JP6318578B2 - 積層フィルムロールおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムロールおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6318578B2
JP6318578B2 JP2013242495A JP2013242495A JP6318578B2 JP 6318578 B2 JP6318578 B2 JP 6318578B2 JP 2013242495 A JP2013242495 A JP 2013242495A JP 2013242495 A JP2013242495 A JP 2013242495A JP 6318578 B2 JP6318578 B2 JP 6318578B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
film
layer
polyester resin
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013242495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015100978A (ja
JP2015100978A5 (ja
Inventor
直哉 小西
直哉 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2013242495A priority Critical patent/JP6318578B2/ja
Publication of JP2015100978A publication Critical patent/JP2015100978A/ja
Publication of JP2015100978A5 publication Critical patent/JP2015100978A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6318578B2 publication Critical patent/JP6318578B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、フィルム長手方向の色調安定性に優れた積層フィルムに関する。
2種類以上の樹脂材料を厚み方向に積層した多層構造を持つ積層フィルムは、各樹脂材料の層の厚み分布がその積層フィルムの色調特性を決定するため、非常に高い積層精度が要求される。
積層フィルムの一般的な製造方法としては、2種類以上の溶融状態の樹脂材料をフィードブロックのマニホールドに供給し、各マニホールドに供給された樹脂材料を複数のスリットを通して分流することにより複数の層をもつ積層体を形成し、この積層体を積層体の幅方向(以下、幅方向と称する)に延びるスリット間隙を有するフラットダイから吐出し、積層体を形成する方法が知られている。そして、スリットダイから吐出された積層体は固化され、そのまま、あるいは、延伸・熱処理等の後処理が施され、積層フィルムとなる。
共押出でフィードブロックを用い多層フィルムを製造するにあたり、例えば特許文献1や特許文献2に製造方法が、また特許文献3に製造装置が開示されている。
また、特許文献4に各層の厚みに分布をつける方法及び装置が開示されている。
さらに、特許文献5に加熱溶融温度における溶融粘度が互いに相違する複数の樹脂を積層して成る多層樹脂フィルムを、マルチマニホールドダイを用いて製造する方法において、前記複数の樹脂が通る、マニホールドに連続して設けられた押出機、マニホールド、及びマニホールドに隣接するダイのそれぞれの温度を制御して、隣接する樹脂層の溶融粘度の差を制御する方法が開示されている。
米国特許第3557265号公報 米国特許第4627138号公報 米国特許第3884606号公報 米国特許第5389324号公報 特開2005−53032号公報
特許文献1〜3記載の製造方法および装置は、樹脂粘度の変化により各層の積層厚みに変化が起こるため、フィルムの長手方向に亘り色調が安定した積層フィルムを製造することができない。
特許文献4記載の製造方法および装置は、各層の厚み分布を任意に調整できるがフラットダイの中でフィルムの長手方向に意図しない各層厚みの変化があった場合、この変化を調整できない。
特許文献5記載の製造方法は、各樹脂粘度の変化により各層の積層厚みに変化が起きてしまう為、フィルムの長手方向に亘り、色調が安定した積層フィルムを製造することができない。
そこで本発明の課題は上記した従来技術の問題点を解決し、大量生産された積層フィルムロール間、より具体的にはフィルム長手方向の色調安定性に優れた積層フィルムを安定的に提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するための達成手段は次のようである。すなわち、
ポリエステル樹脂Aを用いてなる層(以下、A層という)と、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールのジオール残基を構成成分とするポリエステル樹脂Bを用いてなる層(以下、B層という)が、交互にそれぞれ50層以上積層された構造を含む二軸延伸フィルムを巻き取ってなるフィルムロールの製造方法であって、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bの各樹脂をせん断速度10s−1以下で共押出し、スリット状流路を有するフィードブロックを用いて厚み方向に交互に積層し、フラットダイに流入させるに際し、フィードブロックのスリット状流路入口から出口における溶融状態の各樹脂の粘度偏差が6%以下にすることによって達成できる。
さらに、本発明は、ポリエステル樹脂Aを用いてなる層(以下、A層という)と、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールのジオール残基を構成成分とするポリエステル樹脂Bを用いてなる層(以下、B層という)が、交互にそれぞれ50層以上積層された構造を含む二軸延伸フィルムを巻き取ってなる二軸延伸フィルムロールであり、
連続して生産された長さ500m〜2000mのフィルムロールの50個について測定された色差△Eの最大値が2.0未満である二軸延伸ポリエステルフィルムロールである。
本発明は、フィルム長手方向の色調安定性に優れた積層フィルムを安定かつ大量に提供することができる。家電や自動車内装などの加飾・装飾部材として、色差を感じにくい積層フィルムを安定的に提供することができる。
図1は、実施例1〜7、比較例1〜4の設計層厚みを説明するための図である。
ポリエステル樹脂Aを用いてなる層(以下、A層という)と、ポリエステル樹脂Bを用いてなる層(以下、B層という)が交互にそれぞれ50層以上積層された構造を含む二軸延伸フィルムを巻き取ってなるフィルムロールは、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bの各樹脂をせん断速度10s−1以下で共押出し、スリット状流路を有するフィードブロックを用いて厚み方向に交互に積層し、フラットダイに流入させるに際し、フィードブロックのスリット状流路入口から出口における溶融状態の各樹脂の粘度偏差が6%以下で製造することによって達成できる。
本発明において使用するポリエステル樹脂Bは、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールのジオール残基を構成成分とし、連続して生産された長さ500m〜2000mのフィルムロールの50個について測定された色差△Eの最大値が2.0未満であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムロールである。このような構成をとることにより、金属調としての色調安定性および質感に優れ、また、成形性に優れることから成形加工しても品位の良いものを安定かつ大量に得られる。
本発明におけるロール体の長手方向の巻長さは500m以上であることが必要で有り、好ましくは1000m以上である。通常積層フィルムを加工する際には、フィルムロール単位での不連続加工である場合が多く、ロール入れ替えの必要がある。加工費削減のためには加工サイクルタイムを短縮することが有効であり、巻き長さが500m未満の場合、ロール入れ替え作業により、サイクルタイムが長くなるため好ましくない。ロール巻長さの上限値は2000m以下である。
また本発明において、連続して生産された長さ500m〜2000mのフィルムロールを50個色差△Eを測定し、それらの間の色差△Eの最大値が2.0未満であることが必要である。積層フィルムを安価で製造するには、1シリーズの製造において多くのフィルムロールを製造する必要がある。いかなる製造機会に得られたフィルムロールにおいて、また少なくとも1度の製造で得られたフィルムロールおける色差△Eは、色差を感じにくい2.0未満である必要がある。なぜなら、色差が2.0以上の場合は、人が感じるほどの色差となり、積層フィルムを加工して得られた製品の外観が均一にならないことがあるため好ましくないからである。色差△Eが1.0未満であることが好ましく、色差△Eが0.5未満であることがより好ましい。色差△Eが0.5未満であると色むらがほとんど発生しない。
本発明における「交互に積層した構造を含む」とは、前記A層およびB層が厚み方向に交互に出現する構造を有していることを意味する。すなわち、本発明のフィルム中のA層とB層の厚み方向における配置がランダムな状態ではないことが好ましく、また、A層、B層、樹脂Cからなる場合には、CA(BA)n、CA(BA)nC、A(BA)nCA(BA)mなど、C層が最外層もしくは中間層に積層される構成であっても良い。ここでnおよびmは整数であり、例えばA(BA)nにおいてn=3の場合、厚み方向にABABABAの順列で積層されていることを表す。
また、本発明ではA層とB層とを交互にそれぞれ50層以上含まなければならない。より好ましくは、200層以上である。さらに、好ましくはA層とB層の総積層数が600層以上である。50層未満の場合、十分な反射率が得られなくなり、輝度の高い金属調の外観にならないことがある。また、樹脂Aからなる層(A層)と樹脂Bからなる層(B層)が交互にそれぞれ200層以上含まれていると、波長帯域400nm〜700nmの反射率を20%以上とすることが可能となる。また、A層とB層の総積層数が600層以上であると、波長帯域400nm〜700nmの反射率を60%以上とすることが容易となり、非常に輝度の高い金属調の外観を有することが容易となる。また、積層数の上限値としては特に限定するものではないが、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、3000層以下であることが通常の使用では一般的である。
本発明に用いるポリエステル樹脂Aは、ジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して得られる構造を有する。ポリエステル樹脂Aは共重合体であっても良い。ポリエステル樹脂Aとして用いうるものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンジフェニルレートなどが代表的なものである。特にポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ好ましい。
また、本発明において共重合ポリエステルとは、ジカルボン酸成分とジオール成分が合わせて少なくとも3種以上用いて重縮合して得られる構造を有する。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。グリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。本発明のフィルムロールとなる積層フィルムでは、樹脂Aがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂Bは、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールのジオール由来の残基を含んでいることが必要である。典型的な例としては、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールを用いて共重合して得られる構造を有した共重合ポリエステルや該2種のジオールを用いて重合して得られる構造を有したポリエステルをブレンドして得られるポリエステルがある。この構成であると成形加工し易く、かつ反射率も高いために好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、本発明の目的を阻害しない範囲において他の樹脂が含まれていてもよい。例としてあげれば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などの樹脂があげられる。また、巻き特性、剛性、光学特性などの機能を付与するために、コロイダルシリカ、酸化チタン、架橋ポリスチレンなどの粒子が含まれていても問題ない。これらの樹脂や粒子は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その添加量は限定されないが、好ましい範囲としては10重量%未満である。
本発明おいて、A層の面内平均屈折率はB層の面内平均屈折率より相対的に高いものであることが好ましい。 特に本発明では、ポリエステル樹脂Aがポリエチレンテレフタレートであり、ポリエステル樹脂Bがシクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステルであることが好ましい。より好ましくは、シクロヘキサンジメタノールの共重合量が15mol%以上60mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体である。このようにすることにより、高い反射性能を有しながら、特に加熱や経時による光学的特性の変化が小さく、層間での剥離も生じにくくなる。より好ましくは、ポリエステル樹脂Aがポリエチレンテレフタレートであり、ポリエステル樹脂Bがシクロヘキサンジメタノールの共重合量が20mol%以上30mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体である。ポリエステル樹脂Bがシクロヘキサンジメタノールの共重合量が20mol%以上30mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体であると、積層フィルムの反射ピークの反射率が高反射率となり、熱履歴による光学特性の変化もさらに少なく、層間接着性も格段に優れ、かつ製膜時のやぶれも生じにくくなり生産性にも優れるものとなる。シクロヘキサンジメタノールの共重合量が20mol%以上30mol%以下であるエチレンテレフタレート重縮合体は、ポリエチレンテレフタレートと非常に強く接着する。また、そのシクロヘキサンジメタノール基は幾何異性体としてシス体あるいはトランス体があり、また配座異性体としてイス型あるいはボート型もあるので、ポリエチレンテレフタレートと共延伸しても配向結晶化しにくく、高反射率で、熱履歴による光学特性の変化もさらに少なく、製膜時のやぶれも生じにくいものとなると考えられる。
前述の通り、A層とB層は、金属光沢調を発するためにはその面内平均屈折率が異なることが好ましい。A層の面内平均屈折率はB層の面内平均屈折率より相対的に高いことが好ましい。また、A層の面内平均屈折率とB層の面内平均屈折率の差が、0.03以上であることが好ましい。より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。面内平均屈折率差が0.03未満の場合、十分な反射率が得られないことがあるため好ましくない。また、A層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率の差が0.03以上であり、B層の面内平均屈折率と厚み方向屈折率差が0.03以下であると、入射角が大きくなっても、反射ピークの反射率低下が起きないため、より好ましい。A層とB層の面内屈折率差を高くするには、B層樹脂の結晶融解温度を、235℃以下にすることが好ましく、そうすることによりテンターの熱処理でB層が配向緩和するため、より屈折率差が高くなる。また、B層が非晶性であると、高温下でも結晶化が生じにくいため、白化といった問題が生じないため好ましい。ここでいう非晶性とは、示差熱量分析(DSC)において昇温速度5℃/分で昇温させたときの結晶融解熱量が0.1mJ/mg未満であることを指す。
ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの好ましい組み合わせとしては、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bのガラス転移温度差が20℃以下である組合せが好ましい。ガラス転移温度差が20℃より大きい場合には積層フィルムを製膜する際の厚み均一性が不良となり、金属光沢の外観不良となり易くなる。また、積層フィルムを成形する際にも、過延伸が発生するなどの問題が生じやすい。
本発明のフィルムロールとなる積層フィルムは、波長帯域400nm〜700nmの絶対反射率が20%以上であることが必要である。これにより光沢感のあるフィルムを得ることができる。そのためには、層厚みを20nm以上500nm以下の範囲で徐々に厚くもしくは薄くすることにより、反射する帯域を希望の値に近づけることができる。より理想的な層厚みの範囲としては、30nm以上370nm以下である。
また、フィルム両表面における波長帯域400nm〜1000nmの絶対反射率が20%以上であることがより好ましい。この場合、成形後も光沢感を維持し、視野角によっても色の変化がほとんど起きないものとなる。これは、可視光より高波長側(700nm以上)も絶対反射率が20%以上であるためで、例え延伸によってフィルム厚みが薄くなったり、視野角によって反射帯域が低波長側にシフトしても、可視光領域の絶対反射率は20%以上を維持できるためである。より好ましくは、波長帯域400nm〜1000nmの絶対反射率が60%以上である。絶対反射率があがるほど光沢感が高くなり、金属調の外観とすることが可能となる。反射帯域は各層の層厚みを、下記式Aに基づいて反射が起こるように設計される。また、反射率についてはA層とB層の屈折率差と、A層とB層の層数にて制御する。
2×(na・da+nb・db)=λ 式A
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
波長帯域400nm〜700nmの絶対反射率が20%未満の場合、輝度の高い金属調の外観とはならず、家電や自動車内装などへの意匠性が下がるため好ましくない。
本発明のフィルムロールとなる積層フィルムは、波長帯域400〜1400nmの絶対反射率が20%以上であることがもっとも好ましい。この場合、高温成形時で深絞り成形を行った後でも、色の変化がほとんど起きないものとなる。より好ましくは50%以上であり、この場合、高温成形時で深絞り成形を行った後でも、色の変化が全く起きないものとなる。さらに好ましくは75%以上であり、色の変化が全くなく、かつ金属光沢に優れるものである。
また、本発明のフィルムロールとなる積層フィルムを成形体に用いる場合、該成形体は樹脂製の基材とその基材の表面に一体的に積層された本発明のフィルムロールとなる積層フィルムと、必要に応じて着色層を具備することが好ましい。基材の材質は、各種成形法で成形できるものであれば特に制限されないが、例示としてアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、FPR樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルメチレン樹脂、ポリプロピレン発泡樹脂などがあげられる。またその色調、形状は、目的に応じて種々選択できる。好ましい樹脂としては、アクリル樹脂などの硬度の高い樹脂基材を使うことにより表面硬度も向上することから好ましい。樹脂成形と積層フィルムとの一体成形の方法としては、図柄等を印刷した加飾成形用のシートもしくはフィルムを用いて、インモールド加飾成形により該シートを成形体の基材表面に一体化する方法が広く行われているが、特に限定されず、他にも、射出成形、プレス成形、インモールド転写成形法、サーモジェクト法、CFI法などで行ってもよい。
また、本発明のフィルムロールとなる積層フィルム表面に、本発明の効果を阻害しない範囲で、ハードコート層、着色層、易滑層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、紫外線吸収層、印刷層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、エンボス層、接着層などの機能性層を形成してもよい。
本発明のフィルムは、ポリマーで構成され、金属や重金属などを基本的には含まないため、環境負荷が小さく、リサイクル性にも優れ、電磁波障害を起こさないものである。また、真空成形、真空圧空成形、プラグアシスト真空圧空成形、インモールド成形、インサート成形、冷間成形、プレス成形などの各種成形法が適用できるため、低コストで立体形状を形成するものとすることが可能である。成形方法は、特に限定されるものではなく、一般に公知の成形方法、例えば、真空成形法、真空・圧空成形法、ブロー(吹き込み)成形法、プレス成形法、インサートインジェクション成形法、インモールド(金型内)成形法、押し出し成形法等で成形することができる。真空成形法および真空・圧空成形法とは、まず熱可塑性樹脂基材の全面または一部に成形加工用粘着シートを貼付しておき、この積層体を成形機の所定の位置に設置し、加熱軟化させ、木型または金型を下から送り込み、真空に引いて型に密着させ(真空成形法)、または真空に引くと共に反対側から圧縮空気で押して型に密着させ(真空・圧空成形法)、成形体を冷却後に型からはずして成形体を得る成形法である。
次に、本発明における積層フィルムロールの好ましい製造方法を以下に説明する。
多層積層押出法によるポリエステルフィルムの製造方法について詳細に説明する。2種類のポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機に供給された樹脂は押出機内において、融点以上で加熱溶融されるが、本発明において溶融状態の各樹脂の温度偏差は、3℃以下が好ましく、2℃以下がより好ましく、1℃以下が最も好ましい。また、スリット状流路を有するフィードブロックを用いて厚み方向に交互に積層し、フラットダイに流入させるに際し、フィードブロックのスリット状流路入口から出口における溶融状態の各樹脂の粘度偏差は、6%以下であることが必要で有り、3%以下が好ましく、1.5%以下が最も好ましい。各樹脂の粘度に偏差が生じると、フィードブロックのスリット状流路を流れる樹脂量が変化し、各樹脂の層厚みが変化する。各樹脂の粘度偏差が6%を超える場合、人が感じるほどの色差となるため好ましくない。
加熱溶融されたポリエステル樹脂A、Bは、押出機スクリューにて共押し出されるが、そのせん断速度は、10s−1以下であり、5s−1以下が最も好ましい。せん断速度により樹脂粘度変化が発生する場合があり、その現象による色調変動を避けるためである。
せん断速度が10s−1を超える場合、せん断速度の微小変動に対する樹脂粘度の変化が大きく、ロバスト性の観点から好ましくない。
融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルター等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出されたポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、次に多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックを用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。そのフィードブロックの構造は、多数の微細スリットを有する櫛形のスリット板に部材を少なくとも1個有しており、2つの押出機から押し出された樹脂Aと樹脂Bとが、各マニホールドを経由して、スリット板に導入される。ここでは導入板を介して、樹脂Aと樹脂Bが選択的に交互にスリットに流入するため、最終的にはA/B/A/B/A・・・といった多層膜を形成することができる。また、スリット板をさらに重ね合わせることにより、層数を増やすことも可能である。また、両表層部に樹脂Cを設ける場合は、3つ目の押出機から樹脂Cを3層複合装置(フィードブロック)の表層側に導入し、中央層に多層膜を導入することによって、C/A/B/A・・・A/B/A/Cといった多層膜を形成することができる。
このようにして多層積層された溶融体を、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、たとえば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
次いで、かかる未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行なう。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは、2.5〜3.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍、特に好ましくは3〜3.4倍が採用される。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましい。また延伸温度は、ガラス転移点〜(ガラス転移点+50℃)の温度が採用されるが、さらに好ましくは90〜130℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を100〜120℃、幅方向の延伸温度を90〜110℃とするのがよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なう。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行なうことができる。この熱処理は120℃以上、ポリエステルの融点以下の温度で行われるが、200〜240℃の熱処理温度とするのが好ましい。フィルムの透明性、寸法安定性の点からは210〜235℃であればより好ましい。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行なうのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、横延伸工程の前で、インク印刷層や接着剤、蒸着層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、コーティング層を設けることもできる。このときの塗工液はロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、バーコーター、ダイコーター、ディップコーター等の公知の塗工手段を用いて、前記透明基材に塗布する。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行なうことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行なうのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)押出機せん断速度
樹脂温度測定中の押出機スクリューの1秒間当たりの回転数を1分間測定した全せん断速度データの平均値。
(2)樹脂最高温度 樹脂最低温度
フィードブロックのスリット状流路入口直前で1時間毎に1分間、1秒毎の60データの平均値の最大値および最小値を、それぞれ樹脂最高温度および樹脂最低温度とした。
(3)樹脂最高粘度 樹脂最低粘度
オンラインに樹脂粘度計がない為、オフラインのレオメーター(樹脂粘度計)にて測定した。測定時の樹脂温度はオンラインの「フィードブロックスリット流路入り口」で樹脂温度の最大値、最小値を設定し、一方、せん断速度はオンラインの「押出機回転数」から測定したせん断速度の平均値を設定した。
(4)樹脂粘度偏差
最小樹脂温度、最大樹脂温度にてそれぞれ測定した各樹脂粘度の最大値と最小値の差を最小値で除した値を樹脂粘度偏差とした。
(5)色差△E
コニカミノルタセンシング株式会社製 分光測色計CM−3600dを使用した。巻長さ1000m、幅1000mmの積層フィルムロール50本を製造し、各々のロールの最表層より、幅方向における中央位置の明度L*と色度(a*、b*)を長手方向に100mm毎に、10点測定し、その平均値を各々のフィルムロールの明度L*と色度(a*、b*)とした。得られた各々のフィルムロールの明度L*、色度(a*,b*)より、得られた各々のフィルムロールの表層で測定した10点平均値を基に下記の式から色差△Eの最大値を求めた。
測定の手順としては、分光測色計付属のゼロ構成ボックスで反射率のゼロ構成を行い、続いて付属の白色校正板を用いて100%校正を行った後、以下の条件でフィルムの明度L*及び色度(a*、b*)を計測した。次に明度L*および色度(a*、b*)と明度L*および色度(a*、b*)について50本の積層フィルムロールの色差△Eの最大値を求めた。
具体的には、製造した50本のフィルムロールの内、50本目に製造したフィルムロールからサンプリングしたものを色調の基準品として各フィルムロールとの色差△Eを測定し、その中で色差△Eの最大値を求めた。色差△Eが0に近い程色調が安定し、一方、△Eが2.0以上になると色目を感じる。
△E=((△L*)+(△a*)+(△b*)1/2
彩度の計算に用いた明度、色度はSCIの値を用いた。
モード:反射、SCI/SCE同時測定
測定径:8mm
光源:D65
視野角:10度
サンプル:非測定面側に黒色ビニールテープ(日東電工製N021トクハバ)。
(6)色調安定度
フィルムロールの表層の幅方向中央位置からサンプリングし、基準品との色差△Eを測定して下記の評価基準に従い色調安定度を判定した。製造した50本中のフィルムロールの内、50本目に製造したフィルムロールからサンプリング品を色調基準として各フィルムロールの△Eを測定し、△Eが2未満の不合格本数を調べた。
判定 良好○ : 不合格数 3本以下
不良× : 不合格数 4本以上。
(7)反射率
島津製作所製の分光光度計UV−3150を用いて測定した。
入射角5°の絶対反射率測定装置 ASR−3105を取り付け、付属の取扱説明書に従い、以下の条件にて400〜700nmまでの絶対反射率を測定した。サンプルは、50個の積層フィルムロールについて△E測定と同一箇所から、採取し、反射率はその50個の積層フィルムロールでの値の平均値とした。
スキャンスピード:高速
サンプリングピッチ:1nm
測定モード:シングル
スリット幅:30nm
光源切り替え波長:360nm
検出器切替波長:805nm
S/R切り替え:標準
検出器ロック:自動
スリットプログラム:標準
なお、本発明における反射帯域は、400〜700nmの波長範囲の間で、連続して20%
以上の絶対反射率を示す波長範囲として定義される。
(8)フィルム厚み
ソニー・プレシジョン・テクノロジー株式会社製のデジタルマイクロメーターμメイトM−30を用いて、任意の10点のフィルム厚みを測定して、その平均値をフィルム厚みとした。
(9)各層厚み
ミクロトームを用いて、断面を切り出したサンプルについて、日立製作所製H−7100FA型透過型電子顕微鏡(TEM)により、加速電圧75kV,4万倍で撮影された断面TEM写真を画像解析することで各層厚みを求めた。尚、樹脂A層とB層間のコントラストを高く得るために、RuOを使用して、樹脂B層を染色した。画像解析は、得られた断面TEM写真をスキャナーを用いて画像サイズ600dpi以上で圧縮画像ファイル(JPEG)でパーソナルコンピューターに取り込み、画像処理ソフトImage−Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、位置と輝度の関係を数値化し、次いで、Excel2003のVBAを用いて明暗の境界値を微分曲線により同定するプログラムを用いて各層厚みを算出した。
(実施例1)
2種類のポリエステル樹脂AおよびBを用いた。ポリエステル樹脂Aとして、固有粘度0.65、結晶融解温度255℃、結晶融解熱量41mJ/mg、結晶化温度155℃のポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも表す)[東レ製F20S]を用い、ポリエステル樹脂BとしてGN001[イーストマンケミカル製 1,4−シクロヘキサンジメタノールがグリコール成分に対し30mol%共重合された共重合ポリエステル](以下、PETGということがある)と、PET(結晶性樹脂として)[東レ製F20S]を82/18の重量比率で混合し、ベント付きの同軸二軸押出機にて溶融混練して吐出物を冷水にて固化したチップを用いた。これらポリエステル樹脂Aおよび結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bは、それぞれ乾燥した後、別々の押出機に供給した。
ポリエステル樹脂Aは、押出機にてせん断速度2.5s−1で、結晶性樹脂が分散されたポリエステル樹脂Bは、押出機にてせん断速度4.2s−1で溶融状態とした。フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステル樹脂AおよびBの樹脂温度が、樹脂A最高温度280.2℃、最低温度280℃、樹脂B最高温度295.2℃、最低温度295℃となるように制御した。樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Aの最高・最低粘度とも2100poise、ポリエステル樹脂Bの最高・最低粘度とも2975poiseであり、粘度偏差はいずれの樹脂も0%である。溶融状態の各樹脂は、個別のギヤポンプ及びフィルターを介して、301個のスリットを有する部材を別個に3個有する901層のフィードブロックにて合流させた。なお、両表層部分は樹脂Aとなり、樹脂Aと樹脂Bが交互に積層され、かつ隣接する樹脂Aからなる層と樹脂Bからなる層の層厚みは、ギヤポンプにて吐出比がポリエステル樹脂A/ポリエステル樹脂B=1.1/1になるように計量しながら、設定した。つづいて、フラットダイに導いてシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、キャストフィルムを得た。
得られたキャストフィルムを、75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.3倍延伸し、その後一旦冷却した。両面に(ガラス転移温度が18℃のポリエステル樹脂)/(ガラス転移温度が82℃のポリエステル樹脂)/平均粒径100nmのシリカ粒子からなる積層形成膜塗液を塗布し、透明・易滑・易接着層を形成した。
この一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で横方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で240℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に5%の弛緩処理を施し、その後、室温まで徐冷後、巻き取った。得られたフィルムの厚みは、100μmであった。この積層フィルムの設計層厚みは、図1のとおりであり、スリット間隙を調整することにより、各層の層厚みを制御した。この積層フィルムとしての構成及び特性は表1の通りである。1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は良好であった。またフィルム反射率は50%であった。
(実施例2)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルBの樹脂温度が、最高温度295.5℃、最低温度295℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2975poise、最低樹脂粘度は2940poiseであり、粘度偏差は1.2%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は良好であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(実施例3)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルBの樹脂温度が、最高温度296℃、最低温度295℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2975poise、最低樹脂粘度は2900poiseであり、粘度偏差は2.5%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は良好であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(実施例4)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルBの樹脂温度が、最高温度297℃、最低温度295℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2975poise、最低樹脂粘度は2835poiseであり、粘度偏差は4.7%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は良好であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(実施例5)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルAの樹脂温度が、最高温度281℃、最低温度280℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2100poise、最低樹脂粘度は2060poiseであり、粘度偏差は1.9%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は良好であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(実施例6)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルAの樹脂温度が、最高温度282℃、最低温度280℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2100poise、最低樹脂粘度は2020poiseであり、粘度偏差は3.8%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は良好であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(実施例7)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルAの樹脂温度が、最高温度282.5℃、最低温度280℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2100poise、最低樹脂粘度は1980poiseであり、粘度偏差は5.7%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は、可○であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(比較例1)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルBの樹脂温度が、最高温度298℃、最低温度295℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2975poise、最低樹脂粘度は2765poiseであり、粘度偏差は7.1%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は不良であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(比較例2)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルBの樹脂温度が、最高温度299℃、最低温度295℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2975poise、最低樹脂粘度は2700poiseであり、粘度偏差は9.2%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は不良であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(比較例3)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルAの樹脂温度が、最高温度283℃、最低温度280℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2100poise、最低樹脂粘度は1940poiseであり、粘度偏差は7.6%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は不良であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(比較例4)
フィードブロックのスリット状流路入口直前で測定したポリエステルAの樹脂温度が、最高温度284℃、最低温度280℃となるように制御した。上記の方法で樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Bの最高粘度は2100poise、最低樹脂粘度は1900poiseであり、粘度偏差は9.5%である。そのこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。本条件で、1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りであり、色調安定性の判定は不良であった。またフィルム反射率はそれぞれ50%であった。
(比較例5)
ポリエステル樹脂BとしてPETGと、PET[東レ製F20S]を41/59の重量比率で混合したこと以外は、実施例1記載の方法にて積層フィルムを得た。樹脂粘度を測定した結果、ポリエステル樹脂Aの最高・最低粘度とも2100poise、ポリエステル樹脂Bの最高・最低粘度とも2550poiseであり、粘度偏差はいずれの樹脂も0%である。本条件で1000mのフィルムロール50本を製造した。各々のフィルムロールの測定値から△Eを算出し、評価した結果は表1の通りである。フィルム反射率15%であり、金属光沢感が足らず、色調安定性の判定は不良であった。
Figure 0006318578
本発明は、金属光沢調に優れ、フィルム長手方向の色調安定性に優れた積層フィルムを安定かつ大量に提供することができる。より具体的には、大量生産された積層フィルムロール間の色差△Eが2.0未満であり、家電や自動車内装などの加飾・装飾部材として、色差を感じにくい積層フィルムを安定的に提供することができる。

Claims (3)

  1. ポリエステル樹脂Aを用いてなる層(以下、A層という)と、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールのジオール残基を構成成分とするポリエステル樹脂Bを用いてなる層(以下、B層という)が、交互にそれぞれ50層以上積層された構造を含み、波長帯域400nm〜700nmの絶対反射率が20%以上である二軸延伸フィルムを巻き取ってなるフィルムロールの製造方法であって、
    ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bの各樹脂を押出機内において各樹脂の融点以上で加熱溶融させた後せん断速度10s−1以下で共押出し、スリット状流路を有するフィードブロックを用いて厚み方向に交互に積層し、フラットダイに流入させるに際し、フィードブロックのスリット状流路入口から出口における溶融状態の各樹脂の粘度偏差が6%以下であり、前記押出機内におけるポリエステル樹脂Aの温度偏差が0.2℃以上2.5℃以下、ポリエステル樹脂Bの温度偏差が0.2℃以上2.0℃以下である二軸延伸ポリエステルフィルムロールの製造方法。
  2. 前記フィードブロックのスリット状流路入口におけるポリエステル樹脂Aの樹脂最高温度が280.2℃以上282.5℃以下、ポリエステル樹脂Bの樹脂最高温度が295.2℃以上297.0℃以下とする請求項1に記載の二軸延伸ポリエステルフィルムロールの製造方法。
  3. 連続して生産された長さ500m〜2000mのフィルムロールの50個について測定された色差△Eの最大値が2.0未満である請求項1または2に記載の二軸延伸ポリエステルフィルムロールの製造方法。
JP2013242495A 2013-11-25 2013-11-25 積層フィルムロールおよびその製造方法 Active JP6318578B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013242495A JP6318578B2 (ja) 2013-11-25 2013-11-25 積層フィルムロールおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013242495A JP6318578B2 (ja) 2013-11-25 2013-11-25 積層フィルムロールおよびその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015100978A JP2015100978A (ja) 2015-06-04
JP2015100978A5 JP2015100978A5 (ja) 2016-09-01
JP6318578B2 true JP6318578B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=53377117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013242495A Active JP6318578B2 (ja) 2013-11-25 2013-11-25 積層フィルムロールおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6318578B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60114821U (ja) * 1984-01-09 1985-08-03 株式会社 松村製作所 合成樹脂材のフイルム加工装置におけるtダイス
JP2009262466A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Toray Ind Inc 成形体または積層フィルム
JP5418235B2 (ja) * 2009-01-14 2014-02-19 東レ株式会社 積層フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015100978A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI464056B (zh) 積層薄膜及成形體、反射體
KR101354011B1 (ko) 적층 필름 및 성형체
US8349439B2 (en) Multilayered film and molded article
JP5418235B2 (ja) 積層フィルム
JP2016083875A (ja) 積層シートおよびその製造方法
JP2015164798A (ja) 加飾用金属光沢調フィルム
KR20120090957A (ko) 성형용 필름
JP4967486B2 (ja) 延伸フィルムならびにその成型品
JP6318578B2 (ja) 積層フィルムロールおよびその製造方法
JP2017132255A (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP4857795B2 (ja) 回路搭載シートおよびicカード、icラベル
JP2016064643A (ja) 二軸延伸積層フィルムおよびその製造方法
JP5169317B2 (ja) 成形体
JP6187211B2 (ja) 積層フィルム
JP2007210142A (ja) 積層フィルムおよび成形体またはカード
JP6880621B2 (ja) 熱可塑性樹脂フィルム
JP2024001426A (ja) 積層ポリエステルフィルムロール
JP2016153224A (ja) 二軸延伸積層フィルム
TWI787362B (zh) 積層薄膜
JP5834415B2 (ja) 積層フィルムの製造方法および成型体の製造方法
JP2017149142A (ja) 成型用積層フィルム及びそれを用いた成型品
JP2017043083A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP7342651B2 (ja) フィルム
JP2021143308A (ja) 熱可塑性樹脂フィルム
JP2017052273A (ja) 積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160719

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180319

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6318578

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151