましい。インサート樹脂との接着性を向上させるために、予め本発明の積層フィルムの表面にアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系の樹脂などの易接着層を形成しておいても良い。フィルムインサート成形の条件としては、成形樹脂の射出温度は、樹脂の溶融温度であり、一般的にアクリル系では240℃前後、ポリエステル系では280℃前後、ポリアミド系では200℃前後であることが知られている。その他、ポリスチレン、ポリカーボネートなどは270℃前後であり、用いる樹脂に合わせて決定すれば良い。また、金型温度は、本発明の積層フィルムの成形性と接着性の観点から、80℃以上150℃以下であることが好ましい。なお、本発明の積層フィルムを際立たせるために、インサートする樹脂には、カーボンブラックが添加されていることが好ましい。その添加量としては、1重量%以上が適当である。
また、成形品は、本発明の積層フィルムを用いた真空および/または圧空成形品であることが好ましい。真空成形とは、まず、熱可塑性樹脂のシートをクランプ金枠にはさんでヒーターで加熱軟化させた後、あらかじめ型のコーナーに真空孔を設けた雄型、または雌型を突き上げて真空吸引し、大気圧でシートを型に密着させて成形するもので、成形品は冷却・硬化させてから取り出す。真空圧空成形は、上記の工程にプラスして、型突き上げと同時に圧空箱を降下させ、この中に圧空を加えることにより、大気圧にかわって大きな成形圧力でシートを型に密着成形する方法である。この方法によって製造される成形品が、真空圧空成形品となる。ヒータの加熱温度は、樹脂フィルムのガラス転移点以上であり、熱変形する温度が好ましい。本発明の積層フィルムの場合は、150℃未満であると高い成形性が得られず、また250℃を越えると成形性ならびに成形品の平面性が悪くなるため、好ましくは150以上250℃以下である。一方、金型温度についても同様であり、ガラス転移点以上が好ましい。本発明の積層フィルムにおいては、80℃以上150℃以下であることが好ましい。空気圧は、余り高すぎるとフィルム破れに繋がり、また、低すぎると成形体の絞り比がでない。圧力は、0.5MPa〜5MPa程度が好ましい。超高圧成形機では、5MPa以上20MPa以下の範囲が好ましい。真空度も同様な理由から、差圧表示で100mmHg以下であることが好ましい。その他、金型を樹脂成形品と見立てて、デザインが印刷された多層フィルムを先の真空・圧空を利用した熱成形で樹脂成形品に加飾する三次元表面加飾技術であるTOM工法(布施真空株式会社)を利用することもできる。
また、成形倍率が高い成形品とする場合は、本発明である積層フィルムと、前記したPMMAやPCやアクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)樹脂シートと貼り合わせたインサート成形用積層フィルムとすることも好ましい。未延伸シートの厚みは、成形性の観点から50〜500μm程度が好ましい。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)層厚み、積層数、積層構造
積層フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を10000〜40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。
上記装置から得た約4万倍のTEM写真画像を、プリント倍率6.2万倍の処理で、画像を圧縮画像ファイル(JPEG)でパーソナルコンピューターに保存して取り込んだ。次に、画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel 2003)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ1(間引き1)でデータ採用した後に、6点移動平均の数値処理を施した。次いで、ローパスフィルタ処理をした。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォア・アプリケーションズ)プログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。得られた層厚みのうち、薄膜層は1000nm未満の厚みの層とした。一方、1000nmを越える層を厚膜層とし、最表層にある層厚み10μmを超えるものを保護層とした。
積層フィルムの傾斜の度合いは、層番号と層厚みの関係の図を作成し、それぞれの傾斜構造の数の分だけ、同一樹脂における最大の層厚みと最小の層厚みの比である傾斜度合いを算出し、その最大値を採用した。なお、傾斜構造は、適度な層厚みの連続性が必要なため、層厚みの傾斜構造一つ一つについて、線形近似を行い、解析する層厚み番号の範囲における最大の層厚みと最小の層厚みを求めた。
(2)反射率の測定
積層フィルムのフィルム幅方向中央部から5cm四方のサンプルを切り出した。次いで、日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)を用いて、入射角度φ=10度における相対反射率を測定した。付属の積分球の内壁は、硫酸バリウムであり、標準板は、酸化アルミニウムである。測定波長は、250nm〜2400nm、スリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/分で測定した。波長範囲400〜1600nmにおける最小反射率を求め、次いで、波長範囲400〜800nmにおける平均反射率Rve(VIS)と800nm〜1600nmにおける平均反射率とRve(NIR)を求めた。
(3)結晶融解熱、融点、ガラス転移点
示差走査熱量測定(DSC)を用いて、JIS−K−7122(1987年)に従って測定し、ガラス点移転(Tg)、結晶融解熱(融解エンタルピーΔH)および融点(Tm)を求めた。積層フィルムについては、測定条件1を、樹脂については、測定条件2を選択して評価した。
測定条件1:25℃→300℃(20℃/分)
測定条件2:25℃→300℃→(急冷後)→25℃→300℃(20℃/分)
装置:SIIナノテクノロジー(株)(旧セイコー電子工業(株))製
“EXTRA DSC6220”
サンプル質量:5mg
なお、測定条件1で観測されるガラス転移点が2つある場合は、低い方を採用した。また、検出されない場合は、動的粘弾性装置を用いて、α緩和温度(tanδピーク値)の低温側に見られるピークを採用した。以下の方法で、評価を行った。
装置:セイコーインスツルメント社製DMS−6100
サンプル長:20mm(幅5mm)
最小荷重:300mN
周波数 :1Hz
変位 :2μm
温度プログラム:25℃start→250℃end 5min 保持 (2℃/min)
(4)150℃の温度環境下における破断点応力、破断点伸度
破断点伸度はインストロンタイプの引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUCT-100)を用いて、150℃の温度環境下にてJIS−K7127に準拠して測定した。フィルム幅方向中央部からフィルム長手方向(MD方向:Machine Direction)およびフィルム幅方向(TD方向:Transevers Direction)それぞれについて、幅10mmのフィルムを、試長間100mm、引張り速度200mm/分の条件で引張り、フィルム長手方向および幅方向の破断点応力、破断点伸度を求めた。なお、試験回数は、5回の平均値を採用した。測定は長手方向及び幅方向それぞれサンプルについて行い、それらの平均値でもって求めた。
(5)彩度C*
積層フィルムの幅方向中央部から5cm×5cmで切り出し、コニカミノルタ(株)製CM−3600dを用いて、測定径φ8mmのターゲットマスク(CM−A106)条件下で、正反射光を除去したSCE方式、および正反射光を含めたSCI方式でそれぞれ、L*,a*,b*値を測定し、n数5の平均値を求めた。なお、白色校正板、およびゼロ校正ボックスは下記のものを用いて校正を行った。さらに、彩度C*は、SCIのa*,b*のそれぞれの2乗の和の平方根として求めた。なお、測色値の計算に用いる光源はD65を選択した。
白色校正板 :CM−A103
ゼロ校正ボックス:CM−A104
(6)成形性
金型の形状は、8cm×8cmの正方形を上面とする凸型の四角柱であり、高さ15cmと、4頂点から底面への稜線は、5°、10°、15°、20°の傾斜をつけた。バイエル・ニーブリング社製HDVF超高圧成形機SAMK400(代理店ミノグループ)を用いて、成形テストを行った。成形条件は、フィルム温度で220℃、圧力10MPa、金温度70℃とした。成形性の評価は以下の基準で判断した。
なお、稜線部分のRは、3mmとした。
○:成形後、しわ・フィルム破れが全くなく、四角柱の角もしっかり出ている。
△:成形後、しわ、フィルム破れは、殆どなく、四角柱の角は甘い。
×:成形後、しわ、フィルム破れ・ひびが頻発し、四角柱の角は出ていない。
(7)光沢度計
デジタル変角光沢度計UGV−5D(スガ試験機製)を用いて、60°の入射角・反射角における光沢度を測定した。なお、本発明の反射フィルムにおける第1の部位の表面は、高光沢であるため、1/10減光フィルタを設置し、測定を行った。
(8)面倍率1.75の成形前後での色変化
フィルム幅15mmに変更し、(4)項の評価方法により、面倍率1.75の延伸サンプルを作成した。延伸前後の色調を(5)項の評価方法により、L*,a*,b*値を測定し、色差ΔEを求めた。色変化を以下の基準で評価した。なお、面倍率は、アフィン変形を前提とし、1/1.75×厚みの減少変化により、確認した。
○:色差ΔEが4未満。
△:色差ΔEが4以上8未満。
×:色差ΔEが8以上。
(但し、色差ΔE=√((Δa*)+(Δb*)+(ΔL*)):ΔL*,a*,b*は、各クロマティネス係数L*,a*,b*の延伸前後の差を表す。)

(熱可塑性樹脂)
樹脂Aとして、以下のものを準備した。
(樹脂A−1)テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行う。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020重量部を添加した後、重縮合反応層に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、IV=0.61のポリエチレンテレフタレートを得た。ガラス転移点温度80℃
(樹脂A−2)
IV=0.62 イソフタル酸(IPA 8モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。ガラス転移点温度 80℃
(樹脂A―3)
IV=0.57のナフタレン2,6-ジカルボン酸ジメチルエステル(NDC)とエチレングリコール(EG)を常法により重縮合して得らえたIV=0.43のポリエチレンナフタレート。
(樹脂A−4)
ポリカーボネート(出光興産製A1700)。ガラス転移点温度 150℃
(樹脂A−5)
IV=0.63 スピログリコール(SPG 45モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。ガラス転移点温度 110℃
(樹脂A−6)IV=0.63 テレフタル酸(TPA 30モル%)を共重合したポリエチレンナフタレート。ガラス転移点温度 115℃

一方、樹脂Bとしては、以下のものを準備した。
(樹脂B−1)IV=0.72シクロヘキサンジメタノール(CHDM 30モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−2)樹脂A−1と樹脂B−1を1:3で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−3)樹脂A−1と樹脂B−1を1:1で混合した共重合ポリエチレンテレフタレート。
(樹脂B−4)IV=0.62 イソフタル酸(IPA 12モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。ガラス転移点温度 80℃。
(樹脂B−5)
IV=0.63 スピログリコール(SPG 45モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。ガラス転移点温度 110℃
(樹脂B−6)IV=0.62 イソフタル酸(IPA 17モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレートとポリエーテルイミド(サビック社製DT1810EV)を1:1で混合したアロイポリマー。ガラス転移点温度 122℃。
(樹脂B−7)IV=0.73シクロヘキサンジメタノール(CHDM 60モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレートと樹脂A−4を85:15で混合したアロイポリマー。
(樹脂B−8)
IV=0.63 スピログリコール(SPG 20モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。ガラス転移点温度 95℃

易接着層として、以下のものを準備した。
(易接着)
粒径80nmのコロイダルシリカ5重量部に対して、下記組成のアクリル・ウレタン共重合樹脂および架橋剤125重量部の水系塗剤
「組成」
アクリル・ウレタン共重合樹脂(A):アクリル・ウレタン共重合樹脂アニオン性水分散体(山南合成化学製“サンナロン”WG−353(試作品))。アクリル樹脂成分/ウレタン樹脂成分(ポリカーボネート系)の固形分重量比が12/23、トリエチルアミンを2重量部用いて水分散体化。
オキサゾリン化合物(B):
オキサゾリン含有ポリマー水系分散体(日本触媒製“エポクロス”WS−500)
カルボジイミド化合物(C):
カルボジイミド水系架橋剤(日清紡ケミカル(株)“カルボジライト”V−04)
ポリチオフェン樹脂(D):
ポリエチレンジオキシチオフェン(化研産業製Bytron PEDOT)
固形分重量比:
(A)/(B)/(C)/(D)=100重量部/30重量部/30重量部/8重量部

[実施例1〜3]未延伸フィルム
表1に記載の樹脂Aおよび樹脂Bを90℃の窒素下で5時間乾燥後、それぞれ閉鎖系の搬送ラインにて、2台の二軸押出機に投入し、280〜290℃で溶融させて、それぞれ混練した。なお、ホッパー下部には、窒素パージを行った。次いで、2つのベント孔で、その真空圧を0.1kPa以下で真空ベントにより、オリゴマーや不純物などの異物を除去した。それぞれ、濾過精度6μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを10枚介した後、ギアポンプにて吐出比を、最表層部を考慮し、表1記載の隣接する樹脂A層と樹脂B層の層厚みの比の平均値A/Bの値となるように、図6に記したように特許番号4552936記載の積層装置と同じ方法で801層積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に801層積層された積層体とした。層厚み分布は、図7に記載したパターンとなるように、スリット間隙・長さを調整した。A層、B層それぞれについて、3つの傾斜構造を有する積層体とし、最表層を厚膜層とし、傾斜構造間にも厚膜層を形成した。一つの傾斜構造には、A層とB層が交互に267層積層されており、積層フィルムの両表面近傍が、最も層厚みが薄くなるように、3つの傾斜構造を配置する設計とした。また、3つの傾斜構造において、A層、もしくはB層の傾斜構造の薄膜層の設計において、最大層厚み/最小厚みの比である傾斜の度合いを2.8とするスリット設計を採用した。次いで、該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度が25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、未延伸フィルムを得た。
得られた積層フィルムの層厚み分布は、A層、およびB層それぞれについて、3つの傾斜構造を含んでおり、薄膜層について、表層側から267層番目まで、A層およびB層とも表層側から層厚みが単調増加していく傾斜構造を有していた。フィルム厚み方向中央部の残りの267層分についても、同様に傾斜構造を有していた。また、表層の厚膜層は、15μmであった。得られた結果を表1に示す。
分光光度計による相対反射率は、波長400〜2400nmの範囲において、均一であり、ハーフミラー調または無色透明の光沢感をもった積層フィルムであった。
成形倍率(面倍率)1.75においても、殆ど色変化なく、また、成形テストにおいても高い成形性が確認できた。加飾成形用途に好適な積層フィルムを得ることができた。
[実施例4]二軸延伸フィルム
表1記載の樹脂Aおよび樹脂Bに変更し(但し、樹脂Bの乾燥温度60℃)、実施例1と同様の方法で、未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを、縦延伸機で145℃、フイルム長手方向に3.0倍の延伸を行い、コロナ処理を施し、#4のメタバーで易接着層を片面に付与した。次いで、両端部をクリップで把持するテンターに導き150℃、フイルム幅方向に3.3倍横延伸した後、次いで240℃の熱処理を施し、150℃で約3%のフイルム幅方向に弛緩処理を実施し、厚み250μmの積層フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
分光光度計による相対反射率は、波長400〜2400nmの範囲において、高次の反射と一次の反射のバランスが不均一な部分が、近赤外領域に見られたが、銀白色の光沢感をもった積層フィルムであった。
成形倍率(面倍率)1.75において、僅かに色変化がみられ、また、成形テストにおいては、成形性は十分ではなかったが、加飾成形用途に十分用いることが可能な積層フィルムを得ることができた。
[実施例5〜7]二軸延伸フィルム
表1記載の樹脂Aおよび樹脂Bに変更し(但し、樹脂Aと樹脂Bの乾燥温度60℃)、実施例1と同様の方法で、未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを、縦延伸機で100℃、フイルム長手方向に3.2倍の延伸を行い、コロナ処理を施し、#4のメタバーで易接着層を片面に付与した。次いで、両端部をクリップで把持するテンターに導き110℃、フイルム幅方向に3.4倍横延伸した後、次いで235℃の熱処理を施し、150℃で約3%のフイルム幅方向に弛緩処理を実施し、厚み250μmの積層フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
分光光度計による相対反射率は、波長400〜1700nmの範囲において、均一な反射特性が得られ、銀白色または無色透明の光沢感をもった積層フィルムであった。
成形倍率(面倍率)1.75において、殆ど色変化なく、実施例7を除き、成形テストにおいても高い成形性が確認できた。加飾成形用途に好適な積層フィルムを得ることができた。
[実施例8]二軸延伸フィルム
表1記載の樹脂Aおよび樹脂Bに変更し(但し、樹脂Aと樹脂Bの乾燥温度60℃)、さらに、積層装置のスリット設計を変更した。スリット設計を、図3に記載した等比級数的な層厚み分布とした。(但し、図3とA/B、傾斜の度合いは異なる。)その他は、実施例1と同様の方法で、未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを、縦延伸機で95℃、フイルム長手方向に3.2倍の延伸を行い、コロナ処理を施し、#4のメタバーで易接着層を片面に付与した。次いで、両端部をクリップで把持するテンターに導き110℃、フイルム幅方向に3.4倍横延伸した後、次いで235℃の熱処理を施し、150℃で約3%のフイルム幅方向に弛緩処理を実施し、厚み175μmの積層フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
分光光度計による相対反射率は、波長400〜1700nmの範囲において、近赤外領域に局所的な強い反射(リップル)、および高次の反射と一次の反射のバランスが不均一な部分が見られたが、銀白色の光沢感をもった積層フィルムであった。
成形倍率(面倍率)1.75において、僅かに色変化がみられ、また、成形テストにおいては、保護層の厚みが薄いため、成形性は十分ではなかったが、加飾成形用途に十分用いることが可能な積層フィルムを得ることができた。
[実施例9〜13]二軸延伸フィルム
表1記載の樹脂Aおよび樹脂Bに変更し(但し、樹脂Aと樹脂Bの乾燥温度60℃)、さらに、積層装置のスリット数および傾斜の度合いを変更した。A層、B層それぞれについて、3つの傾斜構造を有する積層体とし、最表層を厚膜層とし、傾斜構造間にも厚膜層を形成した。一つの傾斜構造には、A層とB層が交互に301層積層されており、積層フィルムの両表面近傍が、最も層厚みが薄くなるように、図7と同様に、3つの傾斜構造を配置する設計とした。また、3つの傾斜構造において、A層、もしくはB層の傾斜構造の薄膜層の設計において、最大層厚み/最小厚みの比である傾斜度を3.0とするスリット設計を採用した。(但し、最表層のスリット設計は、実施例9〜10と実施例11〜13とは異なる。)その他は、実施例1と同様の方法で、未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを、縦延伸機で95℃、フイルム長手方向に3.2倍の延伸を行い、コロナ処理を施し、#4のメタバーで易接着層を片面に付与した。次いで、両端部をクリップで把持するテンターに導き110℃、フイルム幅方向に3.4倍横延伸した後、次いで235℃の熱処理を施し、150℃で約3%のフイルム幅方向に弛緩処理を実施し、積層フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
分光光度計による相対反射率は、波長400〜1900nmの範囲において、概ね高次の反射と一次の反射のバランスが均一な反射特性が得られ、無色透明の光沢感をもった積層フィルムであった。加飾成形用途に十分用いることが可能な積層フィルムを得ることができた。
[比較例1〜2]
表1記載の樹脂Aおよび樹脂Bに変更し(但し、樹脂Aと樹脂Bの乾燥温度60℃)、吐出比および厚みを変更する以外は、実施例13と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた評価結果を表1に示す。
比較例1の積層フィルムは、1次の反射を利用しているため、反射帯域が400〜1200nmまでしかなく、面倍率1.75倍の成形後には、赤く色付き、一方、比較例2は、高次の反射が低く、一次の反射とのバランスが悪いため、光沢感がなく、色付いていた。ゆえに、比較例1および2の積層フィルムは、成形前後においても、色付きがみられるため、加飾成形用途には、不適切な積層フィルムであった。
[比較例3]
比較例1の積層装置を変更する以外は、比較例1と同様な方法で、積層フィルムを得た。積層装置は、傾斜構造の数が、二つとなるように、フィルム厚み方向の中央部において、凸型の層厚み分布を採用した。具体的には、図8に記載した4つの傾斜構造のうち、傾斜構造12と傾斜構造13の対称関係で配置された層厚み分布となるスリット設計を採用した。なお、スリット板の数は、2枚とし、一つの傾斜構造は、245層から形成されている。得られた評価結果を表1に示す。
本願発明である傾斜の度合い、および隣接する樹脂A層と樹脂B層の層厚みの比を満たしておらず、得られた分光反射パターンは、図2(b)を可視光の低波長側へシフトしたものに類似していた。2次の反射と1次の反射の波長帯域に低反射率が存在し、視野角特性、さらには成形後にも、強く色付いていた。色付きがみられるため、加飾成形用途には、不適切な積層フィルムであった。
[比較例4]
樹脂Aを、150℃、3時間の条件で真空乾燥し、単軸押出機により、押出温度280〜290℃で樹脂Aを溶融して口金からシート状に吐出し、25℃のキャスティングドラム上で冷却固化した後、85℃に加熱したロールとラジエーションヒーターによってフィルムを加熱して、長手方向に3.3倍延伸し、続いてテンタにて幅方向に110℃で3.6倍延伸し、さらに該テンタの後続する熱処理ゾーンで230℃で熱処理することにより厚み188μmのポリエステルフィルムを得た。得られた評価結果を表1に示す。
本願発明の積層フィルムの実施例13と比べても明らかに光沢感もなく、成形性も悪く、形用途には不向きなポリエステルフィルムであった。
Figure 0006187211
本発明は、成形性が良く、色変化することなく、高光沢な積層フィルムを提供できるため、携帯電話、パソコンなどの情報通信機器、や洗濯機、炊飯ジャーなどの家電製品、自動車、アミューズメント、化粧品容器等のフィルムインサート成形に用いられる加飾成形用フィルムとして適用することが挙げられる。
1:A層
2:B層
3:1次の反射
4:3次の反射
5:5次の反射
6:2次の反射
7:積層装置
71:スリット板
72:スリット板
73:スリット板
8:合流器
9:接続管
10:口金
11:スリット板71によって形成された層厚みの傾斜構造
12:スリット板72によって形成された層厚みの傾斜構造
13:スリット板73によって形成された層厚みの傾斜構造
11L:スリット板71の流出口からの樹脂流路
12L:スリット板72の流出口からの樹脂流路
13L:スリット板73の流出口からの樹脂流路
11M:スリット板71の流出口に連通し、再合流器によって配置された樹脂流路
12M:スリット板72の流出口に連通し、合流器によって配置された樹脂流路
13M:スリット板73の流出口に連通し、合流器によって配置された樹脂流路
14 :樹脂流路の幅方向長さ
15 :口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さ
16 :口金流入口部での流路の断面
17 :口金リップのフィルム幅方向長さ
18 :層の並び順
19 :層厚み
20 :厚膜層の厚みを示す点
21 :樹脂Aの層厚み分布(太線)
22 :樹脂Bの層厚み分布(細線)

Claims (10)

  1. 少なくとも異なる2種の熱可塑性樹脂からなる樹脂A層と樹脂B層を交互に200層以上積層し、かつ、傾斜の度合い(最大層厚み/最小層厚み)が2以上の傾斜構造を含む積層フィルムであって、樹脂A層、および樹脂B層の繰り返し単位からなる層対厚み(d+d)において、下記(1)〜(4)式のいずれか1つを満足する層対の数が、全層対の数の40%以上であり、波長400〜1600nmの波長帯域において、連続して反射率が8%以上であることを特徴とする積層フィルム。
    (i)2.5≦A/B≦3.5、あるいは1/3.5≦A/B≦1/2.5のとき
    900(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦2700(nm)・・・(1)式
    (ii)3.5<A/B≦4.5、あるいは1/4.5≦A/B≦1/3.5のときのとき
    1200(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦3600(nm)・・・(2)式
    (iii)4.5<A/B≦5.5のとき、あるいは1/5.5≦A/B≦1/4.5のとき
    1500(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦4500(nm)・・・(3)式
    (iv)5.5<A/B≦6.5のとき、あるいは1/6.5≦A/B≦1/5.5のとき
    1800(nm)≦ {1.6×2×(d+d)} ≦5400(nm)・・・(4)式
    ここで、dおよびdは各層対におけるA層及びB層のそれぞれの厚み(nm)、A/Bは、隣接する樹脂A層と樹脂B層の層厚みの比の当該積層フィルムにおける平均値
  2. 波長400〜800nmの平均反射率が、波長800nm〜1600nmの平均反射率以上である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 結晶融解熱が35J/g以下であり、150℃での破断点伸度が250%以上である請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 150℃の温度環境下における破断点応力が、150MPa以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. ガラス転移点が90℃以上である請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. ポリカーボネートと共重合ポリエステルとのアロイ樹脂を含んでなる請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. ポリエーテルイミドと共重合ポリエステルとのアロイ樹脂を含んでなる請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 最表層に5μm以上の保護層がある請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかの積層フィルムを用いた加飾成形フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかの積層フィルムを用いた成形体。
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